JP2016174587A - 調味料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱調味料を添加された飲食品の加熱調理時の蒸れ臭又は焦げ臭は低減し、良好な調理香が発生させ、又、加熱時の着色を抑制する調味料組成物の提供。【解決手段】0.1〜50重量%のプロリンをプロリン含有酵母エキスとして、グルタチオンをグルタチン含有酵母エキスとして、さらに5’−リボヌクレオチドを含む組成物を、調理香又はミートフレーバーが発現する前まで加熱する、工程を含む製造方法によって製造される調味料組成物および調味料組成物を添加された飲食品。【選択図】なし

Description

本発明は、加熱反応調味料組成物に関する。
加熱調理における調理香に関する技術
アミノカルボニル反応はメイラード反応とも呼ばれており、アミノ基とカルボニル基との反応が出発点となり、炭素−窒素二重結合を有するいわゆるシッフ塩基と呼ばれる化合物を生成し、さらに近接して糖類のヒドロキシル基があるとアマドリ転位反応を経て脱水反応など各種の反応を行い、多彩な生成物が生成される反応である。食品を加熱すると生の状態とはまったく異なった香気が生成する。これは加熱によって食品中の成分が低分子化合物に分解されて反応が連鎖し香気が生成することによるが、主には、糖とアミノ酸の加熱反応で起こるアミノカルボニル反応であり、食品加熱による香りの生成に重要な役割を果たしている。アミノカルボニル反応は、反応生成物は使用するカルボキシル基、例えば、糖(炭水化物)、アミノ基、例えば、アミノ酸(たんぱく質、ペプチドを含む)の種類により、また反応温度・時間、水分含量、pHなどにより大きく異なり、その結果として香気も大きく異なる(非特許文献1)。
料理や調理の加熱工程により発生する調理香の再現や長時間煮込んだようなコク味を再現する目的で、メイラード反応を利用した調理香に関する技術利用したミートフレーバーに関する技術が、複数報告されている。例えば、非特許文献1は、大豆たんぱく加水分解物とキシロースを95℃、3.5時間反応させた反応物がコンソメスープに「コク」を付与する技術を記載している。さらに、ミートフレーバーの開発に際し、常圧加熱と加圧加熱を比較し、加熱方式の相違により香気成分が有意に異なることも記載されている
また、生合成された産物が糖と結合して配糖体となったり、アミノ酸と結合して植物体中に蓄積されたりする。それらが何らかの変化(食品の場合は主に植物体の磨砕による細胞の破壊が多い)によって加水分解酵素やリアーゼ(脱水酵素、脱離酵素)の働きで香気成分が遊離するという香気形成機構での一歩手前の状態を、プレカーサ−(前駆体)という。一般に有効成分は低分子であるが難水溶性なので、これを上記のように糖やアミノ酸と結合して蓄えておけば、(1)水溶性となり、植物体中の移動が容易となる、(2)不揮発性で安定化される、などの利点がある。上述したプレカーサーとしての機能をフレーバーに利用した「プレカーサーフレーバー」というカテゴリーがある。食品素材を加工する過程における酵素の関与によって起こる香気生成のほかに、加熱調理中の食品成分間反応によって非酵素的に起こる香気生成を利用しているものがある。加熱工程を利用したプレカーサーフレーバーの一態様に、(1)メイラード反応、(2)脂肪酸や油脂、あるいは(3)その他を利用したものがある(非特許文献2)。
さらに、調理香に関し以下の技術も知られている。
−グルタチオン、システイン、またはグルタミルシステインなどの含硫化合物と糖とを反応させ、良好なローストミートフレバーを得る技術(特許文献1);
−酵母エキスと糖を加熱し、カラメル様のローストフレーバーを得る技術(特許文献2);
−5’−ヌクレオチド含有酵母エキス、グルタチオン含有酵母エキス、単糖類、デキストリン及び食塩を含有した水溶液を加熱するミートフレーバー様香気の発現とメイラード反応に伴う酸味の発生を抑制する技術(特許文献3);
−特定の濃度以上のフルフリルアルコール及びフラネオールを含有する酵母エキス、並びに還元糖を含む混合物を加熱処理して得られた酵母エキス加熱反応物を用いて、飲食品に旨味、味の厚み、複雑さを効率良く付与する技術(特許文献4)。
しかしながら、これらの加熱調味料を用いる場合、加熱により調理香又はミートフレーバーは発現する際に、好ましくない蒸れ臭又は焦げ臭を生じる場合がある。良好な調味香又はミートフレーバーは発現するが、蒸れ臭又は焦げ臭は低減させる、加熱調味料の開発が望まれていた。
プロリン
プロリンは、アミノ基を持たない唯一のアミノ酸であり、糖とプロリンによるメイラード反応によりフラノン類やピリジン類、ピロリン類等の香気成分を生成し、たんぱく質の焦げた匂いやパンの香ばしい匂いを生成するとの報告がある(非特許文献3)。一般にプロリンと糖によるメイラード反応では、ロースト臭や焦げ臭が発生することが知られている。しかしながら、蒸れ臭や焦げ臭の抑制効果は知られていない。
また、プロリンは高品質の甘味をもつことから、天然調味料の開発が広く行われている中、その独特の呈味を利用したプロリン含量が高い酵母エキスの開発が行われてきた(特許文献5)。
特開平4−66069号 特開平9−56359号 特開2003−169627号 国際公開 WO2013/140901 特許第5363120号
特許庁HP 標準技術集 18年度 香料 2−1−12 メイラード反応 http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/kouryou/2-1-12.pdf#1 特許庁HP 標準技術集 18年度 香料 1−3−2−7 機能(プレカーサー) http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/kouryou/1-3-2.pdf#7 J.Agric.food Chem、2003、51、3643−3650
