JPH0627560A - ハロゲン化銀感光乳剤の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀感光乳剤の製造方法

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JPH0627560A
JPH0627560A JP5108171A JP10817193A JPH0627560A JP H0627560 A JPH0627560 A JP H0627560A JP 5108171 A JP5108171 A JP 5108171A JP 10817193 A JP10817193 A JP 10817193A JP H0627560 A JPH0627560 A JP H0627560A
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JP
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emulsion
silver halide
acid
ripening
ripening agent
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JP5108171A
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Inventor
Arthur Herman Herz
ヘルマン ヘルツ アーサー
Roger L Klaus
ロジャー クラウス リー
George J Burgmaier
ジョージ バーグメイアー ジョン
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Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/015Apparatus or processes for the preparation of emulsions

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  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ハロゲン化銀感光乳剤の製造方
法、乳剤それ自体、及びかかる乳剤を担持する支持体を
有する写真要素に関し、分光増感の妨害を防止しかつ乳
剤の貯蔵カブリを抑制できる乳剤の製造方法を提供する
ことを目的とする。 【構成】 本方法は、ハロゲン化銀感光乳剤の製造方法
であって、酸置換有機熟成剤及び分散媒体を含んでなる
乳剤を調製し;pH2〜4.6で前記乳剤中のハロゲン化
銀粒子を成長させ;そして前記成長後に前記乳剤のpHを
5.3〜7の値に調整して前記粒子の更なる成長を抑制
しかつ塗布及び貯蔵後の前記乳剤のカブリを抑制するこ
とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀感光乳
剤、及び更に詳細にはかかる乳剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】写真乳剤の製造は、保護分散媒体中のハ
ロゲン化銀微結晶の分散体の形成から開始する。これら
の微結晶の形成に引き続いて又は形成と同時に、ハロゲ
ン化銀溶剤が導入されて、溶解、再結晶、及び個々のハ
ロゲン化銀粒子の所望結晶(粒子)サイズへの成長が可
能となる。この工程は物理的熟成として知られており、
典型的にハロゲン化銀結晶のサイズを増大させるために
行われる。何故なら、写真感度は粒子サイズが増すと共
に増加するからである。広範囲の各種化学物質がハロゲ
ン化銀用の溶剤として機能する;多くのものはT.H.
James編、The Theory of the
Photographic Process,第4版、
Macmillan,New York,1977、9
頁に列挙されている。ハロゲン化銀溶剤はまたOstw
ald熟成剤、熟成剤、結晶成長調整剤、定着剤及び成
長促進剤としても知られている。
【0003】ハロゲン化銀結晶のサイズを増大させるこ
とに加えて、明らかに固定した結晶寸法での熟成剤によ
る再結晶反応はまた、ハロゲン化銀形態構造を修正し、
結晶欠陥濃度を変更し、そして増感種、例えば、銀又は
硫化銀群のハロゲン化銀結晶格子中への取込みを促進す
ることも知られている。これらの熟成剤により引起され
る変化はハロゲン化銀乳剤の写真感度を高める傾向があ
り、そして、これらの変化にはハロゲン化銀の成長に関
与する再結晶現象が含まれるので、これらの現象は、以
下のハロゲン化銀成長に関する検討及び特許請求の範囲
に含める。
【0004】有効であると報告されている物質の中で、
熟成剤は、G.F.Duffin,Photograp
hic Emulsion Chemistry,Fo
cal Press Ltd.,London,196
6、60〜62頁に記載されているような、過剰のハロ
ゲン化物イオン及びアンモニア、及び米国特許第3,3
20,069号に開示されているようなチオシアネート
イオンである。多くの有機化合物が熟成剤として機能す
ることが報告されている。例えば、米国特許第3,27
1,157号及び米国特許第3,574,628号明細
書はハロゲン化銀写真乳剤用の熟成剤としてチオエーテ
ル化合物の使用を開示しており、米国特許第4,78
2,013号明細書は、この目的のために、酸素、イオ
ウ及びセレンを含有する大環状エーテル化合物の使用を
開示している。
【0005】ハロゲン化銀溶剤又は熟成剤は一般にAg
