JPH0629396B2 - ポリエステル系接着剤 - Google Patents

ポリエステル系接着剤

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JPH0629396B2 JP7518586A JP7518586A JPH0629396B2 JP H0629396 B2 JPH0629396 B2 JP H0629396B2 JP 7518586 A JP7518586 A JP 7518586A JP 7518586 A JP7518586 A JP 7518586A JP H0629396 B2 JPH0629396 B2 JP H0629396B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は共重合ポリエステルからなる接着剤に関するも
のである。すなわち,本発明は,金属やプラスチツクに
対する密着性にすぐれ,しかも耐熱性,耐水性にすぐれ
たポリエステル系接着剤に関するものである。
(従来の技術)(発明が解決しようとする問題点) 共重合ポリエステルからなるポリエステル系接着剤は,
金属やポリエステル,ポリ塩化ビニル等のプラスチツク
類に対して優れた接着性を有し,かつ電気絶縁性,耐薬
品性等に良好な性能を有しているため,缶塗料,FPC
などの電気部品関連用の接着剤,ポリ塩化ビニル用の接
着剤など各方面に広く使用されている。
しかるに,近年,益々高度な部位へ適応されることが増
え,そのためポリエステル系接着剤には,被着体への密
着性の向上や耐熱性,耐水性などのより高い耐久性能の
要求が強くなってきている。このような分野に適したポ
リエステル系接着剤を選定するための試験法としては,
耐沸水試験がある。この試験は,接着物を沸水中で数時
間処理するという非常に過酷な試験である。
上記の分野に適したポリエステル系接着剤にとっては,
被着体との強固な密着性ばかりでなく,接着剤と被着体
間の水の進入をおさえる性質を有し,しかも,接着剤自
身が耐熱,耐水性であることが要求される。従来のポリ
エステル系接着剤では,この耐沸水試験において容易に
剥離してしまうため,上記の様な性能の要求される分野
には適用できないものであった。
この対応策として,一般には,ポリエステル系接着剤に
硬化剤を配合し,ポリエステル分子間に架橋を生起させ
て,密着性や耐熱性,耐水性を向上させる方法がとられ
ている。例えば,ポリエステル分子中のカルボキシル基
や水酸基とエポキシ基やイソシアネート基を有する化合
物との反応などが提案されている。しかし,架橋剤を配
合した場合においても,それらの性能の向上には限度が
あり,ポリエステル系接着剤の耐熱性や耐水性,特に耐
沸水性は,十分なものではなかった。
これらの性質は,共重合ポリエステルの構造とガラス転
移点に影響されるようであり,特にガラス転移点が低い
場合には耐沸水性が劣る傾向がある。この理由として
は,硬化剤による架橋が生起しているとはいえ,分子の
運動が完全に抑制されず,沸水中での分子運動により水
分子がポリエステル系接着剤の界面やポリエステル系接
着剤中に浸入しやすくなるためと考えられる。
一方,ガラス転移点の高いポリマーを用いて耐沸水性を
改良する方法が考えられる。ガラス転移点の高いポリマ
ーとしては,例えばポリアリレートなどがあげられる。
我々はすでにポリアリレートを共重合したガラス転移点
の高い,耐熱性の優れたポリエステル系接着剤を提案し
た。しかしながらこのポリエステル系接着剤は,有機溶
剤に対する溶解性が必ずしも満足できるものではないた
め,特に溶液を長期間保存する場合には若干の問題があ
った。従って,有機溶剤に可溶で,しかも溶液安定性に
優れた共重合ポリエステルからなるポリエステル系接着
剤の開発が望まれていたのである。
本発明の目的は,このようなポリエステル系接着剤を提
供することにある。
すなわち,本発明の第1の目的は,耐熱性,耐水性,耐
沸水性にすぐれたポリエステル系接着剤を提供すること
にある。
本発明の第2の目的は,汎用の有機溶剤に可溶であるば
かりでなく,溶液の保存安定性にすぐれているため,ウ
エツトラミネーシヨンやドライラミネーシヨン等の方法
