JPH04260302A - 磁石粉末およびその製造方法ならびにボンディッド磁石 - Google Patents

磁石粉末およびその製造方法ならびにボンディッド磁石

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JPH04260302A
JPH04260302A JP3042465A JP4246591A JPH04260302A JP H04260302 A JPH04260302 A JP H04260302A JP 3042465 A JP3042465 A JP 3042465A JP 4246591 A JP4246591 A JP 4246591A JP H04260302 A JPH04260302 A JP H04260302A
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magnet
particles
crystal grains
hydrogen
heat treatment
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JP3042465A
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Tetsuto Yoneyama
米山 哲人
Tsutomu Ishizaka
力 石坂
Akira Fukuno
亮 福野
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TDK Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/032Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
    • H01F1/04Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys
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    • H01F1/053Alloys characterised by their composition containing rare earth metals
    • H01F1/055Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5
    • H01F1/059Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and Va elements, e.g. Sm2Fe17N2
    • H01F1/0596Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and Va elements, e.g. Sm2Fe17N2 of rhombic or rhombohedral Th2Zn17 structure or hexagonal Th2Ni17 structure

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁石粉末およびその製
造方法ならびにボンディッド磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】高性能希土類磁石としては、Sm−Co
系磁石やNd−Fe−B系磁石が知られているが、近年
、新規な希土類磁石の開発が盛んに行なわれている。
【0003】例えば、Sm2 Fe17とNとの化合物
であるSm2 Fe17N2.3 付近の組成で、4π
Is =15.4kG、Tc =470℃、HA =1
4Tの基本物性が得られること、Znをバインダとする
メタルボンディッド磁石として10.5MGOeの(B
H)max が得られること、また、Sm2 Fe17
金属間化合物へのNの導入により、キュリー温度が大幅
に向上して熱安定性が改良されたことが報告されている
(Paper No.S1.3 at the Six
th International Symposiu
m on Magnetic Anisotropy 
and Coercivity in Rare Ea
rth−Transition Metal Allo
ys,Pittsburgh,PA,October2
5,1990.(Proceedings Book:
Carnegie Mellon Universit
y,Mellon Institute,Pittsb
urgh,PA 15213,USA) )。
【0004】しかし、Sm2 Fe17N2.3 磁石
