JPH06299927A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

燃料噴射制御装置

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JPH06299927A
JPH06299927A JP9164793A JP9164793A JPH06299927A JP H06299927 A JPH06299927 A JP H06299927A JP 9164793 A JP9164793 A JP 9164793A JP 9164793 A JP9164793 A JP 9164793A JP H06299927 A JPH06299927 A JP H06299927A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アングライヒ機構を別途設けることなく、低負
荷時にはエンジン回転数の変化によらず低噴射率の期間
を確保しつつ高圧噴射を行い、高負荷時にはスモークの
発生を抑制しつつ、エンジン出力、燃費等の諸性能を向
上させる。 【構成】第1開弁圧でノズルニードルが開弁し、第2開
弁圧に達するまではノズルニードルが所定開弁位置に保
持される燃料噴射弁2を用いる。燃料噴射弁2に定流量
部を設け、その定流量域内でノズルニードルが所定開弁
位置に保持されるようにする。不等速カム9aの低速領
域が使用される期間と、ノズルニードルが定流量域で所
定開弁位置に保持される期間とを少なくとも一部で重複
させる。ECU54は電磁スピル弁24の開閉時期を調
整し、エンジン回転数の上昇にともない不等速カム9a
の低速領域での使用域を後段側へずらし、エンジン負荷
の増加にともない不等速カム9aの使用域を低速領域か
ら高速領域へずらす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車用のディ
ーゼルエンジンに用いられる燃料噴射制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用ディーゼルエンジンに燃
料を供給する燃料噴射ポンプとして、例えば、1本のプ
ランジャを回転させながら往復動させて、燃料噴射弁に
燃料を分配圧送するタイプの分配型燃料噴射ポンプが知
られている。この燃料噴射ポンプでは、プランジャを往
復動させるカムとして、カム回転角に対して一定割合で
カム速度が変化する特性を有するものが用いられてい
る。しかし、前記燃料噴射ポンプにおいては、ディーゼ
ルエンジンの高回転時を優先させて、常にカム速度の大
きな領域が使用されるよう設定した場合、噴射率が高く
なり、低回転時のノック音が大きくなってしまう。この
ため、高回転時の高噴射率を確保しつつ、低回転時のノ
ック音を小さくすることが要求される。
【0003】上記の要求に応えるべく、例えば、特開昭
62−288364号公報に開示された技術では、図1
3のカム特性を有する不等速カムが用いられている。こ
の場合、カム速度が一定の低い値となる領域(低速領
域)がカム特性の前段に設けられ、カム速度の増減する
山型の領域(高速領域)がカム特性の後段に設けられて
いる。
【0004】また、上記公報技術では、ディーゼルエン
ジンの回転数に応じて不等速カムの使用領域を変化させ
るために、燃料噴射ポンプ内のデリバリバルブにアング
ライヒ機構が設けられている。アングライヒ機構はデリ
バリバルブの吸い戻しカラー周縁に設けられた切欠きで
あり、この切欠きにより噴射管内の残留圧力が調整され
る。詳しくは、エンジンの低回転時には、デリバリバル
ブにより吸い戻された燃料が切欠きから噴射管側へ逃げ
て吸い戻し量が少なくなり、その分、残留圧力が高くな
る。一方、エンジンの高回転時には、デリバリバルブに
より吸い戻された燃料が切欠きから噴射管側へ逃げにく
くなり、残留圧力は切欠きのない場合と同程度に低くな
る。
【0005】従って、エンジンの低回転時には、プラン
ジャのストロークが小さいときから、噴射管内の燃料圧
力が燃料噴射弁の開弁圧以上となる。このため、不等速
カムの前段の低速領域が使用されて噴射率が低くなる。
また、エンジンの高回転時には、プランジャのストロー
クが大きくならなければ、噴射管内の圧力が開弁圧以上
とならない。このため、不等速カムの後段の高速領域が
使用されて、噴射率が高くなる。
【0006】前記アングライヒ機構は次のようにも機能
するものと考えられる。一般に、燃料噴射ポンプのプラ
ンジャからの燃料リーク量は、エンジン回転数が低いと
きに多く、エンジン回転数が高くなるに従い減少する。
このため、燃料の圧力を調整するための機構がない場
合、低回転時には不等速カムのカム特性の後側でないと
噴射が開始されず、高回転時にはカム特性の前側で噴射
が開始されてしまう。これに対して、アングライヒ機構
を設けることで、高回転時には噴射管内の燃料を余分に
吸い戻して残留圧力を低くし、燃料リーク量の変化によ
る不等速カムの使用域のずれを補うことができる。
【0007】さらに、上記公報技術では2つの開弁圧を
有する燃料噴射弁が用いられている。このタイプの燃料
噴射弁は、燃料噴射ポンプからの燃料の圧力が第1開弁
圧を越えると所定量開弁し、第1開弁圧より高い第2開
弁圧になるとさらに所定量開弁する。そして、不等速カ
ムの使用域が低速領域であるときの燃料噴射ポンプから
の燃料圧力が、第1開弁圧と第2開弁圧との間となるよ
うに設定されている。このため、不等速カムの低速領域
使用時には、燃料噴射ポンプからの燃料圧力が低いもの
の、第1開弁圧に対応する位置でノズルニードルが保持
されて噴射が行われる。
【0008】ところで、近年のディーゼルエンジンにお
ける排出ガス規制の強化、特に、窒素酸化物(NOx)
の低減に対応するには、排出ガスの一部を排気系から取
り出して吸気系へ再循環させる、いわゆるEGRが有効
な手段とされている。しかしながら、多量のEGRを行
った場合には、燃焼室内の酸素濃度が低下し、混合気の
燃焼速度が低下する。これを補うには、比較的高圧で燃
料を噴射させることにより、燃料を微粒化させることが
必要である。
【0009】しかし、燃料の微粒化を促進するために単
に高圧で燃料を噴射させるだけでは、高い圧力で一気に
燃料が噴出して、燃焼室内でのスワールによる空気との
混合及び燃焼速度が噴射率(時間に対する燃料供給量の
変化の割合)に追いつかない。その結果、噴射率が高く
なり過ぎ、不完全な燃焼によってスモークの増加を招い
てしまう。逆に、噴射率を下げるために開弁圧を低く設
定したり、燃料噴射ポンプの送油率を低く設定すると、
燃料の微粒化が行われにくくなり、排気ガス中の炭化水
素(HC)の増加を招いてしまう。従って、EGRを行
う際には、高圧噴射による燃料の微粒化、及び噴射率の
抑制を両立させることが重要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術では、前段に低速領域を有する不等速カムを用い、2
つの開弁圧を有する燃料噴射弁を用いているものの、前
述の通りエンジン回転数に応じて不等速カムの低速領域
及び高速領域を使い分けようとするのみであって、その
燃料噴射弁の流量特性に関しては何ら考慮されていな
い。そのため、この技術を単にディーゼルエンジンに適
用しただけでは、上記の要求、すなわち、噴射初期の噴
射率を低くしてEGRを行うことが困難である。上記の
要求に応えるには、燃料噴射弁の流量特性を含めた総合
的な対策が必要である。このように従来技術は、排出ガ
ス中の窒素酸化物を低減するための対策としては十分で
はなかった。
【0011】また、前記従来技術では、エンジン回転数
に応じて不等速カムの使用域が調整されるものの、エン
ジン負荷に関しては考慮されておらず、低負荷時におい
ても高負荷時においても不等速カムの低速領域が使用さ
れるように設定されている。すなわち、低負荷時を優先
させて不等速カムの使用領域が設定されている。このた
め、低負荷時よりも要求噴射量の多い高負荷時において
は、低速領域での燃料噴射の分だけ噴射期間が長くな
り、スモーク発生量が増大する。また、エンジン出力、
燃費等の諸性能が低下する問題もある。
【0012】さらに、従来技術ではデリバリバルブにア
ングライヒ機構を設けているので、その分、デリバリバ
ルブの機構が複雑になるという問題もある。本発明は前
述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、
アングライヒ機構等の残留圧力を調整するための機構を
別途設けることなく、簡単な構成で、低負荷時にはエン
ジン回転数の変化にかかわらず不等速カムの低速領域を
有効に利用して低噴射率の期間を確保するとともに、燃
料噴射弁におけるノズルニードルの第1開弁圧を高くし
