JPH0639968A - 合成樹脂製安全ガラスおよびその製造法 - Google Patents
合成樹脂製安全ガラスおよびその製造法Info
- Publication number
- JPH0639968A JPH0639968A JP4198833A JP19883392A JPH0639968A JP H0639968 A JPH0639968 A JP H0639968A JP 4198833 A JP4198833 A JP 4198833A JP 19883392 A JP19883392 A JP 19883392A JP H0639968 A JPH0639968 A JP H0639968A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- methacrylimide
- safety glass
- synthetic resin
- resin plate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 合成樹脂製安全ガラスについて、ポリカーボ
ネート樹脂板と中間接合層との接着性だけでなく、中間
接合層と他方のメタクリルイミド樹脂板との接着性をも
改良して、高い接着性と、すぐれた耐衝撃性および耐久
性を有する合成樹脂製安全ガラスを得る。 【構成】 合成樹脂製安全ガラスは、ポリカーボネート
樹脂板(A)と、メタクリルイミド基含有樹脂からなる
メタクリルイミド樹脂板(C)とを、無黄変性ジイソシ
アネート、ポリエーテルジオール、および硬化剤の反応
生成物よりなるポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン中
間接合層(B)を介して接合してなるものである。
ネート樹脂板と中間接合層との接着性だけでなく、中間
接合層と他方のメタクリルイミド樹脂板との接着性をも
改良して、高い接着性と、すぐれた耐衝撃性および耐久
性を有する合成樹脂製安全ガラスを得る。 【構成】 合成樹脂製安全ガラスは、ポリカーボネート
樹脂板(A)と、メタクリルイミド基含有樹脂からなる
メタクリルイミド樹脂板(C)とを、無黄変性ジイソシ
アネート、ポリエーテルジオール、および硬化剤の反応
生成物よりなるポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン中
間接合層(B)を介して接合してなるものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐衝撃性、耐熱性お
よび耐久性に優れた合成樹脂製安全ガラスおよびその製
造法に関する。
よび耐久性に優れた合成樹脂製安全ガラスおよびその製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、安全ガラスは、公共施設、運動
施設等のグレージング材、銀行カウンタの仕切り、防犯
用ドア、あるいは各種車両のグレージング材等に多く使
用されている。その構造は複数枚の無機ガラス、または
その一部を有機ガラス、例えばアクリル樹脂透明板など
の合成樹脂透明板で置き換え、中間接合層としてポリビ
ニルブチラール樹脂シートを介して接合したものが知ら
れている。
施設等のグレージング材、銀行カウンタの仕切り、防犯
用ドア、あるいは各種車両のグレージング材等に多く使
用されている。その構造は複数枚の無機ガラス、または
その一部を有機ガラス、例えばアクリル樹脂透明板など
の合成樹脂透明板で置き換え、中間接合層としてポリビ
ニルブチラール樹脂シートを介して接合したものが知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の安全ガラスは、耐衝撃性が必ずしも高いもの
とはいえず、安全性の点でなお一層の改良が望まれてい
た。
うな従来の安全ガラスは、耐衝撃性が必ずしも高いもの
とはいえず、安全性の点でなお一層の改良が望まれてい
た。
【0004】そこで従来、無機ガラスに変えて合成樹脂
透明板のみからなる安全ガラスが開発された。これは、
例えば航空機の風防ガラスとして使用されるもので、複
数のポリカーボネート樹脂透明板が、ポリイソシアネー
トとポリエステルジオールとの反応生成物である熱可塑
性ポリウレタン樹脂製の中間接合層を介して、隣り合う
もの同志接合されたものである(例えば特公昭59−1
2520号公報参照)。 しかしながら、このような従
来の合成樹脂製安全ガラスは、使用されるポリカーボネ
ート樹脂本来の高い耐衝撃性によって、初期の安全性の
点では高く評価されるものの、表面硬度とりわけ実用面
に要求される表面硬度が低い上に、ポリカーボネート樹
脂透明板と中間接合層との接着力が低いことに起因し
て、経時的な界面の剥離現象を生じ、ひいては失透や透
過像の歪みを引き起こしたり、また耐水性および耐湿性
も低いという問題があった。
透明板のみからなる安全ガラスが開発された。これは、
例えば航空機の風防ガラスとして使用されるもので、複
数のポリカーボネート樹脂透明板が、ポリイソシアネー
トとポリエステルジオールとの反応生成物である熱可塑
性ポリウレタン樹脂製の中間接合層を介して、隣り合う
もの同志接合されたものである(例えば特公昭59−1
2520号公報参照)。 しかしながら、このような従
来の合成樹脂製安全ガラスは、使用されるポリカーボネ
ート樹脂本来の高い耐衝撃性によって、初期の安全性の
点では高く評価されるものの、表面硬度とりわけ実用面
に要求される表面硬度が低い上に、ポリカーボネート樹
脂透明板と中間接合層との接着力が低いことに起因し
て、経時的な界面の剥離現象を生じ、ひいては失透や透
過像の歪みを引き起こしたり、また耐水性および耐湿性
も低いという問題があった。
【0005】この発明者らは、これらの問題を解決する
ために、先に、合成樹脂透明板と中間接合層との接着性
の改良、とりわけ中間接合層として特定の熱可塑性ポリ
ウレタンを選択し、これを介してポリカーボネート樹脂
透明板とアクリル樹脂透明板とを接合した。接着性の改
良された合成樹脂製安全ガラスを提案した(特願平3−
67171号参照)。
ために、先に、合成樹脂透明板と中間接合層との接着性
の改良、とりわけ中間接合層として特定の熱可塑性ポリ
ウレタンを選択し、これを介してポリカーボネート樹脂
透明板とアクリル樹脂透明板とを接合した。接着性の改
良された合成樹脂製安全ガラスを提案した(特願平3−
67171号参照)。
【0006】しかしながら、この先提案の合成樹脂製安
全ガラスによれば、確かにポリカーボネート樹脂透明板
と中間接合層との接着性は改良されるけれども、中間接
合層と他方のアクリル樹脂透明板との接着性は、依然弱
いという問題があった。
