JPH06298631A - 口腔用組成物 - Google Patents

口腔用組成物

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JPH06298631A
JPH06298631A JP9140693A JP9140693A JPH06298631A JP H06298631 A JPH06298631 A JP H06298631A JP 9140693 A JP9140693 A JP 9140693A JP 9140693 A JP9140693 A JP 9140693A JP H06298631 A JPH06298631 A JP H06298631A
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fluoride
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water
phosphate
sodium
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JP9140693A
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Yoshitaka Yano
義高 矢納
Keiko Masuki
恵子 舛木
Ryozo Nakai
良三 中井
Yasuteru Eguchi
泰輝 江口
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記成分(A)、(B)並びに(C); (A)界面活性剤、研磨剤、粘結剤及び低級アルコール
から選ばれる一種又は二種以上の口腔用成分、 (B)下記(a)、(b)及び(c); (a)水溶性フッ化水素酸塩、(b)水溶性カルシウム
塩、(c)(a)と(b)との反応物のコロイド化を促
進する物質、により生成したフッ化物コロイド、 (C)ポリリン酸、糖リン酸エステル、リン酸化アミノ
酸、ホスホペプチド、蛋白質及びそれらの塩から選ばれ
る一種又は二種以上のリン酸化合物、を含有する口腔用
組成物。 【効果】 歯へのフッ素供給を長時間にわたり安定して
行ない、優れたう蝕作用を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は口腔用組成物に関し、更
に詳しくはう蝕予防効果に優れる口腔用組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
フッ素がう蝕予防作用を有することが知られており、水
道水への微量添加(1ppm 程度)、歯磨剤や洗口剤への
配合(1000ppm 以下)、歯科医師による歯表面への
塗布(1000ppm 程度)等が行われてきている。う蝕
予防効果は水道水添加が最も良好であり、一方、歯磨剤
や洗口剤へ配合した場合にはその効果は著しく低下す
る。しかし、歯磨剤や洗口剤への配合はその使用上の簡
便性、経済性等から望ましい手段と考えられるため、そ
の効果を向上させることが、口腔衛生分野の主要な課題
の一つとなっている。
【0003】フッ素のう蝕予防作用の主要な作用機序
は、歯エナメル質を構成する成分である無機化合物、ハ
イドロキシアパタイト(以下HAPと略)をフルオロア
パタイト(以下FAPと略)に変化せしめることによっ
て歯の耐酸性を向上させることにある。このHAP→F
APの反応は、通常、低濃度のフッ素イオンによって緩
慢に進行する。従って、水道水へのフッ素添加によるう
蝕予防効果が高いのは飲水によって摂取されたフッ素が
唾液中に長時間にわたり微量分泌されて効果的に歯に作
用し、HAP→FAPの反応を進行させるためと考えら
れる。
【0004】一方、歯磨剤等の口腔用組成物に配合され
たフッ素が歯に作用する場合、短い歯磨き時間ではHA
P→FAPの反応は期待できない。しかし、高濃度のフ
ッ素イオンをエナメル質に作用させると、比較的速い反
応速度でHAPの一部が分解して歯表面にフッ化カルシ
ウムが形成され、これが歯磨き後に徐々に溶解してフッ
素イオンを放出し、その結果、HAP→FAPの反応が
進行することが判明している。このような機序から考え
ると、歯磨剤等の口腔用組成物へ配合するフッ素の量が
多いほど歯面でのフッ化カルシウム形成が増加し、効果
が高まるが、誤飲の危険性を考慮して現在ではフッ素の
配合量の上限は1000ppm に抑えられている。このた
