JPH06287059A - 高ジルコニア質溶融鋳造耐火物 - Google Patents
高ジルコニア質溶融鋳造耐火物Info
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Abstract
さく耐熱サイクル抵抗性に優れた高ジルコニア質溶融鋳
造耐火物を提供する。 【構成】重量%でZrO2 を85〜91%、SiO2 を
7.0〜11.2%、Al2 O3 を0.85〜3.0
%、P2 O5 を0.05〜1.0%、B2 O3 を0.0
5〜1.0%、K2 OとNa2 0を合量で0.01〜
0.12%含み、かつK2 OをNa2 O以上に含むもの
とする。
Description
優れた耐食性を有する高ジルコニア質溶融鋳造耐火物で
あって、特には低アルカリガラスの溶融窯用あるいはガ
ラスの電気溶融窯用に好適な高ジルコニア質溶融鋳造耐
火物に関する。
うに調合された耐火物原料を、通常黒鉛電極を用いる電
気アーク炉によって溶融し、溶湯を所定の形状の鋳型に
流し込み、これを保温しながら冷却、固化させて得られ
るものである。したがって、通常使用されている結合耐
火物(たとえばプレス成形後焼成された煉瓦)と比べ、
その組織が非常に緻密で優れた耐食性を示す耐火物とし
て知られている。
ルコニア(ZrO2 )を主成分とする耐火物は、溶融ガ
ラスに対して優れた耐食性を有しており、ZrO2 含有
量の多い溶融鋳造耐火物が好んで使用されている。高ジ
ルコニア質溶融鋳造耐火物としては、たとえば特公昭4
8−32408にはZrO2 を62重量%以上含有する
ジルコニア、アルミナ、シリカ系の耐火物が開示されて
いる。
として示されている溶融鋳造耐火物は、最もZrO2 含
有量の多い耐火物でもZrO2 が88.7重量%となっ
ており、このことは当時ZrO2 成分を90重量%程度
含む亀裂のない実用性のある溶融鋳造耐火物を鋳造する
技術がなかったことを意味している。
59−12619において、ZrO2 を90重量%ある
いはそれ以上含有する高ジルコニア質溶融鋳造耐火物が
提案され、かつ市販されるようになった。それ以降、高
ジルコニア質溶融鋳造耐火物が耐食性に優れ、ガラス素
地を汚しにくく発泡性も小さいことから、ガラス溶融窯
用の耐火物として、ガラス溶融窯の特に耐食性を必要と
する箇所に使用されるようになった。またさらに最近で
は、高純度あるいはアルカリ成分の含有量が少ない高融
点のファインガラスを溶融するガラス溶融窯の分野にま
でその用途が広がりつつある。
にはシリカ(SiO2 )を主成分とする比較的少量のマ
トリックスガラスが含まれている。この耐火物の主な構
成成分であるバデライト(ZrO2 ) 結晶には、バデラ
イト結晶に特有の単斜晶と正方晶の可逆的な結晶転移に
伴う体積変化が800〜1250℃の温度域に存在し、
耐火物中のマトリックスガラスはこの体積変化を吸収し
て耐火物中に発生する応力を緩和するように、バデライ
ト結晶の転移温度範囲である800〜1250℃におい
て適度の軟らかさを有するガラスとなるように調整され
ている。
2619に提案されている高ジルコニア質溶融鋳造耐火
物では、耐火物中にマトリックスガラスの粘性を低減す
る成分としてアルカリ成分(Na2 OやK2 O)が添加
され、これらのアルカリ成分がバデライト結晶の転移温
度域において、耐火物中に発生する応力を緩和し得る適
度の粘性をマトリックスガラスに付与している。
火物は、低アルカリガラスを溶融するガラス溶融窯の内
張耐火物として使用されると、アルカリ成分がガラス中
に溶け出す傾向がある他、溶融ガラスに直接通電してガ
ラスを加熱溶融しようとすると、これらの耐火物中に存
在するアルカリ成分を含むマトリックスガラスがガラス
の溶融温度域においてイオン導電性を示し、通電した電
気の一部が溶融ガラスを流れないで溶融ガラスを取り囲
んでいる耐火物中を流れて無駄に消耗されてしまうこと
