JPH0210342Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両のブレーキ装置のシール構造に関
する。

（従来の技術） 車両のブレーキ装置に於ては、ブレーキ装置内
に水や埃等が入り込むのを防止するためにブレー
キ装置外周にブレーキカバーを設けることがあ
り、その際、ブレーキカバー内周基部とハブの円
筒部外周との間にシール部材を配設し、ブレーキ
カバー内にも水や埃が入り込まないようにしてい
る。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら斯るブレーキ装置に於てはブレー
キ装置内で発生した熱が車軸、ハブという径路で
シール部材に伝導してしまうという不具合があつ
た。

（問題点を解決するための手段） 前記問題点を解決するため本考案は車軸に固着
される円筒部とホイールを支持するフランジ部を
有するハブと、車軸上に設けられたブレーキ装置
を覆い、内周基部が前記ハブ円筒部の外周に臨む
ブレーキカバーとからなる車両のブレーキ装置に
於て、金属リングと該金属リングの内周面に付設
した断熱材とからなるリング部材を前記ハブの円
筒部外周に嵌合し、前記ブレーキカバーの内周基
部と前記金属リング外周面との間にシール部材を
配設し、シール部材に熱が伝わらないようにし
た。

（実施例） 以下に本考案の好適一実施例を鞍乗り型四輪車
のリヤブレーキ装置に適用した場合について説明
する。

第１図は鞍乗り型四輪車の斜視図、第２図はブ
レーキ装置の縦断面図を示す。

１は鞍乗り型四輪車、２は車体カバーで、鞍乗
り型四輪車１はハンドル３により前二輪４，４を
操蛇し、車体フレーム５に搭載したエンジン６に
より後二輪７，７を駆動し、前後輪４，７には
夫々バルーンタイヤを装着する。

後二輪７，７は夫々車軸２３の両端に結合し、
ハンドル３に設けた不図示のブレーキレバ及び図
示しないブレーキペダルに連動するブレーキ装置
４１は、右側後輪７のホイール４２のデイスク部
４３とリム部４４で画成された内側空間４５に配
設する。

前記ブレーキ装置４１は、筒状支持部材２２に
ボルト５１、ナツト５２を介して結合され、軸受
５３，５３を介して車軸２３を支持するブレーキ
パネル５４と、車軸２３と一体的に回動するブレ
ーキドラム５５と、支軸５６を介してブレーキア
ーム５７と一体に回動しブレーキドラム５５を制
動するシユーを制動動作させるカム５８を備え
る。前記ブレーキパネル５４にはボルト６１を介
してブレーキカバー６２を取着し、カバー６２で
密封された内部空間６３内に前記ブレーキドラム
５５、カム５８及び不図示のシユー等を配設す
る。

前記カバー６２の内側面側には車軸２３を中心
とした放射状の複数の冷却フイン６２ａ……を、
外側面側には車軸２３を中心とした環状の冷却フ
イン６２ｂ……及び冷却フイン６２ｃを夫々形成
し、フイン６２ｂは後述するデイスク部４３に設
けた冷却窓４３ａ近傍まで達する高さを有する。
又、ブレーキドラム５５の外側には車軸２３を中
心とした放射状の複数の冷却フイン５５ａ……を
形成する。

一方、デイスク部４３の前記冷却フイン６２ｂ
に対応する位置には複数の冷却窓４３ａ……を形
成し、又ブレーキパネル５４にはブリーザパイプ
６６を貫設し、該ブリーザパイプ６６がパネル５
４内外を連通する。又、リム部４４の内側面側端
部にはパネル５４との間で隙間ｄが形成される。

７０はハブで、円筒部７０ａを車軸２３先端に
固着し、フランジ部７０ｂにホイール４２のデイ
スク部４３を締結する。７１はリング部材で第３
図に示すように金属リング７１ａと該金属リング
７１ａ端部に形成したフランジ部７１ｂから成
り、金属リング７１ａ内周面には断熱材７１ｃが
付設され、このリング部材７１はハブ７０の円筒
部７０ａ外周に押圧嵌合される。

又、リング部材７１の外周面と前記ブレーキカ
バー内周基部６２ａ間にはシール部材７２を配設
し、該シール部材７２はブレーキカバー内周基部
６２ａに固着した金属リング部７２ａと、該金属
リング部７２ａに基部が固着され、先端部がリン
グ部材７１のフランジ部７１ｂに接触するリツプ
部７２ｂ、及び基部が金属リング７２ａ内周部に
固着され、先端部がばね７２ｄで車軸２３側へ押
圧され、金属リング７１ａ外周に接触するリツプ
部７２ｃから成り、リツプ部７２ｂ，２７ｃによ
りブレーキカバー６２内に水、埃等が入り込むの
を防止する。

以上の構造によりブレーキドラム５５とカム５
８で作動せしめられるシユーの摩擦により発生し
た熱はブレーキドラム５５、車軸２３という径路
でハブ７０に伝わるが、ハブ７０外周には断熱材
７１ｃが位置しているので、この断熱材７１ｃに
より伝熱が阻止されシール部材７２に伝わること
がない。

尚、本実施例ではブレーキ装置のシール構造を
鞍乗り型四輪車のブレーキ装置に適用した場合に
ついて述べたが本考案は勿論これに限定されるも
のではない。

（考案の効果） 以上述べた如く本考案によれば、ブレーキカバ
ー内に水や埃等が入り込むのを防止でき、又、ハ
ブ外周に内周面に断熱材を付設したリング部材を
押圧嵌合したのでブレーキ装置内で発生した熱が
車軸、ハブを介してシール部材へ伝導するのを防
止でき、ブレーキカバー内のシール性の一層の向
上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は鞍乗り型四輪車の斜視図、第２図はブ
レーキ装置の縦断面図、第３図はリング部材の拡
大図である。 尚、図面中、２３は車軸、４１はブレーキ装
置、４２はホイール、６２はブレーキカバー、７
０はハブ、７０ａは円筒部、７０ｂはフランジ
部、７１はリング部材、７１ｃは断熱材、７２は
シール部材である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車軸に固着される円筒部とホイールを支持する
   フランジ部を有するハブと、 車軸上に設けられたブレーキ装置を覆い、内周
   基部が前記ハブ円筒部の外周に臨むブレーキカバ
   ーとからなる車両のブレーキ装置に於て、 金属リングと該金属リングの内周面に付設した
   断熱材とからなるリング部材を前記ハブの円筒部
   外周に嵌合し、前記ブレーキカバーの内周基部と
   前記金属リング外周面との間にシール部材を配設
   したことを特徴とする車両のブレーキ装置のシー
   ル構造。