て高圧噴射を行うことができ、また、高負荷時には噴射
期間を短縮することによりスモークの発生を抑制しつ
つ、エンジン出力、燃費等の諸性能を向上させることが
可能な燃料噴射制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、ディーゼルエンジンの回転に基づき回転駆
動される不等速カムと、その不等速カムの回転に応じた
往復動により高圧室内へ燃料を吸入して加圧し、その加
圧された燃料を所定期間に外部へ圧送するプランジャと
を備え、前記不等速カムの回転角に対するカム速度のカ
ム特性として、その前段部分にカム速度の低い低速領域
を設定し、後段部分にカム速度の高い高速領域を設定
し、前記カム特性の使用域に応じて前記プランジャの移
動速度を変化させることにより、前記燃料の圧送速度を
調整可能な燃料噴射ポンプと、前記燃料噴射ポンプから
圧送された燃料の圧力にて昇降して噴射口の面積を調整
することにより、その面積に対応した量及び圧力の燃料
を同噴射口からディーゼルエンジンへ向けて噴射可能な
ノズルニードルと、前記燃料噴射ポンプからの燃料の圧
力が予め設定された第1開弁圧未満のときノズルニード
ルを閉弁位置に保持し、前記圧力が第1開弁圧以上で、
かつその第1開弁圧よりも高い第2開弁圧未満のとき、
ノズルニードルの開弁方向への移動を許容し、その移動
が所定開弁位置に達した後は同位置にノズルニードルを
保持し、前記圧力が第2開弁圧以上のとき、ノズルニー
ドルがさらに開弁方向へ移動するのを許容する開弁圧調
整機構とを有する燃料噴射弁とを備え、前記ディーゼル
エンジンへの噴射流量がほぼ一定の低流量となる定流量
域を燃料噴射弁の流量特性の一部に設定するべく、前記
燃料噴射弁には、ノズルニードルの移動量が変化しても
噴射口の面積をほぼ一定に保つための定流量部を設け、
この定流量部による定流量域内でノズルニードルが前記
所定開弁位置に保持されるようにし、前記プランジャの
移動のために不等速カムの低速領域が使用される期間
と、前記ノズルニードルが定流量域で所定開弁位置に保
持される期間とが、少なくとも一部で重複するよう設定
した燃料噴射制御装置であって、前記高圧室内の高圧燃
料を低圧側へ溢流させるためのスピル通路に配設され、
そのスピル通路を開閉することにより、高圧室内の燃料
の圧力を調整可能なスピル弁と、前記ディーゼルエンジ
ンの回転数を検出する回転数検出手段と、前記ディーゼ
ルエンジンに加わる負荷を検出する負荷検出手段と、前
記回転数検出手段によるエンジン回転数の上昇にともな
い、不等速カムにおける低速領域での使用域を後段側へ
ずらすとともに、前記負荷検出手段によるエンジン負荷
の増加にともない、不等速カムにおける使用域を低速領
域から高速領域へずらすべく、前記スピル弁の開閉時期
を調整するスピル弁駆動制御手段とを設けている。
【0014】
【作用】燃料噴射ポンプでは、スピル弁によりスピル通
路が閉じられた状態で、不等速カムのカム特性における
前段部分の低速領域が用いられてプランジャが燃料加圧
方向へ移動すると、高圧室内の燃料が徐々に加圧され
る。この加圧により、燃料噴射弁のノズルニードルに加
わる燃料の圧力が上昇する。燃料の圧力が第1開弁圧よ
りも低いと、開弁圧調整機構の作用により、ノズルニー
ドルが閉弁状態に保持され、噴射口から燃料が噴射され
ない。
【0015】不等速カムの回転に応じたプランジャの移
動により、ノズルニードルに加わる燃料の圧力が第1開
弁圧に達すると、燃料噴射弁においては、開弁圧調整機
構の作用により、ノズルニードルの開弁方向への移動が
許容され、燃料噴射が開始される。燃料噴射開始によ
り、ノズルニードルのリフト量及び噴射率がともに増加
し始める。
【0016】燃料噴射の開始後、不等速カムの使用域が
低速領域である期間は、プランジャの移動速度及び燃料
の圧送速度が低い。しかし、このときには、燃料噴射弁
の噴射口の面積がノズルニードルによって絞られてい
る。このため、燃料噴射ポンプから低流量の燃料が燃料
噴射弁に圧送されているにもかかわらず、その圧送量よ
りも少ない量の燃料しか噴射されない。従って、ノズル
ニードルに加わる燃料の圧力が次第に上昇する。
【0017】前記ノズルニードルに加わる燃料の圧力が
第1開弁圧以上で、かつその第1開弁圧よりも高い第2
開弁圧未満の場合、第1開弁圧を越えた直後はノズルニ
ードルの開弁方向への移動が許容される。しかし、ノズ
ルニードルが所定開弁位置に達すると、その後は、同位
置にノズルニードルが保持される。このときのノズルニ
ードルの所定開弁位置は、燃料噴射弁の定流量部による
定流量域にある。このため、燃料の圧力が第1開弁圧を
越えて第2開弁圧となるまでの期間に、燃料噴射弁の噴
射口から噴射される燃料の量は、一定の少ない値に保持
される。
【0018】前記のようにノズルニードルが定流量域で
所定開弁位置に保持される期間は、不等速カムの低速領
域の使用期間の一部に重複している。この重複期間には
カム速度が低い値に抑制され、燃料噴射ポンプによる燃
料の圧送速度が抑制されている。このことから、上記の
重複期間で噴射される燃料の噴射量は少なく、噴射率が
低くなる。これに反し、ノズルニードルに加わる圧力は
第1開弁圧以上となっている。従って、第1開弁圧を高
い値に設定すれば、低噴射率の期間を確保しつつ、高圧
噴射を行うことが可能となる。
【0019】なお、燃料噴射弁の定流量部による定流量
域内でノズルニードルが所定位置に保持されることか
ら、そのノズルニードルが所定開弁位置近傍で変動した
としても、噴射流量のばらつきはわずかである。
【0020】不等速カムのカム特性の使用領域が低速領
域から高速領域へ移行し、ノズルニードルに加わる燃料
の圧力がさらに上昇して第2開弁圧に達すると、ノズル
ニードルが再び開弁方向へ移動し始める。この移動によ
り噴射口からの噴射流量が増加し、噴射率が急激に上昇
する。
【0021】スピル弁によりスピル通路が開かれると、
高圧室内の高圧燃料が低圧側へ溢流する。この溢流によ
り高圧室内の燃料の圧力が低下し、燃料噴射弁のノズル
ニードルに加わる燃料の圧力が低下する。燃料の圧力が
第1開弁圧よりも低くなると、開弁圧調整機構の作用に
より、ノズルニードルが閉弁状態に保持され、噴射口か
らの燃料の噴射が停止する。このようにして、燃料噴射
ポンプの不等速カムの回転により燃料噴射が行われる。
【0022】ところで、上記した一連の燃料噴射に際
し、エンジン回転数にかかわりなく常にスピル弁の開閉
時期が同一である場合には、エンジン回転数の上昇にと
もない燃料のリーク量が減少して、不等速カムにおける
低速領域での使用域が前段側へずらされる。また、エン
ジン負荷にかかわりなく常にスピル弁の開閉時期が同一
であり、しかも低負荷時を優先させて不等速カムの低速
領域が使用されるような設定がなされている場合には、
エンジン負荷の増加にともない燃料噴射量も増加するこ
とから、低速領域での燃料噴射の分だけ噴射期間が長く
なってしまう。
【0023】しかし、本発明では上記燃料噴射の実行中
に、ディーゼルエンジンのエンジン回転数が回転数検出
手段によって検出され、エンジン負荷が負荷検出手段に
よって検出される。そして、これらのエンジン回転数及
びエンジン負荷に応じ、スピル弁駆動制御手段によりス
ピル弁が駆動されて、その開閉時期が調整される。
【0024】この調整により、エンジン回転数の上昇に
ともない、不等速カムにおける低速領域での使用域が後
段側へずらされる。このように使用域がずらされること
により、燃料のリーク量の変化に起因する使用域のずれ
が補われる。その結果、エンジン回転数が変化しても不
等速カムの使用領域は変化せず、低速領域が有効に利用
される。また、前記スピル弁の開閉時期の調整により、
エンジン負荷の増加にともない、不等速カムにおける使
用域が低速領域から高速領域へずらされる。このように
不等速カムの高速領域が使用されると、低速領域使用時
に比べ単位時間当たりの燃料噴射量が多くなる。その結
果、噴射期間が短くなり、スモークの発生が抑制され、
エンジン出力、燃費等の諸性能が十分に発揮される。
【0025】
【実施例】以下、本発明を車両用ディーゼルエンジンの
燃料噴射制御装置に具体化した一実施例を図1〜図11
に従って説明する。
【0026】図1に示すように、燃料噴射制御装置は燃
料噴射ポンプ1と、ディーゼルエンジン60の気筒毎に
取付けられた燃料噴射弁2とを備えている。本実施例で
の燃料噴射ポンプ1は、1本のプランジャ3を回転させ
ながら往復動させて、各燃料噴射弁2に燃料を分配圧送
するタイプの分配型燃料噴射ポンプである。燃料噴射弁
2は、直列に配された2つのスプリングの作用により、
2種類の開弁圧を有するタイプの燃料噴射弁である。燃
料噴射ポンプ1及び燃料噴射弁2は所定長さ(600m
