JP2982542B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

Info

Publication number
JP2982542B2
JP2982542B2 JP5050974A JP5097493A JP2982542B2 JP 2982542 B2 JP2982542 B2 JP 2982542B2 JP 5050974 A JP5050974 A JP 5050974A JP 5097493 A JP5097493 A JP 5097493A JP 2982542 B2 JP2982542 B2 JP 2982542B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
pressure
cam
speed
valve opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5050974A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06264841A (ja
Inventor
正仁 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP5050974A priority Critical patent/JP2982542B2/ja
Priority to EP19940103689 priority patent/EP0615065B1/en
Priority to DE1994614286 priority patent/DE69414286T2/de
Publication of JPH06264841A publication Critical patent/JPH06264841A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2982542B2 publication Critical patent/JP2982542B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M45/00Fuel-injection apparatus characterised by having a cyclic delivery of specific time/pressure or time/quantity relationship
    • F02M45/12Fuel-injection apparatus characterised by having a cyclic delivery of specific time/pressure or time/quantity relationship providing a continuous cyclic delivery with variable pressure
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M45/00Fuel-injection apparatus characterised by having a cyclic delivery of specific time/pressure or time/quantity relationship
    • F02M45/02Fuel-injection apparatus characterised by having a cyclic delivery of specific time/pressure or time/quantity relationship with each cyclic delivery being separated into two or more parts
    • F02M45/04Fuel-injection apparatus characterised by having a cyclic delivery of specific time/pressure or time/quantity relationship with each cyclic delivery being separated into two or more parts with a small initial part, e.g. initial part for partial load and initial and main part for full load
    • F02M45/08Injectors peculiar thereto
    • F02M45/083Having two or more closing springs acting on injection-valve
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M59/00Pumps specially adapted for fuel-injection and not provided for in groups F02M39/00 -F02M57/00, e.g. rotary cylinder-block type of pumps
    • F02M59/02Pumps specially adapted for fuel-injection and not provided for in groups F02M39/00 -F02M57/00, e.g. rotary cylinder-block type of pumps of reciprocating-piston or reciprocating-cylinder type
    • F02M59/10Pumps specially adapted for fuel-injection and not provided for in groups F02M39/00 -F02M57/00, e.g. rotary cylinder-block type of pumps of reciprocating-piston or reciprocating-cylinder type characterised by the piston-drive
    • F02M59/102Mechanical drive, e.g. tappets or cams
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M61/00Fuel-injectors not provided for in groups F02M39/00 - F02M57/00 or F02M67/00
    • F02M61/04Fuel-injectors not provided for in groups F02M39/00 - F02M57/00 or F02M67/00 having valves, e.g. having a plurality of valves in series
