JPH06316045A - 合成樹脂製安全ガラス及びその製造法 - Google Patents

合成樹脂製安全ガラス及びその製造法

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JPH06316045A
JPH06316045A JP10639493A JP10639493A JPH06316045A JP H06316045 A JPH06316045 A JP H06316045A JP 10639493 A JP10639493 A JP 10639493A JP 10639493 A JP10639493 A JP 10639493A JP H06316045 A JPH06316045 A JP H06316045A
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JP
Japan
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sheet
film
acrylic resin
safety glass
synthetic resin
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JP10639493A
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English (en)
Inventor
Takeaki Takaoka
丈明 高岡
Shoichi Inoue
昇一 井上
Akito Okamoto
章人 岡元
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STAR RAITO HANBAI KK
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
STAR RAITO HANBAI KK
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、耐衝撃性、耐久性、接着
性、透明性および飛散防止効果に優れた合成樹脂製安全
ガラスおよびその製造法を提供することにある。 【構成】 外面がアクリル系樹脂シート(A)、中央層
が熱可塑性ポリウレタン系シート(B)、内面がポリカ
ーボネートシート(C)の3層からなる積層シートに、
更にアクリル系樹脂シート(A)の両面に、アクリル系
樹脂フィルム(D)とポリカーボネートフィルム(E)
とからなる積層フィルムをいずれもアクリル系樹脂フィ
ルム(D)がアクリル系樹脂シート(A)側になるよう
に積層した合成樹脂製安全ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐衝撃性、耐久性、接着
性、透明性および飛散防止効果に優れた合成樹脂製安全
ガラス及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】安全ガラスとして、複数枚の無機ガラス
構造としたもの、又は有機ガラスとしてポリビニルブチ
ラール樹脂シートを接合層として使用した合成樹脂透明
シート等が使用されている。
【0003】しかしながら、このような従来の安全ガラ
スは、耐衝撃性が必ずしも高いものとはいえない。例え
ば、ポリカーボネート樹脂シートと接合層としてポリビ
ニルブチラール樹脂シートを用いた積層シートからなる
安全ガラスは、ポリカーボネート樹脂シートにひびが生
ずる場合があり、短期間の使用についても危険であり、
安全性の点で一層の改良が望まれていた。
【0004】このような問題点を解決するために、アク
リル系樹脂シート、ポリカーボネート樹脂シート及び中
間層として特定の熱可塑性ポリウレタンを選択するとと
もにホットプレス法により、特定の温度及び圧力条件を
選択して合成樹脂シートと中間層との接着性を改善した
合成樹脂製安全ガラスが、特開平4−339646号公
報に開示されている。しかしながら、上記合成樹脂製安
全ガラスの製造は、ホットプレスによる温度条件が、通
常100〜150℃と比較的低く、接着性が十分でな
い。接着性を向上させるため151℃以上の温度で加熱
すると、アクリル系透明樹脂シートの失透および透過像
の歪みを引き起こすという問題がある。また、上記の安
全ガラスではアクリル系透明樹脂シートが、強い衝撃に
よって飛散する問題があり、安全性の点で一層の改良が
望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
合成樹脂シートと中間層との接着性およびホットプレス
法の高温下におけるアクリル系樹脂シートの失透や透過
像の歪みおよび製造された安全ガラスのアクリル系樹脂
部分の強い衝撃による飛散を防止できる合成樹脂製安全
ガラスを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、中間層とし
て熱可塑性ポリウレタンを使用し、アクリル系樹脂シー
トの両側にアクリル系フィルムとポリカーボネートフィ
ルムからなる積層体を使用した合成樹脂製安全ガラスが
上記課題を解決できることを見い出し、本発明を完成し
た。
【0007】すなわち、本発明は、外面がアクリル系樹
脂シート(A)、中央層が熱可塑性ポリウレタン系シー
ト(B)、内面がポリカーボネートシート(C)の3層
からなる積層シートに、更にアクリル系樹脂シート
(A)の両面に、アクリル系樹脂フィルム(D)とポリ
カーボネートフィルム(E)とからなる積層フィルムを
いずれもアクリル系樹脂フィルム(D)がアクリル系樹
脂シート(A)側になるように積層した合成樹脂製安全
ガラスに関する発明である。
【0008】本発明において、合成樹脂製安全ガラスを
構成する合成樹脂としては、ポリカーボネート、アクリ
ル系樹脂、及び熱可塑性ポリウレタンを使用する。これ
らの合成樹脂シート及びフィルムは、それ自体が実質的
に透明であり、表面が平滑でかつ全体として、平坦なシ
ート状体である。尚、本発明においてシート、フィルム
の用語は、0.5mmの厚みにより区別しているものでは
なく、本発明に要求される機能を満足すればシートに0.
