JP2517391B2 - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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JP2517391B2
JP2517391B2 JP1096369A JP9636989A JP2517391B2 JP 2517391 B2 JP2517391 B2 JP 2517391B2 JP 1096369 A JP1096369 A JP 1096369A JP 9636989 A JP9636989 A JP 9636989A JP 2517391 B2 JP2517391 B2 JP 2517391B2
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象運 田尻
正光 伊藤
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属−プラスチツクの接着、特に鋼板−ポ
リ塩化ビニル樹脂の接着に適し、低温接着性能と低温で
の加工性に優れた接着剤組成物に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
鋼板に塩ビフイルムをラミネートあるいは鋼板に塩ビ
ゾルをコーテイングしてなるいわゆる塩ビ鋼板は、美粧
性、耐久性が優れていることから、従来より家電製品、
鋼製家具製品、建材、日用小物などの各種用途に使用さ
れており、その生産量も年々増加している。
塩ビ鋼板の製造方法としては、鋼板に接着剤を塗布し
焼き付けた後、塩ビフイルムをラミネートする方法、接
着剤を塗布し焼き付けた後、更に塩ビゾルを塗布し焼き
付ける方法、あるいは接着剤を塗布し焼き付けた後、塩
ビ樹脂をシートの状態で押し出しつつ加圧融着する方法
などが知られている。しかし、いずれの方法による場合
においても、接着剤中の溶剤を除去し、かつ接着剤の性
能を十分に発揮させるためには、通常板温200℃以上で
の高温接着が必要とされてきた。現在では、この接着剤
としては、塩ビとの親和性が比較的良好なポリメチルメ
タクリレートを主成分とし、これにカルボキシル基、グ
リシジル基等の官能基を導入したアクリル系樹脂に、エ
ポキシ樹脂、フエノール樹脂などを配合し、高温で活性
化させ、架橋することによつて凝集力を強くし、接着力
を付与する溶剤型のアクリル系接着剤が多く使用されて
いる。
しかしながら、近年、生産性の向上を目的としたライ
ンスピードの高速化にともない、接着温度の低温化が強
く望まれている。また、高温(板温度200℃以上)で
は、ラミネートする際に塩ビが熱軟化し易く、エンボス
模様がくずれ製品外観を損ねることがある。このような
ことから低温接着性が良好な塩ビ鋼板用接着剤の出現が
望まれているが、従来のアクリル系の接着剤では、接着
温度を板温200℃未満の低温にすると塩ビとの親和性が
大幅に低下し、架橋反応も不十分になることから実用性
能を満たすのは非常に困難であつた。
一方、線状飽和ポリエステル樹脂をベースレジンとす
る接着剤は、仕上がりの塩ビ鋼板の加工性が良いことが
知られているが、ポツトライフが短く、耐水性などの接
着性能も不十分であり、厳しい接着性能を要求される用
途には使用できないのが現状である。
本発明の目的は、従来の塩ビ鋼板の接着剤では接着温
度として板温は200℃以上の高温が必要とされていたと
ころを、160℃程度の低い板温でも接着が可能であり、
かつ加工性、耐水性などの接着性能にも優れ、室温付近
でのポツトライフの長い接着剤組成物を提供することに
ある。
〔問題を解決するための手段〕
本発明は、ジカルボン酸成分中、芳香族ジカルボン酸
を60モル%以上、グリコール成分中、エチレングリコー
ルを40モル%以下、ネオペンチルグリコールを40〜80モ
ル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールを2〜40モル
%、次式 HO−(CH2CH2CH2CH2CH2COO)−R −(OCOCH2CH2CH2CH2CH2−OH (1) (式中Rはアルキレン基、m及びnは自然数である)で
表わされる数平均分子量が290〜50000のポリラクトン成
分を2〜30重量%含有する共重合ポリエステル(A)10
0部及びポリイソシアネート化合物(B)1〜20部を主
成分とする接着剤組成物である。
本発明の共重合ポリエステル(A)のジカルボン酸成
分中の芳香族ジカルボン酸の量は60モル%以上である。
残りの酸成分を脂肪族ジカルボン酸で補つてもよいが、
芳香族ジカルボン酸の量が60モル%未満の場合には、Tg
の低下が大きくなる。芳香族ジカルボン酸としてはテレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6
−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジ
フエニル−4,4′−ジカルボン酸、ジフエノキシエタン
ジカルボン酸等が用いられる。脂肪族ジカルボン酸とし
てはこはく酸、修酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ドデカンジカルボン酸などが用いられる。
本発明の共重合ポリエステル(A)のグリコール成分
中の各グリコールの濃度は、エチレングリコールが40モ
ル%以下、ネオペンチルグリコールが40〜80モル%、1,
4−シクロヘキサンジメタノールが2〜40モル%であ
る。式(1)で表わされる数平均分子量が290〜50000の
ポリラクトン成分は共重合ポリエステル(A)に対し2
〜30重量%である。
エチレングリコールが40モル%より多く、ネオペンチ
ルグリコールが40モル%未満の場合には共重合ポリエス
テル(A)の溶剤溶解性が低下する。1,4−シクロヘキ
サンジメタノールが2モル%未満の場合には共重合ポリ