    • F02M61/06Fuel-injectors not provided for in groups F02M39/00 - F02M57/00 or F02M67/00 having valves, e.g. having a plurality of valves in series the valves being furnished at seated ends with pintle or plug shaped extensions

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば自動車用ディーゼ
ルエンジンに用いられる燃料噴射装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用ディーゼルエンジンに燃
料を供給する燃料噴射装置として、例えば、特開昭62
−288364号公報に開示された技術がある。この技
術では、1本のプランジャを回転させながら往復動させ
て、燃料噴射弁に燃料を分配圧送するタイプの分配型燃
料噴射ポンプが用いられている。プランジャを往復動さ
せるカムとして、図9のカム特性を有する不等速カムが
用いられている。カム速度はプランジャの移動速度を決
定する要素であり、この場合、カム速度の一定となる領
域(低速領域)が特性の前段に設けられ、カム速度の増
減する山型の領域(高速領域)が特性の後段に設けられ
ている。
【0003】ディーゼルエンジンの回転数に応じて不等
速カムの使用領域を変化させるために、燃料噴射ポンプ
内のデリバリバルブにアングライヒ機構が設けられてい
る。アングライヒ機構はデリバリバルブの吸い戻しカラ
ー周縁に設けられた切欠きであり、この切欠きにより噴
射管の残留圧力が調整される。詳しくは、エンジンの低
回転時には、デリバリバルブにより吸い戻された燃料が
切欠きから噴射管側へ逃げて吸い戻し量が少なくなり、
その分、残留圧力が高くなる。一方、エンジンの高回転
時には、デリバリバルブにより吸い戻された燃料が切欠
きから噴射管側へ逃げにくくなり、残留圧力は切欠きの
ない場合と同程度に低くなる。
【0004】従って、エンジンの低回転時には、プラン
ジャのストロークが小さいときから、噴射管内の燃料圧
力が燃料噴射弁の開弁圧以上となる。このため、不等速
カムの前段の低速領域が使用されて噴射率が低くなる。
また、エンジンの高回転時には、プランジャのストロー
クが大きくならなければ、噴射管内の圧力が開弁圧以上
とならない。このため、不等速カムの後段の高速領域が
使用されて、噴射率が高くなる。
【0005】さらに、上記技術では2つの開弁圧を有す
る燃料噴射弁が用いられている。このタイプの燃料噴射
弁は、燃料噴射ポンプからの燃料の圧力が第1開弁圧を
越えると所定量開弁し、第1開弁圧より高い第2開弁圧
になるとさらに所定量開弁する。そして、不等速カムの
使用域が低速領域であるときの燃料噴射ポンプからの燃
料圧力が、第1開弁圧と第2開弁圧との間となるように
設定されている。このため、不等速カムの低速領域使用
時には、燃料噴射ポンプからの燃料圧力が低いものの、
第1開弁圧に対応する位置でノズルニードルが保持され
て噴射が行われる。
【0006】ところで、近年のディーゼルエンジンにお
ける排出ガス規制の強化、特に、窒素酸化物(NOx)
の低減に対応するには、排気ガスの一部を排気系から取
り出して吸気系へ再循環させる、いわゆるEGRが有効
な手段とされている。ところが、多量のEGRを行った
場合には、燃焼室内の酸素濃度が低下し、混合気の燃焼
速度が低下する。これを補うには、比較的高圧で燃料を
噴射させることにより、燃料を微粒化させることが必要
である。
【0007】しかし、燃料の微粒化を促進するために単
に高圧で燃料を噴射させるだけでは、高い圧力で一気に
燃料が噴出して、燃焼室内でのスワールによる空気との
混合及び燃焼速度が噴射率に追いつかない。その結果、
噴射率(時間に対する燃料供給量の変化の割合)が高く
なり過ぎ、不完全な燃焼によってスモークの増加を招い
てしまう。逆に、噴射率を下げるために開弁圧を低く設
定したり、燃料噴射ポンプの送油率を低く設定すると、
燃料の微粒化が行われにくくなり、排気ガス中の炭化水
素(HC)の増加を招いてしまう。
【0008】従って、EGRを行う際には、高圧噴射に
よる燃料の微粒化、及び噴射率の抑制を両立させること
が重要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術では、前段に低速領域を有する不等速カムを用
い、2つの開弁圧を有する燃料噴射弁を用いているもの
の、前述の通り機関回転速度に応じて不等速カムの低速
及び高速領域を使い分けようとするのみであって、その
燃料噴射弁の流量特性に関しては何ら考慮されていな
い。そのため、この技術を単にディーゼルエンジンに適
用しただけでは、上記の要求、すなわち、噴射初期の噴
射率を低くしてEGRを行うことが困難である。上記の
要求に応えるには、燃料噴射弁の流量特性を含めた総合
的な対策が必要である。このように、前記従来技術は、
排出ガス中の窒素酸化物を低減するための対策としては
十分ではなかった。
【0010】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、低噴射率の期間を確保しつつ、
燃料噴射弁におけるノズルニードルの第1開弁圧を高く
して高圧噴射を行うことができる燃料噴射装置を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、不等速カムの回転に応じたプランジャの往
復動により高圧室内へ燃料を吸入して加圧し、その加圧
された燃料を所定期間に外部へ圧送するとともに、前記
不等速カムの回転角に対するカム速度の特性に応じて、
前記プランジャの移動速度を変化させることにより、前
記燃料の圧送速度を調整可能な燃料噴射ポンプと、前記
燃料噴射ポンプから圧送された燃料の圧力にてノズルニ
ードルを昇降させて噴射口の面積を調整することによ
り、その面積に対応した量及び圧力の燃料を同噴射口か
ら噴射可能な燃料噴射弁とを備えた燃料噴射装置におい
て、前記不等速カムのカム特性の前段部分にカム速度の
低い低速領域を設け、後段部分にカム速度の高い高速領
域を設け、前記燃料噴射弁には、燃料噴射ポンプからの
燃料の圧力が予め設定された第1開弁圧未満のときノズ
ルニードルを閉弁位置に保持し、前記圧力が第1開弁圧
以上で、かつその第1開弁圧よりも高い第2開弁圧未満
のとき、ノズルニードルの開弁方向への移動を許容し、
その移動が所定開弁位置に達した後は同位置にノズルニ
ードルを保持し、前記圧力が第2開弁圧以上のとき、ノ
ズルニードルがさらに開弁方向へ移動するのを許容する
開弁圧調整機構を設けるとともに、噴射流量がほぼ一定
の低流量となる定流量域を燃料噴射弁の流量特性の一部
に設定するべく、前記燃料噴射弁には、ノズルニードル
の移動量が変化しても噴射口の面積をほぼ一定に保つた
めの定流量部を設け、この定流量部による定流量域内で
ノズルニードルが前記所定開弁位置に保持されるように
し、さらに、前記プランジャの移動のために不等速カム
の低速領域が使用される期間と、前記ノズルニードルが
定流量域で所定開弁位置に保持される期間とが、少なく
とも一部で重複するよう設定している。
【0012】
【作用】燃料噴射ポンプでは、不等速カムのカム特性に