になり、ガラスの電気溶融窯用の耐火物には適していな
い。
ジルコニア質溶融鋳造耐火物では、Na2 O、K2 Oな
どのアルカリ成分の耐火物中の含有量を0.10重量%
未満に制限し、さらには電気抵抗率を小さくしない、イ
オン半径の大きいイオンになるK2 O成分を多く含有さ
せた高温における電気抵抗率が大きい耐火物を提案して
いる。しかし、この高ジルコニア質溶融鋳造耐火物はガ
ラス溶融窯の熱上げ時に耐火物表面が部分的に欠落する
チップオフ現象を示す他、800〜1250℃の温度域
を通過する温度サイクルを受けると、残存体積膨脹が累
積して遂には亀裂が生じるという、耐温度サイクル抵抗
性の問題がある。
温度(1500℃)において電気抵抗率が大きい高ジル
コニア質溶融鋳造耐火物が提案されている。この溶融鋳
造耐火物では、イオン半径が小さく電気抵抗率を顕著に
小さくするNa2 O成分を実質的に含まない組成とし、
代わりにB2 O3 を0.5〜1.5重量%とイオン半径
が大きいK2 Oなどを1.5重量%以下含有せしめてマ
トリックスガラスの粘性を調整し、電気抵抗率が大きく
亀裂がほとんどない高ジルコニア質溶融鋳造耐火物を得
ている。
SiO2 の含有量がいずれも6.5重量%以下であるこ
とから、耐温度サイクル抵抗性のあるものが得られてい
るとはいえず、ガラス製品の欠点の原因となるチップオ
フ現象の有無とその解決方法についてもまったく触れて
いない。
−218980および特開平3−28175などにおい
て、アルカリ成分の含有量がそれほど制限されていない
高ジルコニア質溶融鋳造耐火物については、チップオフ
現象や耐温度サイクル抵抗性を改善した高ジルコニア質
溶融鋳造耐火物が提案されている。
ニア質溶融鋳造耐火物、すなわちアルカリ成分の含有量
を0.10重量%以下に制限した高ジルコニア質溶融鋳
耐火物についても、ガラス製品の品質と歩留の向上、さ
らにはガラス溶融窯の信頼性と耐久性を確保するため、
耐火物のチップオフ現象や、温度サイクルによる残存体
積膨脹の累積によって亀裂が生じる問題の解決が待たれ
ている。
る電気抵抗率が大きく、昇温時に耐火物表面が部分的に
欠落するチップオフ現象を示さず、かつ残存膨張の累積
によって亀裂が発生しない、すなわち耐温度サイクル抵
抗性も併せて有するガラスの電気溶融窯用に適した高ジ
ルコニア質溶融鋳造耐火物を提供しようとするものであ
る。
溶融鋳造耐火物は、耐火物の化学成分として、重量%で
(以下の%はいずれも重量%である。)ZrO2 を85
〜91%、SiO2 を7.0〜11.2%、Al2 O3
を0.85〜3.0%、P2 O5 を0.05〜1.0
%、B2 O3 を0.05〜1.0%およびK2 OとNa
2 0をその合量で0.01〜0.12%含み、かつK2
OをNa2 O以上に含むことを特徴とする。
は、化学成分の85〜91%という大部分がジルコニア
(ZrO2 ) からなる耐火物であり、バデライト結晶を
主な構成成分としていて、溶融ガラスと接触した状態で
使用されるときに優れた耐食性を示すとともに、アルカ
リ成分の含有量が少なく、しかもアルカリ成分としてイ
オン半径が大きく移動度が小さいK2 Oを主に含んでい
るので、耐火物の使用温度域における電気抵抗率が大き
い。
耐火物中のZrO2 の含有量は多い方が溶融ガラスに対
する耐食性が優れているので、85%以上、好ましくは
88%以上とする。しかし、ZrO2 の含有量が91%
より多いと、マトリックスガラスの量が相対的に少なく
なってバデライト結晶の変態にともなう体積変化を吸収
できなくなり、耐温度サイクル抵抗性が劣化するので9
1%以下とされる。
和するマトリックスガラスを形成する必須成分であり、
亀裂のない実用寸法の溶融鋳造耐火物を得るために、
7.0%以上含有している必要がある。しかし、SiO
2 成分の含有量が11.2%より多いと耐食性が小さく
なるので11.2%以下としてあり、好ましくは10.
