JP2013138614A - 肉質様の呈味付与組成物 - Google Patents
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- A23L27/20—Synthetic spices, flavouring agents or condiments
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Abstract
【課題】 汎用的に使用でき、強い肉質様の呈味を付与することのできる呈味付与組成物を提供すること。
【解決手段】 グルタミン酸ナトリウムを1重量部とした時、クレアチンが0.1重量部以上、5重量部以下、クレアチニンが0重量部以上、0.05重量部以下の配合割合になるように配合する呈味付与組成物
【選択図】なし
【解決手段】 グルタミン酸ナトリウムを1重量部とした時、クレアチンが0.1重量部以上、5重量部以下、クレアチニンが0重量部以上、0.05重量部以下の配合割合になるように配合する呈味付与組成物
【選択図】なし
Description
本発明は、食品に肉質様の呈味を付与する方法に関する。
肉質様の呈味はだしなどで重要であり、和、洋、中のどのような調理品にもなくてはならない要素である。しかし、肉質様の呈味は魚介や畜肉エキスなどで付与されることが多く、原料供給が不安定な昨今、これらのエキスを減らすまたは使用しなくとも肉質的な風味を付与できる素材や組成物の開発が待たれている。
肉質様の呈味を付与できる素材のひとつとして、筋肉中に含まれるクレアチン、クレアチニンという物質が知られており、肉質様の呈味(例えば、特許文献1参照)やだし風味の向上(例えば特許文献2参照)の付与効果について検討がなされている。
肉質様の呈味を付与できる素材のひとつとして、筋肉中に含まれるクレアチン、クレアチニンという物質が知られており、肉質様の呈味(例えば、特許文献1参照)やだし風味の向上(例えば特許文献2参照)の付与効果について検討がなされている。
例えば特許文献1には、クレアチンおよびまたはクレアチニンをグルタミン酸ナトリウムなどのアミノ酸系呈味物質や、核酸系物質、調味液などに少量添加して風味を引き立たせる方法の記載がある。その中の従来技術に、クレアチン類は主に魚類以上の高等動物の筋肉中に存在し、クレアチンは0.1〜0.6%、クレアチニンは0.01〜0.1%程度存在することの記載がある。また当該発明では、グルタミン酸ナトリウム(MSG)に対してクレアチン類を5%以上添加するとクレアチン類の苦味が感じられて旨くなくなることの記載もある。
しかしながら、この特許文献の数値範囲にクレアチン、クレアチニンを配合しても呈味の効果が弱いことが判明した。また当該発明ではクレアチンとクレアチニンではほぼ同様な結果を得たとの記載があることからわかるように、クレアチンとクレアチニンのお互いに与える影響については記載も示唆もない。
しかしながら、この特許文献の数値範囲にクレアチン、クレアチニンを配合しても呈味の効果が弱いことが判明した。また当該発明ではクレアチンとクレアチニンではほぼ同様な結果を得たとの記載があることからわかるように、クレアチンとクレアチニンのお互いに与える影響については記載も示唆もない。
また特許文献2には、ヒスチジン、グルタミン酸ナトリウム等、5‘−イノシン酸ナトリウム等、クレアチン、クレアチニン、乳酸等、カリウムイオン、ナトリウムイオン、塩酸イオン、リン酸イオンをそれぞれヒスチジンに対して特定配合量含むことを特徴とする食品に煮干ダシの呈味を付与する方法の記載がある。
しかしながら当該発明は各種様々な原料を必須としているため汎用性に向かないものである。しかも煮干ダシの呈味を付与する方法であるため、肉質様の呈味を付与するものでなく、肉質様の呈味と比べると苦い呈味である。
しかしながら当該発明は各種様々な原料を必須としているため汎用性に向かないものである。しかも煮干ダシの呈味を付与する方法であるため、肉質様の呈味を付与するものでなく、肉質様の呈味と比べると苦い呈味である。
以上のように従来の方法では、クレアチン、クレアチニンを配合する調味料などの組成物は存在したが、効果が弱い、または強い苦味がつくなどの課題があり肉質様の呈味を適切に付与するには至らなかった。
