JP3054748B2 - 合成樹脂製安全ガラスおよびその製造法 - Google Patents

合成樹脂製安全ガラスおよびその製造法

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JP3054748B2
JP3054748B2 JP3136638A JP13663891A JP3054748B2 JP 3054748 B2 JP3054748 B2 JP 3054748B2 JP 3136638 A JP3136638 A JP 3136638A JP 13663891 A JP13663891 A JP 13663891A JP 3054748 B2 JP3054748 B2 JP 3054748B2
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康洋 門田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐衝撃性と耐久性に
優れた合成樹脂製安全ガラスおよびその製造法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、安全ガラスは、公共施設、運動
施設等のグレージング材、銀行カウンターの仕切り、防
犯用ドアー、あるいは各種車両のグレージング材等に多
く使用されている。その構造は複数枚の無機ガラス、ま
たはその一部を有機ガラス即ち合成樹脂透明板で置き換
え、中間接合層としてポリビニルブチラール樹脂シート
を介して接合したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の安全ガラスは、耐衝撃性が必ずしも高いもの
とはいえず、安全性の点でなお一層の改良が望まれてい
た。
【0004】そこで従来、無機ガラスに変えて合成樹脂
透明板のみからなる安全ガラスが開発された。従来の合
成樹脂製安全ガラスは、例えば航空機の風防ガラスとし
て使用されるもので、複数のポリカーボネート樹脂透明
板が、相互に隣り合うもの同志、ポリイソシアネート
と、ポリエステルジオールとの反応生成物である熱可塑
性ポリウレタン樹脂製の中間接合層を介して接合された
ものである(例えば特公昭59−12520号公報参
照)。
【0005】しかしながら、このような従来の合成樹脂
製安全ガラスは、使用されるポリカーボネート樹脂本来
の高い耐衝撃性に起因して、初期の安全性の点では高く
評価されるものゝ、ポリカーボネート樹脂透明板と中間
接合層との接着力が低いために、経時的に界面に剥離現
象を生じ、ひいては失透や透過像の歪みを引き起こした
り、また耐水性および耐湿性が低いという問題があっ
た。
【0006】この発明者らは、上記の従来技術の問題を
解決するために、先に、合成樹脂透明板と中間接合層と
の接着性の改良、とりわけ中間接合層として特定の熱可
塑性ポリウレタンを選択し、ポリカーボネート樹脂透明
板とアクリル樹脂透明板とを、この特定の熱可塑性ポリ
ウレタン中間接合層を介して接合した、接着性の改良さ
れた合成樹脂製安全ガラスを提案した(特願平3−67
171号参照)。
【0007】しかしながら、この先提案の合成樹脂製安
全ガラスによれば、確かにポリカーボネート樹脂と中間
接合層との接着性は改良されるけれども、中間接合層と
他方のアクリル樹脂透明板との接着性は、比較的弱いと
いう問題があった。
【0008】この発明者らは、上記の問題を解決するた
めに、さらに鋭意研究を重ねた結果、アクリル樹脂透明
板として耐衝撃アクリル樹脂板を選択することにより、
ポリカーボネート樹脂板と中間接合層との接着性だけで
なく、中間接合層と他方の樹脂透明板との接着性をも改
良された合成樹脂製安全ガラスを製造し得ることを見い
出し、この発明を完成するに至った。
【0009】この発明の目的は、合成樹脂透明板、とり
わけポリカーボネート樹脂板および耐衝撃アクリル樹脂
板と中間接合層との接着性を大幅に改良して、従来のよ
うな経時的に生じる剥離現象を防止し、それによって失
透や透過像の歪みを引き起こすことなく、耐水性および