め、歯磨きの際にはなるべく高濃度のフッ素イオンをな
るべく長時間にわたり歯に接触させる必要があるが、配
合量の上限規制や歯磨き時間を無制限にはできないなど
の理由により、フッ素の歯への取込みを十分に高めるこ
とは困難であった。
【0005】上記フッ素の歯への供給を高めるための試
みとして、フッ素イオン、カルシウムイオン及びこれら
のイオンからなるフッ化物をコロイド化したもの(特開
平3−72415号公報)、該コロイドにリン酸塩を添
加したもの(特開平4−217618号公報)、該コロ
イド液に凝集剤を添加したもの(特開平4−24390
2号公報)等の口腔用組成物への使用が開示されてい
る。
【0006】しかし、上記フッ化物コロイドは、エチル
アルコール等の系の誘電率を低下させる成分、通常の歯
磨剤に粘結剤として広く使用されているカルボキシルメ
チルセルロース等の酸性高分子、研磨剤として広く使用
されている第二リン酸カルシウム・二水和物等のリン酸
塩無機粉体、活性剤として広く使用されているアルキル
硫酸エステルナトリウム塩等の汎用成分とともに口腔用
組成物に配合された場合、コロイド粒子が破壊された
り、凝集、沈澱したりすることがあり、また、経時によ
り歯への吸着やフッ素取込み量が低下するという問題点
があった。
【0007】そこで、フッ化物コロイドが長期間にわた
り破壊、凝集することなく、歯へのフッ素取込みを安定
して維持し得る口腔用組成物の開発が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
情に鑑み鋭意検討した結果、通常の口腔用成分に加え、
フッ化物コロイド及び特定のリン酸化合物を配合した組
成物が、該フッ化物コロイドの破壊、凝集をきたすこと
なく歯へのフッ素供給を安定して維持するものであるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、下記成分(A)、
(B)並びに(C); (A)界面活性剤、研磨剤、粘結剤及び低級アルコール
から選ばれる一種又は二種以上の口腔用成分、 (B)下記(a)、(b)及び(c); (a)水溶性フッ化水素酸塩、(b)水溶性カルシウム
塩、(c)(a)と(b)との反応物のコロイド化を促
進する物質、により生成したフッ化物コロイド、 (C)ポリリン酸、糖リン酸エステル、リン酸化アミノ
酸、ホスホペプチド、蛋白質及びそれらの塩から選ばれ
る一種又は二種以上のリン酸化合物、を含有する口腔用
組成物を提供する。
【0010】本発明に使用される成分(A)の界面活性
剤としては、リン酸エステル以外の各種界面活性剤が上
げられる。好ましい界面活性剤の例としては、アルキル
硫酸ナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム塩、N−アシルザルコシン酸ナトリウム塩、N−ア
シルグルタミン酸塩、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック
共重合体(プルロニック型)、ショ糖脂肪酸エステル、
アルキルグリコシド類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキル
ジメチルアミンオキサイド、カルボベタイン、ヒドロキ
シカルボベタイン、ホスホベタイン、ヒドロキシホスホ
ベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシスルホベタイン
等が挙げられる。このうち、ポリオキシエチレン硬化ヒ
マシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロ
ック共重合体、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコ
シド類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル等の水溶性ノニオン界面活
性剤や両性界面活性剤が特に好ましい。
【0011】成分(A)の研磨剤としては研磨用リン酸
水素カルシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウ
ム、不溶性メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウ
ム、無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケ
イ酸ジルコニウム、ベントナイト、ゼオライト、酸化ア
ルミニウム、水酸化アルミニウム、レジン及びこれらの
混合物が挙げられる。このうち、無水ケイ酸、含水ケイ
酸、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ゼオライト
等が特に好ましい。
【0012】成分(A)の粘結剤としてはカルボキシメ
チルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、アルギン酸塩、カラゲナン、ア
ラビアゴム、ポリビニルアルコール、トラガントガム、
デンプン、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。
【0013】成分(A)の低級アルコールとしては、メ
タノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアル
コール、ヘキシルアルコール等の炭素数1〜6のアルコ
ールが挙げられる。
【0014】本発明において使用される成分(B)の水
溶性フッ化水素酸塩(a)としては、フッ化水素酸の薬
学的に許容される水溶性塩、例えばフッ化ナトリウム、
フッ化カリウム、フッ化リチウム、フッ化アンモニウ
ム、フッ化錫等が挙げられる。
【0015】成分(B)の水溶性カルシウム塩(b)と
しては、薬学的に許容されるカルシウムの水溶性塩、例
えば塩酸塩、硝酸塩、酢酸塩、グリセロリン酸塩やグル
コースリン酸塩などの糖リン酸塩等が挙げられる。
【0016】成分(B)の、(a)と(b)との反応生
成物のコロイド化を促進する物質(c)としては、例え
ば分子内に1個又は2個以上のリン酸基及び/又は硫酸
基及び/又はカルボキシル基を有する炭素数3〜10の
単糖、並びにそれらが2〜6個結合したオリゴ糖、並び
に分子内に1個又は2個以上のリン酸基及び/又は硫酸
基及び/又はカルボキシル基を有する炭素数3〜10の
多価アルコール、並びにアスコルビン酸誘導体からなる
群より選ばれる化合物が挙げられる。
【0017】具体的には、グリセリルアルデヒド−3−
リン酸、α−グリセロリン酸、β−グリセロリン酸、エ
リスロース−4−リン酸、リボース−5−リン酸、グル
コース−1−リン酸、グルコース−6−リン酸、イノシ
トールモノリン酸、イノシトールヘキサリン酸、フルク
トース−1−リン酸、フルクトース−6−リン酸、フル
クトース−1,6−ジリン酸、ヘプツロース−7−リン
酸を代表例とする糖リン酸エステル;蔗糖硫酸エステル
を代表例とする糖硫酸エステル;グリセロリン酸;グル
コン酸;アスコルビン酸−2−リン酸、アスコルビン酸
−2−硫酸を代表例とするアスコルビン酸誘導体;及び
これらの塩類が挙げられ、これらは単独でも、また二種
以上を組合せて使用することもできる。
【0018】本発明に使用される成分(B)であるフッ
化物コロイドの調製は、例えば(a)、(b)及び
(c)を室温下に混合すればよく、これにより極めて微
細で安定なフッ化物コロイドが得られる。このときの成
分(a)、成分(b)及び成分(c)の配合比率(モル
比)は、フッ素イオン:カルシウムイオン:成分(c)
=0.10〜100:1:0.01〜100であり、好
ましくはフッ素イオンとカルシウムイオンが塩を生成す
る場合の化学量論的比率、すなわち、フッ素イオン:カ
ルシウムイオン=2:1になるべく近い比率であること
が望ましい。また、成分(c)についてはコロイド粒子
を安定化するに十分な比率であること、すなわち、カル
シウムイオン:成分(c)=1:1になるべく近い比率
であることが望ましい。
【0019】以上を考慮すると、フッ素イオン:カルシ
ウムイオン:成分(c)=0.1〜10:1:0.05
〜20が更に望ましい。なお、フッ素イオンとカルシウ
ムイオンの比率が、塩を生成する際の化学量論的比率か
ら外れる場合には、コロイド粒子を形成しない遊離のフ
ッ素イオンやカルシウムイオンが組成物中に存在するこ
とがあるが、これらの存在は本発明の効果を損なうもの
ではない。
【0020】上記フッ化物コロイド(B)の生成を確認
するには、例えば下記(1)〜(4)の方法によればよ
い。 (1)試料溶液(a)、(b)及び(c)と試料溶液か
ら(c)を除いた溶液(対照)の沈澱量又は濁度を比較
する。前者が後者より少なければコロイドが形成されて
いる。 (2)試料溶液(a)、(b)及び(c)を孔径0.8
μのミリポアフィルターで濾過し、濾液8〜9ml(10
PCボトル)を超遠心分離装置(日立製SCP70H,