おける前段部分の低速領域が用いられてプランジャが燃
料加圧方向へ移動すると、高圧室内の燃料が徐々に加圧
される。この加圧により、燃料噴射弁のノズルニードル
に加わる燃料の圧力が上昇する。燃料の圧力が第1開弁
圧よりも低いと、開弁圧調整機構の作用により、ノズル
ニードルが閉弁状態に保持され、噴射口から燃料が噴射
されない。
【0013】不等速カムの回転に応じたプランジャの移
動により、ノズルニードルに加わる燃料の圧力が第1開
弁圧に達すると、燃料噴射弁においては、開弁圧調整機
構の作用により、ノズルニードルの開弁方向への移動が
許容され、燃料噴射が開始される。燃料噴射開始によ
り、ノズルニードルのリフト量及び噴射率がともに増加
し始める。
【0014】燃料噴射の開始後、不等速カムの使用域が
低速領域である期間は、プランジャの移動速度及び燃料
の圧送速度が低い。しかし、このときには、燃料噴射弁
の噴射口の面積がノズルニードルによって絞られてい
る。このため、燃料噴射ポンプから低流量の燃料が燃料
噴射弁に圧送されているにもかかわらず、その圧送量よ
りも少ない量の燃料しか噴射されない。従って、ノズル
ニードルに加わる燃料の圧力が次第に上昇する。
【0015】前記ノズルニードルに加わる燃料の圧力が
第1開弁圧以上で、かつその第1開弁圧よりも高い第2
開弁圧未満の場合、第1開弁圧を越えた直後はノズルニ
ードルの開弁方向への移動が許容される。しかし、ノズ
ルニードルが所定開弁位置に達すると、その後は、同位
置にノズルニードルが保持される。このときのノズルニ
ードルの所定開弁位置は、燃料噴射弁の定流量部による
定流量域にある。このため、燃料の圧力が第1開弁圧を
越えて第2開弁圧となるまでの期間に、燃料噴射弁の噴
射口から噴射される燃料の量は、一定の少ない値に保持
される。
【0016】前記のようにノズルニードルが定流量域で
所定開弁位置に保持される期間は、不等速カムの低速領
域の使用期間の一部に重複している。この重複期間には
カム速度が低い値に抑制され、燃料噴射ポンプによる燃
料の圧送速度が抑制されている。このことから、上記の
重複期間で噴射される燃料の噴射量は少なく、噴射率が
低くなる。これに反し、ノズルニードルに加わる圧力は
第1開弁圧以上となっている。従って、第1開弁圧を高
い値に設定すれば、低噴射率の期間を確保しつつ、高圧
噴射を行うことが可能となる。
【0017】なお、燃料噴射弁の定流量部による定流量
域内でノズルニードルが所定位置に保持されることか
ら、そのノズルニードルが所定開弁位置近傍で変動した
としても、噴射流量のばらつきはわずかである。
【0018】不等速カムのカム特性の使用領域が低速領
域から高速領域へ移行し、ノズルニードルに加わる燃料
の圧力がさらに上昇して第2開弁圧に達すると、ノズル
ニードルが再び開弁方向へ移動し始める。この移動によ
り噴射口からの噴射流量が増加し、噴射率が急激に上昇
する。
【0019】
【実施例】以下、本発明を車両用ディーゼルエンジンの
燃料噴射装置に具体化した一実施例を図1〜図6に従っ
て説明する。
【0020】図2に示すように、燃料噴射装置は燃料噴
射ポンプ1と、ディーゼルエンジンの気筒毎に取付けら
れた燃料噴射弁2とから構成されている。本実施例での
燃料噴射ポンプ1は、1本のプランジャ12を回転させ
ながら往復動させて、各燃料噴射弁2に燃料を分配圧送
するタイプの分配型燃料噴射ポンプである。燃料噴射弁
2は、直列に配された2つのスプリングの作用により、
2種類の開弁圧を有するタイプの燃料噴射弁である。燃
料噴射ポンプ1及び燃料噴射弁2は所定長さ(600m
m程度)の噴射管4によって連結されている。
【0021】燃料噴射ポンプ1にはドライブシャフト5
が回転可能に支持され、その一端(図2の左端)にドラ
イブプーリ3が取付けられている。ドライブプーリ3
は、ベルト等を介しディーゼルエンジンのクランク軸に
駆動連結されている。ドライブシャフト5には、べーン
式ポンプよりなる燃料フィードポンプ(図2では90度
展開されている)6が取付けられている。ドライブシャ
フト5の他端部は、図示しないカップリングを介してカ
ムプレート8に連結されている。カムプレート8のドラ
イブシャフト5側の面には、ディーゼルエンジンの気筒
数と同数の不等速カム8aが形成されている。ドライブ
シャフト5の他端部外周には、ローラリング9が回動可
能に取付けられおり、その内部には前記不等速カム8a
に対向する複数のカムローラ10が取付けられている。
そして、カムプレート8はスプリング11によって付勢
されて常にカムローラ10に係合している。
【0022】カムプレート8には燃料加圧用のプランジ
ャ12が一体回転可能に取付けられている。そして、前
記ドライブシャフト5の回転力がカップリングを介して
カムプレート8に伝達されることにより、同カムプレー
ト8及びプランジャ12が回転しながら図中左右方向へ
往復駆動される。プランジャ12はポンプハウジング1
3に形成されたシリンダ14に嵌挿されており、プラン
ジャ12の先端面(図2の右端面)とシリンダ14の内
底面との間が高圧室15となっている。
【0023】プランジャ12の先端側外周には、ディー
ゼルエンジンの気筒数と同数の吸入溝16と分配ポート
17とが形成されている。これらの吸入溝16及び分配
ポート17に対応して、ポンプハウジング13には吸入
ポート19、及び気筒数と同数の分配通路18が形成さ
れている。分配通路18の途中にはデリバリバルブ27
が配設されている。デリバリバルブ27は、燃料の圧送
終了時に燃料を吸い戻して噴射管4内の燃料圧力(残留
圧力)を急激に下げることにより、噴射を急速に終了さ
せる、いわゆるシャープカットを行ったり、あるいは、
前記残留圧力を保持したり、噴射管4内での燃料の逆流
を防止したりするためのものである。このデリバリバル
ブ27には、噴射管4の残留圧力を調整するためのアン
グライヒ機構は設けられていない。
【0024】そして、ドライブシャフト5の回転に基づ
き燃料フィードポンプ6が駆動されると、図示しない燃
料タンクからの燃料が燃料供給ポート20を介して燃料
室21内へ供給される。また、プランジャ12が図中左
方向へ移動(復動)して高圧室15が減圧される吸入行
程においては、吸入溝16の一つが吸入ポート19と連
通して、燃料室21から高圧室15へ燃料が導入され
る。一方、プランジャ12が図中右方向へ移動(往動)
して高圧室15が加圧される圧縮行程においては、加圧
された燃料が、分配通路18、デリバリバルブ27及び
噴射管4を介して燃料噴射弁2へ圧送される。
【0025】ポンプハウジング13には、高圧室15と
燃料室21とを連通させる燃料溢流用のスピル通路22
が形成され、その途中に電磁スピル弁23が設けられて
いる。電磁スピル弁23は常開型の弁であり、コイル2
4が無通電(オフ)の状態では、弁体25が開放されて
高圧室15内の燃料が燃料室21へ溢流される。また、
コイル24が通電(オン)されることにより、弁体25
が閉鎖されて高圧室15から燃料室21への燃料の溢流
が止められる。
【0026】従って、電磁スピル弁23の通電時間を制
御することにより、同電磁スピル弁23が閉弁・開弁制
御される。そして、プランジャ12の圧縮行程中に電磁
