JPH06324431A - 写真印画紙用支持体 - Google Patents

写真印画紙用支持体

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JPH06324431A
JPH06324431A JP5114928A JP11492893A JPH06324431A JP H06324431 A JPH06324431 A JP H06324431A JP 5114928 A JP5114928 A JP 5114928A JP 11492893 A JP11492893 A JP 11492893A JP H06324431 A JPH06324431 A JP H06324431A
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JP
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layer
resistant resin
paper
tio
water
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JP5114928A
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English (en)
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Takeo Shimizu
建男 清水
Hisatada Abe
久正 阿部
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】二酸化チタンを高濃度含む耐水性樹脂を紙また
は合成紙上に高速溶融押出しコーティングすることによ
り製造できる写真印画紙用支持体を提供する。 【構成】写真乳剤を塗布する側の耐水性樹脂被覆層が2
層以上の層から成り、上層は二酸化チタンを20〜50
%含む耐水性樹脂を170℃〜290℃で溶融押出しコ
ーティングして形成した層で、最下層は耐水性樹脂を2
90℃〜340℃で溶融押出しコーティングして形成し
た層である写真印画紙用支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙または合成紙の両面
に耐水性樹脂被覆層を設けた写真印画紙用支持体に関
し、特に製造時に紙または合成紙上に二酸化チタンを高
濃度含む耐水性樹脂の高速溶融押出しコーティングによ
り製造のできる写真印画紙用支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】写真印画紙用支持体の本質的構成につい
ては、すでに公知であり、例えば米国特許第3,50
1,298号明細書に開示されているように、紙基体の
両面を樹脂で被覆し、乳剤を塗布する側の耐水性樹脂被
覆層には二酸化チタン顔料、ブルーイング剤(青色顔料
も含む)蛍光増白剤などを含有させるものが知られてい
る。耐水性樹脂被覆層の隠蔽性を増し、鮮鋭度の高い写
真印画紙用支持体を得るために二酸化チタン顔料の添加
は不可欠である。しかも、最近ではさらに高い鮮鋭度の
写真印画紙用支持体に対する要求が強く、二酸化チタン
顔料の添加量増加をより強く求められている。従来、耐
水性樹脂被覆層の二酸化チタン(TiO2)の濃度としては9
wt%〜15wt%であり、290℃〜340℃の温度で溶
融押出しコーティングされている。TiO2の添加量を増加
させると押出機ダイリップ部に発生する筋(以下、ダイ
リップスジと呼ぶ)の増加とTiO2濃度20wt%を越える
と溶融押出したフィルムに膜割れが発生するという問題
がある。
【0003】このスジの発生原因はダイリップ部におけ
る溶解物の部分的な滞積或いは焼付けによるものと考え
られているが、このようなダイリップスジが発生する
と、これによって製造されたフィルム或いは積層物の表
面には縦方向に連続的なスジとなる。このスジには、一
般に二種類あり、一つは突起状のものであり、もう一つ
は陥没状のものが知られている。このようなダイリップ
スジは製品の外観を著しく損なうばかりでなく、延伸な
どの二次加工においてフィルムの透明度のムラを発生さ
せるため、商品価値を著しく低下させていた。しかも、
一度発生したダイリップスジを完全に消失させるには、
ダイリップを分解して洗浄する以外に方法がなく、その
分解、洗浄には多大な手間と時間を要し、生産性の著し
い低下をもたらすものであり、その解決を迫られてい
る。