の(BH)max の理論値である約59MGOeから
予測されるボンディッド磁石の(BH)max が約4
0MGOeであるのに比べ、上記報告に示されるボンデ
ィッド磁石の(BH)max は低い。これは、上記報
告のボンディッド磁石に用いられている磁石粒子がほぼ
単結晶粒子となる程度の粒径を有するものであり、また
、保磁力発生機構がニュークリエーションタイプである
ために、磁気特性が粒子の表面状態の影響を受け易くな
っているからであると考えられる。
【0005】すなわち、粉砕時の機械的衝撃や粒子の酸
化等により磁石粒子表面には欠陥が生じ、この欠陥によ
り磁壁が発生するが、ニュークリエーションタイプの磁
石では結晶粒内に磁壁のピンニングサイトがないため容
易に磁壁移動が起こるので、保磁力が劣化し易い。この
ため、上記提案に示される磁石は高い磁気特性が得られ
にくい。また、加熱により磁石粒子表面が酸化すると保
磁力が著しく劣化するため、キュリー温度が高いにもか
かわらず、実際に使用する際には加熱に対する安定性が
低い。しかも、粒子表面状態の悪化による磁気特性劣化
は不可逆的であるため、高温下で使用された場合、回復
不能なダメージを受ける恐れがある。
【0006】なお、上記報告に示されるボンディッド磁
石は、Znをバインダとして用いたメタルボンディッド
磁石である。メタルボンディッド磁石の磁石粒子は、成
形時に高温の溶融金属と接することにより表面が溶融す
るため、粒子表面が平滑化されて磁壁の発生が抑えられ
ると考えられ、このため上記報告ではメタルボンディッ
ド磁石を用いていると推察されるが、メタルボンディッ
ド磁石は樹脂ボンディッド磁石に比べ成形性に劣り、比
重が大きいため適用分野が狭い。また、バインダとして
メタルを用いた場合でも、ボンディッド磁石とした後に
生じた磁石粒子表面の欠陥、例えば酸化による表面状態
悪化は防止することができず、磁気特性劣化は抑えるこ
とができない。
【0007】一方、バインダとして樹脂を用いる樹脂結
合型ボンディッド磁石は、成形性に優れ、また、比重が
小さいため、各種用途に汎用されている。しかし、樹脂
結合型ボンディッド磁石では、成形時の温度が低いため
磁石粒子表面の平滑化を行なうことができず、粒子の表
面欠陥による保磁力の低下が避けられない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情からなされたものであり、磁気特性が高く、しかも熱
安定性が良好な磁石粉末およびその製造方法と、この磁
石粉末を用いたボンディッド磁石とを提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)の本発明により達成される。
【0010】(1)  Smを5〜15原子%、M(M
は、Zr、Hf、Nb、Ta、W、Mo、Ti、V、C
r、Ga、Al、Sn、PbおよびSiからなる群から
選択される少なくとも1種の元素である。)を0〜10
原子%およびNを0.5〜25原子%含有し、残部がF
e、またはFeおよびCoであり、前記残部中における
Feの含有率が20原子%以上であって、複数の結晶粒
を含み、結晶粒の平均径が1μm 以下である磁石粒子
を含有することを特徴とする磁石粉末。
【0011】(2)  異方性化された磁石粒子から構
成される上記(1)に記載の磁石粉末。
【0012】(3)  R(Rは希土類金属元素の1種
以上であり、Smを必須として含む。)およびT(Tは
Fe、またはFeおよびCoである)を含有しR2 T
17系の結晶構造を有する合金粒子に水素雰囲気中で熱
処理を施して前記R2 T17系の結晶構造をTとR水
素化物とに分解し、さらに熱処理を施して水素を放出さ
せることにより再結晶させてR2 T17系の微細結晶
粒を形成し、次いで、窒化させる工程を有することを特
徴とする磁石粉末の製造方法。
【0013】(4)  R(Rは希土類金属元素の1種
以上であり、Smを必須として含む。)、T(TはFe
、またはFeおよびCoである)およびM(Mは、Zr
、Hf、Nb、Ta、W、Mo、Ti、V、Cr、Ga
、Al、Sn、PbおよびSiからなる群から選択され
る少なくとも1種の元素である。)を含有しR2 (T
,M)17系の結晶構造を有する合金粒子に水素雰囲気
中で熱処理を施して、前記R2 (T,M)17系の結
晶構造を、T、MおよびR水素化物に分解するか、Tと
Mとの化合物およびR水素化物に分解するか、T、M、
TとMとの化合物およびR水素化物に分解し、さらに熱
処理を施して水素を放出させることにより再結晶させて
R2 (T,M)17系の微細結晶粒を形成し、次いで
、窒化させる工程を有することを特徴とする磁石粉末の
製造方法。
【0014】(5)  上記(1)または(2)に記載