本発明者らは、加熱調味料を添加された飲食品の加熱調理時の蒸れ臭又は焦げ臭は低減する、という問題解決のため鋭意検討し、プロリンが添加されたことを特徴とする加熱反応型調味料組成物を添加した食品を再加熱した際、蒸れ臭、焦げ臭を抑制しつつ、良好な調理香が発生することを見出し、本発明を想到した。プロリンを含む加熱反応型調味料組成物は、飲食品の着色を抑制する効果も有することを見出した。
限定されるわけではないが、本発明は以下の態様を含む。
[態様1]
プロリンを含む、加熱により調理香又はミートフレーバーは発現する際の、蒸れ臭又は焦げ臭を低減させる、並びに/あるいは、又は加熱時の着色を抑制する、ための調味料組成物。
[態様2]
0.1〜50重量%のプロリンを含む、態様1に記載の調味料組成物。
[態様3]
0.5〜1.2重量%のプロリンを含む、態様1又は2に記載の調味料組成物、
[態様4]
プロリンをプロリン含有酵母エキスとして含む、態様1−3のいずれか1項に記載の調味料組成物。
[態様5]
グルタチンをさらに含む、態様1−4のいずれか1項に記載の調味料組成物。
[態様6]
グルタチオンをグルタチン含有酵母エキスとして含む、態様5に記載の調味料組成物。
[態様7]
核酸をさらに含む、態様1−6のいずれか1項に記載の調味料組成物。
[態様8]
5’−リボヌクレオチドをさらに含む、態様1−6のいずれか1項に記載の調味料組成物。
[態様9]
プロリンを含む組成物を調理香又はミートフレーバーが発現する前まで加熱する、工程を含む製造方法によって製造される、態様1−8のいずれか1項に記載の調味料組成物。

[態様10]
態様1−9のいずれか1項に記載の調味料組成物を添加された飲食品。
[態様11]
最終濃度0.00012−0.25重量%のプロリンを含む、態様10に記載の飲食品。
[態様12]
最終濃度0.0003−0.006重量%のプロリンを含む、態様10に記載の飲食品。
[態様13]
態様1−9のいずれか1項に記載の調味料組成物を飲食品に添加し加熱する、ことを含む、飲食品の加熱時の蒸れ臭又は焦げ臭を低減させる、並びに/あるいは、又は加熱時の着色を抑制する、ための方法。
[態様14]
態様1−9のいずれか1項に記載の調味料組成物の、加熱により調理香又はミートフレーバーは発現する際の、飲食品の蒸れ臭又は焦げ臭を低減させる、並びに/あるいは、又は加熱時の着色を抑制するための使用。
本発明の加熱調味料は、加熱により良好な調味香又はミートフレーバーは発現するが、蒸れ臭又は焦げ臭は低減させる、という特徴を有するものである。
図1は、実施例6の本発明の調味料組成物による着色抑制効果を示す結果である。 図1は、実施例11の本発明の調味料組成物による着色抑制効果を示す結果である。
1.調味料組成物
本発明は、調味料組成物に関する、本発明の調味料組成物は、プロリンを含み、そして、加熱により調理香又はミートフレーバーは発現する際の、蒸れ臭又は焦げ臭を低減させる、並びに/あるいは、又は加熱時の着色を抑制する、という効果を奏するものである。
(1)プロリン
本発明におけるプロリンとは、イミノ基を持つ環状アミノ酸であり、その製造法は発酵法でも合成法でも良い。あるいは、和光純薬工業株式会社等より市販されているものを入手可能である。プロリンは化合物として飲食品に添加してもよく、あるいは、酵母エキスに含有する態様で添加されてもよい。
プロリンの添加量は特に限定されない。0.03重量%以下の添加量では十分な効果は得られず、50%以上では、蒸れ臭やこげ臭の抑制効果は、十分に発現するが、調理香やミートフレーバー自体の力価が弱くなる。例えば、実施例3の組成物3−2(0.1重量%)〜3−9(50重量%)で焦げ臭の低減が観察された。実施例3において、組成物3−4(0.5重量%)〜3−5(1.0重量%)が特に良好な結果が得られた。実施例7において、組成物7−2〜7−3(プロリン含量0.3−0.6重量%)で、(僅かに)ロースト感が低減し、組成物7−4〜7−5(プロリン含量1.2−1.5重量%)で焦げた風味が低減した。
本発明の調味料は、非限定的に、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは、0.5重量以上のプロリンを含む。また、非限定的に、好ましくは、50重量%以下、より好ましくは、1.2重量以上のプロリンを含む。本発明の調味料組成物は、非限定的に好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは、0.5〜1.2重量%のプロリンを含む。
プロリン含有酵母エキスをプロリンの一態様として用いてもよい。プロリンをプロリン含有酵母エキスとすることで当該メイラード反応型調味料組成物に複雑味とコク味を付与し、調理香やミートフレーバーも自然な香気となる。
本発明におけるプロリン含有酵母エキスとは、プロリンを含有する酵母エキスであれば、液体、ペースト、粉末、顆粒等の形状は問わず、酵母エキスの由来酵母の菌種や起源、エキスの抽出方法等の製法は問わない。一般に食経験の豊富なトルラ酵母、パン酵母、ビール酵母などが好ましい。より好ましくは、苦味などの雑味が少ないパン酵母の熱水抽出エキスである。
