JP2951006B2 - 永久磁石材料およびその製造方法ならびにボンディッド磁石 - Google Patents

永久磁石材料およびその製造方法ならびにボンディッド磁石

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JP2951006B2
JP2951006B2 JP2417684A JP41768490A JP2951006B2 JP 2951006 B2 JP2951006 B2 JP 2951006B2 JP 2417684 A JP2417684 A JP 2417684A JP 41768490 A JP41768490 A JP 41768490A JP 2951006 B2 JP2951006 B2 JP 2951006B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、永久磁石材料およびそ
の製造方法ならびにボンディッド磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】高性能希土類磁石としては、Sm−Co
系磁石やNd−Fe−B系磁石が知られているが、近
年、新規な希土類磁石の開発が盛んに行なわれている。
【0003】例えば、SmFe17とNとの化合物で
あるSmFe172.3付近の組成で、4πIs=
15.4kG、Tc=470℃、H=14Tの基本物
性が得られること、Znをバインダとするメタルボンデ
ィッド磁石として10.5MGOeの(BH)maxが
得られること、また、SmFe17金属間化合物への
Nの導入により、キュリー温度が大幅に向上して熱安定
性が改良されたことが報告されている(Paper N
o.S1.3 at the Sixth Inter
national Symposium on Mag
netic Anisotropy and Coer
civity in Rare Earth−Tran
sition Metal Alloys,Pitts
burgh,PA,October 25,1990.
(Proceedings Book:Carnegi
e Mellon University,Mello
nInstitute,ittsburgh,PA 1
5213,USA))。
【0004】しかし、SmFe17磁石の(BH)m
axの理諭値である約59MGOeから予測されるボン
ディッド磁石の(BH)maxが約40MGOeである
のに比べ、上記報告に示されるボンディッド磁石の(B
H)maxは低い。これは、上記報告のポンディッド磁
石に用いられている磁石粒子がほぼ単結晶粒子となる程
度の粒径を有するものであり、また、保磁力発生機構が
ニュークリエーションタイプであるために、磁気特性が
粒子の表面状態の影響を受け易くなっているからである
と考えられる。
【0005】すなわち、粉砕時の機械的衝撃や粒子の酸
化等により磁石粒子表面には欠陥が生じ、この欠陥によ
り磁壁が発生するが、ニュークリエーションタイプの磁
石では結晶粒内に磁壁のピンニングサイトがないため容
易に磁壁移動が起こるので、保磁力が劣化し易い。この
ため、上記提案に示される磁石は高い磁気特性が得られ
にくい。また、加熱により磁石粒子表面が酸化すると保
磁力が著しく劣化するため、キュリー温度が高いにもか
かわらず、実際に使用する際には加熱に対する安定性が
低い。しかも、粒子表面状態の悪化による磁気特性劣化
は不可逆的であるため、高温下で使用された場合、回復
不能なダメージを受ける恐れがある。
【0006】なお、上記報告に示されるボンディッド磁
石は、Znをバインダとして用いたメタルボンディッド
磁石である。メタルボンディッド磁石の磁石粒子は、成
形時に高温の溶融金属と接することにより表面が溶融す
るため、粒子表面が平滑化されて磁壁の発生が抑えられ
ると考えられ、このため上記報告ではメタルボンディッ
ド磁石を用いていると推察されるが、メタルボンディッ
ド磁石は樹脂ボンディッド磁石に比べ成形性に劣り、比
重が大きいため適用分野が狭い。また、バインダとして
メタルを用いた場合でも、ボンディッド磁石とした後に
生じた磁石粒子表面の欠陥、例えば酸化による表面状態
悪化は防止することができず、磁気特性劣化は抑えるこ
とができない。
【0007】一方、バインダとして樹脂を用いる樹脂結
合型ボンディッド磁石は、成形性に優れ、また、比重が
小さいため、各種用途に汎用されている。しかし、樹脂
結合型ボンディッド磁石では、成形時の温度が低いため
磁石粒子表面の平滑化を行なうことができず、粒子の表
