JP2006031770A - 磁気ヘッド装置および磁気再生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 トラックピッチが狭い場合にも高転送レートで正確な再生動作を行うことが可能な低コストの磁気ヘッド装置を提供する。
【解決手段】 再生ヘッド部10のヘッドチップは、所定のトラックピッチTpで記録された8本の記録トラックから同時に磁気信号を再生するように、それぞれ4個ずつの磁気ヘッドからなる2(=m)群のマルチヘッドを薄膜技術により一体に構成したマルチ再生ヘッドである。第1群の各磁気ヘッドH11〜H14は、いずれもそのヘッド幅が磁気テープ2に形成された記録トラックのトラックピッチTpに等しい幅に構成され、磁気ヘッドH11〜H14のそれぞれで隣接するものは、記録トラックの長手方向にずらして配置されている。また、これらの2群のマルチヘッドは、再生ヘッド部10のヘッドチップ上で隣り合っており、かつ互いに下記の式で決められた距離Dだけずらして配置されている。
D=Tp×q×(m×n+1)=12Tp
【選択図】 図4

Description

本発明は、磁気テープの走行方向に対して斜め方向に形成された複数の記録トラックから、複数の再生ヘッドによって同時に磁気信号を再生する磁気ヘッド装置、およびこれを具備する磁気再生装置に関し、とくに磁気テープの記録トラックに記録された磁気信号を確実に再生するようにした磁気ヘッド装置、およびこれを具備する磁気再生装置に関する。
一般に、磁気記録ヘッドは、磁性材料から成る第1の磁気コア層(磁極)と第2の磁気コア層とこれら2つの磁気コア層に記録磁界を誘導するコイルとを有し、このコイルにより2つの磁気コア層の先端間に漏れ磁界を発生している。このような磁気記録ヘッドに対して、磁気テープなどの磁気記録媒体を2つの磁気コア層の先端に接触した状態、または近接した状態で走行させることによって、磁気テープ上に微細な永久磁化領域を連続して形成し、コイルに印加した磁気信号を記録することができる。
近年の記録技術では、記録密度の高密度化を図るために、磁気記録媒体に形成する記録トラックの幅方向の寸法を小さくする狭トラック化が求められている。狭トラック化を実現するためには、磁気ヘッドの磁気コア層(磁極)の幅寸法を小さくする必要があって、今日では薄膜形成技術とホトリソグラフィ技術を用いて、磁気記録ヘッドのコア、コイル、ギャップ、絶縁層などのすべての部分を一体に製造する技術が実用化されている。また、記憶容量の大容量化や高転送レート化を実現する記録再生方式としては、いわゆるヘリカルスキャンシステムが提案され実用化されている。
例えばビデオテープレコーダ(VTR:Video Tape Recorder)やDAT(Digital Audio Tape)レコーダ等に採用されているヘリカルスキャンシステムは、高速で回転するドラムに磁気ヘッドを備え、このドラムに対して磁気テープを摺動させて、この磁気テープに対して斜め方向に高速で記録再生を行うという記録再生方式である。
特許文献1には、ヘリカルスキャン方式における薄膜磁気記録ヘッドのマルチ化によって、トラックピッチを高密度化して記録密度の高密度化を図る技術が開示されている。この特許文献1では、非磁性基板上に絶縁層を介して、所定のギャップが形成された一対の薄膜磁極、磁気シールド層の順に積層して構成した薄膜磁気記録ヘッドに、さらに上記積層方向に磁気シールド層、所定のギャップが形成された一対の薄膜磁極の順に積層するとともに、積層した複数の一対の薄膜磁極を積層方向に対してほぼ直交する方向(幅方向)にずらして形成している。
