JP6517470B2 - 液状魚節抽出物含有調味料、固体状魚節抽出物含有調味料、液状風味増強剤、並びに、固体状風味増強剤 - Google Patents

液状魚節抽出物含有調味料、固体状魚節抽出物含有調味料、液状風味増強剤、並びに、固体状風味増強剤 Download PDF

Info

Publication number
JP6517470B2
JP6517470B2 JP2014058077A JP2014058077A JP6517470B2 JP 6517470 B2 JP6517470 B2 JP 6517470B2 JP 2014058077 A JP2014058077 A JP 2014058077A JP 2014058077 A JP2014058077 A JP 2014058077A JP 6517470 B2 JP6517470 B2 JP 6517470B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
extract
seasoning
liquid
fish
flavor enhancer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014058077A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015181355A (ja
Inventor
伊藤 功一
功一 伊藤
康太郎 岩見
康太郎 岩見
大介 細川
大介 細川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takara Shuzo Co Ltd
Original Assignee
Takara Shuzo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takara Shuzo Co Ltd filed Critical Takara Shuzo Co Ltd
Priority to JP2014058077A priority Critical patent/JP6517470B2/ja
Publication of JP2015181355A publication Critical patent/JP2015181355A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6517470B2 publication Critical patent/JP6517470B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Seasonings (AREA)