耐湿性にすぐれているうえに、耐衝撃性がさらに向上し
た合成樹脂製安全ガラス、並びにその製造法を提供しよ
うとするにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明の第1発明は、ポリカーボネート樹脂板
と耐衝撃アクリル樹脂板とを、無黄変性ジイソシアネー
ト、ポリエーテルジオール、および硬化剤の反応生成物
よりなる熱可塑性ポリウレタン系中間接合層を介して接
合してなる合成樹脂製安全ガラスを要旨としている。
【0011】またこの発明の第2発明は、上記合成樹脂
製安全ガラスの製造法であって、ポリカーボネート樹脂
板と耐衝撃アクリル樹脂板とを、無黄変性ジイソシアネ
ート、ポリエーテルジオール、および硬化剤の反応生成
物よりなる熱可塑性ポリウレタン系中間接合層を介して
積み重ね、これらの積層物をホットプレスにより温度1
00〜150℃、および圧力5〜50kg/cm2 の条件下
で加熱加圧することを特徴とする、合成樹脂製安全ガラ
スの製造法を要旨としている。
【0012】上記において、この発明による合成樹脂製
安全ガラスを構成する合成樹脂透明板は、ポリカーボネ
ート樹脂板および耐衝撃アクリル樹脂板である。これら
の樹脂板は、それ自体が実質的に透明であり、表面が平
滑でかつ全体として平坦な板状体である。なお、これら
の樹脂透明板の実用面側は、硬度処理、あるいは防曇処
理等の処理が施されていてもよい。
【0013】上記の樹脂透明板の厚さは、特に限定され
るものではないが、実用上から通常1mm〜30mmの範囲
で選択されるものである。
【0014】上記耐衝撃アクリル樹脂板は、低温域での
ゴム特性にすぐれた、かつ屈折率の調節されたジエン系
共重合体(a)を、耐候性にすぐれた、かつ屈折率の調
節された架橋アクリル酸エステル系共重合体(b)で包
み、得られた2重構造弾性体(I)に、メタクリル酸メ
チルを主成分とする単量体、またはその混合物をグラフ
ト重合させ、そのグラフト共重合体(II)の特定量と
メタクリル酸メチルを主要構成単位とするメタクリル樹
脂(III)の特定量をブレンドした樹脂組成物よりつ
くられたものである。
【0015】このような耐衝撃性メタクリル樹脂組成物
について、さらに詳しく説明すると、耐衝撃性メタクリ
ル樹脂組成物は、1,3−ブタジエン30〜80重量
%、アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキル
エステルの少なくとも1種20〜70重量%、他の共重
合性の単官能性単量体0〜30重量%、および共重合性
の多官能性単量体0〜5重量%からなる単量体の混合物
を重合したジエン系共重合体(a)5〜75重量部の外
部に、アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキ
ルエステルの少なくとも1種69.9〜89.9重量%
とスチレン単独またはスチレンとその誘導体の混合物1
0〜30重量%並びに1分子中に炭素−炭素2重結合を
2個以上有する多官能性単量体0.1〜10重量%より
なる単量体混合物を重合して架橋アクリル酸エステル系
共重合体(b)25〜95重量部を外層に形成させた2
重構造弾性体(I)ラテックス100重量部の存在下
に、メタクリル酸メチル80〜100重量%、アルキル
基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステルの少
なくとも1種0〜20重量%、およびこれと共重合性の
他のビニル単量体0〜10重量%よりなる単量体または
その混合物(c)5〜1000重量部を重合した後、得
られる多層構造グラフト共重合体(II)と、メタクリ
ル酸メチル単位80〜100重量%と他の共重合性の単
量体単位0〜20重量%からなるメタクリル樹脂(II
I)とを、上記2重構造弾性体(I)の含有量が1〜5
0重量%となるように混合したものであり、耐衝撃アク
リル樹脂板は、は、このような耐衝撃性メタクリル樹脂
組成物を共重合させることによって得られる樹脂から製
造されたものである。
【0016】耐衝撃アクリル樹脂板を製造するにさいし
