JPH0632247A - 車体下部構造 - Google Patents

車体下部構造

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Publication number
JPH0632247A
JPH0632247A JP18815492A JP18815492A JPH0632247A JP H0632247 A JPH0632247 A JP H0632247A JP 18815492 A JP18815492 A JP 18815492A JP 18815492 A JP18815492 A JP 18815492A JP H0632247 A JPH0632247 A JP H0632247A
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JP
Japan
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cross member
battery
front side
dash lower
rear seat
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JP18815492A
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English (en)
Inventor
Atsushi Namiiri
厚 波入
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 バッテリ搭載に十分な強度を有し、フロント
サイドメンバによるエネルギ吸収の安定化を可能とす
る。 【構成】 フロントサイドメンバ1と、ダッシュロアク
ロスメンバ5と、左右サイドシル3と、リヤシートクロ
スメンバ7と、左右リヤサイドメンバ9と、リヤクロス
メンバとを有する車体下部構造において、フロントサイ
ドメンバの後方にダッシュロアクロスメンバとリヤシー
トクロスメンバとを連結するエクステンションメンバ1
3を設け、車幅方向略中央位置に設けられダッシュロア
クロスメンバとリヤシートクロスメンバとを連結するト
ンネルメンバ15を設け、リヤシートクロスメンバとリ
ヤクロスメンバ間に複数のバッテリメンバ21からなる
バッテリ取付フレーム17を設け、バッテリメンバの先
端をそれぞれ前記エクステンションメンバ及びトンネル
メンバの後端に突き当てるように結合すると共に、後端
部を車体前後方向へ移動可能に取付けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電気自動車等の車体
下部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガソリン車の燃料タンクを搭載す
る車体下部構造としては、例えば図19に示すようなも
のがある。すなわち、燃料タンク301をリヤフロア3
03下面に金属ベルト305で吊り下げ、金属ベルト3
05の前方をリヤシートクロスメンバ307に、後方を
図示外のリヤサイドメンバを連結するリヤフロアクロス
メンバに固着している。
【0003】また、近年車両の軽量化や強度アップを図
るために、各メンバをアルミニウム合金等の軽合金製押
出し材からなり閉断面構造に形成されたフレーム材によ
り構成している。このような軽合金製押出し材を用いた
車体構造としては、例えば実開平3−71979号公報
に記載された図20乃至図22に示すようなものがあ
る。
【0004】図20は前部車体構造を示すもので、軽合
金製押出し材からなるフロントアッパフレーム309及
びフロントサイドフレーム311と、フロントクロスメ
ンバ313,315と、フロントフレームピラ317等
とにより構成され、フロントサイドフレーム311の後
端はダッシュパネル319に結合されている。
【0005】前記フロントサイドフレーム311は、図
21及び図22に示すように、接続部321を介して互
いに平行に連結された第1、第2閉断面部323,32
5とこれら閉断面部323,325にそれぞれ連続する
と共に、前記接続部321の領域で相互に分離した分離
閉断面部327,329とを有し、これら分離閉断面部
327,329の少くとも一方を曲げ形成してなる二股
構造の一体成形フレーム材で構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図19で示
すガソリン車にあっては、ガソリンを含む燃料タンク3
