JP2827643B2 - 希土類−Ｆｅ−Ｂ系磁石合金粉末の製造法 - Google Patents
希土類−Ｆｅ−Ｂ系磁石合金粉末の製造法Info
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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- H01F1/0571—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes
- H01F1/0573—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes obtained by reduction or by hydrogen decrepitation or embrittlement
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、安定して優れた磁気
特性特に磁気異方性を有する希土類−Ｆｅ−Ｂ系磁石合
金粉末の製造法に関するものである。
特性特に磁気異方性を有する希土類−Ｆｅ−Ｂ系磁石合
金粉末の製造法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】Ｙを含む希土類元素をＲで示すと、Ｒと
Ｆｅ（Ｆｅの一部をＣｏで置換したものも含む）とＢを
主成分とする合金を溶解してインゴットを作製し、この
インゴットを温度：６００〜１２００℃に保持して均質
化処理し、上記均質化処理したインゴットを加熱保持炉
に装入し、上記加熱保持炉を水素雰囲気に保持して７５
０〜９５０℃にて水素吸蔵処理し、ついで上記加熱保持
炉を上記７５０〜９５０℃に保持したまま真空雰囲気と
して脱水素処理し、引き続いて冷却したのち、粉砕する
ことによりＲ−Ｆｅ−Ｂ系磁石合金粉末を製造する方法
は知られている（特開平３−１２９７０２号公報、特開
平３−１２９７０３号公報などを参照）。上記均質化処
理されたインゴットは、水素吸蔵処理および脱水素処理
の工程において、合金と水素との反応を起こし易くする
ためおよび吸蔵された水素を容易に放出させるために、
所定の寸法のブロック角に破砕して使用される。
Ｆｅ（Ｆｅの一部をＣｏで置換したものも含む）とＢを
主成分とする合金を溶解してインゴットを作製し、この
インゴットを温度：６００〜１２００℃に保持して均質
化処理し、上記均質化処理したインゴットを加熱保持炉
に装入し、上記加熱保持炉を水素雰囲気に保持して７５
０〜９５０℃にて水素吸蔵処理し、ついで上記加熱保持
炉を上記７５０〜９５０℃に保持したまま真空雰囲気と
して脱水素処理し、引き続いて冷却したのち、粉砕する
ことによりＲ−Ｆｅ−Ｂ系磁石合金粉末を製造する方法
は知られている（特開平３−１２９７０２号公報、特開
平３−１２９７０３号公報などを参照）。上記均質化処
理されたインゴットは、水素吸蔵処理および脱水素処理
の工程において、合金と水素との反応を起こし易くする
ためおよび吸蔵された水素を容易に放出させるために、
所定の寸法のブロック角に破砕して使用される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最終的に得ら
れる磁石粉末の磁気特性、特に磁気的異方性にはバラツ
キがありかつ低下することがあった。
れる磁石粉末の磁気特性、特に磁気的異方性にはバラツ
キがありかつ低下することがあった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
かかる観点から磁気特性の低下することのないＲ−Ｆｅ
−Ｂ系磁石合金粉末を製造すべく研究を行った結果、均
質化処理したインゴットの破砕ブロック角の大きさが
０．０３〜５０mmの範囲内に揃ったものを水素吸蔵およ
び脱水素処理してＲ−Ｆｅ−Ｂ系磁石合金粉末を製造す
ると、従来よりも一層磁気異方性の優れたＲ−Ｆｅ−Ｂ
系磁石合金粉末が得られという知見を得たのである。
かかる観点から磁気特性の低下することのないＲ−Ｆｅ
−Ｂ系磁石合金粉末を製造すべく研究を行った結果、均
質化処理したインゴットの破砕ブロック角の大きさが
０．０３〜５０mmの範囲内に揃ったものを水素吸蔵およ
び脱水素処理してＲ−Ｆｅ−Ｂ系磁石合金粉末を製造す
