JPH06311841A - 節含有製品の製造方法 - Google Patents

節含有製品の製造方法

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JPH06311841A
JPH06311841A JP5102590A JP10259093A JPH06311841A JP H06311841 A JPH06311841 A JP H06311841A JP 5102590 A JP5102590 A JP 5102590A JP 10259093 A JP10259093 A JP 10259093A JP H06311841 A JPH06311841 A JP H06311841A
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Hidehiko Wakabayashi
秀彦 若林
Kenji Fukami
賢治 深見
Eiichi Nishi
栄一 西
Yasuko Hayashizaki
靖子 林崎
Tsuneko Ichikawa
恒子 市川
Kyosuke Ishiguro
恭佑 石黒
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Abstract

(57)【要約】 【目的】原料節又は原料節加工品において節本来の風味
をバランスよく強化し、かつ製造後の風味の劣化を抑制
する方法を提供する。 【構成】削り節、節粉末、風味調味料等の原料節又は原
料節加工品に含硫化合物を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、節風味が強化されかつ
風味劣化が抑制された節含有製品の製造方法に関する。
さらに詳しくは、各種食品に利用される、鰹、宗田鰹、
鯖、鰺、鰯、鮪等を原料とした魚節の削り節や節粉末ま
たはこれらの節を風味原料として含有する節含有製品に
含硫化合物を添加する事によって、製品の節風味を強化
し、かつ製造後の風味の劣化を抑制する節含有製品の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】公知の常法により生切り、煮熟、焙乾を
行なって製造された荒節、および荒節にさらにカビ付け
を行なって製造された枯節の風味は節の状態では比較的
長期間保持されるが、節含有製品の製造工程において節
を切削または粉砕すると、その直後の肉質的な好ましい
風味は急速に消失してしまい、好ましい節風味を安定的
に保持することは難しい。従来、このような変化を抑制
するためには切削または粉砕した節を含有する製品を窒
素置換包装あるいは脱酸素剤封入によって低酸素雰囲気
下に置くなどの処置が施されていた。このような方法に
よって、節風味の変化はある程度抑制可能である。しか
しながら、魚節を利用したあらゆる製品にこのような方
法を適用することは、設備上あるいはコスト面から不可
能であった。また、たとえこのような方法をとっても、
風味の弱化を完全に防ぐ事はできなかった。
【0003】一方、これらの節を含有する製品の風味を
強化する方法としては原料節の焙乾時に表面積を増やす
事によって焙乾を強化する方法(特開昭54−1134
66)、切削後の節に燻液を添加する事によってスモー
クフレーバーを付与する方法(特開昭53−14255
9)などが知られているが、これら方法はいずれも主と
して燻煙臭を強化する為の方法であり本来の節にある肉
質的な風味は強化されないため製品の風味全体の力価は
強化されるものの風味の質が本来の節由来の風味とは異
なったものとなってしまい、使用目的によっては好まし
くない場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述の
問題点に鑑み、原料節又は原料節加工品(以下、節含有
製品と総称する。)製造工程において節本来の風味をバ
ランスよく強化し、かつ製造後の風味の劣化を抑制する
方法を提供することであり、さらには魚節を含有する製
品を利用したあらゆる食品の風味を強化し、かつ風味の
変化を抑制することによって好ましい風味の製品を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の目的
を達するための方法について鋭意研究を重ねた結果、節
含有製品を製造する際に含硫化合物を添加することによ
って節の風味が強化され、かつ製造後の節風味の劣化が
抑制されることを見いだし、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は節含有製品を製造する