全ガラスによれば、確かにポリカーボネート樹脂透明板
と中間接合層との接着性は改良されるけれども、中間接
合層と他方のアクリル樹脂透明板との接着性は、依然弱
いという問題があった。
【0007】この発明者らは、上記の問題を解決するた
めに、さらに鋭意研究を重ねた結果、アクリル樹脂透明
板に替えてメタクリルイミド基含有樹脂からなる透明の
メタクリルイミド樹脂板を選択することにより、一方の
透明ポリカーボネート樹脂板と中間接合層との高い接着
性に加えて、他方の樹脂透明板と中間接合層との接着性
の改良された合成樹脂製安全ガラスを製造し得ることを
見い出し、この発明を完成するに至った。
めに、さらに鋭意研究を重ねた結果、アクリル樹脂透明
板に替えてメタクリルイミド基含有樹脂からなる透明の
メタクリルイミド樹脂板を選択することにより、一方の
透明ポリカーボネート樹脂板と中間接合層との高い接着
性に加えて、他方の樹脂透明板と中間接合層との接着性
の改良された合成樹脂製安全ガラスを製造し得ることを
見い出し、この発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明の第1発明は、ポリカーボネート樹脂板
と、メタクリルイミド基含有樹脂からなるメタクリルイ
ミド樹脂板とを無黄変性ジイソシアネート、ポリエーテ
ルジオール、および硬化剤の反応生成物よりなる熱可塑
性ポリウレタン系中間接合層を介して接合してなる合成
樹脂製安全ガラスを要旨とする。
めに、この発明の第1発明は、ポリカーボネート樹脂板
と、メタクリルイミド基含有樹脂からなるメタクリルイ
ミド樹脂板とを無黄変性ジイソシアネート、ポリエーテ
ルジオール、および硬化剤の反応生成物よりなる熱可塑
性ポリウレタン系中間接合層を介して接合してなる合成
樹脂製安全ガラスを要旨とする。
【0009】またこの発明の第2発明は、上記合成樹脂
製安全ガラスの製造法であって、ポリカーボネート樹脂
板と、上記メタクリルイミド樹脂板とを、無黄変性ジイ
ソシアネート、ポリエーテルジオール、および硬化剤の
反応生成物よりなる熱可塑性ポリウレタン系中間接合層
を介して積み重ね、これらの積層物をホットプレスによ
り、温度100〜150℃、および圧力5〜50kg/cm
2 の条件下で加熱加圧することを特徴とする、合成樹脂
製安全ガラスの製造法を要旨とする。
製安全ガラスの製造法であって、ポリカーボネート樹脂
板と、上記メタクリルイミド樹脂板とを、無黄変性ジイ
ソシアネート、ポリエーテルジオール、および硬化剤の
反応生成物よりなる熱可塑性ポリウレタン系中間接合層
を介して積み重ね、これらの積層物をホットプレスによ
り、温度100〜150℃、および圧力5〜50kg/cm
2 の条件下で加熱加圧することを特徴とする、合成樹脂
製安全ガラスの製造法を要旨とする。
【0010】上記において、この発明による合成樹脂製
安全ガラスを構成する合成樹脂透明板は、ポリカーボネ
ート樹脂板およびメタクリルイミド樹脂板である。これ
らの樹脂板は、それ自体が実質的に透明であり、表面が
平滑でかつ全体として平坦な板状体である。なお、これ
らの樹脂透明板の実用面側は、硬化処理、あるいは防曇
処理等の処理が施されていてもよい。
安全ガラスを構成する合成樹脂透明板は、ポリカーボネ
ート樹脂板およびメタクリルイミド樹脂板である。これ
らの樹脂板は、それ自体が実質的に透明であり、表面が
平滑でかつ全体として平坦な板状体である。なお、これ
らの樹脂透明板の実用面側は、硬化処理、あるいは防曇
処理等の処理が施されていてもよい。
【0011】上記の樹脂透明板の厚さは、とくに限定さ
れるものではないが、実用上から通常1〜30mmの範囲
で選択されるものである。
れるものではないが、実用上から通常1〜30mmの範囲
で選択されるものである。
【0012】上記メタクリルイミド樹脂板は、メタクリ
ルイミド基含有樹脂から形成されるものであるが、これ
はポリカーボネート樹脂板と同様に高い熱変形温度と優
れた透明性を有している。メタクリルイミド基含有樹脂
は、メタクリル樹脂とアンモニアまたは第一級アミンと
の反応によって得られるものである。
ルイミド基含有樹脂から形成されるものであるが、これ
はポリカーボネート樹脂板と同様に高い熱変形温度と優
れた透明性を有している。メタクリルイミド基含有樹脂
は、メタクリル樹脂とアンモニアまたは第一級アミンと
の反応によって得られるものである。
【0013】上記メタクリル樹脂としては、メタクリル
酸メチル、その他のメタクリル酸エステルの単独重合
体、もしくは複数のメタクリル酸エステルの共重合体、
またはメタクリル酸エステルと他のモノエチレン系不飽
和単量体との共重合体があげられる。
酸メチル、その他のメタクリル酸エステルの単独重合
体、もしくは複数のメタクリル酸エステルの共重合体、
またはメタクリル酸エステルと他のモノエチレン系不飽
和単量体との共重合体があげられる。
【0014】ここで、モノエチレン系不飽和単量体とし
ては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロ
ヒキシル、アクリル酸ベンジルなどのアクリル酸エステ
ル、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノ
マーおよびアクリルニトリルがあげられる。また、メタ
クリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルな
どがあげられる。
ては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロ
ヒキシル、アクリル酸ベンジルなどのアクリル酸エステ
ル、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノ
マーおよびアクリルニトリルがあげられる。また、メタ
クリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルな
どがあげられる。
【0015】上記メタクリル樹脂としては、メタクリル
酸メチル単独重合体およびメタクリル酸メチル−アクリ
ル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共
重合体を用いるのが、とくに好ましい。これらの共重合
体において、メタクリル酸メチルの含量はとくに制限は
ないが、70重量%以上であることが好ましい。
酸メチル単独重合体およびメタクリル酸メチル−アクリ
ル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共
重合体を用いるのが、とくに好ましい。これらの共重合
体において、メタクリル酸メチルの含量はとくに制限は