5mm未満の厚みのものも含まれるし、フィルムに0.5
mmの厚みを超えるものも含まれる。
【0009】本発明で使用するアクリル系樹脂シート
(A)の素材としては、メタクリル酸メチルが好適に使
用されるが、メタクリル酸メチルに限定されず、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸エチル、及びアクリル酸メチル
等の重合物、もしくはこれらの共重合物等、更にはスチ
レン−メチルメタクリレート共重合樹脂を使用すること
もできる。スチレン−メチルメタアクリル共重合樹脂
は、スチレン10〜90重量%とメチルメタアクリレー
ト90〜10重量%を共重合させることによって得られ
る樹脂である。アクリル系樹脂シート(A)は、公知の
乳化重合法、懸濁重合法および塊状重合法等により製造
することができる。
【0010】本発明で使用する熱可塑性ポリウレタン系
シート(B)は、下記のジイソシアネート、ポリオー
ル、及び硬化剤とから得られるシートである。イソシア
ネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレ
ンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6
−ヘキサンジイソシアネートなどの脂肪族系ジイソシア
ネート化合物、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシ
ル)メタン、2,2−ビス(4−イソシアネートシクロ
ヘキシル)プロパン、1,4−シクロヘキシルジイソシ
アネート、1−メチル−2,4−(または2,6)−ジ
イソシアネートシクロヘキサンなどの脂環族系ジイソシ
アネート化合物、およびイソホロンジイソシアネートな
どの脂肪族・脂環族混合系ジイソシアネート化合物が挙
げられる。
【0011】ポリオールとしては、エチレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ルおよび1,6−ヘキサンジオール等が例示できる。
又、ポリオールとして、脂肪族の二塩基酸又はその無水
物を二価アルコール、好ましくは脂肪族の二価アルコー
ルとポリエステル化反応させることによって得られるポ
リエステルジオールも好適に使用することができる。す
なわち、上記脂肪族の二塩基酸は式HOOC−R−CO
OHによって表すことができ、式中のRは、炭素数2〜
12、好ましくは4〜8個のアルキレン基であり、アジ
ピン酸、スクシン酸、パルミチン酸、スベリン酸、アゼ
ライン酸、及びセバシン酸等が例示できる。又、上記二
価のアルコールとしては炭素数2〜15のアルコールで
あり、具体的には、エチレングリコール、1,3−プロ
パンジオール、1,4−ブタンジオールおよび1,6−
ヘキサンジオールが例示できる。
【0012】更に、ポリオールとしては、オキシメチレ
ン基を有するポリオキシテトラメチレンジオール、オキ
シプロピレン基あるいはオキシエチレン基とオキシプロ
ピレン基とを有するポリオキシアルキレンジオール、お
よびこれらオキシアルキレン基とをオキシテトラメチレ
ン基を有するポリエーテルジオールも使用することがで
きる。
【0013】硬化剤としては、エチレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪酸ジオール、モノ
エタノールアミンなどのアミノアルコール類および1,
2−エタンジアミンなどのジアミン類が例示できる。
【0014】上記熱可塑性ポリウレタン系中間層は透明
を呈するものを使用する。その製法は、特に限定される
ものではなく、通常の熱可塑性ポリウレタン樹脂の膜状
体の製法、例えば、押出成形法等により製造することが
できる。
【0015】中間層であるポリウレタン系シート(B)
の厚みは、0.03〜8.0mmの範囲で選択されるが、好
ましくは、0.4〜6.0mmの範囲である。ここで、上記