+ イオンのためのリガンドであり、このリガンドはAg
+ イオンと結合して溶解性Ag+ 付加物又は錯体イオン
を形成する。熟成剤はハロゲン化銀粒子のサイズ、分散
性、及び形態構造性の制御、並びに混合ハロゲン化銀組
成物中の特定のハロゲン化物化合物の配置を決定するの
に極めて有用であるが、それらはまた保存中の乳剤につ
いての問題を引起こす。具体的には、ハロゲン化銀粒子
の形成及び成長後の乳剤に残留する熟成剤は、化学増感
速度、分光増感の妨害速度を変化させることがあり、そ
して乳剤、特に支持体上に塗布した乳剤の貯蔵の際のカ
ブリ形成を促進することがある。
【0006】これらの望ましくない影響を回避するため
に、洗浄のような精製操作により、ハロゲン化銀粒子の
形成及び成長後の乳剤から有機熟成剤を除去するための
努力が多数行われてきた。しかしながら、これらの熟成
剤は、多くの場合、それらの比較的低い水溶解性及びそ
れらのハロゲン化銀に対する親和性のために、十分な洗
浄操作によっても乳剤から完全に除去することはできな
い。米国特許第4,665,017号明細書は、残留熟
成剤を酸化プロセスを通じて不活性化することによりこ
の困難性を克服するよう提案している。しかしながら、
この方法は、乳剤中のゼラチンもまた酸化で不可逆変化
をおこすという不都合がある。更に、ある熟成剤、例え
ば、チオ尿素化合物は、酸化すると、減感及びカブリ形
成についての活性が増加した生成物を生じる。
【0007】残留ハロゲン化銀溶剤の望ましくない影響
を克服する別の方法は、乳剤安定剤及びカブリ防止剤の
添加である。しかしながら、かかる添加は分光増感を妨
害する傾向があり、乳剤感度の低下を招くことがある。
有機ハロゲン化銀溶剤又は熟成剤は2つのタイプに分け
ることができる:中性及び酸置換熟成剤である。中性熟
成剤は、非荷電であるか、又は同数の正イオン電荷と負
イオン電荷を担持する化合物、すなわち両性イオンであ
る。酸置換熟成剤は共有結合された酸性官能基を含む化
合物であって、pH7以下で脱プロトン化すると分子に負
電荷を付与するものである。これらの2種類の熟成剤の
例としては、中性化合物であるエタノールアミン及びそ
の酸置換類縁体であるグリシンが挙げられる。両方の化
合物は同様の安定性を有するAg+ 錯体を生成しそして
AgBr乳剤を熟成することができる。しかしながら、
希アルカリ性溶液では、その酸性官能基が脱プロトン化
されると、グリシンは中性エタノールアミンよりはるか
に遅くAgBrを溶解する(D.Shiao,L.Fo
rtmiller,及びA.Herz,J.Phys,
Chem,1975,79,816)。
【0008】同様に、米国特許第4,749,646号
明細書は、N,N,N′,N′−テトラメチルチオ尿素
が、等価円直径により測定するものとして、そのN,
N′−ジカルボキシメチル−N,N′−ジメチル置換類
縁体と比較して、ハロゲン化銀粒子成長を促進すること
を開示している。反対に、テトラメチルチオ尿素により
誘起される高レベルの貯蔵カブリ及びハロゲン化銀の分
光増感の妨害は、そのN,N′−ジカルボキシエチル−
N,N′−ジメチル類縁体と代えると低減する。
【0009】米国特許第4,695,535号及び米国
特許第4,865,965号各明細書もまた酸置換有機
熟成剤について開示している。米国特許第4,695,
535号明細書に開示されている熟成剤はカルボキシ置
換基を含有するアクリルチオエーテル化合物であり;米
国特許第4,865,965号明細書に開示されている
酸置換熟成剤は環状エーテルである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】引用した従来技術によ
れば、その中性類縁体と比べて、酸置換熟成剤は、4.
6以上のpHでの通常の条件下で塗布した場合、色素増感
への影響が少なくそしてまた貯蔵カブリを引起こすこと
も少ないことが、明らかである。しかしながら、このよ
うな条件下では、酸置換熟成剤は実質的にそのアニオン
状態で存在し、したがってハロゲン化銀成長の促進剤と
しての活性が低くなるという著しい不都合が生じること
が多い。従って、写真系における酸置換熟成剤を使用す
る際の障害を克服することが本発明の主な目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハロゲン化銀
感光乳剤の製造方法、乳剤それ自体、及びかかる乳剤を
担持する支持体を有する写真要素に関する。本方法の第
1工程は、酸置換有機熟成剤及び分散媒体を含有する乳
剤の調製である。ハロゲン化銀粒子を次にpH2〜4.6
の乳剤中で成長させる。ハロゲン化銀粒子が十分に成長
してから、乳剤のpHを塗布前に5.3〜7の値に調整し
て、粒子の更なる成長を抑制して、分光増感の妨害を防
止し、かつ乳剤の貯蔵カブリを制限する。
【0012】操作 本発明は、ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法に関する。
最初に酸置換有機熟成剤及び分散体を含有する乳剤を調
製する。ハロゲン化銀粒子を次に2〜4.6pHの乳剤中
で成長させる。適切なレベルの成長が達成されてから、
乳剤pHを5.3〜7の値まで高めて粒子の更なる成長を
抑制する。pHを高めるこの工程により、色素増感が改良
されそして得られるハロゲン化銀乳剤の貯蔵カブリが抑
制される。
【0013】適切な酸置換有機熟成剤はエーテル化合物
の分類に属する。この分類の中には、前述の米国特許第
3,271,157号及び米国特許第3,574,62
8号明細書のチオエーテル類、前述の米国特許第4,7