プロリン含有酵母エキスにおけるプロリンの含有量は特に限定されない。ただし、組成物中、そして、最終飲食品に含まれるプロリン量、プロリン含有酵母エキスの量を考慮すると、プロリンを5.0重量%以上含有する酵母エキスを使用することが望ましい。プロリン含有酵母エキスのプロリン含有量が5〜6%程度の酵母エキスであれば、当該メイラード反応型調味料組成物に1.5〜25.0重量%添加することが好ましく、10−20重量%添加することがより好ましい。1.5%未満の添加量では十分な効果が得られず、25.0%超える添加量では酵母エキスに含まれる他のアミノ酸がメイラード反応に影響し、蒸れ臭や焦げ臭の抑制効果が低下し、さらにミートフレーバー自体の風味も低下する。
市販のプロリン高含有酵母エキスとしては、例えば、ハイマックスPR(富士食品工業株式会社、プロリン6%)を使用することができる。また、その製造法については特許文献5に記載されている。
限定されるわけではないが、本発明の調味料組成物の製造方法は、プロリン(プロリン高含有酵母エキスの態様を含む)を含む組成物を調理香又はミートフレーバーが発現する前まで加熱する、工程を含んでもよい。調味料組成物から調理香やミートフレーバーが生成される前に反応を停止し、冷却することで、該調味料組成物を飲食品に添加した際の加工工程もしくは調理時の加熱により良好な調理香やミートフレーバーを発現し、かつ蒸れ臭、焦げ臭、着色の抑制された飲食品とすることができる。「調理香又はミートフレーバーが発現する前まで加熱する」とは、例えば、加熱温度を80〜140℃とし、加熱時間を5分−120分、好ましくは、10分−60分とする。
(2)本発明の調味料組成物の特徴
本発明の調味料組成物は、加熱により調理香又はミートフレーバーは発現する際の、蒸れ臭又は焦げ臭を低減させる、並びに/あるいは、又は加熱時の着色を抑制する、という特徴を有する。「蒸れ臭又は焦げ臭を低減させる」という効果と、「加熱時の着色を抑制する、という効果は、双方を有しても良いし、あるいはいずれか片方を有しても良い。
本発明はメイラード反応などを例とする糖分とアミノ酸存在下での加熱反応を利用するものである。本発明における「加熱により調理香又はミートフレーバーは発現する際の」の「加熱」とは、例えば非特許文献1に記載の通り、広くアミノカルボニル反応を生じる処理を意味する。加熱反応は、狭義の還元糖とアミノ化合物の反応により非酵素的に褐変物質を生成する反応のみに限定されるものではない。加熱反応の条件は、飲食品の材料、飲食する者の好み等に応じて適宜選択され、反応温度や反応時間およびpH等は特に限定されない。
調味料組成物に、例えば、適宜所望するメイラード反応香を発現させるために必要なアミノ酸を含むことにより、加熱により調味香又はミートフレーバーが発現する。特に限定するものではないが、ロースト感、炒め感、煮込み感、フライ感等の調味香やミートフレーバー、ローストビーフフレーバー、ボイルドミートフレーバー等のミートフレーバーを付与または、それら香気の前駆体を含む。あるいは、「調理香やミートフレーバー」は、本発明の調味料組成物が添加される飲食品の素材に応じて、加熱調理により素材より発現するものでもよい。
本発明の調味料組成物は、好ましくは、加熱により調理香又はミートフレーバーは発現する際の、蒸れ臭又は焦げ臭を低減させる。本発明における蒸れ臭とは、例えば、一般に殺菌目的で強加熱された、レトルト食品や缶詰・ビン詰め食品等で感じるレトルト臭と同様のものである。また、コンビニエンスストアー等のおでんのだしや、駅構内のそば、うどん店等のだしのように、高温で長時間加熱され、醤油の蒸れたような劣化臭にも近いものも含む。一方、焦げ臭とは食品が過加熱され焦げた時に感じるような過度に香ばしい風味を言う。蒸れ臭、焦げ臭は、それぞれの強度に違いはあるものの同時に感じることが多く、飲食品の風味を損なう(減ずる)好ましくないものである。
「蒸れ臭又は焦げ臭を低減させる」とは、例えば、訓練された10名以上の検査員が官能評価を行い、80%以上が、ネガティブコントロール(調味料組成物を添加しない場合)と比較して、蒸れ臭又は焦げ臭を低減した、と評価する場合をいう、「検査員」は、定期的な五原味訓練などを行っている官能評価のスペシャリストである。
あるいは、GC−MS等の装置を用いて、加熱により発生する蒸れ臭、焦げ臭の起源物質を測定することによっても、評価することが可能である。
好ましくは、本発明の調味料組成物は、加熱時の飲食品の着色を抑制する効果を有する。「着色」とは、アミノ酸と糖を加熱した、カラメル様の黒褐色の色調をいう。一般にメイラード反応型の調味料組成物は、調理や加工工程等でさらに加熱されると、メイラード反応の最終段階であるメラノイジンの生成まで反応が進み、飲食品の着色の原因となる。この着色度合いは、例えば、420nmの吸光度を測定することにより、定量する事ができる。後述の実施例において、本発明の調味料組成物は、蒸れ臭、焦げ臭を低減させるとともに、着色も抑制できることが見出された。
「着色を抑制する」とは、例えば、メイラード反応型の調味料組成物を加熱しても飲食品の色が実質的に変化しない、あるいは、加熱後の飲食品の波長420nmの吸光度(OD420)が、本発明の調味料組成物を添加しない場合と比較して統計処理により有意に差のない、ことを意味する。または、蒸れ臭、焦げ臭と同様に官能評価等により実質的に差がない、場合も含まれる。