ないが、70重量%以上であることが好ましい。
【0016】また、上記イミド化剤としては、アンモニ
アの他、例えばメチルアミン、エチルアミン、t−ブチ
ルアミン、シクロヘキルアミンなどの第一級アミンが用
いられる。
アの他、例えばメチルアミン、エチルアミン、t−ブチ
ルアミン、シクロヘキルアミンなどの第一級アミンが用
いられる。
【0017】メタクリルイミド基含有樹脂を製造するに
は、メタクリル樹脂と、これのイミド化剤であるアンモ
ニアまたは第一級アミンとを、不活性雰囲気下および不
活性溶媒中で、180〜350℃、好ましくは200〜
330℃の温度で反応させる。不活性ガスとしては、窒
素ガスを用いるのが好適であり、不活性溶媒としては、
例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類、およびメタノール、エタノール、プロパノール等
の脂肪酸アルコール類を用いるが好適である。
は、メタクリル樹脂と、これのイミド化剤であるアンモ
ニアまたは第一級アミンとを、不活性雰囲気下および不
活性溶媒中で、180〜350℃、好ましくは200〜
330℃の温度で反応させる。不活性ガスとしては、窒
素ガスを用いるのが好適であり、不活性溶媒としては、
例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類、およびメタノール、エタノール、プロパノール等
の脂肪酸アルコール類を用いるが好適である。
【0018】この発明において用いられるメタクリルイ
ミド基含有樹脂は、イミド環構造単位の含有量が20〜
90重量%、好ましくは30〜80重量%であるイミド
化メタクリル樹脂を意味するものである。
ミド基含有樹脂は、イミド環構造単位の含有量が20〜
90重量%、好ましくは30〜80重量%であるイミド
化メタクリル樹脂を意味するものである。
【0019】ここで、イミド化メタクリル樹脂のイミド
環構造単位の含有量が5重量%未満であれば、該樹脂の
耐熱温度が低いので、好ましくない。またイミド環構造
単位の含有量が90重量%を越えると、該樹脂の耐熱温
度が高くなりすぎて、積層加圧条件が過酷になるので、
好ましくない。
環構造単位の含有量が5重量%未満であれば、該樹脂の
耐熱温度が低いので、好ましくない。またイミド環構造
単位の含有量が90重量%を越えると、該樹脂の耐熱温
度が高くなりすぎて、積層加圧条件が過酷になるので、
好ましくない。
【0020】なお、このようなメタクリルイミド基含有
樹脂からなるメタクリルイミド樹脂については、例えば
特公昭60−38404号公報および特公平2−175
3号公報に詳しく記載されている。
樹脂からなるメタクリルイミド樹脂については、例えば
特公昭60−38404号公報および特公平2−175
3号公報に詳しく記載されている。
【0021】この発明によれば、中間接合層を介してポ
リカーボネート樹脂と接合される従来のアクリル樹脂板
を、メタクリルイミド基含有樹脂からなるメタクリルイ
ミド樹脂板に替えることにより、中間接合層との接着性
が大幅に改善され、ポリカーボネート樹脂と中間接合層
との接着力と同等の接着力が得られ、耐衝撃性が大幅に
向上して、合成樹脂製安全ガラスの実用面での安全性
が、さらに向上するものである。
リカーボネート樹脂と接合される従来のアクリル樹脂板
を、メタクリルイミド基含有樹脂からなるメタクリルイ
ミド樹脂板に替えることにより、中間接合層との接着性
が大幅に改善され、ポリカーボネート樹脂と中間接合層
との接着力と同等の接着力が得られ、耐衝撃性が大幅に
向上して、合成樹脂製安全ガラスの実用面での安全性
が、さらに向上するものである。
【0022】ここで、中間接合層は、ポリエーテル系熱
可塑性ポリウレタンよりなるもので、透明を呈してい
る。中間接合層は、具体的には、無黄変ジイソシアネー
トと、ポリエーテルジオールと、硬化剤との反応性物よ
りなるものである。
可塑性ポリウレタンよりなるもので、透明を呈してい
る。中間接合層は、具体的には、無黄変ジイソシアネー
トと、ポリエーテルジオールと、硬化剤との反応性物よ
りなるものである。
【0023】上記無黄変性ジイソシアネートとしては、
例えばヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレ
ンジイソシアネート、ドデカメチレンイソシアネート、
2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシア
ネートなどの脂肪族系ジイソシアネート化合物、ビス
(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、2,2
−ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)プロパ
ン、1,4−シクロヘキシルジシクロヘキサンなどの脂
環族系ジイソシアネート化合物、およびイソホロンジイ
ソシアネートなどの脂肪族・脂環族混合系ジイソシアネ
ート化合物があげられる。
例えばヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレ
ンジイソシアネート、ドデカメチレンイソシアネート、
2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシア
ネートなどの脂肪族系ジイソシアネート化合物、ビス
(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、2,2
−ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)プロパ
ン、1,4−シクロヘキシルジシクロヘキサンなどの脂
環族系ジイソシアネート化合物、およびイソホロンジイ
ソシアネートなどの脂肪族・脂環族混合系ジイソシアネ
ート化合物があげられる。
【0024】また、上記ポリエーテルジオールは、2種
のイニシエーターに、代表的には炭素数2〜4のモノエ
ポキシドまたはテトラヒドロフランを付加してなる化合
物であり、例えばオキシメチレン基を有するポリオキシ
テトラメチレンジオール、オキシプロピレン基あるいは
オキシエチレン基とオキシプロピレン基とを有するポリ
オキシアルキレンジオール、およびこれらオキシアルキ
レン基とオキシテトラメチレン基を有するポリエーテル
ジオールである。
のイニシエーターに、代表的には炭素数2〜4のモノエ
ポキシドまたはテトラヒドロフランを付加してなる化合
物であり、例えばオキシメチレン基を有するポリオキシ
テトラメチレンジオール、オキシプロピレン基あるいは
オキシエチレン基とオキシプロピレン基とを有するポリ