中間層の厚さが0.03mm未満では、合成樹脂シートと
の均一な接着が困難となり、また衝撃吸収性能や内部応
力緩和性能が低下するので好ましくない。また、上記中
間層の厚みが8.0mmを超えると、衝撃吸収性能や内部
応力緩和性能の増大が期待できず、むしろ重量が増大
し、かつ材料の使用量が多くなって不経済となり好まし
くない。中間層の厚さは、接着強度、および衝撃強度な
どの中間層としての要求性能、および得られる合成樹脂
安全ガラスの用途などに応じて、上記の範囲内で適宜に
決定されるものである。
【0016】本発明で使用するポリカーボネートシート
(C)の素材は、ポリカーボネート、ポリカーボネート
−ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート−ポ
リブチレンテレフタレート、及びポリカーボネート−ポ
リアミドでもよい。
【0017】本発明で使用するアクリル系樹脂フィルム
(D)とポリカーボネートフィルム(E)とからなる積
層フィルム(F)に使用する素材は、ポリカーボネート
シート(C)に使用する素材、及びアクリル系樹脂シー
ト(A)に使用する素材がそれぞれ使用できる。尚、ア
クリル系樹脂フィルム(D)はプレス成形の際、アクリ
ル系樹脂シート(A)から低沸点物が揮散してポリカー
ボネートフィルム(E)が失透するのを防止する為、通
常のメチルアクリル酸を使用するよりは、メタアクリル
酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、及び
アクリル酸メチルの少なくとも一種、もしくはこれらの
共重合物を使用するのが望ましい。各フィルムの厚み
は、特に規定はないが、好ましい厚みは20〜100μ
m程度であり、例えば、押出成形法により成形すること
ができる。なお、本発明の安全ガラスの外面を構成する
ポリカーボネートフィルム(E)は、防曇処理、耐候性
(耐光性)処理、及び硬度処理等の処理が施されていて
もよい。
【0018】合成樹脂透明シートの全厚みは、特に限定
されるものではないが、実用上から20mm以下では安
全性が保たれないため、それ以上の厚さを選択すること
が望ましい。
【0019】本発明において、その層構成を(F)/
(A)/(F)/(B)/(C)とすることにより種々
の効果が得られる。例えば、最外層を(F)とすること
により、強い衝撃を受けた場合、ポリカーボネートフィ
ルム(E)が破損した飛散を防止することができる。
又、積層フィルム(F)中のフィルム(D)がシート
(A)中に含まれる低沸点成分の透過を防止し、シート
(A)中に含まれる低沸点成分が蒸発してフィルム
(F)を失透するのを防止することもできる。更に、中
間層としてポリウレタン系シート(B)を使用すると、
緩衝材として作用し、耐衝撃性を向上することが可能と
なる。
【0020】また、本発明の第2の発明は、上記合成樹
脂製安全ガラスの製造法であって、熱可塑性ポリウレタ
ン系中間層の両側に複数枚の合成樹脂透明シートを組み
合わせ、これらの積層物をホットプレスにより、温度1
40〜200℃、及び圧力5〜50kg/cm2 の条件
下で加熱、加圧することを特徴とする合成樹脂製安全ガ
ラスの製造法を要旨としている。
【0021】アクリル系透明樹脂シートは、150〜2
00℃の温度範囲でホットプレスを行うと、アクリル系
透明樹脂シートの低沸点物等が揮散し、アクリル系透明
樹脂シートの表面に付着して透過像の歪みを引き起こ
す。この揮散した低沸点物等が両側に接合するアクリル
系樹脂透明フィルムおよび透明シートに吸収されるた
め、150〜200℃の温度範囲で熱プレスしても透過
像の歪みを全く引き起こすことがなくなるものである。
【0022】つぎに、製造法について説明する。ホット
プレスの金型内に、積層フィルム(F)〔アクリル系樹
脂フィルム(D)をシート(A)側とする〕、アクリル
系樹脂シート(A)、積層フィルム(F)〔アクリル系
