JP2745042B2 - 希土類−鉄−ボロン系合金薄板、合金粉末及び永久磁石の製造方法 - Google Patents

希土類−鉄−ボロン系合金薄板、合金粉末及び永久磁石の製造方法

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JP2745042B2 JP6158193A JP15819394A JP2745042B2 JP 2745042 B2 JP2745042 B2 JP 2745042B2 JP 6158193 A JP6158193 A JP 6158193A JP 15819394 A JP15819394 A JP 15819394A JP 2745042 B2 JP2745042 B2 JP 2745042B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、R(ただし、RはNd
またはPrの少なくとも1種を含むYおよび希土類元
素)、Fe、B、又はR、Fe、Co、Bを主成分とす
合金薄板、合金粉末及び永久磁石の製造方法に関し
特に改善された組織を有する薄板の製造方法、該合金薄
板が粉砕された磁気異方性合金粉末の製造方法、該合金
粉末が焼結されて高い磁気特性が得られるR−Fe−B
系及びCo置換R−Fe−B系の永久磁石の製造方法に
関する。 【0002】 【従来の技術】永久磁石材料は一般の家電製品から大型
コンピューターの周辺端末機まで幅広い分野で使われる
極めて重要な電気・電子材料の一つである。近年、電気
・電子機器の小型化、軽量化、高効率化に伴い永久磁石
はますます高性能化が要求されるようになった。 【0003】最近、R−Fe−B系合金(R−Fe−C
o−B系台金)が新しい高性能永久磁石として注目され
ている。その成分はFe100−a−b、又は
(Fe1−xCo100−a−b(ただ
し、0<X≦20at%であり、RはNdまたはPrの
少なくとも1種を含むYおよび希土類元素から成る成
分、a、bは含有率でそれぞれa:10〜20at%、
b:4〜10at%)[特公昭61−34242号公
報、IEEE Trans.Magn.MAG−20,
1584(1984)]が知られている。 【0004】さらに、希土類−鉄−ボロン系永久磁石合
金としては、上記R−Fe−B系、及びFeをCo置換
したR−Fe−Co−B系を基本系とする合金に、残留
磁化、保磁力若しくは最大エネルギ積の向上、残留磁化
若しくは保磁力の温度特性の向上、又は耐食性の向上等
を目的として種々の添加元素を加えたり、あるいは希土
類R、鉄、及びBを夫々、他の希土類元素、遷移金属、
半金属(C、Si等)で置換することが公知であり、ま
た工業上不可避に混入する不純物を上記基本系(磁気異
方性正方晶化合物)を主相とする範囲で許容することが
公知である。 【0005】例えば、特開昭59−46008号公報に
は、R−Fe−B系永久磁石合金が記載されており、特
にNd、Prの一種以上を主体とする(少なくとも50
%以上)ことが好ましく、加えてRとして軽希土類、重
希土類及びミッシュメタル、ジジムが使用でき、Feの
一部をCo、Niで置換することによりキュリー点の上
昇ができ、BをC、N、Si、Pで置換でき、R−Fe
−Bの基本系にAl、Ti、V、Cr、Zn、Zr、N
b、Mo、Ta、W、Sn、Bi、Sbの一種以上を添
加することにより高保磁力化が可能なことが記載されて
いる。 【0006】特開昭60−32306号公報には、R−
Fe−B系において、RがR(Nd,Prを主体、8
0%以上)とR(Dy、Tb、Gd、Ho、Er、T
m、Yb)からなり、即ちRをDy等の重希土類で置換
した保磁力の改善された(R、R)−Fe−B系永
久磁石合金が記載されている。 【0007】特開昭59−64733号公報には、残留
磁化の温度特性が優れたR−Fe−Co−B系永久磁石
合金が記載されており、加えてRとして軽希土類、重希
土類及びミッシュメタル、ジジムが使用でき、Feの一
部をNiで置換することにより耐食性の向上ができ、B
をC、N、Si、P等で置換でき、R−Fe−Co−B
の基本系にAl、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Ni、
Zn、Ge、Hf、Zr、Nb、Mo、Ta、W、S
n、Bi、Sbの一種以上を添加することにより高保磁
力化が可能なことが記載されている。 【0008】特開昭60−34005号公報には、R−
Fe−Co−B系において、RがR(Nd、Pr)と
(Dy、Tb、Gd、Ho、Er、Tm、Yb)か
らなり、即ちRをDy等の重希土類で置換した保磁力の
改善された(R、R)−Fe−Co−B系永久磁石