ると、従来よりも一層磁気異方性の優れたＲ−Ｆｅ−Ｂ
系磁石合金粉末が得られという知見を得たのである。
【０００５】この発明は、かかる知見にもとづいてなさ
れたものであって、均質化処理したインゴットを破砕し
て得られたブロック角の平均径をＸとすると、ブロック
角の平均径のバラツキをＸ±０．５Ｘの範囲内に抑え、
かつＸを０．０３〜５０mmに規定した破砕ブロック角を
水素吸蔵処理し、脱水素処理し、冷却し、粉砕するＲ−
Ｆｅ−Ｂ系磁石合金粉末の製造法、またはインゴットを
Ｘ±０．５Ｘの範囲内でかつＸを０．０３〜５０mmのブ
ロック角に予め破砕し、この予め破砕したブロック角を
均質化処理し、水素吸蔵処理し、脱水素処理し、冷却し
て粉砕するＲ−Ｆｅ−Ｂ系磁石合金粉末の製造法に特徴
を有するものである。
れたものであって、均質化処理したインゴットを破砕し
て得られたブロック角の平均径をＸとすると、ブロック
角の平均径のバラツキをＸ±０．５Ｘの範囲内に抑え、
かつＸを０．０３〜５０mmに規定した破砕ブロック角を
水素吸蔵処理し、脱水素処理し、冷却し、粉砕するＲ−
Ｆｅ−Ｂ系磁石合金粉末の製造法、またはインゴットを
Ｘ±０．５Ｘの範囲内でかつＸを０．０３〜５０mmのブ
ロック角に予め破砕し、この予め破砕したブロック角を
均質化処理し、水素吸蔵処理し、脱水素処理し、冷却し
て粉砕するＲ−Ｆｅ−Ｂ系磁石合金粉末の製造法に特徴
を有するものである。
【０００６】上記Ｘが０．０３mmより小さいとまた５０
mmより大きいと、最終的な磁石粉末の磁気的異方性や保
磁力が低下するので好ましくなく、またそのバラツキが
Ｘ±０．５Ｘの範囲よりも広いと、最終的な磁石粉末の
磁気的異方性や保磁力が低下するので好ましくない。
mmより大きいと、最終的な磁石粉末の磁気的異方性や保
磁力が低下するので好ましくなく、またそのバラツキが
Ｘ±０．５Ｘの範囲よりも広いと、最終的な磁石粉末の
磁気的異方性や保磁力が低下するので好ましくない。
【０００７】水素吸蔵処理前のブロック角の平均径が大
きくばらつくことに伴う最終的な磁石粉末の磁気特性低
下の原因としては、上記ブロック角の平均径の違い（従
って、表面積の違い）による表面付近の再結晶集合組織
の磁気的異方性の低下や、脱水素の時間差に伴う再結晶
集合組織の結晶粒径の違いによる磁気特性の低下などが
考えられる。
きくばらつくことに伴う最終的な磁石粉末の磁気特性低
下の原因としては、上記ブロック角の平均径の違い（従
って、表面積の違い）による表面付近の再結晶集合組織
の磁気的異方性の低下や、脱水素の時間差に伴う再結晶
集合組織の結晶粒径の違いによる磁気特性の低下などが
考えられる。
【０００８】
実施例１〜６および比較例１〜４ 高周波溶解炉において、Ｎｄ：１２．６at％、Ｃｏ：１
７．２at％、Ｂ：６．５at％、Ｇａ：０．３at％、Ｚ
ｒ：０．１at％、残部：Ｆｅおよび不可避不純物からな
る組成の合金を溶解し、鋳造してインゴットを作製し、
このインゴットをＡｒ雰囲気中、温度：１１２０℃、２
０時間保持の条件で均質化処理し、この均質化処理した
インゴットをハンマーミルにて破砕し調整して表１に示
される平均径および平均径のバラツキを有する実施例１
〜６および比較例１〜４のブロック角を製造した。
７．２at％、Ｂ：６．５at％、Ｇａ：０．３at％、Ｚ
ｒ：０．１at％、残部：Ｆｅおよび不可避不純物からな
る組成の合金を溶解し、鋳造してインゴットを作製し、
このインゴットをＡｒ雰囲気中、温度：１１２０℃、２
０時間保持の条件で均質化処理し、この均質化処理した
インゴットをハンマーミルにて破砕し調整して表１に示
される平均径および平均径のバラツキを有する実施例１
〜６および比較例１〜４のブロック角を製造した。
【０００９】上記ブロック角をそれぞれ等重量に秤量
し、これらを熱処理炉に入れ、まず、真空引きを行った
のち、炉内を１気圧の水素雰囲気とし、その圧力を保持
しながら昇温し、８５０℃で３時間保持して水素吸蔵処
理を施し、引き続いて８５０℃で脱水素処理を行い、１
×１０-1Torr以下の真空雰囲気になるまで真空引きを行
った後、Ａｒ雰囲気中で急冷し、ついで４００μｍ以下
に粉砕することにより実施例１〜６および比較例１〜４
の磁石合金粉末を製造した。