樹脂フィルム(D)をシート(A)側とする〕、熱可塑
性ポリウレタン系シート(B)、及びポリカーボネート
透明フィルム(E)の順に重ね合わせて、140〜20
0℃および5〜50kg/cm2 の成形条件下にホット
プレスし、一体化を行う。
【0023】ここで、ホットプレスの加熱条件は、積層
物の両端の最外層の温度で140〜200℃、好ましく
は165〜175℃となるようにする。加熱温度が上記
140℃未満では、ポリウレタンと他の層の接着性が不
十分となり、良好な衝撃強度が得られない。また、従来
の技術において課題であった140〜200℃の温度範
囲で発生するアクリル系透明樹脂シートの失透および透
過像の歪みの問題を解決できる。
【0024】また、加圧条件については、積層物に5〜
50kg/cm2 、好ましくは10〜40kg/cm2
の圧力を均一に付加するものとする。ここで、この圧力
が5kg/cm2 未満では、各合成樹脂透明シート、フ
ィルム間の接着が不充分となり、また層間に気泡が発生
したりするだけでなく、透視性能や接着性を著しく低下
させるので好ましくない。
【0025】また、上記圧力が50kg/cm2 を超え
ると、ポリウレタン系中間層(F)が流動しやすくなる
ので、好ましくない。なお、ホットプレスによって積層
物を加熱加圧する際に使用する金型は、熱可塑性合成樹
脂シートの積層に通常使用される積層材料よりもやや寸
法の大きい、鏡面状の表面を有する金属メッキ板等が用
いられ、この金属メッキ板等の間に、上記の順序に重ね
られた積層材料を入れ、さらにこれらをホットプレスの
熱盤間に挿入して圧締し、上記加熱加圧条件で積層一体
化するものである。
【0026】尚、上記プレスの際、(F)/(A)/
(F)/(B)/(C)に順次積み重ね、これを多数の
平坦な熱盤間に挿入して、いわゆる多段プレス方式によ
り、一挙に加熱加圧一体化することもできる。又、予め
(F)/(A)/(F)を積層しておき、次にこれと
(B)、(C)をプレス一体化することも可能である。
【0027】上記方法を採用することにより、アクリル
系樹脂シート(A)の両側にフィルム(D)および
(E)を接合しているので、ホットプレス140〜20
0℃の温度範囲で起こるアクリル系透明樹脂シート
(A)の失透および透過像の歪みを解消し、合成樹脂透
明シートと中間層との均一な接着と高い接着力が得ら
れ、経時的に生じる剥離現象を防止することができる。
また合成樹脂製安全ガラスは、失透や透過像の歪みを引
き起こさず、しかも耐水性および耐湿性に優れた積層体
を得ることができる。
【0028】
【実施例】以下に実施例、比較例により本発明を具体的
に説明する。まず、各実施例および比較例で使用した積
層材料の寸法は、いずれも500×500mmである。
【0029】(1)使用したシート及びフィルム フィルム(L),(P) :ポリカーボネートフィルム〔三
菱ガス化学(株)製、商品名;ユーピロンNF200
0〕 フィルム(M),(O) :アクリル系樹脂フィルム〔鐘ヶ
淵化学(株)製、商品名;サンデュラン〕 シート(N1):スチレン−メチルメタアクリレ−ト共
重合樹脂シート〔新日鐵化学(株)製、商品名;エスチ
レン MS−200、スチレン/メチルメタアクリレー
ト配合比:80/20〕 シート(N2):アクリル系透明樹脂シート〔三菱レイ
ヨン(株)製、商品名;アクリライトS〕
【0030】 シート(Q1):熱可塑性ポリウレタン系
樹脂〔シーダム(株)製、商品名;DUS−212−C
ER、ポリエステル系熱可塑性ポリウレタン(芳香族ジ
イソシアネートとポリエステルジオールを主反応成分と
する熱可塑性ポリウレタン)である。〕 シート(Q2):熱可塑性ポリウレタン系樹脂〔シーダ
ム社製、商品名:DUS203−CD、ポリエーテル系
熱可塑性ポリウレタン(無黄変性イソシアネートとポリ
エーテルジオールと硬化剤を主反応成分とする熱可塑性
ポリウレタン)である。〕 シート(R) :ポリカーボネート樹脂シート〔三菱ガ
