JPH06310029A - 電子銃および量子細線の製造方法 - Google Patents

電子銃および量子細線の製造方法

Info

Publication number
JPH06310029A
JPH06310029A JP21377393A JP21377393A JPH06310029A JP H06310029 A JPH06310029 A JP H06310029A JP 21377393 A JP21377393 A JP 21377393A JP 21377393 A JP21377393 A JP 21377393A JP H06310029 A JPH06310029 A JP H06310029A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
etching
silicon
plane
mask material
insulating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP21377393A
Other languages
English (en)
Inventor
Gen Hashiguchi
原 橋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP21377393A priority Critical patent/JPH06310029A/ja
Publication of JPH06310029A publication Critical patent/JPH06310029A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 再現性よく均一な形状の電子銃を製造するこ
とができる電子銃の製造方法を提供する。 【構成】 面方位(100)の単結晶シリコン基板1表
面に、異方性エッチングによりウエッジ形状10の二つ
の面の(111)面を別々に形成し、このウエッジ形状
の先端直上部分に成膜された金属膜11を、レジスト8
を塗布し、レジストエッチバックを行い突出させ、この
突出した部分の金属膜を除去して、ゲート電極11を形
成する電子銃の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子銃および量子細線
の製造方法に関し、特に、真空マイクロデバイス、ブラ
ウン管または電子顕微鏡などの電子放出源として利用さ
れるシリコン製電子銃および発光素子や高速素子に利用
できるシリコン製量子細線の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体超微細加工技術の発展はめ
ざましく、数nm程度の構造物を形成するに至ってい
る。シリコン製の電子銃や量子細線は、この超微細加工
技術によって形成される構造物で、電子銃は、分子レベ
ルの尖鋭さをもつ先端を形成して、この電子銃先端から
電界放射により電子を放射する冷陰極型電子銃の一つで
ある。また、量子細線は、電子の単一モード化(または
1次元化、0次元化)を図ることによって、発光素子な
どの光デバイスや高速素子等の電子デバイスの大幅な性
能向上、新たな概念の新デバイスの創成の可能性などか
ら注目されている。シリコンを用いた電子銃の一つに、
ウエッジ状の形状をした電子放出部をもつものがあり、
従来のウエッジ型電子銃の製造方法としては、例えば、
H.G.Grayらが開示した方法(Technical Direst
of IVMC91,Nagahama 1991, 34 〜35頁)がある。
【0003】この製造方法は、まず、図8に示すよう
に、シリコン基板101上にSiO2を成膜し、これを
図示するように方形上に残し、マスク材102とし、シ
リコン基板101を異方性エッチング液によりエッチン
グする。このとき、マスク材102の下は、アンダーエ
ッチングされるので、その断面が図9aに示すように、
シリコン基板101のマスク材102と接する部分が台
形の上辺で、ほぼ線状になるように制御しながらエッチ
ングを行う。
【0004】次に、このシリコン基板101を熱酸化し
てSiO2 膜103を形成することにより、図9bに示
すように、断面が酸化によるシリコンのくわれによっ
て、その頂点が尖鋭な三角形となるようにして、ウエッ
ジ型の電子銃電子放出部を形成する。
【0005】次に、図9cに示すように、ゲート絶縁膜
104およびゲート電極105となる金属膜を成膜す
る。そして、マスク材102(SiO2 )と熱酸化によ
り形成されたSiO2 を除去することにより、図9dに
示すように、マスク材102によってセルフアラインに
形成されたゲート電極105が形成されて、電子銃が製
造される。
【0006】また、従来の量子細線としては、例えば、
JJAP(JAPANESE JOURNAL OF PHYSICS Vol.30, No.9
A, (1991) PP.L1606 〜L1607) に開示された方法があ
り、SOI基板を用いて、SOI基板の下部シリコン層
からSOI基板のSiO2 層により電気的に絶縁された