Description

本発明は、液状魚節抽出物含有調味料、固体状魚節抽出物含有調味料、液状風味増強剤、並びに、固体状風味増強剤に関する。本発明の魚節抽出物含有調味料及び風味増強剤は、肉質感が特に強いものである。
従来より、鰹節等の魚節の風味については、焙乾によって付与される燻臭が重視されてきた。一方、近年は燻臭に加えて「肉質感」と呼ばれる風味も重視されている。
肉質香が強い魚節や魚節含有製品を得るために、種々の検討が行われている。例えば特許文献1,2には、魚節の肉質香を強化する方法として、システイン等の含硫化合物を魚節又は節含有製品の製造工程において添加する方法が記載されている。特許文献3には、酵母エキスと、糖類及び/又は核酸関連物質とを用いて、良好なローストミート様の風味を有する調味料の製造方法について記載されている。そして、香気成分として複数のチアゾール類が挙げられている。特許文献4には、肉質香の高い魚節について記載されており、肉質香の成分としてフラネオールとメチオナールが挙げられている。特許文献5には、シスチンと特定の還元糖を用いた節風味原料の製造方法が記載されている。そして実施例において、鰹節にとって好ましい肉質風味が強化された節風味原料入りだし汁が得られている。
特許第3246064号公報 特許第3246065号公報 特許第5146321号公報 特開2011−217632号公報 特開2012−170447号公報
しかし、魚節の肉質感は削り工程で消失しやすい。また、花かつおは窒素充填等で肉質感を保っているが、開封後急速に弱くなる。そこで本発明は、削りたての花かつおのような肉質感がより強化された魚節抽出物含有調味料と、魚節抽出物含有調味料等の調味料に削りたての花かつおのような肉質感を付与できる風味増強剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、鰹節調味液に代表される魚節抽出物含有調味料に削りたての花かつおのような肉質感を付与できる成分を探索すべく、検討を重ねた。その結果、2−メチル−3−フランチオール(以下、「2M3FT」と略記することがある)を魚節抽出物含有調味料に添加することにより、削りたての花かつおのような肉質感を付与できることを見出した。さらに本発明者らは、2M3FTが魚節抽出物含有調味料以外の調味料に対しても、鶏肉や牛肉などを加熱調理した際に生成する風味を主体とする調理感を付与できることを見出した。
上記した知見に基づいて提供される請求項1に記載の発明は、液状魚節抽出物含有調味料であって、前記魚節が鰹節であり、2−メチル−3−フランチオールをppb〜50ppb含有することを特徴とする液状魚節抽出物含有調味料である。
本発明は液状魚節抽出物含有調味料に関するものである。本発明の液状魚節抽出物含有調味料は、特定濃度範囲の2−メチル−3−フランチオールを含有している。そのため、削りたての花かつおのような肉質感が特に強く、魚節特有の燻臭に負けない肉質感を有する。
魚節抽出物含有調味料には、少なくとも、魚節のだし汁を含む調味料が含まれる。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の液状魚節抽出物含有調味料を濃縮させてなる液状魚節抽出物含有調味料である。
本発明は濃縮された液状魚節抽出物含有調味料に関するものである。本発明の液状魚節抽出物含有調味料を水等で希釈することにより、削りたての花かつおのような肉質感が特に強く、魚節特有の燻臭に負けない肉質感を有する調味料を得ることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の液状魚節抽出物含有調味料を乾燥させてなる固体状魚節抽出物含有調味料である。
本発明は固体状の魚節抽出物含有調味料に関するものであり、上記構成の液状魚節抽出物含有調味料を乾燥させてなるものである。本発明の固体状魚節抽出物含有調味料も、削りたての花かつおのような肉質感が特に強く、魚節特有の燻臭に負けない肉質感を有する。
請求項に記載の発明は、鰹節の抽出物を含む調味料に添加して使用される風味増強剤であって、有効成分として2−メチル−3−フランチオールを1000ppb〜4000ppb含有することを特徴とする液状風味増強剤である。
本発明は、鰹節の抽出物を含む調味料に添加して使用される液状の風味増強剤に係るものである。本発明の液状風味増強剤は、有効成分として特定濃度範囲の2−メチル−3−フランチオールを含有する。そのため、本発明の液状風味増強剤を、鰹節の抽出物を含む調味料に添加することにより、削りたての花かつおのような肉質感や調理感が強調された調味料を得ることができる。
請求項に記載の発明は、鰹節の抽出物を含む調味料に添加して使用される風味増強剤であって、請求項4に記載の液状風味増強剤を乾燥させてなる固体状風味増強剤である。
本発明は、鰹節の抽出物を含む調味料に添加して使用される固体状の風味増強剤に係るものであり、上記構成の液状風味増強剤を乾燥させてなるものである。本発明の固体状風味増強剤を、鰹節の抽出物を含む調味料に添加することにより、削りたての花かつおのような肉質感や調理感が強調された調味料を得ることができる。
本発明の液状魚節抽出物含有調味料と固体状魚節抽出物含有調味料は、削りたての花かつおのような肉質感が特に強く、魚節特有の燻臭に負けない肉質感を有する。
本発明の液状風味増強剤と固体状風味増強剤によれば、魚節抽出物含有調味料等の調味料の肉質感や調理感を高めることができる。
GC/MS分析の結果を表すクロマトグラムである。
本発明の液状風味増強剤は、調味料に添加して使用される風味増強剤であって、有効成分として特定濃度範囲の2−メチル−3−フランチオール(2M3FT)を含有するものである。
本発明の液状風味増強剤における2M3FT含量は、120ppb〜10000ppbであり、好ましくは200ppb〜4000ppb、より好ましくは1000ppb〜4000ppbである。2M3FT含量をこれらの範囲とすることにより、調味料に対して少量の添加で削りたての花かつおのような肉質感や調理感を付与することができる。