合金が記載されている。 【0009】特開昭59−89401号公報には、R−
Fe−B系にM元素を単独又は複合添加した保磁力増大
の効果を示すR−Fe−B−M系永久磁石合金が記載さ
れている。M元素としてはTi、Ni、Bi、V、N
b、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Al、Sb、Ge、
Sn、Zr、Hfが記載されている。 【0010】特開昭59−132104号公報には、R
−Fe−Co−B系にM元素を単独又は複合添加した保
磁力増大の効果を示すR−Fe−Co−B−M系永久磁
石合金が記載されている。M元素としてはTi、Ni、
Bi、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Al、
Sb、Ge、Sn、Zr、Hfが記載されている。R−
Fe−Co−B系にM元素(金属元素、半金属元素等)
を添加した永久磁石合金が記載されている。 【0011】希土類−鉄−ボロン系合金からなる永久磁
石の製造方法として、大別して粉末冶金法とメルトスピ
ン法(液体超急冷法)の二つが知られている。 【0012】粉末冶金法は溶湯を鋳型に鋳込んだインゴ
ットを出発素材とし、そのインゴットをスタンプミル、
ジョークラッシャーなどで粗粉砕し、さらにディスクミ
ル、ボールミル、アトライターミル、ジェットミルなど
を用いて平均粒径が3〜5μmの粉末に微粉砕した後、
磁場中プレスによって成形体を作成し、それを1000
〜1150℃の温度範囲で焼結する。その後、必要に応
じ400〜900℃の温度範囲で時効処理することによ
り保磁力を増大させる焼結永久磁石の製造方法である。 【0013】希土類−鉄−ボロン系永久磁石は、磁気特
性、特に、残留磁束密度を向上させるために、以下Rが
Ndの場合で述べるが、NdあるいはBの含有率を減少
させる必要がある。ただし、少なくとも化学量論的にN
Fe14Bを形成し、かつ、過剰のFeが存在しな
いだけのNdあるいはBが必要である。(なお、一般的
には、このNdをRで代表させて同様な議論ができ
る。) 【0014】しかし、NdあるいはBを減少させていく
と、Nd≦15at%あるいはB≦8at%の範囲にお
いてインゴットの冷却過程で初晶としてγFeの析出が
起こり、それが冷却後αFeとしてインゴット中に偏析
する。この残留αFeは本系合金を磁石にした場合に磁
気特性を低下させる相である。 【0015】そこでインゴットを1000〜1150℃
の範囲で均質化焼き鈍しすることによって、残留αFe
を減少させる方法が考えられる(特開昭61−1435
53号公報参照)。 【0016】しかし、この焼き鈍しによって主相(Nd
Fe14B)が粗大化し磁気特性を低下させる原因と
なる。現在、採用されている水冷銅鋳型(特公昭61−
34242号公報)へ鋳込む程度の冷却速度では不十分
であり残留αFeは抑制されず結晶粒が粗大化し不均質
なインゴットとなる。そのため粉砕効率が低かった。N
d>15at%あるいはB>8at%の範囲において
は、残留αFeはほとんど存在しないが、水冷銅鋳型へ
鋳込む方法では結晶粒が粗大化し偏析か多く磁気特性を
低下させる原因となる。 【0017】一方、溶湯を急冷し直接薄帯にする方法
(特開昭61−15943号公報、特開昭61−159
44号公報)が発明されているが、これらは薄帯の状態
で永久磁石として使用することが特徴であり、粉末冶金
法を用いて製造する素材にはなり得ない。 【0018】また、特開昭60−89546号公報に
は、溶湯急冷法により5μm以下の微細な粒状結晶から
なる複合組織より構成され、主相が正方晶化合物である
リボン状細片が記載されているが、このリボン状細片に
おいて結晶粒が5μm以下、特に3μm以下になると、
単結晶粒子にすることが技術上困難であり、粉末冶金法
の場合配向性が劣化し磁気異方性を活かした高磁気特性
が得られない。さらに、粉砕によって微細粒化しようと
すると酸化の危険が増大する。 【0019】 【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来の知
見によれば、粉末冶金法を用いて製造する焼結磁石用イ
ンゴットを水冷銅鋳型を用いて製造する場合、結晶粒の
粗大化、αFeの残留・偏析、さらに粉砕効率が低いと
言う問題があった。しかしながら、それ以外の方法で
は、高性能の特に磁気異方性焼結永久磁石を製造するた
めの粉末冶金法用いる上で有用なR−Fe−B系ないし
Co置換R−Fe−B系の合金片を得ることは困難であ
り、さらに改善が望まれていた。 【0020】本発明は、従来法の上記問題点を解決し、
