JPH0526106A - エンジン - Google Patents
エンジンInfo
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- JPH0526106A JPH0526106A JP20323991A JP20323991A JPH0526106A JP H0526106 A JPH0526106 A JP H0526106A JP 20323991 A JP20323991 A JP 20323991A JP 20323991 A JP20323991 A JP 20323991A JP H0526106 A JPH0526106 A JP H0526106A
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- Japan
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- piston
- annular space
- thrust
- semi
- engine
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- Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 シリンダの側壁内面とこの側壁内面に対面す
るピストンの側面との間に、燃焼室からのガス圧が導か
れるガス室を形成し、このガス室のガス圧によりピスト
ンをシリンダの側壁内面から浮かせてなるエンジンにお
いて、構造が簡単であって耐久性に優れたエンジンを提
供することにある。 【構成】 エンジン燃焼室6を規定するピストン2上面
に隣接して配置されたピストンリング3とピストンリン
グ3に隣接して配置されたピストンリング4との間の環
状空間8を、スラスト側の半環状空間11と反スラスト
側の半環状空間12とに画成し、ピストン2が上死点近
傍に位置する際にスラスト側の半環状空間11をエンジ
ン燃焼室6に連通させるガス通路13を、シリンダ1側
壁に形成し、反スラスト側の半環状空間12をエンジン
燃焼室6に連通させるガス通路15を設けてなるエンジ
ン20。
るピストンの側面との間に、燃焼室からのガス圧が導か
れるガス室を形成し、このガス室のガス圧によりピスト
ンをシリンダの側壁内面から浮かせてなるエンジンにお
いて、構造が簡単であって耐久性に優れたエンジンを提
供することにある。 【構成】 エンジン燃焼室6を規定するピストン2上面
に隣接して配置されたピストンリング3とピストンリン
グ3に隣接して配置されたピストンリング4との間の環
状空間8を、スラスト側の半環状空間11と反スラスト
側の半環状空間12とに画成し、ピストン2が上死点近
傍に位置する際にスラスト側の半環状空間11をエンジ
ン燃焼室6に連通させるガス通路13を、シリンダ1側
壁に形成し、反スラスト側の半環状空間12をエンジン
燃焼室6に連通させるガス通路15を設けてなるエンジ
ン20。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は往復動エンジンに関す
る。
る。
【0002】
【従来の技術】往復動エンジンにおいて、ピストンの往
復動でのシリンダ側壁内面とピストン側面との間の摺動
摩擦抵抗を低減するため、ピストン側面にローラを設け
る技術が提案されている。
復動でのシリンダ側壁内面とピストン側面との間の摺動
摩擦抵抗を低減するため、ピストン側面にローラを設け
る技術が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところでこのようなロ
ーラを設ける技術では、ピストンの重量が増大してピス
トンの往復動での慣性が大きくなり、これがためエンジ
ンの応答性が悪くなり、例えば加速性能等の運転性能が
劣化する。そこで、シリンダの側壁内面とこの側壁内面
に対面するピストンの側面との間に、燃焼室からのガス
圧が導かれるガス室を形成し、このガス室のガス圧によ
りピストンをシリンダの側壁内面から浮かせて、ピスト
ンの往復動でのシリンダ側壁内面とピストン側面との間
の摺動摩擦抵抗を低減する技術が提案されている。
ーラを設ける技術では、ピストンの重量が増大してピス
トンの往復動での慣性が大きくなり、これがためエンジ
ンの応答性が悪くなり、例えば加速性能等の運転性能が
劣化する。そこで、シリンダの側壁内面とこの側壁内面
に対面するピストンの側面との間に、燃焼室からのガス
圧が導かれるガス室を形成し、このガス室のガス圧によ