本発明の液状風味増強剤の添加対象となる調味料としては特に限定はないが、好ましくは、魚節又は魚介類乾物の抽出物で構成される調味料に添加される。魚節又は魚介類乾物の例としては、鰹(かつお)、鯖(さば)、鮪(まぐろ)、鰯(いわし)、鯵(あじ)等からなる魚節や、煮干し、干しエビ、干し貝柱等の魚介類乾物が挙げられる。好ましくは、鰹節の抽出物を含む調味料が用いられる。
添加対象となる他の調味料としては、昆布等の海藻の抽出物(エキス)、シイタケ等のきのこの抽出物、鶏肉(チキン)、牛肉(ビーフ)等の畜肉の抽出物、玉ねぎ(オニオン)等の野菜の抽出物、などで構成される調味料が挙げられる。
本発明の液状風味増強剤の製造方法としては特に限定はなく、所定濃度範囲の2M3FTを含有する溶液を調製すれば、それが本発明の液状風味増強剤になり得る。好ましくは、システイン、シスチン、グルタチオン等の含硫化合物と、リボースとを反応させて2M3FTを生成させた反応液を、本発明の液状風味増強剤として採用する。例えば、D−リボース、L−シスチン、及び5’−イノシン酸ナトリウムを酸性下で加熱して反応させた反応液は、2M3FTを多く含み、本発明の液状風味増強剤として好ましく採用される。なお、5’−イノシン酸ナトリウムは骨格中にリボースを含む旨み成分であり、本発明の液状風味増強剤の製造原料として好ましく用いられる。
本発明の固体状風味増強剤は、上記構成の液状風味増強剤を乾燥させてなるものである。例えば、上記構成の液状風味増強剤を噴霧乾燥させることにより、粉末状又は粒状の固体状風味増強剤を得ることができる。固体状とすることにより、保存安定性のよい、高品質な固体状風味増強剤とすることができる。
本発明の液状魚節抽出物含有調味料は、特定濃度範囲の2−メチル−3−フランチオールを含有するものである。本発明の液状魚節抽出物含有調味料における2M3FT含量は、0.25ppb〜100ppbであり、好ましくは0.5ppb〜50ppb、より好ましくは1ppb〜50ppbである。2M3FT含量をこれらの範囲とすることにより、削りたての花かつおのような肉質感が強化された液状魚節抽出物含有調味料となる。
魚節抽出物含有調味料には、少なくとも、魚節のだし汁を含む調味料が含まれる。
本発明の液状魚節抽出物含有調味料は、例えば、上記構成の液状風味増強剤を、原料となる魚節抽出物含有調味料に添加することにより製造することができる。
上記構成の液状魚節抽出物含有調味料を濃縮することにより、水等で希釈して使用する、いわゆる濃縮タイプの液状魚節抽出物含有調味料を得ることができる。本発明は、このような濃縮タイプの液状魚節抽出物含有調味料も包含する。
本発明の固体状魚節抽出物含有調味料は、上記構成の液状魚節抽出物含有調味料を乾燥させてなるものである。例えば、上記構成の液状魚節抽出物含有調味料を噴霧乾燥させることにより、粉末状又は粒状の魚節抽出物含有調味料を得ることができる。固体状とすることにより、保存安定性のよい、高品質な固体状魚節抽出物含有調味料とすることができる。
本発明の魚節抽出物含有調味料における魚節としては特に限定はないが、好ましくは鰹節(かつお節)が用いられる。その他、鯖(さば)、鮪(まぐろ)、鰯(いわし)、鯵(あじ)等からなる魚節を用いることができる。
なお、2M3FTの測定は、例えばGC/MS分析によるSIM法によって行うことができる。
以下に、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)2−メチル−3−フランチオール(2M3FT)の有効濃度範囲の探索
水とアルコールで抽出した、燻臭が強化されたタイプの鰹節抽出液(宝酒造株式会社製)の60倍希釈液に、2−メチル−3−フランチオール(東京化成工業株式会社製)を最終濃度が250ppb〜0.1ppbとなるように添加した(表1参照。9段階)。また、市販の花かつお(ヤマキ株式会社製)の3%抽出液を調製した。ここで、3%抽出液とは、水1000mLに花かつお30gを加え、沸騰させた後、冷却して得たものである。該抽出液に2−メチル−3−フランチオール(東京化成工業株式会社製)を最終濃度が250ppb〜0.1ppbとなるように添加した(表2参照。9段階)。
各試料について5名のパネラー(A〜E)による官能試験を行った。評点は以下のとおりとした。
◎:肉質感が強まり好ましい(2点)
○:差異が分かる(1点)
×:差異なし、もしくは肉質感が強すぎて花かつおとして不適(0点)
結果を表1と表2に示す。表1は鰹節調味液に添加した場合、表2は花かつおの3%抽出液に添加した場合である。
Figure 0006517470
Figure 0006517470
表1に示すように、鰹節調味液に添加した場合、上限について100ppbが評点1であり、50ppbが評点6であった。また下限について、0.25ppbが評点3であり、0.5ppbが評点6であった。
表2に示すように、花かつお抽出液に添加した場合、上限について100ppbが評点1であり、50ppbが評点5であった。また下限について、1ppbが評点5であり、5ppbが評点8であった。
以上より、調味液中に2−メチル−3−フランチオールが0.25ppb〜100ppb程度、好ましくは0.5ppb〜50ppb程度、さらに好ましくは1ppb〜50ppb程度含まれていれば、良好な肉質感が得られることが分かった。
(2)液状風味増強剤の製造、及び従来品との2−メチル−3−フランチオール含量の比較
5’−イノシン酸二ナトリウム12.5gを水に溶解して混和し、酸でpHを3.2前後に調整し、全量360mLとした。この混和液にシスチン1.44gを添加し、加温しながら1時間、攪拌・溶解させた。溶解後、常温まで冷却し、液状風味増強剤を得た(実施例。以下、「本発明風味増強剤」と称する。)。製造は複数回行い、計5ロットの本発明風味増強剤を得た。
(比較例1)
特許文献4(特開2012−170447号公報)の実施例1に記載の方法に準じて、節風味原料溶液を調製した。すなわち、シスチン10g及びフラクトース10gに水40gを加え、攪拌しながら27%水酸化ナトリウム水溶液12gを徐々に加えて均一な溶液とした。溶解後のpHは10.3であった。この溶液を95℃で1時間加熱した後、マルトース10g及びヒスチジン10gを加え、再度95℃で1時間加熱した。加熱後の溶液(pH6.5程度)に35%塩酸を加えてpH4.0に調整した後、さらに95℃で0.5時間加熱し、節風味原料溶液を調製した。
(比較例2)