01の重量が50Kg 前後であるため、金属ベルト30
5によりリヤシートクロスメンバ307及びリヤフロア
クロスメンバ(図示せず)に固着するだけで十分燃料タ
ンク301を支持できると共に、前面衝突時等に燃料タ
ンク301がキャビン内へ侵入することを防止できる。
【0007】しかしながら、上記ガソリン車と同様の車
体下部構造を電気自動車に使用してバッテリを搭載した
場合には、バッテリ重量が200Kg 〜300Kg にも
なるため、前面衝突時等におけるバッテリのキャビン内
への侵入を防止する為には、極めて大きな補強を行なう
必要があった。
【0008】また、図20〜図22のような構造の場
合、フロントサイドフレーム311の後端が単にダッシ
ュパネル319に突き当てられているにすぎず、前面衝
突時に、フロントサイドフレーム311に入力される荷
重を後方のサイドシル等へ安定して伝達するにも肉厚を
上げるなどの対策が必要であり、重量増を招く恐れがあ
る。
【0009】そこでこの発明は、重量増をおさえながら
バッテリ搭載に十分な強度を有し、フロントサイドメン
バによるエネルギ吸収を安定させることができる車体下
部構造の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にこの発明は、車体の前側下部左右の骨格部材となる一
対のフロントサイドメンバと、このフロントサイドメン
バの後端に結合されフロア前側の骨格部材となるダッシ
ュロアクロスメンバと、前記ダッシュロアクロスメンバ
の両端に結合されたフロア左右側の骨格部材となる左右
サイドシルと、前記左右サイドシルの後部間を連結しフ
ロア後部側の骨格部材となるリヤシートクロスメンバ
と、前記リヤシートクロスメンバの後方位置に設けられ
た左右リヤサイドメンバと、前記左右リヤサイドメンバ
間を連結するバッテリクロスメンバとを有する車体下部
構造において、前記フロントサイドメンバの後方位置に
設けられ前記ダッシュロアクロスメンバとリヤシートク
ロスメンバとを連結するエクステンションメンバを設
け、車幅方向略中央位置に設けられ前記ダッシュロアク
ロスメンバとリヤシートクロスメンバとを連結するトン
ネルメンバを設け、前記リヤシートクロスメンバとリヤ
クロスメンバ間に複数のバッテリメンバからなるバッテ
リ取付フレームを設け、前記バッテリメンバの先端をそ
れぞれ前記エクステンションメンバ及びトンネルメンバ
の後端に突き当てるように結合すると共に、後端部を車
体前後方向へ移動可能に取付けたことを特徴とする。
【0011】
【作用】上記構成によれば、前面衝突等によりフロント
サイドメンバに衝突荷重が入力されると、この荷重はダ
ッシュロアクロスメンバへ入力される。一方、バッテリ
の慣性力によりバッテリメンバは前方への荷重を受ける
が、エクステンションメンバ及びトンネルメンバへの突
き当てによって、ダッショロアクロスメンバへ荷重が伝
達される。従って、バッテリ側からの荷重によってフロ
ントサイドメンバのエネルギ吸収時の反力を支えること
ができると共に、バッテリの慣性力も支えることができ
る。
【0012】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0013】図1はこの発明の一実施例に係る電気自動
車の車体下部構造を示す分解斜視図である。
【0014】この実施例に係る車体構造の骨格部材とな
る各メンバは、アルミニウム合金等の軽合金製の押出し
部材からなる閉断面構造となっている。
【0015】この車体構造は、フロントサイドメンバ
1、サイドシル3、ダッシュロアクロスメンバ5、リヤ
シートクロスメンバ7、リヤサイドメンバ9、バッテリ
クロスメンバ11、エクステンションメンバ13、トン
ネルメンバ15及びバッテリ16を取付けるバッテリ取
付フレーム17によって構成されている。
【0016】すなわち、サイドシル3の前端部はダッシ
ュロアクロスメンバ5に結合され、ダッシュクロスメン
バ5にはフロントサイドメンバ1の後端が結合されてい
る。サイドシル3の後端部にはリヤサイドメンバ9の前
端が結合され、その前方位置にリヤシートクロスメンバ
7が結合されている。リヤサイドメンバ9にはバッテリ
クロスメンバ11が結合されている。エクステンション
メンバ13及びトンネルメンバ15は、ダッシュロアク
ロスメンバ5とリヤシートクロスメンバ7間に設けられ
ており、エクステンションメンバ13は前記フロントサ
イドメンバ1の延長線上に配設されている。
【0017】バッテリ取付フレーム17は前記エクステ