上記の背景下において、本発明の目的は、汎用的に使用でき、強い肉質様の呈味向上効果を持つことのできる食品組成物を提供することにある。
上記の背景下において、本発明の目的は、汎用的に使用でき、強い肉質様の呈味向上効果を持つことのできる食品組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明を完成した。本発明は以下の各発明を包含する。
(1) グルタミン酸ナトリウムを1重量部とした時、クレアチンが0.1重量部以上、5重量部以下、クレアチニンが0重量部以上、0.05重量部以下の配合割合であることを特徴とする呈味付与組成物
(2) グルタミン酸ナトリウムを1重量部とした時、クレアチンが0.2重量部以上、3重量部以下、クレアチニンが0.004重量部以上、0.015重量部以下の配合割合であることを特徴とする呈味付与組成物
(3) 塩化ナトリウムを含有することを特徴とする発明(1)又は発明(2)記載の呈味付与組成物
(4) ヒスチジン、イノシン酸、スクロースのいずれか1種以上を含有することを特徴とする発明(1)ないし発明(3)記載の呈味付与組成物
(5) 発明(1)ないし発明(4)記載の呈味付与組成物を、1ppb以上、1重量%以下含有する食品
(1) グルタミン酸ナトリウムを1重量部とした時、クレアチンが0.1重量部以上、5重量部以下、クレアチニンが0重量部以上、0.05重量部以下の配合割合であることを特徴とする呈味付与組成物
(2) グルタミン酸ナトリウムを1重量部とした時、クレアチンが0.2重量部以上、3重量部以下、クレアチニンが0.004重量部以上、0.015重量部以下の配合割合であることを特徴とする呈味付与組成物
(3) 塩化ナトリウムを含有することを特徴とする発明(1)又は発明(2)記載の呈味付与組成物
(4) ヒスチジン、イノシン酸、スクロースのいずれか1種以上を含有することを特徴とする発明(1)ないし発明(3)記載の呈味付与組成物
(5) 発明(1)ないし発明(4)記載の呈味付与組成物を、1ppb以上、1重量%以下含有する食品
なお本発明は、これらの各構成の任意の組み合わせや、本発明の表現を方法、装置などの間で置きかえたものも含む。
本発明によれば、食品に肉質様の呈味を付与する方法を提供することができる。
まず、本発明者は肉質様の呈味を強く付与できる素材の選定を行った。そして、鶏などの畜肉類、マグロなどの魚類、などの各種肉の種類、肉や皮などの各種部位別に官能評価を行い、メカジキの煮汁にその効果があることが今回新たにわかった。更に本発明者は、そのメカジキ煮汁において重要な肉質様の呈味付与成分の確認を進めた。詳しくはメカジキ煮汁の固相抽出物を調整し、官能評価を指標に高速液体クロマトグラフィーを用いて成分の確認を進めた。
本発明者は肉質様の呈味を官能指標としてHPLCなどのクロマトグラフィー的手法を用いて肉質様の呈味効果を示す物質を探索すべく、鋭意研究を重ねた結果、肉質様の呈味付与成分に関して、クレアチン、クレアチニンが関与していることがわかった。しかし、ヤッフェ法(アルカリピルビン酸法、AOAC OFFICIAL METHODS OF ANALYSIS(1995) MEAT AND MEAT PRODUCTS Chapter39,p.23)にて、クレアチン、クレアチニンの定量測定を実施し、定量結果を用いメカジキ煮汁をはじめ魚だし、畜肉だしの再現を水溶液やスープ、エキス上で実施したものの、その肉質様の呈味はある程度再現されるものの、元の畜肉だし汁からはほど遠いものであり、クレアチン、クレアチニンの量の再現のみでは満足のいく肉質様の呈味が再現されないことがわかった。
本発明者は肉質様の呈味を官能指標としてHPLCなどのクロマトグラフィー的手法を用いて肉質様の呈味効果を示す物質を探索すべく、鋭意研究を重ねた結果、肉質様の呈味付与成分に関して、クレアチン、クレアチニンが関与していることがわかった。しかし、ヤッフェ法(アルカリピルビン酸法、AOAC OFFICIAL METHODS OF ANALYSIS(1995) MEAT AND MEAT PRODUCTS Chapter39,p.23)にて、クレアチン、クレアチニンの定量測定を実施し、定量結果を用いメカジキ煮汁をはじめ魚だし、畜肉だしの再現を水溶液やスープ、エキス上で実施したものの、その肉質様の呈味はある程度再現されるものの、元の畜肉だし汁からはほど遠いものであり、クレアチン、クレアチニンの量の再現のみでは満足のいく肉質様の呈味が再現されないことがわかった。