ては、得られる耐衝撃アクリル樹脂板に良好な透明性を
付与するために、各重合段階において得られる樹脂相の
屈折率をできるだけ同一とするか、またはきわめて近似
させることが必要である。
【0017】また、得られる耐衝撃アクリル樹脂板の、
透明性および表面外観と耐衝撃性の発現性能のバランス
のために、分散させるゴム粒子径をも考慮する必要があ
る。このような耐衝撃アクリル樹脂板については、例え
ば特公平2−48176号公報に詳しく記載されてい
る。
【0018】耐衝撃アクリル樹脂板の製造は、公知の乳
化重合法、懸濁重合法、および塊状重合法によれば良
い。
【0019】ここで、従来のアクリル樹脂板と上記中間
接合層との接着性は、比較的弱いものであったが、この
アクリル樹脂板を耐衝撃アクリル樹脂板に変えることに
より、中間接合層との接着性が大幅に改善され、ポリカ
ーボネート樹脂と中間接合層との接着力と同等の接着力
が得られ、耐衝撃性が大幅に向上して、合成樹脂製安全
ガラスの実用面での安全性が、さらに向上するものであ
る。
【0020】また上記耐衝撃アクリル樹脂板によれば、
他の特性、とりわけ透明性等の初期外観、耐水性、耐湿
性、経時的に生じる剥離、失透、および外観変化、ホッ
トプレスの成形温度および成形圧力も、アクリル樹脂板
と同一であり、全く問題はない。
【0021】ところで、上記熱可塑性ポリウレタン系中
間接合層は、透明を呈するものであり、これは、無黄変
性ジイソシアネートと、ポリエーテルジオールと、硬化
剤との反応生成物よりなるものである。
【0022】ここで、無黄変性ジイソシアネートとして
は、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメ
チレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネ
ート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイ
ソシアネートなどの脂肪族系ジイソシアネート化合物、
ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、
2,2−ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)プ
ロパン、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、1
−メチル−2,4−(または2,6)−ジイソシアネー
トシクロヘキサンなどの脂環族系ジイソシアネート化合
物、およびイソホロンジイソシアネートなどの脂肪族・
脂環族混合系ジイソシアネート化合物があげられる。
【0023】つぎに、ポリエーテルジオールは、2種の
イニシエーターに、代表的には炭素数2〜4のモノエポ
キシドまたはテトラヒドロフランを付加してなる化合物
であり、例えばオキシメチレン基を有するポリオキシテ
トラメチレンジオール、オキシプロピレン基あるいはオ
キシエチレン基とオキシプロピレン基とを有するポリオ
キシアルキレンジオール、およびこれらオキシアルキレ
ン基とオキシテトラメチレン基を有するポリエーテルジ
オールである。
【0024】さらに、硬化剤は、例えばエチレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪酸ジオー
ル、モノエタノールアミンなどのアミノアルコール類、
および1,2−エタンジアミンなどのジアミン類があげ
られる。
【0025】この発明による合成樹脂製安全ガラスの中
間接合層は、上記のような無黄変性ジイソシアネート
と、ポリエーテルジオールと、硬化剤との反応生成物か
らなる膜状体であるが、その製法は特に限定されるもの
ではなく、通常の熱可塑性ポリウレタン樹脂の膜状体の
製法、例えば押出成形法等により製造すればよい。
【0026】中間接合層の厚さは、0.03mm〜8.0
mmの範囲で選択されるが、好ましくは0.5mm〜5.0
mmの範囲である。
【0027】ここで、中間接合層の厚さが、0.03mm
