JP2019116918A - 2ピースオイルリング用本体リング及びエンジン - Google Patents

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小山 秀行
Hideyuki Koyama
秀行 小山
良憲 田中
Yoshinori Tanaka
良憲 田中
莉菜 金子
Rina Kaneko
莉菜 金子
隆寛 山▲崎▼
Takahiro Yamazaki
隆寛 山▲崎▼
洋樹 尾曽
Hiroki Oso
洋樹 尾曽
宣義 岡田
Noriyoshi Okada
宣義 岡田
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Abstract

【課題】リング本体にさらなる工夫を凝らすことにより、適正なオイルコントロールを行いながらも、従来品よりもリング張力を低減させることが可能となるように、改善された2ピースオイルリング用本体リングを提供する点にある。また、2ピースオイルリングを有するエンジンにおけるオイルリングの改良も目的とする。【解決手段】径方向で外方に突出する一対の摺動レール部14,14と、一対の摺動レール部14,14どうしの間において径方向に貫通する状態で周方向に並んで複数形成されるオイル孔17とを備え、オイル孔17の周方向の長さaがボア径rの1%〜5%に設定されている2ピースオイルリング用本体リング。【選択図】図2

Description

本発明は、主にディーゼルエンジンのピストンリングとして用いられる2ピースオイルリング、及びそれを用いたエンジンに関するものである。
エンジンにおけるピストンには、通常、上死点側(上側)からトップリング、セカンドリング、オイルリングという3つのピストンリングが装着されている。トップリング、セカンドリングは圧力リングである。オイルリングは、シリンダ内壁に付着したオイルを必要最小限残してかき落とす機能を有しており、一体型と組合せ型とがある。
一体型オイルリングはコスト上では有利であるが、組合せ型オイルリングは、オイルかき落とし作用に優れ、軽量化も容易となる点で優れている。軽量化は、ピストンの往復運動に伴う慣性力の低減に有効である。
組合せ型オイルリングには、2ピース構造のものと3ピース構造のものとがあり、ディーゼルエンジンや一部のガソリンエンジンには2ピースオイルリングが用いられている。この2ピースオイルリングの従来例としては、特許文献1において開示されたものが知られている。
特開2006−349019号公報
オイルリングは、その機能面から、必要となる範囲のオイルのかき落とし作用を得ながら張力は低いものが望ましい。そこで、ディーゼルエンジンにおいては、シリンダとのフリクションを低減して燃費などの改善を図るために、リング張力を低い目に設定する手段が採られている。
しかしながら、リング張力を単純に低くしてしまうと、かき落とし作用も弱まり、オイル消費量が悪化するなど、オイルコントロール不足に陥る懸念がある。また、かき落とし作用を重視してリング張力を高い目に設定すると、フリクション増加による悪影響(スカッフ、スカッフィングなど)が生じ易くなるため、オイルリングによる適正なオイルコントロールを、リング張力を少なくしながら実現するためには改善の余地が残されていた。
本発明の目的は、リング本体にさらなる工夫を凝らすことにより、適正なオイルコントロールを行いながらも従来品よりリング張力を低減させることが可能となるように、改善された2ピースオイルリング用本体リングを提供する点にある。また、2ピースオイルリングを有するエンジンにおけるオイルリングの改良も目的とする。
本発明は、2ピースオイルリング用本体リングにおいて、
径方向で外方に突出する一対の摺動レール部14,14と、一対の前記摺動レール部14,14どうしの間において径方向に貫通する状態で周方向に並んで複数形成されるオイル孔17とを備え、
前記オイル孔17の周方向の長さaがボア径rの1%〜5%に設定されていることを特徴とする。
第2の本発明は、2ピースオイルリング用本体リングにおいて、
径方向で外方に突出する一対の摺動レール部14,14と、一対の前記摺動レール部14,14どうしの間において内周面に開口する状態で周方向に並んで複数形成されるオイル孔17とを備え、
前記オイル孔17の周方向に交差する方向の長さbがボア径rの0.3%〜2%に設定されていることを特徴とする。
第3の本発明は、2ピースオイルリング用本体リングにおいて、