面欠陥による保磁力の低下が避けられない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情からなされたものであり、磁気特性が高く、しかも熱
安定性が良好な永久磁石材料およびその製造方法と、こ
の永久磁石材料を用いたボンディッド磁石とを提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(5)の本発明により達成される。
【0010】(1)Smを5〜15原子%、Cuを1〜
17原子%、M(ただし、Mは、Zr、Hf、Nb、T
a、W、Mo、Ti、VおよびCrからなる群から選択
される少なくとも1種の元素である。)を0.1〜10
原子%およびNを0.5〜25原子%含有し、残部がF
eまたは、FeおよびCoであり、前記残部中における
Feの含有率が20原子%以上であって、2相分離型の
析出硬化型磁石であることを特徴とする永久磁石材料。
【0011】(2)上記(1)に記載の永久磁石材料を
製造する方法であって、母合金に時効処理を施して2相
分離型磁石粒子とし、この2相分離型磁石粒子に窒素雰
囲気中で熱処理を施す工程を有することを特徴とする永
久磁石材料の製造方法。
【0012】(3)上記(1)に記載の永久磁石材料の
粒子とバインダとを含有することを特徴とするボンディ
ッド磁石。
【0013】(4)前記バインダが樹脂である上記
(3)に記載のボンディッド磁石。
【0014】(5)前記永久磁石材料の粒子の平均粒子
径が20μm以上である上記(3)または(4)に記載
のボンディッド磁石。
【0015】
【作用】本発明の永久磁石材料は、Sm−(Fe,C
o)系磁石にN、CuおよびM(ただし、Mは、Zr、
Hf、Nb、Ta、W、Mo、Ti、VおよびCrから
なる群から選択される少なくとも1種の元素である。)
を含有させたものである。
【0016】この永久磁石材料は、Nを含有するためキ
ュリー温度が高く、熱安定性に優れる。また、Nを含有
することにより高い飽和磁化が得られる。飽和磁化の向
上は、Nの添加により侵入型の固溶体が形成され、Fe
原子同士の距離が最適化されるためであると考えられ
る。
【0017】また、CuおよびMの含有により2相分離
型の析出硬化型磁石となるので、結晶粒内にピンニング
サイトが存在する。このため、ボンディッド磁石に適用
するために粉砕して単結晶粒子とした場合、粒子表面の
欠陥により発生する磁壁の粒内での移動を阻止すること
ができる。従って、粉砕時に生じた表面欠陥による磁気
特性劣化が抑えられ、樹脂結合型ボンディッド磁石に適
用した場合でも高い保磁力が得られる。また、高温環境
で使用されたときの粒子表面の酸化による磁気特性劣化
を抑えることができるため、N添加によるキュリー温度
の向上を有効に利用することができる。
【0018】さらに、粒子内での磁壁移動が抑えられる
ので粒子径を大きくすることができ、これにより高い耐
酸化性が得られるため、この意味からも熱安定性が高
い。
【0019】なお、EP 0 369 097 A1
のExample36のRun No.14では、Sm
Fe17合金を900℃で7日間アニールし、これを
粗粉砕した後、アンモニアと水素との混合ガス中におい
て熱処理してSmFe174.00.5とし、さ
らに10原子%のCuと混合した後、粒子径5μmまで
微粉砕して磁場中成形し、焼結している。このExam
ple36に代表的に示されるように、EP 0 36
9 097 A1に開示されている製造方法は、アニー
ル後にCuを添加するものであり、このような製法では
2相分離は生じない。また、EP 0 369 097
A1には、平均粒径が20〜30μm程度に達すると
粒内に多数の磁壁が集まってiHcが改善されない旨が
記載されている。この記載からも、2相分離型の磁石で
はないことが明らかである。従って、EP 0 369
097 A1記載の磁石では、本発明の効果は実現し
ない。実際、得られた磁石は、Brが7.8kG、iH
cが3.8kOe、(BH)maxが8.0MGOeで
あり、本発明の実施例において得られている磁気特性よ
りも著しく低いものである。
【0020】
【具体的構成】以下、本発明の具休的構成を詳細に説明
する。
【0021】本発明の永久磁石材料は、Smを5〜15
原子%、好ましくは7〜14原子%、Cuを1〜17原
子%、好ましくは3〜9.5原子%、M(ただし、M
は、Zr、Hf、Nb、Ta、W、Mo、Ti、Vおよ
びCrからなる群から選択される少なくとも1種の元素
である。)を0.1〜10原子%、好ましくは0.5〜
5原子%、およびNを0.5〜25原子%、好ましくは