で使用するのに適した耐熱性,耐水性,耐沸水性を有す
るポリエステル系接着剤を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは,上記のごとき優れた性能を有する接着剤
を提供することを目的として,鋭意検討した結果,特定
のグリコールを共重合成分として使用し,かつ,特定値
以上のガラス転移点を有する共重合ポリエステルが,密
着性,耐熱性および耐水性に優れかつ適度な可撓性を有
するため,目的とするポリエステル系接着剤として優れ
ていることを見出し本発明に到達したものである。
すなわち,本発明は,酸成分の少なくとも60モル%が
芳香族ジカルボン酸であり,かつこの芳香族ジカルボン
酸のうち20〜95モル%がテレフタル酸であり,グリ
コール成分の5〜50モル%が下記一般式〔I〕で表わ
されるスピロ環より構成されるジオールであり,ガラス
転移点が少なくとも55℃の共重合ポリエステルからな
るポリエステル系接着剤 (ただし,mは0〜4の整数であり,Rはエチレン基,
プロピレン基又はブチレン基を表わす。)を要旨とする
ものである。
本発明における共重合ポリエステルの構成成分である芳
香族ジカルボン酸としては,例えばテレフタル酸,イソ
フタル酸,フタル酸,ナフタレンジカルボン酸などがあ
げられ,これらの一種または二種以上を使用することが
できるが,特に,テレフタル酸またはテレフタル酸とイ
ソフタル酸の混合物が好ましく用いられる。その使用量
は,酸成分の少なくとも60モル%,好ましは75〜1
00モル%である。芳香族ジカルボン酸が60モル%未
満となると,ガラス転移点も低くなり,耐熱性,耐水性
が低下し,目的とする性能の共重合ポリエステルを得に
くくなる。
芳香族ジカルボン酸のうち20〜95モル%はテレフタ
ル酸から構成されるが,特に40〜80モル%が好まし
い。テレフタル酸の構成割合いが95モル%を越える
と,共重合ポリエステルのトルエン,メチルエチルケト
ンなどの汎用有機溶剤に対する溶解性が低下するととも
に,共重合ポリエステルはいくぶん固くて,もろくなる
傾向がある。又20モル%未満になるとガラス転移点が
低くなり耐熱性,耐水性が低下し,目的とする性能の共
重合ポリエステルを得にくくなる。
芳香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては脂肪族
ジカルボン酸,例えば,コハク酸,グルタル酸,アジピ
ン酸,アゼライン酸,セバシン酸ウンデカン二酸,ドデ
カン二酸,ブラシリン酸,ヘキサデカン二酸,アイコサ
ン二酸,ドコサン二酸,及び/又はそれらの分岐異性
体,脂環族ジカルボン酸が好ましく使用され,これらの
一種又は二種以上を使用することができる。また,酸成
分としてトリメリツト酸,ピロメリツト酸などの多価カ
ルボン酸を10モル%以下の量で使用することもでき
る。
本発明に用いられるスピロ環より構成されるジオール
は,下記一般式〔I〕 (ただし,式中mは0〜4の整数であり,Rはエチレン
基,プロピレン基又はブチレン基を表わす。) で表わされ,例えばβ,β,β′,β′−テトラメチル
−2,4,8,10−テトラオキサスピロ−(5,5)
−ウンデカン−3,9−ジエタノール(以下スピログリ
コールと略称する。),スピログリコールのエチレンオ
キサイド付加物,スピログリコールのプロピレンオキサ
イド付加物,スピログリコールのブチレンオキサイド付
加物などがあげられ,これらの一種または二種以上を使
用することができる。
式〔I〕中のmは0〜4の整数であり,mが5以上とな
ると耐熱性や耐水性が低下する。
スピロ環より構成されるジオールの使用量としては,グ
リコール成分の5〜50モル%であるが,特に10〜4
0モル%が好ましい。スピロ環より構成されるジオール
の使用量が5モル%未満では,共重合ポリエステルの耐
熱性,耐水性を向上させる効果が少なく,50モル%を
超えると,共重合ポリエステルの重合時に溶融粘度が上
がりすぎて重合しにくくなり,しかも,得られた共重合
ポリエステルが固くて,もろくなる傾向がある。
グリコール成分のスピロ環より構成されるジオール以外
のグリコールとしては,脂肪族グリコール,例えば,エ