ンションメンバ13及びトンネルメンバ15の延長線上
にそれぞれ配設された車体前後方向のバッテリメンバ2
1,23と、これらバッテリメンバ21,23とクロス
するクロスメンバ25,27とから構成され、リヤシー
トクロスメンバ7、バッテリクロスメンバ11、サイド
シル3及びリヤサイドメンバ9に取付けられている。
【0018】図2はダッシュロアクロスメンバ5とフロ
ントサイドメンバ1及びエクステンションメンバ13の
結合部の詳細を示す側断面図である。
【0019】ダッシュロアクロスメンバ5は上下壁部2
9,31及び前後壁部33,35とを有する閉断面構造
を呈し、閉断面内に前後壁部33,35を連結するリブ
37が設けられている。前後壁部33,35は上下壁部
29,31及びリブ37に対し厚肉に形成され、後壁部
35の下部にはフロア取付用のフランジ39が一体形成
されている。
【0020】フロントサイドメンバ1は、図3に示すよ
うに、上下壁部41,43及び左右壁部45,47とを
有する閉断面構造を呈し、閉断面内には左右壁部45,
47を連結するリブ49が設けられている。そして、フ
ロントサイドメンバ1の上壁部41とリブ49をダッシ
ュロアクロスメンバ5の上下壁部29,31に突き当る
ように切断し、この切断部にダッシュロアクロスメンバ
5の前壁部33を係合させて熔接等により結合されてい
る。
【0021】このダッシュロアクロスメンバ5との結合
部の後方にエクステンションメンバ13が一体的に形成
されている。エクステンションメンバ13は、図4に示
すように、フロントサイドメンバ1のリブ49を上壁部
とし左右壁部45,47の一部分を左右壁部とすると共
に下壁部43を下壁部とする閉断面構造を呈し、リブ4
9を左右に張出してフロア取付用のフランジ51が一体
的に形成されている。
【0022】図5はダッシュロアクロスメンバ5とサイ
ドシル3の結合部の詳細を示す分解斜視図、図6は平面
図である。
【0023】ダッシュロアクロスメンバ5とサイドシル
3の結合部は、剛性を高めるために鋳物等で形成したジ
ョイント53を介して結合されている。
【0024】サイドシル3は上下壁部55,57,イン
ナーシル59及びアウタシル61を有する閉断面構造を
呈し、インナ−シル59にジョイント53を嵌合する切
欠き部63が形成されている。
【0025】ジョイント53は前記インナーシル59の
切欠き部63に嵌入させる嵌合部65を有し、この嵌合
部65にはダッシュロアクロスメンバ5を挿入する挿入
孔67が設けられている。
【0026】ダッシュロアクロスメンバ5とサイドシル
3の結合は、まずサイドシル3の切欠き部63にジョイ
ント53の嵌合部65を嵌合して熔接等によりジョイン
ト53をサイドシル3に結合し、ジョイント53の挿入
孔67にダッシュロアクロスメンバ5を挿入して熔接等
により結合されている。
【0027】図7はリヤシートクロスメンバ7とエクス
テンションメンバ13及びバッテリ取付フレーム17の
バッテリメンバ21の結合部の詳細と、バッテリメンバ
21とリヤサイドメンバ9の結合部の詳細を示す側断面
図である。
【0028】リヤシートクロスメンバ7は、図8に示す
ように、上下壁部69,71及び前後壁部73,75を
有する閉断面構造を呈し、閉断面内に前後壁部73,7
5を連結するリブ77が設けられると共に、リブ77と
下壁部71を連結するリブ79が設けられている。リブ
79は後方へ側斜させて設けられており、バッテリ16
の自重によるバッテリメンバ21結合部の下方向結合力
を軽減するようにしている。
【0029】そして、リヤシートクロスメンバ7には、
前壁部73のリブ77と下壁部71との間にエクステン
ションメンバ13取付用の切欠き部81を形成すると共
に、その反対面に後壁部75と下壁部71とを切欠いた
バッテリメンバ21取付用の切欠き部83が形成されて
いる。さらに、後壁部75の上壁部69とリブ77との
間にジョイント87を嵌合する切欠き部85が形成され
ている。この切欠き部85の上壁部69とリブ77には
ボルト孔91が穿設されている。また、前記ジョイント
87は内側面にボス89を有し、このボス89には前記
リヤシートクロスメンバ7のボルト孔91に対応するボ
ルト孔93が穿設されている。
【0030】一方、バッテリメンバ21は、上下壁部9
5,97及び左右壁部99,101とを有する閉断面構
造を呈し、その先端は前記リヤシートクロスメンバ7の
リブ79の側斜面に係合する後方への側斜面が形成され
ている。また、上下壁部95,97には、前記ボルト孔
