JPH06310316A - 希土類−Fe−C−N金属間化合物磁性材料粉末およびその製造法 - Google Patents

希土類−Fe−C−N金属間化合物磁性材料粉末およびその製造法

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JPH06310316A
JPH06310316A JP5116434A JP11643493A JPH06310316A JP H06310316 A JPH06310316 A JP H06310316A JP 5116434 A JP5116434 A JP 5116434A JP 11643493 A JP11643493 A JP 11643493A JP H06310316 A JPH06310316 A JP H06310316A
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Kurisutodouro Kurisu
クリストドウロ クリス
Takuo Takeshita
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    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
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    • H01F1/053Alloys characterised by their composition containing rare earth metals
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    • H01F1/059Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and Va elements, e.g. Sm2Fe17N2

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Laを除く希土類元素(以下、Rで示す)と
FeとCからなるR−Fe−C−N金属間化合物磁性材
料粉末およびその製造法を提供する。 【構成】R2+k Fe17y (ただし、0≦y≦1、0.
01<k<1.0)鋳塊を均質化処理し、必要に応じて
水素雰囲気中で室温から150〜500℃に昇温保持し
たのち室温に戻す処理を繰り返し、前記処理された鋳塊
を水素雰囲気中で昇温保持して鋳塊に水素を吸蔵させる
水素吸蔵処理を施し、さらに引き続いて、同じ温度の真
空雰囲気中に保持することにより前記水素吸蔵鋳塊から
強制的に水素を放出させる脱水素処理を施し、ついで、
冷却し、解砕し、得られた解砕粉末を炭窒化処理するR
−Fe−C−N金属間化合物磁性材料粉末の製造法、及
びその製造法により得られた平均粒径:10〜200μ
mを有しSm2 Fe17(CN)x (ただし、x>0)金
属間化合物の単結晶粉末を主体とする磁性材料粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、Laを除く希土類元
素(以下、Rで示す)とFeとCとNからなるR−Fe
−C−N金属間化合物磁性材料粉末およびその製造法に
関するものであり、さらに具体的には、Sm2 Fe
17(CN)x (ただし、x>0、以下同じ)金属間化合
物磁性材料粉末およびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、R2 Fe17(CN)x で表される
成分組成のR−Fe−C−N金属間化合物は硬磁性材料
となることは知られており、前記R−Fe−C−N金属
間化合物磁性材料粉末を製造する方法の1つとして、R
2 Fe17y (ただし、0≦y≦1)金属間化合物鋳塊
を、不活性ガス雰囲気中、温度:900〜1200℃に
保持して均質化処理し、前記均質化処理したR2 Fe17
y (ただし、0≦y≦1)金属間化合物鋳塊を機械粉
砕して粉末とし、この粉末をプレス成形して圧粉体と
し、この圧粉体を水素雰囲気中、650〜950℃に昇
温保持して鋳塊に水素を吸蔵させる水素吸蔵処理を施
し、引き続いて、650〜950℃の範囲内の真空雰囲
気中に保持することにより前記水素吸蔵鋳塊から強制的
に水素を放出させて脱水素処理を施し(以下、水素吸蔵
処理を施したのち脱水素処理処理する操作を水素処理と
総称する)、ついで、冷却し、粉砕することによりR2
Fe17y (ただし、0≦y≦1)金属間化合物微粉末
を作製し、このR2 Fe17y (ただし、0≦y≦1)
金属間化合物微粉末を炭化水素雰囲気中に保持したのち
窒素雰囲気中に保持する処理(以下、炭化水素雰囲気中
に保持したのち窒素雰囲気中に保持する処理を炭窒化処
理という)を施すことによりR2 Fe17(CN)x金属
間化合物磁性材料粉末を製造する方法が知られている。
【0003】前記R2 Fe17(CN)x 金属間化合物磁
性材料粉末のうちでも特にSm2 Fe17(CN)x 金属
間化合物磁性材料粉末は注目されており、Sm2 Fe17
(CN)x 金属間化合物磁性材料粉末をバインダーと共
に固めてボンド磁石を製造することも試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記方法によ
り製造されたR−Fe−C−N金属間化合物磁性材料粉
末は、等方性磁性粉末であるために、このR−Fe−C
−N金属間化合物磁性材料粉末を使用して作製した磁石
は十分な磁気特性が得られず、一層磁気特性の優れた磁
石を得るためには異方性のR−Fe−C−N金属間化合
物磁性材料粉末が求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
磁気異方性に優れたR−Fe−C−N金属間化合物化合
物磁性材料粉末を製造すべく研究を行った結果、(1)
2+k Fe17y (ただし、0≦y≦1、0.01<
k<1.0)鋳塊を水素処理して自然崩壊せしめると、
平均粒径:10〜200μmの単結晶サイズの粉末が得
られ、この自然崩壊した単結晶サイズの粉末を炭窒化処
理すると磁気異方性に優れたR−Fe−C−N金属間化
合物磁性材料粉末を得ることができる、(2) R2+k
Fe17y (ただし、0≦y≦1、0.01<k<1.