このように、磁気テープにおける記録密度の高密度化のためには、トラック幅を狭くすることが有効であるが、記録トラックの狭幅化が図られた場合の再生方式として、いわゆるノントラッキング方式がある。特許文献2には、リニアテープシステムにおいて、狭幅に記録された記録トラックの再生を可能とする技術が開示されている。ここでは、1つの記録トラックに対して複数の再生ヘッドを対応させたマルチ再生ヘッド(以下、マルチヘッドという。)を有し、このマルチヘッドの各再生用磁気ヘッドを記録トラックの幅方向にずらして配置するとともに、マルチヘッドの全体の幅が記録トラックの幅よりも広く形成されている。これによって、マルチヘッドに対して相対的に磁気テープがトラック幅方向に揺らぎを生じても、マルチヘッドのいずれかの再生ヘッドにより記録トラックを余すことなくスキャンすることができ、よって、いわゆるノントラッキング再生方式を用いた磁気データの完全再生を可能にしている。
特開2002−216313号公報(段落番号〔0019〕〜〔0033〕、図2) 特開2003−132512号公報(段落番号〔0012〕〜〔0016〕、図4)
ところで、記録トラックの狭小化に伴い、再生ヘッドのヘッド幅についても一層小さくすることが望まれている。しかし、再生ヘッドとして近年多く用いられている磁気抵抗効果型(MR:Magneto Resistive)ヘッドでは、MR素子の両側にハード膜と呼ばれる磁性膜を形成し、MR素子に印加される磁気状態を安定させるようにしており、このハード膜にある程度の長さが必要となるために、狭小なMRヘッドを一直線上に形成することが困難であった。そこで、再生ヘッドについても、上述した特許文献1の記録ヘッドと同様に、隣接する再生ヘッドを記録トラックの長手方向にずらして形成する必要が生じている。
一方、薄膜マルチヘッドでは、そこに形成される再生ヘッドの個数を増やせば、1回のスキャンでより多くの記録トラックから信号を再生でき、再生データの高転送レート化を図ることができる。しかし、MRヘッドを用いた上記構造の薄膜マルチヘッドで再生ヘッドの個数を増やすには、薄膜マルチヘッドの膜数を大きくする必要があって、薄膜マルチヘッドを製造する薄膜プロセスにおいては、単一の薄膜マルチヘッドでその膜数を増やすにはコストが高くなるとともに、加工精度を確保して高密度に記録トラックを形成することが困難になるという問題があった。
特に、薄膜マルチヘッドを用いてノントラッキング方式により再生を行う場合、再生ヘッドの個数は再生する記録トラックの2倍以上必要となるので、再生データの高転送レート化のためにはより多くの再生ヘッドを形成する必要があり、一層製造コストが上昇することが問題であった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、トラックピッチが狭い場合にも高転送レートで正確な再生動作を行うことが可能な低コストの磁気ヘッド装置を提供することを目的とする。
また、本発明の別の目的は、トラックピッチが狭い場合にも高転送レートで正確な再生動作を行うことが可能な低コストの磁気再生装置を提供することである。
本発明では、上記問題を解決するために、磁気テープの走行方向に対して斜め方向に形成された複数の記録トラックから、複数の再生ヘッドによって同時に磁気信号を再生する磁気ヘッド装置において、所定のトラックピッチTpで記録された記録トラックから同時に前記磁気信号を再生するように、それぞれが前記記録トラックの長手方向にずらして隣接配置されたq個の再生ヘッドを具備するm群のマルチヘッドを備え、(q×m)本の記録トラックを同時に再生するように、前記マルチヘッドの隣り合う各群が、同一直線上で互いに式(1)で決められた距離Dだけずらして配置されていることを特徴とする磁気ヘッド装が提供される。
D=Tp×q×(m×n+1) ……(1)
ただし、Tp>0、qおよびmは2以上の整数、nは0以上の整数である。
このような磁気ヘッド装置では、回転ドラムに取り付けて磁気テープをスキャンする際に、1回のスキャンで信号を読み取った記録トラックに対して、次のスキャンでは磁気テープに対してTp×q×mなる距離だけずれた位置の記録トラックをスキャンすることで、すべての記録トラックの記録信号を読み取ることができる。