オキシアルキレンジオール、およびこれらオキシアルキ
レン基とオキシテトラメチレン基を有するポリエーテル
ジオールである。
【0025】さらに、硬化剤としては、例えばエチレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪酸ジ
オール、モノエタノールアミンなどのアミノアルコール
類、および1,2−エタンジアミンなどのジアミン類が
あげられる。
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪酸ジ
オール、モノエタノールアミンなどのアミノアルコール
類、および1,2−エタンジアミンなどのジアミン類が
あげられる。
【0026】この発明による合成樹脂製安全ガラスの中
間接合層は、上記のような無黄色変性ジイソシアネート
と、ポリエーテルジオールと、硬化剤との反応生成物か
らなる膜状体であるが、その製法はとくに限定されるも
のではなく、通常の熱可塑性ポリウレタン樹脂の膜状体
の製法、例えば押出成形法等により製造すればよい。
間接合層は、上記のような無黄色変性ジイソシアネート
と、ポリエーテルジオールと、硬化剤との反応生成物か
らなる膜状体であるが、その製法はとくに限定されるも
のではなく、通常の熱可塑性ポリウレタン樹脂の膜状体
の製法、例えば押出成形法等により製造すればよい。
【0027】中間接合層の厚さは、0.03〜8.0mm
の範囲で選択されるが、好ましくは0.5〜5.0mmの
範囲である。
の範囲で選択されるが、好ましくは0.5〜5.0mmの
範囲である。
【0028】ここで、中間接合層の厚さが、0.03mm
未満であれば、薄すぎて、中間接合層と、ポリカーボネ
ート樹脂板およびメタクリルイミド樹脂板との均一な接
着が困難となり、また衝撃吸収性能や内部応力緩和性能
が低下するので、好ましくない。
未満であれば、薄すぎて、中間接合層と、ポリカーボネ
ート樹脂板およびメタクリルイミド樹脂板との均一な接
着が困難となり、また衝撃吸収性能や内部応力緩和性能
が低下するので、好ましくない。
【0029】また中間接合層の厚さが8.0mmを越える
と、厚すぎて、衝撃吸収性能や内部応力緩和性能の増大
はあまり期待し得ず、むしろ重量が増大し、かつ材料の
使用量が多くなって不経済であるので、好ましくない。
と、厚すぎて、衝撃吸収性能や内部応力緩和性能の増大
はあまり期待し得ず、むしろ重量が増大し、かつ材料の
使用量が多くなって不経済であるので、好ましくない。
【0030】中間接合層の厚さは、接着強度、および耐
衝撃強度などの中間接合層としての要求性能、および得
られる合成樹脂製安全ガラスの用途などに応じて、上記
の範囲内で適宜決定されるものである。
衝撃強度などの中間接合層としての要求性能、および得
られる合成樹脂製安全ガラスの用途などに応じて、上記
の範囲内で適宜決定されるものである。
【0031】つぎに、この発明の合成樹脂製安全ガラス
の積層構造と、製造法について述べる。
の積層構造と、製造法について述べる。
【0032】図1と図2を参照すると、まず、合成樹脂
製安全ガラスの積層構造については、ポリカーボネート
樹脂板(A)と、メタクリルイミド基含有樹脂からなる
メタクリルイミド樹脂板(C)との間に、熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂の膜状体よりなる中間接合層(B)が介さ
れて、加熱加圧により一体化された構造となっている。
製安全ガラスの積層構造については、ポリカーボネート
樹脂板(A)と、メタクリルイミド基含有樹脂からなる
メタクリルイミド樹脂板(C)との間に、熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂の膜状体よりなる中間接合層(B)が介さ
れて、加熱加圧により一体化された構造となっている。
【0033】なお、図示は省略したが、メタクリルイミ
ド樹脂板(C)の他面に、さらに同素材のメタクリルイ
ミド樹脂板(C)を、中間接合層(B)を介して積層す
ることもある。
ド樹脂板(C)の他面に、さらに同素材のメタクリルイ
ミド樹脂板(C)を、中間接合層(B)を介して積層す
ることもある。
【0034】つぎに、この発明による合成樹脂製安全ガ
ラスの製造法は、上記ポリカーボネート樹脂板(A)
と、メタクリルイミド基含有樹脂からなるメタクリルイ
ミド樹脂板(C)とを、無黄変性ジイソシアネート、ポ
リエーテルジオール、および硬化剤の反応生成物よりな
る熱可塑性ポリウレタン系中間接合層(B)を介して積
み重ね、これらの積層物をポットプレスにより温度10
0〜150℃、および圧力5〜50kg/cm2 の条件下で
加熱加圧一体化するものである。
ラスの製造法は、上記ポリカーボネート樹脂板(A)
と、メタクリルイミド基含有樹脂からなるメタクリルイ
ミド樹脂板(C)とを、無黄変性ジイソシアネート、ポ
リエーテルジオール、および硬化剤の反応生成物よりな
る熱可塑性ポリウレタン系中間接合層(B)を介して積
み重ね、これらの積層物をポットプレスにより温度10
0〜150℃、および圧力5〜50kg/cm2 の条件下で
加熱加圧一体化するものである。
【0035】ここで、加熱条件については、積層物、と
りわけ中間接合層(B)の温度が100〜150℃、好
ましくは120〜140℃となるように加熱する。ここ
で、加熱温度が100℃未満では、中間接合層(B)
と、ポリカーボネート樹脂板(A)およびメタクリルイ
ミド樹脂板(C)との接着が不十分となり、良好な衝撃
強度が得られない。また、加熱温度が150℃を越える
と、中間接合層(B)が軟化して流動するか、また場合
によつてはポリカーボネート樹脂板(A)またはメタク
リルイミド樹脂板(C)自体が流動するおそれがあるの
で、好ましくない。従って、加熱温度は、中間接合層
(B)、またはポリカーボネート樹脂(A)もしくはメ
タクリルイミド樹脂板(C)が無用に溶融流動しない範
囲の温度にとどめるべきことはいうまでもない。
りわけ中間接合層(B)の温度が100〜150℃、好
ましくは120〜140℃となるように加熱する。ここ
で、加熱温度が100℃未満では、中間接合層(B)
と、ポリカーボネート樹脂板(A)およびメタクリルイ
ミド樹脂板(C)との接着が不十分となり、良好な衝撃
強度が得られない。また、加熱温度が150℃を越える
と、中間接合層(B)が軟化して流動するか、また場合
によつてはポリカーボネート樹脂板(A)またはメタク
リルイミド樹脂板(C)自体が流動するおそれがあるの
で、好ましくない。従って、加熱温度は、中間接合層
(B)、またはポリカーボネート樹脂(A)もしくはメ
タクリルイミド樹脂板(C)が無用に溶融流動しない範