スピル弁23を開弁させることにより、高圧室15内に
おける燃料が減圧されて、燃料噴射弁2からの燃料噴射
が停止される。つまり、プランジャ12が往動しても、
電磁スピル弁23が開弁している間は高圧室15内の燃
料の圧力が上昇せず、燃料噴射弁2からの燃料噴射が行
われない。すなわち、プランジャ12の往動中に、電磁
スピル弁23の閉弁・開弁の時期を制御することによ
り、燃料噴射弁2からの燃料噴射量が制御される。
【0027】ポンプハウジング13の下側には、燃料噴
射時期制御用のタイマ装置(図では90度展開されてい
る)26が設けられている。タイマ装置26は、ドライ
ブシャフト5の回転方向に対するローラリング9の位置
を制御することにより、不等速カム8aがカムローラ1
0に係合する時期、すなわちカムプレート8及びプラン
ジャ12の往復動タイミングを制御するものである。
【0028】前記した燃料噴射ポンプ1の基本的な構成
に加え、本実施例では、不等速カム8aの特性(カム回
転角θに対するカム速度V)が以下のように設定されて
いる。この特性は、燃料噴射ポンプ1の送油率を決定す
る要素である。図5に示すように、カム回転角θがθ0
〜θ1 の期間では不等速カム8aが回転するに従いカム
速度Vが一定割合で増加し、θ1 〜θ2 の期間ではカム
速度Vが一定(V1 )となる。また、カム回転角θがθ
2 〜θ3 の期間では不等速カム8aが回転するに従いカ
ム速度Vが一定割合で増加し、θ3 のときカム速度Vが
最大値となり、θ3 〜θ4 の期間では不等速カム8aが
回転するに従いカム速度Vが一定割合で減少する。本実
施例では、カム回転角θがθ1 〜θ2 のカム速度一定の
領域を低速領域とし、カム速度VがV1 より大となる領
域(カム回転角θがθ2 〜θ3aの領域)を高速領域とし
ている。
【0029】次に、燃料噴射ポンプ1から高圧で圧送さ
れた燃料を霧化してディーゼルエンジンの各燃焼室内に
噴射する燃料噴射弁2について説明する。図3及び図4
に示すように、燃料噴射弁2は上下方向に細長いノズル
ホルダ28を備えている。ノズルホルダ28の下側に
は、スペーサ29及びノズルボディ30が重ねられた状
態で配されている。スペーサ29及びノズルボディ30
は、ノズルホルダ28の下部外周に螺合されたリテーニ
ングナット31により、ノズルホルダ28に取付けられ
ている。
【0030】ノズルホルダ28、スペーサ29及びノズ
ルボディ30には油路32が形成されている。油路32
の上端はノズルホルダ28の上端面に開口している。ま
た、油路32の下端はノズルボディ30下部の油溜まり
33に開口している。油溜まり33は、噴射孔35を介
してノズルボディ30の下面と連通している。噴射孔3
5は下側ほど縮径するテーパ面35aを備えている。そ
して、燃料噴射ポンプ1からの高圧燃料が燃料噴射弁2
に供給されると、その燃料は油路32、油溜まり33を
順に通り噴射孔35から外方へ噴出可能である。
【0031】ノズルボディ30及びスペーサ29には、
噴射孔35を開閉するためのノズルニードル36が組み
込まれている。ノズルニードル36は、本体部37と上
下両軸部38,39とからなる。本体部37は棒状をな
し、ノズルボディ30内に摺動可能に挿入されている。
本体部37の下端面は油溜まり33に面しており、その
油溜まり33内の燃料の圧力が、ノズルニードル36を
上方へ押し上げようとする力として、この下端面に作用
する。
【0032】本体部37から上方へ突出する軸部38は
スペーサ29内に摺動可能に挿入されている。また、本
体部37から下方へ突出する軸部39の中間部分には、
テーパ面35aに接触及び離間するシート面39aが形
成されている。軸部39において、シート面39aより
も下側のピン部39bは、ノズルボディ30の噴射孔3
5よりもわずかに小径に形成されており、このピン部3
9bとノズルボディ30との間に、燃料の通過可能な環
状の噴射口45を形成している。なお、本実施例では、
前記ノズルニードル36のピン部39bが比較的長く形
成されており、この部分は、ノズルニードル36の移動
量が変化しても噴射口45の面積をほぼ一定に保つため
の定流量部を構成している。
【0033】スペーサ29から上方へ突出する軸部38
にはプレッシャピン40が取付けられている。このプレ
ッシャピン40と、ノズルホルダ28内のほぼ中央部分
に組み込まれた案内スリーブ41との間には、第1スプ
リング42が圧縮状態で介装されている。この第1スプ
リング42により、ノズルニードル36が常に閉弁方向
(図の下方)へ付勢されている。この付勢により、図4
(a)に示すように、シート面39aが前記テーパ面3
5aに接触すると、油路32と噴射口45との連絡が遮
断されて燃料噴射が停止される。このときには、ピン部
39b下端が噴射孔35から下方へわずかに突出すると
ともに、本体部37がスペーサ29から下方へ長さLb
だけ離間する。
【0034】一方、燃料噴射に際してはノズルニードル
36が上昇し、シート面39aがテーパ面35aから上
方へ離間する。そして、閉弁状態から長さLb だけ上昇
したとき本体部37がスペーサ29に当接する。このと
きには、図4(b)に示すように、ピン部39bが噴射
孔35内に没入する。
【0035】案内スリーブ41にはプッシュロッド43
が上下方向への移動可能に挿通されている。プッシュロ
ッド43はノズルニードル36と同一軸線上に位置して
いる。案内スリーブ41内には第2スプリング44が圧
縮状態で配されており、この第2スプリング44によ
り、プッシュロッド43が常に下方へ付勢されている。
【0036】ノズルニードル36が閉弁状態にあると
き、プレッシャピン40はプッシュロッド43から下方
へ長さLa (<Lb )だけ離間している。このため、プ
レッシャピン40及びノズルニードル36には第2スプ
リング44による付勢力が加わらない。ノズルニードル
36が長さLaだけ上昇すると、プレッシャピン40が
プッシュロッド43に当接する。ノズルニードル36の
移動量が長さLa を越えると、ノズルニードル36に第
2スプリング44による付勢力が加わる。本実施例で
は、前記したプレッシャピン40、案内スリーブ41、
第1スプリング42、プッシュロッド43及び第2スプ
リング44により開弁圧調整機構が構成されている。
【0037】また、本実施例では、閉弁状態のノズルニ
ードル36を上昇させ始めるのに必要な燃料の圧力を第
1開弁圧P1 とし、プレッシャピン40を介してプッシ
ュロッド43に当接しているノズルニードル36を再び
上昇させ始めるのに必要な燃料の圧力を第2開弁圧P2
としている。第1開弁圧P1 としては、例えば200K
g/cm2 程度に設定するのが望ましい。また、第2開
弁圧P2 は、必要な燃料噴射期間を得るべく、不等速カ
ム8aのカム速度一定部分に対応した燃料圧力の上昇の
程度に応じて設定するのが望ましい。
【0038】上記構成の燃料噴射弁2では、燃料噴射ポ
ンプ1から供給される燃料の圧力Pに応じてノズルニー
ドル36の移動量(リフト量L)が決定される。油溜ま
り33においてノズルニードル36に作用する燃料の圧
力Pn が第1開弁圧P1 よりも低い場合、シート面39
aがテーパ面35aに押付けられる。燃料の圧力Pnが