82,013号明細書の大環状エーテル類、米国特許第
5,028,522号明細書のセレノエーテル類、及び
米国特許第5,004,679号に開示されているチオ
−、セレノ−及びテルロ−エーテル化合物、及び米国特
許第4,695,535号及び米国特許第4,865,
965号各明細書の前述のエーテル類が含まれる。酸基
で置換されてもよい他の有用な熟成剤は、チオール類
(メルカプタン類)及びそれらのセレン類縁体、すなわ
ちセレノール類、並びに環状及び非環式チオアミド類で
あり、前述の米国特許第4,749,646号、米国特
許第3,536,487号、及び米国特許第3,59
8,598号各明細書並びに英国特許公報第1,58
6,412号に記載されているものが含まれる。同様
に、トリアゾリウムチオレートの分類に属する適切な酸
置換熟成剤及びハロゲン化銀溶剤は、米国特許第4,3
78,424号;米国特許第4,631,253号;米
国特許第4,675,276号各明細書で検討されてい
る。熟成剤の酸基は、1〜8、好ましくは3〜6の酸解
離定数、pKaを有するべきである。
【0014】酸置換有機熟成剤に含まれるAg+ 結合部
位は特に制限されない。好ましい部位は周期律表の第V
族の原子、好ましくは窒素又はリン化合物、例えば、ア
ミン類及びホスフィン類、及び第VI族の原子、特にイオ
ウ、セレン及びテルルである。イオウ及びセレンは特に
好ましいAg+ 結合部位である。特に好ましい酸置換有
機熟成剤は、式(I)又は(II):
【0015】
【化1】
【0016】前記式中、各Aは独立して共有結合化酸性
置換基であり、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 及びR6
は各々、独立して炭素原子数1〜6個の炭化水素又はフ
ルオロカーボンであり、これらの基は、非置換又はハロ
ゲン、酸素、イオウ及び窒素からなる群から選ばれるヘ
テロ原子を含む中性官能基1個又はそれ以上で置換され
ており;Xは、S,Se、及びTeからなる群より選択
され;Yは、O,S,Se及びTeからなる群より選ば
れ;a,b,cは独立して0,1又は2であり、そして
a,b又はcの少くとも1個はゼロより大きく;m及び
nは独立してゼロ又は1〜6の整数であり;Zは、O,
S,Se,Te及び−NR7(A)gよりなる群から選ば
れ、ここでR7 は、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 及び
6 について述べたような、置換もしくは非置換の低級
炭化水素基であり;そしてd,e,f及びgは独立して
0又は1であり、かつ、d,e,f及びgの少くとも1
つは1である、を有する。
【0017】先に述べたように、酸置換有機熟成剤は、
共有結合酸基を含有し、この基はpH7以下で脱プロトン
化すると分子上に負電荷を付与する。かかる酸置換基と
しては、−CONHOH,−OPO(OR′)OH,−
PO(OR′)OH,−COOH,−SO3 H,−SO
2 H,−SeO3 H,−SeO2 H,−CH(C
N) 2 ,−SH,−SO2 SH,−SeH,−SO2
eH,−CONHCOR′,−CONHSO2 R′,−
SO2 NHSO2 R′、及び−CR′=NOH(式中、
R′は水素又は低級アルキルもしくはアリールである)
が挙げられる。
【0018】熟成剤上のR1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5
及びR6 置換基は各々独立して炭素原子数1〜6個の炭
化水素基又はフルオロカーボン基であり、これらの基は
非置換であってももしくは置換されていてもよい。置換
されている場合は、ハロゲン、酸素、硫黄及び窒素から
なる群より選ばれるヘテロ原子を含有する1個又はそれ
以上の中性官能基が適切である。特に有用な官能基は、
独立して−OH,−COR9 ,−OR9 ,−CONHR
9 ,−SO2 NHR9 及び−SO2 9 からなる群より
選ばれ、式中、R9 は、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5
及びR6 について述べたような非置換もしくは置換の低
級炭化水素基である。R1 はR2 又はR 3 と結合して3
6未満の環原子を有する環状基を形成することもでき
る。R2 は、1個又はそれ以上の、−CO−,−O−,
−CONR8 −,−S(O)−,−S(O2 )−、又は
−SO2 NR8 −からなる群より選ばれる二価の基又は
原子を有することができ、式中、R8 は、R1 ,R2
3 ,R4 ,R5 及びR6 について述べたような置換も
しくは非置換の低級炭化水素基である。R4 とR6 、又
はR4 とR5 は結合して5−もしくは6員環、例えば、
アゾール、イミダゾリジン、チアゾリジン、チアゾリン
又はモルホリンを形成することができる。
【0019】本発明において有用な酸置換有機熟成剤の
具体例を表Iに示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】本発明方法は、ハロゲン化銀乳剤の形成、
成長又は増感のいずれの時点でも、各種の環化及び酸置
換熟成剤の活性制御のために用いることができる。乳剤
の酸性度は、酸添加により2〜4.6の範囲のpH値に調
整するが、この値は1mMの遊離酸濃度に相当する。酸濃
度についての前記の又は以下の記載では、各1グラム分
子の酸は一個のプロトンH+ を与えると仮定する。pH3
の酸性度では、酸置換熟成剤の成長促進活性は最高に近
くなり;酸性度が低下するにつれて活性は減少し、遂に
