JP2781951B2 - 二重屋根 - Google Patents

二重屋根

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JP2781951B2
JP2781951B2 JP18863194A JP18863194A JP2781951B2 JP 2781951 B2 JP2781951 B2 JP 2781951B2 JP 18863194 A JP18863194 A JP 18863194A JP 18863194 A JP18863194 A JP 18863194A JP 2781951 B2 JP2781951 B2 JP 2781951B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下屋根板とその下屋根
板を覆う上屋根板とを二重屋根に関する。
【0002】
【従来の技術】図9に従来の二重屋根を示してある。こ
の二重屋根は、下屋根板100と上屋根板200との二
重構造であって、それぞれの屋根板100,200には
グラスウールなどの断熱材101,201が裏張りされ
ていると共に、それらの屋根板100,200の間の空
間に断熱材300,300が2層に重ねて装填されてい
る。
【0003】下屋根板100側においては、屋根受けフ
レーム410が母屋あるいは梁などの下地材400に止
具411を用いて固着されており、この屋根受けフレー
ム410の頂部にフレーム420が固着されている。こ
のフレーム420は下拡がり状に傾斜した左右一対の係
合片部421,421を備えている。これに対し、左右
の下屋根板100,100の端部の立上り部110,1
10の上端部に折返し部120,120が形成されてお
り、これらの折返し部120,120が屋根受けフレー
ム410の左右両側から上記フレーム420に係合され
ている。そして、左右の立上り部110,110に長尺
のキャップ130が被せられ、そのキャップ130の係
合部131,131が上記立上り部110,110に具
備された段付部111,111に係合している。以上説
明した下屋根板100,100同士の結合部によってハ
ット型構造の突出部Mが形成されている。
【0004】上屋根板200は、図8に詳細に示した上
屋根板取付具Bを用いて下屋根板100の上に取付けら
れる。この上屋根板取付具Bは、合成樹脂製の支持体8
1と、金属製の一対の挾持具82と、締付具83と、金
属製のフレーム84と、フレーム84の取付具85とを
有する。この上屋根板取付具Bにおいて、支持体81
は、フランジ86,86を一体に備える基体87とその
上に位置決めして重ねられかつ取付具85によって固着
された高さ調整部材88とからなり、この支持体81の
両側にそれぞれ挾持具82,82が配備され、締付具8
3によってそれらが固定されている。フレーム84は、
上記取付具85により高さ調整部材88の上面に固定さ
れている。このフレーム84は下屋根板100側のフレ
ーム420と同じ形状を有している。89は係合片部で
ある。
【0005】この屋根取付具Bにおいては、締付具83
を緩く締め付けた仮組み状態で、一対の挾持具82,8
2における脚板部91,91が上記突出部Mに上方から
嵌合されて締付具83が強く締め付けられる。これによ
り、相対向する脚板部91,91がキャップ130を挾
み付けるので、一対の挾持具82,82が上記突出部M
に強固に挾持され、支持体81が突出部Mの上方に突設
される。
【0006】左右の上屋根板200,200の端部にも
立上り部210,210が形成されており、その立上り
部210,210の上端部に折返し部220,220が
形成されている。これらの折返し部220,220が上
屋根板取付具Bの支持体81の左右両側からフレーム8
4の係合片部89,89に係合されている。そして、立
上り部210,210がそれらに被せられたクリップ2
40で挾み付けられ、そのクリップ240の上から左右
の立上り部210,210に長尺のキャップ230が被
せられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図9で説明した従来の
二重屋根において、上屋根板200は、下屋根板100