チレングリコール,1,2プロパンジオール,1,3−
プロパインジオール,1,4−ブタンジオール,1,2
ブタンジオール,1,5−ペンタンジオール,1,6−
ヘキサンジオール,ネオペンチルグリコール,ジエチレ
ングリコール,トリエチレングリコール等の他,脂環族
グリコール,例えばシクロヘキサンジメタノール,等が
あげられ,これらの一種または二種以上を使用すること
ができる。
また,グリコール成分として,トリメチロールプロパン
などの多価オールを10モル%以下の量で使用すること
もできる。
本発明における共重合ポリエステルのガラス転移点は少
なくとも55℃であるが,特に70℃以上が好ましい。
ガラス転移点が55℃未満では共重合ポリエステル耐熱
性,耐水性が低下する。共重合ポリエステルのガラス転
移点を上げることにより本発明のポリエステル系接着剤
の耐熱性,耐水性が向上するが,更に共重合ポリエステ
ルに硬化剤などを配合することにより,架橋を生起さ
せ,一層分子運動を抑制することにより,耐沸水性を向
上させることもできる。
本発明における共重合ポリエステルの製造方法として
は,特に限定されるものではなく,公知の通常の方法に
従って行うことができる。例えば前記芳香族ジカルボン
酸のアルキルエステル,必要により脂肪族ジカルボン酸
のアルキルエステル,スピロ環より構成されるジオー
ル,脂肪族ジオール及び/又は脂環族グリコールを同時
に,または段階的にエステル交換反応をさせたのち重合
する方法を採用することができる。また,高分子量ある
いは底分子量の共重合ポリエステルとスピロ環より構成
されるジオールとをエステル交換反応させ,場合によっ
てはそののち重合を行う方法を採用することもできる。
これらの重合あるいはエステル交換反応の際に,公知の
任意の各種触媒,安定剤,改質剤あるいは添加剤などを
使用してもよい。
本発明における共重合ポリエステルは単独で有機溶剤に
溶解してポリエステル系接着剤として用いることもでき
る。また,本発明のポリエステル系接着剤には各種難燃
剤,安定剤,ブロツキング防止剤などの添加剤,無機質
充填剤などを必要に応じて含有させることもできる。
本発明の共重合ポリエステルからなるポリエステル系接
着剤には,少なくとも2個の反応性基を有するエポキシ
化合物,イソシアネート化合物,メラミン化合物,エチ
レンイミン化合物などの硬化剤を配合することにより接
着性と耐熱性,耐水性のより一層の向上を図ることもで
きる。
(実施例) 以下,本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
なお,例中の「部」は「重量部」を意味する。
また,例中の特性値は次の方法により測定した。
(1) 軟化点(℃) JIS JAI−7に従い,環球法により測定した。
(2) ガラス転移点(℃) JIS K−7213に従い,自由ねじり振動法による
対数減衰率曲線のピーク温度で示す。
(3) 剥離接着強度(kg/25mm) JIS K−6854に従い,20℃及び80℃におけ
る剥離接着強度を剥離速度50mm/分で測定した。
(4) 耐沸水性 被着物を沸騰水中に浸漬し2時間処理する。その後の剥
離接着強度の保持率(%)で評価する。
実施例1 テレフタル酸ジメチル50モル,イソフタル酸ジメチル
50モル,及びエチレングリコール65モル,ネオペン
チルグリコール35モル,β,β,β′,β′−テトラ
メチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ−
(5,5)−ウンデカン−3,9−ジエタノール(以下
スピログリコールと略称する。)40モル及び,触媒と
してテトラ−n−ブチルチタネート0.02モルをステンレ
ス製反応器に採り,窒素気流下150 〜200 ℃でメタノー
ルを留去し,エステル交換反応を行った。次いで,テト
ラ−n−ブチルチタネート0.04モルを添加し,減圧下 2
45℃で3時間重縮合を行い,共重合ポリエステルを製造
した。この共重合ポリエステルの組成は,分析により,
酸成分がテレフタル酸残基51モル%,イソフタル酸残
基49モル%,グリコール成分がエチレングリコール残
基32モル%,ネオペンチルグリコール残基30モル
