JPH0631324Y2 - 蓄熱容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、常時または一時的に液体となる蓄熱剤（蓄冷
剤）を充填してなる蓄熱容器の構造に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来この種容器は第８図に示すように、容器の周縁２は
容器本体４の縁と蓋３の縁とをそれぞれ二重の逆Ｕ字状
に巻締めしたものが用いられている。（例えば実開昭59
-97376） 又、ステンレス鋼板を用いる場合には第９図に示すよう
に上記巻締め加工が困難な為、予め周囲をシーム溶接６
された容器に蓄熱剤７を該容器本体４に設けられた穴13
から注入器14で注入し、ろうで穴13を塞いでいた。

（例えば実開昭59-69071） 〔考案が解決しようとする課題〕 従来の技術において、密封容器が多様化した場合には、
上記の巻締めを行う設備の増加を必要とし、従って製造
コストの上昇を招く等、多品種少量生産には不向きであ
る。

シーム溶接の場合には、その密封性に不安があり、品質
上の信頼性欠如に問題があった。

本考案は、従来技術の有するこの様な問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、密封性の
良い高品質で、且つローコストの蓄熱容器を提供しよう
とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案における第１の蓄熱
容器は、容器の縁に於いて、断面ほぼコ形状でその溝内
面上下にその対応する凹凸条を長手方向に一体に設けた
アルミニウム合金製形材からなる嵌着具を用いて、容器
の縁を密接させるものである。

即ち、面接触された容器本体の縁と蓋の縁とを前記嵌着
具の溝内に挿入し、該溝内に形成された凹凸条が互いに
嵌合するように前記嵌着具を押圧して、容器の周縁を形
成してなるものである。

又、本考案における第２の蓄熱容器は、蓄熱剤を収容し
た耳付き浅底中容器を外蓋の裏面に溶接一体化し、前記
外蓋を外容器に被着させ、接触する外蓋と外容器の垂直
縁をリベット等にて結合されてなるものである。

〔作用〕

第１の蓄熱容器は、容器の周縁が嵌着具に設けられた凹
凸条にしっかりと食い込まれ、全周囲にわたって蓄熱剤
は確実に密封される。

第２の蓄熱容器は、中容器の耳部に溶接がなされるの
で、蓄熱剤に影響をあたえることがない。

又、仮に溶接箇所から蓄熱剤が漏れる様なことがあった
としても、漏れた蓄熱剤は外容器の内部に止まり、外へ
漏れる様なことはない。

〔実施例〕

以下にこの考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１実施例 第１図と第２図は、この考案の蓄熱容器の全体（この場
合は方形と円形）を示すものであって、蓄熱容器１は、
蓋３と本体４の接触部で周縁２を構成している。

周縁２は第３図に示すように、蓋３と本体４の各縁が嵌
着具５でしっかりと噛まれ、密着されている。

第４図の断面分解図を参照してさらに詳しく説明する
と、嵌着具５はアルミニウム合金製長尺の形材で、その
溝部5aは内面上部に凸条5bを下部に凹条5cを互いに対応
する位置に長手方向に設けられている。

この嵌着具５の溝部5aに蓋縁3aと本体縁4aを挿入し、嵌
着具５を押圧すると、蓋縁3aと本体縁4aは凸条5bと凹条
5cに食い込まれ、密着した周縁２が形成される。

上記のように構成されるこの考案の蓄熱容器は該容器の
形状やサイズに左右されることなく、自由に選べる。

第２実施例（ステンレス鋼板製） 第５図はこの考案の蓄熱容器の全体（この場合は方形）
を示すものであって、蓄熱容器１は、耳付き浅底中容器
11（この場合は円形）を溶接にて一体化された外蓋８と
外容器９が周縁10でリベット12によって連結されてい
る。

第６図と第７図を参照しながらさらに詳しく説明する
と、外蓋８は蓄熱剤７を収容してなる浅底中容器11を耳
11a部にされたシーム溶接６で一体化しており、又外蓋
８の端部は垂直縁10aを有している。

蓄熱容器１は、端部に垂直縁10bを有する外容器９に前
記外蓋８を被せ、その際互いに重合する各垂直縁10aと1
0bをリベット12で結合されて成るもので、蓄熱剤７は前
記溶接箇所から漏れる様なことはない。

尚、蓄熱容器１の形状は方形に限らず、円形、三角形等
選定可能である。

〔考案の効果〕

この考案の蓄熱容器は、上記のように構成されているの
で、以下のような効果が得られる。

第１考案によれば、密封は嵌着具の押圧で縁が密着する
構造でありますから、容器の形状や大きさ、数量に左
右されず、多品種少量生産に有利である。密封に信頼
性がおける。溶接が困難なアルミ薄板材を用いる場合
に最適である。

第２考案によれば、該蓄熱容器は、浅底中容器を用いた
二重構造であるから、万一、溶接箇所から蓄熱剤の漏
れる様なことがあっても、漏れた蓄熱剤は外容器の底に
止まり外部へ流出することがない。容器の形状や大き
さ、数量に左右されず、多品種少量生産に有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はこの考案の第１実施例の全体図、第３
図は第１実施例に於ける周縁部断面詳細図、第４図は第
１実施例に於ける周縁部断面分解図、第５図は第２実施
例の全体図、第６図は第５図のＡ−Ａ断面図、第７図は
第６図の部分詳細図第８図は逆Ｕ字状巻締めした場合の
従来例、第９図はシーム溶接加工の場合の従来例であ
る。 符号説明 １……蓄熱容器、２……周縁、３……蓋 3a……蓄縁、４……本体、4a……本体縁 ５……嵌着具、5a……溝部、5b……凸条 5c……凹条、６……溶接部、７……蓄熱剤 ８……外蓋、９……外容器、10……周縁 10a……外蓋の垂直縁、10b……外容器の垂直縁 11……中容器、11a……耳、12……リベット 13……注入穴、14……注入器

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】蓄熱剤を充填してなる蓄熱容器において、
   容器本体の縁と該容器の蓋の縁を、ほぼコ形状でその溝
   内面の上下に互いに対応する凹凸条を長手方向に一体に
   設けた嵌着具の溝内に挿入し、上記嵌着具を押圧して形
   成された周縁を有する蓄熱容器。
2. 【請求項２】蓄熱剤が収容されているステンレス製耳付
   き中容器を溶接一体化して成るステンレス製外蓋と、該
   外蓋と互いに周縁が連結されるステンレス製外容器から
   成る蓄熱容器。