【0004】従来、ダイリップスジの防止方法が種々検
討されてきた。例えば、樹脂組成物の改良の面からは、
酸化亜鉛と高級樹脂酸の金属塩の特定量を組み合わせて
用いる方法(特開昭53−102947号公報)、二酸
化チタンの乾燥減量と脂肪酸金属塩の特定量を組み合わ
せて用いる方法(特開昭57−16819号公報)、酸
化防止剤と脂肪酸金属塩の特定量を組み合わせて用いる
方法(特開昭60−11841号公報)、二酸化チタン
乾燥減量、脂肪酸金属塩、組成物溶融粘度などに関する
条件を選択し組み合わせて用いる方法(特公59−42
296号公報)等が提案がある。また、使用する二酸化
チタンが増加するに従い、汚れやグタットが多発するこ
とから二酸化チタンの改質が必要であるとの観点から、
二酸化チタン表面を含水酸化アルミニウムで処理する方
法(特開昭57−108849号公報)、2〜4価のア
ルコールで処理する方法(特開昭58−17433号公
報)、アルキルチタネートで処理する方法(特開昭57
−151942号公報)、または有機アルミニウムで処
理する方法(特開昭62−141544号公報)、或い
は二酸化チタンの乾燥減量を0.35%以下にする方法
(特開昭59−1544号公報、特開昭59−1213
29号公報、特開昭59−215234号公報)、およ
び二酸化チタンの懸濁液電気伝導度を60mbo/cm以下に
する方法(特開昭58−220140号公報)等の多く
の提案もなされている。しかしながら、ダイリップスジ
を防止する方法としては不十分である。また耐水性樹脂
中に二酸化チタン量を増大させると溶融押出したフィル
ムに膜割れが発生する問題があり、既存の写真印画紙用
支持体における耐水性樹脂中のTiO2含有量は20wt%よ
り少ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐水性樹脂
中に二酸化チタンの含有量を増大させても、膜割れを発
生せずに溶融押出しコーティングができ、高い隠蔽性お
よび鮮鋭度を有し、しかもダイリップスジの発生が少な
い写真印画紙用支持体の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の写真印画紙用支
持体は、紙または合成紙の両面に耐水性樹脂被覆層を設
けた写真印画紙用支持体であり、乳剤塗布層側の耐水性
樹脂被覆層が2層以上の耐水性樹脂被覆層からなり、上
層は二酸化チタン含有量20wt%〜50wt%の耐水性樹
脂を170℃〜290℃の低温で溶融押出しコーティン
グして形成した層で、最下層は耐水性樹脂を290℃〜
340℃の高温で溶融押出しコーティングして形成した
層であることを特徴とする。また、上記耐水性樹脂被覆
層において最下層の二酸化チタン含有量は15wt%以下
であることが好ましい。また、上記耐水性樹脂被覆層に
おいて上層耐水性樹脂のメルトインデックス(MI)が
最下層耐水性樹脂のメルトインデックス(MI)より高
いことが好ましい。
【0007】耐水性樹脂としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエチレン系共重合体等のポリオレフィ
ン、特に好ましくはポリエチレンを用いる。ポリエチレ
ンは高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低
密度ポリエチレンおよびこれらポリエチレンのブレンド
を用いることができる。又、ポリオレフィン樹脂の加工
前のメルトインデックス(MI)はJISK 7210
の表1の条件4で測定された値で10g/10分〜10
0g/10分の範囲である。本明細書で述べるポリオレ
フィン樹脂の加工前のMIとは、ブルーイング剤、TiO2
を練り込む前の樹脂のMIと、希釈樹脂の使用前のMI
を示す。又、耐水性樹脂層に含有される二酸化チタン
(TiO2)としては、アナターゼ型、ルチル型どちらでも
良いが、白色度を優先する場合アナターゼ型TiO2を、ま
た鮮鋭度を優先する場合はルチル型TiO2が好ましい。白
色度と鮮鋭度両方を考慮してアナターゼ型、ルチル型Ti
O2をブレンドして用いても良いし、多層からなる耐水性
樹脂層の或る層にはアナターゼ型を、又、他の層にはル
チル型TiO2を使用しても良い。
【0008】使用されるTiO2は一般にTiO2の活性を抑え
黄変を防止する為、その表面に含水酸化アルミニウム、
含水酸化珪素等の無機物質で表面処理したもの、多価ア
ルコール、多価アミン、金属石けん、アルキルチタネー
ト、ポリシロキサン等の有機物質で表面処理したもの及
び無機・有機の処理剤を併用して表面処理したものを使