側の突出部Mを挾圧することにより取付けた上屋根板取
付具Bの頂部に取付けられている。そして、上記突出部
Mにおいては、一対の挾持具82,82の脚板部91,
91がキャップ130を挾み付けた構造になっている。
【0008】ところが、キャップ130は、水が左右の
下屋根板100,100における折返し部120,12
0の隙間から内部に浸入することを防ぐ機能を有してい
るに過ぎないので、左右の下屋根板100,100の立
上り部110,110を挾んではいるものの、キャップ
130自体にはそれらの立上り部110,110を強く
挾み付ける機能が備わっていない。このため、従来のよ
うに、一対の挾持具82,82の脚板部91,91でキ
ャップ130を挾み付けた構造を採用している従来の二
重屋根においては、上記突出部Mへの上屋根板取付具B
の取付状態が弱くなったり不安定になったりするかも知
れないというおそれがあった。そして、仮に、突出部M
への上屋根板取付具Bの取付状態が弱かったり不安定で
あったりすると、必然的に上屋根板の取付状態も弱くな
ったり不安定になったりし、風圧などで上屋根板が浮き
上がったりするおそれが生じる。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、下屋根板側に設けられる突出部(上記突出
部Mに相当する部分)への上屋根板取付具の取付状態を
強固にして安定したものとすることによって、上屋根板
の取付状態を強固で安定したものとすることを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る二重屋根
は、母屋などの下地材に固着された屋根受けフレームの
頂部に、平坦部の左右に下拡がり状に傾斜した左右一対
の係合片部が具備されかつ係合片部の下方に空間が形成
されたフレームを取付け、これらの係合片部に各別に対
応する左右一対の下屋根板の端部の立上り部の上部に、
それぞれ凹入部と、この凹入部の上方に連続して下拡が
り状に傾斜している傾斜部と、この傾斜部の上方に連続
する互いに突合う方向の折返し部とが具備されていると
共に、それらの凹入部が上記係合片部の下側の空間に嵌
入されて、それらの傾斜部が上記係合片部に重ねられ、
かつ、それらの折返し部が上記係合片部に上方から被せ
られ、さらに上記下屋根板の傾斜部の下端部が、頂板部
と該頂板部の両端部から延びて下屋根板の傾斜部に重ね
られる挾持片部と、その挾持片部の下端に内向きに折曲
された係止片部とを有しているクリップの上記、係止片
部で弾性的に挾み付けられており、さらに垂直に立ち上
げられる支持板部の下端に斜め下向きに傾斜した座板部
と、その座板部の下端に内向きに連設された係合部とを
形成している上屋根板取付具の上記係合部が上記下屋根
板の凹入部に嵌入されて座板部がクリップを介して上記
下屋根板側の傾斜部に重ねられていると共に、左右一対
の上屋根板取付具の支持板部がボルト・ナットなどの止
具で互いに近付く方向に締め付けられ、この上屋根板取
付具の上部に上屋根板が取付けられている、というもの
である。
【0011】このような二重屋根においては、上屋根板
取付具の係合部の下端からそれぞれ外方下方に傾斜した
支持突片部が形成されており、その支持突片部が下屋根
板の立上り部の上端部に上載されていることが望まし
く、また、クリップの頂板部が左右一対の上屋根板取付
具の支持板部の下端に非接触状態になっていることが望
ましい。
【0012】
【作用】本発明に係る二重屋根は、屋根受けフレームの
頂部に具備された下拡がり状の左右一対の係合片部に左
右一対の下屋根板側の立上り部が被せられ、その部分が
クリップで弾性的に挾み付けられており、そのようにク
リップで弾性的に挾み付けられた箇所に上屋根板取付具
が取付けられているので、従来のようにキャップの上か
ら上屋根板取付具を取付けた構造に比べて取付状態が強
固で安定したものになる。また、下拡がりに傾斜した上
記係合片部に下屋根板側の傾斜部が重ねられ、そこにク
リップを介して上屋根板取付具の斜め下向きに傾斜した
座板部が重ねられているので、その座板部がクリップの
開きを阻止するバックアップ機能を発揮する。このた
め、左右一対の下屋根板の立上り部に開く方向の力が加
