JPH0630523Y2 - フューエルタンクへのアンダープロテクタの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はフューエルタンクへのアンダープロテクタの取
付構造に関する。

（従来の技術） 自動車のフューエルタンクは一般に車体下部に設置され
ているが、走行時に路面から飛来する飛石や障害物から
タンクを保護するために、タンクの前面から下面、更に
後面にかけてフューエルタンクアンダープロテクタでカ
バーされている。

そのアンダープロテクタの取付構造の従来例を第３図に
示す。図において、フューエルタンク１の前部のフラン
ジ部には、タンクブラケットフロント２とプロテクタ３
とがボルト４ａ、ナット４ｂによって共締めされてい
る。

プロテクタ３の下端部は、タンクの後方に向かってタン
ク下面と略平行に折曲されている。そして、この折曲部
３ａには、アンダープロテクタ５の前端部５ａが重ね合
わされ、ボルト６ａ、ナット６ｂによって緊締・一体化
されている。アンダープロテクタ５の後端部５ｂは、タ
ンクブラケットリア７が配設されたフューエルタンク１
の後部のフランジ部に突設されたプロテクタブラケット
５ｃにボルトとナットで緊締されている。かくして、フ
ューエルタンク１の前面から後面にかけては飛石や障害
物から保護されることになる。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記した取付構造には次のような問題が
ある。すなわち、まず、ボルト６ａのねじ部やナット６
ｂとフューエルタンク１の前部下面とは所定の間隔を置
いて緩衝材がない状態で対向しているのみであるため、
例えばプロテクタ３やアンダープロテクタ５が飛石や障
害物で激しく変形した場合には、ボルト６ａのねじ部や
ナット６ｂによってフューエルタンク１を変形させる虞
れがある。

このような不都合を防ぐためにはフューエルタンク１の
下面とボルト６ａのねじ部先端との間隔を大きく確保す
ればよいが、しかしそのような構造にするとボルト６ａ
の頭を路面に近づけることになり、そのため飛石や障害
物からの弊害を受け易すくなって不利である。しかもそ
のような構造の場合、プロテクタ３とアンダープロテク
タ５との結合部とタンク１の下面との間のスペースが広
くなり、結合部の隙間から石や泥が内部に侵入し易すい
構造になる。更には、例えばボルト６ａが欠落した場
合、アンダープロテクタ５はそのまま路上に落下してし
まうという問題もある。

本考案は、上記したような問題を解決した新規なフュー
エルタンクへのアンダープロテクタの取付構造の提供を
目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案のフューエルタンク
へのアンダープロテクタの取付構造は、その構成が、フ
ューエルタンクの前面に垂設され、下端部が斜め下後方
に向かって折曲されているプロテクタの垂直面に、前端
部が斜め上前方に向かって折曲され、その折曲部の前面
にはプロテクタブラケットが突設されているアンダープ
ロテクタを、前記折曲部で係止部材を用いて固定したこ
とを特徴とする。

（作用） 本考案の構造の場合は、ボルト−ナット等の係止部材に
よる緊締方向は従来のように下から上の方向ではなく、
タンクの前面において前から後の方向になるので、タン
ク下面とアンダープロテクタとの間隔を小さくとること
ができるようになる。そして、アンダープロテクタの前
端部にはプロテクタブラケットが前方に向かって突設さ
れているので、ボルトのねじ部は、タンクに直接当るこ
とがない。そのため、ボルトのねじ部またはナットによ
ってタンクが損傷するという事態は解消する。

（実施例） 以下に本考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。
第１図はフューエルタンクにアンダープロテクタを取付
けた状態を示す側面図であり、第２図は第１図のIIで示
した部分の拡大図である。

図において、フューエルタンク１１の前部のフランジ部
には、従来と同じように、タンクブラケットフロント１
２が取付られ、更に、プロテクタ１３が垂設されてい
る。この場合、タンクブラケットフロント１２とプロテ
クタ１３はタンク１１のフランジ部にボルト１４ａ、ナ
ット１４ｂによって共締めされている。そして、プロテ
クタ１３の下端部は、タンク１１の後方に向かって斜め
下右に折り曲げられている。