エステル(A)の可撓性や溶剤溶解性に悪影響がある。
式(1)で表わされる数平均分子量が290〜50000のポリ
ラクトン成分が共重合ポリエステル(A)に対し2重量
%未満の場合には共重合ポリエステル(A)の低温での
可撓性と耐衝撃性が低くなり、かつ接着剤として調製し
た後のポツトライフが短くなる。また30重量%より多い
と得られるポリエステルのTgの低下が大きくなる。
共重合ポリエステル(A)は、通常は芳香族ジカルボ
ン酸60モル%以上及び脂肪族ジカルボン酸40モル%以下
のジカルボン酸成分、エチレングリコール40モル%以
下、ネオペンチルグリコール40〜80モル%、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール2〜40モル%のグリコール成分
及び式(1)で表わされる数平均分子量が290〜50000の
ポリラクトン成分をエステル化反応及び重縮合させるこ
とにより製造できる。
本発明の共重合ポリエステル(A)はエステル交換法
を用いても重縮合は可能であるが、この場合仕込みの酸
成分とグリコール成分のモル比を下げることはエステル
交換反応時の反応速度が遅くなるので好ましくない。ま
た本発明の共重合ポリエステル(A)は多成分系である
ため、エステル交換法を用いた場合仕込み時の酸成分と
グリコール成分のモル比を高くすると、重縮合終了時の
グリコール成分の成分構成比が仕込み時と大きく異なる
ことから、安定したグリコール成分構成比を持つ共重合
ポリエステル(A)が得られない。エステル化反応の酸
成分とグリコール成分のモル比は1:1.05〜1.4好ましく
は1:1.08〜1.20の範囲である。この範囲では生じるスラ
リーの粘度及び安定性が良好である。グリコール成分が
1.05未満の場合にはエステル化反応がうまく進行しない
ことがあり、また1.40より多いと仕上がりポリマーのグ
リコール成分構成比が仕込み時と大きく異なつてくるの
で好ましくない。
エステル化反応は230〜270℃の範囲で行う。式(1)
のポリラクトンは原料仕込み時に添加してもよく、また
ジカルボン酸成分とグリコール成分のエステル化反応混
合物が透明になつた時をエステル化反応終了点と判断
し、それ以降の重縮合時を含む期間に、式(1)のポリ
ラクトンを添加してもよい。
本発明の共重合ポリエステル(A)の重縮合には触媒
として、亜鉛化合物を仕上がりポリマーに対して0.02〜
0.1重量%及びアンチモン化合物、ゲルマニウム化合
物、チタン化合物より選ばれる少なくとも1種を合計0.
2重量%以下用いることが好ましい。
亜鉛化合物としては例えば酢酸亜鉛二水和物、塩基性
炭酸亜鉛、乳酸亜鉛三水和物、酸化亜鉛、塩化亜鉛、硫
酸亜鉛、サリチル酸亜鉛三水和物などが用いられる。亜
鉛化合物の添加量が0.02重量%未満の場合には、重縮合
反応の進行が非常に遅くなるか又はまつたく進行しなく
なり、0.1重量%より多い場合にはポリマーの着色が激
しくなる。また亜鉛化合物と同時に重縮合触媒として、
アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物
より選ばれる少なくとも1種の合計0.2重量%以下用い
る。アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化
合物としては例えば三酸化アンチモン、塩化アンチモ
ン、二酸化ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム、テトラメ
チルチタネート、テトラエチルチタネート、テトラブチ
ルチタネート、修酸チタニルカリウム、修酸チタン酸ア
ンモニウムなどが用いられる。これらの触媒は重縮合反
応を開始するまでの期間ならいつでも添加することがで
きる。重縮合反応温度は245〜280℃の範囲であり、245
℃未満では反応速度が非常に遅く、事実上重縮合反応を
行うことはできないし、280℃より高いとポリマーの分
解速度が速くなる。
共重合ポリエステル(A)の分子量はMwで20000以上
であれば接着性が良好であるが、Mwで65000以上では溶
液粘度が上昇し、末端水酸基の減少から接着性能が低下
する。
本発明に用いられるポリイソシアネート化合物(B)
は、2個以上のイソシアネート基を有する化合物であれ
ば、特に限定されることなく各種のものを使用すること
ができる。代表的なポリイソシアネート化合物(B)と
しては、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフ
エニルメタンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、トリス(4−フエニルイソシアネートチオホスフエ
ート)、N,N′−(4,4′−ジメチル−3,3′−ジフエニ
ルジイソシアネート)ウレジオン、4,4′,4″−トリメ
チル−3,3′,3″−トリイソシアネート−2,4,6−トリフ
エニルシアヌレート、2,6−ジイソシアネートメチルカ
プロエート等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物(B)は、共重合ポリエス
テル樹脂(A)100重量部に対して、1〜20重量部の量
で添加される。ポリイソシアネート化合物の量が1重量
部未満では接着性、耐水性が不十分となり、また20重量
部を超えるとポツトライフが短くなるため適当ではな
い。
本発明の接着剤組成物には、前記の主成分の他に、酸
化チタン、カーボンブラツク等の無機顔料、フタロシア
ニンブルー、赤色レーキ顔料等の有機顔料、ストロンチ
ウムクロメート、カルシウムクロメート、バリウムクロ
メート等のクロム化合物や塩基性クロム酸塩鉛、鉛酸カ
ルシウムなどの鉛化合物などの無機防錆顔料等を添加し
てもよい。
本発明の接着剤組成物は、溶剤に溶解させて使用する