わってもクリップが開かず、そのことが、上記の取付状
態を安定したものにすることを助ける作用を発揮する。
【0013】そして、請求項2に記載した構成を採用す
ると、上屋根板取付具の係合部の下端から外方下方に傾
斜して形成された支持突片部が下屋根板の立上り部の上
端部に上載されているので、上屋根板取付具の取付状態
がいっそう強固で安定したものになる。さらに、請求項
3に記載した構成を採用すると、上屋根板などの荷重が
上屋根板取付具の座板部やクリップを経て左右一対の下
屋根板の傾斜部を内側に押す力としてだけ作用し、クリ
ップを開かせる力としては作用しないので、それらの下
屋根板の立上り部を互いに押し合わせるようになり、そ
のことが取付状態の安定性を高めることに役立つ。
【0014】
【実施例】図1は本発明の実施例による二重屋根Aの縦
断面図、図2は図1の要部を拡大した縦断面図、図3は
上屋根板取付具1の概略斜視図、図4は断熱ブロック3
の概略斜視図、図5は下屋根側で用いられるフレーム4
20の概略斜視図である。
【0015】図1に示すように、この二重屋根Aに用い
られている下屋根板100にはグラスウールなどの断熱
材101,201が裏張りされており、また、上下の屋
根板100,200の間の空間に断熱材300,300
が必要に応じて単層で、または多層に重ねて装填され
る。
【0016】下屋根板100は母屋材や梁材などの下地
材400に山形の屋根受けフレーム410が止具(不図
示)を用いて固着されており、この屋根受けフレーム4
10の頂部である上板部412の中央に上向きの膨出板
部413が具備されている。そして、この膨出板部41
3にフレーム420がボルト・ナットでなる止具424
を介して固着されている。図5に詳細に示したように、
フレーム420は下拡がり状に傾斜した左右一対の係合
片部421,421を備えていると共に、これらの係合
片部421,421の前端部および後端部においてそれ
らの相互間に介在された立上り片部422,422を備
えており、立上り片部422,422により一対の上記
係合片421,421が閉じる方向に変形することを防
いでいる。また、このフレーム420には膨出状のリブ
423…を備えていて、これらのリブ423…によって
も係合片421,421が閉じる方向に変形することを
防いでいる。
【0017】左右の下屋根板100,100の端部の立
上り部110,110の上部には、凹入部122,12
2と、この凹入部122,122の上方に連続して下拡
がり状に傾斜している傾斜部123,123とこの傾斜
部123,123の上方に連続する互いに突き合う方向
の折返し部120,120とが具備されている。そし
て、折返し部120,120が屋根受けフレーム410
の左右両側から上記フレーム420の係合片部421,
421に上方から被せられて、その折返し部120,1
20の先端部に設けられた立上り片部121,121同
士が対接されている。また、凹入部122,122が上
記係合片部421,421の下側で係合片部421,4
21と屋根受けフレーム410の上板部412との間の
空間S(係合片部421,421の下方の空間)に嵌入
されて上記傾斜部123,123が左右一対の上記係合
片部421,421に下拡がり傾斜姿勢で重ねられてい
る。
【0018】このようにした形成された下屋根板100
側の突出部Mにばね板の曲げ加工により製作されたクリ
ップ140が被せられ、このクリップ140のばね力に
よって左右の下屋根板100,100の立上り部11
0,110同士が弾性的に挾み付けられて上記折返し部
120,120同士が互いに突き合わされている。
【0019】図2に拡大して示されているように、クリ
ップ140は一定の短い前後幅を有し、左右方向の中央
部にばね性を高めるための蛇行部141を備えると共
に、その蛇行部141から延び出た一対の頂板部14
2,142と、これらの頂板部142,142から下拡
がりに延び出た一対の挾持片部143,143と、これ
らの挾持片部143,143の下端部に内向き折返し状
に湾曲された一対の係止片部144,144とを備えた
左右対称形状のものである。そして、このクリップ14
0を上記突出部Mに被せることによって、係止片部14