し、これらを熱処理炉に入れ、まず、真空引きを行った
のち、炉内を１気圧の水素雰囲気とし、その圧力を保持
しながら昇温し、８５０℃で３時間保持して水素吸蔵処
理を施し、引き続いて８５０℃で脱水素処理を行い、１
×１０-1Torr以下の真空雰囲気になるまで真空引きを行
った後、Ａｒ雰囲気中で急冷し、ついで４００μｍ以下
に粉砕することにより実施例１〜６および比較例１〜４
の磁石合金粉末を製造した。
【００１０】これら磁石合金粉末を２．５at％のエポキ
シ樹脂と混合し、２０kOe の横磁場中にて圧縮成形し、
１５０℃に３時間保持して熱硬化させ、密度：５．９５
〜６．００ｇ／cm3 の異方性ボンド磁石を製造した。得
られたボンド磁石の磁気特性を表１に示す。
シ樹脂と混合し、２０kOe の横磁場中にて圧縮成形し、
１５０℃に３時間保持して熱硬化させ、密度：５．９５
〜６．００ｇ／cm3 の異方性ボンド磁石を製造した。得
られたボンド磁石の磁気特性を表１に示す。
【００１１】
【表１】
【００１２】実施例７〜１２および比較例５〜８ 実施例１〜６および比較例１〜４作製したインゴットを
ハンマーミルにて破砕し、表２に示される平均径および
平均径のバラツキを有するように調整したブロック角を
作製し、このブロック角をそれぞれＡｒ雰囲気中、温
度：１１２０℃、２０時間保持の条件で均質化処理し、
以下、上記実施例１〜６および比較例１〜４と全く同様
にして実施例７〜１２および比較例５〜８の磁石合金粉
末を製造し、これら磁石合金粉末から得られたボンド磁
石の磁気特性を表２に示した。
ハンマーミルにて破砕し、表２に示される平均径および
平均径のバラツキを有するように調整したブロック角を
作製し、このブロック角をそれぞれＡｒ雰囲気中、温
度：１１２０℃、２０時間保持の条件で均質化処理し、
以下、上記実施例１〜６および比較例１〜４と全く同様
にして実施例７〜１２および比較例５〜８の磁石合金粉
末を製造し、これら磁石合金粉末から得られたボンド磁
石の磁気特性を表２に示した。
【００１３】
【表２】
【００１４】
【発明の効果】表１および表２に示される結果から、均
質化処理したインゴットを平均径Ｘが０．０３〜５０mm
でかつそのバラツキがＸ±０．５Ｘの範囲内にあるよう
に破砕調整して得られたブロック角、またはインゴット
を予め平均径Ｘが０．０３〜５０mmでかつそのバラツキ
がＸ±０．５Ｘの範囲内にあるように破砕調整して得ら
れたブロック角を均質化処理し、ついで水素吸蔵および
脱水素の水素処理を行うことにより磁気的異方性に優れ
たＲ−Ｆｅ−Ｂ系磁石合金粉末を製造することができ、
この磁気的異方性に優れたＲ−Ｆｅ−Ｂ系磁石粉末を用
いて製造されたボンド磁石は優れた磁気特性を示すこと
がわかる。
質化処理したインゴットを平均径Ｘが０．０３〜５０mm
でかつそのバラツキがＸ±０．５Ｘの範囲内にあるよう
に破砕調整して得られたブロック角、またはインゴット
を予め平均径Ｘが０．０３〜５０mmでかつそのバラツキ
がＸ±０．５Ｘの範囲内にあるように破砕調整して得ら
れたブロック角を均質化処理し、ついで水素吸蔵および
脱水素の水素処理を行うことにより磁気的異方性に優れ
たＲ−Ｆｅ−Ｂ系磁石合金粉末を製造することができ、
この磁気的異方性に優れたＲ−Ｆｅ−Ｂ系磁石粉末を用
いて製造されたボンド磁石は優れた磁気特性を示すこと
がわかる。
【００１５】しかし、上記平均径Ｘが０．０３〜５０mm
の範囲から外れるかまたはバラツキがＸ±０．５Ｘの範
囲から外れると（表１および表２において、これらの範
囲から外れている値に＊印を付して示した）、得られた
磁石合金粉末の磁気異方性が低下し、したがってこれら
磁石合金粉末を用いて製造したボンド磁石の磁気特性も
低下することがわかる。
の範囲から外れるかまたはバラツキがＸ±０．５Ｘの範
囲から外れると（表１および表２において、これらの範
囲から外れている値に＊印を付して示した）、得られた
磁石合金粉末の磁気異方性が低下し、したがってこれら
磁石合金粉末を用いて製造したボンド磁石の磁気特性も
低下することがわかる。
