JPH0632319Y2 - 試験片打抜き型 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ．産業上の利用分野 本考案は、打抜きシートから試験片を打抜く打抜き型に
関する。

Ｂ．従来の技術 この種の打抜き型として従来から第３図に示すようなも
のが知られている。これは、型本体１に試験片形状の打
抜き刃２を取付けたものであり、この打抜き刃２の刃先
を例えばゴム製の打抜きシートに押しつけて試験片を打
抜く。

Ｃ．考案が解決しようとする課題 しかしながら、第３図に示す打抜き型では、打抜かれた
試験片が打抜き刃２の内部にはまり込んでしまい、これ
を取り出すのが容易ではなかった。そこで、この打抜き
刃２の内部を打抜き方向に移動可能な試験片押出し板を
設け、試験片打抜き後にこの押出し板を打抜き刃２の刃
先よりも突出させてはまり込んだ試験片を外部に押しだ
すようにしたものが実開昭５１−１５８４７９号公報に
開示されている。

しかし、この方法のものでは、例えば打抜きシートがゴ
ムなど粘着性の材料から成る場合には、打抜かれた試験
片が押出し板の下面に付着するおそれがある。また打抜
きシートが例えば金属箔のような材料であった場合に
は、打抜かれた試験片が静電気により同様に押出し板の
下面に付着するおそれがある。このため、試験片を押出
し板から取外す作業を強いられ、作業効率が悪い。

本考案の目的は、打抜かれた試験片が押出し板の下面に
付着するのを防止した試験片打抜き型を提供することに
ある。

Ｄ．課題を解決するための手段 本考案は、型本体に取付けられた打抜き刃と、この打抜
き刃内部を打抜き方向に沿って移動可能に支持される試
験片押出し板と、この試験片押出し板の押出し面が打抜
き刃の刃先にて形成される平面よりも突出するよう試験
片押出し板を付勢するばねとを備えた試験片打抜き型に
実施される。そして、試験片押出し板の押出し面に打抜
かれた試験片に所定の空気圧力を作用せしめる圧力口を
設け、これにより上記技術的課題を解決する。

Ｅ．作用 本考案において、打抜き刃によって打抜かれた試験片に
上記圧力口から圧縮空気を送出して正圧を作用せしめる
と、試験片押出し板に付着した試験片が取外される。ま
た負圧を作用させると試験片が押出し板に吸着される。

Ｆ．実施例 −第１の実施例− 第１図により本考案の一実施例を説明する。なお、第３
図と同様な箇所には同一の符号を付す。

第１図は本考案に係る試験片打抜き型の断面図であり、
打抜き型本体（以下、型本体）１には、打抜く試験片の
形状に形成された打抜き刃２が取付けられている。型本
体１には、一対のガイド軸３が図示ＡＢ方向、すなわち
打抜き方向に摺動可能に貫通し、その一端に嵌合された
ストッパ４によりガイド軸３のＡ方向の移動が制限され
る。この一対のガイド軸３の他端には押出し板５が固着
され、この押出し板５と本体１との間にばね６が介装さ
れている。このばね６の付勢力により押出し板５は常に
Ａ方向に付勢され、その押出し面５ａが打抜き刃２の刃
先によって形成される面よりも突出している。

また、型本体１には一対の貫通孔１ａが設けられるとと
もに、押出し板５にも一対の貫通孔（圧力口）５ｂが設
けられている。これらの貫通孔１ａ，５ｂは、蛇腹式の
エアホース７で接続され、不図示の装置により貫通孔１
ａ，エアホース７および貫通孔５ｂを介して押出し板５
の押出し面５ａに所定圧力の圧縮空気が導かれるように
なっている。なお８は、本打抜き型を不図示の打抜き機
本体に装着するための取り付け部である。

次に、実施例の動作を説明する。

まず、取り付け部８にて試験片打抜き型を、打抜き刃２
の刃先が下を向くように不図示の打抜き機本体に装着
し、打抜き刃２の下方に設けられた台上に打抜きシート
ＳＴを配置する。この状態で打抜き型を下降させると、
まず押出し板５の押出し面５ａがシートＳＴに接触し、
ばね６の付勢力に抗してガイド軸３と一体に型本体１に
対してＢ方向、すなわち上方に移動する。打抜き型がさ
らに下降すると、打抜き刃２がシートＳＴを試験片の形
に打抜く。

その後、打抜き型を上昇させるとともに、型本体１の一
対の孔１ａからエアホース７および押出し板５の貫通孔
５ｂを介して押出し面５ａに圧縮空気を送る。打抜き型
の上昇により押出し板５がばね６の付勢力により下方す
なわちＡ方向に移動し、打抜かれたシート（試験片）を
打抜き刃２内部から押し出す。また、押出し板５の押出
し面５ａに導かれる圧縮空気により打抜かれた試験片に
所定の正圧力が作用し、押出し板５の押出し面５ａに試
験片が付着するおそれがない。

以上では、型本体１の孔１ａ，エアホース７および押出
し板５の貫通孔５ｂを介して押出し板５の押出し面５ａ
に圧縮空気を導くようにしたが、これらを介して真空引
きすることにより打抜いた試験片に負圧を作用せしめ押
出し面５ａに吸着させることができる。これによれば、
例えば打抜いた試験片を押出し面５ａに吸着させて上昇
させ、試験片と打抜きシートＳＴとの間に試験片搬送装
置を挿入してから上記真空引きを解除すれば、搬送装置
の上に試験片を載置させることができる。すなわち、打
抜かれた試験片を搬送装置に載置させるための装置を別
に設ける必要がなくなる。なお、このような試験片吸着
作業を行わないのであればエアホース７は必須ではな
い。

また、押出し面５ａに第２図に示すような溝５ｃを設け
れば押出し面５ａの広範囲に渡って圧縮空気を導くこと
ができ、試験片の付着防止を確実に行い得る。

なお以上では、ダンベル型の試験片を打抜くものについ
て説明したが、他の形状の試験片を打抜くものにも本考
案を適用できる。また、粘着性のないプラスチックなど
の打抜きにも使用できる。

Ｇ．考案の効果 本考案によれば、打抜かれた試験片が試験片押出し板に
付着することがなく、これを取外す作業が省略でき、作
業効率の向上が図れる。また吸着装置としても兼用でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す試験片打抜き型の断面
図、第２図は試験片押出し板の変形例を示す図である。 第３図は試験片打抜き型の従来例を示す斜視図である。 １：打抜き型本体、１ａ：貫通孔 ２：打抜き刃、５：試験片押出し板 ５ａ：押出し面、５ｂ：貫通孔 ６：ばね、７：エアホース

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】型本体に取付けられた打抜き刃と、この打
   抜き刃内部を打抜き方向に沿って移動可能に支持される
   試験片押出し板と、この試験片押出し板の押出し面が前
   記打抜き刃の刃先にて形成される平面よりも突出するよ
   う試験片押出し板を付勢するばねとを備えた試験片打抜
   き型において、前記試験片押出し板の前記押出し面に
   は、打抜かれた試験片に所定の空気圧力を作用せしめる
   圧力口が設けられていることを特徴とする試験片打抜き
   型。