JPH0630830B2 - 直流逆極性溶接用ソリッドワイヤ - Google Patents

直流逆極性溶接用ソリッドワイヤ

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JPH0630830B2
JPH0630830B2 JP61109152A JP10915286A JPH0630830B2 JP H0630830 B2 JPH0630830 B2 JP H0630830B2 JP 61109152 A JP61109152 A JP 61109152A JP 10915286 A JP10915286 A JP 10915286A JP H0630830 B2 JPH0630830 B2 JP H0630830B2
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博 星津
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は直流逆極性溶接用ソリッドワイヤに関し、詳細
には溶滴移行性を可及的に向上すると共に、これによっ
て高速溶接への要求を満たす等の諸利益を享受すること
に成功した直流逆極性溶接用ソリッドワイヤに関するも
のである。
[従来の技術] 近年の傾向として溶接ロボットや自動溶接機等を導入し
て溶接の高速自動化が進められており、この様な状況に
あっては、溶接用リソッドワイヤの性能もより高度のも
のが要求されている。
そして隣接用ソリッドワイヤに要求される重要な特性の
1つとして、溶滴移行性が挙げられる。これは、溶滴移
行をスプレー状にするとアークが安定し、スパッタが減
少して溶接作業性が良好になると共に溶接ビードも平滑
となり、高品質の溶接部を得ることができるからであ
る。
その為溶滴移行性の改善を期して色々な研究が行なわれ
ており、その一例として、ワイヤ表層部(外周面からワ
イヤ直径に対して2.5 %までの深さ位置に亘る表層部)
の酸素濃度を350ppm 以上に高めることが提案されて
いる(特開昭60−40685号公報)。即ち酸素には
溶融金属の表面張力を低下させる作用があり、表層部の
酸素濃度を上げることによって溶接時のわずかなピンチ
力で溶滴の粒子化が起こると考えられている。表層部に
対する上述の如き酸素濃度規制に比べ、上記表層部以外
の部分(以下内部という)の酸素濃度等について格別の
配慮がなされているのはいえず、内部の酸素濃度はむし
ろ溶滴移行性に余り重大な影響を与えないとさえ考えら
れていた。
[発明が解決しようとする問題点] ところが本発明者等は、上記開示ワイヤ等を用いて溶接
作業を行なって種々検討した結果、ワイヤ内部の酸素濃
度と溶滴移行性との間には密接な関係が存在することを
示唆する現象に遭遇すると共に、これから生じたと考え
られる下記の如き問題点を発見するに至った。
第2図[経時的に(a),(b),(c)の順に進む]
は上記開示リソッドワイヤー(一例として表層部の酸素
濃度:400ppm ,内部の酸素濃度:400ppm 、ちな
みに汎用ソリッドワイヤの内部酸素濃度は75〜85ppm で
ある)を用いて逆極性アーク溶接を行なっているときの
ワイヤ先端部を模式的に示した図である。この場合にお
いてはワイヤ内部1の酸素濃度が高いことから、溶融状
態におけるワイヤ内部1の表面張力が低く、この為内部
1からの溶滴1aの離脱が悪くなって[第2図(a),
(b)]溶着部2へ向けて縮径する様な延長部3[第2
図(c)]が生じてしまい、スムーズな溶滴移行性は保
証されなくなる。即ち溶接作業の高能率化という点で問
題が残る。また内部1からの溶滴1aはかなり大きなも
のとなって溶着部2へ落下し、この為どうしてもスパッ
タの発生を招いてしまう。更に溶滴が溶着部2に接触し
短絡して多量のスパッタを発生させる、アークが不安定