例えば、糖類とグルタチオン含有酵母エキスと5’−リボヌクレオチド含有酵母エキスを添加したメイラード反応型調味料組成物は、良好なミートフレーバーを有する。その一方で食品に添加し殺菌目的や、調理目的で加熱した場合、蒸れ臭、焦げ臭を発生し、かつ添加していない食品と比較し、着色が見られる場合がある。本発明の該メイラード反応型調味料組成物は、食品に添加され、加熱工程を経ても、蒸れ臭、焦げ臭の発生、および着色を低減する。本発明の調味料組成物は、風味として好ましい、調理香やミートフレーバーの発現に関しては阻害傾向が観察されない。理論に縛られるわけではないが、香気成分発現以降の蒸れ臭、焦げ臭等を発生させている臭気物質、着色物質であるメラノイジンなどの生成までの反応経路に何らかの影響を及ぼしている可能性が示唆される。
(3)アミノ酸
本発明の調味料組成物は、さらにアミノ酸を含んでいてもよい。アミノ酸は、適宜所望するメイラード反応香を発現させるために必要なアミノ酸を使用できる。特に限定するものではないが、ロースト感、炒め感、煮込み感、フライ感等の調味香やミートフレーバー、ローストビーフフレーバー、ボイルドミートフレーバー等のミートフレーバーを付与または、それら香気の前駆体を含む。
特許文献1から3に示すように、アミノ酸源として特定の酵母エキスを用いた場合には適度なミートフレーバーが得られることが知られている。酵母エキスの中には、アミノ酸のみではなく、グルタチオンなどを含むペプチド、タンパク質、核酸(5’−リボヌクレオチドを含む)、ミネラルなどを含むために、より複雑な香りを産生することができる。特に特許文献1、3においてグルタチオン酵母エキスと5’−リボヌクレオチド含有酵母エキスを組み合わせて加熱反応させることによって、強いミートフレーバーが得られる事が見いだされていることから本発明においてはこれをもとに検討した。
本明細書中の実施例では、酵母エキスとして、イーストエキス21A 富士食品工業株式会社 パン酵母自己消化型酵母エキス(総窒素量7.8%)、スプリンガー4101 バイオスプリンガー社製(総グルタチオン含量8.2%)、あるいは、Yeastock GT−Pd アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製(総グルタチオン含有量8.2%)の酵母エキスを使用した。非限定的に、本発明の調味料組成物は、これらの酵母エキスを、25.0〜50.0重量%含んでもよい。
(4)グルタチオン
本発明の調味料組成物は、グルタチンをさらに含んでもよい。グルタチオンは化合物の態様であっても、グルタチン含有酵母エキスの態様であってもよい。グルタチオンは3つのアミノ酸から成るトリペプチドで、通常はあまり見られないシステインのアミノ基とグルタミン酸のカルボキシル基間のペプチド結合を有する還元物質である。公知の方法を用いて化学合成することも可能であり、あるいは、和光純薬工業株式会社等より市販されているものを入手可能である。
グルタチオン含有酵母エキスは、グルタチオンを含有する酵母エキスであれば良く特に限定されない。液体、ペースト、粉末、顆粒等の形状は問わず、酵母エキスの由来酵母の菌種や起源、エキスの抽出方法等の製法は問わず、一般に食経験の豊富なトルラ酵母、パン酵母、ビール酵母などが好ましい。グルタチオン含有酵母エキスの添加量は、良好なミートフレーバーを生成させる添加量であれば良く、目的香気が発生するよう適宜添加すればよい。
本明細書中の実施例では、グルタチオン含有酵母エキスとして、スプリンガー4101 バイオスプリンガー社製(総グルタチオン含量8.2%)、あるいは、Yeastock GT−Pd アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製(総グルタチオン含有量8.2%)の酵母エキスを使用した。非限定的に、本発明の調味料組成物は、これらの酵母エキスを、25.0〜50.0重量%含んでもよい。より好ましくは、40.0〜50.0重量%含んでもよい。
(5)核酸(リボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチド)
本発明の調味料組成物は、リボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチド等の核酸をさらに含んでもよい。
リボヌクレオチドは、ペントース成分としてD−リボースを含むヌクレオチドである。核酸の前駆体であると考えられている。ヌクレオチドは、DNAやRNAを構築する基礎的なブロックである。リボヌクレオチド自体は、RNAの構成単位となるが、リボヌクレオチドレダクターゼによって還元されたデオキシリボヌクレオチドは、DNAの構成単位となる。連続するヌクレオチドの間は、ホスホジエステル結合で連結される。生体で最も一般的なリボヌクレオチドの塩基は、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、ウラシル(U)である。窒素塩基は、プリンとピリミジンの2つの種類に大別される。
限定されるわけではないが、本発明の調味料組成物は、好ましくは、その物で呈味を有する5’−リボヌクレオチドを含む。
デオキシリボヌクレオチドは、デオキシリボ核酸(DNA)のモノマーである。それぞれのデオキシリボヌクレオチドは、窒素塩基、デオキシリボース糖、リン酸基の3つの部分から構成されている。窒素塩基は、常にデオキシリボースの1’炭素に結合している。リン酸基は、糖の5’炭素に結合している。
リボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドは、化合物として添加しても、あるいは、これらを含有する酵母エキスを添加してもよい。例えば、5’−リボヌクレオチド含有酵母エキスは、5’−リボヌクレオチドを高濃度含有する酵母エキスであれば良く、特に限定されるものではない。液体、ペースト、粉末、顆粒等の形状は問わず、酵母エキスの由来酵母の菌種や起源、エキスの抽出方法等の製法は問わないが、一般に食経験の豊富なトルラ酵母、パン酵母、ビール酵母などが好ましい。5’−リボヌクレオチド含有酵母エキスの添加量は、良好なミートフレーバーを生成させる添加量であれば良く、目的香気が発生するよう適宜添加すればよい。例えば、調味料組成物に、2,0〜4.0重量%の濃度で加えられる。5’−リボヌクレオチド含有酵母エキスとしては、例えば、バーテックスIG20(富士食品工業株式会社、5’−リボヌクレオチド含有量21%)、などが挙げられる。
(6)糖類
本発明の調味料組成物は、糖類を含んでもよい。一般的にメイラード反応しやすい糖としては、還元末端を有する単糖のリボース、キシロース、アラビノース、フルクトース、グルコース、二糖のマルトース、ラクトース、オリゴ糖等が利用できるが、反応性が高い単糖、二糖などの分子量の小さいものが好ましい。ペントースかヘキソースかは、特に制限はなく、適宜選択することが可能である。
単独使用ないし、2種類以上併用でもよく、さらに好ましくは、反応のコントロールがしやすい単糖の混合物であり、入手が容易であるフルクトースとグルコースの混合液糖である。また、糖類の添加量は、良好な調理香やミートフレーバーを生成させる添加量であれば良く、目的香気が発生するよう適宜添加すればよい。
上述した、プロリンとともに併用されうるアミノ酸、核酸、糖類、あるいはこれらを含有する酵母エキスの添加量は、良好なミートフレーバーを生成させる添加量であれば良く、目的香気が発生するよう適宜添加すればよい。
2.調味料組成物を添加された飲食品
本発明はまた、本発明の調味料組成物を添加された飲食品に関する。調味料組成物の飲食品への添加方法は特に限定されないが、加熱反応を適正に制御するためには、加熱前に添加することが好ましい。
実施例4で効果が確認された配合4−2〜配合4−10は、最終濃度0.0005−0.25重量%のプロリンを含む。特に好ましい態様の、配合4−4、4−5は最終濃度0.0025−0.005重量%のプロリンを含む。また、実施例8で確認した範囲において、プロリン含有酵母エキスを5重量%−20重量%含む組成物(組成物7−2〜7−4)を用いた場合、即ち配合8−2〜8−4の場合に好ましい結果が得られた。配合8−2〜8−4は最終濃度0.003−0.006重量%のプロリンを含む。そして、効果の確認された実施例10の配合10−2、実施例11の添加区、実施例12の添加区、実施例13の添加区は、各々最終濃度、0.0003重量%、0.0006重量、0.00012重量%、0.0003重量%のプロリンを含む。
よって、本発明の飲食品は、非限定的に、好ましくは、最終濃度0.00012重量%以上、0.0003重量%以上、0.0005重量%以上、0.0006重量%以上、0.0025重量%以上、0.003重量%以上のプロリンを含む。本発明の飲食品は、非限定的に、好ましくは、0.25重量%以下、0.006重量%以下、0.005重量%以下のプロリンを含む。本発明の飲食品は、非限定的に、好ましくは、最終濃度0.00012−0.25重量%、より好ましくは、最終濃度0.0003−0.006重量%のプロリンを含む。
本発明の飲食品は、本発明の調味料組成物を人為的に添加されたものであり、プロリンを素材として元来含む飲食品は含まない。
本発明の飲食品の種類は、加熱調理されるものであれば特に限定されない。例えば、レトルト食品(レトルトの鍋つゆ、おでんつゆ、カレー、ミートソース、シチュー、缶詰のスープやシチュー、その他缶詰食品等)、炊飯用米飯の素(釜飯、ピラフ、チキンライス)、野菜炒めの素、つゆ(めんつゆ、おでんつゆなど)、各種ラーメンスープ、各種ソース類、畜肉加工食品(ハンバーグ、肉団子等)、各種ソース類などが含まれる。
3.飲食品の加熱時の蒸れ臭又は焦げ臭を低減するための方法及び使用
本発明はまた、本発明の調味料組成物を飲食品に添加し、加熱する、ことを含む、飲食品の加熱時の蒸れ臭又は焦げ臭を低減するための方法、に関する。
本発明はさらにまた、本発明の調味料組成物の、加熱により調理香又はミートフレーバーは発現する際の、飲食品の蒸れ臭又は焦げ臭を低減させるための使用、に関する。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。当業者は本明細書の記載に基づいて容易に本発明に修飾・変更を加えることができ、それらは本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例1 調味料組成物の製造及び評価
本実施例は、調味料組成物の製造及び評価に関する。
(1−1)調味料組成物1 (比較対象1 以下、本実施例において組成物1)
一般的な加熱反応型調味料組成物として表1に示す混合物を120℃30分間加熱し、5℃の冷蔵庫で一夜冷却後、組成物1とした。
(*1)イーストエキス21A (富士食品工業株式会社、パン酵母自己消化型酵母エキス、総窒素量7.8%)。本酵母エキスは、核酸、グルタチオンを含まない、高アミノ酸含量の酵母エキスである。
(1−2)調味料組成物2 (比較対象2 以下:組成物2)
アミノ酸高含有の酵母エキスであるイーストエキス21Aの代わりに、反応性の高い、グルタチオンを高濃度(8.2%)含有する酵母エキスであるスプリンガー4101に変えた以外は表1と同様の組成である表2に示す混合物を溶解後、120℃30分間加熱し、5℃で一夜冷却後、組成物2とした。
(*2)スプリンガー4101 (バイオスプリンガー社製、総グルタチオン含量8.2%)本酵母エキスは、グルタチオン高濃度含有型の酵母エキスである。
(1−3)調味料組成物3(本発明組成物1 以下:組成物3)