そこで本発明者は更に鋭意研究を重ねた結果、クレアチン、クレアチニンの配合量を再現すると、弱い苦味しか感じないことを突き止め、更に検討を重ねた結果、クレアチン、クレアチニンを特定配合割合にするとともにグルタミン酸ナトリウムを配合することが重要であることがわかった。更に塩化ナトリウム、スクロース、IMPやヒスチジンなどの特定の共存成分も重要であることが判明した。これにより本課題の解決を図り、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明における呈味付与組成物はクレアチン、クレアチニンを含み、クレアチン、クレアチニンの割合がグルタミン酸ナトリウムを1重量部としたとき、クレアチンを0.1重量部以上、5重量部以下、クレアチニンを0重量部、又は0重量部より多く0.05重量部以下含む呈味付与組成物であることを特徴とする。
この濃度を外れるに従い、濃度が薄い場合は効果が弱くなり、濃度が濃い場合には苦味や収斂味が強くなるため好ましくない。更に、グルタミン酸ナトリウムを1重量部とした時、クレアチン0.2重量部以上、3重量部以下、クレアチニンを0.004重量部以上、0.015重量部以下含むときに、より力価が強く、肉質様の呈味が向上するため好ましい。本発明の呈味付与組成物はこれを飲食品に添加することによって、飲食物に肉質様の呈味を付与し、飲食物全体の肉質様の呈味を向上する効果がある。
この濃度を外れるに従い、濃度が薄い場合は効果が弱くなり、濃度が濃い場合には苦味や収斂味が強くなるため好ましくない。更に、グルタミン酸ナトリウムを1重量部とした時、クレアチン0.2重量部以上、3重量部以下、クレアチニンを0.004重量部以上、0.015重量部以下含むときに、より力価が強く、肉質様の呈味が向上するため好ましい。本発明の呈味付与組成物はこれを飲食品に添加することによって、飲食物に肉質様の呈味を付与し、飲食物全体の肉質様の呈味を向上する効果がある。
本発明で用いられる肉質様の呈味とは、具体的には「あつみ」、「ひろがり」で評価した。尚、本発明においては、「あつみ」と「ひろがり」が向上することにより、肉質の風味も向上することが確認された。本発明で用いられる「あつみ」とは、口腔内に入れてから4〜8秒後の呈味の力価を意味しており、「ひろがり」とは、口腔内に入れてから4〜8秒後の口腔内への呈味と風味のひろがり感を意味している。
本発明において、クレアチンとは1−メチルグアニジノ酢酸のことであり、アミノ酸の一種である。生体内では筋肉中に多く含まれ、クレアチンキナーゼの作用により4−ホスホクレアチン(クレアチンリン酸)へと代謝される。また、市販のクレアチンには1水和物、無水物や、クレアチンリン酸塩等のクレアチン塩が存在するが、いずれを用いても良い。特に入手のし易さから、1水和物、無水物が好ましい。
本発明において、クレアチニンとはクレアチンリン酸の代謝産物である。また、市販のクレアチニンには、無水物や、クレアチニン塩酸塩などの塩が存在するが、いずれを用いても良い。特に入手のし易さから、無水物が好ましい。
本発明において、喫食時の濃度とは、調理後の喫食時点での濃度を指す。本発明においては、喫食時の食品中に呈味付与組成物を1ppb以上1重量%以下となるように含むのが好ましい。呈味付与組成物が食品中にこれ以下だと添加効果が弱く、これ以上だと苦味や収斂味が強くなり好ましくない。
本発明において用いられる呈味付与組成物の原料は、飲食品に使用できるものであれば、合成品、抽出品、醗酵品、各種素材の加熱反応など様々な履歴のものを用いることができる。またこれら呈味付与組成物の原料を使用する際は、原料の呈味付与組成物への、直接添加や、水や溶媒等を用いて希釈してからの添加や、酵母エキスや畜肉エキスや魚介エキスやタンパク加水分解物などの形態での呈味付与組成物への混合等、利用形態に特に制限はない。
本発明の呈味付与組成物を食品に添加する際は乾燥粉末、ペースト、溶液などの形態が挙げられ使用形態に制限はない。また、食品ならびに調味料への添加時期は食品や調味料の製造前の原料としてだけでなく、製造中、完成後、喫食直前、喫食中などいつ添加しても肉質様の呈味付与効果を得ることができる。