ローター:SRP70AT,50000rpm ,20時
間,15℃)にかけたとき沈澱物を認めれば、コロイド
が形成されている。 (3)試料溶液(a)、(b)及び(c)をミリポアフ
ィルターで濾過し、濾液の動的光散乱を測定したとき、
0.005〜1μの粒子が検出されれば(大塚電子製D
LS−700)、コロイドが形成されている。 (4)試料溶液を透過型電子顕微鏡(日立製H−700
0)により0.005〜1μの粒子が観察されれば、コ
ロイドが形成されている。観察試料としては、試料溶液
をミリポアフィルターで濾過し、予め親水処理(日本電
子製JFC−1100)したカーボン支持膜に試料を載
せ水分を除去したものを用いる。
【0021】本発明の口腔用組成物中のフッ素の含有率
は10〜100000ppm が好ましく、更に好ましくは
150〜60000ppm である。
【0022】本発明に使用される成分(C)のリン酸化
合物としては、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラリ
ン酸等の無機ポリリン酸化合物、グリセロリン酸、エリ
スロース−4−リン酸、リボース−5−リン酸、グルコ
ース−1−リン酸、イノシトールモノリン酸、フルクト
ース−1−リン酸等の糖リン酸エステル;セリン−リン
酸等のリン酸化アミノ酸;リン酸化アミノ酸を1〜10
残基以上分子内に含むカゼインホスホペプチド等のホス
ホペプチド;カゼイン等のホスホペプチドを構成成分と
する蛋白質などの有機リン酸化合物及びそれらの塩類が
挙げられ、これらの化合物は単独でも、また二種以上を
組合せて用いることもできる。
【0023】成分(C)の本発明組成物への添加量は、
フッ化物コロイド(B)を安定に保持する量であれば特
に制限はなく、本発明組成物全量に対して0.001〜
50重量%が好ましく、更に0.01〜20重量%が好
ましい。
【0024】本発明の口腔用組成物は、前記成分(B)
のフッ化物コロイドを調製した後、成分(A)及び成分
(C)を常法に従い混合することにより得られるが、歯
磨剤、歯牙塗布剤、バッカル錠、チュウインガム等の様
々な剤型とすることが可能である。この際、通常の歯磨
剤や歯牙塗布剤、バッカル錠などに使用される各種の基
剤やその他の薬用成分を系に配合することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明の口腔用組成物は、該組成物中の
フッ化物コロイドの破壊、凝集をきたすことなく、歯へ
のフッ素供給を長時間にわたり安定して行うものであ
り、従って優れたう蝕防止作用を示すものである。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】参考例1〔(a)、(b)及び(c)の混
合液の溶解状態とコロイド生成の観察〕 (a)としてフッ化ナトリウムを、(b)及び(c)を
兼ねるものとしてグルコース−1−リン酸カルシウム
(G1P)を用い、表1に示すような所定の混合比率に
なるように種々の濃度で水に混合した後、室温で1日放
置した時のコロイド生成を沈澱形成により判定した。判
定基準を以下に示す。混合比率(モル比)は、フッ素イ
オン:カルシウムイオン:グルコース−1−リン酸イオ
ン=0.1〜10:1:1とした。また、溶液中の総フ
ッ素濃度は8〜60000ppm とした。なお、対照とし
て、(c)を用いることなく、(a)としてフッ化ナト
リウム、(b)として塩化カルシウムをフッ素イオン:
カルシウムイオン=2:1(モル比)の割合で混合溶解
したものについても同様に沈澱形成を肉眼で判定した。
結果を併せて表1に示す。 (判定基準) +++:著しく沈澱が生じた。 ++:やや多い沈澱が生じた。 +:わずかに沈澱が生じた。 −:沈澱が生じなかった。
【0028】
【表1】
【0029】溶解状態のもっとも良好な系(F:Ca:
G1P=2:1:1,G1Pはグルコース−1−リン酸
を示す)のフッ素濃度1500ppm の溶液について動的
光散乱測定装置(大塚電子社製DLS−700)により
溶質の粒子径を測定したところ、平均粒子径12.5nm
の極めて微細なコロイド粒子であることが判明した。ま
た、イオン選択電極(オリオン社製)によりカルシウム
イオン濃度を測定したところ、遊離状態のカルシウムイ
オンが1mM未満であり、実質的に存在しないことが判明
した。このことは、系のカルシウムのほとんど全てがコ
ロイド粒子となっており、もはやイオンの状態にはない