本発明の加熱反応型調味料組成物3として表3に示す混合物を溶解後、120℃30分間加熱し、一夜冷却後、組成物3とした。
(*3)イーストエキス21A (富士食品工業株式会社、パン酵母自己消化型酵母エキス)
(1−4)調味料組成物4 (本発明組成物2 以下:組成物4)
本発明の加熱反応型調味料組成物として表4に示す混合物を120℃30分間加熱し、5℃の冷蔵庫で一夜冷却後、組成物4とした。
(*2)スプリンガー4101 (バイオスプリンガー社、総グルタチオン含量8.2%)。本酵母エキスは、グルタチオン高濃度含有型の酵母エキスである。
(1−5)組成物の官能評価)
組成物1〜4の官能評価を行った。官能評価は、各組成物の濃度が0.5%になるように90℃の熱水で希釈し、飲める程度にまで冷却後、その組成物の0.5%希釈液を口に含んで評価することにより実施した。官能評価を行ったのは、定期的な五原味訓練に合格した検査員10名により行った。
組成物1,3は、野菜を長時間煮込んだようなボイルドされたときに発生する、ポトフのような、深い味、香りを感じた。組成物1と3間の評価は、その香りの強さがほぼ同等であったが、ごく僅かに3の方が厚味を有していた。一方、組成物2,4は、肉を焼いた時の表面のようなロースト臭を有していた。組成物2と4の比較では、ほぼ同等の力価であったが、4の方が、2にはないロースト香をかすかではあるものの有しており、味も僅かに複雑味を感じた。
実施例2 調味料組成物を含む食品の評価
本実施例は、本発明の調味料組成物を食品に用いた場合を想定して評価を行った。具体的には、実施例1で製造した組成物1〜4を各々表5に示した配合の試料を作成した。レトルト食品(例えば、だしとして用いた場合)を想定した。各試料はそれぞれ、120℃40分間加熱し、官能評価およびOD420nmの吸光度を測定することによって評価した。
官能評価
官能評価は、実施例1と同様の方法で行った。配合1と配合3の比較では、配合1が醤油の劣化した蒸れ臭や焦げ臭を強く感じ、その中でも蒸れ臭よりも焦げた風味を強く感じた。配合3では、蒸れ臭、焦げ臭が無く、野菜の煮込んだようなボイルドした香りが良く出ていた。
配合2と4の比較では、配合2は、蒸れ臭、焦げ臭を強く感じ、含硫化合物の独特の匂いを強く感じたのに対し、配合4では、蒸れ臭、焦げ臭をあまり感じず、良好なロースト香が強かった。
実施例3 プロリン濃度の有効範囲(調味料組成物)
本実施例では、調味料組成物に含まれるプロリン濃度の有効範囲を調べた。
下記表6の組成物を110℃30分間加熱し、調味料組成物を得た。
(*1)イーストエキス21A 富士食品工業 パン酵母自己消化エキス
(*2)バーテックスIG20 富士食品工業 5’−リボヌクレオチド含有量 21.0%
(*3)果糖ぶどう糖液糖 昭産商事社 NF55
各組成物の官能評価を実施例1と同様に行い、結果を表7に示した。
組成物の風味は、自己消化型酵母エキス単独により、良好なミートフレーバーが生成した。組成物3−1〜3−5では、それ程大きな風味差は見られなかった。プロリン配合を極端に増やした組成物3−6〜3−10では、プロリン含量が増えるに従い、ミートフレーバーの力価が弱くなり、野菜ブイヨン風の風味になった。
表7に示した通り、組成物3−2(0.1重量%)〜3−9(50重量%)で焦げ臭の低減が観察された。組成物3−4(0.5重量%)〜3−5(1.0重量%)が特に良好な結果が得られた。
実施例4 プロリン濃度の有効範囲(調味料組成物を添加した食品)
実施例3−1〜3−10の組成物を各々、食品に添加した場合のモデルとして、表8に示した配合を作成し、レトルト食品を想定し、120℃40分間加熱し、官能評価に供した。
各配合物の官能評価結果を下記表9に示した。
プロリンの有効範囲としては、調味料組成物中に0.3重量%以上あれば(組成物3−3、配合4−3)、調味料として食品に添加した際の蒸れ臭、焦げ臭の抑制効果が明らかに発現していた。また、調味料組成物中の含量が50%重量以上の場合でも、蒸れ臭、焦げ臭抑制効果は見られるが、調味料組成物としての力価は弱かった。効果が確認された配合4−2〜配合4−10は、最終濃度0.0005−0.25重量%のプロリンを含む。特に好ましい態様の、配合4−4、4−5は最終濃度0.0025−0.005重量%のプロリンを含む。
実施例5 プロリン含有酵母エキスを含む調味料組成物
本実施例は、プロリンとしてプロリン含有酵母エキスを含む調味料組成物の製造及び評価に関する。
(5−1) 下記表10の組成物を110℃30分間加熱し、組成物を得た。
(*1)Yeastock GT−Pd アサヒフードアンドヘルスケア社 総グルタチオン含有量8.2%
(*2)バーテックスIG20 富士食品工業 5’−リボヌクレオチド含有量 21.0%
(*3)果糖ぶどう糖液糖 昭産商事社製 NF55
(*4)ハイマックスPR 富士食品工業 プロリン含量 6%
(5−2)調味料組成物(粉体)の官能評価(0.5%熱水評価)
実施例1及び3と同様に、調味料組成物の官能評価を行った。組成物5−1、5−2は、大差なく良好なミートフレーバーを発現したが、僅かに組成物5−2の方がロースト感が強く、厚味を有していた。
次いで、上記組成物5−2を用いて表11の配合の水溶液を調製しでスプレードライヤー(モービルマイナー、ニロジャパン社製)を用いて、以下の条件で最終的に水分含量が3.1重量%になるように熱風噴霧乾燥することによって、組成物5−3を得た。
スプレードライヤーの条件
In let 172℃
Out let 90℃
組成物5−3について官能評価を行ったとところ、組成物5−2と同様に良好なミートフレーバーを有した粉末の調味料組成物が得られた。