m程度)の噴射管4によって連結されている。
【0027】燃料噴射ポンプ1にはドライブシャフト5
が回転可能に支持され、その一端(図1の左端)にドラ
イブプーリ6が取付けられている。ドライブプーリ6
は、ベルト等を介しディーゼルエンジン60のクランク
軸に駆動連結されている。ドライブシャフト5には、べ
ーン式ポンプよりなる燃料フィードポンプ(図1では9
0度展開されている)7と、円板状のパルサ8とが取付
けられている。パルサ8の外周面には、ディーゼルエン
ジン60の気筒数と同数(4気筒エンジンの場合、4
個)の欠歯が等角度間隔で形成され、さらに、隣接する
欠歯間には所定数(例えば14個)ずつの突起が等角度
間隔で形成されている。ドライブシャフト5の他端部
は、図示しないカップリングを介してカムプレート9に
連結されている。カムプレート9のドライブシャフト5
側の面には、ディーゼルエンジン60の気筒数と同数の
不等速カム9aが形成されている。ドライブシャフト5
の他端部外周には、ローラリング10が回転可能に取付
けられており、その内部には前記不等速カム9aに対向
する複数のカムローラ11が取付けられている。カムプ
レート9はスプリング12によって付勢されて常にカム
ローラ11に係合している。
【0028】カムプレート9には燃料加圧用のプランジ
ャ3が一体回転可能に取付けられている。そして、前記
ドライブシャフト5の回転力がカップリングを介してカ
ムプレート9に伝達されることにより、同カムプレート
9及びプランジャ3が回転しながら図中左右方向へ往復
駆動される。プランジャ3はポンプハウジング13に形
成されたシリンダ14に嵌挿されており、プランジャ3
の先端面(図1の右端面)とシリンダ14の内底面との
間が高圧室15となっている。
【0029】プランジャ3の先端側外周には、ディーゼ
ルエンジン60の気筒数と同数の吸入溝16と分配ポー
ト17とが形成されている。これらの吸入溝16及び分
配ポート17に対応して、ポンプハウジング13には吸
入ポート18、及び気筒数と同数の分配通路19が形成
されている。なお、前記プランジャ3の作動中には、そ
の機構上プランジャ3とシリンダ14との間隙等から燃
料がリーク(漏出)する。この際の燃料のリーク量は、
エンジン回転数が低いときに最も多く、エンジン回転数
が上昇するに従い減少する。
【0030】前記分配通路19の途中にはデリバリバル
ブ20が配設されている。デリバリバルブ20は、燃料
の圧送終了時に燃料を吸い戻して噴射管4内の燃料圧力
(残留圧力)を急激に下げることにより、噴射を急速に
終了させる、いわゆるシャープカットを行ったり、ある
いは、前記残留圧力を保持したり、噴射管4内での燃料
の逆流を防止したりするためのものである。このデリバ
リバルブ20には、噴射管4の残留圧力を調整するため
のアングライヒ機構は設けられていない。なお、デリバ
リバルブ20による燃料の吸い戻し量は、ディーゼルエ
ンジン60の運転状態(エンジン負荷,エンジン回転数
等)にかかわらず常にほぼ一定である。
【0031】そして、ドライブシャフト5の回転に基づ
き燃料フィードポンプ7が駆動されると、図示しない燃
料タンクからの燃料が燃料供給ポート21を介して燃料
室22内へ供給される。また、プランジャ3が図中左方
向へ移動(復動)して高圧室15が減圧される吸入行程
においては、吸入溝16の一つが吸入ポート18と連通
して、燃料室22から高圧室15へ燃料が導入される。
一方、プランジャ3が図中右方向へ移動(往動)して高
圧室15が加圧される圧縮行程においては、加圧された
燃料が、分配通路19、デリバリバルブ20及び噴射管
4を介して燃料噴射弁2へ圧送される。
【0032】ポンプハウジング13には、高圧室15と
燃料室22とを連通させる燃料溢流用のスピル通路23
が形成され、その途中に電磁スピル弁24が設けられて
いる。電磁スピル弁24は常開型の弁であり、コイル2
5が無通電(オフ)の状態では、弁体26が開放(開
弁)されて高圧室15内の燃料が燃料室22へ溢流され
る。また、コイル25が通電(オン)されることによ
り、弁体26が閉鎖(閉弁)されて高圧室15から燃料
室22への燃料の溢流が止められる。
【0033】従って、電磁スピル弁24の通電時間を制
御することにより、同電磁スピル弁24が閉弁・開弁制
御される。そして、プランジャ3の圧縮行程中に電磁ス
ピル弁24を開弁させることにより、高圧室15内にお
ける燃料が減圧されて、燃料噴射弁2からの燃料噴射が
停止される。つまり、プランジャ3が往動しても、電磁
スピル弁24が開弁している間は高圧室15内の燃料の
圧力が上昇せず、燃料噴射弁2からの燃料噴射が行われ
ない。すなわち、プランジャ3の往動中に、電磁スピル
弁24の閉弁・開弁の時期を制御することにより、燃料
噴射弁2からの燃料噴射量が制御される。
【0034】ポンプハウジング13の下側には、燃料噴
射時期制御用のタイマ装置(図では90度展開されてい
る)27が設けられている。タイマ装置27は、ドライ
ブシャフト5の回転方向に対するローラリング10の位
置を制御することにより、不等速カム9aがカムローラ
11に係合する時期、すなわちカムプレート9及びプラ
ンジャ3の往復動タイミングを制御するものである。
【0035】このタイマ装置27は油圧によって作動さ
れるものであり、タイマハウジング28と、同タイマハ
ウジング28内に嵌装されたタイマピストン29と、同
じくタイマハウジング28内一側の低圧室30にてタイ
マピストン29を他側の加圧室31側へ付勢するタイマ
スプリング32等とから構成されている。そして、タイ
マピストン29はスライドピン33を介して前記ローラ
リング10に接続されている。
【0036】タイマハウジング28の加圧室31には、
燃料フィードポンプ7により加圧された燃料が導入され
るようになっている。そして、その燃料圧力とタイマス
プリング32の付勢力との釣り合い関係によってタイマ
ピストン29の位置が決定される。これに応じてローラ
リング10の位置が決定され、カムプレート9を介して
プランジャ3の往復動タイミングが決定される。
【0037】タイマ装置27の燃料圧力を制御するため
に、加圧室31と低圧室30とを繋ぐ連通路34にはタ
イミングコントロールバルブ(TCV)35が設けられ
ている。TCV35は、デューティ制御された通電信号
によって開閉制御される電磁弁であり、同TCV35の
開閉制御によって加圧室31内の燃料圧力が調整され
る。そして、その燃料圧力調整によってプランジャ3の
リフトタイミングが制御され、各燃料噴射弁2からの燃
料噴射時期が調整される。
【0038】前記ローラリング10の上方には、電磁ピ
ックアップコイルよりなる回転数センサ36がパルサ8
の外周面に対向して取付けられている。この回転数セン
サ36は、パルサ8の突起等が横切る際にそれらの通過
を検出してエンジン回転数NEに相当するタイミング信
号(エンジン回転パルス)を出力する。また、この回転
数センサ36はローラリング10と一体であるため、タ
イマ装置27の制御動作にかかわりなく、プランジャリ
フトに対して一定のタイミングで基準となるタイミング
信号を出力するようになっている。
【0039】前記した燃料噴射ポンプ1の基本的な構成
に加え、本実施例では、不等速カム9aの特性(カム回
転角θに対するカム速度V)が以下のように設定されて
いる。この特性は、燃料噴射ポンプ1の送油率を決定す
る要素である。図5に示すように、カム回転角θがθ0
〜θ1 の期間では不等速カム9aが回転するに従いカム
速度Vが一定割合で増加し、θ1 〜θ2 の期間ではカム
速度Vが一定(所定値V1 )となる。また、カム回転角
θがθ2 〜θ3 の期間では不等速カム9aが回転するに
従いカム速度Vが一定割合で増加し、θ3 のときカム速
度Vが最大値となり、θ3 〜θ4 の期間では不等速カム
9aが回転するに従いカム速度Vが一定割合で減少す
る。本実施例では、カム回転角θがθ1 〜θ2 のカム速
度一定の領域を低速領域とし、カム速度Vが所定値V1
より大となる領域(カム回転角θがθ2 〜θ3aの領域)
を高速領域としている。
【0040】次に、燃料噴射ポンプ1から高圧で圧送さ
れた燃料を霧化してディーゼルエンジン60の各燃焼室
内に噴射する燃料噴射弁2について説明する。図2及び
図3に示すように、燃料噴射弁2は上下方向に細長いノ
ズルホルダ37を備えている。ノズルホルダ37の下側
には、スペーサ38及びノズルボディ39が重ねられた
状態で配されている。スペーサ38及びノズルボディ3
9は、ノズルホルダ37の下部外周に螺合されたリテー
ニングナット40により、ノズルホルダ37に取付けら
れている。
【0041】ノズルホルダ37、スペーサ38及びノズ
ルボディ39には油路41が形成されている。油路41