は遊離酸の濃度は約0.025mMの濃度、すなわち、pH
4.6に相当する値まで低下する。この酸性環境を与え
るのに好ましい酸は、銀イオンと反応しないもの、例え
ば、硝酸、過塩素酸、硫酸及びアレンスルホン酸類であ
る。乳剤の塗布及び貯蔵前に、乳剤中の酸濃度を0.0
05mM未満、すなわち、プロトンと水酸化物イオンの濃
度が互いに近似又は等しくなるまで更に低下させるが、
この条件は5.3〜7のpH範囲で達成される。典型的値
はpH6付近である。このpH調整により、熟成剤の活性は
低下し、貯蔵カブリについて塗布乳剤を安定化する。好
ましいアルカリは水酸化ナトリウム及びテトラメチルア
ンモニウム水酸化物のような塩基類である。
【0023】2〜4.6の近似pH範囲でハロゲン化銀成
長を促進するための酸置換熟成剤を活性化するのに選ば
れる具体的な酸性度は、ハロゲン化銀材料の要件及びま
た熟成剤濃度、熟成剤の置換基、温度、銀ポテンシャル
(pAg)、ハロゲン化銀組成並びに色素、カプラー、
カブリ防止剤等のような他の乳剤成分の特性に左右され
る。同様に、同一の変動要素が、pH5.3〜7の範囲で
熟成剤を不活性するための正確なpHを選択するのに適用
される。
【0024】分散体媒体の酸性度を変化させることによ
り、乳剤中の酸置換熟成剤の活性及び得られるセンシト
メトリ挙動を改良するために、アルカリもしくは酸含有
溶液の添加以外の各種の方法を用いることができる。こ
れらの方法としては、酸蒸気もしくは塩基蒸気への露
出、イオン交換材料の使用、又は酸もしくは塩基を放出
して写真組成物中で分解する化合物の使用が挙げられ
る。
【0025】酸置換有機熟成剤を含有する分散媒体中で
のハロゲン化銀乳剤の調製において、pH2〜pH4.6に
相当する10〜0.025mMの近似範囲に酸濃度を調整
しながらこれらの成分を添加するのには各種方法を用い
ることができる。例えば、分散媒体を調製後に、分散体
のpHを2〜4.6の値に調整し、次いで熟成剤を添加す
ることができる。あるいは、かかるpH調整を、熟成剤の
分散媒体への添加後に行うこともできる。
【0026】本発明方法においては、乳剤中のハロゲン
化銀濃度は、10-5〜5モル/リットル、好ましくは1
-3〜2モル/リットルとすることができる。酸置換有
機熟成剤の濃度は、ハロゲン化銀1モル当り10-6〜1
-1モル、好ましくはハロゲン化銀1モル当り10-4
10-2モルとすることができる。乳剤のハロゲン化銀粒
子は、30°〜90℃、好ましくは35°〜70℃の温
度で改良することができる。
【0027】本発明方法により成長させるハロゲン化銀
粒子は、平板状及び針状をはじめとする任意の結晶型も
しくは形状の塩化銀、ヨウ化銀又は臭化銀であってよ
い。ハロゲン化銀はまた混合ハロゲン化物組成物、例え
ば、ヨウ臭化物又は少くとも50モル%の塩化銀を含有
する塩化物に富む組成物からなってもよい。混合ハロゲ
ン化物組成物において、各種ハロゲン化銀は結晶中ラン
ダムに分布してもよいし、あるいは例えば、塩化銀コア
及び8モル%臭化銀シェルを有する乳剤であってヨウ化
銀の表面層が1モル%を超えない乳剤のようにそれらの
位置が特定されていてもよい。
【0028】pH2〜4.6でのハロゲン化銀粒子の成長
は、当該技術分野において一般に知られている任意の方
法により行うことができ、乳剤形成、調製及び増感の任
意の工程で達成することができる。この方法では、熟成
剤の不存在下で形成されたハロゲン化銀乳剤の成長が含
まれ、この方法では、ハロゲン化銀形成の完了後、酸置
換熟成剤を乳剤に添加し、この乳剤は場合により他の添
加物、例えば、分光増感剤又は化学増感剤、又は成長改
良剤、例えば、アザインデンもしくはチオール化合物、
又は本発明の酸置換熟成剤に加えて有機熟成剤もしくは
無機熟成剤の組合せを含有してもよい。この技術分野で
公知のハロゲン化銀形成用のシングルジェット法及びマ
ルチジェット法もまた含まれ、後者の中ではダブルジェ
ット法が好ましい。
【0029】所定の銀ポテンシャル(pAg)及び温度
で写真乳剤中にハロゲン化銀結晶を形成するために用い
られる具体的方法とは別に、酸置換熟成剤での成長プロ
セスは分散体の酸性度の可逆変化により可逆的に調整す
ることができる。2〜3のpH範囲で成長は最高であり、
pH3〜約pH4.6の近似範囲で酸性度が低下すると共に
成長も減少し、pH値5.3以上で大巾に抑制される。こ
れらのpH変化及びそれに伴う成長活性度が可逆的である
ので、この活性度は、pH調整により促進及び低減間で循
環させることができ、温度、pAg、化学増感剤のよう
な他の乳剤成分の添加の断続的変動、又はpH5.3〜7
で乳剤を実際に塗布する前のジェット流速度もしくは組
成物の変動を可能にする。本発明によるハロゲン化銀乳
剤の形成及び成長は、過剰の銀イオン又は過剰のハロゲ
ン化イオンのいずれかを用いて達成できるが、成長にと
って好ましい条件は0〜500mM過剰のハロゲン化物イ
オン、好ましくは0.001〜50mM過剰のハロゲン化
物である。塗布前の乳剤精製操作は任意でありそしてゼ
ラチンは本発明のハロゲン化銀感光乳剤用の好ましいコ
ロイド及びビヒクルである。他のビヒクルはResea
rch Disclosureの第IX節、Item 3
08119、1989年12月(以下Research
Disclosureと略記する)に開示されてい
る。
【0030】本発明方法により調製される乳剤はイオン
性カブリ防止剤及び安定剤、例えば、チオール、チアゾ
リウム化合物、例えば、ベンゾチアゾリウム塩並びにそ
のセレン及びテルル類縁体、チオスルホン酸塩、アザイ