未満と薄すぎると、中間接合層と、ポリカーボネート樹
脂板および耐衝撃アクリル樹脂板との均一な接着が困難
となり、また衝撃吸収性能や内部応力緩和性能が低下す
るので、好ましくない。
【0028】また中間接合層の厚さが5.0mmを越えて
厚すぎても、衝撃吸収性能や内部応力緩和性能の増大は
もはや期待し得ず、むしろ重量が増大し、かつ材料の使
用量が多くなって不経済であるので、好ましくない。
【0029】中間接合層の厚さは、接着強度、および衝
撃強度などの中間接合層としての要求性能、および得ら
れる合成樹脂製安全ガラスの用途などに応じて、上記の
範囲内で適宜に決定されるものである。
【0030】つぎに、この発明の合成樹脂製安全ガラス
の積層構造と、製造法について述べる。
【0031】図1と図2を参照すると、まず、合成樹脂
製安全ガラスの積層構造については、ポリカーボネート
樹脂透明板(A)と耐衝撃アクリル樹脂透明板(C)と
の間に、熱可塑性ポリウレタン樹脂の膜状体よりなる中
間接合層(B)を介して、加熱加圧して一体化された構
造となされる。
【0032】なお、図3に示すように、中間接合層
(B)を2層以上用いて、耐衝撃アクリル樹脂板(C)
の他面に、さらに同素材の耐衝撃アクリル樹脂板(C)
を積層することもある。
【0033】また、図4に示すように、耐衝撃アクリル
樹脂板(C)の他面に、さらに別素材のアクリル樹脂板
(D)を積層することもある。この場合、耐衝撃アクリ
ル樹脂板(C)とアクリル樹脂板(D)との接合は、多
層押出法により接着剤を介することなく成形と同時に行
なっても良いし、ホットプレス法によりやはり接着剤を
介することなく予め行なっても良い。勿論、両樹脂板を
透明接着剤を介して接合しても良い。
【0034】また、この発明による合成樹脂製安全ガラ
スの製造法は、上記ポリカーボネート樹脂板(A)と耐
衝撃アクリル樹脂板(C)とを、無黄変性ジイソシアネ
ート、ポリエーテルジオール、および硬化剤の反応生成
物よりなる熱可塑性ポリウレタン系中間接合層(B)を
介して積み重ね、これらの積層物をホットプレスにより
温度100〜150℃、および圧力5〜50kg/cm2
条件下で加熱加圧、一体化するものである。
【0035】ここで、加熱条件については、積層物、と
りわけ中間接合層(B)の温度が100〜150℃、好
ましくは120〜140℃となるように加熱する。ここ
で、加熱温度が100℃未満では、中間接合層(B)
と、ポリカーボネート樹脂板(A)および耐衝撃アクリ
ル樹脂板(C)との接着が不充分となり、良好な衝撃強
度が得られない。また、加熱温度が150℃を越える
と、中間接合層(B)が軟化して流動するか、また場合
によってはポリカーボネート樹脂板(A)または耐衝撃
アクリル樹脂板(C)自体が流動するおそれがあるの
で、好ましくない。従って、加熱温度は、中間接合層
(B)もしくはポリカーボネート樹脂板(A)または耐
衝撃アクリル樹脂板(C)が無用に溶融流動しない範囲
の温度にとどめるべきことはいうまでもない。
【0036】また、加圧条件については、積層物に5〜
50kg/cm2 、好ましくは10〜40kg/cm2 の圧力を
均一に付加するものとする。ここで、この圧力が5kg/
cm2 未満では、ポリカーボネート樹脂板(A)および耐
衝撃アクリル樹脂板(C)と、中間接合層(B)との接
着が不充分となり、また層間に気泡が発生したりするだ
けでなく、透視性能を著しく低下させるので、好ましく
ない。
【0037】また、上記圧力が50kg/cm2 を越える
と、中間接合層(B)が流動しやすくなるので、好まし
くない。従って、この場合も中間接合層(B)が無用に
溶融流動しない範囲の圧力にとどめるべきことはいうま
でもない。
【0038】なお、ホットプレスによって積層物を加熱
加圧するさいには、熱可塑性合成樹脂透明板の積層に通
常使用される積層材料よりもやや寸法の大きい、鏡面状
の表面を有する金属メッキ板等が用いられ、この金属メ
ッキ板等の間に、上記図1の順序に重ねられた積層材料
を間挿し、さらにこれらをホットプレスの熱盤間に挿入
して圧締し、上記加熱加圧条件で積層一体化するもので