の上端はノズルホルダ37の上端面に開口している。ま
た、油路41の下端はノズルボディ39下部の油溜まり
42に開口している。油溜まり42は、噴射孔43を介
してノズルボディ39の下面と連通している。噴射孔4
3は下側ほど縮径するテーパ面43aを備えている。そ
して、燃料噴射ポンプ1からの高圧燃料が燃料噴射弁2
に供給されると、その燃料は油路41、油溜まり42を
順に通り噴射孔43から外方へ噴出可能である。
【0042】ノズルボディ39及びスペーサ38には、
噴射孔43を開閉するためのノズルニードル44が組み
込まれている。ノズルニードル44は、本体部45と上
下両軸部46,47とからなる。本体部45は棒状をな
し、ノズルボディ39内に摺動可能に挿入されている。
本体部45の下端面は油溜まり42に面しており、その
油溜まり42内の燃料の圧力が、ノズルニードル44を
上方へ押し上げようとする力として、この下端面に作用
する。
【0043】本体部45から上方へ突出する軸部46は
スペーサ38内に摺動可能に挿入されている。また、本
体部45から下方へ突出する軸部47の中間部分には、
テーパ面43aに接触及び離間するシート面47aが形
成されている。軸部47において、シート面47aより
も下側のピン部47bは、ノズルボディ39の噴射孔4
3よりもわずかに小径に形成されており、このピン部4
7bとノズルボディ39との間に、燃料の通過可能な環
状の噴射口48を形成している。なお、本実施例では、
前記ノズルニードル44のピン部47bが比較的長く形
成されており、この部分は、ノズルニードル44の移動
量が変化しても噴射口48の面積をほぼ一定に保つため
の定流量部を構成している。
【0044】スペーサ38から上方へ突出する軸部46
にはプレッシャピン49が取付けられている。このプレ
ッシャピン49と、ノズルホルダ37内のほぼ中央部分
に組み込まれた案内スリーブ50との間には、第1スプ
リング51が圧縮状態で介装されている。この第1スプ
リング51により、ノズルニードル44が常に閉弁方向
(図の下方)へ付勢されている。この付勢により、図3
に示すように、シート面47aが前記テーパ面43aに
接触すると、油路41と噴射口48との連絡が遮断され
て燃料噴射が停止される。このときには、ピン部47b
下端が噴射孔43から下方へわずかに突出するととも
に、本体部45がスペーサ38から下方へ長さLb だけ
離間する。
【0045】一方、燃料噴射に際してはノズルニードル
44が上昇し、シート面47aがテーパ面43aから上
方へ離間する。そして、閉弁状態から長さLb だけ上昇
したとき本体部45がスペーサ38に当接する。このと
きには、図4に示すように、ピン部47bが噴射孔43
内に没入する。
【0046】案内スリーブ50にはプッシュロッド52
が上下方向への移動可能に挿通されている。プッシュロ
ッド52はノズルニードル44と同一軸線上に位置して
いる。案内スリーブ50内には第2スプリング53が圧
縮状態で配されており、この第2スプリング53によ
り、プッシュロッド52が常に下方へ付勢されている。
【0047】ノズルニードル44が閉弁状態にあると
き、プレッシャピン49はプッシュロッド52から下方
へ長さLa (<Lb )だけ離間している。このため、プ
レッシャピン49及びノズルニードル44には第2スプ
リング53による付勢力が加わらない。ノズルニードル
44が長さLaだけ上昇すると、プレッシャピン49が
プッシュロッド52に当接する。ノズルニードル44の
移動量が長さLa を越えると、ノズルニードル44に第
2スプリング53による付勢力が加わる。本実施例で
は、前記したプレッシャピン49、案内スリーブ50、
第1スプリング51、プッシュロッド52及び第2スプ
リング53により開弁圧調整機構Aが構成されている。
【0048】また、本実施例では、閉弁状態のノズルニ
ードル44を上昇させ始めるのに必要な燃料の圧力を第
1開弁圧P1 とし、プレッシャピン49を介してプッシ
ュロッド52に当接しているノズルニードル44を再び
上昇させ始めるのに必要な燃料の圧力を第2開弁圧P2
としている。第1開弁圧P1 としては、例えば200K
g/cm2 程度に設定するのが望ましい。また、第2開
弁圧P2 は、必要な燃料噴射期間を得るべく、不等速カ
ム9aのカム速度一定部分に対応した燃料圧力の上昇の
程度に応じて設定するのが望ましい。
【0049】上記構成の燃料噴射弁2では、燃料噴射ポ
ンプ1から供給される燃料の圧力Pに応じてノズルニー
ドル44の移動量(リフト量L)が決定される。油溜ま
り42においてノズルニードル44に作用する燃料の圧
力Pn が第1開弁圧P1 よりも低い場合、シート面47
aがテーパ面43aに押付けられる。燃料の圧力Pnが
第1開弁圧P1 よりも高くなると、ノズルニードル44
が上昇し始め、テーパ面43aからシート面47aが離
間する。前記上昇はプレッシャピン49がプッシュロッ
ド52に当接するまで続く。当接後、燃料の圧力Pn が
第2開弁圧P2よりも低い期間は、ノズルニードル44
の上昇が停止する。さらに、燃料の圧力Pn が上昇して
第2開弁圧P2 よりも高くなると、ノズルニードル44
が再び上昇する。この上昇はノズルニードル44の本体
部45がスペーサ38に当接するまで続く。
【0050】また、上記燃料噴射弁2は図6で示す流量
特性を有している。この流量特性は、ピンタイプの燃料
噴射弁のうち、スロットル型のものが有する一般的な流
量特性とほぼ同じである。図6の縦軸は、燃料に代えて
加圧空気を燃料噴射弁2の油路41に供給したとき、噴
射口48から噴出される加圧空気の流量Qである。
【0051】図6から明らかなように、リフト量Lが0
〜L1 の期間では、リフト量Lの増加にともない流量Q
がほぼ比例して増加する。リフト量LがL1 〜L2 の期
間では、そのリフト量Lにかかわらず流量Qがほぼ一定
の低流量(Q1 )となる。リフト量LがL2 よりも大き
い期間では、リフト量Lの増加にともない流量Qがほぼ
比例して増加する。L1 〜L2 の期間は、ノズルニード
ル44の比較的長いピン部47bが噴射孔43を通過し
ている期間である。この際には、噴射口48の面積がほ
ぼ一定に保たれ、流量Qがほぼ一定となる。このよう
に、L1 〜L2 の期間には、スロットル(絞り)の作用
により、流量Qが低い値(Q1 )に抑えられる。
【0052】さらに、本実施例では、一定の低流量(Q
1 )となる定流量域(リフト量LがL1 〜L2 の期間)
内において、ノズルニードル44が前記所定開弁位置
(プレッシャピン49がプッシュロッド52に当接する
位置)に保持されるように、すなわち、L1 ≦La ≦L
2 が成立するように、長さLa が設定されている。これ
は、ノズルニードル44のリフト量LがLa 近傍で変動
しても、流量Qがばらつくのを抑制するためである。
【0053】加えて、本実施例では、燃料噴射時に使用
される不等速カム9aの領域が、次のように設定されて
いる。この設定に際しては、噴射率が、主として燃料噴
射ポンプ1のカム速度V、プランジャ3の径、燃料噴射
弁2の流量特性等によって決定されることを考慮してい
る。そして、プランジャ3の移動のために不等速カム9
aの低速領域が使用される期間と、ノズルニードル44
が定流量域で所定開弁位置に保持される期間とが少なく
とも一部で重複するように設定されている。より詳しく
は、図5において、カム速度Vが一定(所定値V1 )と
なるカム回転角θの期間(θ1 〜θ2 )の少なくとも一
部において、プレッシャピン49がプッシュロッド52
に当接し、噴射口48からの燃料の流量Qが少なく、一
定の値(Q1 )に保たれるように設定されている。
【0054】さらに、本実施例では、燃料噴射弁2の第
1開弁圧P1 が次の条件を満たすように適合されてい
る。この条件は、燃料圧送行程において、カムローラ1
1に対する不等速カム9aの係合箇所が、カム速度Vが
増加から一定値(V1 )に転ずる箇所(図5においてカ
ム回転角θがθ1 である箇所)となったとき、ノズルニ
ードル44に加わる燃料の圧力Pn が第1開弁圧P1 を
越えて、同ノズルニードル44が開弁することである。
【0055】ところで、上記したTCV35及び電磁ス
ピル弁24は、図1に示すように、スピル弁駆動制御手
段としての電子制御装置(以下、単に「ECU」とい
う)54の出力側にそれぞれ電気的に接続されている。
このECU54の入力側には、前記回転数センサ36
と、負荷検出手段としてのアクセル開度センサ55とが
それぞれ電気的に接続されている。アクセル開度センサ
55は、アクセルペダルの踏み込み量に応じて変化する
スロットルバルブの開閉位置からディーゼルエンジン6
0の負荷に相当するアクセル開度ACCPを検出する。