特許文献3(特許第5146321号公報)の実施例3記載の方法に準じて、調味液を調製した。すなわち、酵母エキス(興人社製、商品名:ハイチオンYH−15、グルタチオン15%含有)6.7gに、果糖0.2gとキシロース1.0gを混合し、水11.7gに溶解した。水酸化ナトリウム溶液でpHを7.5に調整し、95℃で3時間加熱した。加熱終了後、pHを4.5に調整し、95℃で2時間加熱した。加熱終了後、速やかに冷却し、調味液を得た。
得られた各液体について2M3FT濃度を測定し、シスチン1gあたりの質量(μg)を算出した。また、各液体の香りを官能評価した。さらに、各液体について10倍ずつ段階希釈し、香りを感じる限界の希釈率を調べた。結果を表3に示す。表3中の力価について、10のn乗希釈まで香りを感じた場合に「力価n」とした。
2M3FTの分析は、キャピラリーカラムDB−5(J&W社製)を接続したガスクロマトグラフG1530A(アジレント社製)に質量検出器5973(HEWLETT PACKARD社製)を連結したもので、常法通り行った。
Figure 0006517470
表3に示すように、香りについて、実施例の風味増強剤(本発明風味増強剤)は、各ロットともツナ缶様の肉質感を有する香りと評価された。一方、比較例1の溶液はカラメル様、比較例2の調味液は醤油様の香りと評価され、本発明風味増強剤の香りとは明らかに異なっていた。これにより、本発明風味増強剤の肉質感は、比較例1,2の肉質感とは異質のものであることが示された。
力価について、本発明風味増強剤では各ロットとも力価が5であり、10の5乗希釈まで香りを感じた。一方、比較例1では力価が4、比較例2では力価が3であり、本発明風味増強剤より力価が低かった。
2M3FT含量について、各ロットの本発明風味増強剤では1300ppb、2720ppb、3360ppb、3400ppb、3700ppbであり、1300ppb〜3700ppbの範囲であった。これらの値はいずれも比較例1(102.2ppb)、比較例2(検出されず)の値よりも高かった。
シスチン1gあたりの値で比較すると、本発明風味増強剤は32500〜92500μgの範囲であり、比較例1(94μg)の値よりも3桁大きかった。
このように、本発明風味増強剤は、従来技術では見いだされないような高い含量をもって2M3FTを含んでいた。
(3)調味液への添加
燻臭が強化されたタイプの鰹節調味液である「だししるべK−1」(宝酒造株式会社製)100gに、上記(2)で調製した本発明風味増強剤10gを添加して、肉質感が強化された鰹節抽出物含有調味料(以下、「本発明鰹節調味液」と称する。)を得た。得られた本発明鰹節調味液の20倍希釈液について、18名のパネラーを用いて官能試験を行った。その結果、18名全員が、本発明鰹節調味液の方が、無添加の鰹節調味液よりも肉質感が強いと回答した(有意水準0.1%)。これにより、燻臭に加えて肉質感が強化された鰹節調味液が得られた。
濃縮2倍タイプのめんつゆ(株式会社ミツカン製)50gに、上記(2)で調製した本発明風味増強剤0.04gを添加し、これを2倍希釈して、肉質感が強化されためんつゆを得た。該めんつゆについて、8名のパネラーを用いて官能試験を行った。その結果、8名全員が、本発明風味増強剤を添加しためんつゆの方が、無添加のめんつゆよりも肉質感が強いと回答した(有意水準1%)。これにより、肉質感が強化されためんつゆが得られた。
(4)素だしとの比較
上記(3)で用いた既存の鰹節調味液と、上記(3)で調製した本発明鰹節調味液とを、それぞれ20倍希釈し、どちらが花かつお素だし(自家抽出)に近いかを、6名のパネラーを用いた官能検査で調べた。その結果、6名全員が、本発明鰹節調味液の方が花かつお素だしに近いと回答した(有意水準5%)。
(5)畜肉エキスへの添加実験
上記(2)で調製した本発明風味増強剤10gを、チキンエキス(富士食品工業株式会社製)100gに添加した。得られたチキンエキスの50倍希釈液について、14名のパネラーを用いて官能試験を行った。その結果、14名全員が、本発明風味増強剤を添加したチキンエキスの方が、無添加のチキンエキスよりも肉質感が強いと回答した(有意水準0.1%)。これにより、肉質感が強化されたチキンエキスが得られた。この肉質感は、蒸し鶏のような好ましい香りを付与するというものであった。
上記(2)で調製した本発明風味増強剤15gを、ビーフエキス(富士食品工業株式会社製)100gに添加した。得られたビーフエキスの50倍希釈液について、14名のパネラーを用いて官能試験を行った。その結果、14名全員が、本発明風味増強剤を添加したビーフエキスの方が、無添加のビーフエキスよりも肉質感が強いと回答した(有意水準0.1%)。これにより、肉質感が強化されたビーフエキスが得られた。この肉質感は、ビーフエキスの不快臭を改善し、好ましい煮込み感を付与するというものであった。
上記(2)で調製した本発明風味増強剤30gを、ローストオニオンエキス(富士食品工業株式会社製)100gに添加した。得られたローストオニオンエキスの50倍希釈液について、14名のパネラーを用いて官能試験を行った。その結果、14名中9名が、本発明風味増強剤を添加したローストオニオンエキスの方が、無添加のローストオニオンエキスよりもロースト感が強いと回答した。これにより、ロースト感がより強化されたローストオニオンエキスが得られた。
(6)噴霧乾燥品の製造
既存の鰹節調味液1.61g、水1.45kg、本発明風味増強剤0.16kg、デキストリン(パインデックス#1、松谷化学工業社製)1.77kgを混和し、乾燥用原液を調製した。乾燥用原液をノズル式スプレードライヤーにて噴霧乾燥し、粉末状の鰹節調味料を得た。得られた鰹節調味料の2M3FT含量は、固形分20%換算で17.1ppbであった。なお、乾燥用原液の2M3FT含量(固形分20%換算)は34.7ppbであり、噴霧乾燥を行っても2M3FTの約50%が保持されていた。
(7)本発明風味増強剤のGC/MS分析
本発明風味増強剤をGC/MS分析に供した(図1)。その結果、2−メチル−3−フランチオールのピークが検出された(ピークA)。その他、3−メルカプト−2−ペンタノン(ピークB)、2−フルフリルチオール(ピークC)、フルフラールのピーク(ピークD)も検出された。