また、本発明では、磁気テープの走行方向に対して斜め方向に記録された複数の記録トラックから、複数の再生ヘッドによって同時に磁気信号を再生する磁気再生装置において、前記磁気テープを所定の走行速度で走行させるテープ走行手段と、所定のトラックピッチTpで記録された記録トラックから同時に前記磁気信号を再生するように、それぞれが前記記録トラックの長手方向にずらして隣接配置されたq個の再生ヘッドを具備するm群のマルチヘッドからなる磁気ヘッド部と、前記磁気ヘッド部を搭載して前記磁気テープの走行速度に対して所定の回転速度で回転する回転ドラムとを備え、(q×m)本の記録トラックを同時に再生するように、前記マルチヘッドの隣り合う各群が、同一直線上で互いに式(2)で決められた距離Dだけずらして配置され、前記磁気ヘッド部による1回のスキャンで再生された前記記録トラックに対して、次のスキャンでは前記磁気テープに対して式(3)で決められた距離Pだけずれた位置の前記記録トラックの再生を行うように、前記回転ドラムの回転速度を設定したことを特徴とする磁気再生装置が提供される。
D=Tp×q×(m×n+1) ……(2)
P=Tp×q×m ……(3)
ただし、Tp>0、qおよびmは2以上の整数、nは0以上の整数である。
このような磁気再生装置では、磁気ヘッド部の磁気テープに対する位置を記録トラックの1スキャンごとに式(3)で決められた距離Pだけずらしていくことで、すべての記録トラックの記録信号を読み取ることができる。
本発明によれば、1つのマルチヘッド内の再生ヘッド数を増加させることなく、同時に再生可能な記録トラック数を多くすることができる。従って、再生データの高転送レート化が図られながらも、特に薄膜プロセスによって形成した場合にその膜数を少なくして製造コストを低減することができ、狭小化された記録トラックの記録信号を正確に読み取ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明が適用される磁気ヘッド装置を具備する磁気記録再生装置における磁気テープの走行系の概略を示す図である。ここに図示した磁気記録再生装置は、後述するマルチヘッド(図4)の磁気ヘッド装置を用いて、ヘリカルスキャン方式で走行する磁気テープに対して、4チャネルのトラックを同時に記録し、8チャネルのマルチヘッドを用いたノントラッキング再生方式のものである。
図1において、磁気記録再生装置1は、記録媒体として磁気テープ2を用いて信号の記録、および再生を行う装置であり、例えばコンピュータ装置用のデータ記憶装置(データストリーマ)などとして用いられる。この図1に示すように、磁気記録再生装置1は、斜め方向に走行する磁気テープ2に対して信号の書き込みと読み取りを行う回転ヘッドドラム装置3と、磁気テープ2を所定の速度で走行させるキャプスタン4およびピンチローラ5と、磁気テープ2の走行を補助する複数のテープガイド(TG)6a,6b,6c,6dおよび6eとによって構成されている。また、この磁気記録再生装置1に挿入されたカセットケース7は、磁気テープ2の巻き取りリール7aおよび供給リール7bを具備している。
回転ヘッドドラム装置3は、全体として平滑な外周面を有する円筒形をなし、回転ドラムとそのシャフトを回動自在に軸支する固定ドラムとに分割されている。また、回転ヘッドドラム装置3の外周面上には、複数チャネルの同時記録、同時再生が可能なマルチヘッド構造の再生ヘッド部と記録ヘッド部とが設けられ、各磁気ヘッドが回転ドラムの回転に伴ってその外周面上を走行する磁気テープ2の傾斜する複数トラックを同時に走査するように構成されている。