実施例6 プロリン含有酵母エキスを含む調味料組成物を含む食品の評価
本実施例は、プロリン含有酵母エキスを含む調味料組成物を含む食品の評価に関する。
(6−1) 実施例5−1〜5−3を各々食品に添加した場合のモデルとして、表12に示した配合を作成し、レトルト食品を想定した、120℃10分間および40分間加熱し、官能評価(実施例2、4と同様)およびOD420nm(日立ハイテクノロジーズ U−2900 分光光度計)の吸光度を測定した。
(6−2)官能評価
結果を表13に示す。
(6−3)吸光度
次に各加熱品のOD420nm(日立ハイテクノロジーズ U−2900 分光光度計)の吸光度を測定した。一般にOD420nmは、着色度の評価に用い、数値が大きいほど、着色度合いが大きいことを示す。
結果を、表14及び図1に示す。
表14及び図1に示した通り、120℃10分間の加熱では、各配合とも着色具合に大きな差は見られなかった。一方、120℃40分間の加熱では、組成物中にプロリン含有酵母エキスが添加されている配合6-2および配合6-3のみが加熱前の吸光度(OD)とほとんど変化無かった。よって、組成物6-3において粉化の影響も見られなかった。
実施例7 プロリン濃度の有効範囲(プロリン含有酵母エキスを含む調味料組成物)
本実施例では、プロリン含有酵母エキスを含む調味料組成物における、プロリン濃度の有効範囲を調べた。
下記表15の組成物を110℃30分間加熱し、メイラード反応型調味料組成物を得た。
(*1)イーストエキス21A 富士食品工業 パン酵母自己消化エキス
(*2)バーテックスIG20 富士食品工業 5’−リボヌクレオチド含有量 21.0%
(*3)果糖ぶどう糖液糖 昭産商事社製 NF55
(*4)ハイマックスPR 富士食品工業 プロリン含有量 6%
組成物7−2〜7−7は、各々、0.3重量%、0.6重量%、1.2重量%、1.5重量%、1.8重量%、2.4重量%のプロリンを含む。
組成物の風味は、プロリンを添加した場合(実施例1、3)とそれ程大きな差が見られないが、より良好なミートフレーバーを生成した。プロリン単独では、単調なミートフレーバーの生成が見られた、プロリン含有酵母エキスを用いた本実施例の調味料組成物は、複雑な香気で風味的に優れていた。
組成物7−1〜7−5では、それ程大きな風味差は見られない。プロリン配合を極端に増やした組成物7−6及び7−7では、プロリン含量酵母エキスが増えるに従い、ミートフレーバー力価が弱くなり、さらに蒸れ臭の発生も見られた。各組成物の官能評価結果を表16に示した。
組成物7−2〜7−3(プロリン含量0.3−0.6重量%)で、(僅かに)ロースト感が低減し、組成物7−4〜7−5(プロリン含量1.2−1.5重量%)で焦げた風味が低減した。
実施例8 プロリン濃度の有効範囲(プロリン含有酵母エキスを含む調味料組成物を添加した食品)
本実施例では、プロリン含有酵母エキスを含む調味料組成物を添加した食品のプロリン濃度の有効範囲を調べた。
実施例7−1〜7−7を各々、食品に添加した場合のモデルとして、表17に示した配合を作成し、レトルト食品を想定した、120℃40分間加熱し、官能評価に供した。
各配合組成物の官能評価結果を下記表18に示した。
プロリン含有酵母エキスの有効範囲としては、調味料組成物中にプロリン含有酵母エキス5重量%以上あれば、調味料として利用した際の蒸れ臭、焦げ臭の抑制効果が明らかに発現していた。一方、また、25重量%を越える添加量では、蒸れ臭、焦げ臭抑制効果が低減し蒸れ臭、焦げ臭の発生が見られる。これらは、プロリン含有酵母エキスのプロリン以外のアミノ酸の影響が強くなるためと考えられた。
よって、本実施例で確認した範囲において、プロリン含有酵母エキスを5重量%−20重量%含む組成物(組成物7−2〜7−4)を用いた場合、即ち配合8−2〜8−4の場合に好ましい結果が得られた。配合8−2〜8−4は最終濃度0.003−0.006重量%のプロリンを含む。
実施例9 プロリン含有酵母エキスの加熱反応への影響
本実施例では、プロリン含有酵母エキスの加熱反応への影響を調べた。
下記表19及び20に示した配合にて加熱前と加熱後の調味料組成物(以下、組成物)を作成し、遊離のアミノ酸組成(アミノ酸分析計 日立社製 L−8900)を測定した。
(*1)イーストエキス21−A 富士食品工業
(*2)バーテックスIG20 富士食品工業 5’−リボヌクレオチド含有量 21.0%
(*3)果糖ぶどう糖液糖 昭産商事社 NF55
(*4)ハイマックスPR 富士食品工業 プロリン含量 6%
組成物9−1−1: 配合9−1 未加熱
組成物9−1−2: 配合9−1 110℃30分間加熱
組成物9−2−1: 配合9−2 未加熱
組成物9−2−2: 配合9−2 110℃30分間加熱
(*1)Yeastock GT−Pd アサヒフードアンドヘルスケア社製 総グルタチオン含有量8.2%
(*2)バーテックスIG20 富士食品工業 5’−リボヌクレオチド含有量 21.0%
(*3)果糖ぶどう糖液糖 昭産商事社 NF55
(*4)ハイマックスPR 富士食品工業 プロリン含量 6%
組成物9−3−1: 配合9−3 未加熱
組成物9−3−2: 配合9−3 110℃30分間加熱
組成物9−4−1: 配合9−4 未加熱
組成物9−4−2: 配合9−4 110℃30分間加熱
各組成物のうち、未加熱区と加熱区において加熱反応で消費された遊離アミノ酸の種類を比較した。結果を表21に示す。表21に示すように、プロリン含有酵母エキスを添加することで、加熱反応の際、消費される遊離アミノ酸が大きく変化し、加熱反応の経路が変化している可能性が示唆された。
