JPH0672766A - 高ジルコニア質溶融鋳造耐火物 - Google Patents

高ジルコニア質溶融鋳造耐火物

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JPH0672766A
JPH0672766A JP5117939A JP11793993A JPH0672766A JP H0672766 A JPH0672766 A JP H0672766A JP 5117939 A JP5117939 A JP 5117939A JP 11793993 A JP11793993 A JP 11793993A JP H0672766 A JPH0672766 A JP H0672766A
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    • Y02P40/50Glass production, e.g. reusing waste heat during processing or shaping
    • Y02P40/57Improving the yield, e-g- reduction of reject rates

Abstract

(57)【要約】 【目的】亀裂が発生せず、残存体積膨張の積算傾向がな
く、チップオフ現象を示さず、高温の荷重下でマトリッ
クスガラスが滲み出さない高ジルコニア質溶融鋳造耐火
物の提供。 【構成】耐火物の組成を、ZrO2 を90〜95%(重
量%)、SiO2 を3.5〜7%、Al23 を1.2
〜3%と、Na2 Oおよび/またはK2 Oを合量で0.
1〜0.35%含有し、P25 、B23 およびCu
Oのいずれも実質的に含まないものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス窯用の耐火物と
して好適な高ジルコニア質溶融鋳造耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融鋳造耐火物は、配合された耐火物原
料をアーク電気炉に装入し、完全に溶融した溶湯を所定
形状の鋳型中に流し込み、多くの場合保温しながら常温
まで冷却固化せしめて得られたものであって、焼成また
は不焼成の結合耐火物とは組織、製法とも異なる緻密で
耐食性の優れた耐火物として広く知られている。
【0003】このような溶融鋳造耐火物の中で、ZrO
2 成分を多く含む溶融鋳造耐火物が溶融ガラスに対して
優れた耐食性を示すことから、ジルコニア質溶融鋳造耐
火物がガラス窯の溶融ガラスと接触する壁の部分に広く
使用されている。
【0004】しかし、組織のほとんどがZrO2 結晶
(バデライト)からなる高ジルコニア質溶融鋳造耐火物
は、ZrO2 結晶に特有の単斜晶から正方晶への可逆的
な結晶変態が1100℃付近にあり、この結晶変態に伴
う異常な体積膨張と収縮が存在し、亀裂のない実用性の
ある大きな寸法の溶融鋳造耐火物を鋳造することは難し
い技術であることが知られている。
【0005】これまでに、ZrO2 を90重量%前後あ
るいはそれ以上含有する溶融鋳造耐火物がいく種類も提
案されているが、亀裂の発生を防ぐ主な対応策は、Zr
2結晶の間を埋めているSiO2 を主成分とするマト
リックスガラスにガラスを軟らかくする成分を加えてそ
の粘性を調整し、ZrO2 結晶が結晶変態する温度範囲
において、ZrO2 結晶の膨張と収縮による歪みを軟ら
かいマトリックスガラスで吸収することにより亀裂の発
生を避ける方法である。
【0006】たとえば、特公昭55−3319号では、
SiO2 を主成分としAl23 を含むマトリックスガ
ラスにガラスを軟らかくするCuOやB23 成分を加
えてマトリックスガラスの粘性を調整している。この場
合、Al23 /SiO2 比(重量比、以下同じ。)が
0.5以上ではマトリックスガラスが十分に軟らかくな
らないので、Al23 /SiO2 比は0.5未満とさ
れる。しかし、CuO成分を含む耐火物をガラス窯の壁
に使用するとガラスが着色される問題があり、並板ガラ
スのように着色を嫌うガラスを溶融するガラス窯用には
向かない。
【0007】また、特公昭59−12619号では、S
iO2 を主成分としAl23 成分を含むマトリックス