%,スピログリコール残基38モル%であり,フエノー
ル/テトラクロルエタン1/1(重量比)混合溶媒中,
20℃で測定した極限粘度が0.55,ガラス転移点が101
℃,軟化点が 193℃であった。この共重合ポリエステル
は,トルエン/メチルエチルケトン8/2(重量比)の
混合有機溶剤に40%(重量)の濃度においても可溶で
あり,しかも3カ月の長期保存後においても粘度変化も
なく安定であった。この共重合ポリエステル100部に
対し,コロネートL(日本ポリウレタン社製,イソシア
ネート系硬化剤)7部をトルエン/メチルエチルケトン
8/2の混合溶剤に20%(重量)濃度に溶解し,接着
剤溶液を作成した。この接着剤溶液を使用し,0.5 mmの
厚さの鋼板と0.2 mmの厚さの軟質塩化ビニールシートを
接着し,20℃及び80℃における剥離接着強度を測定
した。また,この接着物の耐沸化性を,沸騰水中で2時
間処理した後の剥離接着強度の保持率(%)で評価し
た。これらの特性値を第1表に示す。
実施例2〜4,比較例1,2 実施例1と同様に,第1表に示すような種々の組成の共
重合ポリエステルを製造し,ガラス転移点,軟化点を測
定した。
また,この共重合ポリエステルを用いて実施例1と同様
に作成した接着剤溶液を作成し,これを用いて鋼板と軟
質塩化ビニルシートとを接着し,それらの接着物の20
℃および80℃における剥離接着強度及び耐沸水性を測
定した。これらの結果を第1表に示す。
第1表の実施例1〜5の共重合ポリエステルは,ガラス
転移点及び軟化点が高いばかりでなく,この共重合ポリ
エステルを用いて接着した鋼板/軟質塩ビシート接着物
の20℃及び80℃における剥離接着強度も共に高いも
のである。従ってこれらの共重合ポリエステルは,耐熱
性に優れた接着剤であることが判る。また耐沸水性や溶
剤溶解性も良好であった。一方,比較例1に示したごと
く,スピログリコールを共重合しないポリエステルで
は,ガラス転移点,軟化点が若干低下するばかりでな
く,このポリエステルを用いた接着物の剥離接着剤強
度,特に80℃における剥離接着強度の低下が大きい。
またこのポリエステルを用いた場合には,耐沸水性は極
端に悪いものであった。このため処理後の接着物は,ほ
とんど接着していない状態であった。
又,スピログリコールを58モル%共重合すると(比較
例2),重合度が上がらず,重合不能となった。
実施例5 テレフタル酸ジメチル50モル,イソフタル酸ジメチル
30モル,アジピン酸20モル,1,4−ブタンジオー
ル30モル,ネオペンテルグリコール110モル及び触
媒として酢酸亜鉛0.01モルをステンレス製反応器に採
り,窒素気流下 150〜250 ℃でエステル交換反応を行っ
た。次いで三酸化アンチモン0.02モルを添加し,減圧下
270℃で3時間重縮合を行い,極限粘度0.65の共重合ポ
リエステルを製造した。
この共重合ポリエステルにスピログリコールを30モル
添加し,窒素雰囲気下 245℃で1時間エステル交換反応
を行い,その後減圧下 245℃で3時間反応を進め,極限
粘度0.53の共重合ポリエステルを製造した。この共重合
ポリエステルの組成は分析により酸成分がテレフタル酸
残基52モル%,イソフタル酸残基30モル%,アジピ
ン酸残基18モル%,グリコール成分が,1,4−ブタ
ンジオール残基14モル%,ネオペンチルグリコール残
基57モル%,スピログリコール残基29モル%であり,
ガラス転移点91℃,軟化点 168℃であった。この共重
合ポリエステルはトルエン/メチルエチルケトン8/2
(重量比)の混合有機溶剤に40重量%の濃度で可溶で
あった。しかも,この溶液を3カ月の長期保存した後に
おいても粘度は変化せず安定であった。
この共重合ポリエステル100部に対して,コロネート
L(日本ポリウレタン社製 イソシアネート系硬化剤)
6部をトルエン/メチルエチルケトン8/2の混合溶剤
に20%(重量)濃度に溶解し,接着剤溶液を作成し
た。この接着剤溶液を使用して,75μmのポリエチレ
ンテレフタレートフイルムと100μmのアルミニウム
板を接着し,20℃および80℃における剥離接着強度
を測定した。また,この接着物の耐沸水性を沸騰水中で
2時間処理した後の剥離接着強度の保持率(%)で評価