5〜20原子%含有し、残部が実質的にFe、またはF
eおよびCoであり、前記残部中におけるFeの含有率
が20原子%以上、好ましくは30原子%以上である。
【0022】Smの含有率が前記範囲未満であると保磁
力iHcが低下し、前記範囲を超えると残留磁束密度B
rが低下してしまう。なお、本発明では、Smの一部を
Y、La、Ce、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等の他の希土類金属
元素の1種以上で置換してもよい。置換量が多すぎると
結晶磁気異方性が低下するため、これらの元素の置換量
は、Smの70%以下とすることが好ましい。
【0023】Cuの含有率が前記範囲未満であると保磁
力が低下し、前記範囲を超えるとBrが低下してしま
う。
【0024】Mの含有率が前記範囲を外れると、iHc
および最大エネルギー積(BH)maxが低下してしま
う。なお、高い磁気特性を得るためには、MとしてZr
および/またはNbを用いることが好ましい。
【0025】Nの含有率が前記範囲未満となると、キュ
リー温度の上昇と飽和磁化の向上が不十分であり、前記
範囲を超えるとBrが低下する。
【0026】また、上記各元素を除いた残部がFeであ
るか、あるいはFeおよびCoであるが、残部中のFe
の含有率が前記範囲未満となるとBrが低下する。な
お、前記残部中のFe含有率の上限は特にないが、80
原子%を超えるとBrが低下する傾向にある。
【0027】なお、本発明の永久磁石材料中には、S
i、A1、Mn、Ni、Zn等の上記以外の元素が含有
されていてもよい。これらの元素の含有率は3重量%以
下とすることが好ましい。また、C、B、O、P、S、
Ga等の元素が含有されていてもよいが、これらの元素
の含有率は2重量%以下とすることが好ましい。
【0028】このような組成を有する本発明の永久磁石
材料は、いわゆる2相分離型の析出硬化型磁石であり、
セル構造の微細組織を有する。セルは、磁壁移動の際の
ピンニングサイトとしてはたらく。このセル構造におい
て、セル間距離(相隣り合うセルの中心間の距離)の平
均は、500A程度以上であることが好ましく、より好
ましくは700A以上、特に好ましくは1000A以上
である。セル間距離をこのような範囲とすることによ
り、高い保磁力を得ることができる。なお、セル間距離
が6000Aより大きくなると減磁曲線の角形性が低下
する傾向にあるため、セル間距離は6000A以下であ
ることが好ましい。なお、セル間距離は、析出硬化のた
めの時効処理において各種条件を制御することにより調
整することができる。また、セル構造およびその寸法
は、透過型電子顕微鏡等により確認することができる。
また、セル構造におけるセル境界幅が小さすぎるとピン
ニングサイトとしてのはたらきが不十分となり、セル境
界幅が大きすぎると磁気特性が低下することから、50
〜200A程度であることが好ましい。
【0029】以下、本発明の永久磁石材料の製造に好適
な方法を説明する。
【0030】まず、目的とする組成が得られるように各
原料金属ないし合金を混合し、次いで混合物を溶解して
鋳造し、母合金インゴットを製造する。母合金インゴッ
トの結晶粒径は、後述する粉砕により単結晶粒子が得ら
れるような寸法とすることが好ましい。
【0031】次に、母合金インゴットに容体化処理を施
す。容体化処理は、インゴットの均質性を向上させるた
めに施され、処理温度は900〜1230℃、特に10
00〜1200℃、処理時間は0.5〜24時間程度で
あることが好ましい。なお、容体化処理は種々の雰囲気
中で行なうことができるが、不活性ガス雰囲気等の非酸
化性雰囲気、還元性雰囲気、真空中等で行なうことが好
ましい。
【0032】容体化処理を施した後、インゴットに時効
処理を施し、2相分離型の合金とする。この場合の時効
処理は、所定温度に所定時間加熱保持して行なう初段時
効と、その後の多段時効あるいは連続冷却から構成され
ることが好ましい。初段時効では、700〜950℃に
0.5時間以上、特に1〜500時間程度保持すること
が好ましい。このような初段時効の後に施す多段時効と
しては、少なくとも600℃以下、特に400℃以下ま
で降温するまで100〜200℃ごとに0.2〜5℃/
minの速度で冷却することが好ましい。
【0033】このような時効処理により得られる2相分
離型磁石は、FeおよびCoをTで表わし、希土類金属
元素をRで表わすと、Cu含有率の高いR(T,Cu)
系の相とCu含有率の低いR(T,Cu)17系の
相とを含み、R(T,Cu)17系の相がマトリクス