量子細線を形成している。
【0007】この量子細線の製造方法は、図10にその
完成形状を示すが、前述した電子銃の製造方法とほぼ同
様な工程で、基本的には図8および図9に示した工程図
において、その基板がSOI基板を用いていること、お
よび電極の形成(図9cおよびd)を行っていない点が
異なる。
【0008】図10aの場合には、SOI上部シリコン
層の面方位が(100)のSOI基板200を用いて、
上部シリコン層表面に、方形上に残したマスク材202
を形成し、異方性エッチング液により、マスク材202
の下をアンダーエッチングして、マスク材202と接す
る部分が台形の上辺でほぼ線状になった断面三角形の量
子細線210を形成しており、また、図10bの場合に
は、基板としてSOI上部シリコン層の面方位が(11
0)のSOI基板200を用いて同様の工程により断面
が四角形の量子細線210を形成している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これら従来の電子銃や
量子細線の製造方法では、マスク材102や202の下
をアンダーエッチングする際に、マスク材102や20
2との接点ができるだけ細い線状となったときに、エッ
チングを終了させることが必要であるが、この終了点を
正確に判別することは非常に難しく、具体的には、エッ
チング時間(エッチング液に浸漬している時間)を調節
することにより行うのであるが、わずかな液温の変化に
よりエッチングレートが異なり、エッチング液から引き
出す時間の誤差によってもシリコンの先端がエッチング
され過ぎてマスク材102や202が剥がれてしまった
り、また、逆にエッチングが足りず先端が幅広く残り、
電子銃では以降の工程である先端部を尖鋭にするための
熱酸化工程が非常に長くなり、量子細線では量子細線と
しての効果が得られないなど、その再現性が難しく、常
に均一な形状の電子銃を得られないという問題がある。
【0010】また、マスク材の形成の際には、マスク材
形状として大きなものを形成してしまうと、マスク材下
の異方性エッチングの際に、(111)面が露出した時
点で、ほぼ(111)面のエッチングは停止してしまう
ので、電子銃や量子細線となる微細構造が形成できな
い。このため、マスク材形成の際のリソグラフィーには
高精度なリソグラフィー技術や装置が必要となり、設備
投資や生産性などの点から量産化が困難であるといった
問題もある。
【0011】そこで、本発明の目的は、再現性よく均一
な形状の電子銃および量子細線を製造することができる
電子銃および量子細線の製造方法を提供することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記諸目的を解決するた
めの本発明は、面方位(100)の単結晶シリコン基板
表面に、マスク材を形成する工程と、前記シリコン基板
を異方性エッチングして第1の(111)面を露出する
工程と、該第1の(111)面を含む露出しているシリ
コン面に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記マスク材
を除去する工程と、前記マスク材を除去することにより
露出したシリコン面をエッチングする工程と、前記シリ
コン基板を異方性エッチングして第2の(111)面を
露出する工程と、該第2の(111)面を含む露出して
いるシリコン面に第2の絶縁膜を形成する工程と、前記
第1の絶縁膜および第2の絶縁膜上に金属膜を形成する
工程と、該金属膜上にレジストを塗布し、レジストエッ
チバックする工程と、該エッチバック工程により、レジ
スト面より突き出した部分の金属膜を除去する工程と、
前記第1の(111)面と第2の(111)面により構
成される角の頂点部分を覆っている前記第1の絶縁膜お
よび第2の絶縁膜を除去する工程と、前記レジストを除
去する工程とを有することを特徴とする電子銃の製造方
法である。
【0013】また上記諸目的を解決するための本発明
は、面方位(100)の上部シリコン層を有するSOI
基板の上部シリコン層表面に、マスク材を形成する工程
と、前記SOI基板を異方性エッチングして、上部シリ
コン層に第1の(111)面を露出する工程と、該第1
の(111)面に絶縁膜を形成する工程と、前記マスク
材を除去する工程と、前記マスク材を除去することによ
り露出したシリコン面を異方性エッチングして、上部シ
リコン層に第2の(111)面を露出する工程とを有す
ることを特徴とする量子細線の製造方法である。
【0014】さらに上記諸目的を解決するための本発明
は、面方位(100)の上部シリコン層を有するSOI
基板の上部シリコン層表面に、マスク材を形成する工程
と、前記SOI基板をエッチングして、上部シリコン層
に垂直なシリコン面を形成する工程と、該垂直なシリコ
ン面に絶縁膜を形成する工程と、前記マスク材を除去す
る工程と、前記マスク材を除去することにより露出した
シリコン面を異方性エッチングして、上部シリコン層に
(111)面を露出する工程とを有することを特徴とす
る量子細線の製造方法である。