この磁気記録再生装置1において、磁気テープ2の記録、および再生が行われる際は、図1中下方から上方に向かって挿入したカセットケース7が、回転ヘッドドラム装置3の近接位置にセットされる。そして、回転ヘッドドラム装置3の回転ドラムが回転するとともに、ピンチローラ5、およびTG6a〜6eなどが図中上方に移動して磁気テープ2のローディング動作が行われ、磁気テープ2が回転ヘッドドラム装置3の外周面の一部に巻き付けられる。これとともに、キャプスタン4、および巻き取りリール7aが回転することにより磁気テープ2が走行して、回転ドラム上の各磁気ヘッドが磁気テープ2の表面を走査することによって信号の書き込みと読み取りが開始される。
図2は、回転ヘッドドラム装置における記録ヘッド、再生ヘッドの配置を示す回転ドラムの平面図である。本実施形態では、回転ドラム8の外周部に一例として記録ヘッド部9と再生ヘッド部10とが1つずつ、互いに180度対向する位置に設けられている。再生ヘッド部10については、後述する図3、図4に示すような構成の8個の磁気ヘッドを1つのチップに形成した8チャネルのマルチ再生ヘッドである。
これらの磁気ヘッドを配置した回転ドラム8の外周面に、磁気テープ2をヘリカル状に巻き付けて走行させることによって、磁気テープ2と接触している間に記録ヘッド部9の各磁気ヘッドが記録トラックを形成して信号を記録し、あるいは再生ヘッド部10の各磁気ヘッドにより同時に8チャネル分の信号を再生することができる。
以下、薄膜技術を使って作成される複数の薄膜磁気ヘッドを備えた再生ヘッド部10の具体的構成についてせつめいする。
図3は、図2に示す再生ヘッド部を構成する再生用磁気ヘッドの一例を示す平面図である。ここでは、それぞれが記録トラックの記録方向にずらして隣接配置された4(=q)個の再生用磁気ヘッド(以下、単に磁気ヘッドという。)H11〜H14からなる第1群のマルチヘッドだけを示しているが、図示しない4個の磁気ヘッドH21〜H24からなる第2群のマルチヘッドも同様の構成である。ここでは、再生幅をWとする磁気ヘッド(MRヘッド)H11〜H14が4つ積層形成された再生ヘッド部10について説明する。
非磁性体の基板11上に絶縁層12を介して下層シールド磁性体13となる軟磁性膜(SAL膜)、および下層ギャップ絶縁層14を順次積層し、この下層ギャップ絶縁層14上に、MR素子15を、その長手方向が磁気テープとの対向面であるヘッド面と垂直になるように配置し、且つその一方の端面がヘッド面に露出するように形成されている。この磁気ヘッドH11の再生幅Wを決める感磁部は、MR素子15と下層シールド磁性体13(SAL膜)とがそれぞれ薄い非磁性層間に挟み込まれて構成される。なお、このMR素子15の両端には、図示しないセンス電流を提供するための前端電極、後端電極が形成されている。
その後、MR素子15には前端電極、後端電極を含んで全面に絶縁層16が積層された後、MR素子15の両脇にはその長手方向に図示しない非磁性層を介してバイアス用のハード膜17が形成され、磁気ヘッドH11が構成される。その後、全面につぎの磁気ヘッドH12の下層シールド磁性体18となる軟磁性膜を順次積層することにより、順次に磁気ヘッドH12〜H14が構成される。再生ヘッド部10の最上層には絶縁層19を介して非磁性体の基板20が配置されている。
以上のように構成される再生ヘッド部10は、磁気信号が記録された磁気テープ2から、MR素子15が磁気テープ2における記録磁界の変化に応じてその抵抗値を変化させることによって、複数の記録トラックから同時に磁気信号を読み取ることができる。
図4は、8本の記録トラックから同時に磁気信号を再生する再生ヘッド部の構成の一例を示す図である。
この図4において、再生ヘッド部10のヘッドチップは、所定のトラックピッチTpで記録された8本の記録トラックから同時に磁気信号を再生するように、それぞれ4個ずつの磁気ヘッドからなる2(=m)群のマルチヘッドを薄膜技術により一体に構成したマルチ再生ヘッドである。各磁気ヘッドH11〜H14,H21〜H24は、いずれもその再生幅(ヘッド幅)Wが磁気テープ2に形成された記録トラックのトラックピッチTpに等しい幅に構成されている。また、これらの2群のマルチヘッドは、再生ヘッド部10のヘッドチップ上で隣り合っており、かつ互いに下記の式(4)で決められた距離Dだけずらして配置されている。