の磁石粉末の製造に用いられる上記(3)または(4)
に記載の磁石粉末の製造方法。
【0015】(6)  上記(1)または(2)に記載
の磁石粉末とバインダとを含有することを特徴とするボ
ンディッド磁石。
【0016】
【作用】本発明の磁石粉末は、Sm−(Fe,Co)系
磁石に窒素(N)またはNおよびM(ただし、Mは、Z
r、Hf、Nb、Ta、W、Mo、Ti、V、Cr、G
a、Al、Sn、PbおよびSiからなる群から選択さ
れる少なくとも1種の元素である。)を含有させたもの
である。
【0017】この磁石粉末は、Nを含有するためキュリ
ー温度が高く、熱安定性に優れる。また、Nを含有する
ことにより高い飽和磁化が得られる。飽和磁化の向上は
、Nの添加により侵入型の固溶体が形成され、Fe原子
同士の距離が最適化されるためであると考えられる。
【0018】そして、本発明では磁石粉末を構成する磁
石粒子の平均結晶粒径が1μm 以下であり、結晶粒が
ほぼ単磁区に近い小さな粒径となっている。このため、
従来のSm−(Fe,Co)−N系磁石の単結晶の磁石
粒子と同程度の粒子径であっても磁石粒子内に多数の結
晶粒を含むことになるので、磁石粒子の表面欠陥は表面
付近の結晶粒にしか影響を与えず、逆磁区発生は磁石粒
子表面に留まる。
【0019】従って、粉砕時に生じた表面欠陥による磁
気特性劣化が抑えられ、樹脂結合型ボンディッド磁石に
適用した場合でも高い保磁力が得られる。また、高温環
境で使用されたときの粒子表面の酸化による磁気特性劣
化を抑えることができるため、N添加によるキュリー温
度の向上を有効に利用することができる。
【0020】さらに、保磁力発生は微細結晶粒が担うた
め、磁石粒子の径を大きくしても磁気特性が劣化するこ
とが少ない。このため、より高い耐酸化性を得ることが
でき、この意味からも熱安定性が高い。
【0021】本発明の磁石粉末の製造方法では、Feお
よびSmを含有しR2 T17系の結晶構造を有する合
金粒子に水素雰囲気中で熱処理を施す。なお、Rは希土
類金属元素であり、TはFe、またはFeおよびCoで
ある。合金粒子は水素を吸蔵し、R2 T17系の結晶
構造がR水素化物とTとに分解する。そして、さらに減
圧雰囲気で熱処理を施すことにより水素を放出させると
再結晶が生じ、R2 T17系の微細結晶粒が形成され
る。このときの平均結晶粒径は1μm 以下と極めて小
さくなる。なお、合金粒子が上記したMを含有する場合
、水素吸蔵により、TとMとR水素化物とに分解するか
、TとMとの化合物とR水素化物とに分解するか、これ
らの混合物に分解する。
【0022】水素放出後、窒素雰囲気中で熱処理するこ
とにより、合金粒子を窒化する。微細結晶粒形成後に窒
化する場合、従来と比べて窒化が容易となって、熱処理
温度が150〜350℃程度と低くて済み、また、熱処
理時間も短くて済む。このため、低温熱処理により粒子
全体を均一に窒化することができ、それに要する時間も
短くて済む。さらに、窒化のための熱処理の際には雰囲
気に混入している酸素や真空槽壁面から発生する酸素な
どにより合金粒子が酸化され易いが、低温で熱処理する
ことによりこのような酸化を抑えることができる。
【0023】本発明の磁石粉末を構成する磁石粒子は、
Mを含まないときは等方性磁石粒子となり、Mを含むと
きは異方性磁石粒子となる。
【0024】なお、Nd−Fe−B合金を水素ガス雰囲
気中で熱処理することにより、[Nd2 Fe14BH
x の形成]→[NdH2 、α−Fe、Fe2 Bへ
の分解]→[Nd2 Fe14B再結晶+↑H2 ]を
行なわせる提案がある(Paper No.W2.1 
presented at the Eleventh
 International Workshop o
n Rare Earth Magnets and 
Their Applications,Pittsb
urgh,PA,21−24 October,199
0.(Proceedings Book:Carne
gie Mellon University,Pit
tsburgh,PA 15213,USA) )。し
かし、この提案には再結晶後に窒化する旨の記載はなく
、従って、当然のことながら、再び結晶化することによ
り窒化処理が容易になることは示唆もされていない。
【0025】また、特開平2−257603号公報には
、希土類−鉄−窒素−水素系の磁性材料を含有するボン
ド磁石が開示されているが、この磁性材料の窒化と水素
化はアンモニアガス中あるいはこれと水素ガス等との混
合ガス中でなされるものであり、脱水素による再結晶は
行なわれない。そして、同公報記載の実施例において窒
素を導入する際の温度は465℃であり、本発明のよう