囲の温度にとどめるべきことはいうまでもない。
【0036】また加圧条件については、積層物に5〜5
0kg/cm2 、好ましくは10〜40kg/cm2 の圧力を均
一に付加するものとする。
0kg/cm2 、好ましくは10〜40kg/cm2 の圧力を均
一に付加するものとする。
【0037】ここで、圧力が5kg/cm2 未満では、ポリ
カーボネート樹脂板(A)およびメタクリルイミド樹脂
板(C)と、中間接合層(B)との接着が不十分とな
り、また層間に気泡が発生したりするだけでなく、透視
性能を著しく低下させるので、好ましくない。また圧力
が50kg/cm2 を越えると、中間接合層(B)が流動し
やすくなるので、好ましくはない。従って、この場合も
中間接合層(B)が無用に溶融流動しない範囲の圧力に
とどめるべきことはいうまでもない。
カーボネート樹脂板(A)およびメタクリルイミド樹脂
板(C)と、中間接合層(B)との接着が不十分とな
り、また層間に気泡が発生したりするだけでなく、透視
性能を著しく低下させるので、好ましくない。また圧力
が50kg/cm2 を越えると、中間接合層(B)が流動し
やすくなるので、好ましくはない。従って、この場合も
中間接合層(B)が無用に溶融流動しない範囲の圧力に
とどめるべきことはいうまでもない。
【0038】なお、ホットプレスによって積層物を加熱
加圧するさいには、熱可塑性合成樹脂透明板の積層に通
常積層材料よりもやや大きい寸法でかつ表面が鏡面状と
なされた金属メッキ板を用い、これらの金属メッキ板の
間に、上記図1の順序に重ねた積層材料を間挿し、さら
にこれらをホットプレスの熱盤間に挿入して圧締し、上
記加熱加圧条件で積層一体化するものである。
加圧するさいには、熱可塑性合成樹脂透明板の積層に通
常積層材料よりもやや大きい寸法でかつ表面が鏡面状と
なされた金属メッキ板を用い、これらの金属メッキ板の
間に、上記図1の順序に重ねた積層材料を間挿し、さら
にこれらをホットプレスの熱盤間に挿入して圧締し、上
記加熱加圧条件で積層一体化するものである。
【0039】なおこの場合、合成樹脂製安全ガラスの積
層単位枚数の材料を、複数の金属メッキ板等の間に積層
単位毎に順次間挿入して積み重ね、これを多数の平坦な
熱盤間に挿入して、いわゆる多段プレス方式により、一
挙に加熱加圧一体化することにより、生産性を向上する
ようにしても良い。。
層単位枚数の材料を、複数の金属メッキ板等の間に積層
単位毎に順次間挿入して積み重ね、これを多数の平坦な
熱盤間に挿入して、いわゆる多段プレス方式により、一
挙に加熱加圧一体化することにより、生産性を向上する
ようにしても良い。。
【0040】
【作用】上記この発明の合成樹脂製安全ガラスによれ
ば、ポリカーボネート樹脂板(A)と、メタクリルイミ
ド基含有樹脂からなるメタクリルイミド樹脂板(C)と
を、無黄変性ジイソシアネート、ポリエーテルジオー
ル、および硬化剤の反応生成物よりなる熱可塑性ポリウ
レタン系中間接合層(B)を介して接合しているので、
ポリカーボネート樹脂(A)と中間接合層(B)との接
着だけでなく、中間接合層(B)と他方のメタクリルイ
ミド樹脂板(C)との接着においても、均一な接着と高
い接着力が得られ、このため耐衝撃性が大幅に向上し
て、経時的に生じる剥離減少を防止することができる。
また、この発明の合成樹脂製安全ガラスは、失透や透視
像の歪みを引き起こさず、耐水性および耐湿性にすぐ
れ、しかも高い耐熱性を有している。
ば、ポリカーボネート樹脂板(A)と、メタクリルイミ
ド基含有樹脂からなるメタクリルイミド樹脂板(C)と
を、無黄変性ジイソシアネート、ポリエーテルジオー
ル、および硬化剤の反応生成物よりなる熱可塑性ポリウ
レタン系中間接合層(B)を介して接合しているので、
ポリカーボネート樹脂(A)と中間接合層(B)との接
着だけでなく、中間接合層(B)と他方のメタクリルイ
ミド樹脂板(C)との接着においても、均一な接着と高
い接着力が得られ、このため耐衝撃性が大幅に向上し
て、経時的に生じる剥離減少を防止することができる。
また、この発明の合成樹脂製安全ガラスは、失透や透視
像の歪みを引き起こさず、耐水性および耐湿性にすぐ
れ、しかも高い耐熱性を有している。
【0041】また、この発明の方法は、ポリカーボネー
ト樹脂板(A)と、メタクリルイミド基含有樹脂からな
るメタクリルイミド樹脂板(C)とを、無黄変性ジイソ
シアネート、ポリエーテルジオール、および硬化剤の反
応生成物よりなる熱可塑性ポリウレタン系中間接合層
(B)を介して積み重ね、これらの積層物をホットプレ
スにより特定の温度および圧力の条件下で加熱加圧する
もので、上記のようにすぐれた品質を有する合成樹脂製
安全ガラスを、非常に能率良く、かつ確実に製造し得る
ものである。
ト樹脂板(A)と、メタクリルイミド基含有樹脂からな
るメタクリルイミド樹脂板(C)とを、無黄変性ジイソ
シアネート、ポリエーテルジオール、および硬化剤の反
応生成物よりなる熱可塑性ポリウレタン系中間接合層
(B)を介して積み重ね、これらの積層物をホットプレ
スにより特定の温度および圧力の条件下で加熱加圧する
もので、上記のようにすぐれた品質を有する合成樹脂製
安全ガラスを、非常に能率良く、かつ確実に製造し得る
ものである。
【0042】
【実施例】つぎに、この発明の実施例を、比較例と共に
説明する。
説明する。
【0043】実施例1〜4および比較例1〜8 これらの実施例と比較例は、図1、図2に示す合成樹脂
製安全ガラスについて検討したものである。
製安全ガラスについて検討したものである。
【0044】まず、各実施例および比較例について、ポ
リカーボネート樹脂板(A)およびメタクリルイミド基
含有樹脂からなるメタクリルイミド樹脂板(C)と、中
間接合層(B)とを、表1に示す積層構成に従って、準
備した。準備した積層材料の内容は、それぞれつぎのと
おりである。
リカーボネート樹脂板(A)およびメタクリルイミド基
含有樹脂からなるメタクリルイミド樹脂板(C)と、中
間接合層(B)とを、表1に示す積層構成に従って、準
備した。準備した積層材料の内容は、それぞれつぎのと
おりである。
【0045】なお、積層材料の寸法は、いずれも幅50
0mm×長さ1000mmとした。
0mm×長さ1000mmとした。
【0046】A:ポリカーボネート樹脂板(筒中プラス
チック工業株式会社製、商品名ポリカエース EC10
0) B1:中間接合層:無黄変性イソシアネートとポリエー
テルジオールを主反応成分とする熱可塑性ポリウレタン
(ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタンと略記する)
(モートン・インターナショナル社製、商品名モルセン
