JPH0630749A - 食品の洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品の洗浄と、食品に混在しているごみを効
率的に除去することができる洗浄装置の提供。 【構成】 上部が洗浄路２とされ下部が戻り流路２１と
された洗浄水の循環路２ａと；前記洗浄路の上流側に設
けられた投入口２３と；前記洗浄路の下流側に設けられ
た取出口２４と；前記取出口に差込まれた引上げ用コン
ベア６と；前記洗浄路内に列設されると共に下流側に向
けて傾斜させたエアー噴気口３と；前記洗浄路で洗浄さ
れながら搬送される野菜Ｈを洗浄路終端側で水中に押圧
した状態で取出口側に潜行させる潜行用ネットコンベア
４と；潜行する野菜から分離した浮遊ごみＤを除去する
ごみ取りかご５と；を備えている構成。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、野菜、魚介類、海草等
の食品の洗浄とごみ取りを同時に行う食品の洗浄装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】食品を洗浄する際、出荷時に結束してい
たビニール紐のクズや食品に付着した毛髪、虫類、刻み
野菜等に含まれる小さな野菜クズ等を除去しなければな
らないが、従来のこの種の洗浄装置では、洗浄路の下面
に設けた噴気口からエアを噴出させて食品を洗浄し、こ
の食品から分離した浮遊ごみを、洗浄路の下流側に設け
た回転ブラシでからめ取ったり、オーバーフロー穴から
洗浄水と共に排出させてフィルターで除去したりするよ
うにしていた。また、洗浄路終端に網かごをその一端側
が洗浄水に差し込まれた状態にして設け、洗浄水に浮遊
するごみをすくい取るようにしたもの等があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の、例えば浮遊ごみを回転ブラシで除去するようにし
たものでは、ブラシ先端で水中に押圧された浮遊ごみ
は、ブラシに係止することなく下流側に押しやられ、ま
た、オーバーフロー穴から洗浄水と共に排出するように
したものでは、オーバーフロー穴は洗浄路の側面側にし
か設けられないので、洗浄水の表層部全てをオーバーフ
ローさせることができず残った浮遊ごみが前記同様に下
流側に押しやられ、この下流側に押しやられたごみは、
引上げ用コンベアまわりによどんで洗浄された食品に再
付着するため、ごみ取り効果を良くできないという問題
があった。

【０００４】また、網かごで浮遊ごみを除去するもので
は、洗浄路全幅に亘る除去作用が可能であり除去効率も
高いが、白菜、キャベツ等の比重の軽い葉菜類を洗浄中
は、この葉菜類もごみも洗浄水の水面近くを混在して搬
送され、また、比重の重い食品でも噴気に煽られて上昇
したときは浮遊ごみと混在して搬送されてくるので、浮
きごみ、虫類、野菜クズ等小さな浮遊ごみしか入らない
ようにした網かごでは、逆に葉菜類等が網かごの取入口
をふさいでごみ取り効果が上らないという問題があっ
た。尚、前記野菜クズを除去しないまま刻み野菜を漬物
等に加工すると、水分等が白濁して製品の品質を落とす
ため、野菜クズも同時に除去しなければならない理由が
ある。

【０００５】本発明はかかる従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、その目的とするところは、
ブラシで係止できないような極く小さな浮きごみでも除
去することができ、しかも洗浄水の表層部を搬送される
食品中からでも効率よく浮ごみを除去することができる
ようにした食品の洗浄装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の手段として本発明請求項１記載の食品の洗浄装置で
は、上部が食品の洗浄路とされ下部が戻り流路とされた
洗浄水の循環路と；前記洗浄路の上流側に設けられた食
品の投入口と；前記洗浄路の下流側に設けられた食品の
取出口と；前記取出口に洗浄路外から傾斜して差込まれ
た引上げ用コンベアと；前記洗浄路内にその長さ方向に
沿って複数列設されると共に下流側に向けて傾斜させた
噴気口と；搬送面に浮遊ごみ通過用の開口部を有し、前
記洗浄路で洗浄されながら搬送される食品を洗浄路終端
側で水中に押圧した状態で取出口側に潜行させる潜行用
コンベアと；潜行する食品から分離した浮遊ごみを除去
するごみ取り手段と；を備えている構成とした。