91,93に対応するボルト孔103が穿設されてい
る。
【0031】リヤサイドメンバ9は、上下壁部105,
107及び左右壁部109,111とを有する閉断面構
造を呈し、前記上下壁部105,107にはバッテリメ
ンバ21の後端部係合位置にボルト孔113が穿設され
ている。
【0032】一方、バッテリメンバ21の後端部の上下
壁部95,97には、前記リヤサイドメンバ9のボルト
孔113に対応する車体前後方向の長孔115が穿設さ
れ、この長孔115に沿ってバッテリメンバ21が車体
前後方向に移動できるようにしている。
【0033】リヤシートクロスメンバ7とエクステンシ
ョンメンバ13の結合は、エクステンションメンバ13
の後端部をリヤシートクロスメンバ7の切欠き部81に
嵌合し、後端をリブ79に突き当てて熔接等により結合
する。
【0034】リヤシートクロスメンバ7とバッテリメン
バ21の結合は、まずジョイント87をリヤシートクロ
スメンバ7の切欠き部85に嵌合して熔接等により結合
しておく。そして、バッテリメンバ21の先端部をリヤ
シートクロスメンバ7の切欠き部83に挿入し、先端側
斜面をリブ79に突き当てると共に上壁部95をリヤシ
ートクロスメンバ7のリブ77に係合させてボルト孔9
1,103にボルト117を挿通し、これにナット11
9を締め込むことにより締結結合する。
【0035】バッテリメンバ21とリヤサイドメンバ9
の結合は、バッテリメンバ21の後端部の上壁部95を
リヤサイドメンバ9の下壁部107に係合させてボルト
孔113及び長孔115にボルト121を挿通し、これ
にナット125を締め込むことにより締結結合する。
【0036】図9はトンネルメンバ15とダッシュロア
クロスメンバ5の結合部の詳細を示す側面図である。
【0037】トンネルメンバ15は、上下壁部125,
127及び左右壁部129,131とを有する閉断面構
造を呈しており、その先端をダッシュロアクロスメンバ
5の後壁部35に突き当て、トンネルメンバ15の上下
壁部125,127をダッシュロアクロスメンバ5のリ
ブ37及び下壁部31に位置させて熔接等により結合し
ている。
【0038】トンネルメンバ15とリヤシートクロスメ
ンバ7の結合部は、エクステンションメンバ13とリヤ
シートクロスメンバ7の結合部と同様に構成されてお
り、バッテリメンバ23のリヤシートクロスメンバ7及
びバッテリクロスメンバ11との結合部は、バッテリメ
ンバ21のリヤシートクロスメンバ7及びバッテリクロ
スメンバ11との結合部と同様に構成されている。
【0039】また、バッテリ取付フレーム17のクロス
メンバ25とサイドシル3との結合部及びクロスメンバ
25とリヤサイドメンバ9との結合部は、エクステンシ
ョンメンバ13とバッテリクロスメンバ11との結合部
と同様に結合している。
【0040】つぎに、上記一実施例の作用を図10及び
図11を用いて説明する。
【0041】車両の前面衝突等により図示しないフロン
トバンパ側からフロントサイドメンバ1に衝突荷重Fが
入力されると、ダッシュロアクロスメンバ5とサイドシ
ル3の結合部回りにF・lE のモーメントが生じる。こ
こで、lE はサイドシル3とフロントサイドメンバ1間
の距離を示す。
【0042】また、衝突時にバッテリ16の自重の慣性
力によってトンネルメンバ15に加わる荷重PT によ
り、ダッシュロアクロスメンバ5とサイドシル3の結合
部回りに−PT ・lT のモーメントが生じると共に、エ
クステンションメンバ13に加わる荷重PE により、ダ
ッシュロアクロスメンバ5とサイドシル3の結合部回り
に−PE ・lE のモーメントが生じる。ここで、lT
サイドシル3とトンネルメンバ15間の距離、lE はサ
イドシル3とエクステンションメンバ13間の距離を示
す。
【0043】従って、ダッシュロアクロスメンバ5とサ
イドシル3の結合部回りのモーメントMは M=F・lE −(PT ・lT +PE ・lE ) …(1) となる。
【0044】このように、フロントサイドメンバ1から
の衝突荷重Fによるモーメントがバッテリ自重の慣性力
によるモーメントで小さくなり、ダッシュロアクロスメ
ンバ5とサイドシル3の結合部の回転変形が抑えられ
る。
【0045】ここで、電気自動車が35mphで前面衝
突時等にフロントサイドメンバ1がエネルギ吸収時に必
要な反力を5ton とし(TECHNICAL PAPER 920357
参照)、また、例えばバッテリ16の自重を200Kg、
衝突によるバッテリ自重の慣性力を40G とすると、バ