PE193) B2:比較例用の中間接合層:芳香族ジイソシアネート
とポリエステルジオールを主反応成分とする熱可塑性ポ
リウレタン(ポリエステル系熱可塑性ポリウレタンと略
記する)。
チック工業株式会社製、商品名ポリカエース EC10
0) B1:中間接合層:無黄変性イソシアネートとポリエー
テルジオールを主反応成分とする熱可塑性ポリウレタン
(ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタンと略記する)
(モートン・インターナショナル社製、商品名モルセン
PE193) B2:比較例用の中間接合層:芳香族ジイソシアネート
とポリエステルジオールを主反応成分とする熱可塑性ポ
リウレタン(ポリエステル系熱可塑性ポリウレタンと略
記する)。
【0047】C:メタクリルイミド基含有樹脂からなる
メタクリルイミド樹脂透明板(住化ハース有限会社製、
商品名(ケイマックス」T−240)を原料とした押出
成形板 D:比較例用のアクリル樹脂透明板(商品名:スミペッ
クス E000) つぎに、これらの積層物を、特定の温度および圧力の条
件下で加熱加圧することにより、合成樹脂製安全ガラス
を製造した。
メタクリルイミド樹脂透明板(住化ハース有限会社製、
商品名(ケイマックス」T−240)を原料とした押出
成形板 D:比較例用のアクリル樹脂透明板(商品名:スミペッ
クス E000) つぎに、これらの積層物を、特定の温度および圧力の条
件下で加熱加圧することにより、合成樹脂製安全ガラス
を製造した。
【0048】ここで、加熱加圧手段は、同表に示すよう
に、実施例1〜4並びに比較例1〜6について、ホット
プレス方式を、また比較例7と8についてはオートクレ
ーブ方式をそれぞれ採用し、それらの加熱・加圧条件を
表1にまとめて示した。
に、実施例1〜4並びに比較例1〜6について、ホット
プレス方式を、また比較例7と8についてはオートクレ
ーブ方式をそれぞれ採用し、それらの加熱・加圧条件を
表1にまとめて示した。
【0049】なお、オートクレーブ方式では、積層材料
よりも寸法の大きい2枚のガラス板の間に積層物を挟
み、オートクレーブ内を真空にして100℃で予備加熱
したのち、上記設定条件で加熱加圧した。
よりも寸法の大きい2枚のガラス板の間に積層物を挟
み、オートクレーブ内を真空にして100℃で予備加熱
したのち、上記設定条件で加熱加圧した。
【0050】こうして製造された合成樹脂製安全ガラス
の各試料について、初期性能評価、耐熱性能評価および
耐久性能評価をおこなった。なお、安全ガラスの耐熱性
能は、安全ガラスの熱変形温度測定試験を実施すること
により、また、安全ガラスの耐久性能は、促進試験、す
なわち冷熱試験、耐湿試験および煮沸試験を実施するこ
とにより、評価した。
の各試料について、初期性能評価、耐熱性能評価および
耐久性能評価をおこなった。なお、安全ガラスの耐熱性
能は、安全ガラスの熱変形温度測定試験を実施すること
により、また、安全ガラスの耐久性能は、促進試験、す
なわち冷熱試験、耐湿試験および煮沸試験を実施するこ
とにより、評価した。
【0051】各性能評価の項目における試験方法は、つ
ぎのとおりである。
ぎのとおりである。
【0052】−初期性能評価− 製造直後の層剥離の有無。
【0053】製造直後の安全ガラスの外観。
【0054】接着強度:ピーリング(180°)法に
より測定して、その測定値(Kg/cm)を記入した。
より測定して、その測定値(Kg/cm)を記入した。
【0055】a界面=ポリカーボネート樹脂板(A)と
中間接合層(B)との接着界面 b界面=中間接合層(B)と、メタクリルイミド樹脂板
(C)との接着界面 耐衝撃性:重量2kg、撃芯先端曲率半径:R=3/
8インチの鋼鉄製の錘を高さ8mから各合成樹脂製安全
ガラス試料のメタクリルイミド樹脂板(C)側の面に垂
直に落下したときの層剥離の有無、錘貫通の有無、およ
び白化の有無を観察した。
中間接合層(B)との接着界面 b界面=中間接合層(B)と、メタクリルイミド樹脂板
(C)との接着界面 耐衝撃性:重量2kg、撃芯先端曲率半径:R=3/
8インチの鋼鉄製の錘を高さ8mから各合成樹脂製安全
ガラス試料のメタクリルイミド樹脂板(C)側の面に垂
直に落下したときの層剥離の有無、錘貫通の有無、およ
び白化の有無を観察した。
【0056】−耐熱性能評価− ASTM D 648(プラスチックの曲げ付加たわみ
温度の標準測定法)の試験方法に順じて測定したときの
熱変形温度を記録した。
温度の標準測定法)の試験方法に順じて測定したときの
熱変形温度を記録した。
【0057】−耐久性能評価− 冷熱試験:試料を70℃で2時間放置したのち、70
℃から−20℃まで2時間、さらに−20℃で2時間放
置したのち、−20℃から70℃まで2時間を1サイク
ルとする雰囲気に10サイクル暴露したのち、層剥離の
有無と、安全ガラスの外観を観察した。
℃から−20℃まで2時間、さらに−20℃で2時間放
置したのち、−20℃から70℃まで2時間を1サイク
ルとする雰囲気に10サイクル暴露したのち、層剥離の
有無と、安全ガラスの外観を観察した。
【0058】耐湿試験:試料を55℃関係湿度を98
%RHで2週間放置した後、層剥離の有無と、安全ガラ
スの外観を観察した。
%RHで2週間放置した後、層剥離の有無と、安全ガラ
スの外観を観察した。
【0059】煮沸試験:試料を沸騰水中に2時間放置
した後、層剥離の有無と、安全ガラスの外観を観察し
た。
した後、層剥離の有無と、安全ガラスの外観を観察し
た。
【0060】各性能評価の結果は、下記表1と表2にま
とめて示した。
とめて示した。
【0061】
【表1】
【表2】 上記表1と表2から明らかなように、この発明の実施例
1〜4による合成樹脂製安全ガラスによれば、初期性能
評価において、製造直後に層剥離が無くかつすぐれた外
観を有することは、勿論であるが、合せて高い接着強度
を有しており、とりわけ中間接合層(B)とメタクリル
イミド樹脂板(C)との接着界面(b界面)において
も、ポリカーボネート樹脂板(A)と中間接合層(B)
との接着界面(a界面)と同等の接着性が発揮された。
1〜4による合成樹脂製安全ガラスによれば、初期性能
評価において、製造直後に層剥離が無くかつすぐれた外
観を有することは、勿論であるが、合せて高い接着強度
を有しており、とりわけ中間接合層(B)とメタクリル
イミド樹脂板(C)との接着界面(b界面)において
も、ポリカーボネート樹脂板(A)と中間接合層(B)
との接着界面(a界面)と同等の接着性が発揮された。
【0062】また耐衝撃性試験においては、層剥離がな
く、また錘貫通および白化がみられず、耐衝撃性が大幅
に向上して、すぐれた品質を有するものであった。