りピストンをシリンダの側壁内面から浮かせて、ピスト
ンの往復動でのシリンダ側壁内面とピストン側面との間
の摺動摩擦抵抗を低減する技術が提案されている。
【0004】しかしながら提案されている技術において
は、燃焼室からのガス圧をガス室に導びくための通路を
ピストンに設けこの通路に逆止弁を設けて構成している
が、このような技術はピストンをエアフロートさせる点
では満足し得るものであるが、構造が若干複雑となる。
は、燃焼室からのガス圧をガス室に導びくための通路を
ピストンに設けこの通路に逆止弁を設けて構成している
が、このような技術はピストンをエアフロートさせる点
では満足し得るものであるが、構造が若干複雑となる。
【0005】本発明は前記諸点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、シリンダの側壁内面と
この側壁内面に対面するピストンの側面との間に、燃焼
室からのガス圧が導かれるガス室を形成し、このガス室
のガス圧によりピストンをシリンダの側壁内面から浮か
せてなるエンジンにおいて、構造が簡単であって耐久性
に優れたエンジンを提供することにある。
あり、その目的とするところは、シリンダの側壁内面と
この側壁内面に対面するピストンの側面との間に、燃焼
室からのガス圧が導かれるガス室を形成し、このガス室
のガス圧によりピストンをシリンダの側壁内面から浮か
せてなるエンジンにおいて、構造が簡単であって耐久性
に優れたエンジンを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、エンジン燃焼室を規定するピストン上面に隣接して
配置された第一のピストンリングとこの第一のピストン
リングに隣接して配置された第二のピストンリングとの
間の環状空間を、スラスト側の半環状空間と反スラスト
側の半環状空間とに画成し、ピストンが上死点近傍に位
置する際にスラスト側の半環状空間をエンジン燃焼室に
連通させる第一のガス通路を、シリンダ側壁に形成し、
反スラスト側の半環状空間をエンジン燃焼室に連通させ
る第二のガス通路を設けてなるエンジンによって達成さ
れる。
は、エンジン燃焼室を規定するピストン上面に隣接して
配置された第一のピストンリングとこの第一のピストン
リングに隣接して配置された第二のピストンリングとの
間の環状空間を、スラスト側の半環状空間と反スラスト
側の半環状空間とに画成し、ピストンが上死点近傍に位
置する際にスラスト側の半環状空間をエンジン燃焼室に
連通させる第一のガス通路を、シリンダ側壁に形成し、
反スラスト側の半環状空間をエンジン燃焼室に連通させ
る第二のガス通路を設けてなるエンジンによって達成さ
れる。
【0007】本発明においては第一のガス通路は、ピス
トンが上死点近傍に位置する際にスラスト側の半環状空
間をエンジン燃焼室に連通させるようにシリンダ側壁に
形成されていればよいのであるが、一つの好ましい例で
は、ピストンがクランク角でほぼ0度から20度までの
位置に存在する際に、スラスト側の半環状空間をエンジ
ン燃焼室に連通させるように、シリンダ側壁に形成さ
れ、更により好ましい例では、第一のガス通路は、ピス
トンがクランク角でほぼ10度の位置に存在する際に、
スラスト側の半環状空間をエンジン燃焼室に最大の開度
をもって連通させるように、シリンダ側壁に形成されて
いる。この第一のガス通路は、シリンダ側壁に形成され
ていれば貫通孔又は溝若しくは凹所等いずれの形態であ
ってもよいのであるが、シリンダ側壁内面に形成された
球面凹所でもって第一のガス通路を具体化するのが、好
ましい例として挙げることができる。
トンが上死点近傍に位置する際にスラスト側の半環状空
間をエンジン燃焼室に連通させるようにシリンダ側壁に
形成されていればよいのであるが、一つの好ましい例で
は、ピストンがクランク角でほぼ0度から20度までの
位置に存在する際に、スラスト側の半環状空間をエンジ
ン燃焼室に連通させるように、シリンダ側壁に形成さ
れ、更により好ましい例では、第一のガス通路は、ピス
トンがクランク角でほぼ10度の位置に存在する際に、
スラスト側の半環状空間をエンジン燃焼室に最大の開度
をもって連通させるように、シリンダ側壁に形成されて
いる。この第一のガス通路は、シリンダ側壁に形成され
ていれば貫通孔又は溝若しくは凹所等いずれの形態であ
ってもよいのであるが、シリンダ側壁内面に形成された
球面凹所でもって第一のガス通路を具体化するのが、好
ましい例として挙げることができる。
【0008】本発明における第二のガス通路は、反スラ
スト側の半環状空間をエンジン燃焼室に連通させればよ
いのであるが、一つの例では、ピストンに、他の例で
は、第一のピストンリングに設けられている。またこの
第二のガス通路は、第一のピストンリングの対向端部、
即ち合口部を、間隔を設けて配置してこれにより具体化
してもよい。本間隔として約0.6mm程度を例示し得
る。尚、第一のピストンリングの合口部を、間隔を設け
て配置して第二のガス通路を具体化する場合、エンジン
動作中における第一のピストンリングのピストン回りで
の回転を阻止し、反スラスト側の半環状空間をエンジン
燃焼室に連通させる位置に第一のピストンリングの合口
部を常に配置させるように、例えば第一のピストンリン
グの内周面等には突起又は凹所を、一方ピストンのピス
トンリング装着溝には当該第一のピストンリングの突起
又は凹所に係合する凹所又は突起を設ける等して第一の
ピストンリングをピストンに固定する。
スト側の半環状空間をエンジン燃焼室に連通させればよ
いのであるが、一つの例では、ピストンに、他の例で
は、第一のピストンリングに設けられている。またこの
第二のガス通路は、第一のピストンリングの対向端部、
即ち合口部を、間隔を設けて配置してこれにより具体化
してもよい。本間隔として約0.6mm程度を例示し得
る。尚、第一のピストンリングの合口部を、間隔を設け
て配置して第二のガス通路を具体化する場合、エンジン
動作中における第一のピストンリングのピストン回りで
の回転を阻止し、反スラスト側の半環状空間をエンジン
燃焼室に連通させる位置に第一のピストンリングの合口
部を常に配置させるように、例えば第一のピストンリン
グの内周面等には突起又は凹所を、一方ピストンのピス
トンリング装着溝には当該第一のピストンリングの突起
又は凹所に係合する凹所又は突起を設ける等して第一の
ピストンリングをピストンに固定する。
【0009】第一のガス通路と第二のガス通路との通路
断面積、換言すればガスの通り易さは同じであってもよ
いが、一つの好ましい例では、第一のガス通路の方の通
路断面積を第二のガス通路の通路断面積よりも大きし、
第一のガス通路の方が第二のガス通路よりもガスが通り
易くする。
断面積、換言すればガスの通り易さは同じであってもよ
いが、一つの好ましい例では、第一のガス通路の方の通
路断面積を第二のガス通路の通路断面積よりも大きし、
第一のガス通路の方が第二のガス通路よりもガスが通り
易くする。
【0010】本発明におけるスラスト側の半環状空間と
反スラスト側の半環状空間とは、ピストンの中心軸に関
して対称になるように形成してもよいが、一つの好まし
い例では、スラスト側の半環状空間においてピストンの
ガス受圧面積が大きくなるように、スラスト側の半環状
空間を反スラスト側の半環状空間よりも大きく形成す
る。
反スラスト側の半環状空間とは、ピストンの中心軸に関
して対称になるように形成してもよいが、一つの好まし
い例では、スラスト側の半環状空間においてピストンの
ガス受圧面積が大きくなるように、スラスト側の半環状
空間を反スラスト側の半環状空間よりも大きく形成す
る。
【0011】
【作用】このように構成される本発明のエンジンでは、
エンジンの爆発行程時は、より詳細にはエンジン燃焼室
での圧縮ガスの爆発後から所定期間は、主に第一のガス
通路を介してスラスト側の半環状空間に高圧燃焼ガス
が、エンジンの圧縮行程時は、第二のガス通路を介して
反スラスト側の半環状空間に圧縮ガスが夫々エンジン燃
焼室から導入される。ピストンリングを介するピストン
からシリンダ側壁内面への側圧は、エンジンの爆発行程
時には主にスラスト側において生じ、エンジンの圧縮行
程時には主に反スラスト側において生じる。従ってスラ
スト側の半環状空間に導入された高圧燃焼ガスは、エン
ジンの爆発行程時ピストンリングを介するピストンから
シリンダ側壁内面へのスラスト側への側圧に抗してピス
トンを反スラスト側に押し戻すように作用する一方、反
スラスト側の半環状空間に導入された圧縮ガスは、エン
ジンの圧縮行程時ピストンリングを介するピストンから
シリンダ側壁内面への反スラスト側への側圧に抗してピ
ストンをスラスト側に押し戻すように作用して、いずれ
もピストンをシリンダ側壁内面からエアーフロートさせ
る結果、シリンダ側壁内面との摺動摩擦抵抗が十分に減
少されてピストンは往復動されることとなる。
エンジンの爆発行程時は、より詳細にはエンジン燃焼室
での圧縮ガスの爆発後から所定期間は、主に第一のガス
通路を介してスラスト側の半環状空間に高圧燃焼ガス
が、エンジンの圧縮行程時は、第二のガス通路を介して
反スラスト側の半環状空間に圧縮ガスが夫々エンジン燃
焼室から導入される。ピストンリングを介するピストン
からシリンダ側壁内面への側圧は、エンジンの爆発行程
時には主にスラスト側において生じ、エンジンの圧縮行
程時には主に反スラスト側において生じる。従ってスラ
スト側の半環状空間に導入された高圧燃焼ガスは、エン
ジンの爆発行程時ピストンリングを介するピストンから
シリンダ側壁内面へのスラスト側への側圧に抗してピス
トンを反スラスト側に押し戻すように作用する一方、反
スラスト側の半環状空間に導入された圧縮ガスは、エン
ジンの圧縮行程時ピストンリングを介するピストンから
シリンダ側壁内面への反スラスト側への側圧に抗してピ
ストンをスラスト側に押し戻すように作用して、いずれ
もピストンをシリンダ側壁内面からエアーフロートさせ
る結果、シリンダ側壁内面との摺動摩擦抵抗が十分に減
少されてピストンは往復動されることとなる。
【0012】以下本発明を、図面に示す好ましい具体例
に基づいて説明する。これにより前記発明及び更に他の
発明が明瞭となるであろう。
に基づいて説明する。これにより前記発明及び更に他の
発明が明瞭となるであろう。
【0013】尚、本発明はこれら具体例に何等限定され
ないのである。
ないのである。
【0014】
【具体例】図1及び図2において、シリンダ1内に配置
されたピストン2の上方にはピストンリング3、4及び
油かきリング5が嵌着されている。ピストンリング3と
4とは、通常よりも広い間隔をもって配置されている。
されたピストン2の上方にはピストンリング3、4及び
油かきリング5が嵌着されている。ピストンリング3と
4とは、通常よりも広い間隔をもって配置されている。
【0015】エンジン燃焼室6を規定するピストン2の
上面7に隣接して配置されたピストンリング3とピスト
ンリング3に隣接して配置されたピストンリング4との
間の環状空間8は、ピストンリング3と4との間に配置
された画成部材9及び10によりスラスト側の半環状空
間11と反スラスト側の半環状空間12とに画成されて
いる。ピストン2が上死点近傍に位置する際にスラスト
側の半環状空間11をエンジン燃焼室6に連通させる第
一のガス通路13が本例では球面凹所の形態でスラスト
側のシリンダ側壁内面14に形成されており、ガス通路
13は、ピストン2がクランク角でほぼ0度から20度
までの位置に存在する際に、半環状空間11をエンジン
燃焼室6に連通させるようになっており、そしてピスト
ン2がクランク角でほぼ10度の位置に存在する際に、
半環状空間11をエンジン燃焼室6に最大の開度をもっ
て連通させる。
上面7に隣接して配置されたピストンリング3とピスト
ンリング3に隣接して配置されたピストンリング4との
間の環状空間8は、ピストンリング3と4との間に配置
された画成部材9及び10によりスラスト側の半環状空
間11と反スラスト側の半環状空間12とに画成されて
いる。ピストン2が上死点近傍に位置する際にスラスト
側の半環状空間11をエンジン燃焼室6に連通させる第
一のガス通路13が本例では球面凹所の形態でスラスト
側のシリンダ側壁内面14に形成されており、ガス通路
13は、ピストン2がクランク角でほぼ0度から20度
までの位置に存在する際に、半環状空間11をエンジン
燃焼室6に連通させるようになっており、そしてピスト
ン2がクランク角でほぼ10度の位置に存在する際に、
半環状空間11をエンジン燃焼室6に最大の開度をもっ
て連通させる。
【0016】半環状空間12をエンジン燃焼室6に連通
させる第二のガス通路15は、本例ではピストンリング
3の合口部、即ちピストンリング3の対向する両端部1
6及び17を通常より離れさせそこに生じる空間部で具
体化されている。
させる第二のガス通路15は、本例ではピストンリング
3の合口部、即ちピストンリング3の対向する両端部1
6及び17を通常より離れさせそこに生じる空間部で具
体化されている。
【0017】尚、ピストン2にはピストンピン18を介
してコンロッド19が連結されている。
してコンロッド19が連結されている。
【0018】このように構成されたエンジン20では、
図3に示すようにピストン2が上方、即ちA方向に移動
され、コンロッド19がスラスト側に位置している圧縮
行程時には、ガス通路15を介して半環状空間12に圧
縮ガスがエンジン燃焼室6から導入される。反スラスト
側の半環状空間12に導入されたこの圧縮ガスは、ピス
トンリング3、4及び油かきリング5を介するピストン
2から反スラスト側のシリンダ側壁内面21への側圧に
抗してピストン2をスラスト側、即ちスラスト側側壁内
面14の方に押し戻すように、ピストン2に作用し、従
って圧縮行程時に生じるピストンリング3、4及び油か
きリング5を介するピストン2から反スラスト側のシリ
ンダ側壁内面21への側圧はキャンセルされて反スラス
ト側のシリンダ側壁内面21との摺動摩擦抵抗が十分に
減少されてピストン2はA方向に移動される。尚、圧縮
行程時に、ピストン2がクランク角でほぼ0度から20
度までの位置に存在するようになると、ガス通路13に
よりエンジン燃焼室6と半環状空間11とが連通されて
半環状空間11にも圧縮ガスが導入されることとなる
が、この導入はガス通路15を介する導入よりも遅れて
なされるため、反スラスト側のシリンダ側壁内面21と
ピストン2との摺動摩擦抵抗の減少にそれ程影響を与え
ない。
図3に示すようにピストン2が上方、即ちA方向に移動
され、コンロッド19がスラスト側に位置している圧縮
行程時には、ガス通路15を介して半環状空間12に圧
縮ガスがエンジン燃焼室6から導入される。反スラスト
側の半環状空間12に導入されたこの圧縮ガスは、ピス
トンリング3、4及び油かきリング5を介するピストン
2から反スラスト側のシリンダ側壁内面21への側圧に
抗してピストン2をスラスト側、即ちスラスト側側壁内
面14の方に押し戻すように、ピストン2に作用し、従
って圧縮行程時に生じるピストンリング3、4及び油か
きリング5を介するピストン2から反スラスト側のシリ
ンダ側壁内面21への側圧はキャンセルされて反スラス
ト側のシリンダ側壁内面21との摺動摩擦抵抗が十分に
減少されてピストン2はA方向に移動される。尚、圧縮
行程時に、ピストン2がクランク角でほぼ0度から20
度までの位置に存在するようになると、ガス通路13に
よりエンジン燃焼室6と半環状空間11とが連通されて
半環状空間11にも圧縮ガスが導入されることとなる
が、この導入はガス通路15を介する導入よりも遅れて
なされるため、反スラスト側のシリンダ側壁内面21と
ピストン2との摺動摩擦抵抗の減少にそれ程影響を与え
ない。
【0019】一方図4に示すようにピストン2が下方、
即ちB方向に移動され、コンロッド19が反スラスト側
に位置している爆発行程時、より詳細にはエンジン燃焼
室6での圧縮ガスの爆発後からピストン2がクランク角
でほぼ0度から20度までの位置に存在する間は、主に
ガス通路13を介して半環状空間11に高圧燃焼ガスが
導入される。スラスト側の半環状空間11に導入された
高圧燃焼ガスは、ピストンリング3、4及び油かきリン
グ5を介するピストン2からスラスト側のシリンダ側壁
内面14への側圧に抗してピストン2を反スラスト側、
即ち反スラスト側の側壁内面21の方に押し戻すよう
に、ピストン2に作用し、従って爆発行程時に生じるピ
ストンリング3、4及び油かきリング5を介するピスト
ン2からスラスト側のシリンダ側壁内面14への側圧は
キャンセルされてスラスト側のシリンダ側壁内面14と
の摺動摩擦抵抗が十分に減少されてピストン2はB方向
に移動される。ピストン2がクランク角で20度以上の
位置に移動するとガス通路13を介するエンジン燃焼室
6と半環状空間11との連通が阻止されので、半環状空
間11に導入された高圧燃焼ガスはある程度そのまま保
持されてピストン2をスラスト側側壁内面21の方に押
し戻すように作用し、シリンダ側壁内面14とピストン
2との摺動摩擦抵抗を低減する。尚、爆発行程時には、
ガス通路15を介してエンジン燃焼室6から半環状空間
12にも高圧燃焼ガスが導入されるが、ガス通路15を
介する半環状空間12への高圧燃焼ガスの導入量よりも
ガス通路13を介する半環状空間11への高圧燃焼ガス
の導入量の方が多くなるように、ガス通路13及び15
の通路径が設定されているため、上記作用が確実に行わ
れる。
即ちB方向に移動され、コンロッド19が反スラスト側
に位置している爆発行程時、より詳細にはエンジン燃焼
室6での圧縮ガスの爆発後からピストン2がクランク角
でほぼ0度から20度までの位置に存在する間は、主に
ガス通路13を介して半環状空間11に高圧燃焼ガスが
導入される。スラスト側の半環状空間11に導入された
高圧燃焼ガスは、ピストンリング3、4及び油かきリン
グ5を介するピストン2からスラスト側のシリンダ側壁
内面14への側圧に抗してピストン2を反スラスト側、
即ち反スラスト側の側壁内面21の方に押し戻すよう
に、ピストン2に作用し、従って爆発行程時に生じるピ
ストンリング3、4及び油かきリング5を介するピスト
ン2からスラスト側のシリンダ側壁内面14への側圧は
キャンセルされてスラスト側のシリンダ側壁内面14と
の摺動摩擦抵抗が十分に減少されてピストン2はB方向
に移動される。ピストン2がクランク角で20度以上の
位置に移動するとガス通路13を介するエンジン燃焼室
6と半環状空間11との連通が阻止されので、半環状空
間11に導入された高圧燃焼ガスはある程度そのまま保
持されてピストン2をスラスト側側壁内面21の方に押
し戻すように作用し、シリンダ側壁内面14とピストン
2との摺動摩擦抵抗を低減する。尚、爆発行程時には、
ガス通路15を介してエンジン燃焼室6から半環状空間
12にも高圧燃焼ガスが導入されるが、ガス通路15を
介する半環状空間12への高圧燃焼ガスの導入量よりも
ガス通路13を介する半環状空間11への高圧燃焼ガス
の導入量の方が多くなるように、ガス通路13及び15
の通路径が設定されているため、上記作用が確実に行わ
れる。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明のエンジンによれ
ば、ピストンをいずれの行程においてもシリンダ側壁内
面からエアーフロートさせることができ、その結果シリ
ンダ側壁内面との摺動摩擦抵抗を十分に減少させてピス
トンを往復動させることができる。また本発明によれ
ば、第一のガス通路をシリンダ側壁に形成してなるもの
であるため、構造が簡単であって耐久性に優れたものと
し得る。
ば、ピストンをいずれの行程においてもシリンダ側壁内
面からエアーフロートさせることができ、その結果シリ
ンダ側壁内面との摺動摩擦抵抗を十分に減少させてピス
トンを往復動させることができる。また本発明によれ
ば、第一のガス通路をシリンダ側壁に形成してなるもの
であるため、構造が簡単であって耐久性に優れたものと
し得る。
【図1】本発明の好ましい一具体例の断面図である。
【図2】図1に示す具体例のII−II線断面図であ
る。
る。
【図3】図1に示す具体例の圧縮行程時の動作説明図で
ある。
ある。
【図4】図1に示す具体例の爆発行程時の動作説明図で
ある。
ある。
1 シリンダ
2 ピストン
3 ピストンリング
4 ピストンリング
6 エンジン燃焼室
11 スラスト側の半環状空間
12 反スラスト側の半環状空間
13 第一のガス通路
15 第二のガス通路
Claims (7)
- 【請求項1】 エンジン燃焼室を規定するピストン上面
に隣接して配置された第一のピストンリングとこの第一
のピストンリングに隣接して配置された第二のピストン
リングとの間の環状空間を、スラスト側の半環状空間と
反スラスト側の半環状空間とに画成し、ピストンが上死
点近傍に位置する際にスラスト側の半環状空間をエンジ
ン燃焼室に連通させる第一のガス通路を、シリンダ側壁
に形成し、反スラスト側の半環状空間をエンジン燃焼室
に連通させる第二のガス通路を設けてなるエンジン。 - 【請求項2】 第一のガス通路は、ピストンがクランク
角でほぼ0度から20度までの位置に存在する際に、ス
ラスト側の半環状空間をエンジン燃焼室に連通させるよ
うに、シリンダ側壁に形成されている請求項1に記載の
エンジン。 - 【請求項3】 第一のガス通路は、ピストンがクランク
角でほぼ10度の位置に存在する際に、スラスト側の半
環状空間をエンジン燃焼室に最大の開度をもって連通さ
せるように、シリンダ側壁に形成されている請求項1又
は2に記載のエンジン。 - 【請求項4】 第一のガス通路は、シリンダ側壁内面に
形成された球面凹所からなる請求項1から3のいずれか
一項に記載のエンジン。 - 【請求項5】 第二のガス通路は、ピストンに設けられ
ている請求項1から4のいずれか一項に記載のエンジ
ン。 - 【請求項6】 第二のガス通路は、第一のピストンリン
グに設けられている請求項1から5のいずれか一項に記
載のエンジン。 - 【請求項7】 第二のガス通路は、第一のピストンリン
グの合口部に配置されている請求項1から6のいずれか
一項に記載のエンジン。
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- 1991-07-19 JP JP03203239A patent/JP3103395B2/ja not_active Expired - Fee Related
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