0)鋳塊を前記水素処理するに先立って、均質化処理し
た鋳塊を水素雰囲気中で室温から温度:150〜500
℃に昇温し、この温度に保持したのち室温に戻す操作
(以下、この操作を水素雰囲気中温度サイクル処理とい
う)を1回以上繰り返した後、前記水素処理を施すと、
得られたR−Fe−C−N金属間化合物磁性材料粉末の
磁気特性は一層向上するという知見を得たのである。
【0006】この発明はかかる知見にもとづいてなされ
たものであって、(1) R2+k Fe17y (ただし、
0≦y≦1、0.01<k<1.0)で表される成分組
成の鋳塊を均質化処理し、均質化処理した鋳塊を水素処
理し、ついで、冷却し、解砕することにより得られた解
砕粉末を炭窒化処理するR−Fe−C−N金属間化合物
磁性材料粉末の製造法、(2) R2+k Fe17y (た
だし、0≦y≦1、0.01<k<1.0)で表される
成分組成の鋳塊を均質化処理し、均質化処理した鋳塊を
水素雰囲気中温度サイクル処理し、さらに水素処理し、
ついで、冷却し、解砕することにより得られた解砕粉末
を炭窒化処理するR−Fe−C−N金属間化合物磁性材
料粉末の製造法、(3) 平均粒径:10〜200μm
のR2 Fe17(CN)x 金属間化合物の単結晶粉末を主
体とする磁気異方性に優れたR−Fe−C−N金属間化
合物磁性材料粉末、に特徴を有するものである。
【0007】前記Rは希土類元素であればいずれの元素
でも良いが、希土類元素の内でもSmが最も好ましく、
Laは好ましくないので除外する。かかるR2+k Fe17
y(ただし、0≦y≦1、0.01<k<1.0)で
表される成分組成の鋳塊を水素処理することにより自然
崩壊せしめついで解砕して得られた粉末は、平均粒径が
10〜200μmの単結晶粉末を主体とし、この単結晶
粉末を主体とする粉末を炭窒化処理して得られた希土類
−Fe−C−N金属間化合物磁性材料粉末は炭窒化後解
砕すると磁気異方性に優れたものとなる。
【0008】水素雰囲気中温度サイクル処理の昇温保持
温度は、150℃未満では所望の効果が得られず、一
方、500℃を越えるとR2 Fe17y (ただし、0≦
y≦1)金属間化合物は分解してRH2 とFeになって
好ましくない。さらに水素雰囲気中温度サイクル処理の
昇温保持時間は、特に限定されるものではないが、10
〜60分間の範囲内であることが好ましい。
【0009】この発明の方法により得られた平均粒径:
10〜200μmの希土類−Fe−C−N金属間化合物
磁性材料粉末は、従来法により得られた希土類−Fe−
C−N金属間化合物磁性材料粉末に比べて磁気異方性に
優れる理由は、下記によるものと考えられる。すなわ
ち、前記従来のR2 Fe17(CN)x 金属間化合物磁性
材料粉末製造法では、均質化処理したR2 Fe17
y (ただし、0≦y≦1)金属間化合物鋳塊を機械粉砕
しているが、かかる機械粉砕して得られた粉末は結晶粒
を横切って粉砕されている粉末が多く存在し、この機械
粉砕粉末は異なった方向に配向した集合結晶粒からなる
粉末が多く含まれ、この機械的粉砕粉末を水素処理した
のち炭窒化処理して得られたR2 Fe17(CN)x 金属
間化合物磁性材料粉末も異なった方向に配向した集合結
晶粒からなる粉末が多く含まれるために等方性を示すと
考えられる。
【0010】ところが、この発明ではR2+k Fe17y
(ただし、0≦y≦1、0.01<k<1.0)の成分
組成を有し、R2 Fe17y (ただし、0≦y≦1)を
主相としその他α−Fe、RFe3 などからなる組織の