【0015】
【作用】本発明の電子銃の製造方法は、まず、マスク材
の開口部からシリコン基板を異方性エッチングすること
により、マスク材の端部から(111)面が徐々に異方
性エッチングによりシリコンがエッチングされるに従っ
て露出し、第1の(111)面が露出される。この異方
性エッチングは(111)面のエッチング速度が極めて
遅いため、マスク材端部より露出した(111)面のエ
ッチングは進行しない。これによりウエッジ型電子銃の
電子放出部の一面が形成される。
【0016】露出させた第1の(111)面は第1の絶
縁膜を形成することにより保護し、前記マスク材を除去
して、除去した部分のシリコン面をエッチングにより掘
り下げてから、第2の(111)面を第1の(111)
面と同様に異方性エッチングにより露出させる。この第
2の(111)面も(111)面が露出することにより
(111)面のエッチングは進行しないため、第1の
(111)面と第2の(111)面とが接触した時点で
エッチングは停止し、ウエッジ型電子銃の電子放出部の
他の一面が形成される。
【0017】この異方性エッチングによるエッチング
は、前述したように、(111)面が露出したところで
(111)方向のエッチングは進行せず、ほぼ停止する
ため、エッチング液への浸漬時間の制御や温度によるエ
ッチングレートの変化に左右されることなく再現性よく
第1の(111)面と第2の(111)によって形成さ
れるウエッジ形状の電子放出部が形成できる。
【0018】本発明の電子銃の製造方法によるゲート電
極の形成は、第1の絶縁膜形成後、第2の(111)面
形成の際には、シリコン面を掘り下げた後に第2の(1
11)面を形成しているので、この第2の(111)面
は第1の絶縁膜より下に形成されることになり、その後
第2の絶縁膜が第1の絶縁膜の下方に形成されることに
なる。そして、ゲート電極となる金属膜を第1および第
2の絶縁膜上に形成するが、このとき金属膜は、第1の
絶縁膜と第2の絶縁膜によって、第1および第2の(1
11)面により形成された電子放出部直上に突出してい
る。このため、電子放出部先端を隠すように突出してい
る部分だけが、以後の工程であるレジストエッチバック
によりレジスト面から突き出すことになる。この突出し
ている金属膜を除去し、さらに電子放出部先端の酸化膜
(SiO2 )およびレジストを除去することにより、電
子放出部先端と、この電子放出部先端の周囲にゲート電
極が再現性よく形成される。
【0019】次に、本発明の量子細線の製造方法は、マ
スク材の開口部からSOI基板の上部シリコン層を異方
性エッチングすることにより、マスク材の端部から(1
11)面が徐々に異方性エッチングによりシリコンがエ
ッチングされるに従って露出し、第1の(111)面が
露出される。この異方性エッチングは(111)面のエ
ッチング速度が極めて遅いため、マスク材端部より露出
した(111)面のエッチングは進行しないため、これ
により断面三角形状の量子細線の一面が形成される。
【0020】また、本発明の他の量子細線の製造方法に
おいては、この工程で、異方性エッチングにより第1の
(111)面を形成するの代わりに、RIEエッチング
などのエッチングによって、垂直なシリコン面を露出さ
せて断面三角形状の量子細線の一面を形成する。
【0021】露出させた第1の(111)面または垂直
なシリコン面は、絶縁膜を形成することにより保護し、
前記マスク材を除去して、除去した部分のシリコン面を
異方性エッチングにより第2の(111)面を露出させ
る。この第2の(111)面も(111)面が露出する
ことにより(111)面のエッチングは進行しないた
め、第1の(111)面または垂直なシリコン面と第2
の(111)面とが接触した時点でエッチングは停止
し、断面三角形状の量子細線の他の一面が形成される。
【0022】この異方性エッチングによるエッチング
は、前述したように、(111)面が露出したところで
(111)方向のエッチングは進行せず、ほぼ停止する
ため、エッチング液への浸漬時間の制御や温度によるエ
ッチングレートの変化に左右されることなく再現性よく
第1の(111)面または垂直なシリコン面と第2の
(111)によって形成され、SOI基板のSiO2
によってSOI基板下部シリコン層から電気的に絶縁さ
れた断面三角形状の量子細線が再現性よく形成できる。
【0023】
【実施例】以下、添付した図面を参照して本発明を説明
する。なお、同一部材に付いては同一の付号を付した。
【0024】実施例1(電子銃の製造方法) 図1および図2は本発明の電子銃の製造方法を工程順に
示すものである。
【0025】本発明の電子銃の製造方法は、まず、図1
aに示すように、面方位(100)の単結晶シリコン基
板1の表面に、窒化シリコン膜(SiN)を成膜し、こ
れをレジスト塗布、フォトリソグラフィーおよびRIE
またはCDEなどのドライエッチングによりパターニン
グしてマスク2を形成する。
【0026】次に、図1bに示すように、マスク2を形
成したシリコン基板1を異方性エッチング液、例えばK
