JPH06290430A - 回転ヘッド式記録再生装置 - Google Patents

回転ヘッド式記録再生装置

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JPH06290430A
JPH06290430A JP5096872A JP9687293A JPH06290430A JP H06290430 A JPH06290430 A JP H06290430A JP 5096872 A JP5096872 A JP 5096872A JP 9687293 A JP9687293 A JP 9687293A JP H06290430 A JPH06290430 A JP H06290430A
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tape
heads
head
recording
track
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JP5096872A
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English (en)
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Katsuhide Hasegawa
勝英 長谷川
Mikio Togami
幹夫 戸上
Tomoji Takai
與治 高井
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高精度な狭トラック化と多チャンネル化が可
能な回転ヘッド式記録再生装置を提供する。 【構成】 逆方向のアジマスを有しθの位相で近接して
配置された磁気ヘッド1Aと1B、および1Cと1D
を、回転ドラム2に180°の位相で、かつ回転ドラム
2の軸方向に所定の段差WH(磁気テープ4の全幅の約
1/2の段差)だけ離間して取り付ける。二つのヘッド
群(1A、1B)と(1C、1D)によるテープ4上の
トラックが互いに重ならないように、テープ4上の幅方
向を二つの領域に分割して、各領域をそれぞれヘッド群
(1A、1B)と(1C、1D)によって記録再生す
る。回転ドラム2の回転軸のフレ回りやテープ4の上下
動が生じたときでも、各領域に記録されるトラックのピ
ッチはほぼ均一に保たれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テープ状の記録媒体に
デジタル信号を記録再生する装置、特に回転ヘッドを用
いたヘリカルスキャン方式の記録再生装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置としては、いわゆる
デジタル・オーディオ・テープレコーダや、デジタルV
TRが知られている。その構成としては、磁気ヘッドを
搭載して高速で回転する回転ヘッド装置に磁気テープを
斜めに巻き付けて走行させることによって、テープ上に
斜め方向の直線状のトラックを一定のピッチで順次形成
することによって記録動作を行い、このトラックを記録
時と同様にトレースするようにテープの走行を制御する
ことによって再生動作を行うヘリカルスキャン方式が採
用されている。
【0003】図10および図11は従来のデジタルVT
Rの1例であって、図10(A)は回転ヘッド部の上面
図、図10(B)はその側面図、図10(C)はヘッド
の高さ関係を示す側面展開図、図11(A)および
(B)は非磁性面側から見た磁気テープ上のトラックの
パターン図である。
【0004】4個の磁気ヘッド1A〜1Dが、回転ドラ
ム2上の図10(A)および(B)に示す位置に取り付
けられており、固定ドラム3に内蔵された不図示のモー
タにより矢印VHの方向に高速回転させられる。磁気テ
ープ4は、一対のテープガイドポスト5Aおよび5Bを
介して、固定ドラム3の外周に設けられたリード13に
沿って約180°の角度範囲にわたって巻き付けられ、
矢印VTの方向に走行させられる。磁気ヘッド1Aと1
B、1Cと1Dは180°の位相にあり、θの位相で近
接して配置された磁気ヘッド1Aと1B、および1Cと
1Dは、逆方向のアジマスを有し、その段差ΔHは、磁
気テープ4上のトラックピッチTpが一定となるよう
に、Tpより若干小さい値(≒Tp×(1−θ/18