【0056】そして、ECU54は両センサ36,55
から出力される信号に基づいてTCV35及び電磁スピ
ル弁24をそれぞれ制御する。すなわち、ECU54は
マップを用い、そのときのエンジン回転数NE及びアク
セル開度ACCPから基本噴射量を算出し、ディーゼル
エンジン60の運転状態に応じてその基本噴射量を適宜
補正する。ECU54は補正後の噴射量(要求噴射量)
に基づいて電磁スピル弁24を開閉制御し、スピル通路
23を開閉して高圧室15での燃料の加圧開始時期及び
加圧終了時期を調整する。特に、本実施例では、ディー
ゼルエンジン60の運転状態に応じて電磁スピル弁24
をプレストローク制御するようにしている。このプレス
トローク制御は、燃料噴射前に電磁スピル弁24を開弁
させておき、カムプレート9の不等速カム9aによって
プランジャ3が燃料加圧方向へ移動し始めてから、電磁
スピル弁24を閉弁させて燃料の圧送を開始させる制御
である。
【0057】また、ECU54はマップを用い、エンジ
ン回転数NE及びアクセル開度ACCPから基本噴射時
期を算出し、ディーゼルエンジン60の状態(冷却水
温、吸入空気量等)に応じて前記の基本噴射時期を補正
する。ECU54は補正後の噴射時期に基づいてタイマ
装置27のTCV35を駆動制御し、連通路34の開度
を調整してタイマピストン29の位置を調整し、もって
ドライブシャフト5の回転方向に対するローラリング1
0の位置(回転位相)を進角させたり遅角させたりす
る。この噴射時期の制御は一般的に行われているものと
同じであり、エンジン回転数NEが高くなるに従い進角
量を増大させ、アクセル開度ACCPが大きくなるに従
い進角量を増大させている。
【0058】次に、前記のように構成された本実施例の
作用及び効果について説明する。まず最初に、アイドル
時等、アクセル開度センサ55によるアクセル開度AC
CPが比較的小さく、かつ回転数センサ36によるエン
ジン回転数NEが比較的低い運転状態(以下、基準運転
状態という)での燃料噴射制御装置の作用を、図7のタ
イミングチャートを参照して説明する。
【0059】図7中の燃料圧力に関する特性において、
破線は燃料噴射ポンプ1の出口部分(デリバリバルブ2
0の直下流部分)での燃料の圧力Pp を示している。ま
た、実線は燃料噴射弁2の油溜まり42での燃料の圧力
Pn を示している。ここで、燃料噴射ポンプ1と燃料噴
射弁2との間には600mm程度の長さの噴射管4が介
在しているので、実際の測定では燃料噴射ポンプ1から
圧送された燃料の圧力はわずかに遅れて、つまり位相遅
れをともなって油溜まり42に到達する。従って、両圧
力Pp ,Pn には図7で示すような時間Δtの遅れが生
ずる。
【0060】ディーゼルエンジン60からの駆動力を受
けて燃料噴射ポンプ1のドライブシャフト5が回転する
と、その回転力がカップリングを介してカムプレート9
に伝達される。この伝達により、カムプレート9及びプ
ランジャ3が回転しながら図1の左右方向へ往復駆動さ
れる。このとき、電磁スピル弁24は開弁状態となって
おりスピル通路23が開放されている。プランジャ3が
図1の左方へ移動する吸入行程時には、いずれか一つの
吸入溝16と吸入ポート18とが合い、燃料室22から
燃料が吸入ポート18、吸入溝16を介して高圧室15
内に吸入される。その後、吸入ポート18と吸入溝16
との連通が遮断され、分配ポート17といずれか一つの
分配通路19とが合う。
【0061】プランジャ3がさらに回転すると、ECU
54からの指令信号により電磁スピル弁24が閉弁され
る。この閉弁によりスピル通路23が閉鎖され、ここか
らの燃料の溢流が遮断される。引き続きプランジャ3が
回転して不等速カム9aがカムローラ11に乗り上げる
と、プランジャ3が図1の右方へ移動し、圧送行程が開
始される。(図7のタイミングt1 )。カムローラ11
に対する不等速カム9aの係合箇所が、カム回転角θで
θ0 〜θ1 の領域であると、時間の経過とともにプラン
ジャ3の移動速度が一定割合で増加する。この増加にと
もない高圧室15の容積が次第に減少し、同高圧室15
内の燃料が加圧される。高圧になった燃料は分配ポート
17から、分配通路19、デリバリバルブ20、噴射管
4を経てて燃料噴射弁2に圧送される(タイミングt1
〜t2 )。従って、この期間では、燃料の圧力Pp ,P
n がともに時間の経過に従って上昇する。
【0062】このとき、油溜まり42内の燃料の圧力P
n が第1開弁圧P1 よりも低いことから、シート面47
aがテーパ面43aに押付けられ、ノズルニードル44
が閉弁状態となる。従って、燃料噴射弁2からは燃料が
噴射されない。この際、リフト量L及び噴射率αはとも
に「0」である。
【0063】カムローラ11に対する不等速カム9aの
係合箇所がカム回転角θでθ1 の箇所となり(タイミン
グt2 )、そのタイミングから位相遅れに相当する時間
Δtが経過すると、油溜まり42内の燃料の圧力Pn が
第1開弁圧P1 に達する(タイミングt3 )。すると、
燃料噴射弁2においては、第1スプリング51の付勢力
に抗してノズルニードル44が上方へ押し上げられ、テ
ーパ面43aからシート面47aが離間し、燃料噴射が
開始される。これにともない、リフト量L及び噴射率α
が増加し始める。
【0064】燃料噴射の開始後、カムローラ11に対す
る不等速カム9aの係合箇所が、カム回転角θでθ2 に
なるまでの期間は、カム速度Vが一定(所定値V1 )に
保たれる。つまり、プランジャ3の移動速度が一定とな
り、燃料の圧送速度が一定となる。しかし、このときに
は、燃料噴射弁2の噴射口48がノズルニードル44に
よって絞られている。このため、燃料噴射ポンプ1から
一定流量の燃料が燃料噴射弁2に圧送されているにもか
かわらず、その圧送量よりも少ない量の燃料しか噴射さ
れない。従って、油溜まり42内の燃料の圧力Pn が次
第に上昇する(タイミングt3 〜t5 )。
【0065】なお、不等速カム9aの特性に、カム速度
Vが一定値(所定値V1 )に保たれる箇所、あるいはカ
ム速度Vが緩やかに変化する箇所がないとすると、油溜
まり42内の燃料の圧力Pn が第1開弁圧P1 よりも高
くなった後に急激に上昇して、急速に第2開弁圧P2 と
なる。従って、この場合には高圧噴射による燃料の微粒
化はできるものの、噴射率αの低い期間(t3 〜t6 )
が短くなってしまい、結局、窒素酸化物やスモークが増
加することになる。
【0066】ところで、前記燃料噴射弁2は二つの開弁
圧P1 ,P2 を有するタイプであるので、油溜まり42
内の燃料の圧力Pn が第1開弁圧P1 を越えた後、プレ
ッシャピン49がプッシュロッド52に当接するまで
(所定開弁位置に達するまで)の間はノズルニードル4
4が上昇する。しかし、ノズルニードル44が長さLa
だけ上昇して、プレッシャピン49がプッシュロッド5
2に当接すると(タイミングt3a)、それ以降は第2ス
プリング53の付勢力がノズルニードル44に新たに加
わるようになる。このため、燃料の圧力Pn が第2開弁
圧P2 よりも低い期間は、ノズルニードル44のリフト
量Lは一定(La )に保たれる。
【0067】本実施例では、図6に示すように長さLa
が、流量Qの一定(Q1 )となる期間(L1 〜L2 )内
に設定されている。しかも、この際の流量Q1 は低い値
である。加えて、このときにはカム速度Vが低い一定の
値(所定値V1 )となり、燃料噴射ポンプ1から燃料噴
射弁2への燃料の圧送速度が抑制されている。このた
め、タイミングt3a〜t5 の期間では、噴射率αが抑制
された状態で、高圧の噴射が行われる。この際、ノズル
ニードル44のリフト量LがLa 近傍で変動しても流量
Qのばらつきが小さく、安定した流量Qが得られる。
【0068】カムローラ11に対する不等速カム9aの
係合箇所がカム回転角θでθ2 の箇所となり(タイミン
グt4 )、そのタイミングから位相遅れに相当する時間
Δtが経過したとき(タイミングt5 )には、カム速度
Vが前記の所定値V1 よりも大きくなっている。従っ
て、油溜まり42内の燃料の圧力Pn が上昇し続ける。
このときには、ノズルニードル44のリフト量LはLa
であり、噴射率αは低く抑えられたままである。
【0069】油溜まり42内の燃料の圧力Pn がさらに
上昇して第2開弁圧P2 に達すると(タイミングt6
)、両スプリング51,53の付勢力に抗してノズル
ニードル44が再び上昇する。そして、リフト量Lが増
加してLa を越えると、リフト量Lの増加に従い流量Q
がほぼ比例して増加する。これにともない噴射率αが急
激に上昇する。ノズルニードル44の上昇は本体部45
がスペーサ38に当接すると止まる。
【0070】その後、プランジャ3の圧縮行程中に、E
CU54からの指令信号により電磁スピル弁24が開弁
