JPH06316024A - 帯電防止転写箔 - Google Patents

帯電防止転写箔

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JPH06316024A
JPH06316024A JP5131197A JP13119793A JPH06316024A JP H06316024 A JPH06316024 A JP H06316024A JP 5131197 A JP5131197 A JP 5131197A JP 13119793 A JP13119793 A JP 13119793A JP H06316024 A JPH06316024 A JP H06316024A
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JP
Japan
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antistatic
transfer foil
layer
water
plastic product
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Pending
Application number
JP5131197A
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English (en)
Inventor
Kentaro Fujii
憲太郎 藤井
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Nissha Printing Co Ltd
Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性の低いプラスチック製品表面にも導電
性、耐水性および耐溶剤性に優れた帯電防止層を形成す
ることのできる帯電防止転写箔を提供する。 【構成】 剥離性を有する基体シート2上に、水溶性イ
オン導電性樹脂と熱架橋性単量体を配合した組成物の熱
架橋反応物からなる帯電防止層3が設けられ、その上に
接着層4が設けられている帯電防止転写箔1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレクトロニクス機器
などの分野で使用されるプラスチック製品の表面に発生
する静電気による障害の防止に有効な帯電防止層を形成
する帯電防止転写箔に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にプラスチック製品は電導度が小さ
く、他の物質との接触によって容易に帯電するため、プ
ラスチック製品表面にゴミやホコリを付着して美観が著
しく損なわれたり、プラスチック製品周辺のエレクトロ
素子に絶縁破壊を起こさせるなど、様々なトラブルの原
因となっている。
【0003】このような帯電しやすいプラスチック製品
などに帯電防止性を付与するために、たとえば、特公平
4−220469号公報に示されるように、水溶性イオ
ン導電性樹脂と熱架橋性単量体とを所定の割合で配合し
て組成物とし、この組成物をプラスチック製品表面に塗
布して加熱することにより、イオン導電性樹脂と熱架橋
性単量体との熱架橋反応で導電性被膜を架橋硬化して帯
電防止層を形成する技術が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した技術
は、プラスチック製品表面に塗布形成した導電性被膜を
熱架橋反応させて帯電防止層を得るので、プラスチック
製品全体を加熱しなければならず、プラスチック製品の
材質が耐熱性の高いものに限定されるという問題があっ
た。
【0005】また、逆に耐熱性の低いプラスチック製品
を使用する場合には、加熱温度を低くしなければならな
いため、架橋密度が低くなり、帯電防止層の耐水性、耐
溶剤性が乏しく、プラスチック製品表面より容易に離脱
してしまうという問題があった。
【0006】この発明の目的は、上記のような問題を解
決することにあり、耐熱性の低いプラスチック製品表面
にも導電性、耐水性および耐溶剤性に優れた帯電防止層
を形成することのできる帯電防止転写箔を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の帯電防止転写箔は、剥離性を有する基体シ
ート上に、水溶性イオン導電性樹脂と熱架橋性単量体を
配合した組成物の熱架橋反応物からなる帯電防止層が設
けられ、その上に接着層が設けられているように構成し
た。
【0008】以下、本発明の帯電防止転写箔を図を用い
てさらに詳しく説明する。図1は本発明の帯電防止転写
箔の一実施例を示す断面図、図2は本発明の帯電防止転
写箔の他の実施例を示す断面図、図3は本発明の帯電防
止転写箔を用いてプラスチック製品表面に帯電防止層を
形成する工程の一実施例を示す断面図である。1は帯電
防止転写箔、2は基体シート、3は帯電防止層、4は接
着層、5は絵柄層、6はプラスチック製品である。
【0009】帯電防止転写箔1は、基体シート2上に帯
電防止層3、接着層4が順次設けられている(図1参
照)。
【0010】基体シート2は、帯電防止層3を支持し、
帯電防止転写箔1をプラスチック製品6に接着させた後
にはプラスチック製品6表面より剥離除去されるもので