ある。
【0039】なおこの場合、合成樹脂製安全ガラスの積
層材料の複数単位を、複数の金属メッキ板等の間に順次
間挿して積み重ね、これを多数の平坦な熱盤間に挿入し
て、いわゆる多段プレス方式により、一挙に加熱加圧一
体化することにより、生産性を向上する方法も採用する
ことができる。
【0040】
【作用】上記この発明の合成樹脂製安全ガラスによれ
ば、ポリカーボネート樹脂板(A)と耐衝撃アクリル樹
脂板(C)とを、無黄変性ジイソシアネート、ポリエー
テルジオール、および硬化剤の反応生成物よりなる熱可
塑性ポリウレタン系中間接合層(B)を介して接合して
いるので、ポリカーボネート樹脂(A)と中間接合層
(B)との接着だけでなく、中間接合層(B)と他方の
耐衝撃アクリル樹脂板(C)との接着においても、均一
な接着と高い接着力が得られ、このため耐衝撃性が大幅
に向上して、経時的に生じる剥離現象を防止することが
できる。また、合成樹脂製安全ガラスは、失透や透視像
の歪みをひき起こさず、しかも耐水性および耐湿性にす
ぐれている。
【0041】また、この発明の方法は、ポリカーボネー
ト樹脂板(A)と耐衝撃アクリル樹脂板(C)とを、無
黄変性ジイソシアネート、ポリエーテルジオール、およ
び硬化剤の反応生成物よりなる熱可塑性ポリウレタン系
中間接合層(B)を介して積み重ね、これらの積層物を
ホットプレスにより特定の温度および圧力の条件下で加
熱加圧するもので、上記のようにすぐれた品質を有する
合成樹脂製安全ガラスを、非常に能率良く、かつ確実に
製造し得るものである。
【0042】
【実施例】つぎに、この発明の実施例を、比較例と共に
説明する。
【0043】実施例1〜4および比較例1〜8 これらの実施例と比較例では、図1、図2および図4に
示す合成樹脂製安全ガラスについて検討したものであ
る。
【0044】まず、各実施例および比較例について、ポ
リカーボネート樹脂板(A)および耐衝撃アクリル樹脂
板(C)と、中間接合層(B)とを、表1に示す積層構
成に従って、準備した。準備した積層材料の内容は、そ
れぞれつぎのとおりである。なお、積層材料の寸法は、
いずれも500mm×1000mmとした。
【0045】A:ポリカーボネート樹脂透明板(筒中プ
ラスチック工業株式会社製、商品名ポリカエース EC
100) B1:中間接合層 無黄変性イソシアネートとポリエー
テルジオールを主反応成分とする熱可塑性ポリウレタン
(ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタンと略記する)
(モルトン・インターナショナル社製、商品名モルセン
PE193) B2:比較例用の中間接合層 芳香族ジイソシアネート
とポリエステルジオールを主反応成分とする熱可塑性ポ
リウレタン(ポリエステル系熱可塑性ポリウレタンと略
記する)(日本ミラクトラン株式会社製、商品名ミラク
トラン E780) C:耐衝撃アクリル樹脂板(三菱レイヨン株式会社製、
商品名アクリペットRH−70) D:MMA樹脂透明板(メチルメタアクリレート系10
0%) E:比較例用のPS樹脂透明板(ポリスチロール系10
0%) つぎに、これらの積層物を、特定の温度および圧力の条
件下で加熱加圧することにより、合成樹脂製安全ガラス
を製造した。
【0046】ここで、加熱加圧手段は、同表に示すよう
に、実施例1〜4並びに比較例1〜5および比較例8に
ついてはホットプレス方式を、また比較例6と7につい
てはオートクレーブ方式をそれぞれ採用し、それらの加
熱・加圧条件を表1にまとめて示した。
【0047】なお、実施例2と4では、耐衝撃アクリル
樹脂板(C)とMMA樹脂透明板(D)とを予め通常の
ホットプレス法により接合したのち、ポリカーボネート
樹脂板(A)および耐衝撃アクリル樹脂板(C)を中間
接合層(B)を介して表1に示す特定の温度および圧力
の条件下で加熱加圧したものである。
【0048】また、オートクレーブ方式では、積層材料
よりも寸法の大きい2枚のガラス板の間に積層物を挾
み、オートクレーブ内を真空にして100℃で予備加熱
したのち、上記設定条件で加熱加圧した。