磁気特性の高い磁性材料、特に永久磁石の原料となるR
−Fe−B系又はCo置換R−Fe−B系合金からなる
磁気 異方性焼結永久磁石原料用の薄板、磁気異方性焼結
永久磁石原料用の磁気異方性合金粉末、及び磁気異方性
焼結永久磁石の製造方法を提供しようとするものであ
る。 【0021】すなわち、上記問題点を解決するために本
発明の手段は以下の通りである。 【0022】第1の視点においては、R、Fe及びB
(ただし、RはNdまたはPrの少なくとも1種を含む
Yおよび希土類元素から成る成分)を主成分とする合金
の溶湯を、冷却速度10〜10℃/sのオーダで溶
湯急冷して、板厚を0.05〜3mmとし、αFeの偏
析が実質的に存在せず、主相を成すRFe14B型柱
状結晶の均質な組織を有し、かつ、前記柱状結晶の短軸
方向の平均結晶粒径が3〜20μmである薄板を得るこ
とを特徴とする。 【0023】第2の視点においては、R、Fe及びB
(ただし、RはNdまたはPrの少なくとも1種を含む
Yおよび希土類元素から成る成分)を主成分とする合金
の溶湯を、冷却速度10〜10℃/sのオーダで溶
湯急冷して、板厚を0.05〜3mmとし、αFeの偏
析が実質的に存在せず、主相を成すRFe14B型柱
状結晶の均質な組織を有し、かつ、前記柱状結晶の短軸
方向の平均結晶粒径が3〜20μmである薄板を得て、
該薄板を粉砕して、RFe14B系化合物を主相と
し、各粉末粒子において、RFe14B系化合物
質的に単結晶として存在する合金粉末を得ることを特徴
とする。 【0024】第3の視点においては、R、Fe及びB
(ただし、RはNdまたはPrの少なくとも1種を含む
Yおよび希土類元素から成る成分)を主成分とする合金
の溶湯を、冷却速度10〜10℃/sのオーダで溶
湯急冷して、板厚を0.05〜3mmとし、αFeの偏
析が実質的に存在せず、主相を成すRFe14B型柱
状結晶の均質な組織を有し、かつ、前記柱状結晶の短軸
方向の平均結晶粒径が3〜20μmである薄板を得て、
該薄板を粉砕して、RFe14B系化合物を主相と
し、各粉末粒子において、RFe14B系化合物が実
質的に単結晶として存在する合金粉末を得た後、該合金
粉末を用いて粉末冶金法によりRFe14B系化合物
を主相とする永久磁石を製造することを特徴とする。 【0025】第4の視点においては、R、Fe、Co及
びB(ただし、RはNdまたはPrの少なくとも1種を
含むYおよび希土類元素から成る成分)を主成分とする
合金の溶湯を、冷却速度10〜10℃/sのオーダ
で溶湯急冷して、板厚を0.05〜3mmとし、αFe
の偏析が実質的に存在せず、主相を成すCo置換R
14B型柱状結晶の均質な組織を有し、かつ、前記柱
状結晶の短軸方向の平均結晶粒径が3〜20μmである
薄板を得ることを特徴とする。 【0026】第5の視点においては、R、Fe、Co及
びB(ただし、RはNdまたはPrの少なくとも1種を
含むYおよび希土類元素から成る成分)を主成分とする
合金の溶湯を、冷却速度10〜10℃/sのオーダ
で溶湯急冷して、板厚を0.05〜3mmとし、αFe
の偏析が実質的に存在せず、主相を成すCo置換R
14B型柱状結晶の均質な組織を有し、かつ、前記柱
状結晶の短軸方向の平均結晶粒径が3〜20μmである
薄板を得て、該薄板を粉砕して、Co置換RFe14
B系化合物を主相とし、各粉末粒子において、Co置換
Fe14B系化合物が実質的に単結晶として存在す
る合金粉末を得ることを特徴とする。 【0027】第6の視点においては、R、Fe、Co
B(ただし、RはNdまたはPrの少なくとも1種を
含むYおよび希土類元素から成る成分)を主成分とする
合金の溶湯を、冷却速度10〜10℃/sのオーダ
で溶湯急冷して、板厚を0.05〜3mmとし、αFe
の偏析が実質的に存在せず、主相を成すCo置換R
14B型柱状結晶の均質な組織を有し、かつ、前記柱
状結晶の短軸方向の平均結晶粒径が3〜20μmである
薄板を得て、該薄板を粉砕して、Co置換RFe
14B系化合物を主相とし、各粉末粒子において、Co
置換RFe14B系化合物が実質的に単結晶として存
在する合金粉末を得た後、該合金粉末を用いて粉末冶金
法によりCo置換RFe14B系化合物を主相とする
永久磁石を製造することを特徴とする。 【0028】 【好適な手段】上記第1〜第6の視点において、好適な
手段は、薄板の板厚を0.5〜2.5mmとするもので
ある。また、RFe14B型柱状結晶の成長方向が略
板厚方向(図1参照)となることを特徴とする。これら
の好適な手段は、Co置換したものに(第4〜第6の視
点)対しても好ましい手段である。 【0029】さらに、上記第1〜第3の視点において、
好適な手段は、Fe100−a−b(ただし、