されると、高圧室15内における燃料が減圧される。こ
れにともない、油溜まり42内の燃料の圧力Pn が第1
開弁圧P1 よりも低くなると、シート面47aがテーパ
面43aに押付けられ、ノズルニードル44が閉弁状態
となる。従って、燃料噴射弁2からは燃料が噴射されな
い。この際、リフト量L及び噴射率αはともに「0」で
ある。そして、プランジャ3が往動しても、電磁スピル
弁24が開弁している間は高圧室15内の燃料圧力が上
昇せず、燃料噴射弁2からの燃料噴射が行われない。
【0071】なお、上記の一連の燃料噴射においては、
不等速カム9aの低速領域でプランジャ3が移動してい
る期間と、ノズルニードル44が所定開弁位置に保持さ
れて流量Qが一定となる期間との重複期間を長く設定す
るほど、噴射率αを長い期間にわたって低く保つことが
可能である。
【0072】このように、本実施例では、燃料噴射弁2
に、ノズルニードル44の移動量が変化しても噴射口4
8の面積をほぼ一定に保つための定流量部(ピン部47
b)を設けている。そして、この定流量部(ピン部47
b)による定流量域(一定の低流量となる領域)内でノ
ズルニードル44を所定開弁位置(プレッシャピン49
がプッシュロッド52に当接する位置)に保持するよう
にしている。さらに、不等速カム9aの低速領域の使用
期間と、燃料噴射弁2での定流量域とを少なくとも一部
で重複させている。
【0073】このため、前記重複期間にはカム速度Vが
低い値(所定値V1 )に抑制され、燃料噴射ポンプ1に
よる燃料の圧送速度が抑制される。また、ノズルニード
ル44の移動が停止して燃料噴射量がほぼ一定の低い値
に維持される。そして、燃料噴射弁2が低流量のまま噴
射を続ける期間が長くなる。このため、上記の重複期間
では噴射率αが低くなる。これに反し、ノズルニードル
44に加わる燃料の圧力Pn は第1開弁圧P1 以上、第
2開弁圧P2 以下となっている。従って、これらの第1
開弁圧P1 及び第2開弁圧P2 をともに高い値に設定す
れば、噴射開始後のノズルニードル44の急激な上昇を
抑え、低噴射率の期間を確保しつつ、高圧噴射を行うこ
とが可能となる。
【0074】この高圧噴射により、EGR実行時の混合
気の燃焼速度の低下を未然に防止できる。また、低噴射
率期間の確保により、単に高圧で噴射させただけの場合
の不具合、すなわち、炭化水素(HC)やスモークの増
加を防止できる。換言すると、EGRの実行時等、本来
燃料の微粒化が要求される運転条件下において、十分な
EGRによる窒素酸化物(NOx)の低減を図りつつ、
スモーク等の発生を抑えることができる。
【0075】また、燃料噴射弁2のピン部47bによる
定流量域内でノズルニードル44が所定開弁位置に保持
されるので、そのノズルニードル44が所定開弁位置近
傍で変動したとしても、噴射流量のばらつきを抑えて、
安定した流量Qを確保できる。
【0076】加えて、本実施例では比較的高い開弁圧P
1 ,P2 を有する燃料噴射弁2を使用しているので、ノ
ズルニードル44に加わる燃料の圧力Pn が全体として
高くなり、噴射口48での燃料通過時の流速が上昇す
る。この流速の上昇により、従来より問題とされている
デポジットの堆積を防止できる。
【0077】また、低噴射率の期間が短くて噴射初期に
噴射率が上昇すると(噴射初期に大量の燃料が噴射され
ると)、その燃料が一度に燃焼し燃焼室内の圧力が急激
に上昇し燃焼音が増大する。これに対し、本実施例では
低噴射率の期間を十分に確保しているので、噴射初期に
噴射された少量の燃料が燃焼される。そのため、噴射率
の低い期間が終了して噴射率が上昇しても、燃焼室内の
圧力は緩やかにしか上昇せず、燃焼音が低減される。
【0078】さらに、本実施例は従来技術に比べ以下に
示す点において優れている。従来技術では、不等速カム
の低速領域が使用されているときの燃料噴射ポンプから
の燃料の圧力が、第1開弁圧と第2開弁圧との間となる
ように設定されている。このため、第1開弁圧及び第2
開弁圧の設定できる範囲は大きく制約を受けることにな
る。この現象を図13を用いて説明すると、低速領域で
の燃料の圧力がPa からPb の範囲で変動するものと仮
定すると、第1開弁圧P1 は圧力Paよりも低い値に設
定しなければならず、第2開弁圧P2 は圧力Pb よりも
高い値に設定しなければならない。
【0079】これに対し、本実施例では燃料噴射ポンプ
1での低速領域の使用期間と、燃料噴射弁2での定流量
域とが少なくとも一部で重複してさえいればよい。すな
わち、本実施例での第1開弁圧P1 は、カム速度一定期
間の終了時期(図7でPn (t4))での燃料の圧力P
n に位相遅れを考慮したPn (t5)よりも低い値であ
ればよい。また、第2開弁圧P2 は、カム速度一定期間
の開始時期(図7でPn (t2))での燃料の圧力Pn
に位相遅れを考慮したPn (t3)よりも高い値であれ
ばよい。このため、第1開弁圧P1 に関しても第2開弁
圧P2 に関しても、設定範囲は従来技術のそれよりも拡
大する。その結果、燃料噴射ポンプ1及び燃料噴射弁2
の製造時における、不等速カム9aの形状のばらつき、
燃料噴射弁2での両開弁圧P1 ,P2 のばらつき、流量
Qのばらつき等を吸収できる。
【0080】次に、上記したディーゼルエンジン60の
基準運転状態から、エンジン負荷(アクセル開度ACC
P)はそのままでエンジン回転数NEが高くなった場
合、つまり低負荷・高回転となった場合の作用について
説明する。
【0081】このとき、前記基準運転状態の場合と同様
に、不等速カム9aによってプランジャ3が燃料加圧方
向へ移動し始める時期(クランク角度CA0 )よりも前
の時期(クランク角度CA1 )で電磁スピル弁24が閉
弁されるものと仮定すると、図8に示すような燃料噴射
が行われる。すなわち、既述したようにエンジン回転数
NEが上昇するに従い、燃料噴射ポンプ1のシリンダ1
4とプランジャ3との間等から漏出する燃料のリーク量
が減少するので、カム速度Vが一定の低い値(所定値V
1 )になるよりも前にノズルニードル44が上昇し始め
て燃料噴射が開始される。このため、噴射開始時期が早
まって、カム速度一定の領域を有効に使用できなくな
る。なお、電磁スピル弁24は必要量(要求噴射量)の
燃料を噴射し終わるとき(クランク角度CA2 )に開弁
されるものとする。この開弁時期はカム速度Vが所定値
V1 から上昇し始める時期である。
【0082】そのため、カム速度一定の領域で燃料の噴
射を開始させるには、電磁スピル弁24の閉弁時期を遅
らせばよい。しかし、単純に閉弁時期を遅らせるだけで
は不十分である。なぜなら、燃料噴射ポンプ1から圧送
された燃料の圧力が噴射管4を経て燃料噴射弁2に到達
するまでには、所定の時間を要する。この時間はエンジ
ン回転数NEにかかわらず常にほぼ一定である。これに
対し、エンジン回転数NEが上昇すると、単位時間当た
りのクランク角度の変化が大きくなる。従って、基準運
転状態のときにも低負荷・高回転のときにも同一のクラ
ンク角度で燃料噴射を開始させようとすると、ディーゼ
ルエンジン60の回転に対するローラリング10の位置
を変化させ、不等速カム9aの回転位相を進角させる必
要がある。
【0083】そこで、本実施例では、ECU54は燃料
噴射時期を進角させるための信号を、タイマ装置27の
TCV35に出力する。ECU54からの出力信号に応
じてTCV35が開閉動作し、不等速カム9aのカムロ
ーラ11に係合する時期が、図9において、二点鎖線で
示す基準運転状態での位置から実線で示す位置まで進角
される。
【0084】また、ECU54は電磁スピル弁24をプ
レストローク制御する。この場合、ECU54は不等速
カム9aによってプランジャ3が燃料加圧方向へ移動し
始めても電磁スピル弁24を開弁させておくための信号
を出力する。この信号に応じて、電磁スピル弁24はカ
ム速度Vが所定値V1 となる直前(クランク角度CA1
a)まで開弁し続ける。従って、この電磁スピル弁24
の開弁期間にはプランジャ3が移動しているにもかかわ
らず、高圧室15内の燃料は加圧されない。カムプレー
ト9がクランク角度CA1aまで回転すると、ECU54
は電磁スピル弁24を閉弁させるための信号を出力す
る。この信号に応じて電磁スピル弁24が閉弁される
と、この時点から燃料の圧力Pの上昇が始まる。この際
の電磁スピル弁24の閉弁時期(クランク角度CA1a)
は、前記基準運転状態での閉弁時期(クランク角度CA
1 )よりも若干早い。
【0085】また、前記のように電磁スピル弁24の閉
弁時期が調整されると、そのときの要求噴射量を得るの
に必要な噴射期間のうち、その終期を決定する電磁スピ
ル弁24の開弁時期も調整される。この場合、電磁スピ
ル弁24は、カム速度Vが所定値V1 と最大値とのほぼ