0))に調整されている。このような構成により図11
(A)のようなトラックパターンが形成される。なお同
図においてトラックa〜dが各々磁気ヘッド1A〜1D
に対応する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、磁気ヘッド1Aと1B、および1Cと1Dを
180°の位置に配置しているために、狭トラック化と
多チャンネル化の両立が困難であるという欠点があっ
た。
【0006】近年、記録媒体の改良やヘッドの高性能化
によって、10μm以下の狭トラックでも十分な再生信
号出力が得られるようになってきているが、これを実用
に供するには1μm以下の精度でトラックピッチを揃え
て記録でき、かつ互換再生のためには5μm以下のトラ
ックの直線性が必要である。なぜなら、記録時のトラッ
クピッチズレは、これに比例した再生出力の変化を生ず
るため±10%以下程度しか許されず、一方、互換再生
については、アジマス損失を利用したベタ書き方式の場
合、ヘッドのトラック幅TWをトラックピッチTpより
1.5倍程度と広くすることによって、トラック幅TW
の1/2倍程度の誤差が許容できるためである。もちろ
ん、これらの必要精度はトラックピッチに比例して高め
ねばならないので、5μmの狭トラックのためには、さ
らに約1/2以下の高精度が必要となってくる。
【0007】特に、記録時のトラックピッチの精度は許
容される誤差が小さい上、下記の理由により、前記従来
の構成では実現困難である。記録時のピッチ精度の誤差
要因としては、ヘッド1A〜1Dの取り付け段差の位置
ズレが最も直接的なものであるが、この他に回転ドラム
2を軸支する軸受の回転精度と外周部のフレ精度が問題
となる。
【0008】すなわち、第一に、軸受の回転軸は、玉軸
受であれば玉の直径と真円度およびレース面の真円度と
その傾きなどにより、また流体軸受であれば軸受部の真
円度などの形状誤差によって、ある程度のフレ回りを生
じることが避けられない。第二に、テープ4をリード1
3に沿って走行させるために、回転ドラム2の直径を固
定ドラム3よりも若干大きくし、かつテープ4のテンシ
ョンに幅方向の分布を与えることによって、テープ4が
リード13に押付けられるようにしているが、この押付
け力が回転ドラム2の外周のフレによって変動すること
によって、テープ4が上下に動いてしまう。第三に、1
80°の位置にあるヘッド1Aと1B、1Cと1Dがテ
ープ4を掻き上げる力が、ヘッド1A〜1Dの突出量や
窓などの形状の誤差、および回転ドラム2の外周のフレ
によるテンション変化などによって変動し、テープ4が
上下に動いてしまう。
【0009】このような回転ドラム2の回転軸のフレ回
りやテープ4の上下動によって、180°の位置にある
ヘッド1Aと1B、および1Cと1Dとでトラックのう
ねり方が異なってしまい、図11(B)に示すようにヘ
ッド1Bおよび1Dのトラックbおよびdのピッチが不
揃いになってしまうという問題があった。
【0010】この問題に対する対応策としては、第二の
従来例である図12(A)および(B)のように、すべ
てのヘッド1A〜1Dをθの位相で近接して、かつ各々
に段差ΔHをつけて配置することが考えられる。このと
きのトラックパターンは、図13のようになり、ピッチ
は均一に保たれる。しかし、4個以上のヘッドを近接し
て配置することは、配線が困難になることや歩留りの悪
化を招くなどの不都合がある。特に、HDTVや立体テ
レビなどの登場により、より高速大容量の記録再生能力
をより小型の装置で実現することが求められてきてお
り、多チャンネル化が必須であるが、チャンネル数が多
くなればなるほど困難になってしまう。
【0011】そこで本発明は、上記従来例の欠点に鑑み
なされたものであって、高精度な狭トラック化と多チャ
ンネル化が可能な回転ヘッド式記録再生装置を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による回転ヘッド式記録再生装置は、第一の
アジマスを有するヘッドm個(mは自然数)と第二のア
ジマスを有するヘッドm個を交互に近接して配したヘッ
ド群n組(nは2以上の整数)を、回転ドラムの軸方向
に所定の段差をもって取り付け、かつ、各ヘッド群によ
るテープ上のトラックが互いに重ならないように前記ヘ
ッド群を配置したものである。
【0013】
【作用】本発明によれば、近接したヘッド群を回転ドラ