フロントページの続き (72)発明者 小川 保 埼玉県大宮市北袋町１−297 三菱マテ リアル株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平３−146608（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−23902（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−129703（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−5501（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−71602（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B22F 9/04 B22F 1/00 H01F 1/053
Claims (2)
- 【請求項１】 Ｙを含む希土類元素（以下、Ｒで示す）
とＦｅ（Ｆｅの一部をＣｏで置換したものも含む）とＢ
を主成分とする合金を溶解し鋳造してインゴットを作製
し、このインゴットを均質化処理したのち破砕し、破砕
して得られたブロック角を水素吸蔵および脱水素処理
し、ついで冷却したのち粉砕する希土類−Ｆｅ−Ｂ系磁
石合金粉末の製造法において、 上記均質化処理したインゴットを破砕して得られたブロ
ック角の平均径をＸとすると、ブロック角の平均径のバ
ラツキをＸ±０．５Ｘの範囲内に抑え、かつＸは０．０
３〜５０mmであることを特徴とする希土類−Ｆｅ−Ｂ系
磁石合金粉末の製造法。 - 【請求項２】 ＲとＦｅ（Ｆｅの一部をＣｏで置換した
ものも含む）とＢを主成分とする合金を溶解し鋳造して
インゴットを作製し、このインゴットを破砕して得られ
たブロック角を均質化処理したのち水素吸蔵および脱水
素処理し、ついで冷却したのち粉砕する希土類−Ｆｅ−
Ｂ系磁石合金粉末の製造法において、 上記インゴットを破砕して得られたブロック角の平均径
をＸとすると、ブロック角の平均径のバラツキをＸ±
０．５Ｘの範囲内に抑え、かつＸは０．０３〜５０mmで
あることを特徴とする希土類−Ｆｅ−Ｂ系磁石合金粉末
の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3349932A JP2827643B2 (ja) | 1991-12-10 | 1991-12-10 | 希土類−Ｆｅ−Ｂ系磁石合金粉末の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3349932A JP2827643B2 (ja) | 1991-12-10 | 1991-12-10 | 希土類−Ｆｅ−Ｂ系磁石合金粉末の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05163509A JPH05163509A (ja) | 1993-06-29 |
| JP2827643B2 true JP2827643B2 (ja) | 1998-11-25 |
Family
ID=18407086
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3349932A Expired - Fee Related JP2827643B2 (ja) | 1991-12-10 | 1991-12-10 | 希土類−Ｆｅ−Ｂ系磁石合金粉末の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2827643B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6444052B1 (en) | 1999-10-13 | 2002-09-03 | Aichi Steel Corporation | Production method of anisotropic rare earth magnet powder |
-
1991
- 1991-12-10 JP JP3349932A patent/JP2827643B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05163509A (ja) | 1993-06-29 |
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