ガラスにP25 成分を加えてマトリックスガラスを軟
らかくし、ZrO2 結晶の膨張と収縮を吸収している。
この場合には、Al23 /SiO2 比を0.5以下と
しなくても亀裂のない溶融鋳造耐火物が得られ、ガラス
窯用の耐火物として溶融ガラス中に砂利(ガラス中にあ
る欠点の通称)を発生することがほとんどなく、ガラス
が着色する恐れのない耐火物が得られる。
【0008】高ジルコニア質溶融鋳造耐火物をガラスの
電気溶融に使用するため、特公平2−40018号で
は、耐火物のアルカリ金属酸化物の含有量を0.1重量
%以下と少なくして使用温度域における電気抵抗率が大
きくし、P25 成分とB23 成分を加えることによ
りマトリックスガラスを軟らかくして亀裂を防いだ高ジ
ルコニア質溶融鋳造耐火物を提案している。
【0009】また、特開昭63−285173号では、
SiO2 を主成分としAl23 を含むマトリックスガ
ラスに、B23 成分とイオン半径の大きいアルカリ金
属とアルカリ土類金属の酸化物であるK2 O、Rb2
O、Cs2 O、SrO、BaOなどの成分を加え、亀裂
の発生がない、電気抵抗率の大きな溶融鋳造耐火物を提
案している。
【0010】その後、高ジルコニア質溶融鋳造耐火物は
その熱上げ時に400〜600℃の温度域において耐火
物の表層が貝殻状に欠落する現象(チップオフ現象)が
問題となり、特開平1−100068号では、P25
成分とB23 成分の含有量を限定して、チップオフ現
象が起きない高ジルコニア質溶融鋳造耐火物を提案して
いる。
【0011】また。特開平3−218980号と特開平
3−28175号では、P25 、B23 およびCu
Oを含有しないSiO2 、Al23 、ZrO2 および
Na2 O成分からなるマトリックスガラスを形成し、特
定量のAl23 成分とNa 2 O成分を含有せしめるこ
とにより亀裂のない溶融鋳造耐火物を得るとともに、マ
トリックスガラス中にジルコン(ZrO2 ・SiO2
などの結晶が析出してマトリックスガラスが減少あるい
は変質してチップオフ現象が起きるのを防ぎ、かつ残存
体積膨張の積算傾向を防止(耐熱サイクル抵抗性を付
与)した溶融鋳造耐火物を提案している。
【0012】これらの提案により、溶融ガラスに対する
耐食性が高く、溶融ガラスを汚さずブリスター性(発泡
性)が小さく、また熱上げ時におけるチップオフ現象が
なく、耐熱サイクル抵抗性が高い耐火物が得られるよう
になり、高ジルコニア質溶融鋳造耐火物がガラス窯用に
広く使用され始めている。また、最近では電気抵抗率の
大きいガラスの電気溶融向に適した高ジルコニア質溶融
鋳造耐火物も市販され、特殊ガラスの分野にまでその用
途が広がりつつある。
【0013】しかしながら、特開平3−218980号
や特開平3−28175号に提案されている高ジルコニ
ア質溶融鋳造耐火物を試料とし、ガラス窯の壁に使用し
た場合を想定した高温荷重下におけるクリープ試験を行
った結果、高温荷重下でマトリックスガラスが耐火物表
面から滲み出す現象が観察され、実際にこれらの耐火物
をガラス窯の耐火物として長期間高温荷重下で使用する
場合には、耐火物の表面に滲み出したガラスにより溶融
ガラスが汚染され、ガラス製品中にコードと呼ばれる砂
利が発生する原因となっていることが判明した。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶融
ガラスに対して優れた耐食性を示し、ガラス窯用の耐火
物として使用されるとき、亀裂が発生して溶融ガラス中
に砂利を排出したり、ガラスを着色したりすることがな
く、熱上げ時に耐火物の表層が欠落するチップオフ現象
がなく、残存体積膨張の積算傾向を示さない、高温荷重
下においてマトリックスガラスが滲み出さない高品質の
高ジルコニア質溶融鋳造耐火物を提供しようとするもの
である。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、本発明の高ジルコニア
質溶融鋳造耐火物は、耐火物中にZrO2 を90〜95
重量%、SiO2 を3.5〜7重量%、Al23
1.2〜3重量%と、Na2 Oおよび/またはK2 Oを
合量で0.1〜0.35重量%含有し、P25 、B2
5 およびCuOのいずれも実質的に含まないことを特
