JPH06109Y2 - 輸液用プラスチック容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、糖質輸液剤、電解質輸液剤、血漿増量材、浸
透圧利尿剤、アミノ酸輸液剤、脂肪乳剤、高カロリー栄
養剤などの経静脈や経腸用の輸液等を収容する輸液用プ
ラスチック容器に関するものである。

［従来の技術］ 従来、この種の輸液容器として、容器本体から突出する
口部をプラスチック製シートで封止し、かつ口部にゴム
栓を被せて、それに上栓を被せたうえ、上栓の下端周部
を口部のフランジに溶着して口部を封止するように構成
したものは、特開昭６３−２９６７５７号公報に記載さ
れている。

［考案が解決しようとする課題］ 上記従来の輸液用プラスチック容器にあっては、口部を
封止しているプラスチック製シートが口部の端面と同平
面のフランジにかけて溶着されているのみであってその
接合強度が劣り、また、口部に被せたゴム栓はその周部
を単にフランジに係止しているのみであるから、輸液時
にゴム栓に注射針を突き刺した際に、プラスチック製シ
ートが下方に膨らむように変形して脱落する虞があり、
また、弾性に富むゴム栓は容器本体側に大きく撓み、そ
れが容器本体内に落ち込むことがあって、しばしば輸液
不能に陥るという不都合が生じていた。

本考案は、従来のこの種の輸液用プラスチック容器にお
ける欠陥に鑑み、容器の口部の開口端側に環状突起を形
成し、その環状突起の上端に密封部材を溶着して口部を
閉じ、さらに、ゴム栓の下面を上記環状突起に係合する
形状に形成したことにより、口部を閉じる密封部材の溶
着が良好で輸液とゴム栓との隔絶性が高く、きわめて衛
生的であるうえ、密封部材およびゴム栓の装着保持性が
高く、ゴム栓に注射針を突き刺した際に密封部材および
ゴム栓が脱落する虞のない優れた輸液用プラスチック容
器を提供することを目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、その目的を達成するための技術的手段とし
て、次のとおり構成した。

すなわち、その構成は、容器の口部にゴム栓を被せ、ゴ
ム栓を覆う上栓を口部に溶着して、ゴム栓で口部を密封
してなる輸液用プラスチック容器において、容器の口部
の開口端側に環状突起およびフランジ部を形成するとと
もに、環状突起の上端に密封部材を溶着して口部を閉
じ、ゴム栓の下面を上記環状突起に係合する形状に形成
し、ゴム栓を覆う上栓を上記口部のフランジ部に溶着し
て口部を封止する構成としたことを特徴とする輸液用プ
ラスチック容器としたものである。

［作用］ 本考案に係る輸液用プラスチック容器においては、前記
のように、容器本体の口部の開口端側に環状突起および
フランジ部を形成されており、口部を閉じる密封部材が
環状突起の端部に溶着されるので、その溶着性が高く、
輸液とゴム栓との隔絶を完全に保つことができる。ま
た、密封部材およびゴム栓は環状突起に係止した状態に
なるので、その装着保持性が高く、ゴム栓に注射針を突
き刺した際に密封部材およびゴム栓が撓んでも、容器本
体側に脱落することはない。

［実施例］ 本考案の実施例を図面について説明する。

図面には輸液用プラスチック容器の一例が示されてい
る。第１図ないし第３図においては、１は容器の口部で
あって、この口部１は容器本体（胴部）２の上端に突出
している。口部１の開口端には環状突起３が形成されて
おり、かつその外側に張出すフランジ部４が形成されて
いる。なお、上記環状突起３は、フランジ部４上に環状
に突出形成してもよい。