RはNdまたはPrの少なくとも1種を含むYおよび希
土類元素から成る成分、a、bは含有率でそれそれa:
10〜20at%、b:4〜10at%)なる合金の溶
湯である。 【0030】また、上記第4〜第6の視点において、好
適な手段は、(Fe1−xCo100−a−b
(ただし、0<X≦20at%であり、RはNdま
たはPrの少なくとも1種を含むYおよび希土類元素か
ら成る成分、a、bは含有率でそれそれa:10〜20
at%、b:4〜10at%)なる合金の溶湯である。 【0031】 【作用】本発明の溶湯急冷法によるR−Fe−B系又は
Co置換R−Fe−Co−B系磁気異方性正方晶化合物
合金を主相とする微細な柱状結晶粒子から成る均質な微
細柱状組織の薄板、それから得られる粉末、永久磁石の
製造方法を用いることによって、αFeの偏析が実質的
に生じていず、主相を成すRFe14B型結晶の柱状
晶組織の均質化がなされている上記薄板、粉末、永久磁
石が提供できるので、結晶粒径の微細化かつ均質化が可
能であり、永久磁石の高性能化、特に、保磁力を顕著に
増加させることが可能となり、さらに、αFeの偏析を
十分抑止できるので薄板の均質化焼き鈍しが不要とな
り、薄板から粉末への粉砕効率も向上し、特に微粉砕の
際に酸化を抑制できるから工業的価値が高い。 【0032】また、さらに組成、製造条件等を定めれ
ば、本発明の製造方法によって本系永久磁石の一層の高
性能化の可能性が大である。 【0033】上記構成のもと、本発明で用いる合金の好
ましい成分組成について述べるが、本発明の製造方法に
用いられる溶湯の成分組成を必ずしも限定するものでは
ない。 【0034】成分組成はFeをベースとし、Rは本発明
の高性能磁石を得るために不可欠の希土類元素であり、
通常一種をもって足りるが実用上は二種以上の混合物を
用いることができる。 【0035】本発明の好ましい態様として、主としてN
dまたはPrの少なくとも1種を用いるのは、その磁気
特性が特に優れているからである。しかし、Rが10a
t%に満たないと充分な保磁力が得られず、一方、20
at%を超えて添加すると残留磁束密度が低下し磁気特
性が低下する。以上の理由からRを10〜20at%の
範囲が好ましい。Nd、Prの一種以上は全Rの50a
t%以上が好ましく、より好ましくは80at%以上で
あり、Rは実質的にNd、Prの1種以上のみであって
も差し支えない。 【0036】Bは主相であるNdFe14B相(R
Fe14B相)の生成を安定させるが4at%未満では
その生成が不安定で、10at%を超えると残留磁束密
度が低下するので4〜10at%の範囲が好ましい。 【0037】CoはR−Fe−B型合金、化合物のキュ
ーリー温度を上昇させ、耐温度特性を向上させるのでF
eに対して20at%まで置換させてもよいが、それ以
上置換すると他の磁気特性が低下するので好ましくな
い。 【0038】なお、本発明の製造方法に係る薄板、粉末
及び永久磁石をなす合金においては、本発明の特徴とす
る組織を有する範囲で、公知の所定元素の置換、添加を
行なうことができるし、また工業上不可避の不純物を含
むことがある。 【0039】次に本発明のポイントである好ましくは土
記成分を有する合金系の溶湯を急冷する方法について説
明する。 【0040】溶湯急冷法としては、特開昭60−895
46号公報等で公知のロール法(単ロール法及び双ロー
ル法)、回転ディスク法等を用いることができる。 【0041】本発明において、急冷する方法としては、
双ロール法を用いることが望ましく、実用的である。 【0042】冷却速度については、下記に述べるように
本発明の所定の均質な結晶組織を得るために制御され、
ロール周速を調節すること、及びロールの材質、形状を
調節することにより設定され、さらには生成薄板の結晶
組織、さらには結晶粒径の状態から実験的に最適化され
るものであるが、10℃/s〜10℃/sのオーダ
が好ましく、おおよそ10℃/s〜10℃/s程度
のオーダがさらに好ましい。 【0043】次に板厚の限定理由と短軸方向の結晶粒径
とについて述べる。なお、短軸方向の結晶粒径とは、主
相を成すRFe14B型結晶の急冷によって成長する
柱状晶の成長方向に垂直な方向の粒径である。 【0044】板厚が0.05mmより薄くなると急冷効
果が過大になり短軸方向の平均結晶粒径が3μmより小
さくなる確率が高くなり磁気特性が低下するので板厚を
0.05mm以上とした。逆に、板厚が3mmより厚く
なると冷却速度が遅くなり柱状晶の組織が不均質な組織
となり、αFeが残留し磁気特性が低下するので板厚を
3mm以下とした。なお、その場合短軸方向の平均結晶
粒径が20μmを越える傾向がある。また、板厚が0.