徴とする。
【0016】本発明による高ジルコニア質溶融鋳造耐火
物の組織は、バデライトの比較的粗い結晶の粒界を、S
iO2 、Al23 およびZrO2 と、ガラスを軟らか
くする機能を担うNa2 Oおよび/またはK2 Oとを含
む少量のマトリックスガラスで埋めたものとなってい
る。
【0017】本発明の高ジルコニア質溶融鋳造耐火物で
は、ガラスを軟らかくする成分としてNa2 Oおよび/
またはK2 Oを含み、P25 、B25 およびCuO
のいずれも実質的に含まない組成を採用している。さら
に本発明の耐火物では、Na2 Oおよび/またはK2
の含有量を従来より少ない範囲内に限定し、熱上げ時に
耐火物の表層が欠落するチップオフ現象がなく、残存体
積膨張が積算されない耐熱サイクル抵抗性のよい、かつ
耐火物が熱間の荷重下において使用されてもマトリック
スガラスが耐火物の表面からほとんど滲み出さない高品
質の溶融鋳造耐火物を提供することに成功した。
【0018】耐火物中のZrO2 成分の含有量は、多い
方が溶融ガラスに対する耐食性が高く、この意味で90
重量%以上としてある。しかし、ZrO2 成分の含有量
が95重量%を超えると耐火物中のマトリックスガラス
の量が少なくなって耐火物に亀裂が発生しやすくなり、
溶融鋳造して亀裂のない耐火物を得るのが困難となる。
【0019】SiO2 成分はマトリックスガラスを形成
する必須成分であり、亀裂の発生を避けるのに必要な最
低限の量のマトリックスガラスを耐火物中に存在せしめ
るため、3.5重量%以上含有せしめてある。しかし、
SiO2 成分の含有量が多いと耐火物の耐食性が低下す
るので7重量%以下としてあり、好ましくは6重量%以
下とする。
【0020】Al23 成分が含有されていることは、
マトリックスガラスの温度と粘性の関係を調整する重要
な役割を果たすとともに、マトリックスガラス中に溶け
ているZrO2 成分の濃度を低減する効果を有してい
る。例えば、耐火物中のAl23 含有量が0.9重量
%の場合には、マトリックスガラス中に数重量%のZr
2 が溶けているのに対し、2重量%のAl23 を含
む耐火物では、マトリックスガラス中に含まれるZrO
2 は2重量%以下となる。
【0021】このAl23 成分の含有効果を利用し
て、マトリックスガラス中にジルコンが析出するのを防
止でき、マトリックスガラスの変質を防いで耐火物のチ
ップオフ現象と残存体積膨張の積算による亀裂の発生を
避けることができる。
【0022】さらに、ガラスの粘性を適度に高めて高温
荷重下におけるマトリックスガラスの滲み出しを防止す
るため、Al23 成分の含有量を1.2重量%以上と
してあり、マトリックスガラスの粘性が大きくなり過ぎ
ないようにAl23 成分の含有量を3重量%以下とし
ている。
【0023】Na2 OとK2 O成分は、マトリックスガ
ラスの粘性を左右する重要な成分であり、マトリックス
ガラス中に溶けているZrO2 成分の濃度をある程度抑
制する効果もあるため、その含有量の調整は重要であ
る。Na2 Oおよび/またはK2 Oの含有量が合量で
0.1重量%より少ないと、マトリックスガラスの粘性
が大きくなって、耐火物を亀裂なく鋳造することが困難
となり、0.35重量%を超えると、マトリックスガラ
スが必要以上に軟らかくなって、高温荷重下において耐
火物の表面からガラスが滲み出しやすくなる。
【0024】耐火物のAl23 含有量は、好ましくは
1.2〜2.5重量%とすることにより、高ジルコニア
質溶融鋳造耐火物に亀裂が発生しにくくなり、耐熱サイ
クル抵抗性や高温荷重下におけるマトリックスガラスの
滲み出し傾向が更に改善される。
【0025】また、Na2 Oおよび/またはK2 O成分
の含有量を、好ましくは合量で0.2〜0.35重量%
とすることにより高温下で耐火物を荷重を加えたときに
表面からガラスが滲み出ない耐火物が得られ、かつ大型
の溶融鋳造耐火物も安定して亀裂なく鋳造できる。
【0026】かくして、本発明の好ましい高ジルコニア
質溶融鋳造耐火物は、耐火物中にZrO2 を90〜95
重量%、SiO2 を3.5〜6重量%、Al23
1.2〜2.5重量%と、Na2 Oおよび/またはK2
を合量で0.2〜0.35重量%含有する。
【0027】耐火物の組成をこの好ましい範囲に限定す