上記口部１の開口端は密封部材５で閉じ、かつその上に
ゴム栓６を被せたうえ、ゴム栓６を上栓７で覆ってその
周端部をフランジ部４に溶着することによって密封され
ている。すなわち、密封部材５は、環状突起３に対する
環状係止部5aとその内部を閉じる薄肉部5bを有するもの
であって、密封部材５はその環状係止部5aを口部１の環
状突起３に係合され、かつその係合部が溶着されてお
り、口部１の開口端は密封部材５によって封止されてい
る。ゴム栓６は、密封部材５の環状係止部5aに係合する
環状凹溝6aを形成してなるものであって、ゴム栓６はそ
の環状凹溝6aを密封部材５に係合する状態に被せられて
いる。上栓７はゴム栓６を密嵌装状態に覆うものであっ
て、その上面にはプルリング８による開封部９が形成さ
れており、10はそのスコアである。

第４図には、他の実施例が示されている。この実施例に
おいては、密封部材５が環状突起３の上端から外周にか
かるプラスチックシートで構成されており、この密封部
材５の環状突起３に対応する部位は溶着されている。ま
た、この実施例では、ゴム栓６の環状突起３の外周に嵌
合される凹部6bを有しており、この凹部6bの周囲の環状
凸部6cはフランジ部４に当接するようになっている。な
お、このゴム栓６は上下対称の形状となっており、上栓
７の上周部はゴム栓６の環状凸部6dが密嵌装する形状に
形成されている。上栓７の上面には開口部11が形成さ
れ、かつイージーピールフィルム12によって封止されて
いる。

なお、輸液用プラスチック容器は、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等の熱可塑性プラスチック材料をブロー成形
等により製造されるのものである。口部１は、容器本体
と一体に成形されるが、口部１を別に成形して容器本体
に溶着した構成としてもよい。

以上のように構成された各実施例の輸液用プラスチック
容器においては、容器の口部１の開口端側に環状突起３
およびフランジ部４が形成されており、口部１を閉じる
密封部材５が環状突起３の端部に溶着されるので、その
溶着性が高く、容器本体２内の輸液とゴム栓６との隔絶
を完全に保つことができる。

また、密封部材５およびゴム栓６は環状突起３に係止し
た状態になるので、その装着保持性が高く、ゴム栓６に
注射針を突き刺した際に密封部材５およびゴム栓６が撓
んでも、容器本体２側に脱落することはない。

［考案の効果］ 本考案は、容器の口部にゴム栓を被せ、ゴム栓を覆う上
栓を口部に溶着して、ゴム栓で口部を密封してなる輸液
用プラスチック容器において、容器の口部の開口端側に
環状突起およびフランジ部を形成するとともに、環状突
起の上端に密封部材を溶着して口部を閉じ、ゴム栓の下
面を上記環状突起に係合する形状に形成し、ゴム栓を覆
う上栓を上記口部のフランジ部に溶着して口部を封止す
る構成としたものであるから、口部を閉じる密着部材の
溶着が良好で輸液とゴム栓との隔絶性が高く、きわめて
衛生的であるうえ、密着部材およびゴム栓の装着保持性
が高く、ゴム栓に注射針を突き刺した際に密着部材およ
びゴム栓が脱落する虞のない優れた輸液用プラスチック
容器を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は輸液用プラス
チック容器の全体正面図、第２図はその一部の縦断正面
図、第３図は同上分解縦断斜視図、第４図は他の実施例
を示す一部の縦断正面図である。 １…口部、２…容器本体、３…環状突起、４…フランジ
部、５…密封部材、5a…環状係止部、5b…薄肉部、６…
ゴム栓、6a…環状凹溝、6b…凹部、6c…環状凸部、７…
上栓、

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器の口部にゴム栓を被せ、ゴム栓を覆う
   上栓を口部に溶着して、ゴム栓で口部を密封してなる輸
   液用プラスチック容器において、容器の口部の開口端側
   に環状突起およびフランジ部を形成するとともに、環状
   突起の上端に密封部材を溶着して口部を閉じ、ゴム栓の
   下面を上記環状突起に係合する形状に形成し、ゴム栓を
   覆う上栓を上記口部のフランジ部に溶着して口部を封止
   する構成としたことを特徴とする輸液用プラスチック容
   器。