D=Tp×q×(m×n+1) ……(4)
ただし、nは0以上の整数であり、本実施の形態では、式(4)においてq=4、m=2、n=1に設定され、距離Dは12Tpとなる。
また、例えば上記式(4)でnを0に選択した場合には、この再生ヘッド部10における2群のマルチヘッドの間隔Dは4Tpとなる。すなわち、8個の磁気ヘッドH11〜H14,H21〜H24がそれぞれ隙間なしに隣接して配置されることになる。
また、群の数mを4にして、それぞれ各群のマルチヘッドを構成する磁気ヘッドの数qを2とした場合も、上記式(4)と同じ間隔D=12Tpだけ離して各群のマルチヘッドを配置すればよい。
つぎに、上述した再生ヘッド部10により、複数の記録トラックが走行方向に対して斜め方向に形成された磁気テープ2から磁気信号を再生する再生動作について説明する。
図5は、磁気テープに傾斜して記録された記録トラックに対する再生ヘッド部の位置関係を示す図である。ここで、磁気テープ2には、記録トラックがテープ走行方向に対して斜め方向(図の上下方向)に形成されている。なお、図5において、再生ヘッド部10a〜10cは、それぞれ(s−1)回目、s回目、(s+1)回目のスキャン時における記録トラックに対する再生ヘッド部10の位置を示している。
いま、再生ヘッド部10の走査開始位置が、回転ドラム8の一回転毎に下記の式(5)で示す所定の距離Pだけ、図の右方向に移動するように、磁気テープ2の走行速度に対して回転ドラム8が所定の回転速度で回転するものとする。
P=Tp×q×m ……(5)
本実施の形態では、式(5)においてq=4、m=2に設定され、距離Pは8Tpとなる。
このとき、再生ヘッド部10bの位置から回転ドラム8の一回転で再生される記録トラックには、2群のマルチヘッドの間に8本分の非再生トラックが挟まれている。これら8本分の非再生トラックのうち、第1群側(図中左側)の4本分の記録トラックは、回転ドラム8の先行する一回転時において、再生ヘッド部10aの第2群の磁気ヘッドH21〜H24によって既に再生され、第2群側(図中右側)の4本分の記録トラックは、つぎに回転ドラム8が一回転するときに、再生ヘッド部10cの第1群の磁気ヘッドH11〜H14によって再生される。
こうして、8個の磁気ヘッドH11〜H14,H21〜H24を備えた再生ヘッド部10は、所定の距離P(=8Tp)だけ離れた位置に記録された8本の記録トラックをつぎつぎに再生することで、順次に磁気テープ2上に走行方向に対して斜め方向に記録された複数の記録トラックのすべてを、欠落することなしに再生できる。
なお、再生された磁気信号は、それぞれ一定の期間だけバッファ記憶してから読み出すようにすれば、磁気テープ2に記録された各記録トラックの順序で記録情報を整列することができる。
以上の実施の形態では、8個の磁気ヘッドH11〜H14、H21〜H24を同一非磁性基板上に薄膜プロセスにより形成したので、回転ドラム8自体の回転振れ精度NRRO(例えば0.1μm〜0.4μm)が誤差として加わったとしても、各磁気ヘッドが1チャネルずつ独立して配置されている場合や、マルチヘッド単位で個別に配置された場合に比べて、取り付け誤差や経時変化が生じない。
また、各マルチヘッドにおいて隣接する磁気ヘッドを磁気テープ2の長手方向にずらして配置したことで、MR素子の両側のハード膜を十分長くして磁気状態を安定化しつつ、MR素子のヘッド幅を小さくしている。しかも、各磁気ヘッドを2群に分けて薄膜マルチヘッドの膜数を少なくしたので、磁気ヘッド数を増加させながらも、MR素子の位置精度を高め、かつ製造プロセスを容易にしてその製造コストを抑制することができる。したがって、例えば1.5μm程度のトラックピッチで高密度に形成された記録トラックからの再生データの高転送レート化と低コスト化とを両立することが可能となる。