ム上に軸方向に所定の距離だけ離間してn組配すること
によって、テープ上の幅方向をn個の領域に分割して、
一つの領域は一組のヘッド群のみによって記録再生す
る。すなわち、従来例で問題となった回転ドラムの回転
軸のフレ回りやテープの上下動が生じたときでも、各領
域に記録されるトラックのピッチはほぼ均一に保たれる
ので、高精度な狭トラック化と多チャンネル化が可能と
なる。
【0014】
【実施例】図1および図2は本発明の第一の実施例であ
る。図1は本発明の特徴を最もよく表す図であって、図
1(A)は回転ヘッド部の上面図、図1(B)はその側
面図、図1(C)はヘッドの高さ関係を示す側面展開図
である。図2(A)および(B)は非磁性面側から見た
磁気テープ上のトラックのパターン図である。
【0015】4個の磁気ヘッド1A〜1Dが、回転ドラ
ム2上の図1(A)および(B)に示す位置に取り付け
られており、固定ドラム3に内蔵された不図示のモータ
により矢印VHの方向に高速回転させられる。磁気テー
プ4は、一対のテープガイドポスト5Aおよび5Bを介
して、固定ドラム3の外周に設けられたリード13に沿
って約180°の角度範囲にわたって巻き付けられ、矢
印VTの方向に走行させられる。磁気ヘッド1Aと1
B、1Cと1Dは180°の位相にあり、θの位相で近
接して配置された磁気ヘッド1Aと1B、および1Cと
1Dは、逆方向のアジマスを有し、その段差ΔHは、磁
気テープ4上のトラックピッチTpが一定となるよう
に、Tpより若干小さい値(≒Tp×(1−θ/18
0))に調整されている。また、二つのヘッド群(1
A、1B)と(1C、1D)の間は、テープ4の全幅W
tの約1/2の段差WHを設けてある。
【0016】このような構成により図2(A)のような
トラックパターンが形成される。テープ4の下半分には
近接したヘッド1Aと1Bのみによって記録されるトラ
ックaとbが、上半分にはヘッド1Cと1Dのみによっ
て記録されるトラックcとdが形成されており、したが
って、前述の従来例で問題となった回転ドラム2の回転
軸のフレ回りやテープ4の上下動が生じたときでも、図
2(B)に示すように、テープ4の下半分および上半分
の各領域に記録されるトラックaとb、cとdのピッチ
はほぼ均一に保たれる。
【0017】テープ4上のトラック(a、b)と(c、
d)間の段差Whは、二つのヘッド群(1A、1B)と
(1C、1D)の段差WHにほぼ等しく、テープ4の走
行に伴う若干のズレLtの影響分異なった値となる。ま
た、本例では、上下のトラック(a、b)と(c、d)
間にわずかな隙間ができるように設定されている。
【0018】さて、次に再生時の動作を説明する。再生
時も記録時とほぼ同じ動作であるが、ヘッド1A〜1D
が正しくトラックa〜d上をトレースするようにトラッ
キング動作が必要である。また、記録した装置と異なる
もので再生を行う互換再生を支障なく行うには、トラッ
クa〜dのうねりの差を吸収できるように、ヘッド1A
〜1Dのトラック幅TWはトラックピッチTpより若干
広くしておけばよく、本例では図1(C)に示すよう
に、ヘッド1Aと1B、1Cと1Dをそれぞれ高さ方向
において半分程度オーバーラップさせることによって、
トラック幅TWをトラックピッチTpの約1.5倍の幅
としてあるが、これは従来の装置と同様である。ところ
が、本発明の装置においては、ヘッド群(1A、1B)
と(1C、1D)を段差WHだけ離して取り付けること
で、テープ4上で別の領域に記録するようにしており、
この二つの領域のトラック(a、b)と(c、d)に対
して、同時にトラッキング動作を行うことになる。した
がって、段差WHとテープ4上の距離Whの精度を充分
高いものとしておく必要があるが、その許容誤差は記録
時のトラックピッチの誤差より数倍大きいので、本発明
を適用することで狭トラック化に極めて有利となる。
【0019】その理由を以下に述べる。上記の誤差の主
な要因としては、段差WHの取付け調整誤差、前述
のトラックのうねり、環境変化の影響、が掲げられ
る。およびは従来の装置とほぼ同一条件であり、現
状の技術レベルでは3〜5μmの誤差要因となる。は
テープの材質としてPET(ポリエチレンテレフタレー
ト)やPEN(ポリエチレンナフタレート)などの高性
能プラスチックが使用されており、温湿度変化と経時変
化による影響があるためである。温度変化による影響は
