JPH0628937A - 耐雷ブッシング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単で組み立ての容易な耐雷ブッシン
グを得る。 【構成】 碍管に中心導体を貫通させ同心状態にして固
定するとともに、酸化亜鉛素子を付属させ、酸化亜鉛素
子の一方の電極を中心導体に、他方の電極をアースに導
電接続して中心導体にかかる異常電圧を抑制する耐雷ブ
ッシングにおいて、酸化亜鉛素子25を中心導体22と同心
の回転体形状とし、中心導体22と導電接触する内側電極
25ａと回転体形状の外周面に外側電極25ｂとを設け、か
つ、内側電極25ａと外側電極25ｂの間の表面及びその近
傍に高抵抗層25ｃを形成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は電力機器の口出し部に
適用し、酸化亜鉛素子を付属させて当該の電力機器を異
常電圧から保護する耐雷ブッシングに関する。

【０００２】

【従来の技術】図６は例えば、特公平３−１７６５号公
報に開示された従来の耐雷ブッシングを示す部分断面図
であり、図において、１は沿面距離を大きくした耐塩害
構造の碍管、１ａは碍管１の下部の外周面に溝を設け、
その表面に被着形成したメタリコン層、21は碍管１を貫
通し同心状態にして固定した中心導体、３は碍管１の下
部に固定する支持金具、３ａは支持金具３の突部、４は
支持金具３に固定して一体にしたスプリング、５は中心
導体２の回りに取り付けた円筒形状の酸化亜鉛素子、５
ａは酸化亜鉛素子５の両端面に被着形成したメタリコン
の電極、６は中心導体２の外周面と碍管１及び酸化亜鉛
素子５の内周面との間に絶縁物を充填した充填層、７は
中心導体２と酸化亜鉛素子５とを導電接続するリード
線、10は耐雷ブッシングを取り付ける例えば、変圧器の
タンク、11はタンク10と碍管１との間に挿入したパッキ
ン、12は支持金具３の突部３ａに設けたねじ穴に螺合し
て耐雷ブッシングをタンク10に固定する止めねじであ
る。なお、図示はしていないが、円筒形状の酸化亜鉛素
子５の外周面、内周面とその近傍に高抵抗層を形成して
絶縁性をもたせ、雷電流が流れたときの制限電圧では閃
絡しないようになっている。

【０００３】従来の耐雷ブッシングは以上のように構成
され、支持金具３と一体になったスプリング４を取り外
した状態でパッキン11を取り付け、タンク10の取り付け
穴に差し込んだのち、碍管１の下部に設けた溝にスプリ
ング４を嵌め入れ、スプリング４の彈性力により支持金
具３を碍管１に固定する。次に支持金具３の突部３ａに
設けたねじ穴に止めねじ12を螺合させて締め付け、止め
ねじ12の先端でタンク10を押圧してパッキン11を圧縮し
固定する。その後、リード線７を中心導体２に接続す
る。この組み立て構成において襲雷があると雷電流は中
心導体２からリード線７、メタリコンの電極５ａ、酸化
亜鉛素子５、メタリコンの電極５ａ、メタリコン層１
ａ、スプリング４、支持金具３、突部３ａを経てアース
へ放電する。この際、酸化亜鉛素子５の両電極５ａの間
には雷電流による制限電圧を生じるが円筒形状の酸化亜
鉛素子５の外周面、内周面とその近傍には高抵抗層があ
り、また、中心導体２と酸化亜鉛素子５の内周面の間に
は充填層６があるので、閃絡することはない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の耐雷ブッシング
は以上のように構成されており、中心導体２と酸化亜鉛
素子５の内周層の間に絶縁物を充填した充填層６を形成
したり、酸化亜鉛素子５の上端の電極５ａと碍管１のメ
タリコン層１ａをろう付けし、また、酸化亜鉛素子５の
端面に被着形成したメタリコンの電極５ａにリード線７
をろう付けしなければならず、構造が複雑で組み立てが
容易でないと云う技術的課題があった。

【０００５】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、構造が簡単で組み立ての容易な耐
雷ブッシングを得ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明に係る耐雷ブッ
シングは碍管に中心導体を貫通させ同心状態にして固定
するとともに、酸化亜鉛素子を付属させ、酸化亜鉛素子
の一方の電極を中心導体に、他方の電極をアースに導電
接続して中心導体にかかる異常電圧を抑制する耐雷ブッ
シングにおいて、酸化亜鉛素子を中心導体と同心の回転
体形状とし、中心導体と導電接触する内側電極と回転体
形状の外周面に外側電極とを設け、かつ、内側電極と外
側電極の間の表面及びその近傍に高抵抗層を形成したも
のである。

【０００７】また、内側電極と外側電極の面積を等しく
する。

【０００８】さらに、内側電極と外側電極の間の回転体
形状の表面に沿面距離を大きくするひだを設け、その表
面及び近傍に高抵抗層を形成する。

【０００９】

【作用】以上のように構成した耐雷ブッシングの酸化亜
鉛素子は中心導体と同心の回転体形状で中心導体と導電
接触する内側電極と回転体形状の外周面に外側電極とを
設け、かつ、内側電極と外側電極の間の表面及びその近
傍に高抵抗層を形成するので、構造が簡単で組み立てが
容易になる。