OH水溶液、ヒドラジン水溶液およびエチレンジアミン
ピロカテコール液等の(111)面のみがエッチングさ
れない異方性エッチング液を用いてエッチングし、ウエ
ッジ型電子銃の電子放出部の一面となる第1の(11
1)面3を露出する。このとき、異方性エッチングによ
るシリコンのエッチングは、マスク2の端部から序々に
シリコン基板1深さ方向に(111)面が露出しながら
進行して行くが、(111)面は、マスク2によってシ
リコン基板表面が覆われていて、エッチングの異方性に
よりマスク2端部により止められているため、(11
1)面方向へは進行しない。
【0027】従ってエッチングの制御には、ウエッジ形
状の面としての制御を厳密に制御する必要はなく、単
に、シリコン基板1の深さ方向をどの程度にするかを適
宜選択して、それによりエッチング時間やエッチング条
件を設定すればよい。そして、この深さ方向へのエッチ
ング量は0.1〜2μm程度、もしくはこれ以上であっ
ても電子銃完成後の特性に大きな影響を与えることがな
いので、特別厳密な制御は必要としない。例えば基板深
さ方法へのエッチング量を1μmに設定した場合には、
エッチング液温度を60℃とし、このエッチング温度
も、周囲の状況の変化により多少変化してもさしつかえ
なく、エッチング時間を1〜5分程度と多少幅のある時
間制御でよい。
【0028】次に、図1cに示すように、露出させた第
1の(111)面3を含むシリコン面を、熱酸化してS
iO2 膜を成膜して、第1の絶縁膜4を形成する。
【0029】次に、図1dに示すように、マスク2を除
去する。
【0030】次に、図1eに示すように、マスク2を除
去して露出したシリコン面を、例えばCDEによりシリ
コンのみを選択的にエッチングして掘り下げる。このと
き、第1の絶縁膜として第1の(111)面3に成膜し
たSiO2 膜がマスクとなり第1の(111)面3が保
護されている。掘り下げる深さは、電子銃の電子放出部
が完成したときの電子放出部の大きさを決めることにな
るので、0.1〜1μm程度とするのが好ましい。
【0031】このシリコン面を掘り下げる工程により、
以後の工程の電子放出部先端の直上に形成されることに
なる金属膜を、レジストエッチバックによって、レジス
ト面より突き出させることになる。ここで、シリコン面
を掘り下げるためにCDEを用いたのは、第1の(11
1)面3を保護しているSiO2 とシリコンとのエッチ
ング選択比がよく、SiO2 をエッチングせずにシリコ
ンのみをエッチングすることができ、SiO2 部分をマ
スクとしてセルフアラインにシリコン面をエッチングす
ることができるため好ましい。また、CDEの他に、選
択性のあるRIEなどでもよい。
【0032】次に、図1fに示すように、掘り下げた後
のシリコン面を異方性エッチングして第2の(111)
面5を露出させる。この工程は、前述した第1の(11
1)面3を露出させたときと同じである。この第2の
(111)面5は、前述した第1の(111)面とちょ
うど接するように第2の(111)面5が現れることに
より(111)面方向のエッチングが停止する。第1の
(111)面3とこの第2の(111)面5が接する部
分が、図示するように、断面が三角形の頂点となり、ウ
ェッジ型電子銃の電子放出部10が形成される。
【0033】次に、図1gに示すように、第2の(11
1)面5を含む露出しているシリコン面に、熱酸化によ
りSiO2 膜を成膜して第2の絶縁膜6を形成する。
【0034】次に、図2hに示すように、第1の絶縁膜
4および第2の絶縁膜6上にゲート電極となる金属膜7
を成膜する。金属膜7の成膜は、真空蒸着法により、例
えばタングステン、モリブデンなどを成膜する。
【0035】次に、図2iに示すように、全面にレジス
ト8を塗布し、図2jに示すように、レジストエッチバ
ックを行い、電子放出部10直上の金属膜7をレジスト
8面より突出させる。この電子放出部10直上の金属膜
7は、第1の絶縁膜4が第2の絶縁膜6より突き出た形
で形成されていることにより、その上に成膜されている
金属膜7は、レジストエッチバックにより容易にレジス
ト8面より突出させることができる。
【0036】次に、図2hに示すように、レジスト8面
より突き出した金属膜7をCDE等により除去する。
【0037】次に、図2lに示すように、金属膜7を除
去した部分の第1および第2絶縁膜4および6であるS
iO2 を除去して電子放出部10先端を露出させ、図2
mに示すように、レジスト8を除去することにより、電
子放出部10の両脇周辺にゲート電極11が形成された
電子銃が完成する。
【0038】実施例2(量子細線の製造方法1) 本発明の第1の量子細線の製造方法は、まず、図3およ
び図4aに示すように、面方位(100)の厚さ10オ
ングストローム〜1μm程度の上部単結晶シリコン層2
3を有するSOI基板20の表面に、厚さ0.05〜
0.5μmの窒化シリコン膜(SiN)を成膜し、これ
をレジスト塗布、フォトリソグラフィーおよびRIEま
たはCDEなどのドライエッチングによりパターニング
してマスク2を形成する。なお、マスク2の端部は、図