5〜2.5mmで、短軸方向の平均結晶粒径が20μm
以下、さらに好ましくは10〜15μmであることで一
層保磁力が上昇し好ましい。 【0045】さらに、短軸方向の平均結晶粒径について
は、3μmより小さくなると、薄板を単結晶まで粉砕す
る場合(磁場中プレスによる磁場配向度を高めるため薄
板を結晶粒径以下の単結晶サイズまで粉砕する必要があ
る)、酸化が非常に大きくなるため磁気特性が低下す
る。また、粉砕も困難となる。逆に短軸方向の平均結晶
粒径が20μmより大きくなると結晶の粒径分布が不均
一となり、それらを粉砕した後の粒子の粒径分布も不均
一となる傾向があり、磁気特性が低下のおそれがある。 【0046】さらに、板厚を0.5〜2.5mmとして
冷却速度を制御し結晶粒径の微細化及び組織の均質化が
されることにより、あるいは短軸方向の平均結晶粒径を
10〜15μmの一層均質な組織にすると、微粉砕後の
粉末粒子の粒径分布が狭くなり磁気特性がさらに向上し
好ましい。また、柱状晶組織の均質化及び結晶粒径の微
細化により、例えばジェットミルを用いた場合で、水冷
銅鋳型のインゴットからに比べて粉末への粉砕効率が少
なくとも2、3倍程度向上する。 【0047】本発明により製造した板厚0.05〜3m
mの薄板を粉砕し、磁場中プレス、焼結、熱処理を行な
って製造した永久磁石の保磁力は、水冷銅鋳型に鋳造し
たインゴットを用いて同一方法で製造した永久磁石の保
磁力に比べて顕著に増加する。これは本発明によって結
晶粒径が微細化され、特に残留αFeが抑制されて均質
な柱状晶組織が得られ薄板組織が均質化されたためであ
ると考えられる。なお、焼結時に補助成分を含むことが
でき(例、焼結助材)、その他公知の物質を含むことが
できる。 【0048】また、さらに組成、製造条件等を定めれ
ば、本発明による磁気異方性焼結永久磁石は一層の高性
能化の可能性が大であり、希土類−鉄−ボロン系永久磁
石の磁気性能の理論的最大値に迫る期待がある。 【0049】以下、実施例を示す。 【0050】 【実施例】(実施例1) 出発原料として、純度99.9wt%の電解鉄、99.
9wt%のNd、および、99.9wt%のBをNd
12.3Fe79.7になるように所定量配合して
高周波誘導加熱により溶解し、直径300mmの銅製ロ
ール2本を併設した双ロール式薄板製造装置を用いて溶
湯急冷法により板厚1.1mmの薄板を得た。ただし、
すべてAr雰囲気中で行った。 【0051】この薄板を48メッシュ以下まで粗粉砕し
た。この段階で、粗粉砕粉に本系磁石の焼結性を高める
ために、予め水冷銅鋳型に鋳込んで作成したNd−Fe
−B三元共晶成分(Nd69.8Fe
23.56.7)の48メッシュ以下の粗粉砕粉を焼
結助材として4.8wt%添加し充分混合した。 【0052】さらに、この混合粉をジェットミルによっ
て微粉砕し平均粒径3.5μm(従って、ほとんどの合
金粉末は単結晶粉末)磁気異方性合金粉末を得た。こ
の合金粉末を16kOeの磁場中で配向させ1.5to
n/cmの圧力で加圧し幅10mm×高さ10mm×
長さ20mmの成形体を得た。この成形体を1080℃
×1h、真空中で焼結し、続いて600℃×1hAr中
で時効処理し磁気異方性焼結永久磁石を得た。なお、粉
砕時、薄板からの方が水冷銅鋳型のインゴットからに比
べて粉末への粉砕効率が2、3倍以上高かった。 【0053】本発明の実施例による双ロール薄板の組織
写真を第1図に、および薄板を粉砕、焼結して得られた
磁気異方性焼結永久磁石の磁気特性値を第1表(a)に
それぞれ示した。第1図において薄板組織中に残留αF
eはほとんど認められず、主相を成すRFe14B型
結晶の急冷によって、本実施例(第1図参照)では基本
的に板厚方向(略板厚方向)に成長している柱状晶の成
長方向に垂直な方向である短軸方向の平均結晶粒径が9
μm程度であり、短軸方向の結晶粒径の分布の幅は3〜
20数μmの狭い範囲にあり、即ち均質な組織となって
いる。なお、基本的に板厚方向(略板厚方向)に成長と
