JP4175446B2 - 食器洗浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は食器洗浄装置に関し、さらに詳しくは保守点検作業や清掃作業を容易に行えるようにした食器洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、学校給食や大食堂等で使用される食器類の食器洗浄装置では、無端状のネット状コンベヤが洗浄室を通過するように構成し、そのネット状コンベヤに食器を載せて搬送しながら、洗浄室内で噴射ノズルから洗浄水を噴射して洗浄するようにしている。
【0003】
しかし、上記食器洗浄装置は、ネット状コンベヤは搬送中に食器が脱落しない程度の網目を形成し、搬送面の幅を洗浄室内の幅と略同じ大きさになるように構成しているため、コンベヤの上方から下方に手を挿入することは殆ど不可能であり、またコンベヤを取り外すことも非常に手間がかかり、ほとんど取り外すことはなかった。そのため、食器から洗浄された残飯等がコンベヤより下方の装置底部に付着したままの状態で残置されることがあり、それらの残飯等によって菌が繁殖するなどの衛生上の問題を生じていた。また、コンベヤより下方の補修作業をするときは装置を解体して行わなければならず、非常に困難を要していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、保守点検や清掃作業を容易に行えるようにし、常に清潔な使用を可能にする食器洗浄装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の食器洗浄装置は、洗浄室の前後部に食器の投入口と排出口を設け、該洗浄室内を前記投入口から排出口へ貫通する少なくとも1列の搬送路を配置し、該搬送路が左右一対のガイドレールと該一対のガイドレールの中間を食器を引掛けて平行移動するチェンコンベヤとからなり、前記ガイドレールは食器を載置する水平ガイド面と食器を誘導する垂直ガイド面とから断面L字状に形成され、前記チェンコンベヤは、前記ガイドレールに載置された食器の下端より上方へ突出する複数個のフックを進行方向に沿って略等間隔に設け、前記洗浄室内に前記搬送路の上面と左右両側を断面コの字状に囲む飛散防止カバーと共に、該搬送路の上方及び下方に搬送方向に沿って多数の噴射ノズルを配列した洗浄パイプを配置し、前記洗浄室の外殻上面及び側面を開放自在にし、前記洗浄パイプ、飛散防止カバー、ガイドレールを前記洗浄室から離脱自在に構成したことを特徴とするものである。
【0006】
上記のように洗浄室内に配置した搬送路を左右一対のガイドレールとチェンコンベヤとから構成し、その洗浄室の外殻上面及び側面を開放自在にすると共に、洗浄パイプ、飛散防止カバー、ガイドレールを洗浄室から離脱自在にしているので、保守点検作業や清掃作業の際に洗浄室の外殻を開放すると共に、さらに洗浄パイプ、飛散防止カバー、ガイドレールを取り外せば、洗浄室内はチェンコンベヤだけが残った状態にし、外側から洗浄室内に手等を自由に挿入できるようにするため、保守点検作業や清掃作業を容易にすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態を参照して具体的に説明する。
図1(イ),(ロ)は、本発明の食器洗浄装置を例示したものであり、例えば学校給食等で大量の食器を洗浄する場合に使用されるものである。
【0008】
食器洗浄装置は、洗浄室1を上部に配置すると共に、その下部に洗浄室1から流下する洗浄水の回収槽2を配置し、下部の四隅を支持脚3により支持するように構成されている。洗浄室1の前部と後部には、それぞれ未洗浄食器を供給する投入口4と洗浄後の食器が排出する排出口5とが設けられている。洗浄室1の外殻7は投入口4と排出口5を開口すると共に、天面7Aと左右両側の側面7B,7Bが開閉自在或いは着脱自在に構成され、開放自在になっている。図示の例では、このように左右両側の側面7B,7Bを開放可能にしているが、食器洗浄装置を他の装置と隣接または壁面に沿って設置する場合には、いずれか一方の側面7Bまたは7Bが開閉できるようにしてあればよい。
