JPH06299027A - フッ素ゴム組成物 - Google Patents

フッ素ゴム組成物

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JPH06299027A
JPH06299027A JP11104193A JP11104193A JPH06299027A JP H06299027 A JPH06299027 A JP H06299027A JP 11104193 A JP11104193 A JP 11104193A JP 11104193 A JP11104193 A JP 11104193A JP H06299027 A JPH06299027 A JP H06299027A
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JP
Japan
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parts
component
fluororubber
fluorine
fluororubber composition
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JP11104193A
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English (en)
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Masayuki Saito
正幸 斉藤
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】有機過酸化物で加硫可能な、フッ化ビニリデン
およびこれと共重合可能な少なくとも1種の他のエチレ
ン性不飽和単量体との含フッ素弾性共重合体、Rf (C
2n OHで示される含フッ素アルコール、有機オニ
ウム化合物および2価の金属酸化物および/または2価
の金属水酸化物をあらかじめ反応させた後、有機過酸化
物および不飽和多官能性化合物を配合してなるフッ素ゴ
ム組成物。 【効果】フッ素ゴムの優れた特性を保持しながら低コス
トに、しかも容易に、低温可撓性が改善されたフッ素ゴ
ム組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフッ素ゴム組成物に関
し、さらに詳しくは低温可撓性に優れたフッ素ゴム組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フッ素ゴムは耐熱性、耐油性、耐溶剤性
に極めて優れていることから自動車部品をはじめとして
各種の工業分野において広く用いられているが、低温可
撓性の改良が課題となっている。この問題点を解決する
手段として、含フッ素アルキルビニルエーテルを単量体
単位として含有するフッ素ゴム共重合体や含フッ素ポリ
エーテルを含有するフッ素ゴム組成物が知られている
が、前者は含フッ素アルキルビニルエーテルが高価なた
め得られるフッ素ゴムも非常に高価な物になってしま
い、後者はポリエーテルが加硫に関与しないために加硫
成形物からブリードアウトしてしまうという問題があっ
た。
【0003】また、モノまたはジヒドロキシポリエーテ
ルを配合することによりポリエーテルのブリードアウト
を防止することが可能であることが特開昭62−119
253号公報に記載されている。しかしながら、フッ素
ゴムの加硫方法がポリオール加硫であることから、フッ
素ゴム100重量部に対するこれらのポリエーテルの配
合量は15重量部以下であるため低温可撓性を改善する
には不十分であり、未加硫の配合物を長期間保存した場
合にはポリエーテルがブリードアウトすることがあっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フッ
素ゴムの優れた特性を保持しながら低コストに、しかも
容易に、低温可撓性が改善されたフッ素ゴム組成物を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のフッ
素ゴムに含フッ素アルコールを配合、または反応させて
なるフッ素ゴム組成物により前記の目的が達成されるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明の目的は、 (A)有機過酸化物で加硫可能な、フッ化ビニリデンお
よびこれと共重合可能な少なくとも1種の他のエチレン
性不飽和単量体との含フッ素弾性共重合体 (B)Rf (CH2n OH で示される含フッ素アル
コール(n=1または2、Rf はエーテル結合含有また
は非含有のポリフルオロアルキル基) (C)有機オニウム化合物および (D)2価の金属酸化物および2価の金属水酸化物から
選ばれる少なくとも1種を含有してなるフッ素ゴム組成
物を提供するものである。
【0007】本発明のフッ素ゴム組成物において(A)
成分として用いられる含フッ素弾性共重合体は、フッ化
ビニリデンおよび、これと共重合可能な少なくとも1種
の他のエチレン性不飽和単量体からなる。
【0008】ここで、フッ化ビニリデンと共重合可能な
エチレン性不飽和単量体としては、六フッ化プロピレ
ン、五フッ化プロピレン、プロピレン、三フッ化エチレ
ン、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、エチレ
ン、フッ化ビニルや、パーフルオロ(メチルビニルエー
テル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パ
ーフルオロ(ヘキシルビニルエーテル)などのパーフル
オロ(アルキルビニルエーテル)などが例示される。
【0009】これらのうちフッ化ビニリデン−四フッ化