に150〜350℃という低温での窒化はなされていな
い。
【0026】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成を詳細に説明
する。
【0027】本発明の永久磁石材料は、Smを5〜15
原子%、好ましくは7〜14原子%、M(ただし、Mは
、Zr、Hf、Nb、Ta、W、Mo、Ti、V、Cr
、Ga、Al、Sn、PbおよびSiからなる群から選
択される少なくとも1種の元素である。)を10原子%
以下、好ましくは0.1〜5原子%、より好ましくは0
.5〜5原子%、およびNを0.5〜25原子%、好ま
しくは5〜20原子%含有し、残部が実質的にFe、ま
たはFeおよびCoであり、前記残部中におけるFeの
含有率が20原子%以上、好ましくは30原子%以上で
ある。
【0028】Smの含有率が前記範囲未満であると保磁
力 iHc が低下し、前記範囲を超えると残留磁束密
度Br が低下してしまう。なお、本発明では、Smの
一部をY、La、Ce、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb
、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等の他の希土類
金属元素の1種以上で置換してもよい。置換量が多すぎ
ると結晶磁気異方性が低下するため、これらの元素の置
換量は、Smの70%以下とすることが好ましい。
【0029】Mは、異方性磁石粒子とするために添加さ
れる元素である。異方性化効果が特に高い元素は、Ga
、Al、Zr、V、Mo、Snであり、特にGa、Al
である。Mの含有率が前記範囲を超えると、 iHc 
および最大エネルギー積(BH)max が低下してし
まう。なお、良好な異方性磁石粒子を得るためには、上
記したようにMの含有率を0.1原子%以上とすること
が好ましい。
【0030】Nの含有率が前記範囲未満となると、キュ
リー温度の上昇と飽和磁化の向上が不十分であり、前記
範囲を超えるとBr が低下する。
【0031】また、上記各元素を除いた残部がFeであ
るか、あるいはFeおよびCoであるが、残部中のFe
の含有率が前記範囲未満となるとBr が低下する。な
お、前記残部中のFe含有率の上限は特にないが、80
原子%を超えるとBr が低下する傾向にある。
【0032】なお、本発明の永久磁石材料中には、Mn
、Ni、Zn等の上記以外の元素が含有されていてもよ
い。これらの元素の含有率は3重量%以下とすることが
好ましい。また、C、B、O、P、S等の元素が含有さ
れていてもよいが、これらの元素の含有率は2重量%以
下とすることが好ましい。
【0033】本発明の磁石粉末を構成する磁石粒子は、
R2 T17系やR2 (T,M)17系の結晶粒を複
数含む。 この結晶粒の平均径は1μm 以下、好ましくは0.7
5μm 以下である。なお、結晶粒の平均径を極端に小
さくするためには、再結晶時の温度や雰囲気を厳密に制
御しかつ粒子中の温度分布を均一にすることが要求され
るので、実用的ではない。このため、結晶粒の平均径は
、通常、0.005μm 以上とすることが好ましい。 結晶粒径等の組織構造は、透過型電子顕微鏡等により確
認することができる。
【0034】以下、本発明の磁石粉末の製造に好適な方
法を説明する。
【0035】まず、目的とする組成が得られるように各
原料金属ないし合金を混合し、次いで混合物を溶解して
鋳造し、母合金インゴットを製造する。母合金インゴッ
トの結晶粒径に特に制限はないが、通常、10〜100
00μm 程度とすることが好ましい。母合金インゴッ
トの結晶粒は、R2 T17系やR2 (T,M)17
系の結晶構造を有する。
【0036】母合金インゴットには容体化処理を施すこ
とが好ましい。容体化処理は、均質性を向上させるため
に施されるものであり、処理温度は900〜1230℃
、特に1000〜1200℃、処理時間は0.5〜24
時間程度とすることが好ましい。容体化処理は種々の雰
囲気中で行なうことができるが、不活性ガス雰囲気等の
非酸化性雰囲気、還元性雰囲気、真空中等で行なうこと
が好ましい。
【0037】次に母合金インゴットを粉砕して磁石粒子
とする。粉砕手段は特に限定されず、通常の各種粉砕機
を用いればよいが、水素ガスを吸蔵させて粉砕する手段
を用いてもよい。
【0038】なお、本発明では、母合金として高速急冷
合金を用いることもできる。この場合、まず、単ロール
法や双ロール法などの高速急冷法により合金溶湯を急冷
し、薄帯、薄片ないし粒状の高速急冷合金を製造する。 この高速急冷合金を粉砕して上記した程度の寸法の磁石
粒子とする。なお、高速急冷合金にも必要に応じて容体
化処理を施してもよい。