4,144で下屋根板100側の上記凹入部122の下
端部122aを弾性的に挾み付けている。また、一対の
挾持片部143,143が下屋根板100側の上記傾斜
部123,123に弾接状態で重なり合ってそれらの傾
斜部123,123を互いに近付く方向に弾発付勢す
る。このようなクリップ140は、棟から軒に向かって
延びる長い上記突出部Mの複数箇所に配備される。
【0020】図3に示した上屋根板取付具1は厚手の鋼
板に曲げ加工などを施して製作されており、同図のよう
に、垂直に立ち上げられる支持板部11の下端に斜め下
向きに傾斜した座板部12が連設され、この座板部12
の下端に内向きの係合部13がそれぞれ連設され、さら
にこの係合部13に外向きの延出部14とこの延出部1
4から斜め下方に延びる支持突片部15とが連設されて
いる。また、支持板部11の上端には外向きに台板部1
6が突出されており、この台板部16と支持板部11と
に亘って開口17が開設されている。さらに、支持板部
11に角孔18が開設され、また、支持板部11と座板
部12とに亘って膨出状のリブ19が形成されいてる。
上屋根板取付具1をこのように構成しておくと、それに
厚手の鋼板が用いられていること、リブ19によって補
強されていること、などにより上屋根板取付具1が容易
に曲がったり座屈を起こしたりしなくなる。
【0021】上屋根板取付具1は対称に配備される一対
のものを一組として、図4に示した断熱ブロック3と組
み合わせて用いられる。断熱ブロック3はABS樹脂の
ような硬くて強い合成樹脂で成形されており、基体31
の上端部に左右に張り出す一対の屋根受け部32,32
を有すると共に、基体31の左右両面の上部に位置決め
用の突出部33,33を有している。また、基体31の
左右方向中央部に比較的深い幅狭の溝部34が設けられ
ており、この溝部34を含む部分にボルトなどの止具
(後述する)を差し込むための挿通孔35が貫通されて
いる。また、上記溝部34の少し下方にも同様の挿通孔
36が貫通されている。
【0022】断熱ブロック3の基体31を挾む両側に一
対の上屋根板取付具1,1が配設され、それぞれの上屋
根板取付具1,1の台板部16,16が基体31の屋根
受け部32,32の下面に重ねられる。この場合、断熱
ブロック3側の突出部33,33が上屋根板取付具1,
1の開口17に嵌合されて断熱ブロック3とその両側の
上屋根板取付具1,1が相互に位置決めされる。そし
て、上屋根板取付具1,1の角孔18,18と基体31
の挿通孔36とに挿通した角根頭付きボルト42に必要
なワッシャを嵌め込み、かつナット41をねじ込むこと
によって、基体21と一対の上屋根板取付具1,1とが
一体化される。また、断熱用ブロック3の基体31の溝
部34に、吊子5の脚部51が差し込まれ、その脚部5
1と上記挿通孔35とに通した頭付きボルト43にナッ
ト44をねじ込むことによって吊子5が断熱ブロック3
に取付けられる。ここで、角根頭付きボルト42を緩く
締め付けた状態が仮組み状態であり、この仮組み状態で
は、上屋根板取付具1,1の一対の係合部13,13の
相互間隔をそのがたつきの範囲内で自由に増減すること
が可能である。
【0023】上屋根板取付具1,1と断熱ブロック3と
を仮組みしたものはコンパクトであるので、二重屋根を
施工するときには、そのような仮組み状態で運搬したり
取り扱うことによって運搬性・取扱性が向上し、部品不
足などに伴う作業の停滞を生じる心配がなくなる。ま
た、このような上屋根板取付具1,1と断熱ブロック3
とを組み合わせたものは、金属製の吊子5と金属製の上
屋根板取付具1,1とが合成樹脂製の断熱ブロック20
によって隔てられているので、吊子5と上屋根板取付具
1,1との相互間を繋ぐ金属による伝熱経路を持たな
い。
【0024】上屋根板200は、図1に示した構造で下
屋根板100の上に取付けられる。すなわち、断熱ブロ
ック3に仮組みした上屋根板取付具1,1の座板部1
2,12を、クリップ140で締め付けられている上記
突出部Mに上方から嵌合し、上屋根板取付具1,1の係
合部13,13を上記凹入部122,122に嵌入して
それらの下端部122a,122aに係合させた後、角