ることにより、マトリックスガラスの1100℃付近に
おける粘性が最適化され、亀裂の発生、残存体積膨張の
積算、チップオフ現象の他、耐火物からのマトリックス
ガラスの滲み出しの問題のない高ジルコニア質溶融鋳造
耐火物を安定して提供できる。
【0028】本発明の耐火物には、P25 、B23
およびCuOの成分を実質的に含まない。すなわち、P
25 、B23 およびCuO成分はいずれも0.02
重量%未満、好ましくは0.01重量%未満であり、こ
の程度のわずかな含有量であることを実質的に含まない
としている。従って通常の原料中に不可避不純物として
含まれる微少量のP25 、B23 およびCuO成分
が耐火物に導入されても本発明の溶融鋳造耐火物には特
に支障とならない。
【0029】また、耐火物中に不純物として含まれてい
るFe23 およびTiO2 成分は、その合量が0.5
5重量%以下、好ましくは0.3重量%以下であればな
んら問題とならない。
【0030】
【実施例】以下本発明の高ジルコニア質溶融鋳造耐火物
を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれら
の実施例によってなんら限定されるものではない。
【0031】ZrO2 原料である脱珪ジルコン(約5重
量%のSiO2 を含む)、Al23 原料であるバイヤ
ーアルミナ、SiO2 原料である珪砂にNa2 CO3
2CO3 などの原料粉末を混合して所定の組成の混合
原料とし、これを黒鉛電極を備えた500kVAの単相
交流アーク電気炉に装入し、2200〜2400℃の温
度で完全に溶融した。
【0032】この溶湯をバイヤーアルミナの粉末に埋め
てある内寸法200mm×300mm×700mmの黒
鉛鋳型中に流し込み、室温付近の温度になるまで放冷し
た。得られた種々の溶融鋳造耐火物の化学分析値と調べ
た諸性質を表1と表2に併せて示した。表1と表2にお
いて、No.1〜No.8は本発明の実施例であり、N
o.9〜No.18は比較例である。
【0033】これらの高ジルコニア質溶融鋳造耐火物の
鋳造に際して、Na2 O、K2 OおよびSiO2 成分の
一部が気化して飛散するため、最初に配合した混合原料
の組成と比べ、鋳造された溶融鋳造耐火物のNa2 O、
2 OおよびSiO2 成分の含有量は減少している。
【0034】鋳造された高ジルコニア質溶融鋳造耐火物
について、高温荷重下におけるマトリックスガラスの滲
み出しを調べるため、直径30mmで高さ30mmの円
柱状試験片を各溶融鋳造耐火物から切り取り、荷重軟化
試験装置を使用して、これに2kg/cm2 の荷重をか
けた状態で1500℃に昇温し24時間保持した。
【0035】高温荷重下における耐火物表面からのマト
リックスガラスの滲み出し量は、試験後の試験片の体積
の減少量を試験前の体積で除した%で示した。この時試
験片の外観にガラスの滲み出しが認められず、体積の減
少量が1%以下のものをマトリックスガラスが滲み出さ
ない良好な耐火物と判定した。
【0036】耐熱サイクル抵抗性の評価は次のように行
った。すなわち、40mm×40mm×30mmの試験
片を各溶融鋳造耐火物から切り取り、これを電気炉に入
れて室温から800℃まで300℃/hで昇温し、次い
で800℃から1250℃まで1時間かけて昇温し、1
250℃において1時間保持し、その後800℃まで1
時間かけて降温し、800℃で1時間保持する。
【0037】この800℃と1250℃の間の昇降温を
1サイクルとして、昇降温を40サイクル繰り返した後
室温まで冷却した。この時、試験片に外観上亀裂が認め
られず、残存体積膨張の積算が3%以下のものを良好な
耐火物と判定した。
【0038】耐食指数は、15mm×15mm×50m
mの直方体の試験片を各溶融鋳造耐火物から切り出し、
並板ガラスを溶かした1500℃の白金ルツボ中に48
時間吊して試験片の侵食量(体積)を測定し、 耐食指数=No.11試験片の侵食量(mm3 )/各試
験片の侵食量(mm3 ) により求めた。No.11試験片は従来ガラス窯に使用
されている標準的な溶融鋳造耐火物である。
【0039】砂利の発生とガラスの着色の有無について
は、上記の耐食性試験の白金ルツボ中に残ったガラスを