ッテリ16の慣性力による荷重は約8ton となり、エク
ステンションメンバ13及びトンネルメンバ15に加わ
る各荷重PE =PT は2ton となる。一方、フロントサ
イドメンバ1及びエクステンションメンバ13とサイド
シル3間の距離lE を250mm、トンネルメンバ15と
サイドシル3間の距離lT を650mmとすると、サイド
シル3とダッシュロアクロスメンバ5の結合部回りに生
じるモーメントMは、式(1)より M=F・lE −(PT ・lT +PE ・lE ) =5×250−(2×650+2×250) =1250−1800=−550ton ・mm となる。
【0046】従って、フロントサイドメンバ1への衝突
荷重Fによるモーメント以上の逆モーメントにより、ダ
ッシュロアクロスメンバ5を前方へ押し、フロントサイ
ドメンバ1のエネルギ吸収を援助している。
【0047】また、図12に示すように、ダッシュロア
クロスメンバ5をサイドシル3取付部結合剛性の弱い一
つの梁として考えた場合、最大モーメントはフロントサ
イドメンバ1の結合部に生じ Mmax ={F−(PE +PT )}lE …(2) となる。
【0048】従って、フロントサイドメンバ1からの入
力Fがバッテリ自重の慣性力により小さくなり、フロン
トサイドメンバ1とダッシュロアクロスメンバ5の結合
部付近の局部変形や強度低下が抑えられる。
【0049】ここで、先の数値例により考えてみると、
図13のような従来のフロントサイドメンバ1の入力F
によるフロントサイドメンバ1とダッシュロアクロスメ
ンバ5の取付部内側全域となる最大モーメントMmax =
F×lE =5×250=1250ton ・mmに対し、この
発明の車体構造では、式(2)より Mmax ={F−(PE +PT )}×lE ={5−(2+2)}×250 =250ton ・mm となり、最大モーメントMmax の発生部位が限定される
と共に、その値が1/5に激減されるためフロントサイ
ドメンバ1の取付部付近の局部変形や強度低下が抑えら
れる。
【0050】また、トンネルメンバ15とダッシュロア
クロスメンバ5の結合部を図9に示すように、トンネル
メンバ5の上下壁部125,127をダッシュロアクロ
スメンバ5のリブ37と下壁部31に突き当てて結合し
ているので、図14に示すようにエクステンションメン
バ13のダッシュロアクロスメンバ5との結合部後方の
屈曲部(図中鎖線図示)を眞直ぐ伸ばすように作用(図
中実践図示)するため、屈曲部での局部変形が抑えら
れ、力の伝達を効率よく行える。
【0051】この実施例によれば、車両の前面衝突時等
に、重量が200Kg〜300Kgのバッテリ16を搭載し
ている場合でも、前記の荷重伝達によってバッテリ16
が確実に支えられ、キャビン内に侵入したりすることが
なく、また、フロントサイドメンバ1に大きい衝突荷重
が入力された場合にも、ダッシュロアクロスメンバ5と
エクステンションメンバ13及びトンネルメンバ15に
よりフロントサイドメンバ1のエネルギ吸収時の反力を
支えるため、衝突時のエネルギ吸収効率を向上すること
ができ、キャビンの変形を最小限に押えることができ
る。
【0052】図15乃至図18はこの発明の他の実施例
を示すものである。なお、図1と同様な構成部分には同
符号を付し、重複した説明は省略する。
【0053】この実施例は、図15に示すようにダッシ
ュロアクロスメンバ205を平面視で円弧状に形成し、
フロントサイドメンバ1及びエクステンションメンバ1
3を平面視で車幅方向で後方に傾斜する部分に結合して
いる。
【0054】さらに、図17及び図18に示すように、
フロントサイドメンバ1及びエクステンションメンバ1
3との結合部での前後壁部207,209に、フロント
サイドメンバ1の左右壁部45,47及びエクステンシ
ョンメンバ13に係合するフランジ211,213が設
けられている。
【0055】この実施例によれば、フロントサイドメン
バ1及びエクステンションメンバ13をダッシュロアク
ロスメンバ205の平面視で車幅方向で後方に傾斜する
部分に結合したことにより、結合部の断面が大きくなる
ため、前面衝突時における変形が抑制され、フロントサ
イドメンバ1によるエネルギ吸収をより効率良く行うこ
とができる。
【0056】また、フランジ211,213により前面
衝突時にフロントサイドメンバ1のダッシュロアクロス
メンバ205との結合部に生じる滑り力F1 による変形
を抑制することができる。