になる等溶接作業の安定化を阻害するという弊害も生じ
る。
本発明はこうした事情を憂慮してなされたものであっ
て、ワイヤ内部における溶滴移行性を可及的に向上させ
ることによって高速溶接の実現を可能ならしめる他、ス
パッタ減少や溶接作業の安定化等の諸利益を享受するこ
とのできる直流逆極性溶接用ソリッドワイヤを提供しよ
うとするものである。
[問題点を解決する為の手段] 本発明に係る直流逆極性溶接用ソリッドワイヤとは、ワ
イヤの外周面からワイヤ直径に対して2.5 %までの深さ
位置に亘る表層部の酸素濃度が350ppm 以上である直
流逆極性溶接用ソリッドワイヤであって、上記表層部以
外の部分における酸素及び硫黄の各濃度が、酸素濃度≦
70ppm 、硫黄濃度≦80ppm の両方を満たすところに
その要旨が存在するものである。
[作用] 本発明は上述の如く構成されるが、要はワイヤ内部(正
確には表層部以外の部分)の酸素濃度及びは硫黄濃度を
低下(酸素濃度は70ppm 以下、硫黄濃度は80ppm 以
下)させることによって溶融状態におけるワイヤ内部構
成金属(以下溶融金属ということがある)の表面張力を
上昇させ、該溶融金属を球形状の溶滴としてすみやかに
落下させ、もってワイヤ内部からの溶滴移行性を可及的
に向上せしめたところに本質的な特徴を有するものであ
る。即ち酸素や硫黄は溶融金属の表面張力を低下させる
様に作用することが分かったので、この様な酸素や硫黄
の含有量がワイヤ内部の溶融金属の表面張力を上昇させ
るという主旨の下で意識的に低濃度に抑えたのである。
尚本発明においては、酸素濃度条件及び硫黄濃度条件の
いずれをも同時に満たすことが必要であり、それらの条
件のうちいずれか一方だけを満たしても本発明の効果を
得ることができない。ここで酸素や硫黄と同様の効果を
発揮するものとしてはセレンやテルル等も挙げることが
できるが、これらの元素を意識的に添加することは一般
に極めて少ないと考えられ、又酸素や硫黄は不可避の元
素であると考えられるので、本発明では酸素と硫黄のみ
を限定することとした。
上記溶融金属の表面張力を上昇させたことによって、ワ
イヤ先端部にもたらされる現象については下記の通りで
あると考えられる。即ち第1図(a)及び(b)に示す
様に、上記溶融金属はその表面張力(上昇させた)によ
って即座に球型の溶滴になろうとしてくびれ部4を生じ
る。その為上記溶融金属としてはその自重によって第1
図(c)の如く小滴1bの状態で溶着部2へ落下するこ
とになり、従って溶滴離脱が促進される。
一方表層部5の表面張力についてはこれを小さくしてい
るのであるが、この様にしてやると殊に溶滴の成長初期
において溶滴移行を円滑に進行させることができる(溶
滴がある程度の大きさになった場合については上述の通
りである)。
尚本発明のソリッドワイヤが適用される母材の種類とし
ては、軟鋼、50キロ級高張力鋼から60キロ級以上の
高張力鋼、低温溶鋼、Cr−Mo鋼及びステンレス鋼等
の各種合金鋼等が含まれ、溶接に当たって使用されるシ
ールドガスとしてはAr、He,Co等の単独ガスの
他Ar−CO、Ar−O、CO−O、Ar−C
−O等の混合ガス等が挙げられる。即ち本発明で
はアーク安定化を期して不活性ガスに少量の活性ガスを
混合した場合は勿論のこと、アーク安定性や溶滴移行性
に問題があるとされている不活性ガスを単独で使用した
場合ですらも、ソリッドワイヤ自体の改質によって良好
なアーク安定性、溶滴移行性等を保障することができる
のである。又ワイヤ表層部及び内部の酸素濃度を測定す
る方法は種々考えられるが、特開昭60−40685号
公報に開示された方法を採用すれば比較的簡単な操作で
精度良く求めることができ、本発明においてもその方法
に従って酸素濃度を求めた。
[実施例] 以下実施例を挙げることによって酸素濃度≦70ppm ,
硫黄濃度≦80ppm とした根拠を夫々説明する。