ス化学(株)製、商品名;ユーピロンNF2000U〕 表1、2において使用した略号は、以下の通りである。 PC:ポリカーボネート AC:アクリル MS:スチレン−メチルメタアクリレート共重合樹脂 PU:熱可塑性ポリウレタン系 PS:ポリエステルジオール PE:ポリエーテルジオール
【0031】(2)安全ガラスの初期性能評価方法 製造直後の層剥離の有無 製造直後の安全ガラスの外観。目視により、色相
(黄変の程度)、及び表面状態(最外層の表面の荒れ、
ポリウレタン系中間層のシワ、気泡、白化の発生等)か
ら判断する。 耐衝撃性:重量2kg、撃芯先端曲率半径=15R
の鋼鉄製の錘を高さ30mから各合成樹脂製安全ガラス
試料のアクリル系樹脂透明シート側に接合しているポリ
カーボネートシート(R) 側に垂直に落下したときの層剥
離、錘貫通、白化および飛散の有無を視察した。
【0032】(3)安全ガラスの耐久性能評価方法 ヒートサイクル試験:試料を湿度20%、温度20
℃で1時間放置したのち、同条件の湿度で温度80℃で
1時間放置する。次いで湿度100%で温度20℃で1
時間放置したのち、同条件の湿度で温度80℃で1時間
放置する。これを1サイクルとし、100サイクル曝露
したあとの層剥離の有無と安全ガラスの外観を視察し
た。 煮沸試験:試料を沸騰水中に2時間放置したあとの
層剥離の有無と安全ガラスの外観を視察した。 温水性試験:試料を75℃の温水中に2時間放置し
たあとの層剥離の有無と安全ガラスの外観を視察した。
【0033】実施例1〜5 表1に記載したシート及びフィルムを下記の温度および
圧力の条件下で、加熱加圧することにより、合成樹脂製
安全ガラスを製造した。ここで、加熱加圧手段は、ホッ
トプレス方式を採用し、これらの加熱加圧条件を表1に
示した。こうして製造された合成樹脂製安全ガラスの各
試料について、初期性能評価および耐久性能評価を行っ
た。なお、安全ガラスの耐久性能評価の評価は、安全ガ
ラスの耐久促進試験、すなわちヒートサイクル試験、煮
沸試験および温水性試験を実施することにより、評価し
た。各性能評価の結果は、表3にまとめて示した。
【0034】比較例1〜5 表2に記載したシート及びフィルムを使用し、また表2
に記載した製造条件で、実施例に記載したと同様にして
合成樹脂製安全ガラスを製造した。各性能評価の結果も
実施例と同様に行い、その結果を表4にまとめて示し
た。
【0035】表3と表4から明らかなように、この発明
の実施例1〜5による合成樹脂製安全ガラスは、初期性
能評価において、製造直後に層剥離がなく、かつ優れた
外観を有することは、勿論であるが、併せて高い接着強
度および飛散防止効果を有しており、とりわけポリカー
ボネート樹脂フィルムシート(P)とポリウレタン系中
間層(Q1またはQ2)の接着性およびポリウレタン系
中間層(Q1またはQ2)とポリカーボネート樹脂シー
ト(R)との接着においても同等の接着性が発揮せられ
た。また耐衝撃性試験においては、層剥離がなく、また
錘貫通、白化および飛散がみられず、優れた品質を有す
るものであった。また本発明によれば、耐久性能評価の
いずれの促進試験においても、層剥離が無く、かつ優れ
た外観を有していた。
【0036】これに対し、比較例1のポリカーボネート
樹脂透明シート(R)とポリエステル系ポリウレタン中
間接合層(Q1)とアクリル系樹脂シート(N1)とを
積層した合成樹脂製安全ガラスによれば、製造直後から
層剥離がみられた。また、比較例2においては、ポリカ
ーボネートフィルム(L、P)が接合されているため、
アクリル系樹脂シートが飛散することなく、耐衝撃性は
良いが、アクリル系樹脂フィルム(M、O)がそれぞれ
接合されていないためにアクリル系樹脂シートの失透お
よび透過像の歪が激しく、接着力も低い結果となった。
【0037】比較例3においては、ポリカーボネートフ
ィルム(L、P)が接合されていないために、耐衝撃性
が悪く、アクリル系樹脂シートが飛散した。比較例4に