ある。基体シート2としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、セロハン
などのプラスチックフィルムがある。また、これらの基
体シート2に剥離性を付与するために、転写後に基体シ
ート2とともに剥離される離型層を基体シート2上に形
成することができる。離型層の材質としては、メラミ
ン、シリコン、フッ素、セルロース、ウレア、オレフィ
ン、パラフィンなどの樹脂がある。
【0011】帯電防止層3は、水溶性のイオン導電性樹
脂と熱架橋性単量体との組成物からなる導電性被膜を熱
架橋反応させたものであり、導電性を有し、帯電防止転
写箔1をプラスチック製品6に接着させた後には、基体
シート2から容易に剥離分離して最上層となる。
【0012】水溶性イオン導電性樹脂は、帯電防止層3
に導電性を付与するものであり、たとえば、側鎖にカチ
オン性第4級アンモニウム塩基を有し末端に重合性の二
重結合をもった単官能ビニル単量体と、水酸基を有する
単官能または二官能ビニル単量体と、これらのビニル単
量体と共重合可能な他の重合性ビニル単量体の共重合に
よって得られる共重合体などが用いられる。共重合体中
の側鎖にカチオン性第4級アンモニウム塩基を有し末端
に重合性の二重結合をもった単官能ビニル単量体の具体
例としては、たとえば、ジメチルアミノエチルアクリレ
ート4級化物、ジエチルアミノエチルアクリレート4級
化物、ジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物、
ジエチルアミノエチルメタクリレート4級化物、メチル
エチルアミノアクリレート4級化物、メチルエチルアミ
ノエチルメタクリレート4級化物、ジメチルアミノスチ
レン4級化物、ジエチルアミノスチレン4級化物、メチ
ルエチルアミノスチレン4級化物などを挙げることがで
き、これらの1種もしくは2種以上を使用するものであ
る。水酸基を有する単官能ビニル単量体具体例として
は、たとえば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレートを挙げることができ
る。また前記水酸基を有する二官能ビニル単量体の具体
例としては、たとえば、ポリグリセロールジアクリレー
ト、ポリグリセロールジメタクリレート、ポリグリセラ
イドプロピレングリコールジアクリレート、ポリグリセ
ライドプロピレングリコールメタクリレートなどを挙げ
ることができる。また、これらのビニル単量体と共重合
可能な他の重合性ビニル単量体の具体例としては、メチ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリ
レート、エチルメタクリレートなどのアクリル酸または
メタクリル酸のアルキルエステル、スチレンおよびその
誘導体、酢酸ビニルなどのビニル単量体を挙げることが
できる。なお、水溶性イオン導電性樹脂は、上記構成の
共重合体に限定されるものではなく、これ以外の樹脂か
らなるものを用いても構わない。
【0013】熱架橋性単量体は、架橋硬化することによ
り、帯電防止層3に耐水性および耐溶剤性を付与し、帯
電防止層3がプラスチック製品表面から容易に離脱して
しまうことを防ぐものであり、たとえば、2〜4個のグ
リシジル基を有するエポキシ化合物などが用いられる。
エポキシ化合物の具体例としては、たとえば、エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコ
ールグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリ
シジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ネオペンチルグリシジルエーテル、グリセ
ロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパ
ンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシ
ジルエーテルなどを挙げることができ、これらの1種も
しくは2種以上を使用するものである。なお、熱架橋性
単量体は、上記構成のエポキシ化合物に限定されるもの
ではなく、これ以外の樹脂からなるものを用いても構わ
ない。
【0014】水溶性イオン導電性樹脂と熱架橋性単量体
との配合割合は、重量比で70/30〜97/3にする
のが好ましい。イオン導電性樹脂が70重量%未満の場
合は、熱架橋性単量体が過剰となるため、所期の表面抵
抗値の帯電防止層3が得られない。また、イオン導電性
樹脂が97重量%を超えて多くなると、逆に熱架橋性単
量体の量が減少するため、架橋密度が低下して所期の耐
水性および耐溶剤性の帯電防止層3を得ることが困難と
なる。
【0015】なお、導電性被膜を熱架橋反応させて帯電
防止層3を形成する場合、熱架橋性単量体を構成してい
るエポキシ化合物の架橋反応を促進させるために、有機
もしくは無機のアルカリ性化合物、たとえば、アミン、
ポリアミン、アミドアミン、ポリアミドアミン、イミダ
ゾールおよびアルカリ金属炭酸塩ならびにこれらの誘導
体からなる架橋硬化剤を導電性被膜中に少量使用するこ
とが望ましい。また、導電性被膜を熱架橋反応して帯電
防止層3とする時期は、被膜形成直後でもよいし、さら
に導電性被膜上に接着層4などを形成した後でもよい。
【0016】また、導電性被膜を熱架橋反応させる際の
加熱条件は、80℃〜200℃で少なくとも10秒以上であ
る。