相、R(T,Cu)系の相がピンニングサイトとなっ
ている構成を有する。
【0034】なお、上記の母合金インゴットを粗粉砕
し、さらにジェットミル等を用いて微粉砕した後、磁場
中で焼結して台金インゴットを作製し、これを母台金イ
ンゴットとして上記したような容休化処理および時効処
理を施してもよい。この場合、母合金インゴットの結晶
粒径を最適寸法とすることが容易となる。
【0035】また、本発明では、母合金として高速急冷
合金を用いることもできる。この場合、まず、単ロール
法や双ロール法などの高速急冷法により合金溶湯を急冷
し、薄帯、薄片ないし粒状の高速急冷合金を製造する。
この高速急冷合金に必要に応じて上記したような容体化
処理を施し、さらに上記したような時効処理を施して析
出硬化させ、2相分離型の永久磁石材料を作製する。
【0036】時効処理後、永久磁石材料を粉砕して磁石
粒子とする。磁石粒子の平均粒径は特に限定されない
が、通常、2〜200μm程度であることが好ましい。
粉砕手段は特に限定されず、通常の各種粉砕機を用いれ
ばよいが、永久磁石材料に水素ガスを吸蔵させて粉砕す
る手段を用いてもよい。
【0037】なお、必ずしも時効処理後に粉砕する必要
はなく、粉砕した後に時効処理を施してもよく、また、
その後、必要に応じてさらに粉砕してもよい。
【0038】次いで、磁石粒子には窒化処理が施され
る。この窒化処理は窒素雰囲気中で合金粒子に熱処理を
施すものであり、これにより磁石粒子には窒素が吸収さ
れる。窒化処理の際の保持温度は400〜700℃、特
に450〜650℃程度とすることが好ましい。また、
温度保持時間は、0.5〜200時間、特に2〜100
時間程度とすることが好ましい。
【0039】磁石粒子中のN量は、ガス分析法により測
定することができる。
【0040】なお、水素を吸蔵させて粉砕し、さらに磁
石粒子を大気にさらすことなく窒化処理工程に供すれ
ば、粒子表面の酸化膜の発生を抑えることができるの
で、窒化処理の際に高い反応性が得られる。また、十分
な耐酸化性を得るためには、磁石粒子の平均粒子径を好
ましくは20μm以上、より好ましくは30μm超、さ
らに好ましくは35μm以上とすることがよい。本発明
では、粒子内での磁壁移動がピンニングされるため、こ
のように比較的大きな径の単結晶粒子とした場合でも、
高い保磁力が得られる。また、このような粒子径とする
ことにより、高密度のボンディッド磁石とすることがで
きる。平均粒子径の上限は特にないが、通常、1000
μm程度以下とすることが好ましい。
【0041】本発明において平均粒子径とは、篩別によ
り求められた重量平均粒子径D50を意昧する。重量平
均粒子径D50は、径の小さな粒子から重量を加算して
いって、その合計重量が全粒子の合計重量の50%とな
ったときの粒子径である。
【0042】窒化処理後の磁石粒子は、通常、バインダ
で結合されてボンディッド磁石とされる。ボンディッド
磁石としては、プレス成形を用いるコンプレッションボ
ンディッド磁石、あるいは射出成形を用いるインジェク
ションボンディッド磁石のいずれであってもよい。
【0043】ボンディッド磁石作製の際に用いるバイン
ダとしては、各種樹脂、各種金属等のいずれであっても
よいが、本発明の永久磁石材料は、樹脂バインダと組み
合わされた場合に特に高い効果を発揮する。樹脂バイン
ダの種類は特に限定されず、エポキシ樹脂やナイロン等
の各種熱硬化性樹脂や各種熱可塑性樹脂から目的に応じ
て適宜選択すればよい。また、合金粒子に対するバイン
ダの含有比率や成形時の圧力等の各種条件にも特に制限
はなく、通常の範囲から適当に選択すればよい。
【0044】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0045】下記表1に示される組成を有する磁石粒子
を含有するボンディッド磁石サンプルを、以下に示す方
法により作製した。
【0046】まず、高同波誘導加熱により母合金インゴ
ットを作製し、これらの母合金インゴットに容体化処理
を施した。容休化処理は、Arガス雰囲気中にて114
0〜1180℃で2〜4時間行なった。
【0047】次いで、Arガス雰囲気中にて、850℃
で10時間初段時効を施し、さらに1℃/minで40
0℃まで冷却して10時間保持することにより多段時効
を施し、析出硬化して永久磁石材料とした。
【0048】次いで永久磁石材料を水素吸蔵粉砕し、ほ
ぼ単結晶の磁石粒子とした。なお、磁石粒子の平均粒子
径は、サンプルNo.1〜6では37μmとし、サンプ
ルNo.7では50μmとした。
【0049】次いで、磁石粒子に窒化処理を施した。窒