0%以下とする。
と粘性の関係を調整する役割を果たす他、マトリックス
ガラス中のZrO2 の含有量を低減する効果を示す。マ
トリックスガラス中のZrO2 の含有量が少ないと、従
来の耐火物に認められるジルコン(ZrO2 ・SiO
2 )結晶のマトリックスガラス中における析出が抑制さ
れ、残存体積膨張の累積傾向が顕著に減少する。
を有効に低減せしめるため、耐火物中のAl2 O3 の含
有量は0.85%以上、好ましくは1.0%以上とす
る。また、耐火物を鋳造したり使用する際に、マトリッ
クスガラス中にムライトなどの結晶が析出してマトリッ
クスガラスが変質し、耐火物に亀裂が発生したりするこ
とがないように、Al2 O3 の含有量は3.0%以下と
してある。
鋳造耐火物におけるAl2 O3 の含有量は0.85〜
3.0%、好ましくは1.0〜3.0%である。耐火物
組成をこのような範囲に調整して鋳造した高ジルコニア
質溶融鋳造耐火物では、耐温度サイクル抵抗性、すなわ
ち残存体積膨張の累積による体積増加が実用的に問題の
ない範囲内に抑制されるとともに、チップオフ現象も顕
著に改善される。
とP2 O5 が含まれていることによってアルカリ成分の
含有量が少なくてもマトリックスガラスの800〜12
50℃における粘性が適度の大きさに調整されており、
使用時にバデライト結晶の変態温度を通過する温度サイ
クルを繰り返し受けても、残存体積膨張がわずかとなる
ので、残存体積膨張の累積によって亀裂を生じる傾向を
示さない。
クスガラス中に含まれ、アルカリ成分の代わりにP2 O
5 と共働してマトリックスガラスを軟らかくするととも
に、高温における耐火物の電気抵抗率を小さくしない成
分である。
鋳造耐火物中のマトリックスガラスの量が少ないので
0.05%以上あればマトリックスガラスの粘性を調整
する効果を示す。しかし、B2 O3 の含有量が多すぎる
と緻密な溶融鋳造耐火物が鋳造できなくなるので、B2
O3 の含有量は0.05〜1.0%、好ましくは0.1
0〜1.0%とされる。
ともにほとんどがマトリックスガラス中に含有されてお
り、バデライト結晶の変態温度域におけるマトリックス
ガラスの粘性を調整(軟らかく)してバデライト結晶の
変態に伴う体積変化によって生じる応力に起因する亀裂
の発生を防止する。また、P2 O5 とB2 O3 は耐火物
がガラス溶融窯に使用される際、ガラス中に溶け出すこ
とがあってもガラスを着色する恐れのない成分である。
さらに、P2 O5 を耐火物原料に添加すると、耐火物原
料の溶融が容易となるので、耐火物を鋳造するのに要す
る電力の消費量を少なくできる利点もある。
にあるマトリックスガラスの量が少ないので、耐火物中
のP2 O5 の含有量が少なくても、マトリックスガラス
中におけるP2 O5 の含有量は相対的に多く、マトリッ
クスガラスの粘性を調整する効果はP2 O5 が耐火物中
に0.05%以上含まれていれば得られる。また、P2
O5 の含有量が1.0%より多いと、マトリックスガラ
スの性質が変って耐火物の残存体積膨張とその累積に伴
う亀裂の発生を助長する傾向を示すので、マトリックス
ガラスの粘性の調整に適した耐火物中のP2 O5 の含有
量は0.05〜1.0%であり、好ましくは0.1〜
1.0%である。
電気抵抗率が十分大きな値となるように、K2 OとNa
2 Oからなるアルカリ成分の含有量は酸化物としての合
計量で0.12%以下とし、さらにアルカリ成分の50
%以上、好ましくは70%以上をガラス中におけるイオ
ン移動度が小さいK2 Oとしている。しかし、K2 Oと
Na2 Oの合量が0.01%より少ないと、溶融鋳造耐
火物を亀裂なく製造することが困難となるので、K2 O
とNa2 Oの合量は0.01%以上とする。また、亀裂
のない高ジルコニア質溶融鋳造耐火物を安定して鋳造で
きるようにK2Oの含有量をNa2 Oの含有量より多
くするとともに、Na2 Oの含有量を0.008%以上
とし、K2 Oの含有量を0.02〜0.10%とするの
が好ましい。