ことを示唆する。これ以外の系でも、例えばF:Ca=
0.1〜1:1では系の総フッ素濃度に依存してカルシ
ウムイオンが減少した。また、F:Ca=4〜10:1
の系ではカルシウムイオンは実質的に存在しなかった。
このことから、これらの系でも多少の沈澱がみられる場
合はあるものの、対照のグルコース−1−リン酸の存在
しない系に比較して沈澱の量が少なく、グルコース−1
−リン酸の存在する系では少なくともカルシウムの一部
がコロイド粒子となっていることがわかる。
【0030】参考例2〔リン酸化合物(C)添加時のフ
ッ化カルシウムコロイド(B)の安定化〕 本実験では、リン酸化合物を添加したフッ化カルシウム
コロイド溶液に、コロイドとの相容性の悪い物質であ
る、アルキル硫酸ナトリウム(AS)、カルボキシメチ
ルセルロース(CMC)及びエタノール(EtOH)を
それぞれ添加した時にフッ化カルシウムの沈澱を認める
か否かを調べた。総フッ素濃度1000ppm の表2に示
す各種フッ化物コロイド溶液〔G1P:Ca:F=1:
1:2(モル比)〕に最終濃度0.1重量%のリン酸化
合物を添加し、更に最終濃度5重量%の各種相容性の悪
い物質を添加し100gとした後、フッ化カルシウムの
沈澱物があるか否かを肉眼で下記判定基準により判定し
た。 (評価基準) +:沈澱が生じた。 −:沈澱が生じなかった。 結果を併せて表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】実施例1(練歯磨剤) 以下に組成を示す練歯磨剤を下記製造方法により調製し
た。
【0033】
【表3】 (組成) (重量%) フッ化ナトリウム 0.2 グルコース−1−リン酸カルシウム−4水塩 0.9 グルコース−1−リン酸ナトリウム−4水塩 1.0 第二リン酸カルシウム・二水和物 35.0 ヒドロキシプロピルセルロース 2.0 カルボキシメチルセルロース 2.0 無水ケイ酸 5.0 グリセリン 10.0 70%ソルビット液 25.0 メチルパラベン 0.1 香料 1.0 サッカリンナトリウム 0.2 水 残量
【0034】(製造方法)予めフッ化ナトリウムとグル
コース−1−リン酸カルシウムを水に混合してフッ化物
コロイドを生成させ、グルコース−1−リン酸ナトリウ
ムを添加する。その後、他成分を脱気混合し、ペースト
状の練歯磨剤とする。
【0035】実施例2(練歯磨剤) 以下に組成を示す練歯磨剤を下記製造方法により調製し
た。
【0036】
【表4】 (組成) (重量%) フッ化ナトリウム 0.2 グルコース−1−リン酸カルシウム−4水塩 0.9 α−グリセロリン酸ナトリウム 5.0 無水ケイ酸 15.0 含水ケイ酸 20.0 ヒドロキシプロピルセルロース 2.0 メチルセルロース 2.0 グリセリン 10.0 70%ソルビット液 25.0 メチルパラベン 0.1 香料 1.0 サッカリンナトリウム 0.2 水 残量
【0037】(製造方法)予めフッ化ナトリウムとグル
コース−1−リン酸カルシウムを水に混合してフッ化物
コロイドを生成させ、α−グリセロリン酸ナトリウムを
添加する。その後、他成分を脱気混合し、ペースト状の
練歯磨剤とする。
【0038】実施例3(練歯磨剤) 以下に組成を示す練歯磨剤を下記製造方法により調製し
た。
【0039】
【表5】 (組成) (重量%) フッ化ナトリウム 0.2 グルコース−1−リン酸カルシウム−4水塩 0.9 ポリリン酸ナトリウム (食品添加物,和光純薬工業(株)製) 0.5 水酸化アルミニウム 35.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 カラギーナン 2.0 グリセリン 10.0 70%ソルビット液 25.0 メチルパラベン 0.1 香料 1.0 サッカリンナトリウム 0.2 水 残量
【0040】(製造方法)予めフッ化ナトリウムとグル
コース−1−リン酸カルシウムを水に混合してフッ化物
コロイドを生成させ、ポリリン酸ナトリウムを添加す
る。その後、他成分を脱気混合し、ペースト状の練歯磨
剤とする。
【0041】実施例4(練歯磨剤) 以下に組成を示す練歯磨剤を下記製造方法により調製し
た。
【0042】
【表6】 (組成) (重量%) フッ化ナトリウム 0.2 グルコース−1−リン酸カルシウム−4水塩 0.9 カゼインフォスフォペプチド 2.0 無水ケイ酸 15.0 ポリアクリル酸ナトリウム 2.0 ポリビニルアルコール 5.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 グリセリン 10.0 70%ソルビット液 30.0 メチルパラベン 0.1 香料 1.0 サッカリンナトリウム 0.2 水 残量