中間の値となるときに開弁される。この際の電磁スピル
弁24を開弁時期(クランク角度CA2a)は、前記基準
運転状態での開弁時期(クランク角度CA2 )に対して
若干早い。電磁スピル弁24が開弁されると、高圧室1
5内における燃料が減圧される。そして、油溜まり42
内の燃料の圧力Pn が第1開弁圧P1 よりも低くなる
と、ノズルニードル44が閉弁状態となって燃料噴射弁
2からの燃料噴射が停止する。
【0086】このように、ディーゼルエンジン60が低
負荷・高回転で運転されるときには、不等速カム9aの
回転位相が早められるとともに、電磁スピル弁24の閉
弁時期及び開弁時期が、ともに通常運転状態のときの両
時期よりも早められる。また、燃料の噴射開始時期及び
噴射終了時期も通常運転状態のときの両時期よりも早め
られる。その結果、燃料噴射ポンプ1から燃料噴射弁2
までの燃料の圧力伝播が考慮された上で、カム速度一定
の期間が有効に使用され、この期間内で噴射率αが低く
抑えられる。
【0087】次に、上記ディーゼルエンジン60の基準
運転状態から、エンジン回転数NEはそのままでエンジ
ン負荷(アクセル開度ACCP)が大きくなった場合、
つまり高負荷・低回転となった場合の作用について説明
する。
【0088】このとき、図10に示すように、前記基準
運転状態の場合と同様に、不等速カム9aによってプラ
ンジャ3が燃料加圧方向へ移動し始める時期(クランク
角度CA0 )よりも前の時期(クランク角度CA1 )で
電磁スピル弁24が閉弁されるものと仮定する。する
と、この場合の要求噴射量が基準運転状態での要求噴射
量よりも多いことに加え、カム特性の低速領域が燃料噴
射に使用されることから、燃料噴射期間の終期を決定す
る電磁スピル弁24の開弁時期は、前記基準運転状態で
の開弁時期(クランク角度CA2 )よりも遅くなる。そ
の結果、燃料噴射期間が長くなり、スモークの発生量が
増大してしまう。これを防止するには、カム特性の高速
領域を燃料噴射に使用して燃料噴射期間を短くするのが
効果的である。
【0089】そこで、本実施例では、ECU54が、燃
料噴射時期を進角させるための信号をタイマ装置27の
TCV35に出力する。ECU54からの出力信号に応
じてTCV35が開閉動作し、不等速カム9aのカムロ
ーラ11に係合する時期が、図11において二点鎖線で
示す基準運転状態での位置から実線で示す位置まで進角
される。このときの進角量は、前記した基準運転状態か
ら低負荷・高回転状態へ移行した場合の進角量とほぼ同
じである。
【0090】また、ECU54は電磁スピル弁24をプ
レストローク制御する。この場合、ECU54は不等速
カム9aによってプランジャ3が燃料加圧方向へ移動し
始めても電磁スピル弁24を開弁させておくための信号
を出力する。この信号に応じて電磁スピル弁24はカム
速度Vが所定値V1 に保持されている期間の途中(クラ
ンク角度CA1b)まで開弁し続ける。従って、この間は
プランジャ3が移動しているにもかかわらず、高圧室1
5内の燃料は加圧されない。カムプレート9がクランク
角度CA1bまで回転すると、ECU54は電磁スピル弁
24を閉弁させるための信号を出力する。この信号に応
じて電磁スピル弁24が閉弁されると、この時点から燃
料の圧力Pの上昇が始まる。この際の電磁スピル弁24
を閉弁時期(クランク角度CA1b)は、前記基準運転状
態での閉弁時期(クランク角度CA1 )よりも若干遅
い。
【0091】前記のように閉弁時期が遅らされると、そ
のときの要求噴射量を得るのに必要な噴射期間の終期を
決定する電磁スピル弁24の開弁時期も遅らされる。こ
の場合の電磁スピル弁24の開弁時期は、カム速度Vが
所定値V1 よりも大きな高速領域の途中である。この際
の電磁スピル弁24を開弁時期(クランク角度CA3a)
は、前記基準運転状態での開弁時期(クランク角度CA
3 )よりも早くなる。電磁スピル弁24が開弁される
と、高圧室15内における燃料が減圧される。そして、
油溜まり42内の燃料の圧力Pn が第1開弁圧P1 より
も低くなると、ノズルニードル44が閉弁状態となっ
て、燃料噴射弁2からの燃料噴射が停止する。
【0092】このようにディーゼルエンジン60が高負
荷・低回転で運転されるときには、不等速カム9aの回
転位相が早められる。また、電磁スピル弁24の閉弁時
期が通常運転状態のときの閉弁時期よりも遅らされ、同
じく電磁スピル弁24の開弁時期が通常運転状態のとき
の開弁時期よりも早められる。このように燃料噴射に際
し、カム特性の低速領域があまり使用されず、主に高速
領域が使用されることから燃料噴射期間が大幅に短縮さ
れ、スモークの発生が抑制される。また、噴射期間が短
くなることから燃費及びエンジン出力が向上する。
【0093】次に、前記の高負荷・低回転でディーゼル
エンジン60が運転されている状態から、さらにエンジ
ン回転数NEが上昇した場合、つまり、高負荷・高回転
となった場合の作用について説明する。この場合には、
基本的には、上記した低負荷・高回転となった場合と同
様の燃料噴射が行われる。すなわち、燃料噴射ポンプ1
から燃料噴射弁2までの燃料の圧力伝播に起因する燃料
噴射開始時期の遅れを補うべく、不等速カム9aの回転
位相が高負荷・低回転のときの回転位相よりも早められ
る。また、電磁スピル弁24の閉弁時期及び開弁時期
が、ともに通常運転状態のときの両時期よりも早められ
る。また、燃料の噴射開始時期及び噴射終了時期も通常
運転状態のときの両時期よりも早められる。その結果、
燃料噴射ポンプ1から燃料噴射弁2までの燃料の圧力伝
播が考慮された上で、カム特性の高速領域が有効に使用
され、前記の短い燃料噴射期間が保持される。
【0094】このように、本実施例では燃料噴射の実行
中に、ディーゼルエンジン60のエンジン回転数NEが
回転数センサ36によって検出され、エンジン負荷とし
てアクセル開度ACCPがアクセル開度センサ55によ
って検出される。そして、これらのエンジン回転数NE
及びアクセル開度ACCPに応じ、ECU54により電
磁スピル弁24の開閉時期が調整される。
【0095】この調整により、エンジン回転数NEの上
昇にともない、不等速カム9aにおける低速領域での使
用域が後段側へずらされる。このように使用域がずらさ
れることにより、燃料のリーク量の変化に起因する使用
域のずれが補われる。従って、従来技術とは異なり、噴
射管内の残留圧力を調整するためのアングライヒ機構を
別途設けなくても、簡単な構成で、エンジン回転数NE
の変化により不等速カム9aの使用領域が変化するのを
防止し、低速領域を有効に利用することができる。ま
た、残留圧力を調整する構成を採っていないことから、
低圧噴射用の第1スプリング51への負担を従来技術よ
りも小さくできるので、その第1スプリング51の耐久
性向上を図ることができる。
【0096】また、前記スピル弁24の開閉時期の調整
により、エンジン負荷の増加にともない、不等速カム9
aにおける使用域が低速領域から高速領域へずらされ
る。このように高速領域が使用されると、低速領域使用
時に比べ単位時間当たりの燃料噴射量が多くなる。従っ
て、噴射期間を短くしてスモークの発生を抑制できるの
で排出ガス規制に対し有利である。また、高速領域を使
用することにより、エンジン出力、燃費等の諸性能を十
分に発揮させることが可能となる。
【0097】なお、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れるものではなく、例えば以下のように発明の趣旨から
逸脱しない範囲で任意に変更してもよい。 (1)前記実施例では、カム速度Vが増加から一定に転
ずる箇所(図5においてカム回転角θがθ1 である箇
所)となったとき、ノズルニードル44に加わる燃料の
圧力Pn が第1開弁圧P1 となるように設定したが、必
ずしも一致させる必要はない。要は、燃料噴射ポンプ1
での低速領域の使用期間と、燃料噴射弁2での定流量域
とが少なくとも一部で重複すればよい。
【0098】(2)前記実施例では、カム特性にカム速
度一定の領域(θ0 〜θ2 )を設定したが、この領域を
図12において実線で示すように、カム速度Vが一定割
合で減少するように設定したり、図12において破線で
示すように、カム速度Vが一定割合で増加するように設
定したりしてもよい。前者は開弁圧P1 ,P2 を比較的
低い値に設定する場合に適し、後者は開弁圧P1 ,P2
を比較的高い値に設定し、プレッシャピン49がプッシ
ュロッド52に当接した後に、燃料の圧力Pnを緩やか
に上昇させる場合に適している。
【0099】(3)前記実施例ではエンジン負荷として
アクセル開度ACCPを使用したが、これに代えて噴射
量を使用してもよい。