2 O3 とTiO2 の含有量は、その合量が0.55%以
下であれば通常のガラスの溶融窯において着色の問題は
なく、好ましくはその合量が0.30%を超えない量と
される。また、耐火物中のアルカリ土類酸化物を含有せ
しめる必要はなく、アルカリ土類酸化物の含有量は合計
して0.10%未満であることが好ましい。
質溶融鋳造耐火物は、耐火物の化学成分として、ZrO
2 を88〜91%、SiO2 を7.0〜10%、Al2
O3を1.0〜3.0%、P2 O5 を0.10〜1.0
%およびB2 O3 を0.10〜1.0%含有する。
鋳造耐火物は、耐火物の1500℃における電気抵抗率
が100Ωcm以上、より好ましくは150Ωcm以上
である。この条件が満たされることによって、この耐火
物をガラスの電気溶融窯の内張耐火物に使用して溶融ガ
ラスに直接電流を流す通電加熱をしても、電流がガラス
溶融窯の内張耐火物を流れて電力が無駄に消耗されるこ
とがない。
は、高ジルコニア質溶融鋳造耐火物に固有の特徴として
溶融ガラスに対する耐食性が優れており、かつ1500
℃の高温における電気抵抗率が100Ωcm以上と大き
く、ガラス製品中の欠陥の原因となるチップオフ現象を
示さず、残存体積膨張の累積により耐火物に亀裂が発生
することがない(耐温度サイクル抵抗性に優れてい
る)。かくして、本発明の溶融鋳造耐火物は、ガラスの
電気溶融窯用に特に好適な耐火物である。
イクル抵抗性の問題について、本発明者らは以下のよう
に推測している。すなわち、従来の高ジルコニア質溶融
鋳造耐火物では、マトリックスガラス中に溶けているZ
rO2 が使用時にマトリックスガラス中のSiO2 と反
応し、ジルコン結晶となってマトリックスガラス中に析
出する。
が減少して相対的にマトリックスガラスの量が減少し、
さらに析出したジルコン結晶の存在によってマトリック
スガラスの粘性が増大し、マトリックスガラスの粘性が
バデライト結晶の変態に起因する応力の緩和を可能とす
る適切な粘性範囲からはずれてマトリックスガラスがバ
デライト結晶の変態にともなう体積変化に追随できなく
なる。
減少して変質すると、バデライト結晶の変態にともなっ
て耐火物中のバデライト結晶の間やバデライト結晶中に
生じる隙間や亀裂がマトリックスガラスによって埋めら
れず、隙間や亀裂が空隙となって累積し、その結果耐火
物の嵩が増えて残存体積膨張を示す。
は、耐火物中のSiO2 の含有量を7.0%以上として
必要充分な量のマトリックスガラスを耐火物中に確保
し、Al2 O3 を耐火物中に0.85%以上含有せしめ
てあるのでマトリックスガラス中のZrO2 の含有量が
少なくなっており、マトリックスガラス中におけるジル
コン結晶の析出が抑制され、ジルコン結晶の析出による
マトリックスガラスの減少とマトリックスガラスの粘性
の変化が顕著に抑制され、良好な耐温度サイクル抵抗性
が確保される。
ころよく分からないが、耐火物中のAl2 O3 の含有量
を従来の耐火物より多くしたことによって、マトリック
スガラス中に溶けているZrO2 の量が減少したこと
と、使用温度域におけるマトリックスガラスの粘性が適
度に小さくなっていることなどがなんらかの貢献をして
いるものと推定される。
物を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれ
らの実施例によってなんら限定されるものではない。
ーダアルミナ、シリカ、BPO4 、B2 O3 および炭酸
カリウムなどの原料を調合して混合原料とし、この混合
原料を2本の黒鉛電極を備えた出力500kVAの単相
アーク電気炉に装入して、2200〜2400℃の温度
で完全に溶融した。
の粉末中に予め埋めておいた内容積160mm×200
mm×350mmの黒鉛型中に流し込んで鋳造し、室温
付近の温度になるまで放冷した。得られた種々の高ジル
コニア質溶融鋳造耐火物の化学分析値と調べた諸性質を
表1と表2に併せて示した。表1と表2には示されてい
ないが、Fe2 O3 とTiO2 の含有量はいずれも0.