【0039】次いで、磁石粒子を水素ガス雰囲気中で熱
処理することにより水素を吸蔵させ、結晶をTとR水素
化物とに分解する。このときの熱処理温度は350〜9
50℃、特に500〜900℃とすることが好ましく、
温度保持時間は0.1〜2時間、特に0.5〜1.2時
間とすることが好ましい。また、水素ガスの圧力は、0
.1〜10気圧、特に0.5〜2気圧とすることが好ま
しい。
【0040】水素吸蔵の際の雰囲気は、水素ガスだけに
限らず、水素ガスと不活性ガスとの混合雰囲気であって
もよい。この場合の不活性ガスとしては、例えばHeま
たはAr、あるいはこれらの混合ガスが好ましい。
【0041】なお、分解温度まで昇温する前に、80〜
300℃、特に200〜250℃にて、0.1〜1時間
、特に0.25〜0.5時間程度水素を吸蔵させること
により、その後の分解反応が十分かつ迅速に進行する。
【0042】水素吸蔵後、減圧雰囲気中で熱処理を施し
、磁石粒子から水素を放出させる。この場合の熱処理温
度は300〜900℃、特に450〜850℃とするこ
とが好ましく、温度保持時間は0.05〜5時間、特に
0.25〜1.5時間とすることが好ましい。また、圧
力は1×10−2Torr以下、特に1×10−3To
rr以下とすることが好ましく、Arガス雰囲気である
ことが好ましい。
【0043】水素放出のための熱処理は、水素吸蔵のた
めの熱処理後、降温せずに続いて行なうことが好ましい
。これにより高い生産性が得られる。
【0044】次いで、磁石粒子には窒化処理が施される
。この窒化処理は窒素ガス雰囲気中で合金粒子に熱処理
を施すものであり、これにより磁石粒子には窒素が吸収
される。窒化処理の際の保持温度は100〜600℃程
度の範囲内から選択すればよいが、本発明では微細結晶
粒を形成した後に窒化するため、150〜350℃、特
に250〜300℃という極めて低温で窒化が可能であ
る。また、温度保持時間は、0.5〜200時間、特に
2〜100時間程度とすることが好ましい。なお、窒素
ガスの圧力は0.1気圧程度以上とすることが好ましい
【0045】磁石粒子中のN量は、ガス分析法により測
定することができる。
【0046】なお、磁石粒子の平均粒子径は、通常、2
μm 以上とすることが好ましいが、十分な耐酸化性を
得るためには、磁石粒子の平均粒子径を好ましくは20
μm 以上、より好ましくは30μm 超、さらに好ま
しくは35μm 以上とすることがよい。本発明では、
磁石粒子の径によらずこのように比較的大きな径の粒子
とした場合でも、高い保磁力が得られる。また、このよ
うな粒子径とすることにより、高密度のボンディッド磁
石とすることができる。平均粒子径の上限は特にないが
、通常、1000μm 程度以下であり、好ましくは2
00μm 以下である。
【0047】本発明において平均粒子径とは、篩別によ
り求められた重量平均粒子径D50を意味する。重量平
均粒子径D50は、径の小さな粒子から重量を加算して
いって、その合計重量が全粒子の合計重量の50%とな
ったときの粒子径である。
【0048】窒化処理後の磁石粒子は、通常、バインダ
で結合されてボンディッド磁石とされる。ボンディッド
磁石としては、プレス成形を用いるコンプレッションボ
ンディッド磁石、あるいは射出成形を用いるインジェク
ションボンディッド磁石のいずれであってもよい。
【0049】ボンディッド磁石作製の際に用いるバイン
ダとしては、各種樹脂、各種金属等のいずれであっても
よいが、本発明の永久磁石材料は、樹脂バインダと組み
合わされた場合に特に高い効果を発揮する。樹脂バイン
ダの種類は特に限定されず、エポキシ樹脂やナイロン等
の各種熱硬化性樹脂や各種熱可塑性樹脂から目的に応じ
て適宜選択すればよい。また、合金粒子に対するバイン
ダの含有比率や成形時の圧力等の各種条件にも特に制限
はなく、通常の範囲から適当に選択すればよい。
【0050】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0051】[実施例1]ボンディッド磁石サンプルを
、以下に示す方法により作製した。
【0052】まず、高周波誘導加熱により母合金インゴ
ットを作製した。母合金インゴットはR2 T17系の
結晶粒を有し、平均結晶粒径は1000μm であった
。なお、結晶構造はX線回折法により確認した。
【0053】次に、インゴットに容体化処理を施した。 容体化処理は、Arガス雰囲気中にて1140〜118
0℃で2〜4時間行なった。
【0054】次いでインゴットをジョークラッシャおよ
びディスクミルにより粉砕し、ほぼ単結晶の合金粒子と
した。なお、用いた合金粒子の平均粒子径は、サンプル
No. 1〜5では37μm とし、サンプルNo. 
