JPH0629379Y2 - インサイドドアハンドル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、インサイドドアハンドル装置に関する。

〔従来の技術〕

インサイドドアハンドル装置は、ドアの内板にベゼルを
固定し、スプリングの附勢力を受けたドアハンドルをベ
ゼルに枢着させ、ドアハンドルを手前側に引くことによ
りドアハンドルのアーム部に結合したロッドを動かし、
ドアを開放させる構造となっている。ドアハンドルのベ
ゼルへの枢着は、ドアハンドルを貫通するピンの両端を
ベゼルに枢支させるものと、ベゼルからドアハンドルへ
ピンを差込むものと、又、ベゼルに設けた凸部をドアハ
ンドルの溝に嵌合せたピンレスのものとがある。ピンレ
スタイプの従来例を第１図および第２図に示す。ドアの
内板に固定されるベゼル１の対向離間側壁に設けた凸部
２をドアハンドル３の両側壁に設けた溝４に嵌合させ、
ドアハンドル３をベゼル１に枢着させる。ドアハンドル
３は、該嵌合せ部を支点として矢印Ａ、Ａ′（第２図参
照）方向に回動する。ドアハンドル３のアーム部５が開
扉用連結ロッド６に結合され、ドアハンドル３の矢印Ａ
方向への回動により、ロッド６が矢印Ｂ方向に動き、ド
アの開放が成される。ドアハンドル３の矢印Ａ′方向へ
の動きは、ドアハンドル３から手を離すとコイルスプリ
ングの附勢力により自動的に成される。コイルスプリン
グ７のコイル部は、第２図から明らかなように、ベゼル
１に設けた受座８に配される。該受座８は、コイルスプ
リング７のコイル部の下方外周面（第２図でみて）を支
える弧状面と、コイルスプリング７のコイル部の左方
（第２図でみて）への動きを規制する堰９とで形成して
いる。コイルスプリング７のコイル部への受座８への配
設は、ベゼル１の凸部２をドアハンドル３の溝４に嵌合
せる時、予めコイルスプリング７の中央Ｕ字部１０をド
アハンドル３のアーム５の背に係止させ、外スプリング
の両端をベゼル１の適所に係止させることで成される。
従って、スプリング７を大きくたわませなければなら
ず、コイルスプリング７の組付けを困難にしている。さ
らに、コイルスプリング７の受座８の弧状面とコイルス
プリング７のコイル部との接触が使用中摩擦音が生じ、
好ましくない。

〔本考案が解決しようとする課題〕

この考案は、前述した組付け性および異音の問題を解消
することを意図したものである。

〔課題を解決するための手段〕

基本的には、ドアハンドル側に設けた堰にコイルスプリ
ングのコイル部を係止可能とし、ドアハンドルのアーム
部の突起にコイルスプリングの一部を係止させ且つその
端部をコイルスプリングの軸線とほぼ直交する形のベゼ
ル壁面に係止させ、さらに、コイルスプリングをベゼル
の空隙からドアハンドルの空所に挿入する技術手段を用
いる。

〔作用・効果〕

この考案では、要約すれば、従来用いていたコイルスプ
リングの受座（ベゼル側）をなくし、コイルスプリング
をドアハンドル側に配し、且つドアハンドル側の堰にコ
イルスプリングのコイル部を係止させるので、組付け
時、コイルスプリングを通すスペースをベゼル側に必要
とするが、従来経験した如き受座とコイル部の摺接によ
る摩擦音も解消される。この考案によれば、コイルスプ
リングの一部をドアハンドルのアーム部に係止させてい
るので、コイルスプリングの抜けがなく安全に使用でき
る。

〔実施例〕 この考案の実施例を第３図以下を参照して説明する。

インサイドドアハンドル装置１１は、ドア側に固定され
るベゼル１２と、該ベゼル１２にコイルスプリング１３
を介して枢支されるドアハンドル１４を有す。ベゼル１
２の対向離間側壁に設けた凸部１５を、ドアハンドル１
４の溝１６に嵌合せることで、ドアハンドル１４をベゼ
ル１２に枢支させる。ベゼル１２の空隙Ｃ′を通してコ
イルスプリング１３をドアハンドル１４側の空所に配
す。ドアハンドル１４側に堰１７を設け、該堰１７にコ
イルスプリング１３のコイル部を係止可能とさせる。