【0049】こうして製造された合成樹脂製安全ガラス
の各試料について、初期性能評価および耐久性能評価を
行なった。なお、安全ガラスの耐久性能の評価は、安全
ガラスの耐久促進試験、すなわち冷熱試験、耐湿試験お
よび煮沸試験を実施することにより、評価した。
【0050】各性能評価の項目における試験方法は、つ
ぎのとおりである。
【0051】初期性能評価 製造直後の層剥離の有無。
【0052】製造直後の安全ガラスの外観。
【0053】接着強度:ピーリング(180°)法に
より測定して、その測定値(kg/cm )を記入した。
【0054】a界面=ポリカーボネート樹脂透明板
(A)と中間接合層(B)との接着界面 b界面=中間接合層(B)と耐衝撃アクリル樹脂透明板
(C)との接着界面 耐衝撃性:重量2kg、撃芯先端曲率半径:R=3/
8インチの鋼鉄製の錘を高さ8mから各合成樹脂製安全
ガラス試料の耐衝撃アクリル樹脂透明板(C)側の面に
垂直に落下したときの層剥離の有無、錘貫通の有無、お
よび白化の有無を観察した。
【0055】耐久性能評価 冷熱試験:試料を70℃で2時間放置したのち、70
℃から−20℃まで2時間、さらに−20℃で2時間放
置したのち、−20℃から70℃まで2時間を1サイク
ルとする雰囲気に10サイクル曝露した後、層剥離の有
無と、安全ガラスの外観を観察した。
【0056】耐湿試験:試料を55℃、関係湿度98
%RHで2週間放置した後、層剥離の有無と、安全ガラ
スの外観を観察した。
【0057】煮沸試験:試料を沸騰水中に2時間放置
した後、層剥離の有無と、安全ガラスの外観を観察し
た。
【0058】各性能評価の結果は、表2にまとめて示し
た。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】上記表1と表2から明らかなように、この
発明の実施例1〜4による合成樹脂製安全ガラスによれ
ば、初期性能評価において、製造直後に層剥離が無くか
つすぐれた外観を有することは、勿論であるが、併せて
高い接着強度を有しており、とりわけポリカーボネート
樹脂透明板(A)と中間接合層(B)との接着界面(a
界面)の接着性が良好であるだけでなく、中間接合層
(B)と耐衝撃アクリル樹脂透明板(C)との接着界面
(b界面)においても、a界面と同等の接着性が発揮せ
られるものである。
【0062】また耐衝撃性試験においては、層剥離がな
く、また錘貫通および白化がみられず、耐衝撃性が大幅
に向上して、すぐれた品質を有するものであった。
【0063】またこの発明によれば、耐久性能評価のい
ずれの促進試験においても、層剥離が無くかつすぐれた
外観を有していた。
【0064】これに対し、比較例1のポリカーボネート
樹脂透明板(A)と、中間接合層(B1)と、MMA板
(D)とを積層した合成樹脂製安全ガラスによれば、製
造直後においては、一応層剥離はみられないものゝ、接
着強度が低く、耐衝撃性試験において層剥離が生じた。
【0065】また、比較例2と3による合成樹脂製安全
ガラスによれば、製造直後においては、一応層剥離はみ
られないものゝ、外観において白濁がみられた。また接
着強度が低く、耐衝撃性試験においては層剥離が生じ、
かつ外観において白化が起こり、耐久性能評価の促進試
験においては、いずれも層剥離が生じ、かつ外観におい
て黄変が見られた。
【0066】なお、比較例4と5については、初期にポ
リカーボネート樹脂板(A)および耐衝撃アクリル樹脂
板(C)と、中間接合層(B)との接着がなされておら
ず、層剥離がおこり、かつ外観において気泡が生じてお
り、耐久性能の試験に供し得なかった。
【0067】また、比較例6と7のオートクレーブ方式
による合成樹脂製安全ガラスによれば、製造直後におい
ては、一応層剥離はみられないものゝ、外観において気
泡が生じていた。また接着強度が低く、耐衝撃性試験に
おいて層剥離が生じた。また、耐久性能評価の促進試験
においては、一応層剥離は生じないものゝ、外観におい
て気泡が見られた。
【0068】さらに、比較例8のポリカーボネート樹脂
透明板(A)と、中間接合層(B1)と、PS板(E)
