JPH063223Y2 - 車軸シ−ル構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ．産業上の利用分野 本考案は、部品点数および組付工数の削減を図り得る車
軸シール構造に関する。

ｂ．従来の技術 自動三輪車または自動四輪車の中には、前輪車軸または
後輪車軸をチェーン伝動によって駆動するようにしたも
のがある。一方、エンジンユニットの前端部を揺動可能
にフレームに支持し、かつ後端部をショックアブソーバ
等の懸架手段を介して車体フレームに支持すると共にエ
ンジンユニットの後端部で後車軸を支持するようにした
ものがある。

第２図および第３図は、上記の構造を併用した鞍乗型四
輪車を示したもので、これは、鞍乗型に構成した車体フ
レーム10に、前車輪11および後車輪12を各二輪設けたも
のである。この四輪車のエンジンユニット13は、前端部
を揺動軸14を介して車体フレーム10に支持され、後端部
には接続部材15を介して、後車軸16を支持した車軸ハウ
ジング17を支持している。

この車軸ハウジング17と車体フレーム10との間には、シ
ョックアブソ ーバ等の懸架手段18が設けられ、エンジ
ンユニット13を揺動可能に支持している。

この鞍乗型四輪車では、エンジンの出力軸19と後車軸16
との間をチェーン伝動によって動力の伝達を行ってい
る。

このため、車軸ハウジング18の片側にスプロケット20
を、他方側にブレーキドラム21をそれぞれケース22,23
内に収容して配設している。スプロケット20およびブレ
ーキドラム21はそれぞれスプライン24を介して後車軸16
に支持されており、これらは、後車軸16に螺合したナッ
ト25を介して挟持されている。上記ケース22,23には、
それぞれシール部材26が設けられている。

しかしながら、このシール構造によると、コール部材26
によるシールが不充分で、泥水等の侵入を招く欠点があ
った。

そこで、特に、確実なシール構造が必要なブレーキドラ
ム21側ケース23では、第４図のようなシール構造が採用
されている。

このシール構造は、車軸16のシールを図る軸シール27と
外側面のシールを図る側面シール28とで構成されてい
る。

軸シール27は、ゴム製のガスケットの外周面に円周方向
の溝27aとフランジ27bを形成したもので、リング状の金
属円板29の内周側に溝27aを嵌め、この金属円板29とケ
ース23との間でフランジ27bを挟持させて固定するもの
である。

側面シール28は、ゴム製のガスケットの外周面に斜め外
側に伸びるフランジ28aを形成したもので、ケース23外
側に配設されるリング状の金属円板30の外側面にフラン
ジ28aを圧接したものである。

上記ケース23は、外側に金属円板30、内側にフランジ27
bを介して金属円板29が配置されリベットあるいはボル
ト31により共締めされている。

ｃ．考案が解決しようとする問題点 このようなシール構造では、金属円板29,30が２枚必要
であることから部品が多くなり組付作業が厄介であっ
た。

本考案は、上記問題点を解決し、部品点数および組付工
数の削減を図りかつ確実なシール構造を得ることができ
る車軸シール構造を提供することを目的とする。

ｄ．問題点を解決するための手段 本考案は上記問題点を解決するため、車軸に装備される
装置を収容するケースと、このケースを貫通して設けら
れる車軸との間のシール構造において、上記車軸に装着
される軸シールの外周面に円周方向の溝とフランジを設
け、上記溝に内周面を嵌入した環体を上記ケースの外側
面に一体に締結すると共に、上記ケースと環体間で上記
フランジを挟持し、かつ上記軸シールの外側に装着され
る側面シールの外周側フランジを上記環体外側面に圧接
したことにある。

ｅ．作用 軸シールのフランジを挟んで環体をケース外側面に固定
し、ケースを装着することにより軸シールを車軸に装着
する。次いで、側面シールを車軸に装着して、外周側フ
ランジを環体側面に圧接させる。

ｆ．実施例 以下、第４図と同一部分には同符号を付して示す本考案
の一実施例を図面を参照しながら説明する。

１はブレーキドラムのケース23に装着された軸シールで
あり、これはゴム等で成形されたガスケットの外周面に
円周方向の溝1aと外側に延びるフランジ1bを成形したも
のである。２はケース23の車軸挿通穴23aの外側に配設
された環状の金属板であり、これは内周縁を軸シール１
の溝1aに圧入し、かつ軸シール１のフランジ1bを挟んで
ボルトまたはリベット３により上記ケース23に固定され
ている。４は軸シール１と共にケース23のシールを行な
う側面シールであり、これは、軸シール１の外側車軸16
部分に配設されたスリーブ５の外周面に固着等によって
取付けられている。この側面シール４はゴム等で成形さ
れたガスケットの外周面に軸方向に沿って円錐状のフラ
ンジ4aを突設したもので、このフランジ4aを金属板２の
側面に圧接してシールするものである。

上記スリーブ５はナット25によって固定されている。

上記構成によると、ケース23の車軸挿通穴23aの外側に
軸シール１のフランジ1bを挟んで金属板２を配置してボ
ルトまたはリベット３により一体に共締めする。そし
て、ケース23を取付けることで、軸シール１が車軸16に
装着される。次に、スリーブ５を車軸16に通し、ナット
25を車軸16に螺合することで、スリーブ５に装着された
側面シール４のフランジ4aが金属板２の側面に圧接され
て、金属板２との間のシールが施こされる。

ｇ．考案の効果 以上述べたように、本考案による車軸シール構造による
と、部品点数および組立工数の削減を図り、かつ確実な
シール構造を得ることができる車軸シール構造を提供で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による車軸シール構造の一実施例を示す
概念断面図、第２図および第３図は、従来の車軸シール
構造を有する不整地走行用鞍乗型車両を示し、第２図は
断面図、第３図は概念図である。第４図は、従来の車軸
シール構造を示す概念断面図である。 １…軸シール、２…金属板、 ３…ボルトまたはリベット、４…側面シール、 1b,4a…フランジ、16…車軸、 23…ケース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車軸に装備される装置を収容するケース
   と、このケースを貫通して設けられる車軸との間のシー
   ル構造において、上記車軸に装着される軸シールの外周
   面に円周方向の溝とフランジを設け、上記溝に内周面を
   嵌入した環体を上記ケースの外側面に一体に締結すると
   共に、上記ケースと環体間で上記フランジを挟持し、か
   つ上記軸シールの外側に装着される側面シールの外周側
   フランジを上記環体外側面に圧接したことを特徴とする
   車軸シール構造。