コイルスプリング１３の端部は、該コイルスプリング１
３の軸線方向とほぼ直交する形のベゼル１２の壁面、好
ましくは、該壁面に設けた溝１８に係止させる。

第３図に示すように、開扉用連結ロッド６に結合される
アーム部１９がベゼル１２の中央に位置する時は、対の
コイルスプリング１３を用い、該コイルスプリング１３
の一部をＵ字状に一体に連結し、該Ｕ字状部２０を、ド
アハンドル１４のアーム部１９の背に設けた突起２１或
いは溝に係止させる。かくして、コイルスプリング１３
のＵ字状部２０はアーム部１９から矢印Ｄ方向の力を受
け且つ他端が矢印Ｅ方向の力を受け、ドアハンドル１４
側の空所に保持される。

図示例では、第４図でみて、着力点（Ｄ）が支持点
（Ｅ）より上方に位置するが、逆の場合は、コイルスプ
リング１３のコイル部が右方に傾動するので、堰１７を
コイル部の右方に配す。

ドアハンドル１４を矢印Ａ方向に凸部１５を中心として
回動させると、アーム部１９が時計方向に回動しコイル
スプリング１３に捩り力を与える。この捩り力によりコ
イルスプリング１３のコイル部が、図示例では、第４図
でみて左方向に移動しようとするが、ドアハンドル１４
に設けた堰１７が、この移動を阻止し、コイルスプリン
グ１３を元位置に維持させる。又、コイルスプリング１
３のＵ字状部２０をアーム部１９の突起２１に係止させ
ているので、コイルスプリング１３の抜けを防止でき
る。

第３、４図に示す例は、ドアハンドル１４のアーム部１
９をベゼル１２のほぼ中央に位置させたが、第５図に示
すようにベゼル１２の一側にアーム部１９を寄せて配し
てもよい。

第５図に示す例ではコイルスプリング１３の一方側の一
部をアーム部１９の背の突起２１に係止させると共に、
その折り返し部をアーム部１９の側面の突起２２に係止
させ、ドアハンドル１４の回動時のコイルスプリング１
３の抜けを防止させる。

コイルスプリング１３の他方側の端部は、第４図の例の
ように、ベゼル１２の壁面の溝に係止させる。第５図に
示す例では、第６図に示す如く、ドアハンドル１４の回
動時、コイルスプリング１３の捩り力によりアーム部１
９の突起２１を中心とするコイルスプリング１３のコイ
ル部の軸線を回転させようとする矢印Ｆ方向の力が発生
する。この矢印Ｆ方向の力によるコイルスプリング１３
の軸線の回動を阻止するため、ドアハンドルの壁面にコ
イルスプリング１３のコイル部の支持面となる堰２３を
設ける。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例のインサイドドアハンドル装置の平面
図、第２図（ａ）はその横断面図、第２図（ｂ）はベゼ
ルの斜視図、第３図はこの考案の一例のインサイドドア
ハンドル装置の平面図、第４図はその横断面図、第５図
は別な例の裏図面、第６図はコイルスプリングの回動を
説明する図である。 図中：１２……ベゼル、１３……コイルスプリング、１
４……ドアハンドル、１７……堰、１８……溝、１９…
…アーム部、２１……突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ドアに固定されるベゼルに回動自在に保持
   されたドアハンドルと、および一部をベゼル側に且つそ
   の端部を前記ドアハンドル側に係止し、前記ドアハンド
   ルを常時閉方向に附勢するコイルスプリングとを有する
   インサイドドアハンドル装置であって、前記ドアハンド
   ルの枢着軸線方向に沿って前記ドアハンドル内に設けた
   空所にそのコイル部を収容した前記コイルスプリングの
   端部を該コイルスプリングの軸線に対しほぼ直交する前
   記ベゼルの壁面に係止させ且つその一部を前記ドアハン
   ドルの開扉用連結ロッドに結合されるアーム部の突起又
   は溝に係止させ、さらに、前記ドアハンドル側に設けた
   堰に前記コイルスプリングのコイル部を係止可能とし、
   前記コイルスプリングのコイル部が、該コイルスプリン
   グの端部が係止する前記ベゼルの壁面と該壁面と対向す
   る壁部との間の空隙を介して、前記ドアハンドルの空所
   に挿入されることを特徴とするインサイドドアハンドル
   装置。