鋳塊を水素吸蔵処理すると、R2 Fe17y (ただし、
0≦y≦1)はR2 Fe17y 5 (ただし、0≦y≦
1)となり、RFe3 はRFe3 4 となるが、RFe
3 4 の膨張率はR2Fe17y 5 (ただし、0≦y
≦1)の膨張率よりも格段に大きく(例えば、Sm2
175 の膨張率は3.5%であるに対し、SmFe3
4 の膨張率は19%である。)、この膨張率の差によ
り鋳塊の結晶粒界に亀裂が入って自然崩壊し、簡単にR
2 Fe17y (ただし、0≦y≦1)単結晶粉末を主体
とした粉末を作製することができ、この粉末を炭窒化処
理することによりR2 Fe17(CN)x 金属間化合物磁
性材料粉末を製造することができ、磁気異方性に優れた
ものとなり、さらに解砕により粉末粒径を小さくすると
保磁力も向上するものと考えられる。
【0011】
【実施例】Rとして高純度のSm金属を用意し、さらに
高純度のFe金属を用意し、まずFe金属をAr雰囲気
中の高周波溶解炉にて溶解し、ついでSmを添加して溶
解し、この合金溶湯を水冷鋳型に鋳込み、表1〜表2に
示される成分組成の鋳塊A〜Wを作製した。これら鋳塊
A〜Wを、Ar雰囲気中、表1〜表2に示される温度お
よび時間に保持することにより均質化処理を行った。均
質化処理して得られた鋳塊A〜Wの平均結晶粒径を表1
〜表2に示す。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】ついで、前記均質化処理した鋳塊A〜Wの
うち鋳塊B〜Wを熱処理炉に入れ、まず、真空引きを行
った後、炉内を1気圧の水素雰囲気とし、その圧力を保
持しながら昇温し、250℃で45分保持して前記鋳塊
に水素を吸蔵させ、引き続き、250℃で1×10-1
orrの真空雰囲気になるまで真空引きを行って脱水素
することにより水素処理し、その後、Ar雰囲気中で急
冷し、この鋳塊を解砕し、得られた解砕粉末を温度:6
00℃、10Vol %C2 2 −Arガス雰囲気中に1時
間保持することにより炭化処理し、さらに炭化処理した
粉末を450℃、2気圧の窒素ガス雰囲気中に4時間保
持することにより窒化処理し、表3〜表4に示される本
発明Sm−Fe−C−N金属間化合物磁性材料粉末(以
下、本発明磁性材料粉末という)1〜18および比較S
m−Fe−C−N金属間化合物磁性材料粉末(以下、比
較磁性材料粉末という)1〜4を製造した。
【0015】さらに比較のために前記均質化処理した鋳
塊Aを機械粉砕し、得られた粉末をプレス成形して圧粉
体を作製し、この圧粉体を同様に水素処理および解砕
し、さらに同様に温度:600℃、10Vol %C2 2
−Arガス雰囲気中に1時間保持することにより炭化処
理し、さらに炭化処理した粉末を450℃、2気圧の窒
素ガス雰囲気中に4時間保持することにより窒化処理
し、従来Sm−Fe−C−N金属間化合物磁性材料粉末
(以下、従来磁性材料粉末という)を製造した。
【0016】得られた本発明磁性材料粉末1〜18、比
較磁性材料粉末1〜4および従来磁性材料粉末につい
て、Sm2 Fe17(CN)x 単結晶粉末の含有率および
平均粒径を測定し、さらにこれら粉末を解砕して粒径を
小さくし、その磁気特性を測定し、その測定結果を表3
〜表4に示した。
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】表3〜表4に示される結果から、Sm2+k
Fe17y (ただし、0≦y≦1、0.01<k<1.