【０００７】また、請求項２記載の食品の洗浄装置で
は、請求項１記載の食品の洗浄装置において、前記ごみ
取り手段が網状底面を傾斜させて一端側を洗浄路に差込
まれるかご状体に形成されている構成とした。

【０００８】

【作用】請求項１記載の食品の洗浄装置では、投入口で
洗浄水内に投入された食品は、洗浄路内の噴気によって
洗浄されながら取出口側へ搬送される。このとき、食品
は噴気によって煽られ水面近くまで上下を繰返しながら
移動するから、水面に近いところでは浮ごみと混在した
状態となる。そして、下流側に移行すると、食品が潜行
用コンベアによって押圧されるから、全ての食品は所定
深さ沈められた状態で取出口側に搬送される。このと
き、食品より小さい浮遊ごみは、開口部を介して搬送面
を通過しそのまま水面近くを搬送される。この、食品が
完全に浮遊ごみと隔離された段階で浮遊ごみはごみ取り
手段で除去される。

【０００９】請求項２記載の食品の洗浄装置では、かご
状体の底面が傾斜状態で洗浄路に差込まれているので、
浮遊ごみは取出口に到着する前に底面に乗りあげ除去さ
れる。

【００１０】

【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。まず、実施例の構成を説明する。図１は本実
施例の食品の洗浄装置を示す縦断面図、図２は同上の要
部を示す拡大縦断面図、図３は図１のＭ−Ｍ線による断
面図、図４は同上のごみ取りかごを示す斜視図である。
本実施例の食品の洗浄装置Ａは、貯水槽１と、洗浄路２
と、エアー噴気口３と、潜行用コンベア４と、ごみ取り
かご５と、を主要な構成としている。

【００１１】前記貯水槽１は、洗浄水Ｗを貯水するため
の上面開口状の水槽であり、この実施例では水面Ｌを一
定に保つためのオーバーフロー穴１０と，排出バルブ１
１と，移動キャスター１２を備えている。また、図中１
３は洗浄水を供給する水道水供給口であり、投入された
食品Ｈを洗浄路２内にスムーズに送り込む作用もある。
１４は食品Ｈの逆流防止用ネットであり、貯水槽１に対
し開閉自在に設けられている。

【００１２】前記洗浄路２は、気泡を集中的に浴びせる
ことによってキュウリ、ショウガ、ナスビ、大根、また
はそれ等を刻んだ野菜Ｈを効率良く洗浄しながらビニー
ル紐、ワラ、動物の毛や毛髪、虫、野菜クズ等のごみＤ
を取り除くための流路であり、この実施例では、前記貯
水槽１内に両端部を開口状態にして設けた隔離板２０の
上部に形成され、下部には洗浄路２とで洗浄水の循環路
２ａを設けるための戻り流路２１が形成されている。
尚、前記隔離板２０は、所定幅の長尺板２０ａを隙間２
０ｂを有して複数枚着脱自在に連設することによって形
成されている。また、その一側開口端面２２側の上面を
野菜Ｈの投入口２３とし、かつ他側開口端面側を取出口
２４としている。また、貯水槽１の内底部には傾斜面１
７を形成させている。

【００１３】前記エアー噴気口３は、洗浄路２内の野菜
Ｈに集中的に気泡を浴びせることによって洗浄を行なう
と共に、野菜Ｈを取出口２４側へ移行させるためのエア
ー噴出口であり、この実施例では、先端に傾斜状のエア
ー噴気口３を備えたノズル管３０が、洗浄路２の底部裏
面においてその長手方向に沿って配管されたエアー配送
管３１の上面側にそれぞれ一定間隔のもとに多数本立設
されると共に、各ノズル管３０の先端を洗浄路２の底部
に開設された隙間２０ｂ内に挿入させることによって、
各傾斜状のエアー噴気口３を洗浄路２の内底部にその長
さ方向に沿って多数列設させた状態で開口させている。
そして、このノズル管３０を取出口２４側へ傾倒させる
ことによって、エアー噴気口３が洗浄路２の取出口２４
側に向けて傾斜状に開口されている。尚、図中Ｂで示す
ものは前記エアー配送管３１に接続されたブロアであ
る。