図6は、他の実施の形態に係る再生ヘッド部と記録トラックとの位置関係を示す概略図である。
図6に示す再生ヘッド部100(100a〜100c)は、上述した図3および図4に示した再生ヘッド部10と同様の構造を持ちながら、各磁気ヘッドのヘッド幅を記録トラックのトラック幅の半分にしたものである。このような再生ヘッド部100を用いて、以下のようなノントラッキング再生方式での信号再生が可能となる。なお、図6では、再生ヘッド部100が、磁気テープ2に対して例として3通りの位置で再生動作を行う場合について、再生ヘッド部100a〜100cとして示している。
いま、1つの記録トラックP1と2つの磁気ヘッドH11,H12とに注目する。磁気テープ2に対して再生ヘッド部100aで示す位置関係にあるときには、記録トラックP1から磁気ヘッドH11,H12の両方でノイズの少ない磁気信号を読み取って、再生信号が得られる。また、磁気テープ2に対して再生ヘッド部100bで示す位置関係にあるときは、磁気ヘッドH12では2つの記録トラックP1,P2の信号が混在して有効な磁気信号を読み取れないが、磁気ヘッドH11によりノイズの少ない記録トラックP1の再生信号が得られる。さらに、磁気テープ2に対して磁気ヘッド部100cで示す位置関係にあるときは、磁気ヘッドH11では有効な再生信号を読み取れないが、磁気ヘッドH12でノイズの少ない記録トラックP1の再生信号を得ることができる。
このように、磁気テープ2の記録時でのテープ走行速度が、再生時のテープ走行速度より速くなければ、4本の記録トラックP1〜P4に対して8個の磁気ヘッドH11〜H14,H21〜H24がどのような位置関係にあっても、少なくとも1つおきの磁気ヘッドは隣接する記録トラックと重ならないで、有効な磁気信号を読み取ることができる。すなわち、1つの記録トラックに対して、少なくとも奇数番目の磁気ヘッドH11,H13,H21,H23、あるいは偶数番目の磁気ヘッドH12,H14,H22,H24のいずれかによって、必ずノイズの少ない磁気信号が読み取れるから、ノイズの少ない信号を時々刻々選択していくことで、記録トラック全体についてノントラッキング再生が可能になる。
そして、ノントラッキング方式で再生動作を行う場合、再生ヘッドのヘッド幅は記録トラックの半分以下としなければならないので、上記のように各マルチヘッドにおいて隣接する再生ヘッドが記録トラックの長手方向にずらして配置した構造とすることで、MR素子周辺の磁気状態の安定を保ったまま再生ヘッドのヘッド幅を狭小にすることができ、しかも再生データの転送レートを高めることが可能となる。
なお、上述した実施形態の磁気ヘッド装置では、磁気ヘッドH11〜H14,H21〜H24の再生幅Wが磁気テープ2における記録トラックのトラックピッチTpと等しい場合、およびトラックピッチTpの半分である場合について説明したが、再生幅WをトラックピッチTpの半分以下に設定してもよい。
実施の形態に係る磁気ヘッド装置を具備する磁気記録再生装置における磁気テープの走行系の概略を示す図である。 回転ヘッドドラム装置における記録ヘッド、再生ヘッドの配置を示す回転ドラムの平面図である。 図2に示す再生ヘッド部を構成する再生用磁気ヘッドの一例を示す平面図である。 8本の記録トラックから同時に磁気信号を再生する再生ヘッド部の構成の一例を示す図である。 磁気テープに傾斜して記録された記録トラックに対する再生ヘッド部の位置関係を示す図である。 他の実施の形態に係る再生ヘッド部と記録トラックとの位置関係を示す概略図である。
符号の説明