根頭付きボルト42が締め付けられる。このような角根
頭付きボルト42の締め付けにより、左右一対の上屋根
板取付具1,1が互いに近付く方向に締め付けられ、ク
リップ140を介して下屋根板側の傾斜部123,12
3に重ねられた相対向する座板部12,12で下屋根板
100,100側の傾斜部123,123が強固に挾持
される。したがって、上屋根板取付具1,1が強固にし
かも安定した状態に突出部Mに取付けられて上屋根板取
付具1,1とそれらの間の断熱ブロック3とが突出部M
の上方に突設される。また、支持突片部15,15が下
屋根板100,100の立上り部110,110の上端
部に上載されているので、上屋根板取付具1,1の取付
状態がいっそう強固で安定したものになる。
【0025】このようにして上屋根板取付具1,1が突
出部Mに取付けられていると、左右の下屋根板100,
100が何らかの外力(風圧や上屋根板200の荷重な
ど)を受けて下屋根板100,100側の傾斜部12
3,123にそれらが開く方向に力が加わっても、それ
らの傾斜部123,123がクリップ140によって弾
性的に挾圧されていることと、そのクリップ140の挾
持片部143,143が上屋根板取付具1,1の座板部
12,12によりバックアップされていることとが相乗
してそれらの傾斜部123,123の開き変形が防止さ
れる。
【0026】ここで、図2で判るように、クリップ14
0の頂板部142,142と上屋根板取付具1,1の支
持板部11,11の下端11a,11aとの間に隙間を
確保してそれらを非接触状態にしておくと、上屋根板2
00などの荷重が上屋根板取付具1,1の座板部12,
12やクリップ140を経て左右一対の下屋根板10
0,100側の傾斜部123,123を内側に押す力と
してだけ作用し、クリップ140を開かせる力としては
作用しないので、そのことが取付状態の安定性を高める
ことに役立つ。
【0027】次に、左右の上屋根板200,200の端
部にも立上り部210,210が形成されており、その
立上り部210,210の上端部に延設された水平部2
50,250が断熱ブロック3の屋根受け部32,32
に重ねられる。そして、上屋根板200,200の最端
部が吊子5の頭部52にはぜ締め結合される。
【0028】以上説明した構造の二重屋根Aにおいて、
上屋根板取付具1,1は下屋根板100,100側の突
出部Mに上述したように強固にかつ安定して取付けられ
ているので、そのことが上屋根板200,200の取付
強度を高めたり、取付状態を安定させたりすることに役
立つ。そして、上屋根板200,200が強風などで煽
られたときには、上屋根板取付具1,1側の係合部1
3,13が下屋根板100,100側の凹入部122,
122の下端部122a,122aに係合して離脱防止
するので、上屋根板200,200が強風などを受けて
吹き飛ぶといった事態の起こるおそれがない。
【0029】図1〜図5で説明した実施例は、上屋根板
200,200をはぜ締め結合で施工した事例である
が、それと同じ上屋根板取付具1,1や断熱ブロック3
を用いて上屋根板200,200をキャップ施工するこ
とも可能である。図6にそのような事例を示してある。
【0030】図6の事例においては、図1〜図5で説明
した吊子5に代えて、断熱ブロック3に、対称に配備さ
れた一対の屋根受けフレーム6,6を取付けてある。こ
の屋根受けフレーム6は、断熱ブロック3の溝部34に
差し込まれてボルト43とナット44とにより固定され
た脚部61,61と、この脚部61から上方に延び出て
上端部に下拡がり状の係合片部62,62とを有してい
る。そして、左右の上屋根板200,200の立上り部
210,210の端部には、凹入部222,222と、
この凹入部222,222に連続する傾斜部223,2
23とこの傾斜部223,223に連続する折返し部2
20,220とが具備されており、折返し部220,2
20が屋根受けフレーム6の左右両側からその係合片部
62,62に上方から被せられている。また、凹入部2
22,222が上記係合片部62,62の下側の空間に
嵌入されて上記傾斜部223,223が左右一対の上記
係合片部62,62に下拡がり傾斜姿勢で重ねられてい