際の適当な工程において含硫化合物を添加することによ
って節風味が強化され、かつ劣化の抑制された節含有製
品を提供するものである。以下、本発明を詳細に説明す
る。本発明における含硫化合物としては対象が食品であ
ることから食品素材中に一般的に含まれる含硫化合物が
望ましい。具体的にはシステイン、シスチン、メチオニ
ン、タウリンなどの含硫アミノ酸およびグルタチオン、
グルタミルシステインなどの含硫ペプチドおよびチアミ
ンなどの含硫ビタミンを用いる事ができる。これらの含
硫アミノ酸、ペプチドおよびビタミンはいずれも本発明
における含硫化合物としての効果を有しているが、重量
あたりの効果が大きいものとしてはシステインおよびグ
ルタチオンおよびチアミンが好ましい。しかしながら、
本発明において利用可能な含硫化合物は上記具体例に限
定されるものではなく、分子内にチオール、スルフィ
ド、ジスルフィド、スルフォキシド、スルホン、チアゾ
ールなどの構造を有する化合物であれば同様の効果を得
る事ができる。さらに、これらの化合物は単一でも数種
類の混合物でもよく、またその存在形態は問わない。し
たがって、これらの化合物またはその塩を結果的に含有
する素材であればよく、これらの成分を含有する天然素
材あるいは加工素材、具体的にはエキス類や各種蛋白加
水分解物などを用いることもできる。
【0007】本発明において添加する含硫化合物の量は
添加対象となる節含有製品中の節の乾燥重量に対して硫
黄元素の重量比で0.0001%〜5.0%好ましくは
0.001%〜1.0%の範囲で添加するのが望まし
い。添加量がこれ以下であると充分な効果が得られない
ことがあり、添加量がこれ以上であると異風味が強くな
りすぎて節本来の風味を損ねる可能性がある。
【0008】節含有製品の製造工程中含硫化合物を添加
する時期は特に限定されるものではないが、焙乾後の原
料節または原料節を粉砕または切削したものに添加する
か、あるいは原料節加工製品製造時に他の原料とともに
含硫化合物を混合、添加することによって目的の効果を
得る事ができる。また、含硫化合物を添加した後に必要
に応じて原料節、その加工製品に乾燥、焙乾などの操作
を加えることができることは言うまでもない。すなわち
原料節を加工、配合して最終製品となる過程のいずれか
の時点において添加した含硫化合物が節と共存する状態
で最終製品中に存在することにより目的の効果を得る事
ができる。
【0009】本発明における含硫化合物の添加方法は特
に限定されるものではないが、より高い効果を得るため
には含硫化合物ができるだけ均一に節に行き渡るように
添加するのが好ましく、そのためには含硫化合物あるい
はその溶液を原料節又はその加工製品に添加後よく混合
する必要がある。また、削り節や節粉には含硫化合物の
溶液を噴霧する、あるいはこれらを含硫化合物の溶液に
浸漬するなどの方法を用いることができる。一方、原料
節をそのまま含硫化合物の溶液に浸漬した後に加工する
方法を取る事もできる。さらにこれらの方法を複数組み
合わせてもよいことは言うまでもない。
【0010】本発明において利用の対象となる節の種類
としては、鰹、宗田鰹、鯖、鰺、鰯、鮪等が挙げられ、
これら通常風味原料として利用される魚節についてはい
ずれも好ましい効果を得る事ができる。
【0011】以上のごとく本発明の方法によって製造さ
れた原料節又は原料節加工製品は製造工程において添加
された含硫化合物によって節の風味が強化される。ま
た、含まれる含硫化合物によって製造後の風味の劣化も
抑制されるため、良好な風味でかつあらゆる形態の節含
有製品を容易に製造することが可能である。
【0012】次に比較例及び実施例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなん
ら限定されるものではない。
【0013】比較例1 常法に従って製造された鰹荒本節を市販の鰹節削り器を
用いて切削して削り節とした。得られた削り節の水分は
15%であった。
【0014】比較例2 鰹荒本節20重量部、食塩30重量部、乳糖30重量部
とグルタミン酸ナトリウム20重量部を粉砕、混合した
ものに加湿し、混練、押出し造粒、熱風乾燥の各工程を
経て、鰹節風味調味料顆粒を得た。
【0015】製造例1 比較例1のものと同様に製造された鰹荒本節を市販の鰹
節削り器を用いて切削して削り節とした。得られた削り
節にL−システイン塩酸塩一水和物の10%水溶液を節
に重量あたり10%噴霧添加し、よく混合した後60℃
で20分間静置加熱乾燥し水分15%の削り節を得た。