した。これらの特性値を第2表に示す。
実施例6,7,比較例3〜6 実施例5と同様に第2表に示すような種々の組成の共重
合ポリエステルを製造し,ガラス転移点,軟化点を測定
した。
また,これらの共重合ポリエステルを用いて実施例5と
同様に作成した接着剤溶液を作成し,これらを用いて,
ポリエチレンテレフタレートフイルムとアルミニウム板
とを接着し,それらの接着物の20℃および80℃におけ
る剥離接着強度および耐沸水性を測定した。これらの結
果を第2表に示す。第2表の実施例5〜7の共重合ポリ
エステルはガラス転移点及び軟化点が高いばかりでな
く,この共重合ポリエステルを用いて接着したポリエチ
レンテレフタレートフイルム/アルミニウム板接着物の
20℃及び80℃における剥離接着強度も共に高く,耐
熱性の優れた接着剤であることが判る。また,溶剤溶解
性を良好で,耐沸水性にも優れていた。
しかるに比較例に示したごとく,芳香族ジカルボン酸の
うちテレフタル酸が95モル%以上の共重合ポリエステ
ルの場合(比較例3)には,溶剤溶解性が悪く接着不可
能であった。また芳香族ジカルボン酸が60モル%以下
の共重合ポリエステルの場合(比較例4),ガラス転移
点,軟化点も低下し,この共重合ポリエステルを用いた
接着物の80℃における剥離接着強度も悪く,又耐沸水性
も極端に低いものであった。また,共重合ポリエステル
の構成成分の割合いが本特許の請求範囲に入るものであ
っても,ガラス転移点が55℃未満の場合(比較例5)
には,これを用いた接着物の剥離接着強度や,耐沸水性
は低いことが判る。又,芳香族ジカルボン酸のうちテレ
フタル酸が20モル%未満の場合(比較例6),耐熱接
着力や耐沸水性は極端に悪い結果となる。
実施例8〜10,比較例7,8 実施例5〜7及び比較例4,5で作成した共重合ポリエ
ステルをトルエン/メチルエチルケトンの8/2(重量
比)の混合有機溶剤に30%(重量)濃度に溶解し,そ
れぞれの接着剤溶液を作成した。この接着剤溶液を用い
て,75μmのポリエチレンテレフタレートフイルムと
100μmのアルミニウム板を接着し,20℃および8
0℃における剥離接着強度を測定した。またこの接着物
の耐熱水性を60の℃温水中で24時間処理した後の剥
離接着強度の保持率(%)で評価した。これらの特性値
を第3表に示す。
実施例8〜10の共重合ポリエステルは,硬化剤を使用
しない場合においても,ポリエチレンテレフタレートフ
イルム/アルミニウム板接着物の20℃及び80℃にお
ける剥離接着強度も共に高く,耐熱性の優れた接着剤で
あることが判る。またこの接着物の耐熱水性も優れてい
る。
しかるに,比較例に示したごとく,芳香族ジカルボン酸
の割合いが60モル%以下の共重合ポリエステルの場合
(比較例7)あるいは共重合ポリエステルの構成成分の
割合いとしては本特許請求の範囲に入るものであるが,
ガラス転移点が55℃未満の場合(比較例8)には,こ
れを用いた接着物の剥離接着強度や耐熱水性が低いこと
が判る。
(発明の効果) 本発明の共重合ポリエステルからなるポリエステル系接
着剤は,ガラス転移点及び軟化点が高く,しかも耐熱性
や,耐水性にも優れ,汎用有機溶剤に可溶のため,溶液
タイプとして使用が可能で,かつ軟質塩化ビニールシー
ト,ポリエステルフイルムや鋼板,アルミニウム板に代
表されるプラスチックや金属に対する密着性にも優れて
おり,耐熱性や耐水性を必要とする接着剤用途に有効で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸成分の少なくとも60モル%が芳香族ジ
    カルボン酸であり,かつこの芳香族ジカルボン酸のうち
    20〜95モル%がテレフタル酸であり,グリコール成
    分の5〜50モル%が下記一般式〔I〕で表わされるス
    ピロ環より構成されるジオールであり,ガラス転移点が
    少なくとも55℃の共重合ポリエステルからなるポリエ
    ステル系接着剤。 (ただし,mは0〜4の整数であり,Rはエチレン基,
    プロピレン基又はブチレン基を表わす。)
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