6では50μm とした。
【0055】次に、合金粒子を真空槽中において1気圧
の水素ガス雰囲気中で650℃に1時間保持し、水素を
吸蔵させてSm水素化物とFeとに分解し、さらに温度
を保持したまま真空槽中を5×10−4TorrのAr
ガス雰囲気とし、引き続いて620℃にて2時間熱処理
して再結晶させた。
【0056】水素ガス雰囲気中での熱処理後に合金粒子
をX線回折法により調べたところ、R2 T17系の結
晶構造がFeとSm水素化物とに分解されていることが
確認された。また、Arガス雰囲気での熱処理後には、
R2 T17系の結晶粒が形成されていることが確認さ
れた。この結晶粒の平均径は約0.5μm であった。
【0057】次いで、合金粒子に窒化処理を施した。窒
化処理は、1気圧の窒素ガス雰囲気中にて250℃で5
時間熱処理することにより行なった。
【0058】各合金粒子の組成を、下記表1に示す。な
お、組成は、蛍光X線分析装置、化学分析装置、ガス分
析装置等により調べた。
【0059】これらの合金粒子をそれぞれエポキシ樹脂
と混合した後、プレス成形し、さらに熱処理を施してコ
ンプレッションボンディッド磁石サンプルを得た。エポ
キシ樹脂は合金粒子100重量部に対し2重量部とした
。プレス成形の圧力保持時間は10秒間とし、印加圧力
は8000kgf/cm2 とした。また、樹脂硬化の
ための熱処理は、150℃にて1時間行なった。
【0060】このようにして得られた各ボンディッド磁
石サンプルに対し、保磁力 iHc 、飽和磁化4πI
s およびキュリー温度Tc の測定を行なった。
【0061】また、各サンプルを、85℃、90%RH
の空気中に500時間放置した後、室温まで降温して、
 iHc の測定を行なった。この結果を保存後 iH
c として表1に示す。
【0062】なお、比較のために、粉砕後の合金粒子を
そのまま用いたサンプルNo. 1、水素吸蔵熱処理だ
け施した合金粒子を用いたサンプルNo.2、水素吸蔵
熱処理と再結晶熱処理とを施し窒化をしなかった合金粒
子を用いたサンプルNo. 3および水素を吸蔵させず
に窒化処理だけを施した合金粒子を用いたサンプルNo
. 4を作製した。サンプルNo. 4に用いた合金粒
子は再結晶していないため250℃では十分な窒化がで
きず、500℃にて窒化処理した。
【0063】
【表1】
【0064】表1に示される結果から、本発明の効果が
明らかである。すなわち、水素吸蔵およびその放出によ
り微細結晶粒を形成し、さらに窒化した磁石粒子を用い
たサンプルでは、高い磁気特性が得られている。また、
キュリー温度が上昇し、高温保存後の不可逆的な iH
c 低下も極めて少なく、熱安定性が良好である。
【0065】そして、再結晶させて微細結晶粒を形成す
ることにより、250℃という低温で十分な窒化がなさ
れていることがわかる。
【0066】なお、サンプルNo. 2では、Sm水素
化物とFeとに分解したままであるため、表1に示され
るキュリー温度Tc はFeのTc である。
【0067】[実施例2]下記表2に示される組成を有
する合金粒子サンプルを、実施例1のサンプルで用いた
合金粒子と同様にして作製した。ただし、再結晶のため
の熱処理の際に、結晶粒径が約0.5μmとなるように
温度および時間を制御した。
【0068】これらの合金粒子では、水素ガス雰囲気中
での熱処理後、R2 (T,M)17系の結晶構造が、
Fe、M、FeとMとの化合物およびR水素化物に分解
していることがX線回折法により確認された。
【0069】なお、合金粒子サンプルNo. 1は、水
素吸蔵処理および窒化処理を施さなかったサンプルであ
る。
【0070】各合金粒子サンプルを磁界中でワックス中
に固定し、前記磁界に対し平行な方向および直角な方向
のそれぞれにおいて残留磁束密度Br を測定して、合
金粒子サンプルの異方性の度合いを調べた。結果を表2
に示す。
【0071】
【表2】
【0072】表2に示される結果から、Mの含有により
異方性磁石粒子が得られていることがわかる。
【0073】なお、表2に示される以外のMを用いた場
合でも、表2に示されるサンプルと同様な結果が得られ
た。
【0074】また、表1および表2に示される各サンプ
ルの組成において、Feの一部をCoで置換した場合、
Tc の上昇、4πIs およびBrの向上ならびに 
iHc の僅かな低下が認められた。
【0075】
【発明の効果】本発明の磁石粉末は、Nを含有するため
キュリー温度が高く、熱安定性に優れ、また、高い飽和
磁化が得られる。
【0076】そして、水素吸蔵とその放出により微細結
晶粒を形成するため、磁石粒子内に複数の結晶粒が存在
することになり、粉砕時に生じた表面欠陥による磁気特