第1開弁圧P1 よりも高くなると、ノズルニードル36
が上昇し始め、テーパ面35aからシート面39aが離
間する。前記上昇はプレッシャピン40がプッシュロッ
ド43に当接するまで続く。当接後、燃料の圧力Pn が
第2開弁圧P2よりも低い期間は、ノズルニードル36
の上昇が停止する。さらに、燃料の圧力Pn が上昇して
第2開弁圧P2 よりも高くなると、ノズルニードル36
が再び上昇する。この上昇はノズルニードル36の本体
部37がスペーサ29に当接するまで続く。
【0039】また、上記燃料噴射弁2は図6で示す流量
特性を有している。この流量特性は、ピンタイプの燃料
噴射弁のうち、スロットル型のものが有する一般的な流
量特性とほぼ同じである。図6の縦軸は、燃料に代えて
加圧空気を燃料噴射弁2の油路32に供給したとき、噴
射口45から噴出される加圧空気の流量Qである。
【0040】図6から明らかなように、リフト量Lが0
〜L1 の期間では、リフト量Lの増加にともない流量Q
がほぼ比例して増加する。リフト量LがL1 〜L2 の期
間では、そのリフト量Lにかかわらず流量Qがほぼ一定
の低流量(Q1 )となる。リフト量LがL2 よりも大き
い期間では、リフト量Lの増加にともない流量Qがほぼ
比例して増加する。L1 〜L2 の期間は、ノズルニード
ル36の比較的長いピン部39bが噴射孔35を通過し
ている期間である。この際には、噴射口45の面積がほ
ぼ一定に保たれ、流量Qがほぼ一定となる。このよう
に、L1 〜L2 の期間には、スロットル(絞り)の作用
により、流量Qが低い値(Q1 )に抑えられる。
【0041】さらに、本実施例では、一定の低流量Q1
となる定流量域(リフト量LがL1〜L2 の期間)内に
おいて、ノズルニードル36が前記所定開弁位置(プレ
ッシャピン40がプッシュロッド43に当接する位置)
に保持されるように、すなわち、L1 ≦La ≦L2 が成
立するように、長さLa が設定されている。これは、ノ
ズルニードル36のリフト量LがLa 近傍で変動して
も、流量Qがばらつくのを抑制するためである。
【0042】加えて、本実施例では、燃料噴射時に使用
される不等速カム8aの領域が、次のように設定されて
いる。この設定に際しては、噴射率が、主として燃料噴
射ポンプ1のカム速度V、プランジャ12の径、燃料噴
射弁2の流量特性等によって決定されることを考慮して
いる。そして、プランジャ12の移動のために不等速カ
ム8aの低速領域が使用される期間と、ノズルニードル
36が定流量域で所定開弁位置に保持される期間とが少
なくとも一部で重複するように設定されている。より詳
しくは、図5において、カム速度Vが一定(V1 )とな
るカム回転角θの期間(θ1 〜θ2 )の少なくとも一部
において、プレッシャピン40がプッシュロッド43に
当接し、噴射口45からの燃料の流量Qが少なく、一定
の値(Q1 )に保たれるように設定されている。
【0043】さらに、本実施例では、燃料噴射弁2の第
1開弁圧P1 が次の条件を満たすように適合されてい
る。この条件は、燃料圧送行程において、カムローラ1
0に対する不等速カム8aの係合箇所が、カム速度Vが
増加から一定に転ずる箇所(図5においてカム回転角θ
がθ1 である箇所)となったとき、ノズルニードル36
に加わる燃料の圧力Pn が第1開弁圧P1 を越えて、同
ノズルニードル36が開弁することである。
【0044】次に、前記のように構成された本実施例の
作用及び効果を、図1のタイミングチャートを参照して
説明する。図1中の燃料圧力に関する特性において、破
線は燃料噴射ポンプ1の出口部分(デリバリバルブ27
の直下流部分)での燃料の圧力Pp を示している。ま
た、実線は燃料噴射弁2の油溜まり33での燃料の圧力
Pn を示している。ここで、燃料噴射ポンプ1と燃料噴
射弁2との間には600mm程度の噴射管4が介在して
いるので、実際の測定では燃料噴射ポンプ1から圧送さ
れた燃料の圧力はわずかに遅れて、つまり位相遅れをと
もなって油溜まり33に到達する。従って、両圧力Pp
,Pn には図1で示すような時間遅れが生ずる。
【0045】ディーゼルエンジンからの駆動力を受けて
燃料噴射ポンプ1のドライブシャフト5が回転すると、
その回転力がカップリングを介してカムプレート8に伝
達される。この伝達により、カムプレート8及びプラン
ジャ12が回転しながら図2の左右方向へ往復駆動され
る。
【0046】プランジャ12が図2の左方へ移動する吸
入行程時には、いずれか一つの吸入溝16と吸入ポート
19とが合い、燃料室21から燃料が吸入ポート19、
吸入溝16を介して高圧室15内に吸入される。その
後、吸入ポート19と吸入溝16との連通が遮断され、
分配ポート17といずれか一つの分配通路18とが合
う。
【0047】プランジャ12がさらに回転すると、不等
速カム8aがカムローラ10に乗り上げて、プランジャ
12が図2の右方へ移動し、圧送行程が開始される。
(図1のタイミングt1)。カムローラ10に対する不
等速カム8aの係合箇所が、カム回転角θでθ0 〜θ1
の領域であると、時間の経過とともにプランジャ12の
移動速度が一定割合で増加する。この増加にともない高
圧室15の容積が次第に減少し、同高圧室15内の燃料
が加圧される。高圧になった燃料は分配ポート17か
ら、分配通路18、デリバリバルブ27、噴射管4を介
して燃料噴射弁2に圧送される(タイミングt1 〜t2
)。従って、この期間では、燃料の圧力Pp,Pn がと
もに時間の経過に従って上昇する。
【0048】このとき、油溜まり33内の燃料の圧力P
n が第1開弁圧P1 よりも低いことから、シート面39
aがテーパ面35aに押付けられ、ノズルニードル36
が閉弁状態となる。従って、燃料噴射弁2からは燃料が
噴射されない。この際、リフト量L及び噴射率αはとも
に「0」である。
【0049】カムローラ10に対する不等速カム8aの
係合箇所がカム回転角θでθ1 の箇所となり(タイミン
グt2)、そのタイミングから位相遅れに相当する時間
Δtが経過すると、油溜まり33内の燃料の圧力Pn が
第1開弁圧P1 に達する(タイミングt3)。すると、
燃料噴射弁2においては、第1スプリング42の付勢力
に抗してノズルニードル36が上方へ押し上げられ、テ
ーパ面35aからシート面39aが離間し、燃料噴射が
開始される。これにともない、リフト量L及び噴射率α
が増加し始める。
【0050】燃料噴射の開始後、カムローラ10に対す
る不等速カム8aの係合箇所が、カム回転角θでθ2 に
なるまでの期間は、カム速度Vが一定(V1 )に保たれ
る。つまり、プランジャ12の移動速度が一定となり、
燃料の圧送速度が一定となる。しかし、このときには、
燃料噴射弁2の噴射口45がノズルニードル36によっ
て絞られている。このため、燃料噴射ポンプ1から一定
流量の燃料が燃料噴射弁2に圧送されているにもかかわ
らず、その圧送量よりも少ない量の燃料しか噴射されな
い。従って、油溜まり33内の燃料の圧力Pn が次第に
上昇する(タイミングt3〜t5)。
【0051】なお、不等速カム8aの特性に、カム速度
Vが一定値(V1 )に保たれる箇所、あるいはカム速度
Vが緩やかに変化する箇所がないとすると、油溜まり3