テープとドラムの材料の熱膨張係数の差に依存し、湿度
変化による影響は主にテープの吸湿膨張係数に依存し、
経時変化は材料の特性と保存状態で定まる。
【0020】したがって、これらの影響を小さくするに
は、材料特性そのものの改良とともに、下記のいずれ
か、あるいはいくつかを行えばよい。 a.WHを十分小さくする。 b.WHを可変とする機構を設ける。 c.テープ上のWhの変化とヘッド段差WHの変化を同
等に近づける。
【0021】b、cについては、なんらかの機構が必要
であるが、本実施例においてはaを適用することで必要
な性能を得ている。この十分条件は、次のように求めら
れる。
【0022】想定される環境温度範囲をΔT、テープと
ドラムの材料の熱膨張係数の差をαT 、湿度範囲をΔR
H、テープの吸湿膨張係数をαRHとし、経時変化による
テープの寸法変化率をαP とすると、オフトラック量Δ
Wは、 ΔW=(ΔT×αT +ΔRH×αRH+αP )×WH で求められ、これが上下二つのトラックに対して振り分
けられることになる。
【0023】許容されるオフトラック量は、ヘッドのト
ラック幅TWとトラックピッチTpの差より若干大きな
値であり、そのうち環境変化の寄与分として許される量
ΔE=Tp/5とすると、aの十分条件は、 WH≦2×ΔE /(ΔT×αT +ΔRH×αRH+αP ) すなわち、WH≦0.4×Tp/(ΔT×αT +ΔRH
×αRH+αP ) と定義できる。
【0024】一般的な家庭用VTRの使用環境とテープ
材料・ドラム材料で試算すると、 ΔT=40℃、ΔRH=60%、αT =6×10-6、α
RH=1×10-6、αP =1×10-4 ∴WH≦Tp×1000 Tp=5μmのとき、WH≦5mmとなる。この値は、
テープ幅8mm以下であれば、10μm以下のトラック
ピッチが実現できるということであり、本発明が狭トラ
ック化に実用上非常に有効なことを示すものである。
【0025】ところで、前述のように本例では4個のヘ
ッド1A〜1Dは2個ずつ二組に分けられている。した
がって配線や歩留り上の不都合がなく、また二組のヘッ
ド群(1A、1B)と(1C、1D)は180°の位置
にあり、交互にテープ4に当接するので、同時に記録再
生動作するのは一組分のヘッドでよいため、回路系をス
イッチで切換えることで共有することができる。
【0026】ところで、本願出願人は以前に特願昭63
−16896号において、ほぼ同様のトラックパターン
を得ることのできる装置を提案している。本発明はこれ
を大幅に改良したものであって、テープ走行負荷の低さ
やリード角が小さいことによる装置の薄型化の容易さ、
テープのねじれが小さく薄手テープの適用が容易などの
特長はそのまま引き継いだ上で、さらに狭トラック化に
対応できるようにしたものである。
【0027】また、記録する情報量の異なるモード(長
時間モード等)には、テープ速度を1/2にして一回転
置きに記録を休止する方法や、上下のいずれかのヘッド
群のみで記録する方法など、従来の装置と同様の方法が
適用できることは言うまでもない。
【0028】なお、前記の実施例の巻付け角は180°
となっているが、これより小さくても良いことは言うま
でもない。また、記録再生を行う実効巻付け角が180
°より若干小さく(切換ポイントの誤差分以上)なって
いれば同様の効果がある。もちろん、180°より大き
な実効巻付け角の場合でも、回路系は共用できないが配
線や歩留り上の不都合が解消される効果はある。
【0029】また、2群のヘッドは2個1組でなく、偶
数であればよい。その場合においても従来の装置に比べ
て1組あたりのヘッド数は1/2ですむので、配線や歩
留り上の効果は大きい。
【0030】また、2群ではなく3群以上のヘッドを用
いてもよい。ただし、この場合は前記WHの代わりに、
最も遠いヘッド群間の距離を考慮しなければならない。
図3および図4はこのような装置の一例である第二の実
施例であって、図3(A)は回転ヘッド部の側面図、図
3(B)はヘッドの高さ関係を表す側面展開図、図4は
テープ上のトラックパターン図である。前記第一の実施
例と対応する箇所には、同一の符号を用いたので、説明
を省略する。
【0031】この第二の実施例においては、アジマスの
異なる2個のヘッド1Aと1B、1Cと1D、・・・、
1Mと1N、1Oと1Pを近接させて一組にしたもの
を、180°の位相に各4群ずつ計8群を図示の段差を