3%以下であり、MgOとCaOの含有量はいずれも
0.1%以下であった。
ている耐火物は本発明の実施例であり、試験No.11
〜16に示されている耐火物は本発明の比較例である。
これらの高ジルコニア質溶融鋳造耐火物の溶融鋳造に際
して、Na2 O、K2 O、P2 O5 およびSiO2 は一
部分が揮散するため、最初の原料混合物の化学組成と比
べて鋳造された高ジルコニア溶融鋳造耐火物中のこれら
成分の含有量は若干減少している。
耐温度サイクル抵抗性の評価は次のようにして行った。
すなわち、40mm×40mm×40mmの試験片を各
溶融鋳造耐火物から切り取り、各試験片を電気炉中に入
れて室温から800℃まで300℃/hrの速度で昇温
した後、800℃から1250℃まで1時間かけて昇温
し、1250℃で1時間保持し、その後800℃まで1
時間かけて降温し、800℃で1時間保持する。この8
00℃と1250℃の間の昇降温を1サイクルとして、
40サイクル繰り返した後、室温まで冷却する。
ず、残存体積膨張が3%以下のものを耐温度サイクル抵
抗性が良好な耐火物と判定した。耐食性指数は、15m
m×15mm×50mmの棒状試験片を各溶融鋳造耐火
物から切り出し、並板ガラス片を入れて1500℃で溶
かしてある白金ルツボ中に48時間吊して棒状試験片の
最大侵食深さを測定して侵食量(mm)とし、数1によ
って各溶融鋳造耐火物の耐食性指数を求めた。
m)/試験片の侵食量(mm)
記の耐食性試験を行った白金ルツボ中に残ったガラスの
着色の有無により判定した。表には示していないが、本
発明の高ジルコニア質溶融鋳造耐火物によるガラスの着
色はいずれについても認められなかった。
されているジルコニア質溶融鋳造耐火物であり、本発明
の高ジルコニア質溶融鋳造耐火物の特性を比較するため
に例示されている。また、試験No.12は、バデライ
ト結晶の変態による体積変化を抑制するため、ジルコニ
アを安定化する成分として稀土類酸化物が添加された耐
火物であるが、熱膨張率が大きくなることによって冷却
時に亀裂が生じ、実用性のある耐火物は鋳造できなかっ
た。
火物ではチップオフ現象が認められたのに対し、本発明
の実施例である試験No.1 〜10の溶融鋳造耐火物で
はチップオフ現象が認められなかった。
分の含有量を少なくして高温における電気抵抗率を大き
くした高ジルコニア質溶融鋳造耐火物では、従来のこの
種の高ジルコニア質溶融鋳造耐火物において指摘された
耐温度サイクル抵抗性とチップオフ現象の問題が解決さ
れていることがわかる。
は、使用温度域における電気抵抗率が大きいのでガラス
を電気溶融するガラス溶融窯の耐火物として好適であ
り、溶融ガラスに対する耐食性が良好で、耐温度サイク
ル抵抗性に優れていて亀裂の発生がほとんど認められ
ず、チップオフ現象も生じないので、本発明の溶融鋳造
耐火物をガラス溶融窯に用いれば、亀裂を生じた部分や
耐火物の破片から溶融ガラス中に微小破片が遊離してガ
ラス製品中の砂利(欠点)の原因となることもなく、ガ
ラス溶融窯の耐用と信頼性が向上する。
高純度のガラス、たとえばエレクトロニクス用ガラス基
板などのファインガラス製品を製造するためのガラス溶
融窯に適した高品位の耐火物に対する必要性が増えてい
る現在、本発明による高ジルコニア質溶融鋳造耐火物
は、これらハイテク産業の要求に答えることができる高
品位の耐火物であり、これらファインガラス製品の品質
と歩留を向上せしめるなどの効果を含めると、その産業
上の利用効果は多大である。
Claims (4)
- 【請求項1】耐火物の化学成分として、重量%でZrO
2 を85〜91%、SiO2 を7.0〜11.2%、A
l2 O3 を0.85〜3.0%、P2 O5 を0.05〜
1.0%、B2 O3 を0.05〜1.0%およびK2 O
とNa2 0をその合量で0.01〜0.12%含み、か
つK2 OをNa2 0以上に含むことを特徴とする高ジル
コニア質溶融鋳造耐火物。 - 【請求項2】請求項1において、耐火物の化学成分とし
て、重量%でZrO2 を88〜91%、SiO2 を7.
0〜10%、Al2 O3 を1.0〜3.0%、P2 O5
を0.10〜1.0%およびB2 O3 を0.10〜1.
0%含有する高ジルコニア質溶融鋳造耐火物。 - 【請求項3】請求項1または2において、耐火物の15
00℃における電気抵抗率が100Ωcm以上である高
ジルコニア質溶融鋳造耐火物。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1つにおいて、耐
火物がガラスの電気溶融窯用のものである高ジルコニア
質溶融鋳造耐火物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP29811093A JP3570740B2 (ja) | 1993-02-03 | 1993-11-29 | 高ジルコニア質溶融鋳造耐火物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3942493 | 1993-02-03 | ||
JP5-39424 | 1993-02-03 | ||
JP29811093A JP3570740B2 (ja) | 1993-02-03 | 1993-11-29 | 高ジルコニア質溶融鋳造耐火物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06287059A true JPH06287059A (ja) | 1994-10-11 |
JP3570740B2 JP3570740B2 (ja) | 2004-09-29 |
Family
ID=26378806
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29811093A Expired - Lifetime JP3570740B2 (ja) | 1993-02-03 | 1993-11-29 | 高ジルコニア質溶融鋳造耐火物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3570740B2 (ja) |
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