【0017】接着層4は、帯電防止層3をプラスチック
製品6表面に接着させるものである。接着層4として
は、プラスチック製品6に適した感熱接着性樹脂、感圧
接着性樹脂、あるいは両方の性質を備えるような樹脂を
使用する。たとえば、プラスチック製品6がポリスチレ
ンの場合はアクリル系樹脂や塩化ビニル酢酸ビニル系樹
脂を、プラスチック製品6がポリプロピレンの場合は塩
素化ポリプロピレン系樹脂やエチレン酢酸ビニル系樹脂
などを用いるとよい。接着層4の形成方法としては、グ
ラビア印刷、スクリーン印刷などの通常の印刷法やロー
ルコート法などのコート法などがある。
【0018】また、帯電防止層3が透明である場合に
は、帯電防止層3と接着層4との間に絵柄層5を設ける
こともできる(図2参照)。絵柄層5を設けることによ
り、転写によりプラスチック製品6表面の帯電防止をす
るとともに装飾を施すことができる。絵柄層5として
は、顔料または染料を樹脂中に分散または溶解させた通
常の印刷インキを用いる。絵柄層5の形成方法として
は、グラビア印刷、スクリーン印刷などの通常の印刷法
やロールコート法などのコート法などがある。
【0019】次に、この帯電防止転写箔1の使用方法に
ついて説明する。接着層4側をプラスチック製品6に対
向させ、帯電防止転写箔1をプラスチック製品6の表面
形状に沿って重ね合わせた後に、帯電防止転写箔1の基
体シート2側より接着層4が粘着性を帯びる程度の熱圧
を加えて接着層4をプラスチック製品6に接着させ、基
体シート2をプラスチック製品6表面より剥離除去(図
3参照)すればよい。また、帯電防止転写箔1をプラス
チック製品6の射出成形用金型内に挿入し、金型内壁面
に帯電防止転写箔1を沿わせた後、型閉めし、型内に溶
融樹脂を射出してプラスチック製品の成形と同時に帯電
防止層3をプラスチック製品6表面に形成することもで
きる。
【0020】
【作用】本発明の帯電防止転写箔は、上記のように構成
されるので、次の作用が得られる。すなわち、帯電防止
転写箔の帯電防止層が、水溶性イオン導電性樹脂と熱架
橋性単量体を配合した組成物の熱架橋反応物からなるの
で、帯電防止層は、導電性を有すると耐水性、耐溶剤性
に優れたものである。
【0021】
【実施例】以下、本発明の帯電防止転写箔を実施例によ
ってさらに具体的に説明する。 実施例1 メチルメタクリレート/エチルアクリレート/2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメ
タクリレート4級塩化物を46/21/7.6/25.
4の重量組成比で共重合させて透明な共重合体からなる
水溶性イオン導電性樹脂を得た。この水溶性イオン導電
性樹脂に、エポキシ化合物としてグリセロールポリグリ
シジルエーテルを前記共重合体の固形分に対して4重量
%添加し、さらに架橋硬化剤として2−メチルイミダゾ
ールをグリセロールポリグリシジルエーテルに対して
2.5重量%添加混合して水溶性イオン導電性樹脂と熱
架橋性単量体を配合した組成物を得た。この組成物を、
ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる基体シー
ト上にロールコート法にて乾燥膜厚で2ミクロンとなる
ように塗布し、透明な導電性被膜を形成した。次に、こ
のフィルムを温度160℃、時間20秒で加熱して、導
電性被膜を硬化させて帯電防止層とした。次に、帯電防
止層上に、ポリエステル樹脂をロールコート法にて乾燥
膜厚で3ミクロンとなるように塗布し、接着層を形成し
た。
【0022】このようにして得られた帯電防止転写箔の
接着層側を、ポリスチロール樹脂からなるプラスチック
製品表面に重ね合わせ、帯電防止転写箔の基体シート側
より加熱ロールを用いて温度80℃、時間1秒で熱圧を
加えて転写した後、基体シートを剥離した。その結果、
耐熱性の低いプラスチック製品表面にも導電性、耐水性
および耐溶剤性に優れた帯電防止層を形成することがで
きた。
【0023】実施例2 メチルメタクリレート/エチルアクリレート/2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメ
タクリレート4級塩化物を重量組成比として51.5/
15/7.8/25.7の重量組成比で共重合させて透
明な共重合体からなる水溶性イオン導電性樹脂を得た。
この水溶性イオン導電性樹脂に、エポキシ化合物として
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを前記共
重合体の固形分に対して4重量%添加し、さらに架橋硬
化剤としてセスキ炭酸ナトリウムをポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテルに対して1.0重量%添加混
合して水溶性イオン導電性樹脂と熱架橋性単量体を配合
した組成物を得た。この組成物を、ポリエチレンテレフ
タレートフィルムからなる基体シート上にロールコート
法にて乾燥膜厚で2ミクロンとなるように塗布し、透明
な導電性被膜を形成した。次に、導電性被膜上に、塩化
ビニル樹脂をロールコート法にて乾燥膜厚で2ミクロン
となるように塗布し、接着層を形成した。次に、このフ
ィルムを温度150℃、時間30秒で加熱して、導電性
被膜を硬化させて帯電防止層とした。
【0024】このようにして得られた帯電防止転写箔の
接着層側を、ABS樹脂からなるプラスチック製品表面