用できる。表面処理量はTiO2に対して無機物質で0.2
wt%〜2.0wt%、有機物質で0.1wt%〜1.0wt%
が好ましい。TiO2の粒径としては0.1μm 〜0.4μ
m 程度が良い。多層耐水性樹脂被覆層における上層のTi
O2の濃度としては20wt%〜50wt%が好ましい。20
wt%未満だと鮮鋭度が低く(従来の鮮鋭度)なる。最下
層のTiO2濃度としては、上層の濃度より低く15wt%以
下、特にTiO2を含有しなくとも良い。
【0009】TiO2は、高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸
エチル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸等を分散助剤と
して用い、2本ロール、3本ロール、ニーダー、バンバ
リーミキサー等の混練機で耐水樹脂中の練り込み、ベレ
ット形状に成形したマスターバッチを用いる。ベレット
中のTiO2濃度は一般に30wt%〜75wt%程度であり、
分散助剤はTiO2量に対して一般に0.5wt%〜10wt%
程度である。
【0010】又、耐水性樹脂層には、ブルーイング剤を
含有させるとよい。ブルーイング剤としては、一般に知
られる群青、コバルトブルー、酸化燐酸コバルト、キナ
クリドン系顔料等とその混合物が用いられる。ブルーイ
ング剤の粒子径に特に限定はないが、市販のブルーイン
グ剤の粒径は通常0.3μm 〜10μm 程度であり、こ
の範囲の粒径であれば特に使用上支障がない。本発明に
おける多層耐水樹脂層におけるブルーイング剤の含有量
は、最上層に0.2wt%〜0.4wt%、又、その下層側
においては0〜0.15wt%含有させるとよい。
【0011】ブルーイング剤は、2本ロール、3本ロー
ル、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機で耐水性
樹脂中に練り込まれ、ペレット状に成形され、マスター
バッチとされる。ペレット中のブルーイング剤の濃度は
1wt%〜30wt%である。ブルーイング剤のペレットを
作る際に、TiO2を一緒に練り込むこともでき、又、ブル
ーイング剤の分散を助けるため低分子量の耐水性樹脂、
高級樹脂酸の金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸
アミド、高級脂肪酸等の分散助剤を用いることができ
る。
【0012】又、本発明の耐水性層中には酸化防止剤を
含有させることもでき、含有量としては耐水性樹脂量に
対し50ppm 〜1000ppm 添加できる。このようにし
て作製した二酸化チタン及び/又はブルーイング剤を含
有するマスターバッチは、耐水性樹脂により適宜希釈し
て塗布用とされる。
【0013】本発明における多層耐水性樹脂層の形成方
法としては、走行する基体である紙、合成紙上に、加熱
溶融した上記二酸化チタン及び/又はブルーイング剤を
含有するペレットを溶融し、又必要に応じて耐熱性樹脂
で希釈して溶融して、逐次ラミネート法又はフィートブ
ロックタイプ、マルチマニホールドタイプ、マルテスロ
ットタイプの多層押出ダイによるラミネート法のいずれ
かの方法により形成される。多層押出用ダイの形状とし
てはTダイ、コートハンガーダイ等が一般的であり、特
に限定を受けない。また、樹脂を基体に被覆する前に、
基体にコロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理など
の活性化処理を施すのが好ましい。
【0014】本発明の多層耐水性樹脂層として、例えば
2層構成の場合を例にとると、高濃度のTiO2を含有した
上層の膜厚は2μ〜40μ、2μより薄いと膜成型が困
難であり、またTiO2量が少なく鮮鋭度も低くなる、好ま
しくは10μ〜30μが良い。下層の膜厚は0.5μ〜
20μが良い。好ましくは5μ〜15μが良い。
【0015】乳剤を塗布する側の耐水性樹脂層の最外層
表面は、光沢面、又は特開昭55−26507号公報記
載の微細面、マット面あるいは絹目面の型付けがされ、
裏面は無光沢面の型付けをする。型付け後の表面にコロ
ナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことがで
き、更に活性化処理後、特開昭61−84643号公報
に記載のような下引き処理をすることもできる。
【0016】本発明に用いられる基体としては、通常の
天然パルプを主成分とする天然パルプ紙、天然パルプと