とを積層した合成樹脂製安全ガラスによれば、製造直後
においては、一応層剥離はみられないものゝ、接着強度
が低く、耐衝撃性試験において層剥離が生じた。
【0069】なお、この発明による合成樹脂製安全ガラ
スは、例えば公共施設および運動施設等のグレージング
材、銀行カウンターの仕切り、防犯用ドアー、あるいは
各種車両のグレージング材等に有効に使用できるもので
ある。
【0070】
【発明の効果】この発明の合成樹脂製安全ガラスは、上
述のように、ポリカーボネート樹脂板(A)と耐衝撃ア
クリル樹脂板(C)とを、無黄変性ジイソシアネート、
ポリエーテルジオール、および硬化剤の反応生成物より
なる熱可塑性ポリウレタン系中間接合層(B)を介して
接合してなるものであるから、ポリカーボネート樹脂板
(A)と中間接合層(B)との接着性だけでなく、中間
接合層(B)と他方の耐衝撃アクリル樹脂板(C)との
接着性をも改良することができて、従来のような経時的
に生じる剥離現象を防止し得て、失透や透視像の歪みを
ひき起こさず、耐衝撃性および耐久性が非常に優れてい
るうえに、耐水性および耐湿性が高いという効果を奏す
る。
【0071】またとくに、中間接合層(B)として、無
黄変性ジイソシアネートおよびポリエーテルジオールを
主成分とする反応により得られる特定の熱可塑性ポリウ
レタンを用いているので、経時的な変色が少ないという
利点がある。
【0072】また、この発明による合成樹脂製安全ガラ
スの製造法は、上述のように、ポリカーボネート樹脂板
(A)と耐衝撃アクリル樹脂板(C)とを、無黄変性ジ
イソシアネート、ポリエーテルジオール、および硬化剤
の反応生成物よりなる熱可塑性ポリウレタン系中間接合
層(B)を介して積み重ね、これらの積層物をホットプ
レスにより温度100〜150℃、および圧力5〜50
kg/cm2 の条件下で加熱加圧するもので、この発明の方
法によれば、上記のようにすぐれた品質を有する合成樹
脂製安全ガラスを、非常に能率良く、かつ確実に製造し
得るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による2枚積層合成樹脂製安全ガラス
の要部拡大分解断面図である。
【図2】同合成樹脂製安全ガラスの要部拡大断面図であ
る。
【図3】この発明による3枚積層合成樹脂製安全ガラス
の要部拡大断面図である。
【図4】この発明による3枚積層合成樹脂製安全ガラス
のいま1つの具体例を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
A ポリカーボネート樹脂透明板 B ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂より
なる中間接合層 C 耐衝撃アクリル樹脂板

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂板(A)と耐衝撃
    アクリル樹脂板(C)とを、無黄変性ジイソシアネー
    ト、ポリエーテルジオール、および硬化剤の反応生成物
    よりなる熱可塑性ポリウレタン系中間接合層(B)を介
    して接合してなる合成樹脂製安全ガラス。
  2. 【請求項2】 耐衝撃アクリル樹脂板(C)の他面に、
    さらに同素材の耐衝撃アクリル樹脂板(C)もしくは別
    素材のアクリル樹脂板(D)が接合されている、請求項
    1記載の合成樹脂製安全ガラス。
  3. 【請求項3】 ポリカーボネート樹脂板(A)と耐衝撃
    アクリル樹脂板(C)とを、無黄変性ジイソシアネー
    ト、ポリエーテルジオール、および硬化剤の反応生成物
    よりなる熱可塑性ポリウレタン系中間接合層(B)を介
    して積み重ね、これらの積層物をホットプレスにより温
    度100〜150℃、および圧力5〜50kg/cm2 の条
    件下で加熱加圧することを特徴とする、合成樹脂製安全
    ガラスの製造法。
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