【００１０】

【実施例】

実施例１．図１はこの発明の第１の実施例を示す断面図
であり、図において、10、11は図６の部分断面図におけ
るものと同じ、または相当のものである。21は沿面積距
離を大きくした耐塩害構造の碍管、22は碍管21を貫通し
同心状態にして固定した中心導体、25は中心導体22の回
りに同心状態に取り付けた円筒状の酸化亜鉛素子、25ａ
は酸化亜鉛素子25の内周面に形成した内側電極で中心導
体22に導電接触する。25ｂは酸化亜鉛素子25の外周面に
形成した外側電極、25ｃは酸化亜鉛素子25の両端面とそ
の近傍に形成した高抵抗層で雷電流が流れたときの制限
電圧では閃絡しない程度の絶縁性をもたせている。26は
絶縁物を充填した充填部、27は外側電極25ｂとタンク10
とを導電接線するリード線、28、29はいずれも絶縁物の
スペーサ、30は中心導体22のねじ部分と螺合して酸化亜
鉛素子25を締め付ける絶縁物のナットである。なお、碍
管21とタンク10の間にパッキン11を挾み、図示してはい
ないが、パッキン11を圧縮して碍管21をタンク10に固定
するようになっている。また、外側電極25ｂにリード線
27を導電接続するのは金具を用い締め付けによるものと
する。

【００１１】この実施例は以上のように構成され、襲雷
があると雷電流は中心導体22に導電接触した内側電極25
ａから外側電極25ｂに向けて放射状に流れ、外側電極25
ｂに導電接続したリード線27からタンク10を経てアース
へ放電する。酸化亜鉛素子25を雷電流が流れると内側電
極25ａと外側電極25ｂの間に制限電圧を生じるが、酸化
亜鉛素子25の両端面25ｃには高抵抗層25ｃを形成してい
るので閃絡することはない。

【００１２】実施例２．図２はこの発明の第２の実施例
を示す断面図であり、中心導体22に導電接触する酸化亜
鉛素子35の内側電極35ａと外側電極35ｂの面積を等しく
し、傾斜面とその近傍に高抵抗層35ｃを形成したもので
ある。この実施例によれば、内側電極35ａと外側電極35
ｂの電流密度が等しくなって合理的であり、また、酸化
亜鉛素子35の高抵抗層35ｃも長くなって閃絡しにくくな
る。

【００１３】図３はこの発明の第３の実施例を示す断面
図であり、酸化亜鉛素子45に埋金48を設けてその接触面
積を外側電極45ｂの面積と等しくし、傾斜面とその近傍
に高抵抗層45ｃを形成する。埋金48の一端に中心導体42
をねじで締結し、また、図示はしていないが、埋金48の
他端にも導体をねじで締結し、この導体に例えば変圧器
の巻線の端子を接続する。この実施例によれば、埋金48
と酸化亜鉛素子45との接触面と外側電極45ｂの電流密度
が等しくなるほか、組み立てがより容易になる。

【００１４】実施例４．図４はこの発明の第４の実施例
を示す断面図であり、図２の外側電極35ｂの代りとして
酸化亜鉛素子55の外周面に金属環59を嵌めたものであ
る。この実施例によれば、酸化亜鉛素子55の絶縁破壊に
よる飛散するのを防ぐことができるほか、金属環59への
リード線の接続が容易になる。

【００１５】実施例５．図５はこの発明の第５の実施例
を示す断面図であり、中心導体22に導電接触する酸化亜
鉛素子65の内側電極65ａと外側電極65ｂの面積を等しく
し、側面にひだを設けてその表面及び近傍に高抵抗層65
ｃを形成し、沿面距離を大きくしたものである。この実
施例によれば、内側電極65ａと外側電極65ｂの間の直線
距離と沿面距離とのバランスが取り易すく、最適設計が
可能となる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、この発明による耐
雷ブッシングは酸化亜鉛素子を中心導体と同心の回転体
形状とし、中心導体と導入接触する内側電極と回転体形
状の外周面に外側電極とを設け、かつ、内側電極と外側
電極の間の表面及びその近傍に高抵抗層を形成したの
で、構造が簡単で組み立てが容易になる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施例を示す断面図である。

【図２】この発明の第２の実施例を示す断面図である。

【図３】この発明の第３の実施例を示す断面図である。

【図４】この発明の第４の実施例を示す断面図である。

【図５】この発明の第５の実施例を示す断面図である。

【図６】従来の耐雷ブッシングを示す部分断面図であ
る。

【符号の説明】

21 碍管 22 中心導体 25 酸化亜鉛素子 25ａ 内側電極 25ｂ 外側電極 25ｃ 高抵抗層 27 リード線 28 スペーサ 29 スペーサ 30 ナット 35 酸化亜鉛素子 35ａ 内側電極 35ｂ 外側電極 35ｃ 高抵抗層 42 中心導体 45 酸化亜鉛素子 45ｂ 外側電極 45ｃ 高抵抗層 48 埋金 55 酸化亜鉛素子 55ａ 内側電極 55ｃ 高抵抗層 59 金属環 65 酸化亜鉛素子 65ａ 内側電極 65ｂ 外側電極 65ｃ 高抵抗層

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 碍管に中心導体を貫通させ同心状態にし
   て固定するとともに酸化亜鉛素子を付属させ、上記酸化
   亜鉛素子の一方の電極を上記中心導体に、他方の電極を
   アースに導電接続して上記中心導体にかかる異常電圧を
   抑制する耐雷ブッシングにおいて、上記酸化亜鉛素子を
   上記中心導体と同心の回転体形状とし、上記中心導体と
   導電接触する内側電極と上記回転体形状の外周面に外側
   電極とを設け、かつ、上記内側電極と上記外側電極の間
   の表面及びその近傍に高抵抗層を形成したことを特徴と
   する耐雷ブッシング。
2. 【請求項２】 内側電極と外側電極の面積を等しくした
   ことを特徴とする請求項１記載の耐雷ブッシング。
3. 【請求項３】 内側電極と外側電極の間の回転体形状の
   表面に沿面距離を大きくするひだを設け、その表面及び
   近傍に高抵抗層を形成したことを特徴とする請求項２記
   載の耐雷ブッシング。