合成繊維とから成る混抄紙、合成繊維を主成分とする合
成繊維紙、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの合成樹
脂フィルムを擬紙化した、所謂合成紙のいずれでもよい
が、写真印画紙用ポリオレフィン樹脂被覆紙の基体とし
ては天然パルプ紙(以下、単に原紙と呼称する)が特に
好ましく有利に用いられる。添加薬品としては、アルキ
ルケテンダイマーの他クレー、タルク、炭酸カルシウ
ム、尿素樹脂微粒子等の充填剤、ロジン、高級脂肪酸
塩、パラフィンワックス、アルケニルコハク酸等のサイ
ズ剤、ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、硫酸バンド
等の定着剤などを添加したものが用いられる。その他、
必要に応じ、染料、蛍光染料、スライムコントロール
剤、消泡剤等が添加される。又、必要に応じ、以下の柔
軟化剤を添加することができる。
【0017】柔軟化剤に関しては、例えば新・紙加工便
覧(紙薬タイムス社編)554頁〜555頁、1980
年発行に記載がある。特に分子量200以上のものが好
ましい。すなわち、炭素数10以上の疎水性基を有し、
又、セルロースと自己定着するアミン塩又は第4級アン
モニウム塩を有している。具体的には無水マレイン酸共
重合物とポリアルキレンポリアミンとの反応物、高級脂
肪酸とポリアルキレンポリアミンとの反応物、ウレタン
アルコールとアルキル化剤との反応物、高級脂肪酸の4
級アンモニウム塩等があげられるが、無水マレイン酸共
重合物とポリアルキレンポリアミンとの反応物、ウレタ
ンアルコールとアルキル化剤との反応物が特に好まし
い。
【0018】又、このパルプ表面にゼラチン、スター
チ、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの変
性物等の皮膜形成ポリマーにより表面サイズ処理するこ
ともできる。この場合のポリビニルアルコール変性物と
しては、カルボキシル基変性物、シラノール変性物やア
クリルアミドとの共重合物等が挙げられる。また皮膜形
成性ポリマーにより表面サイズ処理する場合の皮膜形成
ポリマーの塗布量は、0.1g/m2〜5.0g/m2、好
ましくは0.5g/m2〜2.0g/m2に調整される。更
にこの際の皮膜形成ポリマーには、必要に応じて帯電防
止剤、蛍光増白剤、顔料、消泡剤などを添加することが
できる。
【0019】又、原紙は、上述したパルプ及び必要に応
じて添加した充填剤、サイズ剤、紙力補強剤、定着剤等
の添加剤を含有したパルプスラリーを長絹抄紙機等の抄
紙機により抄紙し、乾燥し、巻取って製造される。この
乾燥の前後のいずれかにおいて前記表面サイズ処理が行
われ、又、乾燥後から巻取りの間にカレンダー処理が行
われる。このカレンダー処理は、表面サイズ処理を乾燥
後に行う場合には、表面サイズ処理の前後のいずれにお
いても実施することができるが、カレンダー処理を各種
処理を実行した最終の仕上げ工程で実行することが好ま
しい。カレンダー処理においては、金属ロール、弾性ロ
ールとも通常の紙の製造に用いられる公知のものが使用
される。
【0020】本発明の写真印画紙用支持体に用いられる
原紙は、上述したカレンダー処理を行い、最終的に50
μm 〜250μm の膜厚に調整される。原紙の密度とし
ては、0.8g/m3〜1.3g/m3、好ましくは1.0
g/m3〜1.2g/m3である。
【0021】本発明における写真用支持体には、帯電防
止、カール防止等のために各種のバックコート層を塗設
することができる。又、バックコート層には特公昭52
−18020号、特公昭57−9059号、特公昭57
−53940号、特公昭58−56859号、特開昭5
9−214849号、特開昭58−184144号等の
各公報に記載もしくは例示の無機帯電防止剤、有機帯電
防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔
料、界面活性剤等を適宜組み合わせて含有せしめること
ができる。
【0022】本発明における写真用支持体は、各種の写
真構成層が塗設されてカラー写真印画紙用、白黒写真印
画紙用、写真印画紙用、被写印画紙用、反転写真材料
用、銀塩拡散転写法ネガ及びポジ用、印刷材料用等各種
の用途に用いることができる。例えば、塩化銀、臭化
銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀乳剤層を設けるこ
とができる。ハロゲン化銀写真乳剤層にカラーカプラー
を含有せしめて、多層ハロゲン化銀カラー写真構成層を