【0016】製造例2 L−システイン塩酸塩一水和物0.1重量部、鰹荒本節
20重量部、食塩30重量部、乳糖30重量部とグルタ
ミン酸ナトリウム20重量部を粉砕、混合したものに加
湿し、混練、押出し造粒、熱風乾燥の各工程を経て、鰹
節風味調味料顆粒を得た。
【0017】実施例1 沸騰水に1%重量の比較例1の削り節を加え、1分間放
置後瀘布で残渣を濾過し、1%のだし汁を得た。同様に
製造例1の削り節を用いて0.3%,0.5%,1.0
%のだし汁を調製した。比較例1の節の1%のだし汁を
コントロールとして製造例1の節の各濃度のだし汁の風
味強度を評価した結果、0.5%のものが最もコントロ
ールの強度に近かった。このことから製造例1の削り節
は重量あたり比較例1の節の削り節のおよそ2倍の風味
強度を有することが分かる。
【0018】実施例2 比較例2および製造例2の風味調味料を熱水に1%重量
加えてよく攪拌したのち両サンプル溶液の風味を比較し
た。その結果、製造例2の溶液の方が比較例2の溶液に
くらべ明らかに鰹節の風味が強かった。
【0019】実施例3 比較例1および製造例1で得た削り節各100gを1リ
ットル容のガラス瓶に入れ室温で1週間保存後両サンプ
ルのヘッドスペースの香りを評価した。その結果、比較
例1のサンプルでは削りたての節の香りが消失し、強い
油焼け臭を感じたのに対し、製造例1のサンプルは削り
たての節の香りが残っており、油焼け臭の発現は認めら
れなかった。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、添加した含硫化合物に
よって節の風味が強化されるとともに含まれる含硫化合
物によって風味の劣化が抑制されるため、良好な風味を
有しかつ風味劣化が抑制された節含有製品を得る事がで
きる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A23B 4/044 (72)発明者 林崎 靖子 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社食品総合研究所内 (72)発明者 市川 恒子 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社食品総合研究所内 (72)発明者 石黒 恭佑 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社食品総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料節又は原料節加工品に含硫化合物を添
    加することを特徴とする節含有製品の製造方法。
  2. 【請求項2】節含有製品を製造する工程において製品に
    含硫化合物を添加することを特徴とする節含有製品の製
    造方法。
  3. 【請求項3】原料節又は原料節加工品に含硫化合物を添
    加した後に焙乾することを特徴とする節含有製品の製造
    方法。
  4. 【請求項4】節含有製品を製造する工程において製品に
    含硫化合物を添加した後に焙乾することを特徴とする節
    含有製品の製造方法。
  5. 【請求項5】含硫化合物がシステイン、シスチン、メチ
    オニン、タウリン、グルタミルシステイン、グルタチオ
    ン、チアミン又はそれらの塩の中から選ばれる1つ又は
    複数の混合物、又はそれらの化合物を含有する素材であ
    ることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれ
    かに記載あれた節含有製品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08308535A (ja) * 1995-05-12 1996-11-26 Q P Corp 卵白組成物及びそれを利用した加工食品
WO2005032279A1 (ja) * 2003-10-03 2005-04-14 Ajinomoto Co., Inc. 食肉用改良剤ならびに該食肉用改良剤を用いる食肉加工食品の製造法

Cited By (4)

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JP4544160B2 (ja) * 2003-10-03 2010-09-15 味の素株式会社 食肉用改良剤ならびに該食肉用改良剤を用いる食肉加工食品の製造法

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