3内の燃料の圧力Pn が第1開弁圧P1 よりも高くなっ
た後に急激に上昇して、急速に第2開弁圧P2 となる。
従って、この場合には高圧噴射による燃料の微粒化はで
きるものの、噴射率αの低い期間(t3 〜t6 )が短く
なってしまい、結局、窒素酸化物やスモークが増加する
ことになる。
【0052】ところで、前記燃料噴射弁2は二つの開弁
圧P1 ,P2 を有するタイプであるので、油溜まり33
内の燃料の圧力Pn が第1開弁圧P1 を越えた後、プレ
ッシャピン40がプッシュロッド43に当接するまで
(所定開弁位置に達するまで)の間はノズルニードル3
6が上昇する。しかし、ノズルニードル36が長さLa
だけ上昇して、プレッシャピン40がプッシュロッド4
3に当接すると(タイミングt3a)、それ以降は第2
スプリング44の付勢力がノズルニードル36に新たに
加わるようになる。このため、燃料の圧力Pn が第2開
弁圧P2 よりも低い期間は、ノズルニードル36のリフ
ト量Lは一定(La )に保たれる。
【0053】本実施例では、図6に示すように長さLa
が、流量Qの一定(Q1 )となる期間(L1 〜L2 )内
に設定されている。しかも、この際の流量Q1 は低い値
である。加えて、このときにはカム速度Vが低い一定値
(V1 )となり、燃料噴射ポンプ1から燃料噴射弁2へ
の燃料の圧送速度が抑制されている。このため、タイミ
ングt3a〜t5の期間では、噴射率αが抑制された状
態で、高圧の噴射が行われる。この際、ノズルニードル
36のリフト量LがLa 近傍で変動しても流量Qのばら
つきが小さく、安定した流量Qが得られる。
【0054】カムローラ10に対する不等速カム8aの
係合箇所がカム回転角θでθ2 の箇所となり(タイミン
グt4)、そのタイミングから位相遅れに相当する時間
Δtが経過したとき(タイミングt5)には、カム速度
Vが前記のV1 よりも大きくなっている。従って、油溜
まり33内の燃料の圧力Pn が上昇し続ける。このとき
には、ノズルニードル36のリフト量LはLa であり、
噴射率αは低く抑えられたままである。
【0055】油溜まり33内の燃料の圧力Pn がさらに
上昇して第2開弁圧P2 に達すると(タイミングt
6)、両スプリング42,44の付勢力に抗してノズル
ニードル36が再び上昇する。そして、リフト量Lが増
加してLa を越えると、リフト量Lの増加に従い流量Q
がほぼ比例して増加する。これにともない噴射率αが急
激に上昇する。ノズルニードル36の上昇は本体部37
がスペーサ29に当接すると止まる。
【0056】その後、プランジャ12の圧縮行程中に電
磁スピル弁23が開弁されると、高圧室15内における
燃料が減圧されて、燃料噴射弁2からの燃料噴射が停止
される。つまり、プランジャ12が往動しても、電磁ス
ピル弁23が開弁している間は高圧室15内の燃料圧力
が上昇せず、燃料噴射弁2からの燃料噴射が行われな
い。
【0057】なお、本実施例においては、不等速カム8
aの低速領域でプランジャ12が移動している期間と、
ノズルニードル36が所定開弁位置に保持されて流量Q
が一定となる期間との重複期間を長く設定するほど、噴
射率αを長い期間にわたって低く保つことが可能であ
る。
【0058】このように、本実施例では、燃料噴射弁2
に、ノズルニードル36の移動量が変化しても噴射口4
5の面積をほぼ一定に保つための定流量部(ピン部39
b)を設けている。そして、この定流量部(ピン部39
b)による定流量域(一定の低流量となる領域)内でノ
ズルニードル36を所定開弁位置(プレッシャピン40
がプッシュロッド43に当接する位置)に保持するよう
にしている。さらに、不等速カム8aの低速領域の使用
期間と、燃料噴射弁2での定流量域とを少なくとも一部
で重複させている。
【0059】このため、前記重複期間にはカム速度Vが
低い値(V1 )に抑制され、燃料噴射ポンプ1による燃
料の圧送速度が抑制される。また、ノズルニードル36
の移動が停止して燃料噴射量がほぼ一定の低い値に維持
される。そして、燃料噴射弁2が低流量のまま噴射を続
ける期間が長くなる。このため、上記の重複期間では噴
射率αが低くなる。これに反し、ノズルニードル36に
加わる燃料の圧力Pnは第1開弁圧P1 以上、第2開弁
圧P2 以下となっている。従って、これらの第1開弁圧
P1 及び第2開弁圧P2 をともに高い値に設定すれば、
噴射開始後のノズルニードル36の急激な上昇を抑え、
低噴射率の期間を確保しつつ、高圧噴射を行うことが可
能となる。
【0060】この高圧噴射により、EGR実行時の混合
気の燃焼速度の低下を未然に防止できる。また、低噴射
率期間の確保により、単に高圧で噴射させただけの場合
の不具合、すなわち、炭化水素HCやスモークの増加を
防止できる。換言すると、EGRの実行時等、本来燃料
の微粒化が要求される運転条件下において、十分なEG
RによるNOxの低減を図りつつ、スモーク等の発生を
抑えることができる。
【0061】また、カムの高速度=高送油率部分が多く
使用されるようになるので、エンジン高負荷時等、多量
の燃料噴射が必要な場合には高圧高噴射率とすることが
できる。この高圧高噴射率は、初期噴射期間を長くした
ことによる噴射期間の過大な延長を相殺するので、出力
の低下を抑制できる。
【0062】さらに、燃料噴射弁2の軸部39による定
流量域内でノズルニードル36が所定開弁位置に保持さ
れるので、そのノズルニードル36が所定開弁位置近傍
で変動したとしても、噴射流量のばらつきを抑えて、安
定した流量Qを確保できる。
【0063】加えて、本実施例では比較的高い開弁圧P
1 ,P2 を有する燃料噴射弁2を使用しているので、ノ
ズルニードル36に加わる燃料の圧力Pn が全体として
高くなり、噴射口45での燃料通過時の流速が上昇す
る。この流速の上昇により、従来より問題とされている
デポジットの堆積を防止できる。
【0064】また、低噴射率の期間が短くて噴射初期に
噴射率が上昇すると(噴射初期に大量の燃料が噴射され
ると)、その燃料が一度に燃焼し燃焼室内の圧力が急激
に上昇し燃焼音が増大する。これに対し、本実施例では
低噴射率の期間を十分に確保しているので、噴射初期に
噴射された少量の燃料が燃焼される。そのため、噴射率
の低い期間が終了して噴射率が上昇しても、燃焼室内の
圧力は緩やかにしか上昇せず、燃焼音が低減される。
【0065】さらに、本実施例は従来技術に比べ以下に
示す点において優れている。第1に、従来技術では、不
等速カムの低速領域が使用されているときの燃料噴射ポ
ンプからの燃料の圧力が、第1開弁圧と第2開弁圧との
間となるように設定されている。このため、第1開弁圧
及び第2開弁圧の設定できる範囲は大きく制約を受ける
ことになる。この現象を図9を用いて説明すると、低速
領域での燃料の圧力がPa からPb の範囲で変動するも
のと仮定すると、第1開弁圧P1 は圧力Pa よりも低い
値に設定しなければならず、第2開弁圧P2 は圧力Pb
よりも高い値に設定しなければならない。
【0066】これに対し、本実施例では燃料噴射ポンプ
で1の低速領域の使用期間と、燃料噴射弁2での定流量
域とが少なくとも一部で重複してさえいればよい。すな
わち、本実施例での第1開弁圧P1 は、カム速度一定期