もって取り付けることで、テープ4を上下に8領域に分
割して使用している。本例の場合、トラックa〜pの傾
きはかなり小さくなり、テープ走行性、装置の薄型化に
有利である。またドラム1回転当たり16トラックを記
録再生できるので、より多くの情報量を扱うことが可能
であり、あるいはドラム回転数を低くすることができ
る。
【0032】本例においても狭トラック化に適すること
は同様であるが、前述のように環境変化による影響を考
慮すると、最も遠いヘッド群(1A、1B)と(1O、
1P)間の距離7×WHが十分小さい必要がある。
【0033】なお、本例のヘッド1A〜1Pには、半導
体製造プロセスを用いて製作される薄膜ヘッドが、多数
のヘッド1A〜1Pを精確なピッチで整列させられるの
で好適である。
【0034】ところで、上述したように、本発明は、多
チャンネルかつ狭トラックでの記録再生に好適な装置と
して、近接して配置した2組以上のヘッド群を段差をも
って取り付けることで、テープ上を幅方向に分割して記
録再生することを提案しているが、本発明の第一および
第二の実施例においては、上下のヘッド群のトラックが
重ならないようにするため、記録再生に使われない隙間
が生じるようにしており、この分、テープが余計に必要
となる。
【0035】必要な隙間の大きさは、テープの回転ヘッ
ドへの巻き付け角のうち、その誤差を吸収するための余
裕分で定まる。ところが、装置が小型化され回転ドラム
が小径になればなるほど、回転ドラムへの巻き付け角の
誤差が大きくなり易く、したがって、隙間も余計に必要
になる。
【0036】そこで、以下に説明する本発明の第三およ
び第四の実施例は、上記の事情を改善する目的でなされ
たものであって、ヘッドの記録電流を適切なタイミング
で断続することによって、前記の隙間を最小限に留め、
テープ上の記録密度を実質上向上させることを可能とし
たものである。さらに、そのタイミングを変化させるこ
とで、この隙間部に上下のヘッド群で交互に記録するこ
とによって、一層有効に活用することも可能としたもの
である。
【0037】図5〜図7は本発明の第三の実施例であ
る。図5(A)は回転ヘッド部の上面図、図5(B)は
その側面図、図5(C)はヘッドの高さ関係を示す側面
展開図である。図6(A)および(B)は非磁性面側か
ら見た磁気テープ上のトラックのパターン図である。図
7はヘッドの記録電流を流すタイミングとテープ巻き付
け角の関係の説明図である。
【0038】4個の磁気ヘッド1A〜1Dが、回転ドラ
ム2上の図5(A)および(B)に示す位置に取り付け
られており、固定ドラム3に内蔵された不図示のモータ
により矢印VHの方向に高速回転させられる。磁気テー
プ4は、一対のテープガイドポスト5Aおよび5Bを介
して、固定ドラム3の外周に設けられたリード13に沿
って約180°の角度範囲にわたって巻き付けられ、矢
印VTの方向に走行させられる。磁気ヘッド1Aと1
B、1Cと1Dは180°の位相にあり、θの位相で近
接して配置された磁気ヘッド1Aと1B、および1Cと
1Dは、逆方向のアジマスを有し、その段差ΔHは、磁
気テープ4上のトラックピッチTpが一定となるよう
に、Tpより若干小さい値(≒Tp×(1−θ/18
0))に調整されている。また、二つのヘッド群(1
A、1B)と(1C、1D)の間は、テープ4の全幅W
tの約1/2の段差WHを設けてある。
【0039】このような構成により図6(A)のような
トラックパターンが形成される。テープ4の下半分には
近接したヘッド1Aと1Bのみによって記録されるトラ
ックaとbが、上半分にはヘッド1Cと1Dのみによっ
て記録されるトラックcとdが形成される。図中のヘッ
ド1Aと1Cの位置は図5に示した位相と対応してお
り、ヘッド1Aがテープ4から離脱し、ヘッド1Cが当
接し始めるところである。
【0040】テープ4上のトラック(a、b)と(c、
d)間の段差Whは、二つのヘッド群(1A、1B)と
(1C、1D)の段差WHにほぼ等しく、テープ4の走
行に伴う若干のズレLtの影響分異なった値となってい
る。
【0041】ヘッド1A〜1Dに流す記録電流は、回転
ヘッド部に設けられた不図示の位相検出器の信号から生
成されるヘッドスイッチングパルス(以下HSWと称
す)により、定められた位相で流されることによって、
テープ4上の一定の高さ位置に記録される。図7はこの
タイミングを表しており、横軸は時間である。(a)は