ンデン及びアゾールを含むことができる。これらのカブ
リ防止剤及び安定剤には、またその置換基によって、イ
オン性又は非イオン性である化合物群が含まれ、これら
の群としてはジスルフィド、ジセレニド及びチオンアミ
ドが挙げられる。また具体的には、非イオン性カブリ防
止剤及び安定剤、例えば、米国特許第3,396,02
8号明細書のヒドロキシカルボン酸誘導体及びLok及
びHerzの米国特許出願第493,598号明細書
(“Stabilization of Photog
raphic Recording Material
s”)のポリヒドロキシアルキル化合物が含まれる。他
のこのような薬剤はResearch Disclos
ure、第VI節に開示されている。
【0031】本発明乳剤は、化学増感剤、例えば、イオ
ウ、セレン、銀もしくは金、又はこれらの増感剤の組合
せたものに基づいたものを含有することができる。他の
増感剤はResearch Disclosure、第
III 節に開示されている。本発明方法により調製される
写真乳剤は、色素、例えば、シアニン類、メロシアニン
類、又はResearch Disclosure、第
IV節に示されている他の色素を用いて分光増感してもよ
い。
【0032】本発明方法により調製される写真乳剤はカ
ラー画像形成性カプラー、すなわち、第一アミン発色現
像主薬の酸化生成物と反応して色素を形成することがで
きる化合物を含有することができる。これらの乳剤はま
た色修正用着色カプラー又は現像抑制剤放出(DIR)
カプラーも含有することができる。適切なカプラーは
esearch Disclosure、第VII 節に開
示されている。
【0033】本発明方法により調製される写真乳剤は、
各種支持体、好ましくは可撓性ポリマーフィルム上に塗
布することができる。他の支持体はResearch
Disclosure、第XVII節に開示されている。本
発明方法により調製される写真乳剤は、その表面上に異
なる分光感度を有する層を少くとも2層塗布した支持体
を含んでなる多層多色写真材料に用いることができる。
かかる多層多色写真材料は通常、少くとも1層の赤感性
乳剤層、少くとも1層の緑感性層、少くとも1層の青感
性層を含む。これらの層の配列順は必要に応じて任意に
選ぶことができる。通常は、シアン形成性カプラーは赤
感性層と組合わされ、マゼンタ形成性カプラーは緑感性
層と組合わされ、そしてイエロー形成性カプラーは青感
性層と組合わされている。
【0034】本発明方法により調製される写真乳剤は、
黒白現像主薬、例えば、ハイドロキノン、3−ピラゾリ
ドン、又はResearch Disclosure
第XX節に開示されているような他の化合物を用いて処理
することができる。第一芳香族アミン発色現像主薬(例
えば、4−アミノ−N−エチル−N−ヒドロキシエチル
アニリン又は3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチ
ルアニリン)もまた用いることができる。他の適切な発
色現像主薬は、L.F.A.MasonのPhotog
raphic Processing Chemist
ry,Focal Press,1966年、226〜
229頁、及び米国特許第2,193,015号及び米
国特許第2,592,364号各明細書に記載されてい
る。
【0035】本発明方法により調製される写真乳剤は、
多くの異なる種類のハロゲン化銀写真材料、例えば、高
スピード黒白フィルム、X線フィルム、並びに拡散転写
用途を有するものをはじめとする多層カラーネガティブ
フィルムに応用することができる。以下の例により実証
されるように、酸置換熟成剤を用いる本発明方法を用い
ると、カブリ形成を促進することなく適切なサイズのハ
ロゲン化銀粒子を成長させることができる。したがっ
て、化学的後処理又は熟成剤を除去するための乳剤洗浄
の必要性がなくなり、短時間で、コストの割に効率のよ
い方法が得られる。
【0036】以下の例は本発明を更に具体的に説明する
ものである。
【0037】
【実施例】例1 微少粒子ハロゲン化銀乳剤のオストワルド熟成速度をレ
ーリー光散乱測定法により測定した。この測定方法の詳
細はA.L.Smith編、ParticleGrow
th in Suspensions,Academi
c Press,London、1973年、159〜
178頁に記載されている。25℃の温度で、初期直径
が約50nmであり、かつ30容量%のメタノール及び1
mM KBr(pBr3)中20〜28mMのKNO3 を含
有する0.1%オセインゼラチン(等電点4.9)中に
分散した8mM AgBr乳剤を3.2〜6.7の範囲内
で変動するpH値で、有機熟成剤の量を変動させながら混
合した。AgBr成長速度に対応する時間の関数として
の濁度変化を436nmで測定した。成長速度は、有機熟
成剤の不存在下で前記pH値を用いて得た速度に関して標
準化した。以下の結果を得た:
【0038】
【表3】
【0039】これらの結果は、試験1及び2の中性環状
エーテル熟成剤は、pH3.2の場合よりpH5.4の場合
にはAgBr成長促進剤として約2倍活性度が高いこと
を示している。一方、2種類の類縁の酸置換熟成剤は、
pH3.2の場合に比べpH5.4の場合には(試験3及び
4,5及び6)大巾にその活性度が低減した。0.2mM
濃度での酸置換アクリルエーテル熟成剤は、乳剤pHを
3.3〜6.7(試験7及び8)まで高めると約7倍活
性度が低下した。この熟成剤の濃度を0.6mMまで高め
ると、pH3.3で約14倍相対成長速度が増加した(試
験7及び9を比較されたい)。しかしながら、pHを6.
7まで高めると、熟成剤活性度を40倍低下させる原因
となった(試験9及び10)。これらの試験は、本発明
方法によれば、ハロゲン化銀乳剤のpHを約2〜約4.6
の範囲に調整するとハロゲン化銀粒子の成長を促進する
が、しかし乳剤pHを約5.3〜約7の範囲に調整すると
粒子成長を抑制することを実証している。
【0040】例2 3.0ないし6.2間で変動するpH値で、0.05mM濃
度の酸置換アクリルエーテル熟成剤(CH2 OCH2
2 SCH2 CH2 COOH)2 を含有する乳剤を用い
て、例1と同様にして試験を行った。以下の結果を得
た:
【0041】
【表4】
【0042】約3もしくは4のpH値で、酸置換熟成剤を
用いると、高いハロゲン化銀相対成長速度(試験1及び
2)が得られた。乳剤pHを約5〜6まで高めると、熟成
剤活性度は大巾に減少した(すなわち、10〜20倍)
(試験3,4及び5)。これらの結果は、更に、本発明
方法による、酸置換熟成剤の活性度を調整するためのpH
の調整について具体的に示している。
【0043】例3 約0.16μmの立方形AgBr乳剤の一部分を17時
間25℃で、pBr3、pH3そしてpH7で、チオ尿素熟
成剤の不存在下又は存在下で熟成した。熟成反応を、N
−エチル−N′−スルホブチル−9−メチルチアカルボ
シアニンの添加により止め、そしてハロゲン化銀結晶サ
イズを電子顕微鏡で等価円直径(ECD)として測定し
た。結果は以下のとおりであった:
【0044】
【表5】
【0045】熟成を含有しない立方AgBr乳剤につい
てのECDはpH3及びpH7の双方で0.17μmであっ
た(試験1及び2)。中性テトラアルキルチオ尿素の存
在下で、ECDはpH3で0.20μmであったが、乳剤
pHを7に調整すると(試験3及び4)0.24μmまで
増大した。一方、類縁の酸置換チオ尿素によれば、pH3
で0.30μmのECDが得られるが、pHを7に調整す
ると(試験5及び6)、この値は0.18μmまで低下
した(熟成剤を含有しない乳剤について測定したものと
実質的に同一)。これらのデータは、更に、本発明によ
り乳剤pHを調整することにより酸置換有機熟成剤の活性
度が制御できることを具体的に示している。
【0046】例4 pH値3,6及び7で、各種濃度の各種の中性及び酸置換
有機熟成剤の存在下で又は不存在下で、例3と同様に実
施した。以下の結果が得られた:
【0047】
【表6】
【0048】熟成剤を含まない立方形AgBr乳剤につ
いてのECDはpH3,6及び7で0.17μmであった
(試験1,2及び3)。中性アクリルエーテル熟成剤は
pH3で0.53μmのECDとなり、そしてpHを6に調
整すると、ECDは実質的に0.68μmまで増加した
(試験4及び5)。同様に、中性のピリジン熟成剤はpH
3で0.25μmのECDが得られ、pHを6まで高める
と0.54μmのECDが得られた(試験6及び7)。
大環状エーテル熟成剤を含有する乳剤についてのECD
はpH3で0.42μmであり、pH7で0.79μmであ
った(試験8及び9)。
【0049】3種類の酸置換アクリルエーテル熟成剤に
ついて著しく異なる結果が得られた。これらのすべては
pH3でハロゲン化銀粒子の成長を効果的に促進し、EC
D値は0.41、0.41及び0.66μmであった
(試験10,12及び14)。しかしながら、pHを6に
調整すると、これら3種類のすべての熟成剤の活性度は
低く、そして0.18μmの同一のECDを達成した。
このような低いECD値は、乳剤が熟成剤を含まない場
合に得られるものから有意に異なるものではなかった。
【0050】例5 塩化銀乳剤を、68℃でダブルジェット添加方法によ
り、オセインゼラチン(等電点4.9)、AgNO3
液、過剰のKCl溶液(pAg7.4)、及び0.82
mmole /Agmoleの中性もしくは酸置換アクリルエーテル
熟成剤のいずれかを用いて調製した。熟成剤を含まない
対照乳剤もまた調製した。AgCl形成開始前に、酸性
度をpH3.0又はpH5.8に調整した。ダブルジェット
添加操作の完了後、すべての乳剤のpHを5.8に調整し
た。これらの乳剤を限外ろ過にかけ次いで0.46kg/
Agmoleの重さに合せた。pH5.8で熟成剤の不存在下で
形成した塩化銀結晶の平均立方端長(CEL)は0.4
4μmであった。pH5.8で中性熟成剤(CH2 SCH
2 OH)2 の存在下で調製した乳剤中の結晶のCELは
0.63μmであった。pH3.0で酸置換熟成剤(CH
2 OCH2 CH2 SCH2 CH2 COOH)2 の存在下
で調製したハロゲン化銀乳剤では、ほぼ同一のCEL
値、0.62μmが得られた。
【0051】pH5.8で中性熟成剤を用いて調製された
乳剤を、限外ろ過に続いて、高速液体クロマトグラフィ
により分析して残留熟成剤量を測定した。中性熟成剤の
初期量の23%が乳剤に残留していたことが判明した。
同様に、pH3.0で酸置換熟成剤を用いて調製した乳剤
について、限外ろ過に続いてクロマトグラフィ分析を行
ったところ、熟成剤の初期量の僅か2%のみが精製乳剤
中に残留していたことが判明した。
【0052】pH5.8で中性熟成剤を用いて調製した乳
剤及びpH3.0で酸置換熟成剤を用いて調製した乳剤を
各々60℃で5mg/AgmoleAu2 Sを添加することによ
り最適化学増感した。青色増感色素、メルカプトテトラ
ゾールカブリ防止剤、及びイエロー色素形成性カプラー
のゼラチン分散体を各乳剤に添加した。次にこの乳剤を
pH5.8で、3.4mgAg/dm2 及び8.3mgゼラチン/
dm2 の被覆量で紙支持体上に塗布した。これらの塗布物
を次にゼラチン硬化剤を含有するオーバーコートで被覆
した。
【0053】365nm水銀線に露光後、乳剤塗布物を通
常の発色処理及びセンシトメトリー測定に付した。pH
5.8で中性熟成剤を用いて調製した乳剤塗布物のスピ
ードは166であり、pH3.0で酸置換熟成剤を用いて
調製した乳剤塗布物のスピードは170であった。pH
5.8で中性熟成剤を用いて調製した乳剤塗布物の初期
カブリは0.06であり、48.9℃、50%RHで2
週間貯蔵後のカブリの増加は0.81であった。一方、
pH3.0で酸置換熟成剤を用いて調製した乳剤塗布物は
初期カブリが0.04であり、2週間の貯蔵後のカブリ
増加は0.58であった。
【0054】これらのデータは、pHが約2〜約4.6で
ありかつ酸置換有機熟成剤を含有する乳剤中でハロゲン
化銀粒子を調製し、次にpHを約5.3〜約7に調整して
ハロゲン化銀結晶成長を抑制し貯蔵カブリを防止すれ
ば、スピード及び貯蔵カブリについて利点が得られるこ
とを実証するものである。
【0055】例6 酸置換アクリルセレノエーテル熟成剤、(CH2 OCH
2 CH2 SeCH2 CH2 COOH)2 0.29グラム
を含有する蒸留水354mL中のオセインゼラチン(等電
点4.9)10gの40℃溶液のpHを3に調整した。熟
成剤を含まない対照溶液も同様に調製した。温度を68
℃まで上昇させ、次にAgNO3 溶液(170mLの蒸留
水中の5M溶液128mL)及びNaCl溶液(170mL
の蒸留水中に37グラム)を、撹拌しながら、別々にし
かし同時に3.5mL/分の速度で添加した。熟成剤の不
存在下で調製した塩化銀乳剤の平均立方端長(CEL)
は0.44μmであった。酸置換セレノエーテルの存在
下で調製した乳剤のCELは0.66μmであり、pH3
での熟成剤の活性度が高いことを実証した。
【0056】例7 3.0ないし6.1の各種pH値で、かつ中性アクリルセ
レノエーテル熟成剤又は構造的に類似の酸置換セレノエ
ーテル熟成剤のいずれかを0.05mMの濃度で含有する
乳剤を用いて、例1と同様にして試験を行った。成長速
度を、有機熟成剤の不存在下、所定pH値で得た速度に関
して標準化した。結果は以下のとおりである。
【0057】
【表7】
【0058】中性セレノエーテル熟成剤はpH3.2(試
験1)で高いAgBr成長速度を示し、その速度は、pH
が5.8及び6.1まで高くなるにつれ(試験2及び
3)有意に増加した。酸置換セレノエーテル熟成剤は、
pH3.0で中性化合物と極めて似た活性を示した(試験
4を試験1と比較されたい)。しかしながら、pHを4.
9に調整すると(試験5)、速度は約20倍遅くなり、
pHを5.8まで上げると(試験6)、速度はほぼ半分ま
で更に低下した。
【0059】これらの結果は、乳剤pHを調整することに
より、酸置換アクリルセレノエーテル熟成剤の活性が制
御されることを具体的に示している。
【0060】本発明の追加の実施態様 1.前記方法が、順に、分散媒体を調製し;前記分散媒
体のpHを2〜4.6の値に調製し;次いで前記熟成剤を
前記分散媒体に添加する、ことからなることを特徴とす
る請求項記載の方法。 2.前記方法が、順に、分散媒体を調製し;前記熟成剤
を前記分散媒体に添加し;次いで前記分散媒体のpHを2
〜4.6の値に調整する、ことからなることを特徴とす
る請求項記載の方法。 3.前記調整を、前記成長を中断することにより達成す
ることを特徴とする請求項記載の方法。 4.更に、少くとも1つの増感剤を前記乳剤に導入する
ことを特徴とする請求項記載の方法。 5.前記熟成剤の酸置換基のpKaが1〜8であること
を特徴とする請求項記載の方法。 6.前記熟成剤の酸置換基のpKaが3〜6であること
を特徴とする請求項記載の方法。 7.前記の酸置換有機熟成剤が式(I)又は(II):
【0061】
【化2】
【0062】前記式中、各Aは独立して共有結合した酸
置換基であり、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 及びR6
は各々、独立して炭素原子数1〜6個の炭化水素基又は
フルオロカーボン基であり、これらの基は、非置換又は
ハロゲン、酸素、イオウ及び窒素からなる群から選ばれ
るヘテロ原子を含む中性官能基1個又はそれ以上で置換
されており;Xは、S,Se、及びTeからなる群より
選択され;Yは、O,S,Se及びTeからなる群より
選ばれ;a,b,cは独立して0,1又は2であり、そ
してa,b又はcの少くとも1個はゼロより大きく;m
及びnは独立してゼロ又は1〜6の整数であり;Zは、
O,S,Se,Te及び−NR7(A)gよりなる群から
選ばれ、ここでR7 は、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5
及びR6 について述べたような、置換もしくは非置換の
低級炭化水素基であり;そしてd,e,f及びgは独立
して0又は1であり、かつ、d,e,f及びgの少くと
も1つは1である、を有することを特徴とする請求項記
載の方法。 8.R1 がR2 又はR3 と結合して36個未満の環原子
を有する環状基を形成することを特徴とする請求項記載
の方法。 9.X及びYがSeであることを特徴とする請求項記載
の方法。 10. mが2であり、R2 の各々が独立して−CO−,−
O−,−CONR8 −,−S(O)−,−S(O2 )−
又は−SO2 NR8 −からなる群より選ばれる二価の基
又は原子を1個又はそれ以上含有し、R8 が、R1 ,R
2 ,R3 ,R4 ,R5 及びR6 について述べたような非
置換もしくは置換の低級炭化水素基であることを特徴と
する請求項記載の方法。 11. R4 及びR6 が結合して5−又は6員の複素環式環
を形成し、これらの環がR1 ,R2 ,R3 及びR5 につ
いて述べたように非置換もしくは置換されていることを
特徴とする請求項記載の方法。 12. 前記中性官能基が独立して、−OH,−COR9
−OR9 ,−CONHR 9 ,−SO2 NHR9 及びSO
2 9 からなる群より選ばれ、R9 がR1 ,R2
3 ,R4 ,R5 及びR6 について述べたように非置換
もしくは置換されていることを特徴とする請求項記載の
方法。 13. 前記複素環式環が、アゾール、イミダゾリジン、チ
アゾリジン、チアゾリン及びモルホリンからなる群より
選ばれることを特徴とする請求項記載の方法。 14. 前記酸置換基が独立して、−CONHOH,−OP
O(OR′)OH,−PO(OR′)OH,−COO
H,−SO3 H,−SO2 H,−SeO3 H,−SeO
2 H,−CH(CN)2 ,−SH,−SO2 SH,−S
eH,−SO2 SeH,−CONHCOR′,−CON
HSO2 R′,−SO2 NHSO2 R′、及び−CR′
=NOH(式中、R′はH又は低級アルキルもしくはア
リールである)からなる群より選ばれることを特徴とす
る請求項記載の方法。 15. 前記熟成剤の前記酸置換基のpKaが1〜8である
ことを特徴とする請求項記載の方法。 16. 前記酸置換基が−COOH基であることを特徴とす
る請求項記載の方法。 17. 前記熟成剤が、グリシン、4,5−ジカルボキシイ
ミダゾール、Te(CH 2 COOH)2 ,(CH2 OC
2 CH2 SCH2 CH2 COOH)2 ,(CH 2 SC
2 COOH)2 ,(CH2 SCH2 CH2 SCH2
OOH)2 ,O(CH2 CH2 OCH2 CH2 SCH2
CH2 SCH2 CH2 COOH)2 ,(CH2 OCH2
CH2 SCH2 CH2 SCH2 CH2 COOH)2 ,O
(CH2 CH2 SCH2 CH2 COOH)2 ,1,10
−ジチア−4,7,13,16−テトラオキサシクロオ
クタデカン−5−カルボン酸、1,10−ジチア−4,
7,13,16−テトラオキサシクロオクタデカンメチ
レンオキシ酢酸、〔HOOC(CH2 3 〕N(C
3 )CSN(CH3 )〔(CH2 3 COOH〕,
(CH2 OCH2 CH2 SeCH2 CH2 COO
H)2
【0063】
【化3】
【0064】からなる群より選ばれることを特徴とする
請求項記載の方法。 18. 前記ハロゲン化銀が、前記乳剤中に10-5〜5モル
/リットルのレベルで存在し、前記熟成剤が前記乳剤中
に10-6〜10-1モル/ハロゲン化銀1モルのレベルで
存在することを特徴とする請求項記載の方法。 20. 前記ハロゲン化銀が塩臭ヨウ化銀であることを特徴
とする請求項記載の方法。 21. 前記分散媒体が解膠性ゼラチンであることを特徴と
する請求項記載の方法。
【0065】本発明を説明するために詳細に述べたが、
このように詳細に述べたのはこの目的のためにすぎず、
当業者は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、
先に述べた追加の実施態様に示したように変更すること
ができることが理解されるであろう。
【0066】
【発明の効果】本方法によれば、写真的に感度を有する
サイズまで成長させた粒子を含むハロゲン化銀乳剤が得
られる。かかる乳剤中の熟成剤の活性度は、しかしなが
ら、従来方法により熟成したハロゲン化銀乳剤に存在す
るものよりはるかに低い程度まで低下する。その結果、
本発明により調製した乳剤は、従来遭遇したような感度
についての問題及びカブリ形成の問題はおこらない。本
発明により調製したハロゲン化銀乳剤中の残留熟成剤の
存在はほとんど悪影響を及ぼさないので、この乳剤を化
学減感又は洗浄操作に付する理由はない。このことによ
り、本方法は、従来法と比較して有意に有益な操作法と
なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン ジョージ バーグメイアー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14534, ピッツフォード,スタイベサント ロード 74

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀感光乳剤の製造方法であっ
    て、 酸置換有機熟成剤及び分散媒体を含んでなる乳剤を調製
    し;pH2〜4.6で前記乳剤中のハロゲン化銀粒子を成
    長させ;そして前記成長後に前記乳剤のpHを5.3〜7
    の値に調整して前記粒子の更なる成長を抑制しかつ塗布
    及び貯蔵後の前記乳剤のカブリを制限する、ことからな
    る製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法により製造される乳
    剤。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の乳剤を担持する支持体を
    有する写真要素。
JP5108171A 1992-05-08 1993-05-10 ハロゲン化銀感光乳剤の製造方法 Pending JPH0627560A (ja)

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