【0009】
上記洗浄室1には、食器の投入口4から排出口5に向けて貫通するように複数列(図示の例では4列)の搬送路6が設けられている。各列の搬送路6は、それぞれ左右一対のガイドレール9,9と、その中間を並行に移動する無端状のチェンコンベヤ10とから構成されている。チェンコンベヤ10は、前後両端部に横設された駆動軸11と従動軸12とにエンドレスに懸架され、駆動軸11が駆動モータ13に駆動されることにより矢印方向に回動するようになっている。
【0010】
複数列に配設された搬送路6としては、全ての搬送路6が同じ大きさの食器を搬送するものだけにするのではなく、径の異なる複数種類の食器用搬送路6を組合せて配置するようにしてよいことはもちろんである。
【0011】
洗浄室1内を通過する搬送路6の周囲には、上面と左右両側を断面コの字状に囲むように飛散防止カバー8が設置されている。飛散防止カバー8の下方側は開口し、その開口下方側に左右一対の洗浄パイプ14A,14Aが設置され、また飛散防止カバー8の上方にも同じく左右一対の洗浄パイプ14B,14Bが設置されている。さらに飛散防止カバー8の搬送方向出口側に、上水管22に連結された仕上洗浄パイプ23が搬送路6を囲むように設けられ、仕上げの洗浄水が噴射するようになっている。
【0012】
洗浄パイプ14(14A,14B)には、図2に示すように、それぞれ搬送路6側に対向するように噴射ノズル15a,15bが設けられ、これら噴射ノズル15a,15bは洗浄パイプ14の長手方向に沿って多数設けられている。上方側の洗浄パイプ14Bの場合は、その噴射ノズル15bが飛散防止カバー8の上面に設けられた穴16を介して内部に臨むようになっている。もちろん、上方側の洗浄パイプ14Bは飛散防止カバー8の内側に配置するようにしてもよく、この場合には穴16を設けなくてもよい。噴射ノズル15a,15bは、それぞれ噴射方向を垂直方向だけに限らず、左右に傾斜する角度が種々異なるように変化させることにより、搬送路6を移動する食器Sの全域に洗浄水を万遍なく行き渡らせられるようになっている。
【0013】
飛散防止カバー8は、搬送路6を洗浄パイプ14(14A,14B)の噴射ノズル15a,15bから噴射した洗浄水が飛散防止カバー8の外側に直接噴射しない範囲に囲繞するように形成されている。形状としては、断面コの字状であるが、食器Sの移送方向に沿って囲繞するものであれば、半円形、三角形などの変形コの字状であってもよい。
【0014】
飛散防止カバー8は各搬送路6毎に個々に設けられており、このように各列毎に設けることにより、各搬送路6で噴射した洗浄水が他の搬送路に残飯等を持ち込まないようにしている。また、飛散防止カバー8の内側には、ガイドレール9上を移動する食器Sが洗浄噴射水によってガイドレールから脱落しないように、食器Sの上部を押さえるようにする食器押え(図示せず)を設けるようにするとよい。
【0015】
複数本(4本)のチェンコンベヤ10は、それぞれ上部側の往路が左右一対のガイドレール9,9の中間に位置して搬送路6を形成している。左右一対のガイドレール9,9は、それぞれ水平ガイド面9aと垂直ガイド面9bとから断面L字状に形成され、水平ガイド面9a,9aで下向きにした食器Sの両端を案内し、垂直ガイド面9b,9bで両縁を誘導するようにしている。左右のガイドレール9,9の間隔(垂直ガイド面9b,9b間の間隔)は、食器Sの円滑な移動を許容する程度の大きさにすると共に、水平ガイド面9aから落下させない程度にすればよい。また、水平ガイド面9a及び垂直ガイド面9bは、食器Sが滑りやすいように表面が平滑に形成され、表面滑性に優れた樹脂或いは金属を使用するとよい。
【0016】
チェンコンベヤ10には、その長手方向に沿って複数のフック24が等間隔に固定されている。チェンコンベヤ10の往路(上部側)において、チェンコンベヤ10自体はガイドレール9の水平ガイド面9aよりもやや下方に位置するが、上記フック24は水平ガイド面9aよりも上方に突出するように設けられ、水平ガイド面9a上に裁置された食器Sを後方から押すようにしてチェンコンベヤ9と共に搬送するようにする。チェンコンベヤ10上におけるフック24の間隔(ピッチ)は、1個の食器Sが納まる程度の長さであればよく、好ましくは食器Sの径よりやや大きい程度にするのがよい。このような間隔を設定することにより、多数の食器Sを効率よく移送することができる。