間の終了時期(図1でPn (t4))での燃料の圧力P
n に位相遅れΔtを考慮したPn (t5)よりも低い値
であればよい。また、第2開弁圧P2 は、カム速度一定
期間の開始時期(図1でPn (t2))での燃料の圧力
Pn に位相遅れΔtを考慮したPn (t3)よりも高い
値であればよい。このため、第1開弁圧P1 に関しても
第2開弁圧P2に関しても、設定範囲は従来技術のそれ
よりも拡大する。その結果、燃料噴射ポンプ1及び燃料
噴射弁2の製造時における、不等速カム8aの形状のば
らつき、燃料噴射弁2での両開弁圧P1 ,P2 のばらつ
き、流量Qのばらつき等を吸収できる。
【0067】第2に、一般的なディーゼルエンジンにお
いては、燃料噴射ポンプ1の高圧室15内での燃料の漏
れ量がエンジン回転数に応じて異なる。すなわち、エン
ジン回転数が低いときには漏れ量が多く、エンジン回転
数が高くなるに従い漏れ量が減少する。このため、低回
転時には不等速カム8aの特性の後側でないと噴射が開
始されない。また、高回転時には、不等速カム8aの特
性の前側で噴射が開始される。そのため、従来技術で前
記の設定条件を満たそうとすると、エンジン回転数の高
低にかかわりなく、カム速度一定の期間が始まる前に第
1開弁圧に達するようにしなければならず、カム速度一
定の期間が終わった後に第2開弁圧に達するようにしな
ければならない。そのためには、燃料の圧力を調整する
機構が別に必要となる。これに対しては、従来技術では
デリバリバルブにアングライヒカット機構を用い、高回
転時には噴射管4内の燃料を余分に吸い戻して、残留圧
力を低くしている。
【0068】しかし、本実施例では、燃料の圧力Pn が
第1開弁圧P1 に達し第2開弁圧P2 に至るまでの間
で、不等速カム8aの特性のカム速度一定の箇所が使用
できればよい。このため、上記のような制約を受けず、
アングライヒカット機構等の圧力を調整する別機構は不
要となる。
【0069】なお、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れるものではなく、例えば以下のように発明の趣旨から
逸脱しない範囲で任意に変更してもよい。 (1)前記実施例では、カム速度Vが増加から一定に転
ずる箇所(図5においてカム回転角θがθ1 である箇
所)となったとき、ノズルニードル36に加わる燃料の
圧力Pn が第1開弁圧P1 となるように設定したが、必
ずしも一致させる必要はない。要は、燃料噴射ポンプ1
での低速領域の使用期間と、燃料噴射弁2での定流量域
とが少なくとも一部で重複すればよい。
【0070】(2)前記実施例では、カム特性にカム速
度一定の領域(θ0 〜θ2 )を設定したが、この領域を
図7に示すように、カム速度Vが一定割合で増加するよ
うに設定したり、図8に示すように、カム速度Vが一定
割合で減少するように設定したりしてもよい。前者は開
弁圧P1 ,P2 を比較的低い値に設定する場合に適し、
後者は開弁圧P1 ,P2 を比較的高い値に設定し、プレ
ッシャピン40がプッシュロッド43に当接した後に、
燃料の圧力Pn を緩やかに上昇させる場合に適してい
る。
【0071】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、燃
料噴射弁に、ノズルニードルの移動量が変化しても噴射
口の面積をほぼ一定に保つための定流量部を設け、この
定流量部による定流量域内でノズルニードルが所定開弁
位置に保持されるようにし、さらに、プランジャの移動
のために不等速カムの低速領域が使用される期間と、ノ
ズルニードルが定流量域で所定開弁位置に保持される期
間とが、少なくとも一部で重複するよう設定している。
このため、低噴射率の期間を確保しつつ、ノズルニード
ルの第1開弁圧を高く設定して高圧噴射を行うことがで
きる。低噴射率期間の確保により、燃焼速度低下に起因
するスモーク増加を防止できる。また、高圧噴射によ
り、排出ガス低減のためのEGR実行中に燃料を微粒化
することが可能となり、排気ガス中の炭化水素の増加を
抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例における噴射率、
ノズルニードルのリフト量、燃料の圧力及びカム速度の
対応関係を示すタイミングチャートである。
【図2】一実施例における燃料噴射ポンプの断面図であ
る。
【図3】一実施例における燃料噴射弁の断面図である。
【図4】一実施例における燃料噴射弁の下端部分を示す
図であり、(a)はノズルニードルの閉弁状態を示す部
分拡大断面図であり、(b)はノズルニードルの開弁状
態を示す部分拡大断面図である。
【図5】一実施例の燃料噴射ポンプにおけるカム回転角
とカム速度との関係を示す特性図である。
【図6】一実施例の燃料噴射弁におけるノズルニードル
のリフト量と加圧空気の流量との関係を示す特性図であ
る。
【図7】カム回転角とカム速度との関係の別例を示す特
性図である。
【図8】カム回転角とカム速度との関係の別例を示す特
性図である。
【図9】従来技術におけるカム速度と燃料の圧力との関
係を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…燃料噴射ポンプ、2…燃料噴射弁、8a…不等速カ
ム、12…プランジャ、15…高圧室、36…ノズルニ
ードル、39b…定流量部を構成するピン部、45…噴
射口、P1 …第1開弁圧、P2 …第2開弁圧、A…開弁
圧調整機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02M 45/00 F02M 41/12 360 F02M 45/08 F02M 61/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不等速カムの回転に応じたプランジャの
    往復動により高圧室内へ燃料を吸入して加圧し、その加
    圧された燃料を所定期間に外部へ圧送するとともに、前
    記不等速カムの回転角に対するカム速度の特性に応じ
    て、前記プランジャの移動速度を変化させることによ
    り、前記燃料の圧送速度を調整可能な燃料噴射ポンプ
    と、 前記燃料噴射ポンプから圧送された燃料の圧力にてノズ
    ルニードルを昇降させて噴射口の面積を調整することに
    より、その面積に対応した量及び圧力の燃料を同噴射口
    から噴射可能な燃料噴射弁とを備えた燃料噴射装置にお
    いて、 前記不等速カムのカム特性の前段部分にカム速度の低い
    低速領域を設け、後段部分にカム速度の高い高速領域を
    設け、前記燃料噴射弁には、燃料噴射ポンプからの燃料
    の圧力が予め設定された第1開弁圧未満のときノズルニ
    ードルを閉弁位置に保持し、前記圧力が第1開弁圧以上
    で、かつその第1開弁圧よりも高い第2開弁圧未満のと
    き、ノズルニードルの開弁方向への移動を許容し、その
    移動が所定開弁位置に達した後は同位置にノズルニード
    ルを保持し、前記圧力が第2開弁圧以上のとき、ノズル
    ニードルがさらに開弁方向へ移動するのを許容する開弁
    圧調整機構を設けるとともに、噴射流量がほぼ一定の低