ヘッド1Aと1Cの記録電流である。本例においては、
(b)に示すHSWから(c)に示すヘッド1Aのゲー
トパルス(RGA)と(d)に示すヘッド1Cのゲート
パルス(RGC)を生成し、これらにより、各ヘッド1
Aと1Cの記録アンプのon/offをコントロールし
ている。ヘッド1Bと1Dに対しても、同様のゲートパ
ルスRGBとRGDによりon/offする。このよう
に各ヘッド1A〜1Dの当接期間のうち前後の一部の記
録電流を流さないようにすることによって、図6(A)
のトラックパターン図に示した実線部分の記録を行っ
て、図中破線で示す部分は記録しないようにしている。
【0042】上下のトラック(a、b)と(c、d)の
段差Wh(≒WH)を適当な値に設定することによっ
て、実質的な記録トラックである実線部に、無効部であ
る破線部が重なるようにすることができる。このように
して得られるトラックパターンは、図6(B)のように
なり、テープ4の中央部の幅WZの部分を上下のヘッド
群(1A、1B)と(1C、1D)で共用でき、テープ
4上の無駄を最小にできる。なお上下のテープエッジに
近い方の破線部は、もともとエッジに近い部分にはヘッ
ドタッチの不安定さやテープダメージの影響を受け難く
するため、ある程度の幅の無記録部を設ける必要がある
ので、無駄にはならない。
【0043】さて、次に再生時の動作を説明する。再生
時も記録時とほぼ同じ動作であるが、ヘッド1A〜1D
が正しくトラックa〜d上をトレースするようにトラッ
キング動作が必要である。また、記録した装置と異なる
もので再生を行う互換再生を支障なく行うには、トラッ
クa〜dのうねりの差を吸収できるように、ヘッド1A
〜1Dのトラック幅TWはトラックピッチTpより若干
広くしておけばよく、本例では図5(C)に示すよう
に、ヘッド1Aと1B、1Cと1Dをそれぞれ高さ方向
において半分程度オーバーラップさせることによって、
トラック幅TWをトラックピッチTpの約1.5倍の幅
としてあるが、これは従来の装置と同様である。ところ
が、本発明の装置においては、ヘッド群(1A、1B)
と(1C、1D)を段差WHだけ離して取り付けること
で、テープ4上で別の領域に記録するようにしており、
この二つの領域のトラック(a、b)と(c、d)に対
して、同時にトラッキング動作を行うことになる。した
がって、段差WHとテープ4上の距離Whの精度を充分
高いものとしておく必要があるが、その許容誤差は記録
時のトラックピッチの誤差より数倍大きいので、本発明
を適用することで狭トラック化に極めて有利となる。
【0044】再生時には記録時のようなゲートパルスは
必ずしも必要でない。本例では、図7(b)のHSWに
よってヘッド1Aと1Cの再生出力を合成して、図7
(e)のように1系統にまとめ、以降の回路の数を減ら
している。ここで、図示のように切換位置近傍で上のト
ラックのヘッドが下のトラックから、あるいはその逆の
形で若干の出力(破線部)が得られる。この部分は本来
不要であり、場合によっては再生信号処理系に有害な外
乱となる可能性がある。ここでは有害でないため、HS
Wで切り換えるとしたが、影響がある場合は、この部分
をマスクすれば良い。マスクするタイミングは記録ゲー
トパルスとほぼ同時で良いが、互換再生のために適切な
余裕をもたせる必要がある。
【0045】この再生時の不要出力の問題は、図6
(B)のようなトラックパターンの場合はこのように解
決できるが、上下のトラックの位置関係が走行方向に1
トラック分異なる場合には解決不能となる。すなわち、
図6(B)ではトラックaのほぼ延長線上に同アジマス
のトラックcがあるため、ヘッド1Aはトラックbとd
からはアジマス損失のため小さなクロストーク出力しか
拾わず、トラックcからの出力は上述のようにマスクす
ることで解決できているが、もしトラックaのほぼ延長
線上にトラックdが来る場合は、隣接するトラックcか
らの妨害を有効記録期間中に受けることになってしま
う。したがって、本発明の実施にあたっては、切換位置
近傍のクロストーク妨害について考慮したパラメータを
選ぶ必要がある。
【0046】前述の説明では、記録時にゲートパルスを
各ヘッド1A〜1Dに独立に生成する例を示したが、本
例では、ヘッド1Aと1C、1Bと1Dは記録期間が1
80°分より短く互いに重ならないので、ゲートパルス
を共通にして、ヘッド1Aと1C、1Bと1Dに対して