【0100】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、燃
料噴射弁に、ノズルニードルの移動量が変化しても噴射
口の面積をほぼ一定に保つための定流量部を設け、この
定流量部による定流量域内でノズルニードルが所定開弁
位置に保持されるようにし、さらに、プランジャの移動
のために不等速カムの低速領域が使用される期間と、ノ
ズルニードルが定流量域で所定開弁位置に保持される期
間とが、少なくとも一部で重複するよう設定している。
このため、低噴射率の期間を確保しつつ、ノズルニード
ルの第1開弁圧を高く設定して高圧噴射を行うことがで
きる。低噴射率期間の確保により、燃焼速度低下に起因
するスモーク増加を防止できる。また、高圧噴射によ
り、排出ガス低減のためのEGR実行中に燃料を微粒化
することが可能となり、排気ガス中のスモーク、炭化水
素の増加を抑制できる。
【0101】また、スピル弁の開閉時期を調整すること
により、エンジン回転数の上昇にともない、不等速カム
における低速領域での使用域を後段側へずらすようにし
ている。このため、燃料のリーク量の変化に起因する不
等速カムの使用域のずれを補うことができる。従って、
アングライヒ機構等の残留圧力を調整するための機構を
別途設けなくても、簡単な構成でエンジン回転数の変化
により不等速カムの使用領域が変化するのを防止し、低
速領域を有効に利用することが可能となる。
【0102】さらに、スピル弁の開閉時期を調整するこ
とにより、エンジン負荷の増加にともない、不等速カム
における使用域を低速領域から高速領域へずらすように
している。このため、高負荷時には不等速カムの高速領
域を使用して噴射期間を短縮し、スモークの発生を抑制
しつつ、エンジン出力、燃費等の諸性能を十分に発揮さ
せることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例における燃料噴射
制御装置の構成図である。
【図2】一実施例における燃料噴射弁の拡大断面図であ
る。
【図3】一実施例の燃料噴射弁において、ノズルニード
ルの閉弁状態を示す部分拡大断面図である。
【図4】一実施例の燃料噴射弁において、ノズルニード
ルの開弁状態を示す部分拡大断面図である。
【図5】一実施例の燃料噴射ポンプにおけるカム回転角
とカム速度との関係を示す特性図である。
【図6】一実施例の燃料噴射弁におけるノズルニードル
のリフト量と加圧空気の流量との関係を示す特性図であ
る。
【図7】一実施例における噴射率、ノズルニードルのリ
フト量、燃料の圧力及びカム速度の対応関係を示すタイ
ミングチャートである。
【図8】一実施例の低負荷・高回転時における噴射率、
ノズルニードルのリフト量、燃料の圧力、カム速度及び
電磁スピル弁の開閉状態の対応関係を示すタイミングチ
ャートである。
【図9】図8の状態から電磁スピル弁の開閉時期及び不
等速カムのカムローラに係合する時期が調整されたとき
の噴射率、ノズルニードルのリフト量等の対応関係を示
すタイミングチャートである。
【図10】一実施例の高負荷・低回転時における噴射
率、ノズルニードルのリフト量、燃料の圧力、カム速
度、電磁スピル弁の開閉状態の対応関係を示すタイミン
グチャートである。
【図11】図10の状態から電磁スピル弁の開閉時期及
び不等速カムのカムローラに係合する時期が調整された
ときの噴射率、ノズルニードルのリフト量等の対応関係
を示すタイミングチャートである。
【図12】カム回転角とカム速度との関係の別例を示す
特性図である。
【図13】従来技術におけるカム速度と燃料の圧力との
対応関係を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…燃料噴射ポンプ、2…燃料噴射弁、3…プランジ
ャ、9a…不等速カム、15…高圧室、23…スピル通
路、24…電磁スピル弁、36…回転数センサ、44…
ノズルニードル、47b…定流量部を構成するピン部、
48…噴射口、54…スピル弁駆動制御手段としてのE
CU、55…負荷検出手段としてのアクセル開度セン
サ、A…開弁圧調整機構、ACCP…エンジン負荷とし
てのアクセル開度、NE…エンジン回転数、θ…カム回
転角、V…カム速度、Q…流量、P…燃料の圧力、P1
…第1開弁圧、P2 …第2開弁圧

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼルエンジンの回転に基づき回転
    駆動される不等速カムと、その不等速カムの回転に応じ
    た往復動により高圧室内へ燃料を吸入して加圧し、その
    加圧された燃料を所定期間に外部へ圧送するプランジャ
    とを備え、前記不等速カムの回転角に対するカム速度の
    カム特性として、その前段部分にカム速度の低い低速領
    域を設定し、後段部分にカム速度の高い高速領域を設定
    し、前記カム特性の使用域に応じて前記プランジャの移
    動速度を変化させることにより、前記燃料の圧送速度を
    調整可能な燃料噴射ポンプと、 前記燃料噴射ポンプから圧送された燃料の圧力にて昇降
    して噴射口の面積を調整することにより、その面積に対
    応した量及び圧力の燃料を同噴射口からディーゼルエン
    ジンへ向けて噴射可能なノズルニードルと、前記燃料噴
    射ポンプからの燃料の圧力が予め設定された第1開弁圧
    未満のときノズルニードルを閉弁位置に保持し、前記圧
    力が第1開弁圧以上で、かつその第1開弁圧よりも高い
    第2開弁圧未満のとき、ノズルニードルの開弁方向への
    移動を許容し、その移動が所定開弁位置に達した後は同
    位置にノズルニードルを保持し、前記圧力が第2開弁圧
    以上のとき、ノズルニードルがさらに開弁方向へ移動す
    るのを許容する開弁圧調整機構とを有する燃料噴射弁と
    を備え、前記ディーゼルエンジンへの噴射流量がほぼ一
    定の低流量となる定流量域を燃料噴射弁の流量特性の一
    部に設定するべく、前記燃料噴射弁には、ノズルニード
    ルの移動量が変化しても噴射口の面積をほぼ一定に保つ
    ための定流量部を設け、この定流量部による定流量域内
    でノズルニードルが前記所定開弁位置に保持されるよう
    にし、前記プランジャの移動のために不等速カムの低速
    領域が使用される期間と、前記ノズルニードルが定流量
    域で所定開弁位置に保持される期間とが、少なくとも一
    部で重複するよう設定した燃料噴射制御装置であって、 前記高圧室内の高圧燃料を低圧側へ溢流させるためのス
    ピル通路に配設され、そのスピル通路を開閉することに
    より、高圧室内の燃料の圧力を調整可能なスピル弁と、 前記ディーゼルエンジンの回転数を検出する回転数検出
    手段と、 前記ディーゼルエンジンに加わる負荷を検出する負荷検
    出手段と、 前記回転数検出手段によるエンジン回転数の上昇にとも
    ない、不等速カムにおける低速領域での使用域を後段側
    へずらすとともに、前記負荷検出手段によるエンジン負
    荷の増加にともない、不等速カムにおける使用域を低速
    領域から高速領域へずらすべく、前記スピル弁の開閉時
    期を調整するスピル弁駆動制御手段とを設けたことを特
    徴とする燃料噴射制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011127578A (ja) * 2009-12-21 2011-06-30 Nippon Soken Inc インジェクタ
CN107816395A (zh) * 2016-09-12 2018-03-20 罗伯特·博世有限公司 用于对喷射系统中的多点喷射进行控制的方法
CN107816393A (zh) * 2016-09-12 2018-03-20 罗伯特·博世有限公司 用于对喷射系统中的多点喷射进行控制的方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011127578A (ja) * 2009-12-21 2011-06-30 Nippon Soken Inc インジェクタ
CN107816395A (zh) * 2016-09-12 2018-03-20 罗伯特·博世有限公司 用于对喷射系统中的多点喷射进行控制的方法
CN107816393A (zh) * 2016-09-12 2018-03-20 罗伯特·博世有限公司 用于对喷射系统中的多点喷射进行控制的方法
CN107816395B (zh) * 2016-09-12 2022-02-11 罗伯特·博世有限公司 用于对喷射系统中的多点喷射进行控制的方法

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