JPH0629327Y2 - 長尺金属屋根成形板の取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は折板屋根材のような長尺金属屋根成形板を梁上
に葺設する場合に使用する取付装置に関する。

（従来の技術） 従来、折板屋根材を梁上に葺設する場合は、一般にタイ
トフレームが使用されている。

このタイトフレームは、帯状金属板の中央部に支持部を
形成し、その両端より下向きの左右一対の支脚を形成し
たものであり、折板屋根材の山形状突部の裏面に合致す
るように、このタイトフレームを梁上に固定して、支持
部に直接、あるいは支持部に連結金具を介してボルト締
めしている。

（考案が解決しようとする課題） しかし、このようにして葺いた折板屋根材は夏季に熱膨
張し、梁への取付け個所等にキシミ音を生じ、室内にそ
の不快音が伝藩することがあった。また、折板屋根材の
下面に弾熱板を付設しても、日光により加熱された屋根
材の熱がタイトフレームから梁に伝わり、そのため室温
が上昇する欠点があった。

（課題を解決するための手段） 本発明は、上記課題を解消するために、帯状金属板の中
央部に支持部を形成し、その両端より下向きの左右一対
の支脚を形成したタイトフレームにおいて、前記支持部
の上面に、断熱性を有するプラスチック製の支持板と、
その上面に重ねた保持金具とを固定し、該保持金具の左
右両側に設けた断面逆Ｕ字形の折曲げ部と支持板との間
に、左右方向に開口し、且つ前後方向に長い左右一対の
ガイド溝を形成し、このガイド溝に保持金具上に被せた
断面型のスライド金具の左右両下端の断面Ｕ字形係止
縁を、それぞれ前後に摺動自在に嵌合したものである。

（作用） 従来と同様に、折板屋根材とか虚瓦棒葺用板材のような
長尺金属屋根成形板の間隔に応じ、タイトフレームの左
右両支脚を梁上に間隔的に固定し、支持部に取付けたス
ライド金具上に左右両成形板の両端を重ね、この重合部
とスライド金具の水平部とをボルト締めして長尺の成形
板の葺設を行うのであるが、この成形板が熱膨張して長
手方向に伸長した場合、それに伴ないスライド金具がタ
イトフレームの支持部に設けたプラスチック製の支持板
上を円滑に摺動するため、締結部に無理を生ずることが
なく、従って従来のようなキシミ音や、金属同士の摺動
による不快な金属音を発生しないのである。また成形板
が日光により加熱された場合、その熱によりスライド金
具も加熱されるが、断熱性を有する支持板によりタイト
フレーム、梁等への熱の伝導は阻止されるため、室温の
上昇は防止されるのである。

（実施例） 次に本考案の実施例を第１図〜第３図に基いて説明する
と、Ａはタイトフレームであり帯状金属板の中央部に支
持部１を形成し、その左右両端を下方へ折曲げて一対の
支脚２、２を形成し、更にその下端を外方へ折曲げて梁
３への取付片４、４を形成したものである。ａは支持部
１の上面に重ねた支持板であり、断熱性、耐候性に優れ
たプラスチック板、例えばフェノール樹脂板、弗素樹脂
板等を使用する。又、この支持板ａには表面にテフロン
加工を施したものを使用することもある。５は支持板ａ
上に重ねた保持金具であり、その左右両端に逆Ｕ字形の
折曲げ部６、６を設け、該折曲げ部６、６と支持板ａと
により、互に外方に開口した前後に長いガイド溝７、７
を形成している。またこの保持金具５と支持板ａとは支
持部１にビス止めされている。Ｂは保持金具５を被うよ
うに支持板ａ上に被せた断面型のスライド金具であ
り、水平部８と、その左右両端の下向き折曲げ部９、９
とよりなり、更に下向き折曲げ部９、９の下端を内側に
Ｕ字形に折曲げて係止縁10、10を形成し、この係止縁10、
10を前記ガイド溝７、７に前後方向へ摺動自在に嵌合し
ている。11は長尺の折板屋根材であり、その左右両端に
全長に亘って立上り部12、12を有し、その上端近くには
全長に亘り凹条13、13を形成し、また上端には外側に向
って連結部14、14を形成している。15は連結部14、14を水
平部８に固定したボルトである。16は折板屋根材11と同
一長さのキャップ材であり、下向きの左右両弾部17、17
の下端に形成した係止縁18、18を前記折板屋根材11の凹
条13、13に嵌合している。19はスプリング材であり、下
端をボルト15により連結部14、14と共に水平部８に固定
し、上端をキャップ材16の下面に圧接している。

本考案の一実施例は上記のような構成であるから、折板
屋根材11の巾に応じ、タイトフレームＡを梁３上に間隔
的に固定し、支持板ａ上に摺動自在に設けられたスライ
ド金具Ｂの水平部８上に各折板屋根材11の連結部14、14
を重ね合せ、この部分に予め穿設した透孔にボルト15を
挿入すると共に、水平部８にボルト15の先端を螺合すれ
ば、各折板屋根材11は左右方向に連結され、梁３上に固
定されるのである。

また第４図及び第５図に示す別の実施例は、折板屋根材
11の両端を、この屋根材11と同一長さの吊子金具20によ
り連結し、この吊子金具20を前記実施例と同様に、スラ
イド金具Ｂの水平部８にボルト締めした場合である。
尚、符号21はポリエチレン発泡板等の断熱材である。

虚瓦棒葺用板材の実施例は、取付手段が前記実施例とほ
ぼ同一のため、その説明を省略する。

（効果） 本考案に係る長尺金属屋根成形板の取付装置は、上記の
ようにタイトフレームの支持部上に支持板を層着し、そ
の上面にスライド金具を設け、このスライド金具に長尺
金属屋根成形板をボルト締めする構成であるから、この
成形板が熱膨張してもその膨張によりスライド金具がプ
ラスチック製の支持板上を円滑に摺動するため、ボルト
締め部分に無理を生じてキシミ音を生じたり、不快な金
属音を生ずることがなく、また上記支持板は、成形板か
らの熱の伝導を阻止するため、タイトフレームや梁が加
熱されることがなく、従って室内への不快音の伝藩及び
室温の上昇を防止することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断面図、第２図は第
１図に示すＩ−Ｉ線の断面図、第３図は同上実施例の使
用状態を示す縦断面図、第４図は本考案の別の実施例を
示す縦断面図、第５図は第４図に示すII−II線の断面
図。 Ａ；タイトフレーム、１；支持部 ２；支脚、３；梁 ａ；支持板、５；保持金具 ７；ガイド溝、Ｂ；スライド金具 10；係止縁、11；折板屋根材 15；ボルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】帯状金属板の中央部に支持部を形成し、そ
   の左右両端を下方へ折曲げて一対の支脚を形成したタイ
   トフレームにおいて、前記支持部の上面に、断熱性を有
   する硬質プラスチック製の支持板と、その上面に重ねた
   保持金具とを固定し、該保持金具の左右両側に設けた断
   面逆Ｕ字形の折曲げ部と支持板との間に、左右方向に開
   口し、且つ前後方向に長い左右一対のガイド溝を形成
   し、このガイド溝に、保持金具上に被せた断面形のス
   ライド金具の左右両下端の断面Ｕ形係止縁を、それぞれ
   前後に摺動自在に嵌合したことを特徴とする長尺金属屋
   根成形板の取付装置。