おいては、ホットプレスのプレス温度が低いために、ア
クリル系樹脂板の外観に異常はなかったが、製造直後に
おいて層剥離が確認された。比較例5においては、ホッ
トプレスのプレス圧が低いために、製造直後の層剥離が
確認された。
【0038】なお、本発明による合成樹脂製安全ガラス
は、例えば、公共施設および運動施設等のグレージング
材、銀行カウンターの仕切り、防犯用ドアー、あるいは
各種車両のグレージング材等の曲げ加工処理を施したも
の、またその他に曲げ加工を施す用途のある部分や高温
下に有効に使用できるものである。
【0039】
【表1】実施例番号 1 2 3 4 5 積層材料の厚み(mm) L,P PCシート 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 M,O AC系樹脂フィルム 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 N1 MS樹脂板 − − 15 − 15 N2 AC系樹脂板 20 20 − 15 − Q1 PS系PU樹脂 6 − 4 − − Q2 PE系PU樹脂 − 6 − 4 6 G PC樹脂板 10 10 5 10 10 加熱加圧条件 温度(℃) 175 175 175 185 175 時間(分) 60 60 60 60 60 圧力(kg/cm2) 50 50 50 45 50
【0040】
【表2】比較例番号 1 2 3 4 5 積層材料の厚み(mm) L,P PCシート − 0.2 − 0.2 0.2 M,O AC系樹脂フィルム − − 0.2 0.2 0.2 N2 AC系樹脂板 15 20 10 10 10 Q1 PS系PU樹脂 4 5 4 4 − Q2 PE系PU樹脂 − − − − 5 R PC樹脂板 10 10 5 10 10 加熱加圧条件 温度(℃) 175 175 180 130 175 時間(分) 60 60 60 60 60 圧力(kg/cm2) 50 50 50 50 4
【0041】
【表3】 実施例番号 1 2 3 4 5 初期性能評価 製造直後の層剥離 無し 無し 無し 無し 無し 製造直後の外観 良好 良好 良好 良好 良好 耐衝撃性 層剥離 無し 無し 無し 無し 無し 錘貫通 無し 無し 無し 無し 無し 白化 無し 無し 無し 無し 無し 飛散 無し 無し 無し 無し 無し 耐久性能評価 ヒートサイクル試験後 層剥離 無し 無し 無し 無し 無し 外観 良好 良好 良好 良好 良好 煮沸試験後 層剥離 無し 無し 無し 無し 無し 外観 良好 良好 良好 良好 良好 温水性試験後 層剥離 無し 無し 無し 無し 無し 外観 良好 良好 良好 良好 良好
【0042】
【表4】 比較例番号 1 2 3 4 5 初期性能評価 製造直後の層剥離 有り 有り 有り 有り 有り 製造直後の外観 白濁 光学歪 無し 気泡 気泡 発生 発生 発生 耐衝撃性 層剥離 有り 有り 有り 有り 有り 錘貫通 無し 無し 無し 無し 無し 白化 有り 有り 有り 無し 有り 飛散 有り 無し 有り 無し 無し 耐久性能評価 ヒートサイクル試験後 層剥離 有り 有り 有り 無し 無し 外観 黄変 黄変 黄変 黄変 黄変 煮沸試験後 層剥離 有り 有り 有り 無し 無し 外観 気泡 気泡 気泡 黄変 気泡 発生 発生 発生 発生 温水性試験後 層剥離 有り 有り 無し 無し 無し 外観 有り 有り 有り 気泡 有り 発生
【0043】
【発明の効果】本発明の合成樹脂製安全ガラスは、合成
樹脂シートと中間層との均一な接着と高い接着力が得ら
れ、従来技術での製法によって生じた140℃未満の加
熱による合成樹脂シートの層間剥離の問題、あるいは1
40℃以上の加熱によるアクリル系樹脂シートの失透問
題を解決し、それによって透視像の歪みを引き起こすこ
となく、耐衝撃性および耐久性に優れているうえに、接
着性、耐水性および耐湿性が高く、また、強い衝撃によ