【0057】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、この発
明の構成によれば、重量増をおさえながらバッテリ搭載
に十分な強度を得ることができると共に車両の前面衝突
時等におけるバッテリの慣性力によりダッシュロアクロ
スメンバとエクステンションメンバ及びトンネルメンバ
がフロントサイドメンバのエネルギ吸収時の反力を支え
ることができ、エネルギ吸収を安定させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る電気自動車の車体下
部構造を示す分解斜視図である。
【図2】一実施例に係るダッシュロアクロスメンバとフ
ロントサイドメンバ及びエクステンションメンバの結合
部を示す側面図である。
【図3】一実施例に係るフロントサイドメンバの断面図
である。
【図4】一実施例に係るエクステンションメンバの断面
図である。
【図5】一実施例に係るダッシュロアクロスメンバとサ
イドシルの結合部を示す分解斜視図である。
【図6】一実施例に係るダッシュロアクロスメンバとサ
イドシルの結合部を示す平面図である。
【図7】一実施例に係るリヤシートクロスメンバとエク
ステンションメンバ及びバッテリメンバの結合部と、バ
ッテリメンバとリヤサイドメンバの結合部を示す側面図
である。
【図8】一実施例に係るリヤシートクロスメンバとバッ
テリメンバの結合部を示す分解斜視図である。
【図9】一実施例に係るダッシュロアクロスメンバとト
ンネルメンバの結合部を示す側面図である。
【図10】一実施例に係る作用説明の平面図である。
【図11】一実施例に係る作用説明の側面図である。
【図12】一実施例に係る作用概念図である。
【図13】従来例に係る作用概念図である。
【図14】一実施例に係る作用説明の側面図である。
【図15】他の実施例に係る車体下部構造の平面図であ
る。
【図16】他の実施例に係る車体下部構造の側面図であ
る。
【図17】他の実施例に係るダッシュロアクロスメンバ
とフロントサイドメンバ及びエクステンションメンバの
結合部を示す斜視図である。
【図18】他の実施例に係るダッシュロアクロスメンバ
とフロントサイドメンバ及びエクステンションメンバの
結合部を示す平面図である。
【図19】従来例に係るガソリン車の燃料タンク取付車
体の全体下方図である。
【図20】従来例に係る押出し材を用いた前部車体フレ
ームの斜視図である。
【図21】従来例に係るフロントサイドフレームを構成
する一体成形フレーム材の断面図である。
【図22】従来例に係るフロントサイドフレームの部分
断面を有する側面図である。
【符号の説明】
1 フロントサイドメンバ 3 サイドシル 5,205 ダッシュロアクロスメンバ 7 リヤシートクロスメンバ 9 リヤサイドメンバ 11 バッテリクロスメンバ 13 エクステンションメンバ 15 トンネルメンバ 16 バッテリ 17 バッテリ取付フレーム 21 バッテリメンバ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の前側下部左右の骨格部材となる一
    対のフロントサイドメンバと、 このフロントサイドメンバの後端に結合されフロア前側
    の骨格部材となるダッシュロアクロスメンバと、 前記ダッシュロアクロスメンバの両端に結合されたフロ
    ア左右側の骨格部材となる左右サイドシルと、 前記左右サイドシルの後部間を連結しフロア後部側の骨
    格部材となるリヤシートクロスメンバと、 前記リヤシートクロスメンバの後方位置に設けられた左
    右リヤサイドメンバと、 前記左右リヤサイドメンバ間を連結するリヤクロスメン
    バとを有する車体下部構造において、 前記フロントサイドメンバの後方位置に設けられ前記ダ
    ッシュロアクロスメンバとリヤシートクロスメンバとを
    連結するエクステンションメンバを設け、 車幅方向略中央位置に設けられ前記ダッシュロアクロス
    メンバとリヤシートクロスメンバとを連結するトンネル
    メンバを設け、 前記リヤシートクロスメンバとリヤクロスメンバ間に複
    数のバッテリメンバからなるバッテリ取付フレームを設
    け、 前記バッテリメンバの先端をそれぞれ前記エクステンシ
    ョンメンバ及びトンネルメンバの後端に突き当てるよう
    に結合すると共に、後端部を車体前後方向へ移動可能に
    取付けたことを特徴とする車体下部構造。
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