参考として、プロリン含有酵母エキスの遊離アミノ酸組成を表22に示す。表22からわかるようにプロリン含有酵母エキスの遊離アミノ酸組成と上記表21の加熱反応により消費される遊離アミノ酸との関係は無いと考えられる。本発明の組成物の使用により明らかに消費されるアミノ酸の種類が変化していることから、プロリン含有酵母エキスを添加した場合には単にプロリンが反応するのみならず、周りのアミノ酸の糖分などとの加熱反応にも影響を与え、結果として反応系全体を調整していることが推測された。
参考例 加熱反応用調味料組成物の作成
表20の配合9−4で得られた組成物を、十分に溶解後、105℃20分間加熱することによって、調味料組成物(以下、組成物PR)を作成した。
実施例10 レトルトストレートラーメンスープ
本実施例では、上記参考例で得られた組成物PRを添加したレトルトストレートラーメンスープを製造した。ストレートラーメンスープを想定した以下の表23示す配合で、組成物PRを0.1重量%添加し(配合10−2)、120℃30分間レトルトした。配合10−2は、最終濃度0.0003重量%のプロリンを含む。
(10−1)官能評価
表23の配合10−1は醤油の劣化による風味低下が確認でき、希薄な味に変化していた。配合10−2は醤油の劣化臭は確認されず、畜肉のガラ感がむしろアップしたような風味を呈していた。
(10−2)着色抑制効果
配合10−1及び配合10−2について、未加熱及び加熱(レトルト)処理後(120℃30分間)のOD420nmを測定し、本発明の調味料組成物により着色抑制効果を調べた。図2に示す通り、加熱(レトルト)処理後、配合10−2の方が、着色が優位に抑制されることが認められた。
実施例11 炊飯用チキンライスの素
本実施例では、組成物PR炊飯用チキンライスの素として用いた。以下の表24示す配合で、組成物PRを炊き上がり0.2重量%となるように添加し、炊飯ジャーにて炊飯した。本配合(添加区)では、最終濃度0.0006重量%のプロリンを含む。
官能評価を行った。コントロールはトマトと米の蒸れた臭いが立ったが、添加区では蒸れた臭いは感じられず、肉独特の、いわゆるミートフレーバーが付与され、全体的に風味がアップした。
実施例12 野菜炒めの素
本実施例では、組成物PRを野菜炒めの素として用いた。以下の表25示す配合で、組成物PRを0.04重量%となるように添加した。本配合(添加区)は、最終濃度0.00012重量%のプロリンを含む。中華鍋にて加熱調理をした。先に野菜、肉を炒め、火を止め調味料を加え再度火をかけて加熱を行った。
官能評価を行った。コントロールに比べ本配合(添加区)は、野菜の青臭さがマスキングされて調理感がアップし、塩かどがマスキングされ、コクがアップして味がまとまった。
実施例13 ストレートおでんつゆ
本実施例では、組成物PRを添加したストレートおでんつゆを製造した。ストレートおでんつゆを想定した以下の表26示す配合で、組成物PRを0.1重量%添加し(添加区)、パウチに充填後、90℃4時間のボイル加熱を行った。本配合は、最終濃度0.0003重量%のプロリンを含む。
官能評価を行った。コントロールはダシ風味が劣化して、全体的に蒸れて劣化した風味であった。一方、添加区はダシ風味は劣化してはいるものの、蒸れた風味はコントロールより少ない。肉感がアップしていた。
本発明の調味料組成物は、蒸れ臭、焦げ臭、着色を抑制しながら、ミートフレーバー様香気を有する。加熱処理されるあらゆる飲食品について、安価で簡便に風味を高めることが可能になる。

Claims (14)

  1. プロリンを含む、加熱により調理香又はミートフレーバーは発現する際の、蒸れ臭又は焦げ臭を低減させる、並びに/あるいは、又は加熱時の着色を抑制する、ための調味料組成物。
  2. 0.1〜50重量%のプロリンを含む、請求項1に記載の調味料組成物。
  3. 0.5〜1.2重量%のプロリンを含む、請求項1又は2に記載の調味料組成物、
  4. プロリンをプロリン含有酵母エキスとして含む、請求項1−3のいずれか1項に記載の調味料組成物。
  5. グルタチンをさらに含む、請求項1−4のいずれか1項に記載の調味料組成物。
  6. グルタチオンをグルタチン含有酵母エキスとして含む、請求項5に記載の調味料組成物。
  7. 核酸をさらに含む、請求項1−6のいずれか1項に記載の調味料組成物。
  8. 5’−リボヌクレオチドをさらに含む、請求項1−6のいずれか1項に記載の調味料組成物。
  9. プロリンを含む組成物を調理香又はミートフレーバーが発現する前まで加熱する、工程を含む製造方法によって製造される、請求項1−8のいずれか1項に記載の調味料組成物。
  10. 請求項1−9のいずれか1項に記載の調味料組成物を添加された飲食品。
  11. 最終濃度0.00012−0.25重量%のプロリンを含む、請求項10に記載の飲食品。
  12. 最終濃度0.0003−0.006重量%のプロリンを含む、請求項10に記載の飲食品。
  13. 請求項1−9のいずれか1項に記載の調味料組成物を飲食品に添加し加熱する、ことを含む、飲食品の加熱時の蒸れ臭又は焦げ臭を低減させる、並びに/あるいは、又は加熱時の着色を抑制する、ための方法。
  14. 請求項1−9のいずれか1項に記載の調味料組成物の、加熱により調理香又はミートフレーバーは発現する際の、飲食品の蒸れ臭又は焦げ臭を低減させる、並びに/あるいは、又は加熱時の着色を抑制するための使用。
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