また本発明において肉質様の呈味が付与される飲食品に特に限定はないが、魚介加工品および魚介エキス、畜肉加工品及び畜肉エキス、特にチキン加工品及びチキンエキスを用いた飲食物でより顕著な効果があり、具体的には、チキンコンソメスープ、ビーフコンソメスープ、カレー、ビーフシチュー、ホワイトシチュー、ステーキ、ハンバーグ、カツなどの洋風料理や、中華スープ、餃子、焼売、炒飯、から揚げなどの中華系の料理、澄まし汁、肉じゃがや筑前煮などの和風系の料理、ウスターソース、デミグラスソース、ケチャップ、各種タレ類などの各種調味料や魚介スープや鶏スープの素のような風味調味料、おにぎりやピラフなどの米飯類が肉質様の呈味付与の点で好ましい。
以下、本発明について実施例でさらに説明するが、本発明の技術範囲はこれら実施例によって制限されるものではない。また本実施例において官能評価は全て、十分に訓練された専門パネルを用いて実施した。
(実施例1 調味料溶液でのオミッションテストによる重要成分の確定)
<調味料溶液の調製>
まず、呈味成分として主要な分類(核酸系呈味物質、有機酸系呈味物質、糖系呈味物質、無機塩類呈味物質、アミノ酸系呈味物質)と考えられるものを下記表1のように1種類以上水に配合したものをコントロール調味料溶液とした。
<調味料溶液の調製>
まず、呈味成分として主要な分類(核酸系呈味物質、有機酸系呈味物質、糖系呈味物質、無機塩類呈味物質、アミノ酸系呈味物質)と考えられるものを下記表1のように1種類以上水に配合したものをコントロール調味料溶液とした。
表1を元に作製したコントロール調味料溶液にクレアチン71mg/100g、クレアチニン0.83mg/100gの濃度になるよう添加したものをコントロール調味料溶液(クレチアチン、クレアチニン添加品)とした。また、表1の11成分を各1成分ずつ除いたコントロールのオミッション調味溶液を11種類調整しそれぞれオミッション調味料溶液とした。さらにオミッション調味料溶液の11種類に対し、それぞれクレアチン71mg/100g、クレアチニン0.83mg/100gの濃度になるよう添加したものを、それぞれオミッション調味料溶液(クレアチン、クレアチニン添加品)とした。
コントロール調味料溶液とコントロール調味料溶液(クレアチン、クレアチニン添加品)の肉質様の呈味力価の差を1として、各種オミッション調味料溶液と各種オミッション調味料溶液(クレアチン、クレアチニン添加品)の肉質様の呈味力価の差を評価した。
具体的には、十分に訓練されたパネル3名にて、肉質様の呈味力価について「あつみ」と「ひろがり」で評価し、コントロール調味料溶液とコントロール調味料溶液(クレアチン、クレアチニン添加品)の肉質様の呈味力価の差の1に対し、各種オミッション調味料溶液と各種オミッション調味料溶液(クレアチン、クレアチニン添加品)の差が小さい、又はやや小さい、又は同等のものを×、差がやや大きいものを△、差が大きいものを○とした。官能評価結果を表2に示す。
コントロール調味料溶液とコントロール調味料溶液(クレアチン、クレアチニン添加品)の肉質様の呈味力価の差を1として、各種オミッション調味料溶液と各種オミッション調味料溶液(クレアチン、クレアチニン添加品)の肉質様の呈味力価の差を評価した。
具体的には、十分に訓練されたパネル3名にて、肉質様の呈味力価について「あつみ」と「ひろがり」で評価し、コントロール調味料溶液とコントロール調味料溶液(クレアチン、クレアチニン添加品)の肉質様の呈味力価の差の1に対し、各種オミッション調味料溶液と各種オミッション調味料溶液(クレアチン、クレアチニン添加品)の差が小さい、又はやや小さい、又は同等のものを×、差がやや大きいものを△、差が大きいものを○とした。官能評価結果を表2に示す。
表2の結果より、NaCl、MSG、スクロース、IMP、His、その中でも特にNaClとMSGの呈味力価の変化が激しいことから、NaCl、MSG、スクロース、IMP、His、その中でも特にNaClとMSGが、クレアチン、クレアチニンと共存することによりクレアチン、クレアチニンの効果を増強していることが確認された。
(実施例2 調味料溶液系でのクレアチン、クレアチニンの配合割合評価)