3に示したように、(110)方向となるようにする。
【0039】次に、図4bに示すように、マスク2を形
成したSOI基板20を実施例1同様に、異方性エッチ
ング液、例えばKOH水溶液、ヒドラジン水溶液および
エチレンジアミンピロカテコール液等の(111)面の
みがエッチングされない異方性エッチング液を用いてエ
ッチングし、断面三角形状の量子細線の一面となる第1
の(111)面3を露出する。このとき、異方性エッチ
ングによるシリコンのエッチングは、マスク2の端部か
ら序々にSOI基板20深さ方向に(111)面が露出
しながら進行して行くが、(111)面は、マスク2に
よってシリコン基板表面が覆われていて、エッチングの
異方性によりマスク2端部により止められているため、
(111)面方向へは進行しない。また、深さ方向への
エッチングは上部シリコン層21がエッチングされてS
OI基板のSiO2 層22が露出するまでエッチングす
る。
【0040】従ってエッチングの制御には、面としての
制御を厳密に制御する必要はなく、SiO2 層22が露
出するようにエッチング時間やエッチング条件を設定す
ればよい。例えばエッチング液温度を60℃とし、この
エッチング温度も、周囲の状況の変化により多少変化し
てもさしつかえなく、エッチング時間を1〜5分程度と
多少幅のある時間制御でよい。
【0041】次に、図4cに示すように、露出させた第
1の(111)面3を含むシリコン面を、熱酸化してS
iO2 膜を成膜し、0.01〜0.1μm程度の絶縁膜
4を形成する。
【0042】次に、図4dに示すように、マスク2を除
去する。
【0043】次に、図4eに示すように、マスク2を除
去して露出したシリコン面を、異方性エッチングして第
2の(111)面5を露出させる。この工程は、前述し
た第1の(111)面3を露出させたときと同じであ
り、厳密なエッチングの制御をようしない。この第2の
(111)面5は、前述した第1の(111)面3とち
ょうど接するように第2の(111)面5が現れること
により(111)面方向のエッチングが停止する。ま
た、深さ方向は、上部シリコン層21がエッチングされ
てSOI基板のSiO2 層22が露出する。
【0044】第1の(111)面3とこの第2の(11
1)面5が接する部分が、図示するように、断面三角形
の頂点となり、断面三角形状の量子細線30が形成され
る。このあと必要により、熱酸化を行うことでより微細
な量子細線とすることも可能である。
【0045】これにより、図5aに示す断面図および図
5bに示す斜視図のように、SOI基板のSiO2 層2
2によって電気的に絶縁され、その高さdはSOI基板
の上部シリコン層の厚みにより決定され、頂点の角度α
が70.6゜の尖鋭な細線を形成することができる。
【0046】実施例3(量子細線の製造方法2) 本発明の第2の量子細線の製造方法は、実施例2同様
に、まず、図6aに示すように、面方位(100)の厚
さ10オングストローム〜1μm程度の上部単結晶シリ
コン層を有するSOI基板20の表面に、窒化シリコン
膜(SiN)によりマスク2を形成する。なお、マスク
の端部は、実施例2同様に、(110)方向となるよう
にする(図3参照)。
【0047】次に、図6bに示すように、マスク2を形
成したSOI基板20のマスクによって覆われていない
部分の上部シリコン層23をRIEによって、SOI基
板のSiO2 層22が露出するまでエッチングして、垂
直なシリコン面を露出させる。
【0048】その後は、実施例2と同様に、露出させた
垂直なシリコン面に熱酸化によって絶縁膜4を形成し、
マスク2を除去し、異方性エッチングにより(111)
面を露出させる工程を行うことにより、図6cに示すよ
うに、垂直なシリコン面と異方性エッチングにより形成
した(111)面との接する部分が断面三角形状の頂点
となり。SOI基板のSiO2 層22によって電気的に
絶縁された断面三角形状の量子細線30が形成される。
このあと必要により、熱酸化を行うことでより微細な量
子細線とすることも可能である。
【0049】この第2の製造方法による量子細線は、図
7aに示す断面図および図7bに示す斜視図のように、
その高さdは実施例2同様にSOI基板の上部シリコン
層の厚みにより決定されるが、その頂点の角度αは3
5.3゜と実施例2よりも極めて尖鋭な細線を形成する
ことができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電子銃の
製造方法によれば、従来の方法のように、マスク下を厳
密な制御を行いながらアンダーエッチングして電子銃電
子放出部を形成する必要はなく、電子銃の電子放出部お
よびゲート電極を極めて再現性よく、また均一に形成す
ることができるので、大量生産が可能となる。
【0051】また、本発明による量子細線の製造方法に
よれば、高精度のリソグラフィー技術や装置を用いるこ
となく先端部分が尖鋭な細線を異方性エッチングによっ
て、容易に再現性よく、また均一に形成することができ