く、また錘貫通および白化がみられず、耐衝撃性が大幅
に向上して、すぐれた品質を有するものであった。
【0063】さらに、耐熱性能評価において、この発明
の実施例によるものは、比較例1と2に比べ、熱変形温
度が高く、明らかに耐熱性能が向上していた。
の実施例によるものは、比較例1と2に比べ、熱変形温
度が高く、明らかに耐熱性能が向上していた。
【0064】これに対し、比較例1および2のポリカー
ボネート樹脂透明板(A)と、中間接合層(B1)と、
アクリル樹脂透明板(D)とを積層した合成樹脂製安全
ガラスでは、製造直後においては、一応層剥離はみられ
ないものの、なお若干接着強度が低く、耐衝撃性試験に
おいて層剥離が生じた。
ボネート樹脂透明板(A)と、中間接合層(B1)と、
アクリル樹脂透明板(D)とを積層した合成樹脂製安全
ガラスでは、製造直後においては、一応層剥離はみられ
ないものの、なお若干接着強度が低く、耐衝撃性試験に
おいて層剥離が生じた。
【0065】また、比較例3と4による合成樹脂製安全
ガラスでは、製造直後においては、一応層剥離はみられ
ないものの、外観において白濁が見られた。また接着強
度が低く、耐衝撃性試験においては層剥離が生じ、かつ
耐久性能の試験では外観において層剥離と黄変が見られ
た。
ガラスでは、製造直後においては、一応層剥離はみられ
ないものの、外観において白濁が見られた。また接着強
度が低く、耐衝撃性試験においては層剥離が生じ、かつ
耐久性能の試験では外観において層剥離と黄変が見られ
た。
【0066】なお、比較例5と6については、初期にポ
リカーボネート樹脂板(A)およびメタクリルイミド樹
脂板(C)と、中間接合層(B1)との接着がなされて
おらず、層剥離がおこり、かつ外観において気泡が生じ
ており、耐久性能の試験に供し得なかった。
リカーボネート樹脂板(A)およびメタクリルイミド樹
脂板(C)と、中間接合層(B1)との接着がなされて
おらず、層剥離がおこり、かつ外観において気泡が生じ
ており、耐久性能の試験に供し得なかった。
【0067】また、比較例7と8のオートクレーブ方式
による合成樹脂製安全ガラスでは、製造直後において
は、一応層剥離はみられないものの、外観において気泡
が生じていた。また接着強度が低く、耐衝撃性試験にお
いて層剥離が生じた。また、耐久性能評価の促進試験に
おいては、一応層剥離は生じないものの、外観において
気泡が見られた。
による合成樹脂製安全ガラスでは、製造直後において
は、一応層剥離はみられないものの、外観において気泡
が生じていた。また接着強度が低く、耐衝撃性試験にお
いて層剥離が生じた。また、耐久性能評価の促進試験に
おいては、一応層剥離は生じないものの、外観において
気泡が見られた。
【0068】なお、この発明において合成樹脂製安全ガ
ラスは、例えば公共施設および運動施設等のグレージン
グ材、銀行カウンタの仕切り、防犯用ドア、あるいは各
種車両のグレージング材等に有効に使用できるものであ
る。
ラスは、例えば公共施設および運動施設等のグレージン
グ材、銀行カウンタの仕切り、防犯用ドア、あるいは各
種車両のグレージング材等に有効に使用できるものであ
る。
【0069】
【発明の効果】この発明による合成樹脂製安全ガラス
は、上述のように、ポリカーボネート樹脂板(A)と、
メタクリルイミド基含有樹脂からなるメタクリルイミド
樹脂板(C)とを、無黄変性ジイソシアネート、ポリエ
ーテルジオール、および硬化剤の反応生成物よりなる熱
可塑性ポリウレタン系中間接合層(B)を介して接合し
てなるものであるから、ポリカーボネート樹脂板(A)
と中間接合層(B)との接着性だけでなく、中間接合層
(B)と他方のメタクリルイミド樹脂板(C)との接着
性をも改良することができて、従来のような経時的に生
じる剥離現象を防止し得て、失透や透視性の歪みを引き
起こさず、耐衝撃性および耐久性が非常にすぐれている
うえに、耐水性および耐湿性が高く、かつ耐熱性が高い
ので高温雰囲気中の軟化や板歪が少ないという効果を奏
する。
は、上述のように、ポリカーボネート樹脂板(A)と、
メタクリルイミド基含有樹脂からなるメタクリルイミド
樹脂板(C)とを、無黄変性ジイソシアネート、ポリエ
ーテルジオール、および硬化剤の反応生成物よりなる熱
可塑性ポリウレタン系中間接合層(B)を介して接合し
てなるものであるから、ポリカーボネート樹脂板(A)
と中間接合層(B)との接着性だけでなく、中間接合層
(B)と他方のメタクリルイミド樹脂板(C)との接着
性をも改良することができて、従来のような経時的に生
じる剥離現象を防止し得て、失透や透視性の歪みを引き
起こさず、耐衝撃性および耐久性が非常にすぐれている
うえに、耐水性および耐湿性が高く、かつ耐熱性が高い
ので高温雰囲気中の軟化や板歪が少ないという効果を奏
する。
【0070】またとくに、中間接合層(B)として、無
機色変性ジイシアネートおよびポリエチレンエーテルジ
オールを主成分とする反応により得られる特定の熱可塑
性ポリウレタンを用いているので、経時的な変色が少な
いという利点がある。
機色変性ジイシアネートおよびポリエチレンエーテルジ
オールを主成分とする反応により得られる特定の熱可塑
性ポリウレタンを用いているので、経時的な変色が少な
いという利点がある。
【0071】また、この発明による合成樹脂製安全ガラ
スの製造法は、上述のように、ポリカーボネート樹脂板
(A)と、上記メタクリルイミド樹脂板(C)とを、無
黄変性ジイソシアネート、ポリエチレンエーテルジオー
ルおよび硬化剤の反応生成物よりなる熱可塑性ポリウレ
タン系中間接合層(B)を介して積み重ね、これらの積
層物をホットプレスにより温度100〜150℃、およ
び圧力5〜50kg/cm2 の条件下で加熱加圧するもの
で、この発明の方法によれば、上記のようにすぐれた品
質を有する合成樹脂製安全ガラスを、非常に能率良く、
かつ確実に製造し得るという効果を奏する。
スの製造法は、上述のように、ポリカーボネート樹脂板
(A)と、上記メタクリルイミド樹脂板(C)とを、無
黄変性ジイソシアネート、ポリエチレンエーテルジオー
ルおよび硬化剤の反応生成物よりなる熱可塑性ポリウレ
タン系中間接合層(B)を介して積み重ね、これらの積
層物をホットプレスにより温度100〜150℃、およ
び圧力5〜50kg/cm2 の条件下で加熱加圧するもの
で、この発明の方法によれば、上記のようにすぐれた品
質を有する合成樹脂製安全ガラスを、非常に能率良く、
かつ確実に製造し得るという効果を奏する。
【図1】この発明による合成樹脂製安全ガラスの積層前
の要部拡大分解断面図である。
の要部拡大分解断面図である。
【図2】同合成樹脂製安全ガラスの積層後の要部拡大断
面図である。
面図である。