に重ね合わせ、帯電防止転写箔の基体シート側より加熱
ロールを用いて温度80℃、時間1秒で熱圧を加えて転
写した後、基体シートを剥離した。その結果、耐熱性の
低いプラスチック製品表面にも導電性、耐水性および耐
溶剤性に優れた帯電防止層を形成することができた。
【0025】実施例3 メチルメタクリレート/エチルアクリレート/ポリグリ
セロールジアクリレート/ジメチルアミノエチルメタク
リレート4級塩化物を重量組成比として48/22/2
/28の重量組成比で共重合させて透明な共重合体から
なる水溶性イオン導電性樹脂を得た。この水溶性イオン
導電性樹脂に、エポキシ化合物としてグリセロールポリ
グリシジルエーテルを前記共重合体の固形分に対して4
重量%添加し、さらに架橋硬化剤として2−メチルイミ
ダゾールをグリセロールポリグリシジルエーテルに対し
て2.5重量%添加混合して水溶性イオン導電性樹脂と
熱架橋性単量体を配合した組成物を得た。この組成物
を、ポリエチレンナフタレートフィルムからなる基体シ
ート上にロールコート法にて乾燥膜厚で2ミクロンとな
るように塗布し、透明な導電性被膜を形成した。次に、
このフィルムを温度150℃、時間30秒で加熱して、
導電性被膜を硬化させて帯電防止層とした。次に、帯電
防止層上に、青色顔料を含有したアクリル樹脂をグラビ
ア印刷法にて乾燥膜厚で4ミクロンとなるように文字パ
ターンに塗布し、絵柄層を形成した。 次に、絵柄層上
に、アクリル樹脂をグラビア印刷法にて乾燥膜厚で2ミ
クロンとなるように塗布し、接着層を形成した。
【0026】このようにして得られた帯電防止転写箔の
接着層側を、ポリスチロール樹脂からなるプラスチック
製品表面に重ね合わせ、帯電防止転写箔の基体シート側
より加熱ロールを用いて温度80℃、時間1秒で熱圧を
加えて転写した後、基体シートを剥離した。その結果、
耐熱性の低いプラスチック製品表面にも導電性、耐水性
および耐溶剤性に優れた帯電防止層を形成することがで
きた。
【0027】実施例4 メチルメタクリレート/エチルアクリレート/2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート/ポリグリセロールジアク
リレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート4級塩
化物を重量組成比として46/19/7.6/2.0/
25.4の重量組成比で共重合させて透明な共重合体か
らなる水溶性イオン導電性樹脂を得た。この水溶性イオ
ン導電性樹脂に、エポキシ化合物としてグリセロールポ
リグリシジルエーテルを前記共重合体の固形分に対して
4重量%添加し、さらに架橋硬化剤として2−メチルイ
ミダゾールをグリセロールポリグリシジルエーテルに対
して2.5重量%添加混合して水溶性イオン導電性樹脂
と熱架橋性単量体を配合した組成物を得た。この組成物
を、ポリエチレンナフタレートフィルムからなる基体シ
ート上にロールコート法にて乾燥膜厚で2ミクロンとな
るように塗布し、透明な導電性被膜を形成した。次に、
導電性被膜上に、赤色顔料を含有したアクリル樹脂をグ
ラビア印刷法にて乾燥膜厚で3ミクロンとなるように文
字パターンに塗布し、絵柄層を形成した。次に、絵柄層
上に、塩化ビニル 樹脂をグラビア印刷法にて乾燥膜厚
で2ミクロンとなるように塗布し、接着層を形成した。
次に、このフィルムを温度100℃、時間30秒で加熱
して、導電性被膜を硬化させて帯電防止層とした。
【0028】このようにして得られた帯電防止転写箔の
接着層側を、ABS樹脂からなるプラスチック製品表面
に重ね合わせ、帯電防止転写箔の基体シート側より加熱
ロールを用いて温度80℃、時間1秒で熱圧を加えて転
写した後、基体シートを剥離した。その結果、耐熱性の
低いプラスチック製品表面にも導電性、耐水性および耐
溶剤性に優れた帯電防止層を形成することができた。
【0029】
【発明の効果】本発明の帯電防止転写箔は、以上のよう
な構成および作用からなるので、次の効果が得られる。
すなわち、本発明の帯電防止転写箔の帯電防止層は、導
電性、耐水性および耐溶剤性を有しているので、これを
プラスチック製品表面に転写温度で転写するだけで、プ
ラスチック製品表面に帯電防止層を形成できる。したが
って、耐熱性の低いプラスチック製品表面にも導電性、
耐水性および耐溶剤性に優れた帯電防止層を形成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電防止転写箔の一実施例を示す断面
図である。
【図2】本発明の帯電防止転写箔の他の実施例を示す断
面図である。
【図3】本発明の帯電防止転写箔を用いてプラスチック
製品表面に帯電防止層を形成する工程の一実施例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 帯電防止転写箔 2 基体シート 3 帯電防止層 4 接着層 5 絵柄層 6 プラスチック製品
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 帯電防止転写箔
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレクトロニクス機器
などの分野で使用されるプラスチック製品の表面に発生
する静電気による障害の防止に有効な帯電防止層を形成
する帯電防止転写箔に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にプラスチック製品は電導度が小さ