径方向で外方に突出する一対の摺動レール部14,14と、一対の前記摺動レール部14,14どうしの間において内周面に開口する状態で周方向に並んで複数形成されるオイル孔17とを備え、
一対の前記摺動レール部14,14どうしの間隔cがボア径rの0.5%〜4%に設定されていることを特徴とする。
第4の本発明は、エンジンにおいて、
本発明〜第3の本発明のいずれかの2ピースオイルリング用本体リング12と、前記2ピースオイルリング用本体リング12の径内側に位置するエキスパンダコイル13とを有して2ピースオイルリング11が構成されるとともに、
前記2ピースオイルリング11によるオイルリング張力dが、(シリンダ断面積s×平均有効圧力p)の0.3%〜0.6%に設定されていることを特徴とする。
第5の本発明は、第4の本発明によるエンジン22が産業用ディーゼルエンジンであることを特徴とする。
第6の本発明は、第4の本発明又は第5の本発明によるエンジンにおいて、
ピストン1における前記2ピースオイルリング11のピストン移動方向Xで一方又は両方の側のランドRに、ピストン移動方向Xで前記2ピースオイルリング11に近付くに連れて径が小さくなる縮径部Sが形成されていることを特徴とする。
本発明〜第5の本発明によれば、オイル孔の周方向の長さ及び周方向に交差する方向の長さ、並びに摺動レール部どうしの間隔それぞれのボア径に対する比率や、オイルリング張力の押付力(シリンダ断面積s×平均有効圧力p)に対する比率が、好適な範囲に設定されるようになる。つまり、オイルのかき落とし作用が強すぎず、かつ、弱すぎずの適正な範囲としながら、オイルリング張力も必要最低限度の範囲内に設定することが可能となり、フリクション低減による低燃費化を図りながらオイル消費量も少なくすることが可能になる。
その結果、リング本体にさらなる工夫を凝らすことにより、適正なオイルコントロールを行いながらも従来品よりリング張力を低減させることが可能となるように、改善された2ピースオイルリング用本体リング、並びに2ピースオイルリングを有するエンジンを提供することができる。
ディーゼルエンジン用のオイルリングを示し、(a)は平面図、(b)は正面図 図1のオイルリングの要部を示し、(a)は図1(a)のA−A線の断面図、(b)は拡大側面図 ディーゼルエンジンのピストン部分を示す模式図 ピストン周壁の要部構造を示す拡大断面図 他のピストン周壁の要部構造を示す拡大断面図
以下に、本発明による2ピースオイルリング用本体リング及びエンジンの実施の形態を、トラクタなどの農機や建機といった産業用ディーゼルエンジン及びこれに使用されるピストンのものについて、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、ピストンの周方向をY、ピストン移動方向(周方向に交差する方向)をXとする。
図3に示されるように、立形の産業用ディーゼルエンジン22及びそのピストン1は、シリンダブロック(図示省略)におけるシリンダ2の上部にシリンダヘッド3が組み付けられており、ピストン1は、シリンダ2に内嵌され、ピストン1にコネクティングロッド4を介してクランク軸5が連動連結されている。
シリンダヘッド3には、吸気バルブ6と排気バルブ7と燃料インジェクタ8とが取り付けられている。シリンダ2と、シリンダヘッド3と、ピストン1とで囲まれた箇所が燃焼室19である。
図3に示されるように、シリンダ筒2Aに内嵌されるピストン1は、ピストンリング9,10,11が装備されるピストンヘッド部1Aと、その下方のピストンロワー部1Bとを有している。
ピストンロワー部1Bは、ピストンヘッド部1Aのような円筒形ではなく、ピストン移動方向Xの方向視で円弧面を呈するスカート部1sの一対と、それらの間のピン連結部1pとを備える異形部分である。
スカート部1sは、スラスト側1aと反スラスト側1bとのそれぞれにおいてピストンとシリンダ筒とが摺接してガイドする状態に形成されている。
ピストンリング9,10,11は、上からトップリング9、セカンドリング10、2ピースオイルリング(以下、「オイルリング」と略称する)11であり、トップリング9とセカンドリング10は圧力リングである。図3は、ピストン1が下方に移動中の状態を描いたものである。図3において、オイルリング11の下方に位置する1kは、ピストン1を内外に貫通するオイル通し孔である。次に、オイルリング11について説明する。