エチレン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−四
フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、フッ化
ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体が好ましく採
用される。これらの共重合体に臭素またはヨウ素含有の
単量体を共重合させた含フッ素弾性共重合体や、熱分解
または塩基性化合物を作用させ主鎖に二重結合を導入し
た含フッ素弾性共重合体が(A)成分として使用され
る。
【0010】本発明のフッ素ゴム組成物において(B)
成分として用いられる含フッ素アルコールは、本発明に
より得られるフッ素ゴムに低温可撓性を付与するための
必須成分であり、式Rf (CH2n OH(n=1また
は2、Rf はエーテル結合含有または非含有のポリフル
オロアルキル基)で示される。Rf の炭素数は特に制限
されるものではなく、また塩素原子や水素原子が結合し
たものや、ポリエーテル類のように酸素原子を含有する
ものでもよい。
【0011】(B)成分の含フッ素アルコールの具体例
としては化1に示す各化合物などが挙げられる。
【0012】
【化1】 CF3 CH2 OH HC48 CH2 OH HC612CH2 OH C49 CH2 CH2 OH C613CH2 CH2 OH C37 OCF(CF3 )CH2 OH C37 O(C36 O)n CF(CF3 )CH2 OH
(nは1〜20の整数)
【0013】(A)成分100重量部に対する(B)成
分の使用量は特に制限されるものではなく必要に応じて
決められるが、好ましくは20〜300重量部の範囲で
あり20重量部以下では低温可撓性改善の効果が十分で
ないことがあり、また300重量部以上では機械的強度
や加工性が低下することがあるからである。
【0014】本発明のフッ素ゴム組成物において(C)
成分として用いられる有機オニウム化合物は、(A)成
分の含フッ素弾性共重合体と(B)成分の含フッ素アル
コールとの反応促進剤であり、通常のフッ素ゴムのポリ
オール加硫に用いることが可能な公知の有機オニウム化
合物はすべて(C)成分として用いることが可能であ
る。
【0015】(C)成分の有機オニウム化合物として
は、有機4級アンアンモニウム塩、有機4級ホスホニウ
ム塩、有機4級イミニウム塩などが好適に用いられる。
(A)成分100重量部に対する(C)成分の配合量は
0.05〜10重量部であり、好ましくは0.1〜5重
量部である。
【0016】本発明のフッ素ゴム組成物において(D)
成分として用いられる2価の金属酸化物または2価の金
属水酸化物は(A)成分の含フッ素弾性共重合体と
(B)成分の含フッ素アルコールとの反応における受酸
剤であり、通常のフッ素ゴムのポリオール加硫に用いる
ことが可能な公知の2価の金属酸化物および2価の金属
水酸化物はすべて(D)成分として用いることが可能で
ある。
【0017】(D)成分の2価の金属酸化物または2価
の金属水酸化物としては、マグネシウム、カルシウム、
鉛、亜鉛などの酸化物および水酸化物が挙げられる。
(A)成分100重量部に対する(D)成分の配合量は
0.5〜50重量部であり、好ましくは2〜30重量部
の範囲である。
【0018】(A)成分と(B)成分とを反応させる際
には、(C)成分および(D)成分とを加える必要があ
る。反応を効果的に進めるためには(A)〜(D)成分
を均一に混合して加熱することが好ましい。(C)成分
および(D)成分の存在下に(A)成分と(B)成分と
を反応させることにより、両成分が化学的に結合してフ
ッ素ゴムの低温可撓性が改善される。
【0019】反応は30℃〜300℃、好ましくは50
℃〜250℃で数秒〜約100時間加熱することにより
進行する。加熱方法としては、(A)〜(D)成分を均
一に混合してからオーブンなどで静置させてもよいが、
押し出し機やバンバリーミキサーなどの混練機で(A)
〜(D)成分を混合しながら反応させてもよく、また溶
液として撹拌しながら反応させることも可能である。こ
れにより、本発明のフッ素ゴム組成物は未加硫の状態で
長期間保存しても含フッ素アルコールがブリードアウト
することはない。
【0020】本発明のフッ素ゴム組成物において(E)
成分の加硫剤として用いられる有機過酸化物および不飽
和多官能性化合物としては、通常のフッ素ゴムの過酸化
物加硫に用いることが可能な公知の有機過酸化物および
不飽和多官能性化合物はすべて使用可能である。
【0021】有機過酸化物としては、加硫条件下でパー
オキシラジカルを発生させるものであればよく、例え
ば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミ
ルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、ベンゾイルパー
オキサイドなどが例示される。
【0022】通常、活性−O−O−の量、分解温度など
から種類ならびに使用量が選ばれるが、一般に使用量は
(A)成分100重量部に対して0.1〜5重量部、好
ましくは0.5〜3重量部の割合で用いられる。
【0023】また、不飽和多官能性化合物としては、パ
ーオキシラジカルとポリマーラジカルとに対して反応性
を有するものであれば有効であり、具体例として、トリ
アリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。使用
量は(A)成分100重量部に対し0.1〜10重量
部、好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。
【0024】本発明のフッ素ゴム組成物においては、加
硫ゴムの特性を損なわない範囲でカーボン、シリカ、顔
料、増量剤、滑剤、内部離型剤その他の添加剤を配合す