く、他の物質との接触によって容易に帯電するため、プ
ラスチック製品表面にゴミやホコリを付着して美観が著
しく損なわれたり、プラスチック製品周辺のエレクトロ
素子に絶縁破壊を起こさせるなど、様々なトラブルの原
因となっている。
【0003】このような帯電しやすいプラスチック製品
などに帯電防止性を付与するために、たとえば、特公平
4−220469号公報に示されるように、水溶性イオ
ン導電性樹脂と熱架橋性単量体とを所定の割合で配合し
て組成物とし、この組成物をプラスチック製品表面に塗
布して加熱することにより、水溶性イオン導電性樹脂と
熱架橋性単量体との熱架橋反応で導電性被膜を架橋硬化
して帯電防止層を形成する技術が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した技術
は、プラスチック製品表面に塗布形成した導電性被膜を
熱架橋反応させて帯電防止層を得るので、プラスチック
製品全体を加熱しなければならず、プラスチック製品の
材質が耐熱性の高いものに限定されるという問題があっ
た。
【0005】また、逆に耐熱性の低いプラスチック製品
を使用する場合には、加熱温度を低くしなければならな
いため、架橋密度が低くなり、帯電防止層の耐水性、耐
溶剤性が乏しく、プラスチック製品表面より容易に離脱
してしまうという問題があった。
【0006】この発明の目的は、上記のような問題を解
決することにあり、耐熱性の低いプラスチック製品表面
にも導電性、耐水性および耐溶剤性に優れた帯電防止層
を形成することのできる帯電防止転写箔を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の帯電防止転写箔は、剥離性を有する基体シ
ート上に、水溶性イオン導電性樹脂と熱架橋性単量体を
配合した組成物の熱架橋反応物からなる帯電防止層が設
けられ、その上に接着層が設けられているように構成し
た。
【0008】以下、本発明の帯電防止転写箔を図を用い
てさらに詳しく説明する。
【0009】図1は本発明の帯電防止転写箔の一実施例
を示す断面図、図2は本発明の帯電防止転写箔の他の実
施例を示す断面図、図3は本発明の帯電防止転写箔を用
いてプラスチック製品表面に帯電防止層を形成する工程
の一実施例を示す断面図である。
【0010】1は帯電防止転写箔、2は基体シート、3
は帯電防止層、4は接着層、5は絵柄層、6はプラスチ
ック製品である。
【0011】帯電防止転写箔1は、基体シート2上に帯
電防止層3、接着層4が順次設けられている(図1参
照)。
【0012】基体シート2は、帯電防止層3を支持し、
帯電防止転写箔1をプラスチック製品6に接着させた後
にはプラスチック製品6表面より剥離除去されるもので
ある。基体シート2としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、セロハン
などのプラスチックフィルムがある。また、これらの基
体シート2に剥離性を付与するために、転写後に基体シ
ート2とともに剥離される離型層を基体シート2上に形
成することができる。離型層の材質としては、メラミ
ン、シリコン、フッ素、セルロース、ウレア、オレフィ
ン、パラフィンなどの樹脂がある。
【0013】帯電防止層3は、水溶性イオン導電性樹脂
と熱架橋性単量体との組成物からなる導電性被膜を熱架
橋反応させたものであり、導電性を有し、帯電防止転写
箔1をプラスチック製品6に接着させた後には、基体シ
ート2から容易に剥離分離して最上層となる。
【0014】水溶性イオン導電性樹脂は、帯電防止層3
に導電性を付与するものであり、たとえば、側鎖にカチ
オン性第4級アンモニウム塩基を有し末端に重合性の二
重結合をもった単官能ビニル単量体と、水酸基を有する
単官能または二官能ビニル単量体と、これらのビニル単
量体と共重合可能な他の重合性ビニル単量体の共重合に
よって得られる共重合体などが用いられる。共重合体中
の側鎖にカチオン性第4級アンモニウム塩基を有し末端
に重合性の二重結合をもった単官能ビニル単量体の具体
例としては、たとえば、ジメチルアミノエチルアクリレ
ート4級化物、ジエチルアミノエチルアクリレート4級
化物、ジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物、
ジエチルアミノエチルメタクリレート4級化物、メチル
エチルアミノアクリレート4級化物、メチルエチルアミ
ノエチルメタクリレート4級化物、ジメチルアミノスチ
レン4級化物、ジエチルアミノスチレン4級化物、メチ
ルエチルアミノスチレン4級化物などを挙げることがで
き、これらの1種もしくは2種以上を使用するものであ
る。水酸基を有する単官能ビニル単量体具体例として
は、たとえば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレートを挙げることができ
る。また前記水酸基を有する二官能ビニル単量体の具体
例としては、たとえば、ポリグリセロールジアクリレー
ト、ポリグリセロールジメタクリレート、ポリグリセラ
イドプロピレングリコールジアクリレート、ポリグリセ
ライドプロピレングリコールメタクリレートなどを挙げ
ることができる。また、これらのビニル単量体と共重合
可能な他の重合性ビニル単量体の具体例としては、メチ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリ
レート、エチルメタクリレートなどのアクリル酸または
メタクリル酸のアルキルエステル、スチレンおよびその
誘導体、酢酸ビニルなどのビニル単量体を挙げることが
できる。
【0015】なお、水溶性イオン導電性樹脂は、上記構
成の共重合体に限定されるものではなく、これ以外の樹
脂からなるものを用いても構わない。
【0016】熱架橋性単量体は、架橋硬化することによ
り、帯電防止層3に耐水性および耐溶剤性を付与し、帯
電防止層3がプラスチック製品表面から容易に離脱して
しまうことを防ぐものであり、たとえば、2〜4のグリ
シジル基を有するエポキシ化合物などが用いられる。エ
ポキシ化合物の具体例としては、たとえば、エチレング
リコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコー
ルグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジル
エーテル、ネオペンチルグリシジルエーテル、グリセロ
ールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン
ポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジ
ルエーテルなどを挙げることができ、これらの1種もし
くは2種以上を使用するものである。
【0017】なお、熱架橋性単量体は、上記構成のエポ
キシ化合物に限定されるものではなく、これ以外の樹脂
からなるものを用いても構わない。
【0018】水溶性イオン導電性樹脂と熱架橋性単量体
との配合割合は、重量比で70/30〜97/3にする
のが好ましい。水溶性イオン導電性樹脂が70重量%未
満の場合は、熱架橋性単量体が過剰となるため、所期の
表面抵抗値の帯電防止層3が得られない。また、水溶性
イオン導電性樹脂が97重量%を超えて多くなると、逆
に熱架橋性単量体の量が減少するため、架橋密度が低下
して所期の耐水性および耐溶剤性の帯電防止層3を得る
ことが困難となる。
【0019】なお、導電性被膜を熱架橋反応させて帯電
防止層3を形成する場合、熱架橋性単量体を構成してい
るエポキシ化合物の架橋反応を促進させるために、有機
もしくは無機のアルカリ性化合物、たとえば、アミン、
ポリアミン、アミドアミン、ポリアミドアミン、イミダ
ゾールおよびアルカリ金属炭酸塩ならびにこれらの誘導
体からなる架橋硬化剤を導電性被膜中に少量使用するこ
とが望ましい。また、導電性被膜を熱架橋反応して帯電
防止層3とする時期は、被膜形成直後でもよいし、さら
に導電性被膜上に接着層4などを形成した後でもよい。
【0020】また、導電性被膜を熱架橋反応させる際の
加熱条件は、80℃〜200℃で少なくとも10秒以上
である。
【0021】接着層4は、帯電防止層3をプラスチック
製品6表面に接着させるものである。接着層4として
は、プラスチック製品6に適した感熱接着性樹脂、感圧
接着性樹脂、あるいは両方の性質を備えるような樹脂を
使用する。たとえば、プラスチック製品6がポリスチレ
ンの場合はアクリル系樹脂や塩化ビニル酢酸ビニル系樹
脂を、プラスチック製品6がポリプロピレンの場合は塩
素化ポリプロピレン系樹脂やエチレン酢酸ビニル系樹脂
などを用いるとよい。接着層4の形成方法としては、グ
ラビア印刷、スクリーン印刷などの通常の印刷法やロー
ルコート法などのコート法などがある。
【0022】また、帯電防止層3が透明である場合に
は、帯電防止層3と接着層4との間に絵柄層5を設ける
こともできる(図2参照)。絵柄層5を設けることによ
り、転写によりプラスチック製品6表面の帯電防止をす
るとともに装飾を施すことができる。絵柄層5として
は、顔料または染料を樹脂中に分散または溶解させた通
常の印刷インキを用いる。絵柄層5の形成方法として
は、グラビア印刷、スクリーン印刷などの通常の印刷法
やロールコート法などのコート法などがある。
【0023】次に、この帯電防止転写箔1の使用方法に
ついて説明する。接着層4側をプラスチック製品6に対
向させ、帯電防止転写箔1をプラスチック製品6の表面
形状に沿って重ね合わせた後に、帯電防止転写箔1の基
体シート2側より接着層4が粘着性を帯びる程度の熱圧
を加えて接着層4をプラスチック製品6に接着させ、基
体シート2をプラスチック製品6表面より剥離除去(図
3参照)すればよい。
【0024】また、帯電防止転写箔1をプラスチック製
品6の射出成形用金型内に挿入し、金型内壁面に帯電防
止転写箔1を沿わせた後、型閉めし、型内に溶融樹脂を
射出してプラスチック製品の成形と同時に帯電防止層3
をプラスチック製品6表面に形成することもできる。
【0025】
【作用】本発明の帯電防止転写箔は、上記のように構成
されるので、次の作用が得られる。
【0026】すなわち、帯電防止転写箔の帯電防止層
が、水溶性イオン導電性樹脂と熱架橋性単量体を配合し
た組成物の熱架橋反応物からなるので、帯電防止層は、
導電性を有すると耐水性、耐溶剤性に優れたものであ
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明の帯電防止転写箔を実施例によ
ってさらに具体的に説明する。
【0028】実施例1
【0029】メチルメタクリレート/エチルアクリレー
ト/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ジメチルア