る。このようにした形成された上屋根板200側の突出
部Mにばね板の曲げ加工により製作されたクリップ7が
被せられ、このクリップ7のばね力によって左右の上屋
根板200,200の立上り部210,210同士が弾
性的に挾み付けられている。クリップ7の上からキャッ
プ8が被せられている。なお、上記クリップ7には下屋
根板100側の突出部Mを締め付けているクリップ14
0と同じものが用いられている。すなわち、この事例に
おいては、上屋根板200側も下屋根板100側の同じ
構造の突出部を有しており、その突出部が同じクリップ
7,140で弾性的に締め付けられている。
【0031】その他の構成、特に下屋根板100側の突
出部Mの構造やその突出部Mに取付けられた上屋根板取
付具1,1、さらには断熱ブロック3の構造などは図1
〜図3で説明した実施例とまったく同様であるので、同
一または相当する部分に同一符号を付して詳細な説明を
省略する。施工方法についても同様である。
【0032】図7は変形例による上屋根板取付具1,1
を用いた二重屋根Aを示している。この二重屋根Aに用
いられている上屋根板取付具1,1は、支持板部11,
11の下半部が内側に位置するように屈曲されて左右一
対の上屋根板取付具1,1の支持板部11,11の下半
部同士が重ね合わされている。そして、その重なり部
が、角根頭付きボルト42とナットとによって締め付け
られている。また、断熱ブロック3は左右一対の上屋根
板取付具1,1の支持板部11,11における間隔を隔
てて配備された上半部の相互間に嵌め込まれている。断
熱ブロック3と上屋根板取付具1,1とを固定している
構造は図1〜図3で説明したところと同様である。ま
た、下屋根板100側の突出部Mの構造や、その突出部
Mに上屋根板取付具1,1を取付けてある構造、上屋根
板200,200の取付構造なども、図1〜図3で説明
したところと同様である。したがって、同一または相当
する部分に同一符号を付して詳細な説明を省略する。施
工方法についても同様である。
【0033】以上説明したそれぞれの実施例ないし事例
についての二重屋根Aによれば、上屋根板200に接触
する吊子5や屋根受けフレーム6と下屋根板100に接
触する上屋根板取付具1,1とをつなぐ伝熱経路中に合
成樹脂製の断熱ブロック3が介在されているので、上屋
根板200と下屋根板100とをつなぐ金属の伝熱経路
が形成されない。したがって、上屋根板200の外側と
下屋根板100の内側との温度差によってそれらの表面
に結露が生じるおそれがなく、また、上記伝熱経路を伝
って断熱二重屋根装置Aの内外での熱移動がきわめて起
こりにくい。
【0034】
【発明の効果】本発明に係る二重屋根は、クリップで弾
性的に挾み付けた下屋根板側の突出部に上屋根板取付具
を取付けてあるので、従来のようにキャップの上から上
屋根板取付具を取付けた構造に比べて取付状態が強固で
安定したものになり、そのことが、上屋根板の取付状態
を強固で安定したものにすることに役立つので、上屋根
板が風圧で吹き上げられたりすることのない二重屋根を
提供することが可能になる。このような効果は、上屋根
板取付具の座板部がクリップの開きを阻止するバックア
ップ機能を発揮することによっていっそう顕著に発揮さ
れる。
【0035】そして、請求項2に記載した構成を採用す
ると、上屋根板取付具の取付状態がいっそう強固で安定
し、特に、請求項3に記載した構成を採用すると、クリ
ップを開く方向の力が発生しにくいので、上屋根板取付
具の取付状態がさらに強固になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による二重屋根の縦断面図であ
る。
【図2】図1の要部を拡大した縦断面図である。
【図3】上屋根板取付具の概略斜視図である。
【図4】断熱ブロックの概略斜視図である。
【図5】下屋根側で用いられるフレームの概略斜視図で
ある。
【図6】上屋根板の取付構造が図1のものと異なる事例
の二重屋根の縦断面図である。
【図7】変形例による上屋根板取付具を用いた二重屋根
の縦断面図である。
【図8】従来の二重屋根に用いられる上屋根板取付具の
概略斜視図である。
【図9】従来例の縦断面図である。
【符号の説明】