    流量となる定流量域を燃料噴射弁の流量特性の一部に設
    定するべく、前記燃料噴射弁には、ノズルニードルの移
    動量が変化しても噴射口の面積をほぼ一定に保つための
    定流量部を設け、この定流量部による定流量域内でノズ
    ルニードルが前記所定開弁位置に保持されるようにし、
    さらに、前記プランジャの移動のために不等速カムの低
    速領域が使用される期間と、前記ノズルニードルが定流
    量域で所定開弁位置に保持される期間とが、少なくとも
    一部で重複するよう設定したことを特徴とする燃料噴射
    装置。
JP5050974A 1993-03-11 1993-03-11 燃料噴射装置 Expired - Fee Related JP2982542B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5050974A JP2982542B2 (ja) 1993-03-11 1993-03-11 燃料噴射装置
EP19940103689 EP0615065B1 (en) 1993-03-11 1994-03-10 Fuel injection apparatus
DE1994614286 DE69414286T2 (de) 1993-03-11 1994-03-10 Kraftstoffeinspritzvorrichtung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5050974A JP2982542B2 (ja) 1993-03-11 1993-03-11 燃料噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06264841A JPH06264841A (ja) 1994-09-20
JP2982542B2 true JP2982542B2 (ja) 1999-11-22

Family

ID=12873789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5050974A Expired - Fee Related JP2982542B2 (ja) 1993-03-11 1993-03-11 燃料噴射装置

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP0615065B1 (ja)
JP (1) JP2982542B2 (ja)
DE (1) DE69414286T2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08177670A (ja) * 1994-12-21 1996-07-12 Toyota Motor Corp ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプ
CA2473639C (en) * 2004-07-09 2006-11-14 Westport Research Inc. Fuel injection valve
US7527041B2 (en) 2005-07-08 2009-05-05 Westport Power Inc. Fuel injection valve
JP5285442B2 (ja) * 2009-01-13 2013-09-11 ヤンマー株式会社 燃料噴射ポンプ

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR887679A (fr) * 1941-11-15 1943-11-19 Bosch Gmbh Robert Pompe d'injection, spécialement pour moteurs à combustion interne
CH350835A (de) * 1956-11-16 1960-12-15 Friedmann & Maier Ag Einspritzdüse für Einspritzbrennkraftmaschinen
JPS59170463A (ja) * 1983-03-16 1984-09-26 Nippon Denso Co Ltd 燃料噴射弁
JPH0652070B2 (ja) * 1985-05-14 1994-07-06 株式会社ゼクセル 燃料噴射ポンプ
JPS62288364A (ja) * 1986-06-06 1987-12-15 Diesel Kiki Co Ltd 燃料噴射装置

Also Published As

Publication number Publication date
DE69414286T2 (de) 1999-05-12
EP0615065B1 (en) 1998-11-04
EP0615065A1 (en) 1994-09-14
DE69414286D1 (de) 1998-12-10
JPH06264841A (ja) 1994-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5271370A (en) Emulsion fuel engine
US5012786A (en) Diesel engine fuel injection system
KR20050044358A (ko) 인젝션 펌프, 및 인젝션 펌프를 구비한 디젤 엔진용dme 연료 공급 장치
JPH04101018A (ja) 直噴式ディーゼルエンジン
JP2982542B2 (ja) 燃料噴射装置
JPH04121456A (ja) 直噴式ディーゼルエンジン
JPH0579421A (ja) 内燃機関に用いられる燃料噴射ポンプ
CN100441849C (zh) 内燃机的燃料供应装置
JP2001207937A (ja) 組合せ式初期噴射及びピーク噴射圧力調節器を具備する燃料噴射器組立体
JP3296012B2 (ja) 燃料噴射制御装置
JP4304858B2 (ja) 燃料噴射弁
JP2002349393A (ja) 燃料噴射ノズルおよびその加工方法
JP2001207935A (ja) ソレノイド作動式の改良された逆止弁を有する燃料噴射装置アセンブリ
JP3492338B2 (ja) 燃料・水噴射内燃機関
KR960010290B1 (ko) 연료분사펌프
JP3748116B2 (ja) 燃料噴射装置
JPH08177670A (ja) ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプ
JPH08210223A (ja) 内燃機関に用いられる燃料高圧ポンプ
JP2553011B2 (ja) 燃料噴射ポンプ
JP2508645Y2 (ja) 燃料噴射装置
JP2578820Y2 (ja) ディーゼルエンジンの燃料噴射装置
JPH06257534A (ja) 燃料噴射装置
JPH07189701A (ja) 内燃機関用ピストン
JPH11117828A (ja) 内燃機関用燃料噴射装置
JPH05157019A (ja) 燃料噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees