JPH06279645A - 制振性複合物 - Google Patents

制振性複合物

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JPH06279645A
JPH06279645A JP35360192A JP35360192A JPH06279645A JP H06279645 A JPH06279645 A JP H06279645A JP 35360192 A JP35360192 A JP 35360192A JP 35360192 A JP35360192 A JP 35360192A JP H06279645 A JPH06279645 A JP H06279645A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制振性能と物性、成形加工性に優れた複合物
を提供する。 【構成】 アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体およびその水添物から選ばれる少なくとも
1種/熱可塑性樹脂からなる組成物に、特定の長径/短
径比の充填剤を配合した複合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた制振性、成形加
工性、物性を持つ樹脂複合物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車などの交通機関に起因する
騒音、振動が大きな社会問題になっており、自動車内部
にも低振動、低層音が要求される。また、一般家庭にお
いても、複写機、プリンターなどの事務機器から発生す
る騒音、振動の低減が重要な課題になっている。さら
に、生活様式の変化から、家庭用電気製品も大型化して
おり、冷蔵庫、洗濯機、掃除機の低振動、低騒音化が要
求されている。従来より、スチレン系樹脂および汎用エ
ンジニアリングプラスチックであるポリアミド樹脂、ポ
リステル樹脂、ポリカーボネート樹脂は、自動車用部
品、電気・電子部品、OA機器部品として広く採用され
ているが、これらの低振動、低騒音の要求を満足させる
ことはできない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、従来のスチレン系樹
脂や汎用エンプラと同等以上の物性を有するのみなら
ず、制振性能に優れた熱可塑性樹脂複合物を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、アクリル酸エ
ステル単量体および/またはメタクリル酸エステル単量
体10〜95重量%と他の共単量体90〜5重量%とか
らなるガラス転移点が0℃以上の共重合体(A)2〜5
0重量部と熱可塑性樹脂(B)98〜50重量部とから
なる樹脂(A+B)100重量部に、平均径0.1〜8
00μmで長径(t)/短径(d)が1.5〜8の充填
剤(G)2〜250重量部を混合することを特徴とする
制振性複合物、脂肪族共役ジエン系単量体5〜60重量
%、芳香族ビニル系、単量体95〜40重量%およびこ
れらと共重合可能な単量体0〜55重量%からなる共重
合体および/またはその水添物(C)2〜50重量部と
熱可塑性樹脂(B)98〜50重量部とからなる樹脂
(C+B=100)100重量部に、請求項(1)の充
填剤(G)0〜250重量部を混合することを特徴とす
る制振性複合物、芳香族ビニル化合物0〜50重量%と
共役ジエン100〜50重量%からなる共役ジエン系重
合体および/またはその水素添加物(D)5〜75重量
%とポリオレフィン系樹脂(E)95〜25重量%[た
だし、(D)+(E)=100重量%]との部分架橋物
(F)5〜50重量部と熱可塑性樹脂(B)95〜50
重量部とからなる樹脂100重量部に、請求項(1)の
充填剤(G)2〜250重量部を混合することを特徴と
する制振性樹脂複合物を提供するものである。
【0005】まず、請求項(1)の急重合体(A)につ
いて説明する。本発明の共重合他意(A)の構成成分で
あるアクリル酸エステル単量体およびメタクリル酸エス
テル単量体(以下、これらをまとめて表記するときは、
「アクリル系エステル単量体」という。)は、アクリル
酸またはメタクリル酸と脂肪族、脂環族あるいは芳香族
の非置換アルコールとのエステルである。ここでいう非
置換とは、炭化水素基以外の基を持たないことを意味す
る。
【0006】アクリル酸エステル単量体およびメタクリ
ル酸エステル単量体の例としては、アクリル酸メチル、
メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸
エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アク
リル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘ
プチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸n−ノ
ニル、メタクリル酸イソノニル、メタクリル酸n−ノニ
ル、メタクリル酸イソノニル、アクリル酸デシル、メタ
クリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、メタクリル酸
ウンデシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシ
ル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、メ
タクリル酸n−アミル、メタクリル酸イソアミル、アク
リル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ベ
ンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキ
シル、メタクリル酸シクロヘキシルなどがある。
【0007】アクリル酸エステル単量体のうち好ましい
単量体は、炭素数4〜12のアルキル基を有するアクリ
ル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエス
テルであり、より好ましくはアクリル酸エチル、アクリ
ル酸n−ブチル、アクリル酸イソノニル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチルなどである。これらの単量
体は単独手使用することができ、また2種以上混合して
使用することができる。これらのアクリル系単量体の全
単量体中に占める割合は10〜95重量%であり、好ま
しくは20〜90重量%、さらに好ましくは35〜85
重量%、特に好ましくは40〜80重量%である。アク
リル系エステル単量体の使用量が10重量%未満では制
振性複合物の制振性が低くなり、95重量%を超えると
制振性複合物の耐衝撃性が低くなる。
【0008】本発明において、上記アクリル系エステル
単量体と共重合することができる共単量体としては、芳
香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、エチレ
ン性不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステル単量
体、エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体、エチレ
ン性不飽和酸単量体、エチレン性不飽和スルホン酸エス
テル単量体、エチレン性不飽和アルコールおよびそのエ
ステル単量体、エチレン性不飽和エーテル単量体、エチ
レン性不飽和アミン単量体、エチレン性不飽和シラン単
量体、ハロゲン化ビニル系単量体、脂肪族共役ジエン系
単量体などが挙げられ、これらは1種または2種以上が
使用される。
【0009】前記芳香族ビニル系単量体の例としては、
スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチル
スチレン、α−クロロスレン、p−クロロスレン、p−
メトキシスチレン、p−アミノスチレン、p−アセトキ
シスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム、α−ビニ
ルナフタレン、1−ビニルナフタレン−4−スルホン酸
ナトリウム、2−ビニルフルオレン、2−ビニルピリジ
ン、4−ビニルビリジンなどがあり、特にスチレンが好
ましい。前記シアン化ビニル系単量体の例としては、ア
クリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−メ
トキシアククロニトリル、メタクリロニトリル、α−ク
ロロメタクリロニトリル、α−メトキシメタクリロニト
リル、シアン化ビニリデンなどがあり、特にアクリロニ
トリルが好ましい。
【0010】前記エチレン性不飽和カルボン酸ヒドロキ
シアルキルエステル単量体の例としては、ヒドロキシエ
チルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、
ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピル
メタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒド
ロキシブチルメタクリレートなどがある。前記エチレン
性不飽和カルボン酸アミド単量体の例としては、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、N−ブトキシメチルアク
リルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、N
−ブトキシエチルアクリルアミド、N−ブトキシエチル
メタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミ
ド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−n−プ
ロピオキシメチルアクリルアミド、N−n−プロピオキ
シメチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミ
ド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルア
クリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、
N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメ
タクリルアミドなどがある。
【0011】前記エチレン性不飽和酸単量体としては、
エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和スルホ
ン酸などが使用される。エチレン性不飽和カルボン酸の
例には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマ
ル酸、無水フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸など
があり、エチレン性不飽和スルホン酸の例には、ビニル
スルホン酸、イソプレンスルホン酸などがある。エチレ
ン性不飽和酸単量体は、例えばナトリウム、カリウムな
どのアルカリ金属、アンモニアなどで中和されていても
よい。また、前記エチレン性不飽和スルホン酸エステル
単量体の例には、ビニルスルホン酸アルキル、イソプレ
ンスルホン酸アルキルなどがある。前記エチレン性不飽
和アルコールおよびそのエステルの例には、アリルアル
コール、メタアリルアルコール、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香
酸ビニル、酢酸アリル、カプロン酸メタアリル、ラウリ
ン酸アリル、安息香酸アリル、アルキルスルホン酸ビニ
ル、アルキルスルホン酸アリル、アリールスルホン酸ビ
ニルなどがある。
【0012】前記エチレン性不飽和エーテル単量体の例
には、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエー
テル、メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテルな
どがある。前記エチレン性不飽和アミンの例には、ビニ
ルジメチルアミン、ビニルジエチルアミン、ビニルジフ
ェニルアミン、アリルジメチルアミン、メタアリルジエ
チルアミンなどがある。前記エチレン性不飽和シランの
例には、ビニルトリエチルシラン、メチルビニルジクロ
ロシラン、ジメチルアリルクロロシラン、ビニルトリク
ロロシランなどがある。
【0013】前記ハロゲン化ビニル系単量体の例には、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、1,2−ジクロロエチレ
ン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、1,2−ジブロモエ
チレンなどがある。前記脂肪族共役ジエン系単量体の例
には、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−
ネオペンチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,
3−ブタジエン、1,2−ジクロロ−1,3−ブタジエ
ン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、2−ブロ
モ−1,3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−ブタジ
エン、置換直鎖共役ペンタジエン類、直鎖および側錯共
役ヘキサジエンなどがあり、特に1,3−ブタジエンが
好ましい。
【0014】本発明において、アクリル系エステル単量
体と共重合することができる共単量体のうち好ましい単
量体としては、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル
系単量体およびエチレン性不飽和酸単量体などが挙げら
れる。前記単量体の全単量体中に占める割合は5〜90
重量%であり、好ましくは10〜80重量%、さらに好
ましくは20〜70重量%、特に好ましくは25〜60
重量%である。共単量体の割合が90重量%を超えると
制振性複合物の耐衝撃性が低くなり、また5%未満では
制振性複合物の制振性が低い。共重合体(A)は、例え
ば熱および触媒により溶液重合、乳化重合などで合成で
き、数平均分子量は、通常1万以上〜50万以下であ
り、好ましくは2万以上、さらに好ましくは3万以上で
ある。数平均分子量が1万未満では熱可塑性樹脂とブレ
ンドし、制振性複合物としたとき耐衝撃性が十分でな
い。
【0015】共重合体(A)のガラス転移点は、構成成
分である単量体の比率により決まる。本発明において、
共重合体(A)はガラス転移点が通常0℃以上のもので
あり、好ましくは10℃以上、さらに好ましくは20℃
以上である。0℃以下の共重合体(A)を用いると、室
温以上の温度で十分な制振性を有する制振性複合物が得
られない。本発明において、共重合体(A)のガラス転
移点は、理学電気製の示差走査熱量分析計(DCS)を
用いて、昇温速度20℃/分、窒素雰囲気下、試料量2
0mgの条件で測定されたものである。
【0016】本発明の熱可塑性樹脂(B)は、非晶性ポ
リマー、結晶性ポリマー、液晶性ポリマーなどが含まれ
る。具体的には、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、オ
レフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリア
リーレンスルフィド樹脂、EEK樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエー
テルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリブチレン樹脂などを挙げることができる。これ
らのうち、スレチン系樹脂、特に芳香族ビニル化合物−
シアン化ビニル化合物共重合体、ポリアミド樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ここ
で、芳香族ビニル化合物−シアン化ビニル化合物共重合
体は、芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物を共
重合して得られるものであり、通常、AS樹脂として汎
用されているものであるが、ゴム状重合体の存在下に芳
香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物を重合したも
のでもよく、またこれらの混合物でもよい。
【0017】また、ポリアミド樹脂としては、HzN−
(CH2 )x−NH2 (式中、xは3〜12の整数)で
表わされる線状ジアミンとHOOC−(CH2 )y−C
OOH(式中、yは2〜12の整数)で表わされる線状
ジアミン酸との縮合によって製造されるもの、あるいは
ラクタムの開環重合によつて製造されるものを使用する
ことができる。これらのポリアミド樹脂の好ましい例と
しては、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン
6,12、ナイロン4,6、ナイロン3,4、ナイロン
6,9、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン11、ナ
イロン4などが挙げられる。また、ナイロン6/6,1
0、ナイロン6/6,12、ナイロン6/4,6、ナイ
ロン6/12、ナイロン6/6,6、ナイロン6/6,
6/6,10、ナイロン6/4,6/6,6、ナイロン
6/6,6/6,12、ナイロン6/4,6/10、ナ
イロン6/4,6/12などの共重合体ポリアミド類を
挙げることができる。さらに、ナイロン6/6,T(T
はテレフタル酸成分)、テレフタル酸、イソフタル酸な
どの芳香族ジカルボン酸とメタキシリレンジアミンまた
は脂肪族ジアミンとにより得られる半芳香族ポリアミド
樹脂、メタキシリレンジアミンと上記線状ジカルボン酸
とにより得られるポリアミド、ポリエステルアミド、ポ
リエーテルアミド、ポリエステルエーテルアミドなどを
挙げることができる。
【0018】さらに、ポリカーボネート樹脂としては、
芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート
樹脂、脂肪族−芳香族ポリカーボネート樹脂などを挙げ
ることができる。一般には、2,2−ビス(4−オキシ
フェニル)アルカン系、ビス(4−オキシフェニル)エ
ーテル系、ビス(4−オキシフェニル)スルホンスルフ
ィドまたはスルホキシド系などのビスフェノール類を重
合して得られる重合体もしくは共重合体であって、必要
に応じてハロゲンにより置換されたビスフェノール類を
用いた重合体である。ポリカーボネイト樹脂の種類およ
び製造方法については、日刊工業新聞社発行(昭和44
年9月30日発行)の「ポリカーボネート樹脂」の記載
を参照することができる。
【0019】さらに、ポリエステル樹脂としては、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PB
T)、ポリペンタメチルテレフタレート、ポリヘキサメ
チレンテレフタレートなどの芳香族ジカルボン酸と2価
アルコールとから得られるポリエステル樹脂、および芳
香族ジカルボン酸と芳香族ジフェノールとから得られる
芳香族ポリエステル樹脂である、いわゆるポリアリレー
ト樹脂を挙げることができる。ポリアリレート樹脂の具
体例としては、ビスフェノールAとテレフタル酸または
イソフタル酸とによるポリエステル樹脂およびコポリエ
ステル樹脂を挙げることができる。これらのうち、特に
好ましいものはPETおよびPBTである。
【0020】本発明において、共重合体(A)または
(C)の使用量は2〜50重量部であり、好ましくは5
〜45重量部、さらに好ましくは10〜40重量部であ
る。2重量部未満では組成物の制振性が低く、また50
重量部を超えると制振性複合物の耐衝撃性が低くなる。
一方、熱可塑性樹脂(B)の使用量は50〜80重量
部、好ましくは55〜95重量部、さらに好ましくは6
0〜90重量部である。
【0021】本発明の制振性複合物は、特有の充填剤
(G)を混合することにより優れた制振性、物性耐衝撃
性と剛性、成形加工性を発揮する。請求項(1)、
(2)、(3)における充填剤(G)は平均径0.1〜
800μmであり、一つ当りの充填剤において、最も長
いところを長径(t)といい、最も短いところを短径
(d)とするとき、t/dが1.5〜8である。この条
件を満足する充填剤であれば有機物でも無機物でもよ
い。また、形状も繊維状のもの、鱗片状のもの、その他
どのような形状でもよい。繊維状のものとしては、ガラ
ス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維などがあ
る。鱗片状のものとしては、雲母、ガラスフレーク、マ
イカなどがある。その他、ホイスカー、針状の金属酸化
合物なとの塊がある。
【0022】鱗片状(平板)のものは制振性はよいが、
物性、成形加工性は平均径とl/dに依存する。繊維状
のものは、剛性はよく発揮されるが、耐衝撃性、制振性
は低い。すなわち、l/dの値に依存する。充填剤の平
均径は0.1〜800μmであり、好ましくは0.1〜
700μm、さらに好ましくは0.1〜600μmであ
る。平均系が0.1μm未満では耐衝撃性が低く、また
800μmを超えると制振性と耐衝撃性、剛性が低い。
充填剤のl/dは1.5〜8である。好ましくは1.5
〜7、さらに好ましくは1.5〜6.5である。l/d
が1.5未満では耐衝撃性と剛性が低く、またl/dが
8を超えると制振性と成形加工性が悪くなる。
【0023】次に請求項(2)の共重合体(C)につい
て説明する。共重合体(C)は、脂肪族共役ジエン系単
量体、芳香族ビニル径単量体およびこれらと共重合可能
な単量体から構成されている。脂肪族共役ジエン系単量
体、芳香族ビニル系単量体は、請求項1と同様のものが
挙げられる。共重合体(C)において、脂肪族共役ジエ
ン単量体の使用量は5〜60重量%、好ましくは5〜5
0重量%、さらに好ましくは10〜40重量%であり、
芳香族ビニル系単量体の使用量は40〜95重量%、好
ましくは50〜90重量%、さらに好ましくは60〜9
0重量%である。脂肪族共役ジエン系単量体が5重量%
未満では制振性複合物の耐衝撃性が低く、また60重量
%を超えると複合物の制振性が低くなる。(c)成分を
構成する共重合体は、脂肪族共役ジエン系単量体と芳香
族ビニル系単量体のランダム共重合体、ブロック共重合
体またはこれらの水添物のいずれでもよいが、Tgが0
℃以上であることが好ましい。
【0024】ジエン系重合体としては、具体的には少な
くとも1個の下記ブロックAまたは下記ブロックCと、
少なくとも1個の下記ブロックBまたはブロックA/B
とを含んでなる共重合体、あるいはブロックBもしくは
A/Bによるジエン系重合体である。その具体的構成
は、 A;ビニル芳香族化合物重合体ブロック、 B;共役ジエン重合体ブロック、 A/B;ビニル芳香族化合物/共役ジエンのランダム共
重合体ブロック、 C;共役ジエンとビニル芳香族化合物の共重合体からな
り、かつビニル芳香族化合物は漸増するテーパーブロッ
ク、とそれぞれ定義すると、次のような構造のものが挙
げられる。 (1)A−B (2)A−B−A (3)A−B−C (4)A−B1 −B2 (ここで、B1 のビニル結合含量
は好ましくは20%以上、B2 のビニル結合含量は20
%未満) (5)B (6)A/B (7)A−A/B (8)A−A/B−C (9)A−A/B−A (10)B2 −B1 −B2 (ここで、B1 、B2 は前記
に同じ) (11)C−B (12)C−B−C (13)C−A/B−C (14)C−A−B
【0029】また、これらの基本骨格を繰り返し有する
共重合体を挙げることができ、さらにこれらをカップリ
ングして得られるジエン系重合体であってもよい。な
お、ジエン系重合体として、前記(4)〜(8)のもの
を用いると、一段と優れた本発明の目的とする複合物が
得られる。特に、(6)〜(8)のジエン系重合体は低
温特性、疲労特性に優れたものが得られるので好まし
い。前記(4)A−B1 −B2 の構造のものについて
は、特開平2−133406号公報、前記(5)Bおよ
び(6)A/Bの構造のものについては、特開昭63−
127400号公報に開示されている。また、前記
(7)A−A/Bおよび(8)A−A/B−Cの構造の
ものについては、特開平2−305814号公報に開示
されている。
【0025】また、これらと共重合することができる共
単量体としては、シアン化ビニル系単量体、エチレン性
不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステル単量体、
エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体、エチレン性
不飽和酸単量体、エチレン性不飽和スルホン酸エステル
単量体、エチレン性不飽和アルコールおよびそのエステ
ル単量体、エチレン性不飽和エーテル単量体、エチレン
性不飽和アミン単量体、エチレン性不飽和シラン単量
体、ハロゲン化ビニル系単量体・アクリル酸エステルお
よびメタクリル酸エステル単量体であり、これらは請求
項1で説明したものである。これらは単独および2種以
上併用することができる。共重合体(C)は、共重合体
(A)と同様の重合方法で得られる。脂肪族共役ジエン
および芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体の使
用量は0〜55重量%、好ましくは0〜50重量%、さ
らに好ましくは0〜40重量%である。重合可能な共単
量体の使用量が55重量%を超えると制振性が劣る。
【0026】次に請求項(3)について説明する。本発
明の複合物に使用される(D)成分は、共役ジエン系重
合体および/またはその水素添加物である。ここで、共
役ジエン系重合体を構成する芳香族ビニル化合物および
共役ジエンとしては、請求項1と同様のものを挙げるこ
とができる。
【0027】(A)成分を構成するジエン系重合体は、
共役ジエン単独の重合体、芳香族ビニル化合物と共役ジ
エンとのブロック共重合体もしくはランダム共重合体、
またはこれらの混合物であってもよく、さらには水素添
加後、混合したものであってもよい。
【0028】
【0030】これらのブロック共重合体あるいはランダ
ム共重合体のビニル芳香族化合物/共役ジエンの割合
は、重量比で0〜50/100〜50、好ましくは5〜
45/95〜45であり、ビニル芳香族化合物を必須と
する場合、好ましくは10〜50/90〜50である。
ここで、ビニル芳香族化合物の含有量が50重量%を超
えると樹脂状となり、得られる組成物の柔軟性が低下す
る。なお、ブロック共重合体あるいはランダム共重合体
中の共役ジエン部分のビニル結合含量は、好ましくは1
0重量%以上、さらに好ましくは20〜80重量%、特
に好ましくは30〜60重量%であり、10重量%未満
では水添後の構造がポリエチレンに近くなり、複合物と
した場合に柔軟性が低下することになり、一方、60重
量%を超えると水添後はゴム的性質を失うため、やはり
柔軟性が低下して好ましくない。
【0031】また、ジエン系重合体の数平均分子量は、
好ましくは5,000〜1,000,000、さらに好
ましくは30,000〜300,000であり、5,0
00未満であると該ジエン系重合体あるいは水素添加物
がゴム状とならず液状となり、一方、1,000,00
0を超えると加工性が低下する傾向にあるので好ましく
ない。(D)成分を構成するジエン系重合体の水素添加
物は、該ジエン系重合体の共役ジエン部分の二重結合を
好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上、
特に好ましくは95%以上水素添加して得られるもので
ある。なお、このジエン系重合体を水素添加する方法に
ついては、例えば特開平2−133406号公報に詳述
されている。
【0032】次に、(E)ポリオレフィン系樹脂として
は、1種またはそれ以上のモノオレフィンを高圧法また
は低圧法のいずれかによる重合から得られる樹脂であ
る。ここで、モノオレフィンとしては、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4
−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−プロペン、
3−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセ
ン、およびそれらの混合物が挙げられ、好ましくはエチ
レン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、より好
ましくはプロピレンである。好ましいポリオレフィン樹
脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル
−1−ペンテンであり、また共重合体タイプの(E)成
分としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−
1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、および5−
メチル−1−ヘキセンの群から選ばれた少なくとも1種
が共重合されたポリプロピレンなどが挙げられる。ポリ
オレフィン系樹脂としてさらに好ましくは、ポリプロピ
レン、アイソタクティックポリプロピレン、および前記
共重合体タイプのポリプロピレンである。
【0033】本発明に使用される部分架橋物(F)は、
前記(D)、(E)成分に架橋剤を加え、一定温度の下
に混練り機を用いて剪断変形を与えながら反応させて、
ゴム部分を部分的に架橋させてなるものである。混練り
機としては、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、
一軸あるいは二軸押出機などが用いられる。ここで、使
用される架橋剤としては、通常のゴムの架橋に使用され
るもの、例えば「架橋剤ハンドブック」(山下晋三、金
子東助著、大成社刊)などに記載のものが使用できる。
【0034】この好ましい架橋剤としては、イオウ、イ
オウ化合物、p−ベンゾキノンジオキシム、p,p′−
ジベンゾイルキノンジオキシム、4,4′−ジチオ−ビ
ス−ジモルホリン、ポリ−p−ジセニトロソベンゼン、
テトラクロロベンゾキノン、アルキルフェノール−ホル
ムアルデヒド樹脂、臭素化アルキルフェノール−ホルム
アルデヒド樹脂などの樹脂架橋剤、アンモニウムベンゾ
エート、ビスマレイミド化合物、ジエポキシ化合物、ジ
カルボン酸化合物、ジオール化合物、ジアミン化合物、
アミノ樹脂、有機金属塩、金属アルコキシド、有機金属
化合物、有機過酸化物などが挙げられる。
【0035】これらの架橋剤は、単独であるいは混合し
て使用することができる。また、架橋剤の種類によって
は、他の化合物と組み合わせて使用することにより、さ
らに効率よく架橋が進行する場合がある。特に、イオウ
あるいはイオウ化合物を架橋剤として使用する場合に
は、イオウの架橋反応を促進する加硫促進剤、加硫促進
助剤、活性剤を併用することが望ましく、適切な組み合
わせ、使用量などは、例えば前述の文献を活用して決定
することができる。また、有機過酸化物を架橋剤として
用いる場合には、架橋助剤を併用する方法が好ましい。
【0036】この架橋助剤としては、イオウ、ジペンタ
メチレンチウラムペンタスルフィド、メルカプトベンゾ
チアゾールなどのイオウ化合物、オキシムニトロソ化合
物、エチレングリコールジメタクリレート、アリールメ
タクリレート、トリアリールシアヌレート、ジアリール
フタレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、ジビニルアジペート、無水マレイン酸、ビスマレイ
ミド化合物、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、ジビニルベンゼンなどの単量体類、液状ポリブタジ
エン、液状スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ1,2
−ブタジエンなどのポリマー類が挙げられる。
【0037】適切な架橋系の選択および使用量は、前述
の文献などを参考として決定することが望ましい。通常
は、(D)、(F)成分100重量部に対して架橋剤
0.1〜8重量部、加硫促進剤0.1〜10重量部、加
硫促進助剤0.5〜10重量部、活性剤0.5〜10重
量部、架橋助剤0.1〜20重量部の範囲で適宜使用さ
れる。なお、本発明において部分架橋とは、組成物中の
ゴム成分が射出成形が可能な状態を保ちつつ架橋された
状態を示す。
【0038】ここで、混練り温度は120〜300℃、
好ましくは150〜250℃であり、混練り時間は任意
であるが、通常、15秒〜30分程度である。また、架
橋度は架橋剤量、架橋助剤量、混練り温度、混練り時間
などに依存するので、それぞれの組み合わせについては
最適条件を求める必要がある。架橋度としては、下記式
で表わされるシクロヘキサン不溶分を架橋度の目安とす
ることが好ましい。 不溶分(重量%)=[(Wex−Wpp−Wadd)/
Wrb]×100 [式中、Wexはシクロヘキサン抽出後のポリマー
[(D)、(E)成分]量、Wppは(E)成分量、W
addは(D)、(E)成分以外の添加剤中のシクロヘ
キサン不溶分、Wrbは(D)成分量を示す。]なお、
抽出は60℃のシクロヘキサン中で4時間抽出を実施し
たものである。
【0039】本発明に使用される部分架橋物のシクロヘ
キサン不溶分は、好ましくは70重量%以上、さらに好
ましくは80重量%以上、特に好ましくは85〜100
重量%であり、70重量%未満では、得られる組成物の
耐衝撃性が低下する。部分架橋物中における(D)成分
/(E)成分の重量比は、5〜75/95〜25重量
%、好ましくは10〜70/90〜30重量%である。
(D)成分が5重量%未満では組成物の耐衝撃性が低
く、一方、75重量%を超えると制振性が低下する。ま
た、本発明の制振性複合物中における前記(D)、
(E)成分からなる部分架橋物と(B)熱可塑性樹脂の
割合は、5〜50/95〜50重量部、好ましくは10
〜45/90〜55重量部(但し、D+E=100重量
部)である。部分架橋物が5重量部未満では耐衝撃性が
低く、一方、50重量部を超えると剛性率が低くなり、
樹脂でなくなる。
【0040】本発明の制振性複合物には、前記部分架橋
物と(B)熱可塑性樹脂とを加熱混合する際に、これら
の配合系に、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸な
どのカルボキシル基含有不飽和化合物、無水マレイン
酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有不飽和化合
物、ビニルオキサゾリンなどのオキサゾリン基含有不飽
和化合物、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジ
ルエーテルなどのエポキシ基含有不飽和化合物などを添
加してもよい。これらの不飽和化合物を添加することに
より、得られる制振性複合物の諸特性を一段と向上させ
ることができる。
【0041】本発明の制振性複合物は、(A)+(B)
/(G)、(C)+(B)/(G)、(F)+(B)/
(G)などと必要に応じで使用される各種添加剤とを、
例えば単軸押出機、二軸押出機、ラバーミル、ブラベン
ダーミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ミ
キシングロールなどを用いて加熱混合ことによって製造
される。得られる組成物は、ロール、押出機、射出成形
機により成形され制振材として用いられる。一例とし
て、本発明の制振複合物の製造について述べると、L/
D(L;スクリューの長さ、D;直径)の大きな押出機
を用いて、(A)+(B)/(G)、(C)+(B)/
(G)を混練りする。また、(D)と(E)成分を混合
して押出機を通し、押出機の途中かつ(B)熱可塑性樹
脂(G)を投入して混練りし、製造してもよい。
【0042】
【実施例】共重合体(A)および(C)の製造 反応容器に重量水200部、炭酸カリウム0.2部、酸
性亜硫酸ナトリウム0.03部、ラウリル酸ナトリウム
2.0部、加硫酸カリウム0.3部、および表1に示し
た単量体を仕込み、50℃で5時間重合した。
【0043】
【表1】
【0044】実施例1〜18、比較例1〜13 表1の共重合体、ナイロン−6、ガラス繊維、フレーク
ビーズを表2、3、4、5に示す配合で混練りし、ペレ
ットを作成し、これを射出成形し、テストピースを作成
した。 ナイロン−6;アラミドケミカル製 PBT;ポリプラ製 PC;出光製 A−3000 AS樹脂;JSR製
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】・耐衝撃性(アイゾット衝撃強度) ASTM D−256に準じて測定した。(kg・cm/c
m、ノッチ付) ・曲げ弾性率 ASTM D−760に準じて測定した。(kg/mm2 ) ・MFR JIS K7210に準じて測定した。 ・損失係数;厚さ2mmのシートを用いて共振法で測定
した。
【0050】(A)成分の製造 乾燥チッ素ガスで置換した耐圧反応容器を用い、シクロ
ヘキサンを溶媒として、重合触媒にn−ブチルリチウ
ム、ビニル化剤にTMEDAを用い、スチレン、イソプ
レン、スチレンの順に添加し重合し、A−B−A型ブロ
ック共重合体を得た。このブロック共重合体の数平均分
子量は150,000、ポリスチレンブロックの数平均
分子量は11,000、ポリイソプレンブロックの数平
均分子量は128,000、ビニル結合含量は76%で
あった。 (D−2−1)前記(A−1−1)をシクロヘキサン中
でPd−Cを水素化触媒として、水素圧20kg/cm
2 で水添反応を行なった。水添率は75%であった。 (D−2−2)A−B−Cからなるブロック共重合体
で、ブロックAがポリスチレンブロック、Bがスチレン
−ブタジエンランダム共重合体ブロック、Cがスチレン
が漸増するスチレン−ブタジエン共重合体ブロックであ
り、ブロック共重合体全体のスチレン含量が15%、ブ
ロックAの結合スチレン含量が5%、ブロックBのブタ
ジエン結合含量が80%、ブロック共重合体全体の数平
均分子量が160,000、水添率98%のもの。
【0051】(E)成分 ポリプロピレン(東ソ製、J5010B) 実施例19〜25、比較例14〜20 表7、8に示す配合処方のものを押出機を用いて250
℃でペレット化し、ペレットを用いて射出成形機により
射出成形し、試験片を作成した。物性結果を表7、8に
示す。
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】
【表8】
【0055】(C)成分の合成(c−1) 10リットルのオートクレーブに脱気脱水したシクロヘ
キサン5Kg、スチレン800gおよび1,3−ブタジ
エン200gを仕込んだ後、テトラヒドロフラン200
gおよびn−ブチルリチウム0.62gを加え、重合温
度15℃から昇温重合を行った。転化率がほぼ100%
となった後、リビングリチウム量を測定したところ2.
9ミリモルであった。この系内にベンゾフェノン0.5
3gをオートクレーブに添加し、10分間攪拌した。次
に20ミリリットルのシクロヘキサンに溶かしたベンゾ
フェノン0.25gとn−ブチルリチウム0.08gを
窒素雰囲気下で予め20分間反応させた反応生成物を仕
込み、さらに0.10gのビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロリドと10ミリリットルのトルエ
ンに溶かしたジエチルアルミニウムクロリド0.36g
を窒素雰囲気下で予め混合した成分を仕込み、攪拌した
後、水素ガスを8kg/cm2Gの圧力で供給し、90
℃で2時間反応を行い、反応を完結させた。得られた重
合体(c−1)の水添率は、99%、重合体の水添前
1,2−ビニル結合量は35%、数平均分子量は18
万、結合スチレン含量は80%のランダム構造であっ
た。
【0056】(C)成分の合成(c−2) 10リットルのオートクレーブに脱気脱水したシクロヘ
キサン5Kg、スチレン200gを仕込んだ後、テトラ
ヒドロフラン200gおよびn−ブチルリチウム0.6
2gを加え、重合温度70℃の等温重合を行った。転化
率がほぼ100%となった後、反応液を15℃とし、ス
チレン600gと1,3−ブタジエン200gを添加
し、昇温重合を行った。重合添加率がほぼ100%とな
った後、リビングリチウム量を測定したところ2.8ミ
リモルであった。この系内にベンゾフェノン0.51g
を添加し、10分間攪拌した。次に20ミリリットルの
シクロヘキサンに溶かしたベンゾフェノン0.26gと
n−ブチルリチウム0.08gを窒素雰囲気下で予め2
0分間反応させた反応生成物を仕込み、さらに0.10
gのビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリ
ドと10ミリリットルのトルエンに溶かしたジエチルア
ルミニウムクロリド0.36gを窒素雰囲気下で予め混
合した成分を仕込み、攪拌した後、水素ガスを8kg/
cm2Gの圧力で供給し、90℃で2時間反応を行い、
反応を完結させた。得られた重合体(c−2)の水添率
は、99%、重合体の水添前1,2−ビニル結合量は3
2%、数平均分子量は19万、結合スチレン含量は80
%であり、ブロック部分のスチレンが20%、ランダム
部分のスチレンが80%であった。
【0057】(C)成分の合成(c−3) 押出機(40m/m径)中で重合体(c−1)100重
量部、無水マレイン酸重量部およびパーオキサイド(カ
ヤヘキサAD−40C 化薬アクゾ(株)製)0.1重
量部を温度200℃で混練し、重合体(c−1)を無水
マレイン酸で変性した重合体(c−3)を得た。
【0058】(C)成分の合成(c−4) 押出機(40m/m径)中で重合体(c−2)100重
量部、無水マレイン酸重量部およびパーオキサイド(カ
ヤヘキサAD−40C 化薬アクゾ(株)製)0.1重
量部を温度200℃で混練し、重合体(c−2)を無水
マレイン酸で変性した重合体(c−4)を得た。
【0059】実施例26〜34および比較例21〜22 押出機(40m/m径)中で重合体(c−1)〜(c−
4)と熱可塑性樹脂とを表9および表10に示す配合割
合で配合しペレットを作成した。得られたペレットを射
出成形して試験片を作成し、物性を測定した。結果は表
9および表10に示す。なお、熱可塑性樹脂としては以
下のものを使用した・ ABS樹脂:JSR ABS15(日本合成ゴム株式会
社製) PC(ポリカーボネート):パンライト L1225
(帝人株式会社製) PBT(ポリブチルフタレート):PBT C7000
(帝人株式会社製)
【0060】
【表9】
【0061】
【表10】
【0062】
【発明の効果】本発明の制振複合物は優れた物性、加工
性をもち、振動、騒音の発生を低減する材料であり、自
動車用部品、電気・電子部品、OA機器部品に有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 47/00 LKJ 7211−4J 101/00 LSZ 7242−4J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸エステル単量体および/また
    はメタクリル酸エステル単量体10〜95重量%と他の
    共単量体90〜5重量%とからなるガラス転移点が0℃
    以上の共重合体(A)2〜50重量部と熱可塑性樹脂
    (B)98〜50重量部とからなる樹脂(A+B)10
    0重量部に、平均径0.1〜800μmであり、かつ充
    填剤1つを取り出したとき、最も長い両端距離をt、最
    も短い距離をdとした場合の長径(t)/短径(d)が
    1.5〜8の充填剤(G)2〜250重量部を混合する
    ことを特徴とする制振性複合物。
  2. 【請求項2】 脂肪族共役ジエン系単量体5〜60重量
    %、芳香族ビニル系単量体95〜40重量%およびこれ
    らと共重合可能な単量体0〜55重量%からなる共重合
    体および/またはその水添物(C)2〜50重量部と熱
    可塑性樹脂(B)98〜50重量部とからなる樹脂(C
    +B=100)100重量部に、請求項(1)の充填剤
    (G)0〜250重量部を混合することを特徴とする制
    振性複合物。
  3. 【請求項3】 芳香族ビニル化合物0〜50重量%と共
    役ジエン100〜50重量%からなる共役ジエン系重合
    体および/またはその水素添加物(D)5〜75重量%
    とポリオレフィン系樹脂(E)95〜25重量%[ただ
    し、(D)+(E)=100重量%]との部分架橋物
    (F)5〜50重量部と熱可塑性樹脂(B)95〜50
    重量部とからなる樹脂100重量部に、請求項(1)の
    充填剤(G)2〜250重量部を混合することを特徴と
    する制振性樹脂複合物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009108130A (ja) * 2007-10-26 2009-05-21 Daicel Polymer Ltd 押出成形機加工用の樹脂組成物とその成形加工方法

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