設けることができる。又、物理現象核を含有せしめて銀
塩拡散転写受像層を設けることができる。
【0023】本発明は、紙または合成紙の両面に耐水性
樹脂被覆層を設けた写真印画紙用支持体において、乳剤
塗布層側の耐水性樹脂被覆層に高濃度のTiO2を含有する
少くとも二層以上からなる多層耐水性樹脂層を持つ写真
印画紙用支持体とその製造方法において、高濃度のTiO2
を含有する耐水性樹脂を溶融押出しコーティングする際
に発生するダイリップスジと膜割れを解消し、高速溶融
押出しコーティングを可能にすべく鋭意検討の結果見出
したものである。本発明において、膜割れの解消の詳細
な機構は未解明であるが、この膜割れは通常の溶融押出
しコーティング温度290℃〜340℃で高濃度のTiO2
を含有する耐水性樹脂を溶融押出しすると、TiO2および
TiO2の表面処理剤に含まれる水分及び揮発分が押出機内
あるいはダイリップより吐出された時にガス化するため
に、ダイリップより吐出する耐水性樹脂溶融膜がそのガ
スにより割れてしまう現象と考えられ、そのため水分お
よび揮発分の多いTiO2ほど低濃度領域で膜割れを発生さ
せてしまう。また、TiO2の濃度を20wt%以上に増加さ
せるとダイリップスジが急に増加するが、これはTiO2
存在することにより耐水性樹脂が酸化しやすくなってい
るためと考えられる。
【0024】一方、本発明における写真印画紙用支持体
では、高濃度のTiO2を含有する耐水性樹脂を溶融押出し
コーティングする際の溶融押出し温度を170℃〜29
0℃の低温度にすることでTiO2およびTiO2の表面処理剤
に含まれる水分及び揮発分のガス化を押さえ膜割れがな
く均一な高濃度のTiO2を含有する耐水性樹脂膜を押出す
ことが可能となる。また、溶融押出し温度を低温化する
ことにより同時に耐水性樹脂の酸化も減少させることが
できダイリップスジを防止させることができる。しか
し、この低温溶融押出しでは耐水性樹脂の流動性が悪く
高速溶融押出しコーティングすることができないと同時
に耐水性樹脂被覆層と紙あるいは合成紙との密着が悪化
する問題が新たに生ずる。
【0025】本発明における写真印画紙用支持体では、
高濃度のTiO2を含有する耐水性樹脂のMIを10g/1
0分〜100g/10分にして低温溶融押出しにおいて
も流動性を良くすることで高速溶融押出しコーティング
を可能にした。また、耐水性樹脂被覆層と紙あるいは合
成紙との密着は、最下層の溶融押出し温度を通常の温度
290℃〜340℃にすることで確保できる。従って、
高濃度のTiO2を含有する耐水性樹脂に密着を向上させる
ための添加剤の必要もない。本発明における高濃度のTi
O2を含有する耐水性樹脂被覆層を有する高鮮鋭度の写真
印画紙用支持体を高速溶融押出しコーティングすること
が可能になった。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 第一ラミネートステーションで、坪量170g/m2の原
紙に、密度0.945g/m3でMIが8g/10分のポ
リエチレンを膜厚28μ、200m /分で原紙の片面に
ポリエチレン層を被覆する。次いで、第二ステーション
で原紙の他方の面に、上層にTiO2を40wt%、TiO2の分
散剤としてステアリン酸亜鉛を1.5wt%を含有した密
度0.945g/m3、MI=20g/10分のポリエチ
レン、押出し温度250℃、膜厚15μ、下層を密度
0.945g/m3、MI=2g/10分のポリエチレ
ン、押出し温度320℃、膜厚15μ、上下層合わせて
30μ多層押出しで200m /分でラミネートしたとこ
ろ、膜割れの発生なく、原紙との密着は300g/15
mm巾(テンシロンを用い5kgのロードセルでスピード5
0mm/分、180°の剥離強度)となり、従来320°
単層押出しラミネートと同レベルのものが得られた。8
時間の操業でもダイリップスジの発生は認められなかっ
た。
【0027】比較例1 上記実施例における第二ステーション条件として、上記
実施例におけるポリエチレンをTiO2を40wt%、TiO2
分散剤としてステアリン酸亜鉛を1.5wt%を含有した
密度0.945g/m3、MI=2g/10分のポリエチ
レン、押出し温度320℃、膜厚30μで単層ラミネー
トしたところ、膜割れとダイリップスジが発生し均一な
ポリエチレン被覆層が形成できなかった。
【0028】比較例2 上記実施例における第二ステーション条件として、上記
実施例における上層のポリエチレン層組成と同一のもの
を使用し、原紙の他方の面に膜厚30μ、200m /分