ミノエチルメタクリレート4級塩化物を46/21/
7.6/25.4の重量組成比で共重合させて透明な共
重合体からなる水溶性イオン導電性樹脂を得た。
【0030】この水溶性イオン導電性樹脂に、エポキシ
化合物としてグリセロールポリグリシジルエーテルを前
記共重合体の固形分に対して4重量%添加し、さらに架
橋硬化剤として2−メチルイミダゾールをグリセロール
ポリグリシジルエーテルに対して2.5重量%添加混合
して水溶性イオン導電性樹脂と熱架橋性単量体を配合し
た組成物を得た。
【0031】この組成物を、ポリエチレンテレフタレー
トフィルムからなる基体シート上にロールコート法にて
乾燥膜厚で2ミクロンとなるように塗布し、透明な導電
性被膜を形成した。
【0032】次に、このフィルムを温度160℃、時間
20秒で加熱して、導電性被膜を硬化させて帯電防止層
とした。
【0033】次に、帯電防止層上に、ポリエステル樹脂
をロールコート法にて乾燥膜厚で3ミクロンとなるよう
に塗布し、接着層を形成した。
【0034】このようにして得られた帯電防止転写箔の
接着層側を、ポリスチロール樹脂からなるプラスチック
製品表面に重ね合わせ、帯電防止転写箔の基体シート側
より加熱ロールを用いて温度80℃、時間1秒で熱圧を
加えて転写した後、基体シートを剥離した。
【0035】その結果、耐熱性の低いプラスチック製品
表面にも導電性、耐水性および耐溶剤性に優れた帯電防
止層を形成することができた。
【0036】実施例2
【0037】メチルメタクリレート/エチルアクリレー
ト/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ジメチルア
ミノエチルメタクリレート4級塩化物を重量組成比とし
て51.5/15/7.8/25.7の重量組成比で共
重合させて透明な共重合体からなる水溶性イオン導電性
樹脂を得た。
【0038】この水溶性イオン導電性樹脂に、エポキシ
化合物としてポリエチレングリコールジグリシジルエー
テルを前記共重合体の固形分に対して4重量%添加し、
さらに架橋硬化剤としてセスキ炭酸ナトリウムをポリエ
チレングリコールジグリシジルエーテルに対して1.0
重量%添加混合して水溶性イオン導電性樹脂と熱架橋性
単量体を配合した組成物を得た。
【0039】この組成物を、ポリエチレンテレフタレー
トフィルムからなる基体シート上にロールコート法にて
乾燥膜厚で2ミクロンとなるように塗布し、透明な導電
性被膜を形成した。
【0040】次に、導電性被膜上に、塩化ビニル樹脂を
ロールコート法にて乾燥膜厚で2ミクロンとなるように
塗布し、接着層を形成した。
【0041】次に、このフィルムを温度150℃、時間
30秒で加熱して、導電性被膜を硬化させて帯電防止層
とした。
【0042】このようにして得られた帯電防止転写箔の
接着層側を、ABS樹脂からなるプラスチック製品表面
に重ね合わせ、帯電防止転写箔の基体シート側より加熱
ロールを用いて温度80℃、時間1秒で熱圧を加えて転
写した後、基体シートを剥離した。
【0043】その結果、耐熱性の低いプラスチック製品
表面にも導電姓、耐水性および耐溶剤性に優れた帯電防
止層を形成することができた。
【0044】実施例3
【0045】メチルメタクリレート/エチルアクリレー
ト/ポリグリセロールジアクリレート/ジメチルアミノ
エチルメタクリレート4級塩化物を重量組成比として4
8/22/2/28の重量組成比で共重合させて透明な
共重合体からなる水溶性イオン導電性樹脂を得た。
【0046】この水溶性イオン導電性樹脂に、エポキシ
化合物としてグリセロールポリグリシジルエーテルを前
記共重合体の固形分に対して4重量%添加し、さらに架
橋硬化剤として2−メチルイミダゾールをグリセロール
ポリグリシジルエーテルに対して2.5重量%添加混合
して水溶性イオン導電性樹脂と熱架橋性単量体を配合し
た組成物を得た。
【0047】この組成物を、ポリエチレンナフタレート
フィルムからなる基体シート上にロールコート法にて乾
燥膜厚で2ミクロンとなるように塗布し、透明な導電性
被膜を形成した。
【0048】次に、このフィルムを温度150℃、時間
30秒で加熱して、導電性被膜を硬化させて帯電防止層
とした。
【0049】次に、帯電防止層上に、青色顔料を含有し
たアクリル樹脂をグラビア印刷法にて乾燥膜厚で4ミク
ロンとなるように文字パターンに塗布し、絵柄層を形成
した。
【0050】次に、絵柄層上に、アクリル樹脂をグラビ
ア印刷法にて乾燥膜厚で2ミクロンとなるように塗布
し、接着層を形成した。
【0051】このようにして得られた帯電防止転写箔の
接着層側を、ポリスチロール樹脂からなるプラスチック
製品表面に重ね合わせ、帯電防止転写箔の基体シート側
より加熱ロールを用いて温度80℃、時間1秒で熱圧を
加えて転写した後、基体シートを剥離した。
【0052】その結果、耐熱性の低いプラスチック製品
表面にも導電性、耐水性および耐溶剤性に優れた帯電防
止層を形成することができた。
【0053】実施例4
【0054】メチルメタクリレート/エチルアクリレー
ト/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリグリセ
ロールジアクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリ
レート4級塩化物を重量組成比として46/19/7.