MSG存在下の調味料用液系でクレアチン、クレアチニンの最適な配合割合が存在するか確認するため、実施例1のコントロール調味料溶液にクレアチンが14.2、21.3、28.4、42.6、71、142、213、284、426、1420(mg/100g)、クレアチニンが0.83、1.25、1.66、2.50、4.15、8.3(mg/100g)となるように各々組み合わせて添加した。
クレアチン、クレアチニン未添加のものをコントロール品とし、肉質様の呈味、具体的には「あつみ」、「ひろがり」について、コントロール品を2点とし、1点刻みで、10点満点で評価した。評価は訓練されたパネル6名にて行い、6名の平均を官能評価結果とした。また官能評価結果はMSG、クレアチン、クレアチニンの単なる量だけでなく、配合バランスを見る為に、MSGを1重量部としたときのクレアチン含量、クレアチニン含量で表した。
「あつみ」についての官能評価結果を表3に、「ひろがり」についての官能評価結果を表4に、肉質様の呈味についての総合評価結果を表5に示す。総合評価結果は、◎:「あつみ」「ひろがり」が共に7点以上のものを◎、共に6点以上7点より低いものを○、片方が6点以上で片方が6点より低いものを△、共に6点より低いものを×とした。また官能評価を行う際にフリーコメントも採取した。
MSG存在下の調味料用液系でクレアチン、クレアチニンの最適な配合割合が存在するか確認するため、実施例1のコントロール調味料溶液にクレアチンが14.2、21.3、28.4、42.6、71、142、213、284、426、1420(mg/100g)、クレアチニンが0.83、1.25、1.66、2.50、4.15、8.3(mg/100g)となるように各々組み合わせて添加した。
クレアチン、クレアチニン未添加のものをコントロール品とし、肉質様の呈味、具体的には「あつみ」、「ひろがり」について、コントロール品を2点とし、1点刻みで、10点満点で評価した。評価は訓練されたパネル6名にて行い、6名の平均を官能評価結果とした。また官能評価結果はMSG、クレアチン、クレアチニンの単なる量だけでなく、配合バランスを見る為に、MSGを1重量部としたときのクレアチン含量、クレアチニン含量で表した。
「あつみ」についての官能評価結果を表3に、「ひろがり」についての官能評価結果を表4に、肉質様の呈味についての総合評価結果を表5に示す。総合評価結果は、◎:「あつみ」「ひろがり」が共に7点以上のものを◎、共に6点以上7点より低いものを○、片方が6点以上で片方が6点より低いものを△、共に6点より低いものを×とした。また官能評価を行う際にフリーコメントも採取した。
その結果、好ましい範囲はMSGを1重量部とした時、クレアチン0.1重量部以上、5重量部以下、クレアチニン0重量部以上、0.05重量部以下重量部の範囲であり、特に好ましい範囲はMSGを1重量部とした時クレアチン0.2重量部以上、3重量部以下、クレアチニン0.004重量部以上、0.015重量部以下であった。なお、MSGを1重量部とした時に、クレアチン0.14重量部、0.35重量部、1.05重量部、2.11重量部でクレアチニンが0重量部の時は、「あつみ」「ひろがり」についての官能評価結果の点数は高い結果となったが、フリーコメントから肉質様の呈味以外の苦味を感じる為、その点でやや好ましくないという結果であった。
(実施例3 塩化ナトリウムの存在による肉質様の呈味増強効果の確認)
グルタミン酸ナトリウム(MSG)0.2%溶液をサンプルAとし、サンプルAに対しクレアチンを213(mg/100g)(MSG1に対し1.1)、クレアチニンを0.83(mg/100g)(MSG1に対し0.0041)となるよう添加したものをサンプルB、サンプルAに対し塩化ナトリウム(NaCl)を0.22%となるよう添加したものをサンプルC、サンプルCに対しクレアチンを213(mg/100g)、クレアチニンを0.83(mg/100g)添加したものをサンプルDとし官能評価を行った。官能評価は、肉質様の呈味、具体的には「あつみ」、「ひろがり」について、サンプルA、サンプルCを2点のコントロール品とし、サンプルAに対してサンプルBについて、サンプルCに対してサンプルDについて1点刻みで、10点満点で評価した。評価は訓練されたパネル5名にて行い、5名の平均を官能評価結果とした。サンプルA〜Dの配合概要と官能評価結果を表6に示す。