A :ポリカーボネート樹脂透明板 B :ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂よりな
る中間接合層 C :メタクリルイミド基含有樹脂からなるメタクリル
イミド樹脂板
る中間接合層 C :メタクリルイミド基含有樹脂からなるメタクリル
イミド樹脂板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 175/08 JFB 8620−4J // C08L 33:24 69:00
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂板(A)と、メタ
クリルイミド基含有樹脂からなるメタクリルイミド樹脂
板(C)とを、無黄変性ジイソシアネート、ポリエーテ
ルジオール、および硬化剤の反応生成物よりなる熱可塑
性ポリウレタン系中間接合層(B)を介して接合してな
る合成樹脂製安全ガラス。 - 【請求項2】 ポリカーボネート樹脂板(A)と、上記
メタクリルイミド樹脂板(C)とを、無黄変性ジイソシ
アネート、ポリエーテルジオール、および硬化剤の反応
生成物よりなる熱可塑性ポリウレタン系中間接合層
(B)を介して積み重ね、これらの積層物をホットプレ
スにより、温度100〜150℃、および圧力5〜50
kg/cm2 の条件下で加熱加圧することを特徴とする、合
成樹脂製安全ガラスの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4198833A JPH0639968A (ja) | 1992-07-24 | 1992-07-24 | 合成樹脂製安全ガラスおよびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4198833A JPH0639968A (ja) | 1992-07-24 | 1992-07-24 | 合成樹脂製安全ガラスおよびその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0639968A true JPH0639968A (ja) | 1994-02-15 |
Family
ID=16397679
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4198833A Withdrawn JPH0639968A (ja) | 1992-07-24 | 1992-07-24 | 合成樹脂製安全ガラスおよびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0639968A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002046325A1 (en) * | 2000-11-28 | 2002-06-13 | Casco A/S | Filler-containing polyurethane binder and sandwich panel comprising same |
-
1992
- 1992-07-24 JP JP4198833A patent/JPH0639968A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002046325A1 (en) * | 2000-11-28 | 2002-06-13 | Casco A/S | Filler-containing polyurethane binder and sandwich panel comprising same |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN101374656B (zh) | 在层压安全玻璃中使用的热塑性树脂组合物 | |
TWI723985B (zh) | 積層體 | |
TW200418951A (en) | Ultraviolet-crosslinkable transparent hot melt adhesive, transparent adhesive sheet and laminates | |
JP2023059984A (ja) | 金属調加飾用部材及びそれを用いた金属調加飾成形体 | |
TW201908267A (zh) | 夾層玻璃的中間膜用樹脂組合物、中間膜用膜材料和夾層玻璃的製造方法 | |
WO2018079732A1 (ja) | 合わせガラス、及び合わせガラスの中間膜用フィルム材 | |
JP4690185B2 (ja) | 水蒸気バリア性透明積層体 | |
JP3054748B2 (ja) | 合成樹脂製安全ガラスおよびその製造法 | |
JP7010832B2 (ja) | ガラス積層体 | |
JPH0639968A (ja) | 合成樹脂製安全ガラスおよびその製造法 | |
JPH06316045A (ja) | 合成樹脂製安全ガラス及びその製造法 | |
TW202103948A (zh) | 高硬度成形用樹脂薄片及使用其之成形品 | |
US12049561B2 (en) | Resin composition, resin film comprising said resin composition, and glass laminate including said resin film | |
JP2018051919A (ja) | 転写用ハードコートフィルム及びハードコート積層体 | |
JP5257739B2 (ja) | 接着性水性エマルジョン組成物、及びこれを用いた積層体 | |
JPH04301448A (ja) | 合成樹脂製安全ガラスおよびその製造法 | |
JP2019209550A (ja) | 金属調加飾用部材及びそれを用いた金属調加飾成形体 | |
JPH04339646A (ja) | 合成樹脂製安全ガラスおよびその製造法 | |
WO2021117833A1 (ja) | 合わせガラス用中間膜、及び合わせガラス | |
CN116997464A (zh) | 玻璃层叠体制品和用于其的粘合剂组合物 | |
US20220306785A1 (en) | Resin composition, resin film, and glass laminate | |
JPS6260990B2 (ja) | ||
CN114174041A (zh) | 成型用树脂片和使用其的成型品 | |
JP7402136B2 (ja) | 合わせガラス | |
JP2004188764A (ja) | 積層透明板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19991005 |