同時にon/offしてもよい。その場合のゲートパル
スは図7(c)と(d)のORをとった波形となること
は言うまでもない。もちろん、前述のように各ヘッド1
A〜1Dに対して独立にゲートパルスを生成する構成に
おいては、巻付け角を180°以上としてドラムの小型
化を図ることも可能である。
【0047】なお、前記の実施例では2群のヘッドは2
個1組となっているが、偶数であれば同様に本発明を適
用できる。また、2群ではなく3群以上のヘッドを用い
てもよい。
【0048】次に、図8および図9によって第四の実施
例を説明する。図8はテープ上のトラックパターン図で
あり、図9は記録電流の切換えタイミングの説明図であ
る。前記第三の実施例と対応する箇所には、同一の符号
を用いたので、説明を省略する。
【0049】本例では回転ヘッド装置の構成は前記第三
の実施例と同様であるが、ヘッド群(1A、1B)と
(1C、1D)間の段差WHを若干小さくすることによ
って、テープセンター付近に上下のヘッド群(1A、1
B)と(1C、1D)の双方で記録再生できる領域を設
けている。図8はこの部分を拡大して示した図であっ
て、下のヘッド群1Aと1BによるトラックA2、B
2、A3の書き終りの部分にパイロット信号を記録して
いる。一方、上のヘッド群1Cと1DによるトラックC
−2、D−2、D1、C2、D2の書き始めの部分にも
パイロット信号を記録している。すなわち、上下のヘッ
ド群(1A、1B)と(1C、1D)が共にトレースす
る部分に8トラックに対して3トラックの割合でパイロ
ット信号の記録再生を行うこととなる。このように間欠
的にパイロット信号を記録するように構成することによ
り、テープセンター付近を上下のトラックで交互に使用
することができる。
【0050】このような記録パターンは、記録電流の切
換えタイミングを変化させることで容易に実現できる。
本例では上下いずれのトラックもデータ記録領域Vの前
後にパイロット領域P1、P2を設けており、記録電流
は図9(a)のようになるが、AおよびBトラックでは
(b)、CおよびDトラックでは(c)のように、P2
またはP1を記録しないようなタイミングとすることで
図8のパターンが得られる。この場合パイロット信号に
よるトラッキング誤差信号は8トラック置きにしか得ら
れず、サンプリング周期が長くはなるが、特性上の不都
合はほとんどない。特に装置の小型化とトラックの直線
性のためには、ドラムを小径にし高速回転と多ヘッド化
により、単位時間あたりのトラック数を増やす方が有利
なため、トラッキング動作のためのサンプリング周期は
むしろ短くなりすぎる程である。また本例ではP1また
はP2には毎トラック記録されており、テープセンター
側はトラックの傾きを補償するためのパイロット領域で
あり、サンプリング周期が長くとも問題ない。
【0051】もちろん、毎トラック記録するパイロット
は必須ではなく、テープセンター側のみでもよく、また
間欠的に設けられるパイロット領域はテープセンター側
に限定されず、反対側あるいは交互に変化させても良
い。要は、記録電流の切換えタイミングを変化させるこ
とによって、テープセンター部を上下のトラックで交互
に使用することでテープ上を有効に利用することができ
るのである。
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、近
接して配置したヘッドを1群として、2群以上を回転ド
ラムの軸方向に所定の段差で取り付けることによって、
例えば10μm以下のトラックピッチが可能になり、高
い記録密度と記録速度が実現でき、また、より薄手のテ
ープの使用が可能になり、装置の小型化をも実現できる
効果がある。
【0053】さらに、本発明によれば、近接して配置し
たヘッドを1群として、2群以上を回転ドラムの軸方向
に所定の段差で取り付け、上下に隣り合うヘッド群が共
にトレースする部分において適切なタイミングで記録電
流を切換えることによって、テープ上に記録の行われな
い無駄領域をほとんど生じないで、上記効果を達成する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例の装置において、(A)
は回転ヘッド部の上面図、(B)はその側面図、(C)
はヘッドの段差を説明するための側面展開図である。
【図2】(A)および(B)は上記第一の実施例の装置
を用いて記録したテープのトラックパターンを示す図で