は、全ての柱状結晶が板厚方向に成長し ているのではな
いが、大半の柱状結晶が板厚方向ないし板厚方向に対し
て若干傾斜した方向に成長している様子を指している。
また、薄板において柱状晶の短軸方向の平均結晶粒径が
9μm程度であり、薄板を平均粒径3.5μmの粉末ま
で粉砕するから、上述したように、得られた各粉末粒子
において、R Fe 14 B系化合物は実質的に単結晶と
して存在する。このような粉末を土述の粉末冶金法を用
いて焼結した磁気異方性焼結永久磁石において、保磁力
(iHc)11.0kOe、残留磁束密度(Br)1
2.8kG、最大エネルギー積(BH)max37.0
MGOeの磁気特性値が得られた。なお、薄板における
上記柱状晶の結晶粒径は、図中板厚方向に等間隔に(但
し両側を除く)4本、板長さ方向に伸長する基準線を引
き、各々の基準線と交差する結晶の交差点を基準とし
て、その結晶幅の最短距離を測定することによって得
た。 【0054】次に、比較のために同一成分の合金を水冷
銅鋳型へ鋳造し、以下同一方法で永久磁石を得た。イン
ゴットの組織写真を第2図に、およびインゴットを粉
砕、焼結して得られた磁気異方性焼結永久磁石の磁気特
性値を第1表(b)にそれぞれ示した。第2図におい
て、水冷銅鋳型に接していない領域で残留αFeが多く
認められ、柱状の結晶成長は認められるものの短軸方向
の結晶粒径が50μmを超えた不均質な組織となってい
る。このインゴットを粉砕し、焼結した磁気異方性焼結
永久磁石において、保磁力7.3kOe、残留磁束密度
12.8kG、最大エネルギー積36.0MGOeの磁
気特性値が得られた。 【0055】 【表1】【0056】双ロール薄板材と比較材を比較すると双ロ
ール薄板材を用いた方が保磁力が顕著に増加した。 【0057】(実施例2) Nd15.5Fe76.38.2の双ロール薄板材を
実施例1と同一の方法で製造した。この薄板材を48メ
ッシュ以下まで粗粉砕し、さらに、ジェットミルによっ
て微粉砕し平均粒径3.5μmの磁気異方性合金粉末を
得た。この合金粉末を16kOeの磁界中で配向させ、
1.5ton/cmの圧力で加圧し、幅10mm×高
さ10mm×長さ20mmの成形体を得た。この成形体
を1080℃×1h、真空中で焼結し、続いて600℃
×1hAr中で時効処理し磁気異方性焼結永久磁石を得
た。この時の磁気特性値を第2表(a)に示した。保磁
力13.5kOe、残留磁束密度12.2kG、最大エ
ネルギー積34.0MGOeの磁気特性値が得られる。 【0058】次に比較のために同一成分の合金を水冷銅
鋳型へ鋳造し、以下同一方法で永久磁石を得た。 【0059】この時の磁気特性値を第2表(b)に示し
た。保磁力9.5kOe、残留磁束密度12.2kG、
最大エネルギー積33.0MGOeの磁気特性値が得ら
れた。磁気異方性焼結永久磁石の原料である双ロール鋳
造材と比較材を比較すると両材料とも組成上の根拠から
Rが多いため残留αFeが認められなかった、双ロー
薄板材の方が短軸方向の結晶粒径の分布幅が狭くなっ
て細かく均質化し、その結果として、これを粉砕、焼結
して得られる磁気異方性焼結永久磁石の保磁力が顕著に
増加した。 【0060】 【表2】 【0061】(実施例3) 板厚が2、3、4mmの双ロール薄板材を実施例1と同
一の方法で製造し、さらに、これらの薄板材から実施例
1と同一方法で磁気異方性焼結永久磁石を得た。板厚と
短軸方向の平均結晶粒径および保磁力の関係を第3表に
示す。第3表から板厚を2mm(平均結晶粒径13μ
m)および3mm(平均結晶粒径18μm)に制御した
薄板を粉砕、焼結して得られる永久磁石の保磁力は板厚
4mm(平均結晶粒径40μm)の薄板を用いて同様に
得られる永久磁石の保磁力よりも顕著に増加した。ま
た、いずれの双ロール薄板材とも、実施例1及び2中の
比較材(水冷銅鋳型からのインゴット)に比べて粉砕効
率が高かった。 【0062】 【表3】 【0063】(実施例4) 出発原料として、純度99.9wt%の電解鉄、99.