るアクリル系透明樹脂シートの飛散防止効果を生ずる。
【0044】また、本発明による合成樹脂製安全ガラス
の製造法は、上述のように、複数枚の合成樹脂シート
と、上記脂肪族ジイソシアネートおよびポリエステルジ
オールまたは無黄変性イソシアネートとポリエーテルジ
オールを主成分とする反応により得られる特定の熱可塑
性ポリウレタン系中間層のにそれぞれ合成樹脂を積み重
ね、これらの積層物をホットプレス法により、温度14
0〜200℃、および圧力5〜50kg/cm2 の条件
下で加熱加圧するもので、この発明の方法によれば、上
記のように優れた品質を有する合成樹脂樹脂製安全ガラ
スを、効率良く、かつ確実に製造し得るという効果を生
ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で積層成形した合成樹脂製安全ガラス
の断面図である。
【符号の説明】
L、P:ポリカーボネートフィルム又はシート M、O:アクリル系フィルム又はシート N1:スチレン−メチルメタアクリレート共重合樹脂シ
ート N2:アクリル系樹脂シート Q1:ポリエステル系ポリウレタン中間接合層 Q2:ポリエーテル系ポリウレタン中間接合層 G :ポリカーボネートシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 昇一 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社プラスチックスセンタ ー内 (72)発明者 岡元 章人 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社プラスチックスセンタ ー内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外面がアクリル系樹脂シート(A)、中
    央層が熱可塑性ポリウレタン系シート(B)、内面がポ
    リカーボネートシート(C)の3層からなる積層シート
    に、更にアクリル系樹脂シート(A)の両面に、アクリ
    ル系樹脂フィルム(D)とポリカーボネートフィルム
    (E)とからなる積層フィルムをいずれもアクリル系樹
    脂フィルム(D)がアクリル系樹脂シート(A)側にな
    るように積層した合成樹脂製安全ガラス。
  2. 【請求項2】 アクリル系樹脂フィルム(D)に使用す
    るアクリル系樹脂が、メタアクリル酸メチル、アクリル
    酸ブチル、アクリル酸エチル、及びアクリル酸メチルの
    少なくとも一種、もしくはこれらの共重合物である請求
    項1記載の合成樹脂製安全ガラス。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ポリウレタン系シート(B)
    が、ポリエステル系ウレタン樹脂より成形されたシート
    である請求項1又は2記載の合成樹脂製安全ガラス。
  4. 【請求項4】 予め、アクリル系樹脂フィルム(D)と
    ポリカーボネートフィルム(E)とからなる積層フィル
    ム(F)を製造しておき、次に積層フィルム(F)(ア
    クリル系樹脂フィルム(D)をシート(A)側とす
    る)、アクリル系樹脂シート(A)、積層フィルム
    (F)(アクリル系樹脂フィルム(D)をシート(A)
    側とする)、熱可塑性ポリウレタン系シート(B)、及
    びポリカーボネート透明フィルム(E)の順に重ね合わ
    せて、140〜200℃および5〜50kg/cm2
    成形条件下でホットプレスすることを特徴とする合成樹
    脂製安全ガラスの製造法。
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Cited By (7)

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