アンダープロテクタ１５は、その前端部が斜め上前方に
向かって折り曲げられ、その折曲部１５ａの前面には、
プロテクタブラケット１５ｂが突設されている。アンダ
ープロテクタ１５の後端部１５ｃは、従来の場合と同じ
ように、タンクブラケットリア１７と一緒にタンク１の
後部のフランジ部にボルト１５ｄ、ナット１５ｅによっ
て共締めされる。

アンダープロテクタ１５の折曲部１５ａは、プロテクタ
１３とフューエルタンク１の間に挿入される。プロテク
タ１３の垂直部の内面と折曲部１５ａの前方に突設され
ているプロテクタブラケット１５ｂとを当接し、その両
者がボルト１６ａとナット１６ｂによって緊締される。
かくして、フューエルタンク１１の前部から後部にかけ
ては、プロテクタ１３、アンダープロテクタ１５によっ
てその下面が覆われる。

次に作用について説明する。

アンダープロテクタ１５の前端部を斜め上前方に折り曲
げて、この折曲部１５ａの前面にプロテクタブラケット
１５ｂを突設してプロテクタ１３と緊締するような構造
にしたので、ボルト１６ａとナット１６ｂの緊締方向を
タンク下面と平行にすることができるようになり、しか
もプロテクタ１３が変形してもボルト１６ａのねじ部ま
たはナット１６ｂは折曲部１５ａと当ることになるため
フューエルタンク１１に直接当ることはない。

なお、フューエルタンク１１のフランジ部へプロテクタ
１３やアンダープロテクタ１５の後端部１５ｃを固定す
る場合、ボルト−ナットによる緊締手段のみならず、例
えばスポット溶接を適用することもできる。

（考案の効果） 以上の説明で明らかなように、本考案のフューエルタン
クへのアンダープロテクタの取付構造は、その構成を、
フューエルタンクの前面に垂設され、下端部が斜め下後
方に向かって折曲されているプロテクタの垂直面に、前
端部が斜め上前方に向かって折曲され、その折曲部の前
面にはプロテクタブラケットが突設されているアンダー
プロテクタを、前記折曲部で係止部材を用いて固定した
ので、プロテクタが変形してもボルトのねじ部またはナ
ットがフューエルタンクに直接当ることがなく、タンク
の損傷を防止することができる。また、ボルト−ナット
の緊締方向がタンク下面と平行になるので、プロテクタ
とアンダープロテクタの結合部を路上から高い位置に設
定することができ、それだけこの結合部に飛石や障害物
が衝突する機会を小とすることができる。更に、アンダ
ープロテクタの前端部の折曲部は、プロテクタの下端部
の折り曲げ部とフューエルタンクとの間に挿入されてい
るので、このプロテクタの折り曲げの下端部とアンダー
プロテクタの折曲部とが２重の障壁となり、石、泥など
がプロテクタ内部空間に侵入しにくい。更に、ボルトが
欠落しても、プロテクタとアンダープロテクタのそれぞ
れの折曲部の働きによりアンダープロテクタがそのまま
地上に落下することはない。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の取付構造の実施例を示す側面図、第２
図は第１図のII部分の拡大図、第３図は従来の取付構造
の側面図である。 １１……フューエルタンク、１２……タンクブラケット
フロント、１３……プロテクタ、１４ａ，１５ｄ，１６
ａ……ボルト、１４ｂ、１５ｅ、１６ｂ……ナット、１
５……アンダープロテクタ、１５ａ……折曲部、１５ｂ
……プロテクタブラケット、１５ｅ……後端部、１７…
…タンクブラケットリア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フューエルタンクの前面に垂設され、下端
   部が斜め下後方に向かって折曲されているプロテクタの
   垂直面に、前端部が斜め上前方に向かって折曲され、そ
   の折曲部の前面にはプロテクタブラケットが突設されて
   いるアンダープロテクタを、前記折曲部で係止部材を用
   いて固定したことを特徴とするフューエルタンクへのア
   ンダープロテクタの取付構造。