【0043】(製造方法)予めフッ化ナトリウムとグル
コース−1−リン酸カルシウムを水に混合してフッ化物
コロイドを生成させ、カゼインフォスフォペプチドを添
加する。その後、他成分を脱気混合し、透明なゲル状の
練歯磨剤とする。
【0044】実施例5(歯牙塗布剤) 以下に組成を示す歯牙塗布剤を下記製造方法により調製
した。
【0045】
【表7】 (組成) (重量%) フッ化ナトリウム 0.2 グルコース−1−リン酸カルシウム−4水塩 0.9 グルコース−1−リン酸ナトリウム−4水塩 10.0 ヒドロキシプロピルセルロース 2.0 エタノール 3.0 香料 適量 水 残量
【0046】(製造方法)予めフッ化ナトリウムとグル
コース−1−リン酸カルシウムを水に混合してフッ化物
コロイドを生成させ、グルコース−1−リン酸ナトリウ
ムを添加する。その後、他成分を脱気混合し、粘稠な液
状の歯牙塗布剤とする。
【0047】実施例6(洗口剤) 以下に組成を示す洗口剤を下記製造方法により調製し
た。
【0048】
【表8】 (組成) (重量%) フッ化ナトリウム 0.2 グルコース−1−リン酸カルシウム−4水塩 0.9 グルコース−1−リン酸ナトリウム−4水塩 10.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0 エタノール 3.0 70%ソルビット液 3.0 香料 適量 水 残量
【0049】(製造方法)予めフッ化ナトリウムとグル
コース−1−リン酸カルシウムを水に混合してフッ化物
コロイドを生成させ、グルコース−1−リン酸ナトリウ
ムを添加する。その後、他成分を混合し洗口剤とする。
【0050】実施例7(洗口剤) 以下に組成を示す洗口剤を下記製造方法により調製し
た。
【0051】
【表9】 (組成) (重量%) フッ化ナトリウム 0.2 グルコース−1−リン酸カルシウム−4水塩 0.9 ポリリン酸ナトリウム (食品添加物,和光純薬工業(株)製) 0.1 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0 ラウリル硫酸ナトリウム 0.5 グリセリン 5.0 エタノール 3.0 香料 適量 水 残量
【0052】(製造方法)予めフッ化ナトリウムとグル
コース−1−リン酸カルシウムを水に混合してフッ化物
コロイドを生成させ、ポリリン酸ナトリウムを添加す
る。その後、他成分を混合し洗口剤とする。
【0053】上記実施例1〜7で得られた口腔用組成物
はすべて、歯牙へのフッ素供給を長時間にわたり安定し
て行い、優れたう蝕予防作用をもたらすものであった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(A)、(B)並びに(C); (A)界面活性剤、研磨剤、粘結剤及び低級アルコール
    から選ばれる一種又は二種以上の口腔用成分、 (B)下記(a)、(b)及び(c); (a)水溶性フッ化水素酸塩、(b)水溶性カルシウム
    塩、(c)(a)と(b)との反応物のコロイド化を促
    進する物質、により生成してなるフッ化物コロイド、 (C)ポリリン酸、糖リン酸エステル、リン酸化アミノ
    酸、ホスホペプチド、蛋白質及びそれらの塩から選ばれ
    る一種又は二種以上のリン酸化合物、を含有することを
    特徴とする口腔用組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002521415A (ja) * 1998-07-29 2002-07-16 パシフィック バイオリンク ピーティーワイ.リミテッド バイオ活性成分の搬送のためのカゼイン組成体
JP2009137863A (ja) * 2007-12-05 2009-06-25 Lion Corp 口腔用組成物及び口腔用組成物の製造方法
WO2018168997A1 (ja) * 2017-03-16 2018-09-20 江崎グリコ株式会社 歯牙の再石灰化を促進できる口腔用組成物
WO2022264811A1 (ja) * 2021-06-14 2022-12-22 ライオン株式会社 歯磨剤組成物

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