9wt%のNd、99.9wt%のBおよび99.9w
t%のCoを、Nd12.4Fe75.6Co4.0
になるように所定量配合して高周波誘導加熱により溶
解し、以下500℃×1hAr中で時効処理する以外実
施例1と同様にして磁気異方性焼結永久磁石を得た。 【0064】その際得られた合金薄板には残留αFeは
認められず、その主相を成すCo置換RFe14B型
結晶の短軸方向の平均結晶粒径は3〜20μmの範囲に
ある均質な組織が得られた。 【0065】そこで、第4表(a)に示す保磁力(iH
c)10.6kOe、残留磁束密度12.9kG、最大
エネルギー積((BH)max)37.6MGOeの磁
気特性値が得られた。 【0066】次に、比較のために同一成分の合金を水冷
銅鋳型へ鋳造し、以下同一方法で磁気異方性焼結永久磁
石を得た。 【0067】 【表4】 【0068】双ロール薄板材と比較材を比較すると双ロ
ール薄板材を用いた方が保磁力が顕著に増加した。 【0069】(実施例5) Nd15.5Fe74.3Co4.06.2の双ロー
薄板材を実施例1と同一の方法で製造した。以下50
0℃×1hAr中で時効処理する以外は実施例2と同一
方法で磁気異方性焼結永久磁石を得た。 【0070】この時の磁気特性値を第5表(a)に示し
た。保磁力13.1kOe、残留磁束密度12.3k
G、最大エネルギー積34.2MGOeの磁気特性値が
得られる。 【0071】次に比較のために同一成分の合金を水冷銅
鋳型へ鋳造し、以下同一方法で永久磁石を得た。 【0072】この時の磁気特性値を第5表(b)に示し
た。保磁力8.8kOe、残留磁束密度12.3kO
e、最大エネルギー積32.9MGOeの磁気特性値が
得られた。双ロール薄板材と比較材を比較すると両材料
とも組成上の根拠からRが多いため残留αFeが認めら
れなかった、双ロール薄板材の方が柱状晶の短軸方向
の結晶粒径の分布幅が狭くなって細かく均質化し、その
結果として永久磁石の保磁力が顕著に増加した。 【0073】 【表5】 【0074】 【発明の効果】以上述べたように、本発明は、溶湯急冷
を用いて所定速度範囲で溶湯を急冷することにより、
R−Fe−B系又はCo置換R−Fe−Co−B系磁気
異方性正方晶化合物合金を主相とする微細な柱状結晶粒
子から成る均質な微細柱状組織の薄板を提供し、さら
に、この薄板を粉砕して磁気異方性合金粉末を提供し
この粉末を焼結して磁気異方性焼結永久磁石を提供す
る。 詳細には、薄板において、αFeの偏析が実質的に
生じていず、主相を成すRFe14B型結晶の柱状組
織の均質化がなされているので、薄板を粉砕して得られ
る磁気異方性合金粉末においても、αFeの偏析が実質
的に生じていず、均質な粉末が得られる。また、この粉
末を用いて、αFeの偏析が実質的に生じていず、結晶
粒径微細化かつ均質化された高性能、特に、保磁力
が顕著に増加した磁気異方性焼結永久磁石が得られる。
さらに、薄板製造段階でαFeの偏析を十分抑止できる
ので薄板の均質化焼き鈍しが不要となり、薄板から粉末
への粉砕効率も向上し、特に微粉砕の際に酸化を抑制で
きるから工業的価値が高い。すなわち、本発明によって
得られる薄板の組織は、各粉末粒子においてR Fe
14 B系化合物が実質的に単結晶として存在する大きさ
まで薄反を粉砕する際に酸化が顕著に発生するほど、か
つ粉末において主相をなす磁気異方性正方晶化合物が単
結晶として存在しないほど、かつ単 結晶粉末まで粉砕す
ることが困難であるほど微細ではなく、また、粉砕して
均一な粉末粒子径分布を有する粉末が得られないほどイ
ンゴット組織のように粗大ではなく、さらにαFeの偏
析もなく、柱状組織の均質化がなされている。 【0075】また、さらに組成、製造条件等を定めれ
ば、本発明の製造方法によって本系磁気異方性焼結永久
磁石の一層の高性能化の可能性が大である。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例1による双ロール薄板片の金属
組織を示した金属顕微鏡による金属組織写真である。 【図2】比較材としてのインゴット材の金属組織を示し
た金属顕微鏡による金属組織写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 33/02 C22C 33/02 J 38/00 303 38/00 303D H01F 1/053 H01F 1/04 H (72)発明者 溝口 利明 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新 日本製鐵株式会社 第1技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−15943(JP,A) 特開 昭60−162750(JP,A) 特開 昭62−33402(JP,A) 特開 昭62−131503(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.R、Fe及びB(ただし、RはNdまたはPrの少
    なくとも1種を含むYおよび希土類元素から成る成分)
    を主成分とする合金の溶湯を、 冷却速度10〜10℃/sのオーダで溶湯急冷し
    て、板厚を0.05〜3mmとし、αFeの偏析が実質
    的に存在せず、主相を成すRFe14B型柱状結晶の
    均質な組織を有し、かつ、前記柱状結晶の短軸方向の平