グルタミン酸ナトリウム(MSG)0.2%溶液をサンプルAとし、サンプルAに対しクレアチンを213(mg/100g)(MSG1に対し1.1)、クレアチニンを0.83(mg/100g)(MSG1に対し0.0041)となるよう添加したものをサンプルB、サンプルAに対し塩化ナトリウム(NaCl)を0.22%となるよう添加したものをサンプルC、サンプルCに対しクレアチンを213(mg/100g)、クレアチニンを0.83(mg/100g)添加したものをサンプルDとし官能評価を行った。官能評価は、肉質様の呈味、具体的には「あつみ」、「ひろがり」について、サンプルA、サンプルCを2点のコントロール品とし、サンプルAに対してサンプルBについて、サンプルCに対してサンプルDについて1点刻みで、10点満点で評価した。評価は訓練されたパネル5名にて行い、5名の平均を官能評価結果とした。サンプルA〜Dの配合概要と官能評価結果を表6に示す。
表6の結果より、MSGとクレアチン、クレアチニンが並存するサンプル溶液では全て5点以上となり、更に塩化ナトリウムが存在することで肉質様の呈味(「あつみ」「ひろがり」)がより増強されることが判明した。一方、クレアチンとクレアチニンが存在しないサンプルA,CではMSGとNaClの有無に関わらず肉質様の呈味はしない結果であることも確認された。
(実施例4 畜肉系風味調味料へのクレアチン、クレアチニンの添加効果の確認)
MSG含量が11.7%である畜肉系風味調味料(鶏風味)の1%溶液をコントロール風味調味料溶液として、コントロール風味調味料溶液に対し、クレアチンを102(mg/100g)(MSG1に対し0.87)、クレアチニンを1.2(mg/100g)(MSG1に対し0.01)添加したものを本発明風味調味料溶液として、官能評価の比較を行った。
官能評価は、肉質様の呈味、具体的には「あつみ」、「ひろがり」について、コントロール風味調味料溶液を2点とし、1点刻みで、10点満点で評価した。評価は訓練されたパネル6名にて行い、6名の平均を官能評価結果とした。また、肉質様の呈味の好ましさについても評価を行った。(非常に好ましい:◎、好ましい;○、好ましくない;×)。官能評価結果を表7に示す。
MSG含量が11.7%である畜肉系風味調味料(鶏風味)の1%溶液をコントロール風味調味料溶液として、コントロール風味調味料溶液に対し、クレアチンを102(mg/100g)(MSG1に対し0.87)、クレアチニンを1.2(mg/100g)(MSG1に対し0.01)添加したものを本発明風味調味料溶液として、官能評価の比較を行った。
官能評価は、肉質様の呈味、具体的には「あつみ」、「ひろがり」について、コントロール風味調味料溶液を2点とし、1点刻みで、10点満点で評価した。評価は訓練されたパネル6名にて行い、6名の平均を官能評価結果とした。また、肉質様の呈味の好ましさについても評価を行った。(非常に好ましい:◎、好ましい;○、好ましくない;×)。官能評価結果を表7に示す。
表7の結果より、畜肉系風味調味料へクレアチン、クレアチニンを添加すると「あつみ」「ひろがり」などの肉質様の呈味が増強されることが判明した。また後味がのび、非常に好ましくなることが判明した。よって、畜肉系風味調味料においても「あつみ」、「ひろがり」の呈味改善効果があることが確認できた。
本発明は、汎用的に使用でき、強い肉質様の呈味を付与する方法に関する。
Claims (5)
- グルタミン酸ナトリウムを1重量部とした時、クレアチンが0.1重量部以上、5重量部以下、クレアチニンが0重量部以上、0.05重量部以下の配合割合であることを特徴とする呈味付与組成物
- グルタミン酸ナトリウムを1重量部とした時、クレアチンが0.2重量部以上、3重量部以下、クレアチニンが0.004重量部以上、0.015重量部以下の配合割合であることを特徴とする呈味付与組成物
- 塩化ナトリウムを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の呈味付与組成物
- ヒスチジン、イノシン酸、スクロースのいずれか1種以上を含有することを特徴とする請求項1ないし3記載の呈味付与組成物
- 請求項1ないし4記載の呈味付与組成物を、1ppb以上、1重量%以下含有する食品
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