ることができる。本発明のフッ素ゴム組成物の加硫は、
通常のフッ素ゴムの加硫条件下で行うことができる。
【0025】
【作用】有機オニウム化合物、金属酸化物および金属水
酸化物の存在下にフッ素ゴム共重合体と含フッ素アルコ
ールとを反応させることにより、両者が化学的に結合し
てフッ素ゴムの低温可撓性が改善されるとともにブリー
ドアウトの無い加工性のよいフッ素ゴム組成物が得られ
る。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例により説明する。な
お、実施例中、部とあるものは重量部を示す。
【0027】実施例1 フッ素ゴムとしてアフラス200P(旭硝子製)100
部、MTカーボン30部、C37 OCF(CF3 )C
2 OH 50部、テトラブチルホスホニウムクロライ
ド1部、キョーワマグ#150(協和化学製:酸化マグ
ネシウム)3部、カルビット(近江化学製:水酸化カル
シウム)6部をニーダーで均一に混練した後、オーブン
中100℃で1時間熱処理した。
【0028】冷却後、これを2ロールに巻き付けて、亜
鉛華3部、トリアリルイソシアヌレート3部、パーヘキ
サ2,5B40(2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−
ブチルパーオキシヘキサン)を3部添加し均一なフッ素
ゴム組成物を得た。これを、170℃で10分間プレス
加硫したのち、オーブン中で230℃で24時間2次加
硫し、加硫組成物を得た。得られた加硫組成物について
JIS K6301に従い物性を、そしてASTM D
1329に従い低温特性(TR−10)を測定した。結
果を表1に示した。
【0029】比較例1 アフラス200P100部、MTカーボン30部、亜鉛
華3部、トリアリルイソシアヌレート3部、パーヘキサ
2,5B40を3部を2ロールで混合し均一なフッ素ゴ
ム組成物を得た。これを、170℃で10分間プレス加
硫したのち、オーブン中で230℃で24時間2次加硫
し、加硫組成物を得た。得られた加硫組成物について実
施例1と同様に特性を評価した。結果を表1に示した。
【0030】実施例2 フッ素ゴムとしてバイトンGF(昭和電工デュポン製)
100部、MTカーボン30部、C37 OCF(CF
3 )CH2 OH 100部、ベンジルトリフェニルホス
ホニウムクロライド0.6部、キョーワマグ#150を
3部、カルビット6部をニーダーで均一に混練した後、
オーブン中100℃で1時間熱処理した。
【0031】冷却後、これを2ロールに巻き付けて、亜
鉛華3部、トリアリルイソシアヌレート3部、パーヘキ
サ2,5B40を3部添加し、均一なフッ素ゴム組成物
を得た。これを、170℃で10分間プレス加硫した
後、オーブン中で230℃で24時間2次加硫し加硫組
成物を得た。得られた加硫組成物について実施例1と同
様に特性を評価した。結果を表1に示した。
【0032】比較例2 バイトンGF100部、MTカーボン30部、亜鉛華3
部、トリアリルイソシアヌレート3部、パーヘキサ2,
5B40を3部2ロールで混合し、均一なフッ素ゴム組
成物を得た。これを、170℃で10分間プレス加硫し
た後、オーブン中で230℃で24時間2次加硫し加硫
組成物を得た。得られた加硫組成物について実施例1と
同様に特性を評価した。結果を表1に示した。
【0033】実施例3 含フッ素アルコールとしてC37 O(C36 O)C
F(CF3 )CH2 OH 120部用いること以外は実
施例1とまったく同様にしてフッ素ゴム組成物を得、そ
の加硫物の特性を測定した。結果を表1に示した。
【0034】比較例3 ポリオール加硫用フッ素ゴムとしてフローレルFC21
75(スリーエム製)100部、MTカーボン30部、
37 O(C36 O)CF(CF3 )CH2 OH
120部、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライ
ド0.6部、キョーワマグ#150を3部、カルビット
6部をニーダーで均一に混練した後、オーブン中100
℃で1時間熱処理した。冷却後、これを2ロールに巻き
付けて、亜鉛華3部、トリアリルイソシアヌレート3
部、パーヘキサ2,5B40を3部添加し、均一なフッ
素ゴム組成物を得た。これを、170℃で10分間プレ
スしたが、良好な加硫物は得られなかった。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】フッ素ゴムの優れた特性を保持しながら
低コストに、しかも容易に、低温可撓性が改善されたフ
ッ素ゴム組成物が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)有機過酸化物で加硫可能な、フッ化
    ビニリデンおよびこれと共重合可能な少なくとも1種の
    他のエチレン性不飽和単量体との含フッ素弾性共重合体 (B)Rf (CH2n OHで示される含フッ素アルコ
    ール(n=1または2、Rf はエーテル結合含有または
    非含有のポリフルオロアルキル基) (C)有機オニウム化合物および (D)2価の金属酸化物および2価の金属水酸化物から
    選ばれる少なくとも1種を含有してなるフッ素ゴム組成
    物。
  2. 【請求項2】(A)成分、(B)成分、(C)成分およ
    び(D)成分をあらかじめ反応させてなる請求項1記載
    のフッ素ゴム組成物。
  3. 【請求項3】(E)成分として(A)成分を加硫するの
    に十分な量の有機過酸化物および不飽和多官能性化合物
    を含有してなる請求項1のフッ素ゴム組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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