オイルリング11は、図2(a)に示されるように、断面形状が横M字型の本体リング12と、その径内側に配置される円形のエキスパンダコイル13とを有する組み合わせオイルリングであって、ディーゼルエンジンなどに好適な2ピースオイルリングとして構成されている。
図1、図2に示されるように、本体リング(2ピースオイルリング用本体リング)12は、径方向で外方に突出する一対の摺動レール部14,14と、これら摺動レール部14,14を一体に繋ぐ中央リング部15と、湾曲凹入状の内周面16と、中央リング部15に形成される複数のオイル孔17とを備えるとともに、合口18を有して構成されている。内周面16は、一対の摺動レール部14,14及び中央リング部15の径内部位に亘って形成されており、エキスパンダコイル13が配置される箇所である。
図2(a)に示されるように、摺動レール部14は、ピストン移動方向Xで端の外側周面14a、シリンダ筒2Aに摺接する箇所である摺動外周面14b、外側周面14aと摺動外周面14bとの境目に形成される傾斜したカット面14c、及び、摺動外周面14bの内側端から中央リング部15に向けて若干傾斜の状態で形成される内側周面14dを有している。中央リング部15は、外周面15aを有している。なお、一対の摺動レール部14,14の外径は互いに同じ寸法である。
オイル孔17は、一対の摺動レール部14,14どうしの間において径方向(矢印Y方向)に貫通する状態で周方向に並んで中央リング部15に複数形成されている。図1(a)においては、均等角度ごとの7箇所にオイル孔17が形成されているが、配置状態や個数などはこの限りではない。オイル孔17は、ピストン移動方向Xには短くて周方向に長い長孔に形成され、中央リング部15のピストン移動方向(幅方向)で中央に配置されている。
そして、オイル孔17の周方向の長さ、即ち、長辺長aは、ボア径rの1%〜5%(0.01r≦a≦0.05r)に設定されている。従来では、長辺長aはボア径rの5%を超えた値であった。また、オイル孔17のピストン移動方向(周方向に交差する方向)Xの長さ、即ち、短辺長bは、ボア径rの0.3%〜2%(0.003r≦a≦0.02r)に設定されている。従来では、短辺長bはボア径rの2%を超えた値であった。なお、ボア径rは、図1(a)では、便宜上、自由状態の本体リング12の外径として表されているが、実際はシリンダ筒2Aに組付けられた組付け状態での実寸法(=シリンダボア径)である。
加えて、図2(a)に示されるように、一対の摺動レール部14,14どうしの間隔(ピストン移動方向Xでの間隔)、即ち、レール間長cが、ボア径rの0.5%〜4%(0.005r≦c≦0.04r)に設定されている。レール間長cは、詳しくは、摺動レール部14の内側端どうしの間隔であり、ほぼ中央リング部15の幅である。この範囲内に設定すれば、シリンダ筒2Aに対してオイルリング11が(本体リング12が)傾いたときのオイルかき落とし性能にも優れている。従来では、レール間長cは4%を超える値であった。
また、シリンダ筒2Aの断面積であるシリンダ断面積(ボア面積)をs、燃焼室19での爆発による平均有効圧力をpとし、シリンダ断面積s×平均有効圧力p=押付力(ピストンを押付ける力)spとした場合、2ピースオイルリング11によるオイルリング張力dは、押付力spの0.3%〜0.6%(0.003sp≦d≦0.006sp)に設定されている。従来では、オイルリング張力dは押付力spの0.6%を超えた値であった。
オイルリング張力dは、エキスパンダコイル13が本体リング12に組み込まれたオイルリング11の合口18のスキマが、オイルリング11をシリンダ筒2Aに内嵌させたときのスキマ寸法となる状態での接線張力のことである。なお、接線張力(接線方向の張力)の測定方法は、「JIS B 8032−2」に準拠されている。
本発明による2ピースオイルリング用本体リング12及びディーゼルエンジン22においては、次の(1)〜(5)の作用効果が得られる。
(1)オイル消費量を悪化させることなく、燃費の低減(フリクション低減)を図ることができる。
(2)オイルリング張力dを、従来のものに比べて小さくできるので、シリンダ筒(シリンダライナ)2Aと本体リング12(摺動レール部14,14)との摩擦力が小さくなり、これら両者12,14が磨耗し難くなってエンジンの耐久性向上が可能になる。
(3)オイルコントロールがし易くなるので、エンジンオイルの劣化を抑制することができる。