0)で表される成分組成の鋳塊を均質化処理して水素処
理したのち解砕し炭窒化処理する本発明法により得られ
た本発明磁性材料粉末1〜18は、Sm2 Fe17鋳塊を
均質化処理したのち機械粉砕し、水素処理し、炭窒化処
理する従来法により得られた従来磁性材料粉末に比べ
て、Sm2 Fe17(CN)x 単結晶粉末の含有率が多
く、さらにその平均粒径も大きく、したがって、優れた
磁気異方性を示すことが分かる。また、kが0.01未
満の比較磁性材料粉末1は磁気特性が悪く、さらにSm
2 Fe17(CN)x 単結晶粉末の平均粒径が200μm
を越える比較磁性材料粉末2〜4も磁気特性が悪くなる
ことが分かる。
【0020】実施例2 表1に示される条件で均質化処理した鋳塊Iを1気圧の
水素雰囲気中で室温から表5に示される加熱温度に昇温
し、この温度に表5に示される時間保持しながら昇温
し、その後、室温に戻す操作を表5に示される回数繰り
返す水素雰囲気中温度サイクル処理を施し、ついで1気
圧の水素雰囲気を保持しながら昇温し、250℃で45
分間保持して前記鋳塊Eに水素を吸蔵させ、引き続き、
250℃で1×10-1torrの真空雰囲気になるまで
真空引きを行って脱水素することにより水素処理し、そ
の後、Ar雰囲気中で急冷し、この鋳塊を解砕し、得ら
れた解砕粉末を温度:600℃、10Vol %C2 2
Arガス雰囲気中に1時間保持することにより炭化処理
し、さらに炭化処理した粉末を450℃、2気圧の窒素
ガス雰囲気中に4時間保持することにより窒化処理し、
表5に示される本発明磁性材料粉末19〜27を製造し
た。
【0021】得られた本発明磁性材料粉末19〜27に
ついて、Sm2 Fe17(CN)x 単結晶粉末の含有率お
よび平均粒径を測定し、さらにこれら粉末を解砕して粒
径を小さくし、その磁気特性を測定し、その測定結果を
表5に示した。
【0022】
【表5】
【0023】表5に示される結果から、水素雰囲気中温
度サイクル処理を施すことにより得られた本発明磁性材
料粉末19〜27は、同じ鋳塊Eを用いた水素雰囲気中
温度サイクル処理を施さない本発明磁性材料粉末7に比
べていっそう優れた磁気特性を示すことが分かる。
【0024】
【発明の効果】この発明によると、従来よりも安定して
優れた磁気異方性に優れたR−Fe−C−N金属間化合
物磁性材料粉末を提供することができ、産業上すぐれた
効果を奏するものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R(ただし、RはLaを除く希土類元素
    を示す)とFeを主成分とする鋳塊あるいは少量の炭素
    を含有するRとFeを主成分とする鋳塊を均質化処理
    し、 前記均質化処理した鋳塊を水素雰囲気中で昇温保持して
    鋳塊に水素を吸蔵させる水素吸蔵処理を施し、さらに引
    き続いて、同じ温度の真空雰囲気中に保持することによ
    り前記水素吸蔵鋳塊から強制的に水素を放出させる脱水
    素処理を施し(以下、水素吸蔵処理したのち脱水素処理
    する操作を水素処理と言う)、ついで、冷却し、解砕
    し、得られた解砕粉末を炭化水素雰囲気中に保持したの
    ち窒素雰囲気中に保持することによりR−Fe−C−N
    金属間化合物磁性材料粉末を製造する方法であって、 前記RとFeを主成分とする鋳塊あるいは少量の炭素を
    含有するRとFeを主成分とする鋳塊は、R2+k Fe17
    y (ただし、0≦y≦1、0.01<k<1.0)で
    表される成分組成の鋳塊であることを特徴とする希土類
    −Fe−C−N金属間化合物磁性材料粉末の製造法。
  2. 【請求項2】 前記均質化処理した鋳塊を水素雰囲気中
    で室温から温度:150〜500℃に昇温し、この温度
    に保持したのち室温に戻す操作を1回以上繰り返した
    後、前記水素処理を施すことを特徴とする請求項1記載
    の希土類−Fe−C−N金属間化合物磁性材料粉末の製
    造法。
  3. 【請求項3】 前記Rは、Smであることを特徴とする
    請求項1または2記載の希土類−Fe−C−N金属間化
    合物磁性材料粉末の製造法。
  4. 【請求項4】 平均粒径:10〜200μmを有し、R
    2 Fe17(CN)x(ただし、x>0)金属間化合物の
    単結晶粉末を主体とすることを特徴とする磁気異方性に
    優れた希土類−Fe−C−N金属間化合物磁性材料粉
    末。
JP5116434A 1993-04-20 1993-04-20 希土類−Fe−C−N金属間化合物磁性材料粉末およびその製造法 Withdrawn JPH06310316A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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