    均結晶粒径が3〜20μmである薄板を得ることを特徴
    とする希土類−鉄−ボロン系合金薄板の製造方法。 2.前記板厚が0.5〜2.5mmであることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の希土類−鉄−ボロン系
    合金薄板の製造方法。 3.Fe 100−a−b (ただし、RはNdま
    たはPrの少なくとも1種を含むYおよび希土類元素か
    ら成る成分、a、bは含有率でそれぞれa:10〜20
    at%、b:4〜10at%)なる合金の溶湯であるこ
    とを特徴とする特許計求の範囲第1項に記載の希土類−
    鉄−ボロン系合金薄板の製造方法。 4.R、Fe及びB(ただし、RはNdまたはPrの少
    なくとも1種を含むYおよび希土類元素から成る成分)
    を主成分とする合金の溶湯を、 冷却速度10 〜10 ℃/sのオーダで溶湯急冷し
    て、板厚を0.05〜3mmとし、αFeの偏析が実質
    的に存在せず、主相を成すR Fe 14 B型柱状結晶の
    均質な組織を有し、かつ、前記柱状結晶の短軸方向の平
    均結晶粒径が3〜20μmである薄板を得て、 該薄板を粉砕して、R Fe 14 B系化合物を主相と
    し、各粉末粒子において、R Fe 14 B系化合物が実
    質的に単結晶として存在する合金粉末を得ることを特徴
    とする希土類−鉄−ボロン系合金粉末の製造方法。 5.R、Fe及びB(ただし、RはNdまたはPrの少
    なくとも1種を含むYおよ び希土類元素から成る成分)
    を主成分とする合金の溶湯を、 冷却速度10 〜10 ℃/sのオーダで溶湯急冷し
    て、板目を0.05〜3mmとし、αFeの偏析が実質
    的に存在せず、主相を成すR Fe 14 B型柱状結晶の
    均質な組織を有し、かつ、前記柱状結晶の短軸方向の平
    均結晶粒径が3〜20μmである薄板を得て、 該薄板を粉砕して、R Fe 14 B系化合物を主相と
    し、各粉末粒子において、R Fe 14 B系化合物が実
    質的に単結晶として存在する合金粉末を得た後、 該合金
    粉末を用いて粉末冶金法によりR Fe 14 B系化合物
    を主相とする永久磁石を製造することを特徴とする希土
    類−鉄−ボロン系永久磁石の製造方法。 6.R、Fe、Co及びB(ただし、RはNdまたはP
    rの少なくとも1種を含むYおよび希土類元素から成る
    成分)を主成分とする合金の溶湯を、 冷却速度10 〜10 ℃/sのオーダで溶湯急冷し
    て、板厚を0.05〜3mmとし、αFeの偏析が実質
    的に存在せず、主相を成すCo置換R Fe 14 B型柱
    状結晶の均質な組織を有し、かつ、前記柱状結晶の短軸
    方向の平均結晶粒径が3〜20μmである薄板を得るこ
    とを特徴とするCo置換希土類−鉄−ボロン系合金薄板
    の製造方法。 7.(Fe 1−x Co 100−a−b (た
    だし、0<X≦20at%であり、RはNdまたはPr
    の少なくとも1種を含むYおよび希土類元素から成る成
    分、a、bは含有率でそれぞれa:10〜20at%、
    b:4〜10at%)なる合金の溶湯であることを特徴
    とする特許請求の範囲第6項記載のCo置換希土類−鉄
    −ボロン系合金薄板の製造方法。 8.R、Fe、Co及びB(ただし、RはNdまたはP
    rの少なくとも1種を含むYおよび希土類元素から成る
    成分)を主成分とする合金の溶湯を、 冷却速度10 〜10 ℃/sのオーダで溶湯急冷し
    て、板厚を0.05〜3mmとし、αFeの偏析が実質
    的に存在せず、主相を成すCo置換R Fe 14 B型柱
    状結晶の均質な組織を有し、かつ、前記柱状結晶の短軸
    方向の平均結晶粒 径が3〜20μmである薄板を得て、 該薄板を粉砕して、Co置換R Fe 14 B系化合物を
    主相とし、各粉末粒子において、Co置換R Fe 14
    B系化合物が実質的に単結晶として存在する合金粉末を
    得ることを特徴とするCo置換希土類−鉄−ボロン系合
    金粉末の製造方法。 9.R、Fe、Co及びB(ただし、RはNdまたはP
    rの少なくとも1種を含むYおよび希土類元素から成る
    成分)を主成分とする合金の溶湯を、 冷却速度10 〜10 ℃/sのオーダで溶湯急冷し
    て、板厚を0.05〜3mmとし、αFeの偏析が実質
    的に存在せず、主相を成すCo置換R Fe 14 B型柱
    状結晶の均質な組織を有し、かつ、前記柱状結晶の短軸
    方向の平均結晶粒径が3〜20μmである薄板を得て、 該薄板を粉砕して、Co置換R Fe 14 B系化合物を
    主相とし、各粉末粒子において、Co置換R Fe 14
    B系化合物が実質的に単結晶として存在する合金粉末を
    得た後、 該合金粉末を用いて粉末冶金法によりCo置換R Fe
    14 B系化合物を主相とする永久磁石を製造することを
    特徴とするCo置換希土類一鉄−ボロン系永久磁石の製
    造方法。
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