(4)オイルリング張力dを、従来のものに比べて小さくできるので、オイルリング11のピストン1への装着がやり易くなるので、エンジンの生産性が向上する。
(5)単位面積(ボア径)当たりの燃焼爆発圧力(平均有効圧力)が小さいエンジンでは、レール間長cやオイルリング張力dの値をエンジン排気量の小ささに対応させて小さくしても、本体リング12(オイルリング11)の追従性を良好に維持できると考えられる。同様に、長辺長aや短辺長bを小さくしても、必要なオイルかき落とし量が維持できると考えられる。
〔実施例〕
本発明が適用された産業用ディーゼルエンジンの例としては、エンジン排気量が900cc、シリンダの平均有効圧力pが687kPaに設定されている。そして、長辺長a、短辺長b、レール間長cは、ボア径rに対してそれぞれおよそ1.4%、0.7%、1.3%に設定され、オイルリング張力dは押付力spのおよそ0.4%に設定されている。なお、オイルリング張力dにおいては、エキスパンダコイル13の張力は本体リング12の張力よりも高い値に設定されるのが一般的である。
次に、ピストンにおけるピストンリング装着部の構造について説明する。
図4に示されるように、ピストン周壁(符記省略)に、ピストンヘッド部1A側から順に、第1ランド23、第1リング溝24、第2ランド25、第2リング溝26、第3ランド27、第3リング溝28、スカート部(ピストンスカート)1sが設けられている。第1リング溝24にトップリング9が、第2リング溝26にセカンドリング10が、第3リング溝28にオイルリング11がそれぞれ嵌められ、第2ランド25に窪み33が設けられている。
図4に示されるように、第2ランド25の外周面25aと第2リング溝26の第2ランド側端面26aとの境界を第2リング溝26に向けて縮径するテーパ面34で面取りし、このテーパ面34で前記第2ランド25の窪み33が形成されている。
図4に示されるように、第2リング溝26の第2ランド側端面26aのシリンダ側仮想延長線26bに対するテーパ面34の角度θが30°〜60°(より望ましくは40°〜50°)とされている。テーパ面34のピストン径方向の深さ寸法Cを、第2リング溝26のピストン径方向の深さ寸法Dで除した値C/Dの百分率が20%〜30%となるようにされており、これがテーパ面34の角度θやテーパ面34の深さ寸法に関する値C/Dの百分率の最適範囲である。
図4に示されるように、第2ランド25の幅寸法W2をシリンダの直径であるボア径rで除した値W2/rの百分率が6%〜15%となるようにしてあり、これが第2ランド25の幅寸法W2に関する値W2/rの百分率の最適範囲である。
ボア径rを基準として第2ランド25の幅寸法W2の割合を計算するのは、ボア径rがエンジンの体格や燃焼室圧力の指標となるからである。エンジンの体格や燃焼室圧力は、エンジンのオイル消費量やブローバイガスの漏れ量に大きく影響を与える。
図4に示されるように、第3ランド27の外周面27aと第3リング溝28の第3ランド側端面28aとの境界に第3ランド27の窪み35が設けられている。また、スカート部1sの外周面20と第3リング溝28のピストンスカート側端面28bとの境界にスカート部1sの窪み36が設けられている。
第3ランド27の窪み35は、ピストン中心軸線21に沿う断面図上、直角L字形の溝29で形成され、その奥端面30はピストン中心軸線21と平行な向きで、そのピストンヘッド部1A側の面31はピストン中心軸線21と直交する向きになっている。スカート部1sの窪み36は、ピストン中心軸線21に沿う断面図上、鈍角L字形の溝32で形成し、その奥端面41はピストン中心軸線21と平行な向きで、そのピストンヘッド部1Aと反対側の面42は奥端面41に向けて縮径するテーパ状に形成されている。
図4に示されるように、オイルリング11の本体リング12にピストン径方向に沿って貫通するオイル孔17が設けられており、第3リング溝28の奥端にピストン径方向に沿ってピストン周壁(符記省略)を貫通するオイル通し孔1kが設けられている。オイルリング11でシリンダ2からかき取ったオイルは、オイル孔17と第3リング溝28とオイル通し孔1kを経て、ピストン1の内部に導出され、エンジン下部のオイルパン(図示省略)に戻る。
〔ピストン周壁の別構造について〕
図5に示されるように、第3ランド27の外周面27aと第3リング溝28の第3ランド側端面28aとの境界が第3リング溝28に向けて縮径するテーパ面39で面取りされ、このテーパ面39で前記第3ランド27の窪み35が形成されている。