観察して判定した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明の高ジルコニア質溶融鋳造耐火物
では、高ジルコニア質溶融鋳造耐火物に特有のいくつか
の問題点が同時に解決され、その結果として高品質の溶
融鋳造耐火物を得ている。すなわち、先ずZrO2 結晶
の結晶変態に伴う体積変化によって生じる亀裂は従来の
手法、つまり軟らかいマトリックスガラスを耐火物中に
形成して回避している。
【0043】チップオフ現象については、マトリックス
ガラス中に溶けているZrO2 成分がジルコン(ZrO
2 ・SiO2 結晶)となってマトリックスガラス中に析
出することにより変質するのを、耐火物中のAl23
とNa2 Oおよび/またはK2 Oの含有量を限定してマ
トリックスガラス中に溶けているZrO2 成分を少なく
して回避している。
【0044】また、この対応策は残存体積膨張が積算し
て亀裂が発生する傾向を阻止するのにも有効と考えら
れ、ジルコンが析出してマトリックスガラスの量が減少
して変質し、マトリックスガラスの粘性が適切な範囲か
らはずれてバデライトの膨張と収縮にマトリックスガラ
スが追随できなくなるのを防いで耐熱サイクル抵抗性を
改善している。
【0045】また、マトリックスガラスの高温荷重下に
おける耐火物からの滲み出しは、耐火物中のAl23
とNa2 Oおよび/またはK2 O成分を前述の適切な範
囲に限定することによって、マトリックスガラスの粘性
を一定レベル以上に維持して防いでいる。
【0046】かくして、本発明の高ジルコニア質溶融鋳
造耐火物では、従来使用されている高ジルコニア質溶融
鋳造耐火物と比べて、耐食性はもちろん、昇温時に表層
が部分的に欠落するチップオフ現象がほとんどなく、耐
熱サイクル性が顕著に優れ、かつ高温荷重下におけるマ
トリックスガラスの滲み出しがない。
【0047】従って、本発明の溶融鋳造耐火物をガラス
窯に用いる場合、耐火物に亀裂がほとんど発生しないこ
とから、耐火物に亀裂が発生した部分から溶融ガラス中
に耐火物の微小片が排出されて砂利が発生する原因とな
ることがなく、高温荷重下におけるマトリックスガラス
の滲み出しによる溶融ガラスの汚染(同様に砂利の原因
とされている。)もない。
【0048】本発明の高ジルコニア質溶融鋳造耐火物を
ガラス窯に使用すると、ガラス窯の耐久性と信頼性が増
すとともに、製造されるガラス製品の歩留りと品質が顕
著に向上することになり、高融点を有する組成のガラス
を溶融する窯や、高品質が要求されるエレクトロニクス
用ガラス基板や表示用ガラス基板などのファインガラス
製品のガラスを溶融するガラス窯の耐火物に使用でき、
これらのガラス製品の品質と歩留まりが向上するなどの
効果を考慮するとその産業上の利用効果は多大である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐火物中にZrO2 を90〜95重量%、
    SiO2 を3.5〜7重量%、Al23 を1.2〜3
    重量%と、Na2 Oおよび/またはK2 Oを合量で0.
    1〜0.35重量%含有し、P25 、B25 および
    CuOのいずれも実質的に含まないことを特徴とする高
    ジルコニア質溶融鋳造耐火物。
  2. 【請求項2】耐火物中にNa2 Oを0.1〜0.35重
    量%含有する請求項1に記載の高ジルコニア質溶融鋳造
    耐火物。
  3. 【請求項3】耐火物中にSiO2 を3.5〜6重量%、
    Al23 を1.2〜2.5重量%と、Na2 Oおよび
    /またはK2 を合量で0.2〜0.35重量%含有する
    請求項1または2に記載の高ジルコニア質溶融鋳造耐火
    物。
  4. 【請求項4】耐火物中に不可避不純物として含まれるP
    25 、B25 およびCuOがいずれも0.02重量
    %未満である請求項1〜3のいずれか1つに記載の高ジ
    ルコニア質溶融鋳造耐火物。
  5. 【請求項5】耐火物がガラスの溶融に使用されるもので
    ある請求項1〜4のいずれか1つに記載の高ジルコニア
    質溶融鋳造耐火物。
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