【0017】
また、洗浄室1下方に設けた回収槽2には、ネット状の残菜受17が下側の洗浄パイプ14Aの下方に位置するように設けられている(図1参照)。さらに下方にオーバフロー管兼用の排水管18が設けられ、さらに底部にはフィルター付きの回収口19が設けられている。回収口19には、回収槽2に回収された洗浄水が吸引され、ポンプ20により送水管21を介して再び洗浄パイプ14A,14Bに循環されるようになっている。
【0018】
本発明の食器洗浄装置は、上述したように洗浄室1の外殻7を構成する天面7Aと左右両側の側面7B,7Bが開閉自在或いは着脱自在に構成されると共に、さらにガイドレール9については、図3(イ),(ロ)に示すように、飛散防止カバー8に一体に固定されたレール部分9Aと、洗浄室1の前後両外側の投入口4側と排出口5側とにそれぞれ延長するレール部分9B,9Bとに分割された構成になっていて、少なくとも飛散防止カバー8と一体のレール部分9Aが、図3(ロ)に示すように、飛散防止カバー8と共に洗浄室1から離脱できるようになっている。また、左右のガイドレール9Aは飛散防止カバー8の両側面下端に螺子により着脱自在にしてもよく、或いは飛散防止カバー8に一体に形成されるようにしてもよい。
【0019】
また、洗浄パイプ14(14A,14B)は、図4(イ),(ロ)に示すように、長手方向の一方の端部14eが送水管21に設けた嵌合穴30に着脱自在に取り付けられ、さらに他方の端部14fが、この端部14fに固定した爪32を介して洗浄室1側に設けた支持板33に着脱自在に係止されるように構成されている。このように取り付けられた洗浄パイプ14(14A,14B)を取り外す時は、まず他方の端部14fのフック32を支持板33から外し、次いで一方の端部14eを送水管21の嵌合穴30から引き抜くようにすれば容易に離脱することができる。
【0020】
また、本発明の食器洗浄装置には、投入口4に食器を積層して下方から1枚ずつ分離供給するようにした食器供給装置(図示せず)を配置し、また排出口5に洗浄室1から1枚ずつ排出される食器を順次積み重ねていく食器整理装置(図示せず)を配設し、食器の供給と取出しを自動的に行うようにしてもよい。
【0021】
上述した本発明の食器洗浄装置を使用して食器の洗浄を行うときは、まずポンプ20を運転して回収槽2の洗浄水を送水管21から洗浄パイプ14(14A,14B)に圧送し、噴射ノズル15a,15bから洗浄水を洗浄室1に噴射する状態にする。同時に、駆動モータ13を始動してチェンコンベヤ10を回動させた状態にする。次いで、投入口4から食器を搬送路6上に順次載置すると、食器はチェンコンベヤ10によりガイドレール9上を滑りながら洗浄室1へ搬送され、その洗浄室1で洗浄パイプ14から噴射する洗浄水により洗浄される。
【0022】
洗浄室1では、上記のように噴射水により食器から洗い落とされた残飯等は周辺に飛び散ろうとするが、飛散防止カバー8で覆われているので、その飛散防止カバー8が周辺への飛散を防止し、別の搬送路6に飛散したり、その食器に付着したりしないようにする。このようにして洗浄を終わった食器は排出口5へ送り出される。
【0023】
本発明の食器洗浄装置を保守点検や清掃作業するときは、洗浄室1の外殻7を構成する天面7Aと左右両側の側面7B,7Bが開閉自在或いは着脱自在になっているので、まず天面7aおよび少なくと側面7B,7Bの一方を開けるか取り外し、外側から洗浄室1の内部が容易に確認できる状態にする。また、残菜受け17も取り外すようにするとよい。
【0024】
次に、洗浄パイプ14(14A,14B)を支持板33と送水管21から取り外し、洗浄室1の外側へ取り出す。さらに、飛散防止カバー8と、この飛散防止カバー8に固定されているレール部分9A(ガイドレール9)とを取り外し、これらも洗浄室1の外側へ取り出す。
【0025】