るので、大量生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による電子銃の製造方法の一実施例を
工程順に説明するための断面図である。
【図2】 図1に続く電子銃の製造方法を工程順に説明
するための断面図である。
【図3】 本発明による量子細線の製造方法の実施例を
説明するための斜視図である。
【図4】 本発明による第1の量子細線の製造方法の一
実施例を工程順に説明するための断面図である。
【図5】 本発明による第1の量子細線の製造方法の一
実施例の完成形状を説明するための断面図(図5a)お
よび斜視図(図5b)である。
【図6】 本発明による第2の量子細線の製造方法の他
の実施例を工程順に説明するための断面図である。
【図7】 本発明による第2の量子細線の製造方法の他
の実施例の完成形状を説明するための断面図(図7a)
および斜視図(図7b)である。
【図8】 従来の電子銃の製造方法を説明するための斜
視図である。
【図9】 従来の電子銃の製造方法を説明するための断
面図である。
【図10】 従来の量子細線の製造方法を説明するため
の斜視図である。
【符号の説明】
1…シリコン基板、 2…マス
ク、3、5…(111)面、 4、6
…絶縁膜、7…金属膜、
8…レジスト、10…電子放出部、
11…ゲート電極、20…SOI基板。
21…下部シリコン層、22…SOI基板
のSiO2 層、 23…上部シリコン層。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面方位(100)の単結晶シリコン基板
    表面に、マスク材を形成する工程と、 前記シリコン基板を異方性エッチングして、第1の(1
    11)面を露出する工程と、 該第1の(111)面を含む露出しているシリコン面に
    第1の絶縁膜を形成する工程と、 前記マスク材を除去する工程と、 前記マスク材を除去することにより露出したシリコン面
    をエッチングする工程と、 前記シリコン基板を異方性エッチングして第2の(11
    1)面を露出する工程と、 該第2の(111)面を含む露出しているシリコン面に
    第2の絶縁膜を形成する工程と、 前記第1の絶縁膜および第2の絶縁膜上に金属膜を形成
    する工程と、 該金属膜上にレジストを塗布し、レジストエッチバック
    する工程と、 該エッチバック工程により、レジスト面より突き出した
    部分の金属膜を除去する工程と、 前記第1の(111)面と第2の(111)面により構
    成される角の頂点部分を覆っている前記第1の絶縁膜お
    よび第2の絶縁膜を除去する工程と、 前記レジストを除去する工程とを有することを特徴とす
    る電子銃の製造方法。
  2. 【請求項2】 面方位(100)の上部シリコン層を有
    するSOI基板の上部シリコン層表面に、マスク材を形
    成する工程と、 前記SOI基板を異方性エッチングして、上部シリコン
    層に第1の(111)面を露出する工程と、 該第1の(111)面に絶縁膜を形成する工程と、 前記マスク材を除去する工程と、 前記マスク材を除去することにより露出したシリコン面
    を異方性エッチングして、上部シリコン層に第2の(1
    11)面を露出する工程とを有することを特徴とする量
    子細線の製造方法。
  3. 【請求項3】 面方位(100)の上部シリコン層を有
    するSOI基板の上部シリコン層表面に、マスク材を形
    成する工程と、 前記SOI基板をエッチングして、上部シリコン層に垂
    直なシリコン面を形成する工程と、 該垂直なシリコン面に絶縁膜を形成する工程と、 前記マスク材を除去する工程と、 前記マスク材を除去することにより露出したシリコン面
    を異方性エッチングして、上部シリコン層に(111)
    面を露出する工程とを有することを特徴とする量子細線
    の製造方法。
JP21377393A 1993-02-26 1993-08-30 電子銃および量子細線の製造方法 Withdrawn JPH06310029A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21377393A JPH06310029A (ja) 1993-02-26 1993-08-30 電子銃および量子細線の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3905293 1993-02-26
JP5-39052 1993-02-26
JP21377393A JPH06310029A (ja) 1993-02-26 1993-08-30 電子銃および量子細線の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06310029A true JPH06310029A (ja) 1994-11-04

Family

ID=26378364