図5に示されるように、第3リング溝28の第3ランド側端面28a のシリンダ側仮想延長線28cに対するテーパ面39の角度αが30°〜60°(より望ましくは40°〜50°)とされている。テーパ面39のピストン径方向の深さ寸法Eを、第3リング溝28のピストン径方向の深さ寸法Fで除した値E/Fの百分率が20%〜30%となるようにされており、これがテーパ面39の角度αやテーパ面39の深さ寸法に関する値E/Fの百分率の最適範囲である。
第2ランド25のテーパ面34の場合と同様、この第3ランド27のテーパ面39も、この最適範囲内であれば、長時間運転後も安定して、オイル消費量やブローバイガスの漏れ量を十分に低減させることができる。この最適範囲を外れた場合には、セカンドリング10やオイルリング11が振動しやすくなり、そのシール性能の低下により、オイル消費量やブローバイガスの漏れ量を十分に低減させることができない場合がある。
また、図4に示す場合と同様、スカート部1sの外周面20と第3リング溝28のピストンスカート側端面28bとの境界にスカート部1sの窪み36が設けられているが、このスカート部1sの窪み36の形状は、図4に示す場合と異なる。即ち、ピストン中心軸線21に沿う断面図上、直角L字形の溝40で形成され、その奥端面37はピストン中心軸線21と平行な向きで、そのピストンヘッド部1Aと反対側の面38はピストン中心軸線21と直交する向きになっている。
その他は、図4に示すものと同じ構造であり、図5中、図4に示すものと同一の要素には同一の符号を付しておく。
なお、第1ランド23、第2ランド25、第3ランド27、及びスカート部1sの外周面20はランドRである。また、テーパ面34、奥端面30、奥端面41、奥端面41に向けて縮径するテーパ面42、テーパ面39、及び奥端面37は縮径部Sである。
このように、種々の縮径部Sが施されているランドRを有するピストン1と、前述した2ピースオイルリング11との協働により、適正なオイルコントロールを行いながらもオイルリング張力を低減させることがより高次元で可能となり、より一層改善されたエンジンを提供することができる。
1 ピストン
11 2ピースオイルリング
12 2ピースオイルリング用本体リング
13 エキスパンダコイル
14 摺動レール部
17 オイル孔
22 エンジン
a オイル孔の周方向長さ
b オイル孔の周方向に交差する方向の長さ
c 摺動レール部どうしの間隔
d オイルリング張力
p 平均有効圧力
r ボア径
s シリンダ断面積
R ランド
S 縮径部
X ピストン移動方向

Claims (6)

  1. 径方向で外方に突出する一対の摺動レール部と、一対の前記摺動レール部どうしの間において径方向に貫通する状態で周方向に並んで複数形成されるオイル孔とを備え、
    前記オイル孔の周方向の長さaがボア径rの1%〜5%に設定されている2ピースオイルリング用本体リング。
  2. 径方向で外方に突出する一対の摺動レール部と、一対の前記摺動レール部どうしの間において内周面に開口する状態で周方向に並んで複数形成されるオイル孔とを備え、
    前記オイル孔の周方向に交差する方向の長さbがボア径rの0.3%〜2%に設定されている請求項1に記載の2ピースオイルリング用本体リング。
  3. 径方向で外方に突出する一対の摺動レール部と、一対の前記摺動レール部どうしの間において内周面に開口する状態で周方向に並んで複数形成されるオイル孔とを備え、
    一対の前記摺動レール部どうしの間隔cがボア径rの0.5%〜4%に設定されている2ピースオイルリング用本体リング。
  4. 請求項1〜3の何れか一つに記載の2ピースオイルリング用本体リングと、前記2ピースオイルリング用本体リングの径内側に位置するエキスパンダコイルとを有して2ピースオイルリングが構成されるとともに、
    前記2ピースオイルリングによるオイルリング張力dが、(シリンダ断面積s×平均有効圧力p)の0.3%〜0.6%に設定されているエンジン。
  5. 産業用ディーゼルエンジンである請求項4に記載のエンジン。
  6. ピストンにおける前記2ピースオイルリングのピストン移動方向で一方又は両方の側のランドに、ピストン移動方向で前記2ピースオイルリングに近付くに連れて径が小さくなる縮径部が形成されている請求項4又は5に記載のエンジン。
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