ことができる。溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ミネラルターペン、アセトン、クロロホルム、
酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、
フエノールブチルセルソルブ、セルソルブアセテート、
メタノール、エタノールなどの芳香族、脂肪族、ケト
ン、エステル、セルソルブ、アルコール系溶剤の一種又
は二種以上の混合物を使用することができる。
〔発明の効果〕
本発明の接着剤組成物は、接着処理温度が低く、低温
での加工性に優れている。
実施例1 テレフタル酸2658g、イソフタル酸664g、エチレング
リコール418g、ネオペンチルグリコール1541g、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール317g及び酢酸亜鉛0.33gを反
応器に仕込み、窒素で3kg/cm2の圧力をかけ、内温230〜
265℃で水を留出させながら1時間エステル化反応を行
つた。エステル化反応物が透明になつているのを確認し
た後、ポリラクトン(ダイセル化学工業社製、プラクセ
ルP230)503g及び三酸化アンチモン1.32gを加え、内温
を275℃に調整し、最終的には1mmHg以下の真空度で余分
なグリコール成分を留去し、1.5時間重縮合を行つた。
得られた共重合ポリエステル樹脂(A1)の重量平均分子
量(Mw)はGPCによるポリスチレン換算値で38600であつ
た。また、その樹脂をアルカリ水溶液で分解し、高速液
体クロマトグラフ及びガスクロマトグラフによりその共
重合成分を分析したところ、テレフタル酸/イソフタル
酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコール/1.4
−シクロヘキサンジメタノールのモル比は80/20/20/70/
10であつた。またポリラクトン成分は、共重合ポリエス
テル樹脂(A1)中に10重量%含まれていた。
こうして得られた共重合ポリエステル樹脂(A1)100
重量部とヘキサメチレンジイソシアネート(コロネート
HL、日本ポリウレタン社製)3重量部をシクロヘキサノ
ン300重量部に溶解させて、接着剤溶液を調製した。こ
の接着剤を40℃に保ち、そのポツトライフを測定した。
こうして得られた接着剤を0.8mm厚の化成処理鋼板
(ボンデライト#3960、日本テストパネル社製)上に膜
厚が4μmになるように塗布した後、板温を1分間で16
0℃に加熱昇温し、次いで塩化ビニルシートを張り合わ
せ、冷却して塩ビ鋼板を得た。
この塩ビ鋼板に5mm間隔の井桁(#)カツトを入れた
後、井桁の中心部をエリクセン試験機で裏面より8mm突
き出し、初期の接着性を評価した。同様に5mm間隔の井
桁カツトを入れた後、塩ビ鋼板を沸水に2時間浸漬した
後、室温に戻して、エリクセン試験機で裏面より8mm突
き出し、耐沸水性を評価した。また、同様に5mm間隔の
井桁カツトを入れた後、塩ビ鋼板を低温(0℃×2時
間)処理し、低温のままエリクセン試験機で裏面より8m
m突き出し、低温での加工性を評価した。
これらの評価の基準は下記によつた。
実施例2〜5及び比較1〜4 共重合ポリエステル樹脂(A)のジカルボン酸成分、
グリコール成分及びポリカプロラクトン成分の量と、ポ
リイソシアネート化合物(B)の種類と量を第1表及び
第2表に示したように変化させたことを除き、実施例1
と同様にして接着剤組成物を製造した。得られた各種接
着剤組成物につき、実施例1と同様にして接着性能を評
価した結果を第2表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木戸 厚一路 愛知県名古屋市東区砂田橋4丁目1番60 号 三菱レイヨン株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−198622(JP,A) 特開 平1−254724(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジカルボン酸成分中、芳香族ジカルボン酸
    を60モル%以上、グリコール成分中、エチレングリコー
    ルを40モル%以下、ネオペンチルグリコールを40〜80モ
    ル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールを2〜40モル
    %、次式 HO−(CH2CH2CH2CH2CH2COO)−R −(OCOCH2CH2CH2CH2CH2−OH (1) (式中Rはアルキレン基、m及びnは自然数である)で
    表わされる数平均分子量が290〜50000のポリラクトン成
    分を2〜30重量%含有する共重合ポリエステル(A)10
    0部及びポリイソシアネート化合物(B)1〜20部を主
    成分とする接着剤組成物。
JP1096369A 1989-04-18 1989-04-18 接着剤組成物 Expired - Lifetime JP2517391B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2396123B1 (en) 2009-02-10 2015-06-03 The Sherwin-Williams Company Compositions for multilayer coating and resins therefore

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2396123B1 (en) 2009-02-10 2015-06-03 The Sherwin-Williams Company Compositions for multilayer coating and resins therefore

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