ある。
【図3】本発明の第二の実施例の装置において、(A)
は回転ヘッド部の側面図、(B)はヘッドの段差を説明
するための側面展開図である。
【図4】上記第二の実施例の装置を用いて記録したテー
プのトラックパターンを示す図である。
【図5】本発明の第三の実施例の装置において、(A)
は回転ヘッド部の上面図、(B)はその側面図、(C)
はヘッドの段差を説明するための側面展開図である。
【図6】(A)および(B)は上記第三の実施例の装置
を用いて記録したテープのトラックパターンを示す図で
ある。
【図7】上記第三の実施例の装置における記録電流の切
換えタイミングを説明するための図である。
【図8】本発明の第四の実施例の装置を用いて記録した
テープのトラックパターンを示す図である。
【図9】上記第四の実施例の装置における記録電流の切
換えタイミングを説明するための図である。
【図10】従来の装置において、(A)は回転ヘッド部
の上面図、(B)はその側面図、(C)はヘッドの段差
を説明するための側面展開図である。
【図11】(A)および(B)は上記従来の装置を用い
て記録したテープのトラックパターンを示す図である。
【図12】第二の従来例の装置において、(A)は回転
ヘッド部の上面図、(B)はヘッドの段差を説明するた
めの側面展開図である。
【図13】上記第二の従来例の装置を用いて記録したテ
ープのトラックパターンを示す図である。
【符号の説明】
1A〜1P 磁気ヘッド 2 回転ドラム 3 固定ドラム 4 磁気テープ WH 段差 a、b、c・・・ 各々ヘッド1A、1B、1C・・・
によって形成されたトラック A1、B1、C1・・・ 各々ヘッド1A、1B、1C
・・・によって形成されたトラック

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一のアジマスを有するヘッドm個(m
    は自然数)と第二のアジマスを有するヘッドm個を交互
    に近接して配したヘッド群n組(nは2以上の整数)
    を、回転ドラムの軸方向に所定の段差をもって取り付
    け、かつ、各ヘッド群によるテープ上のトラックが互い
    に重ならないように前記ヘッド群を配置したことを特徴
    とする回転ヘッド式記録再生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の回転ヘッド式記録再生装
    置において、最も離れたヘッド群間の距離がトラックピ
    ッチの1000倍以下であることを特徴とする回転ヘッ
    ド式記録再生装置。
  3. 【請求項3】 第一のアジマスを有するヘッドm個(m
    は自然数)と第二のアジマスを有するヘッドm個を交互
    に近接して配したヘッド群n組(nは2以上の整数)
    を、回転ドラムの軸方向に所定の段差をもって取り付
    け、各ヘッド群によるテープ上への記録信号を断続し
    て、テープ上のトラックが実質上重ならないようにした
    ことを特徴とする回転ヘッド式記録再生装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の回転ヘッド式記録再生装
    置において、記録信号を断続するタイミングを変化さ
    せ、テープ上の幅方向の同一領域を、上方および下方の
    ヘッド群により交互に記録することを特徴とする回転ヘ
    ッド式記録再生装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の回転ヘッド式記録再生装
    置において、前記テープ上の幅方向の同一領域には、パ
    イロット信号を記録することを特徴とする回転ヘッド式
    記録再生装置。
JP5096872A 1993-03-31 1993-03-31 回転ヘッド式記録再生装置 Pending JPH06290430A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100414835B1 (ko) * 1995-04-28 2004-04-09 소니 가부시끼 가이샤 회전식헤드장치

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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