化処理は、窒素ガス雰囲気中にて500℃で40時間熱
処理することにより行なった。
【0050】なお、比較のために、窒化処理を施さない
磁石粒子も作製した。
【0051】また、比較のために、時効処理を施さない
磁石粒子も作製した。
【0052】これらの磁石粒子をそれぞれエポキシ樹脂
と混合した後、プレス成形し、さらに熱処理を施してコ
ンプレッションボンディッド磁石サンプルを得た。 エ
ポキシ樹脂は磁石粒子100重量部に対し2重量部とし
た。プレス成形の圧力保持時間は1秒間とし、印加圧力
は8000kgf/cmとした。 また、熱処理は、
150℃にて1時間行なった。
【0053】このようにして得られた各ボンディッド磁
石サンプルに対し、保磁力iHc、残留磁束密度Br、
最大エネルギー積(BH)maxおよびキュリー温度T
cの測定を行なった。
【0054】また、各サンプルを、85℃、90%RH
の空気中に500時間放置した後、室温まで降温して、
iHcの測定を行なった。この結果を保存後iHcとし
て表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】なお、表1に示されるサンプルを透過型電
子顕微鏡で観察した結果、サンプルNo.1〜5、7に
は2相分離が生じており、セル境界幅は50〜200A
程度、セル間距離は500〜1500A程度であった。
【0057】以上の実施例から、本発明の効果が明らか
である。すなわち、Nを含有することにより磁気特性が
向上し、また、キュリー温度が上昇する。また、高温保
存後の不可逆的なiHc低下が少ない。
【0058】なお、表1に示されるサンプルではZrを
用いたが、Zrに替え、あるいはZrに加え、Hf、N
b、Ta、W、Mo、Ti、VおよびCrからなる群か
ら選択される少なくとも1種の元素を用いた場合でも、
表1に示されるサンプルと同様な結果が得られた。
【0059】
【発明の効果】本発明の永久磁石材料は、Nを含有する
ためキュリー温度が高く、熱安定性に優れ、また、高い
飽和磁化が得られる。
【0060】そして、CuおよびMの含有により2相分
離型の折出硬化型磁石となるので、結晶粒内にピンニン
グサイトが存在することになり、粉砕時に生じた表面欠
陥による磁気特性劣化が抑えられる。このため、磁石粒
子の表面欠陥を改善することができない樹脂結合型ボン
ディッド磁石に適用した場合でも、高い保磁力が得られ
る。
【0061】また、高温環境で使用されたときの粒子表
面の酸化による磁気特性劣化を抑えることができるた
め、N添加によるキュリー温度の向上を有効に利用する
ことができる。
【0062】さらに、ピンニング型の磁石であるため、
高い耐酸化性を得るために磁石粒子の径を大きくしても
保磁力が低下しない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 1/053 C22C 33/02 C22C 38/00 303 H01F 1/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Smを5〜15原子%、Cuを1〜17
    原子%、M(ただし、Mは、Zr、Hf、Nb、Ta、
    W、Mo、Ti、VおよびCrからなる群から選択され
    る少なくとも1種の元素である。)を0.1〜10原子
    %およびNを0.5〜25原子%含有し、残部がFe、
    またはFeおよびCoであり、前記残部中におけるFe
    の含有率が20原子%以上であって、2相分離型の析出
    硬化型磁石であることを特徴とする永久磁石材料。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の永久磁石材料を製造す
    る方法であって、母台金に時効処理を施して2相分離型
    磁石粒子とし、この2相分離型磁石粒子に窒素雰囲気中
    で熱処理を施す工程を有することを特徴とする永久磁石
    材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の永久磁石材料の粒子と
    バインダとを含有することを特徴とするボンディッド磁
    石。
  4. 【請求項4】 前記バインダが樹脂である請求項3に記
    載のボンディッド磁石。
  5. 【請求項5】 前記永久磁石材料の粒子の平均粒子径が
    20μm以上である請求項3または4に記截のボンディ
    ッド磁石。
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