6/2.0/25.4の重量組成比で共重合させて透明
な共重合体からなる水溶性イオン導電性樹脂を得た。
【0055】この水溶性イオン導電性樹脂に、エポキシ
化合物としてグリセロールポリグリシジルエーテルを前
記共重合体の固形分に対して4重量%添加し、さらに架
橋硬化剤として2−メチルイミダゾールをグリセロール
ポリグリシジルエーテルに対して2.5重量%添加混合
して水溶性イオン導電性樹脂と熱架橋性単量体を配合し
た組成物を得た。
【0056】この組成物を、ポリエチレンナフタレート
フィルムからなる基体シート上にロールコート法にて乾
燥膜厚で2ミクロンとなるように塗布し、透明な導電性
被膜を形成した。
【0057】次に、導電性被膜上に、赤色顔料を含有し
たアクリル樹脂をグラビア印刷法にて乾燥膜厚で3ミク
ロンとなるように文字パターンに塗布し、絵柄層を形成
した。
【0058】次に、絵柄層上に、塩化ビニル 樹脂をグ
ラビア印刷法にて乾燥膜厚で2ミクロンとなるように塗
布し、接着層を形成した。
【0059】次に、このフィルムを温度100℃、時間
30秒で加熱して、導電性被膜を硬化させて帯電防止層
とした。
【0060】このようにして得られた帯電防止転写箔の
接着層側を、ABS樹脂からなるプラスチック製品表面
に重ね合わせ、帯電防止転写箔の基体シート側より加熱
ロールを用いて温度80℃、時間1秒で熱圧を加えて転
写した後、基体シートを剥離した。
【0061】その結果、耐熱性の低いプラスチック製品
表面にも導電性、耐水性および耐溶剤性に優れた帯電防
止層を形成することができた。
【0062】
【発明の効果】本発明の帯電防止転写箔は、以上のよう
な構成および作用からなるので、次の効果が得られる。
【0063】すなわち、本発明の帯電防止転写箔の帯電
防止層は、導電性、耐水性および耐溶剤性を有している
ので、これをプラスチック製品表面に転写温度で転写す
るだけで、プラスチック製品表面に帯電防止層を形成で
きる。したがって、耐熱性の低いプラスチック製品表面
にも導電性、耐水性および耐溶剤性に優れた帯電防止層
を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電防止転写箔の一実施例を示す断面
図である。
【図2】本発明の帯電防止転写箔の他の実施例を示す断
面図である。
【図3】本発明の帯電防止転写箔を用いてプラスチック
製品表面に帯電防止層を形成する工程の一実施例を示す
断面図である。
【符号の説明】 1 帯電防止転写箔 2 基体シート 3 帯電防止層 4 接着層 5 絵柄層 6 プラスチック製品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JLH 6904−4J H05F 1/02 K 7028−5G

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剥離性を有する基体シート上に、水溶性
    イオン導電性樹脂と熱架橋性単量体を配合した組成物の
    熱架橋反応物からなる帯電防止層が設けられ、その上に
    接着層が設けられていることを特徴とする帯電防止転写
    箔。
  2. 【請求項2】 水溶性イオン導電性樹脂と熱架橋性単量
    体との重量比が70/30〜97/3である請求項1記
    載の帯電防止転写箔。
  3. 【請求項3】 水溶性のイオン導電性樹脂が、側鎖にカ
    チオン性第4級アンモニウム塩基を有し末端に重合性の
    二重結合を有する単官能ビニル単量体と、水酸基を有す
    る単官能または二官能ビニル単量体と、他の重合性ビニ
    ル単量体との共重合体である請求項1または請求項2に
    記載の帯電防止転写箔。
  4. 【請求項4】 熱架橋性単量体が、2〜4のグリシジル
    基を有するエポキシ化合物である請求項1または請求項
    2に記載の帯電防止転写箔。
  5. 【請求項5】 絵柄層が、帯電防止層と接着層との間に
    設けられている請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    帯電防止転写箔。
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