1……磁気記録再生装置、2……磁気テープ、8……回転ドラム、10……再生ヘッド部、11,20……非磁性体の基板、12,16,19……絶縁層、13,18……下層シールド磁性体、14……下層ギャップ絶縁層、15……MR素子、17……ハード膜、H11〜H14,H21〜H24……再生用磁気ヘッド

Claims (5)

  1. 磁気テープの走行方向に対して斜め方向に形成された複数の記録トラックから、複数の再生ヘッドによって同時に磁気信号を再生する磁気ヘッド装置において、
    所定のトラックピッチTpで記録された記録トラックから同時に前記磁気信号を再生するように、それぞれが前記記録トラックの長手方向にずらして隣接配置されたq個の再生ヘッドを具備するm群のマルチヘッドを備え、
    (q×m)本の記録トラックを同時に再生するように、前記マルチヘッドの隣り合う各群が、同一直線上で互いに式(1)で決められた距離Dだけずらして配置されていることを特徴とする磁気ヘッド装置。
    D=Tp×q×(m×n+1) ……(1)
    (ただし、Tp>0、qおよびmは2以上の整数、nは0以上の整数)
  2. m群の前記マルチヘッドは、m対の磁気抵抗効果型素子を磁性ハード層を挟んで前記記録トラックの幅方向に形成した薄膜層を、磁気シールド材を介してq層分だけ同一非磁性基板上に積層して形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド装置。
  3. 前記各再生ヘッドは、そのヘッド幅が前記磁気テープにおける記録トラックのトラックピッチTpの半分以下に設定されていることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド装置。
  4. 磁気テープの走行方向に対して斜め方向に記録された複数の記録トラックから、複数の再生ヘッドによって同時に磁気信号を再生する磁気再生装置において、
    前記磁気テープを所定の走行速度で走行させるテープ走行手段と、
    所定のトラックピッチTpで記録された記録トラックから同時に前記磁気信号を再生するように、それぞれが前記記録トラックの長手方向にずらして隣接配置されたq個の再生ヘッドを具備するm群のマルチヘッドからなる磁気ヘッド部と、
    前記磁気ヘッド部を搭載して前記磁気テープの走行速度に対して所定の回転速度で回転する回転ドラムと、
    を備え、
    (q×m)本の記録トラックを同時に再生するように、前記マルチヘッドの隣り合う各群が、同一直線上で互いに式(2)で決められた距離Dだけずらして配置され、
    前記磁気ヘッド部による1回のスキャンで再生された前記記録トラックに対して、次のスキャンでは前記磁気テープに対して式(3)で決められた距離Pだけずれた位置の前記記録トラックの再生を行うように、前記回転ドラムの回転速度を設定したことを特徴とする磁気再生装置。
    D=Tp×q×(m×n+1) ……(2)
    P=Tp×q×m ……(3)
    (ただし、Tp>0、qおよびmは2以上の整数、nは0以上の整数)
  5. 前記各再生ヘッドは、そのヘッド幅が前記磁気テープにおける記録トラックのトラックピッチTpの半分以下に設定され、
    前記各マルチヘッドにおける隣接する2つ以上の前記再生ヘッドにより1つの記録トラックの再生を行うようにしたことを特徴とする請求項4記載の磁気再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008204531A (ja) * 2007-02-19 2008-09-04 Sony Corp 磁気記録再生装置
JP2015005319A (ja) * 2013-06-21 2015-01-08 株式会社東芝 磁気ヘッド、磁気記録再生装置、および磁気ヘッドの製造方法

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