A 二重屋根 1 上屋根板取付具 1a 支持板部の下端 11 支持板部 12 座板部 13 係合部 15 支持突片部 41 ナット(止具) 42 角根頭付きボルト(止具) 100 下屋根板 110 下屋根板の立上り部 120 折返し部 122 凹入部 122a 下屋根板の傾斜部の下端部 123 傾斜部 140 クリップ 142 クリップの頂板部 143 クリップの挾持片部 144 クリップの係止片部 200 上屋根板 400 下地材 410 屋根受けフレーム 420 フレーム 421 係合片部 S 係合片部の下方の空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿島 嘉彦 大阪府大阪市中央区南本町4丁目1番1 号 株式会社淀川製鋼所内 (56)参考文献 実開 昭63−51023(JP,U) 実開 昭63−58117(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04D 3/36 E04D 3/00 E04D 3/30

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母屋などの下地材(400)に固着され
    た屋根受けフレーム(410)の頂部に、平坦部の左右
    に下拡がり状に傾斜した左右一対の係合片部(421)
    が具備されかつ係合片部(421)の下方に空間(S)
    が形成されたフレーム(420)を取付け、これらの係
    合片部(421)に各別に対応する左右一対の下屋根板
    (100)の端部の立上り部(110)の上部に、それ
    ぞれ凹入部(122)と、この凹入部(122)の上方
    に連続して下拡がり状に傾斜している傾斜部(123)
    と、この傾斜部(123)の上方に連続する互いに突合
    う方向の折返し部(120)とが具備されていると共
    に、それらの凹入部(122)が上記係合片部(42
    1)の下側の空間(S)に嵌入されて、それらの傾斜部
    (123)が上記係合片部(421)に重ねられ、か
    つ、それらの折返し部(120)が上記係合片部(42
    1)に上方から被せられ、さらに上記下屋根板(10
    0,100)の傾斜部(123)の下端部(122a)
    が、頂板部(142)と該頂板部(142)の両端部か
    ら延びて下屋根板(100)の傾斜部(123)に重ね
    られる挾持片部(143)と、その挾持片部(143)
    の下端に内向きに折曲された係止片部(144)とを有
    しているクリップ(140)の上記、係止片部(14
    4)で弾性的に挾み付けられており、さらに垂直に立ち
    上げられる支持板部(11)の下端に斜め下向きに傾斜
    した座板部(12)と、その座板部(12)の下端に内
    向きに連設された係合部(13)とを形成している上屋
    根板取付具(1)の上記係合部(13)が上記下屋根板
    (100)の凹入部(122)に嵌入されて座板部(1
    2)がクリップ(140)を介して上記下屋根板(10
    0)側の傾斜部(123)に重ねられていると共に、左
    右一対の上屋根板取付具(1)の支持板部(11)がボ
    ルト(42)・ナット(41)などの止具で互いに近付
    く方向に締め付けられ、この上屋根板取付具(1)の上
    部に上屋根板(200)が取付けられていることを特徴
    とする二重屋根。
  2. 【請求項2】 上屋根板取付具(1)の係合部(13)
    の下端からそれぞれ外方下方に傾斜した支持突片部(1
    5)が形成されており、その支持突片部(15)が下屋
    根板(100)の立上り部(110)の上端部に上載さ
    れている請求項1記載の二重屋根。
  3. 【請求項3】 クリップ(140)の頂板部(142)
    が左右一対の上屋根板取付具(1)の支持板部(11)
    の下端(11a)に非接触状態になっている請求項1お
    よび請求項2記載の二重屋根。
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