Claims (5)

  1. 液状魚節抽出物含有調味料であって、
    前記魚節が鰹節であり、
    2−メチル−3−フランチオールをppb〜50ppb含有することを特徴とする液状魚節抽出物含有調味料。
  2. 請求項1に記載の液状魚節抽出物含有調味料を濃縮させてなる液状魚節抽出物含有調味料。
  3. 請求項1に記載の液状魚節抽出物含有調味料を乾燥させてなる固体状魚節抽出物含有調味料。
  4. 鰹節の抽出物を含む調味料に添加して使用される風味増強剤であって、有効成分として2−メチル−3−フランチオールを1000ppb〜4000ppb含有することを特徴とする液状風味増強剤。
  5. 鰹節の抽出物を含む調味料に添加して使用される風味増強剤であって、請求項4に記載の液状風味増強剤を乾燥させてなる固体状風味増強剤。
JP2014058077A 2014-03-20 2014-03-20 液状魚節抽出物含有調味料、固体状魚節抽出物含有調味料、液状風味増強剤、並びに、固体状風味増強剤 Active JP6517470B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014058077A JP6517470B2 (ja) 2014-03-20 2014-03-20 液状魚節抽出物含有調味料、固体状魚節抽出物含有調味料、液状風味増強剤、並びに、固体状風味増強剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014058077A JP6517470B2 (ja) 2014-03-20 2014-03-20 液状魚節抽出物含有調味料、固体状魚節抽出物含有調味料、液状風味増強剤、並びに、固体状風味増強剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015181355A JP2015181355A (ja) 2015-10-22
JP6517470B2 true JP6517470B2 (ja) 2019-05-22