で単層ラミネートを行ったところ、原紙とポリエチレン
層間の膜剥離によりラミネート加工を続行できなかっ
た。
【0029】比較例3 上記実施例における第二ステーション条件として、上記
実施例における上層のポリエチレンMI=2g/10分
のものに替え、押出し温度320℃、膜厚15μとし、
下層は上記実施例と同一で、上下層合わせて30μ多層
押出しで200m /分にてラミネートしたところ上層に
膜割れが発生し均一なポリエチレン被覆層が形成できな
かった。
【0030】実施例2 上記実施例1と同様に、第一ラミネートステーション
で、坪量170g/m2の原紙に、密度0.945g/m3
でMIが8g/10分のポリエチレンを膜厚28μ、2
00m /分で原紙の片面にポリエチレン層を被覆する。
次いで、第二ステーションで原紙の他方の面に、下記表
1に示す割合でTiO2を添加し、またステアリン酸亜鉛を
TiO2量に対し5.0wt%の割合で含有させ、バンバリー
ミキサー中で混練後、パレット状に成形してマスターバ
ッチを調整した。TiO2は電子顕微鏡による平均粒径が
0.15μm 〜0.35μm で水和酸化アルミニウムの
コーティング量がAl2O3 の形でTiO2に対し0.35wt%
のものを用いた。密度0.945g/m3、MI=20g
/10分のポリエチレン、押出し温度250℃、下層を
密度0.945g/m3、MI=2g/10分のポリエチ
レン、押出し温度320℃、上下層を表1に示す膜厚で
200m /分で二層ポリエチレン被覆層を設けた。次
に、このポリエチレン層表面をグロー放電処理後、塩化
銀乳剤を塗布し写真印画紙を得た。得られた写真印画紙
に解像力チャートを密着し、緑色光で露光し、カラー画
像処理してテストシートを得た。このテストシートをマ
イクロデンシトメーターで測定し、常法に従ってパーソ
ナルコンピューターで計算してマゼンタ層の画像の鮮鋭
度としてCTF(Contrast Transfer Function; コント
ラスト伝達函数、10本/mmにおける値)を求め、写真
用樹脂被覆紙のプリント画像の鮮鋭度を判定した。な
お、CTFはその数値が大きい程、プリント画像の鮮鋭
度が高いことを示している。結果を表1に示す。表1か
ら分かるように、本発明の写真印画紙用支持体は、プリ
ント画像の高い鮮鋭度を持つことがわかる。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明の写真印画紙用支持体は、原紙あ
るいは合成紙と耐水性樹脂被覆層の密着を維持しつつ、
ダイリップスジと膜割れを解消し高速溶融押出しコーテ
ィングか可能で、鮮鋭度の高い写真印画紙用支持体を得
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 19/38 19/20 27/00 7199−3B D21H 5/00 Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙または合成紙の両面に耐水性樹脂被覆
    層を設けた写真印画紙用支持体において、乳剤塗布層側
    の耐水性樹脂被覆層が、2層以上の耐水性樹脂被覆層か
    らなり、上層は二酸化チタン含有量20wt%〜50wt%
    の耐水性樹脂を170℃〜290℃の低温で溶融押出し
    コーティングして形成した層で、最下層は耐水性樹脂を
    290℃〜340℃の高温で溶融押出しコーティングし
    て形成した層であることを特徴とする写真印画紙用支持
    体。
  2. 【請求項2】 最下層の二酸化チタン含有量が15wt%
    以下である請求項1に記載の写真印画紙用支持体。
  3. 【請求項3】 上層の耐水性樹脂のメルトインデックス
    が最下層の耐水性樹脂のメルトインデックスより高い請
    求項1に記載の写真印画紙用支持体。
JP5114928A 1993-04-28 1993-05-17 写真印画紙用支持体 Pending JPH06324431A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7485359B2 (en) 2004-09-13 2009-02-03 Fuji Photo Film Co., Ltd. Support for image-recording material and image-recording material

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