【００１４】前記潜行用コンベア４は、浮遊ごみＤのみ
を洗浄水の上部に集めるために、洗浄中の野菜Ｈを洗浄
路２の終端側で所定深さに沈めて取出口２４まで搬送さ
せるものであって、図２に示すように、貯水槽１に横架
されたコンベアフレーム４０に上下２個所ずつベルトプ
ーリ４１が軸支され、そのうち上部１個のプーリは、電
動機４２と連結されている。前記各プーリには、洗浄中
の野菜Ｈを挿通させない大きなメッシュの無端ベルト状
ネット４３が貯水槽１の横幅と略同一大きさで張設さ
れ、その下部搬送面４４が所定深さ水中に没するように
配置されている。そして、この下部搬送面４４が取出口
２４方向へ移行するように駆動される。

【００１５】前記ごみ取りかご５は、水面上、あるいは
ある程度水面下に沈んで取出口２４側に移動してくる浮
遊ごみＤを除去するものであって、図４に示すように、
貯水槽１の横幅と略同一大きさのかご状フレーム５０に
底面５１、両側面５２，５２、背面５３のみに小さなメ
ッシュのステンレス製防虫網が張設され、上面５４と前
面５５が開口したかご状に形成されている。そして、該
ごみ取りかご５は、図２に示すように、前記潜行用コン
ベア４のコンベアフレーム４０内に配置され、かご状フ
レーム５０の上枠材５６を貯水槽１の上縁部１７に載置
して使用される。このとき、底面５１は、前端が適宜水
面Ｌより低い位置となると共に後端が水面Ｌより適宜高
くなるように形成されている。図中６は引上げ用ネット
コンベアであり、その下端側を洗浄路２の取出口２４側
における貯水槽１内に傾斜して差込まれている。また、
６０は清水シャワー装置である。

【００１６】次に作用を説明する。本実施例では上述の
ように構成されるので、投入口２３から投入された野菜
Ｈは、水道水供給口１３から供給される水道水により洗
浄路２内にスムーズに送り込まれる。洗浄路２の内部で
は、エアー噴気口３から噴出されるエアーにより気泡が
発生し、かつこの気泡が傾斜状に開口されたエア噴気口
３から取出口２４側に向けて噴出されることから、洗浄
路２内の洗浄水Ｗに、投入口２３側から取出口２４側に
向う流れが生じるので、洗浄路２内に送り込まれた野菜
Ｈは、水中内で気泡を集中的に浴びて洗浄され上下移動
を繰返しながら取出口２４側へ移送される。そして、洗
浄中に野菜Ｈから分離されたごみＤのうち、比重の軽い
ものは水面Ｌ上を浮遊しながら取出口２４側に移送され
る。

【００１７】この取出口２４側では、潜行用コンベア４
の下部搬送面４４が水中に配置されているため、野菜Ｈ
はコンベアに当接後、下部搬送面４４により水中の所定
深さまで押圧された状態で取出口２４方向に搬送され
る。

【００１８】そして、浮遊ごみＤは、潜行用コンベア４
の搬送面の網目を通ってそのまま水面近くを移行するた
め、水面近くに設けられたごみ取りかご５によって全て
洗浄水Ｗから除去される。この場合、ごみ取りかご５
は、洗浄路２となる貯水槽１の横幅いっぱい設けられて
いるので、ごみＤの取りこぼしがなく、取出口２４側に
搬送された野菜Ｈに再付着することがない。尚、比重の
重いごみは、沈殿後、隔離板２０の隙間２０ｂから貯水
槽１の底に落下される。

【００１９】潜行用コンベア４で取出口２４側に搬送さ
れた野菜Ｈは、このようにして十分洗浄された後、引上
げ用ネットコンベア６によって洗浄路２から逐次引上げ
られる。

【００２０】以上説明してきたように本実施例の食品の
洗浄装置Ａでは、野菜洗浄と、野菜に混入しているビニ
ール紐、ワラ、動物の毛や毛髪、虫、野菜クズ等のごみ
取りを同時に行うことができる。ごみを除去するごみ取
りかごは、洗浄路２の洗浄作用や野菜Ｈの送り作用を阻
害することなく浮遊ごみを完全に除去することができ
る。特に、網のメッシュを小さくすることにより、極く
小さな野菜クズ等も洗浄水から完全に取除くことができ
る。ごみ取り方法が簡単であり消耗品も少く経済的であ
る。洗浄路２内では、噴気によって野菜Ｈは煽られて水
面近くまで上昇して浮遊ごみＤと混在した状態となる場
合があるが、これを潜行用コンベア４で浮遊ごみＤと野
菜Ｈとを完全に分離させ、浮遊ごみのみを集中的に除去
できるからごみ取り効果を上げることができる。