Family

ID=54348687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014058077A Active JP6517470B2 (ja) 2014-03-20 2014-03-20 液状魚節抽出物含有調味料、固体状魚節抽出物含有調味料、液状風味増強剤、並びに、固体状風味増強剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6517470B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1090557B1 (en) * 1999-09-30 2005-09-28 Quest International B.V. Savoury flavour comprising 2-methyl-furan -3-thiol and/or a derivative and methylenedithiol and/or a derivative
JP2014003953A (ja) * 2012-06-26 2014-01-16 Mitsukan Group Honsha:Kk 風味が強化された魚介系抽出物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015181355A (ja) 2015-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5954176B2 (ja) 香気・風味付与組成物
CN101547613B (zh) 调料的制造方法
TWI524853B (zh) Give the flavor of the raw material
JP2005013138A (ja) 香辛料フレーバーの製造方法
JP2005015684A (ja) 野菜フレーバーの製造方法
JP5815954B2 (ja) 豚骨及び鶏がら風味増強剤
JP2005160402A (ja) 甲殻類フレーバーの製造方法
US3615600A (en) Meat flavor composition containing succinic acid
JP2003079336A (ja) 風味原料素材、及びそれを含有する飲食品
JP2016174587A (ja) 調味料組成物
JP5236598B2 (ja) 容器詰しょうゆ含有液体調味料
JP6610662B2 (ja) 香料組成物
JP6812365B2 (ja) 魚介類の加熱調理風味を付与する風味改良剤
JP6517470B2 (ja) 液状魚節抽出物含有調味料、固体状魚節抽出物含有調味料、液状風味増強剤、並びに、固体状風味増強剤
JP2011083262A (ja) 塩味増強剤
BR112020023263A2 (pt) agente de melhoria de sabor de galinha, métodos para produzir um alimento com sabor de galinha e para melhorar sabor de galinha, e, composição de sabor.
JP6587813B2 (ja) 香辛料感向上剤
JP2006187254A (ja) 香味強化された魚節類
JP6822403B2 (ja) フレーバー組成物
JP2020130065A (ja) 風味増強剤
JP7471887B2 (ja) 風味増強剤及び風味増強方法
JP7363481B2 (ja) 風味組成物
JP2013138614A (ja) 肉質様の呈味付与組成物
JP6507466B2 (ja) 呈味改善剤
KR20240140107A (ko) 유기 화합물의 개선 또는 이와 관련된 개선

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170313

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180920

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190411

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190418

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6517470

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250