(1) 酸素濃度≦70ppm について: 溶滴移行性を評価するに当たっての客観的指標として
は、短絡回数やスプレー化臨界温度等を挙げることがで
きるが、本発明者等もこれらの指標を用いて溶滴移行性
について検討した。
即ちJIS Z 3312 YGW12に属するCO
溶接用ソリッドワイヤ(1.2 mmφ)であってワイヤ中心
部酸素濃度の異なるワイヤを用い、これを各種条件下
(温度,時間,雰囲気)で焼鈍することによってワイヤ
表面における粒界酸化層の厚みをコントロールし、下記
第1表に示す如きワイヤ内部及び表層部の酸素濃度を夫
々変化させた各種のワイヤを試作した。
次いで上記第1表の各ワイヤを下記の第2表の如き溶接
条件で溶接し、そのときの短絡回数及びスプレー化臨界
電流を求め、それらの結果を夫々第3図及び第4図に示
した。
第3図から明らかな様に、表層酸素濃度が350ppm 以
上になると短絡回路が急激に増加する。この傾向は中心
部の酸素濃度が低い程顕著で70ppm 以下で極めて顕著
に現われている。また第4図のスプレー化臨界温度につ
いても上記短絡回数と同様の傾向であった。
(2) 硫黄濃度≦80ppm について: JIS Z 3312 YGW15に属する混合ガスア
ーク溶接用ソリッドワイヤ(1.2 mmφ)であってワイヤ
中心部における硫黄濃度及び酸素濃度を変化させた下記
第3表の如きワイヤを用い、前記第2表と同様の溶接条
件で溶接を行ない、このときのスプレー化臨界電流を調
査し、第5図の如き結果を得た。
尚ワイヤ表層部酸素濃度のコントロールに当たっては、
該コントロールが比較的容易な化成処理法を採用し、3
50ppm とした。
第5図から明らかな様に中心部の硫黄濃度が低い程スプ
レー化臨界温度は低く、この傾向は硫黄濃度が80ppm
以下で特に顕著であった。
[発明の効果] 本発明は上述の如く構成されているので下記の如き優れ
た効果が発揮される。
(1) 溶滴移行性を可及的に向上させ高速溶接を可能のも
のとすると共に、溶接の自動化達成に寄与することがで
きる。
(2) アーク安定性の向上及びこれによる溶接作業性の向
上、アーク長の短縮化及びこれによるアンダーカット等
の減少(高速溶接時)を達成することができる。
(3) スプレー移行を可能とする電流域を低下させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(c)は溶接時における本発明ワイヤの
先端部を示す模式図、第2図(a)〜(c)は従来のワ
イヤにおける第1図に相当する模式図、第3図〜第5図
は本発明ワイヤ等を用いて溶接を行なったときの短絡回
数及びスプレー化臨界電流を示す図である。 1……ワイヤ内部、2……溶着部 3……延長部、4……くびれ部 5……表層部、1a……溶滴 1b……小滴
フロントページの続き (72)発明者 田畑 勝 神奈川県横浜市磯子区洋光台3−28−26 (56)参考文献 特開 昭58−192694(JP,A) 特開 昭60−40685(JP,A) 特公 昭52−23869(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイヤの外周面からワイヤ直径に対して2.
    5 %までの深さ位置に亘る表層部の酸素濃度が350pp
    m 以上である直流逆極性溶接用ソリッドワイヤであっ
    て、上記表層部以外の部分における酸素及び硫黄の各濃
    度が、酸素濃度≦70ppm 、硫黄濃度≦80ppm の両方
    を満たすことを特徴とする直流逆極性溶接用ソリッドワ
    イヤ。
JP61109152A 1986-05-13 1986-05-13 直流逆極性溶接用ソリッドワイヤ Expired - Fee Related JPH0630830B2 (ja)

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