性劣化が抑えられる。このため、磁石粒子の表面欠陥を
改善することができない樹脂結合型ボンディッド磁石に
適用した場合でも、高い保磁力が得られる。
【0077】また、高温環境で使用されたときの粒子表
面の酸化による磁気特性劣化を抑えることができるため
、N添加によるキュリー温度の向上を有効に利用するこ
とができる。
【0078】さらに、磁石粒子の径に依存せずに微細な
結晶粒が得られるため、高い耐酸化性を得るために磁石
粒子の径を大きくしても保磁力が低下しない。
【0079】また、本発明では微細結晶粒形成後に窒化
のための熱処理を行なうため、窒化のための熱処理温度
が低くて済み、また熱処理時間が短くて済む。このため
、磁石粒子全体を均質に窒化でき、また、熱処理の際の
酸化を防止でき、また、高い生産性が得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  Smを5〜15原子%、M(Mは、Z
    r、Hf、Nb、Ta、W、Mo、Ti、V、Cr、G
    a、Al、Sn、PbおよびSiからなる群から選択さ
    れる少なくとも1種の元素である。)を0〜10原子%
    およびNを0.5〜25原子%含有し、残部がFe、ま
    たはFeおよびCoであり、前記残部中におけるFeの
    含有率が20原子%以上であって、複数の結晶粒を含み
    、結晶粒の平均径が1μm 以下である磁石粒子を含有
    することを特徴とする磁石粉末。
  2. 【請求項2】  異方性化された磁石粒子から構成され
    る請求項1に記載の磁石粉末。
  3. 【請求項3】  R(Rは希土類金属元素の1種以上で
    あり、Smを必須として含む。)およびT(TはFe、
    またはFeおよびCoである)を含有しR2T17系の
    結晶構造を有する合金粒子に水素雰囲気中で熱処理を施
    して前記R2 T17系の結晶構造をTとR水素化物と
    に分解し、さらに熱処理を施して水素を放出させること
    により再結晶させてR2 T17系の微細結晶粒を形成
    し、次いで、窒化させる工程を有することを特徴とする
    磁石粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】  R(Rは希土類金属元素の1種以上で
    あり、Smを必須として含む。)、T(TはFe、また
    はFeおよびCoである)およびM(Mは、Zr、Hf
    、Nb、Ta、W、Mo、Ti、V、Cr、Ga、Al
    、Sn、PbおよびSiからなる群から選択される少な
    くとも1種の元素である。)を含有しR2 (T,M)
    17系の結晶構造を有する合金粒子に水素雰囲気中で熱
    処理を施して、前記R2 (T,M)17系の結晶構造
    を、T、MおよびR水素化物に分解するか、TとMとの
    化合物およびR水素化物に分解するか、T、M、TとM
    との化合物およびR水素化物に分解し、さらに熱処理を
    施して水素を放出させることにより再結晶させてR2 
    (T,M)17系の微細結晶粒を形成し、次いで、窒化
    させる工程を有することを特徴とする磁石粉末の製造方
    法。
  5. 【請求項5】  請求項1または2に記載の磁石粉末の
    製造に用いられる請求項3または4に記載の磁石粉末の
    製造方法。
  6. 【請求項6】  請求項1または2に記載の磁石粉末と
    バインダとを含有することを特徴とするボンディッド磁
    石。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06220507A (ja) * 1993-01-28 1994-08-09 Mazda Motor Corp 希土類−鉄−窒化物系永久磁石材料の製造方法
US5750044A (en) * 1994-07-12 1998-05-12 Tdk Corporation Magnet and bonded magnet
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US6421519B1 (en) 2000-03-24 2002-07-16 Hitachi Metals Ltd. Magnet roll having an anisotropic bonded magnet portion containing rare earth-iron-nitrogen magnet powder

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