【００２１】以上本発明の実施例を説明してきたが、本
発明の具体的な構成はこの実施例に限定されるものでは
なく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっ
ても本発明に含まれる。例えば実施例では、洗浄路２は
貯水槽１内に隔離板２０を設けることによって形成する
としたが、これに限らず、貯水槽１内に断面略Ｕ字状に
形成した槽を設けて、この槽内を洗浄路、槽外を戻り流
路とするようにしてもよい。

【００２２】実施例では、噴気口３からエアーを噴出さ
せて洗浄するとしたが、噴気口３から蒸気を噴出させて
殺菌も行うようにすることができる。

【００２３】浮遊ごみＤはごみ取りかご５で行うとした
が、回転ブラシを使用してもよい。また、洗浄水のみを
上流側から下流側へ流通させる貫通穴等を備えた平板状
ブラシを洗浄路２に邪魔板状に設けてもよい。また、ご
み取りかごとこれ等を混用してもよい。

【００２４】潜行用コンベアのベルト形状や配置等は任
意に設定することができる。

【００２５】洗浄水は、供給口１３から水道水を供給す
るとしたが、これに限らず、オーバーフロー穴１０から
回収した洗浄水をフィルターとポンプを介し供給口１３
に供給して循環使用するようにしてもよい。

【００２６】

【発明の効果】以上、説明してきたように本発明請求項
１記載の食品の洗浄装置にあっては、前記構成としたた
め、食品の洗浄と、食品に混入しているビニール紐、ワ
ラ、動物の毛や毛髪、虫、野菜クズ等のごみ取りを同時
に行うことができる。潜行用コンベアを設けたことによ
って食品を浮遊ごみから分離させ、効率よくごみ取りを
行わせることができる。ごみ取りは、洗浄水が循環する
前の位置で行うことができるから、ごみを洗浄済みの食
品に再付着させることがなく、ごみ取りを効率的に行う
ことができる等の効果が得られる。

【００２７】請求項２記載の食品の洗浄装置にあって
は、前記効果の外、ごみ取りかごのメッシュを小さくす
ることによって、極く小さな野菜くず等のごみも効率よ
く除去することができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の食品の洗浄装置を示す縦断面図
である。

【図２】同上の要部を示す拡大縦断面図である。

【図３】図１のＭ−Ｍ線による断面図である。

【図４】ごみ取りかごを示す斜視図である。

【符号の説明】

Ａ 食品の洗浄装置 Ｄ 浮遊ごみ Ｈ 野菜 Ｌ 水面 １ 貯水槽 ２ 洗浄路（循環路） ２ａ 循環路 ３ エアー噴気口（噴気口） ４ 潜行用コンベア ５ ごみ取りかご ６ 引上げ用ネットコンベア（引上げ用コンベア） ２１ 戻り流路（循環路） ２３ 投入口 ２４ 取出口 ３０ ノズル管（噴気口） ４３ 無端ベルト状ネット（搬送面の開口部） ５１ ごみ取りかごの底面（ごみ取り手段）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部が食品の洗浄路とされ下部が戻り流
   路とされた洗浄水の循環路と；前記洗浄路の上流側に設
   けられた食品の投入口と；前記洗浄路の下流側に設けら
   れた食品の取出口と；前記取出口に洗浄路外から傾斜し
   て差込まれた引上げ用コンベアと；前記洗浄路内にその
   長さ方向に沿って複数列設されると共に下流側に向けて
   傾斜させた噴気口と；搬送面に浮遊ごみ通過用の開口部
   を有し、前記洗浄路で洗浄されながら搬送される食品を
   洗浄路終端側で水中に押圧した状態で取出口側に潜行さ
   せる潜行用コンベアと；潜行する食品から分離した浮遊
   ごみを除去するごみ取り手段と；を備えていることを特
   徴とする食品の洗浄装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の食品の洗浄装置におい
   て、前記ごみ取り手段が網状底面を傾斜させて一端側を
   洗浄路に差込まれるかご状体に形成されていることを特
   徴とする食品の洗浄装置。