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21377393A Withdrawn JPH06310029A (ja) 1993-02-26 1993-08-30 電子銃および量子細線の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06310029A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100438629B1 (ko) * 1996-03-27 2004-09-08 닛본 덴끼 가부시끼가이샤 진공마이크로디바이스
JP2007312373A (ja) * 2006-04-20 2007-11-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体装置の製造方法およびこれを用いた半導体装置
WO2011001680A1 (ja) * 2009-06-30 2011-01-06 パナソニック株式会社 共振器およびその製造方法
US7907025B2 (en) 2007-01-23 2011-03-15 Panasonic Corporation Electromechanical resonator and manufacturing method thereof

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100438629B1 (ko) * 1996-03-27 2004-09-08 닛본 덴끼 가부시끼가이샤 진공마이크로디바이스
JP2007312373A (ja) * 2006-04-20 2007-11-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体装置の製造方法およびこれを用いた半導体装置
US7907025B2 (en) 2007-01-23 2011-03-15 Panasonic Corporation Electromechanical resonator and manufacturing method thereof
WO2011001680A1 (ja) * 2009-06-30 2011-01-06 パナソニック株式会社 共振器およびその製造方法
JP5230810B2 (ja) * 2009-06-30 2013-07-10 パナソニック株式会社 共振器およびその製造方法
US8698257B2 (en) 2009-06-30 2014-04-15 Panasonic Corporation Resonator and production method thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3226238B2 (ja) 電界放出型冷陰極およびその製造方法
EP0637050B1 (en) A method of fabricating a field emitter
JP3460096B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPH06310029A (ja) 電子銃および量子細線の製造方法
JPH07254370A (ja) 微小3極真空管およびその製造方法
KR0174126B1 (ko) 전계 방출형 전자 총 제조 방법
US5924903A (en) Method of fabricating a cold cathode for field emission
JP2737675B2 (ja) 縦型微小冷陰極の製造方法
JPH06251694A (ja) 電子銃の製造方法
KR0175354B1 (ko) 전계 방출소자의 제조방법
JPH05242797A (ja) 電子放出素子の製造方法
JPH0653488A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JPH0652791A (ja) 電子銃の製造方法
JPH06302513A (ja) 単結晶シリコン量子細線の製造方法
US5953580A (en) Method of manufacturing a vacuum device
JP2846988B2 (ja) 電界放出型電子放出源素子
JPH0817332A (ja) 電界放射型電子素子およびその製造方法
JPH06310023A (ja) 電子放出素子及びその製造方法
KR100279749B1 (ko) 게이트와 에미터를 초근접시킨 전계방출 어레이의 제조방법
JPH0652789A (ja) 電子銃およびその製造方法
JPH05182583A (ja) 電界放出型素子及びその製造方法
JP2803641B2 (ja) 半導体装置の製造方法
KR19990024606A (ko) 단일전자 메모리의 스토리지 도트 형성방법
JPH0465048A (ja) 電子放出素子
JPH05198254A (ja) ウエッジ型シリコン電子銃及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20001031