このように洗浄パイプ14(14A,14B)、飛散防止カバー8、レール部分9A(ガイドレール9)を洗浄室1から取り外すことにより、洗浄室1内には4本のチェンコンベヤ10だけが残された状態になる。それらチェンコンベヤ10の相互間は、レール部分9Aが外されているため大きな隙間を生じ、回収槽2内が容易に目視できるようになっていると共に、手を内部深くまで容易に挿入できるようになっている。
【0026】
したがって、洗浄室内および回収槽内部の隅々まで掃除して取り除くことができ、そのため残飯による菌の繁殖を招くことがなく、常に食器洗浄装置を衛生状態に維持することができる。また、内部の部品の点検や修理などの保守点検も容易に行うことができる。
また、本発明の食器洗浄装置は、実施例のように複数列の搬送路を設けている場合は、一つの搬送路で洗浄パイプの噴射ノズルに目詰まりなどを生じた場合でも、その搬送路を修理する時まで他の搬送路では洗浄作業を継続させることができる。
【0027】
【発明の効果】
上述したように本発明の食器洗浄装置によれば、洗浄室内に配置した搬送路を左右一対のガイドレールとチェンコンベヤとから構成し、その洗浄室の外殻上面及び側面を開放自在にすると共に、洗浄パイプ、飛散防止カバー、ガイドレールを洗浄室から離脱自在にしているので、保守点検作業や清掃作業の際に洗浄室の外殻を開放すると共に、さらに洗浄パイプ、飛散防止カバー、ガイドレールを取り外せば、洗浄室内はチェンコンベヤだけが残った状態にし、外側から洗浄室内に手等を自由に挿入できるようにするため、保守点検作業や清掃作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなる食器洗浄装置を示し、(イ)は縦断面図、(ロ)は平面図である。
【図2】図1の食器洗浄装置の洗浄室内の主要部を搬送方向に直交する方向で切断した断面図である。
【図3】図1の食器洗浄装置の洗浄室の要部を示し、(イ)は洗浄室内のガイドレールと飛散防止カバーとの部分を示す斜視図、(ロ)は(イ)における部分の飛散防止カバーをレール部と共に離脱した状態を示す斜視図である。
【図4】図1の食器洗浄装置の洗浄室における洗浄パイプ部分を示し、(イ)は一部を断面にして示す正面図、(ロ)は(イ)の矢印X方向から見た図である。
【符号の説明】
1 洗浄室
2 回収槽
4 投入口
5 排出口
6 搬送路
7 (洗浄室の)外殻
7A(洗浄室外殻の)天面
7B(洗浄室外殻の)側面
8 飛散防止カバー
9 ガイドレール
9A,9B レール部分
9a 水平ガイド面
9b 垂直ガイド面
10 チェンコンベヤ
14,14A,14B 洗浄パイプ
15a,15b 噴射ノズル
24 フック
S 食器

Claims (3)

  1. 洗浄室の前後部に食器の投入口と排出口を設け、該洗浄室内を前記投入口から排出口へ貫通する少なくとも1列の搬送路を配置し、該搬送路が左右一対のガイドレールと該一対のガイドレールの中間を食器を引掛けて平行移動するチェンコンベヤとからなり、前記ガイドレールは食器を載置する水平ガイド面と食器を誘導する垂直ガイド面とから断面L字状に形成され、前記チェンコンベヤは、前記ガイドレールに載置された食器の下端より上方へ突出する複数個のフックを進行方向に沿って略等間隔に設け、前記洗浄室内に前記搬送路の上面と左右両側を断面コの字状に囲む飛散防止カバーと共に、該搬送路の上方及び下方に搬送方向に沿って多数の噴射ノズルを配列した洗浄パイプを配置し、前記洗浄室の外殻上面及び側面を開放自在にし、前記洗浄パイプ、飛散防止カバー、ガイドレールを前記洗浄室から離脱自在に構成した食器洗浄装置。
  2. 前記ガイドレールを複数本に分割構成し、該分割された一部を前記飛散防止カバーと一体に構成した請求項1に記載の食器洗浄装置。
  3. 前記搬送路の上方側に配置した洗浄パイプを前記飛散防止カバーより上方に配設し、該洗浄パイプの噴射ノズルを前記飛散防止カバーの上面に設けた透し穴に対向させるようにした請求項1又は2に記載の食器洗浄装置。
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