JPH06275599A - 縦型熱処理装置 - Google Patents

縦型熱処理装置

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JPH06275599A
JPH06275599A JP5085755A JP8575593A JPH06275599A JP H06275599 A JPH06275599 A JP H06275599A JP 5085755 A JP5085755 A JP 5085755A JP 8575593 A JP8575593 A JP 8575593A JP H06275599 A JPH06275599 A JP H06275599A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被処理体例えば半導体ウエハを熱処理するに
当たって、スリップ(被処理体表面の微細な断層)の発
生を軽減すること。 【構成】 輻射熱の吸収率の高い材質例えばSiCによ
りウエハボート2を構成すると共に、石英製の保温筒6
の上に輻射熱の吸収率の高い材質例えばSiCよりなる
リング状の中間部材7を載置し、この中間部材7の上に
ウエハボート2を載置する。保温筒6は輻射熱の吸収率
が低いのでウエハWの昇温過程で昇温が遅く、このため
ウエハボート2の下部との間で温度差を生じるが、中間
部材7を介在させることによりウエハボート2の下部の
温度低下が軽減でき、ウエハWの面内温度不均一性が緩
和され、熱歪応力が軽減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、縦型熱処理装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハに対して酸化、拡散、CV
Dなどの熱処理を行う装置として、ウエハのロード、ア
ンロード時における反応管内への空気の巻き込みが少な
くて自然酸化膜の成長を抑えることができる点で、従来
の横型炉に代って縦型炉が注目されてきている。
【0003】従来の縦型の酸化、拡散炉の概略につい
て、図4を参照しながら説明すると、1は縦型の二重管
構造の反応管であって、内管1a及び外管1bよりな
り、その下端外周面には断熱材11が巻装されている。
この反応管1の外周には、均熱管12を介して当該反応
管1を取り囲むようにヒータ10が配設されている。
【0004】そして前記反応管1内に、ウエハWを多数
枚搭載したウエハボート2を、ボートエレベータ3によ
って下端開口部よりロードして、蓋体31により前記開
口部を密閉する。次いで、図示しないガス導入管よりの
処理ガスを内管1aと外管1bの間に導入すると共に、
内管1aの頂部の細孔1cを介して処理ガスを多数枚の
ウエハWへ供給し、図示しない排気管で内管1aより排
気しながらウエハWに対して所定の熱処理を行うもので
ある。
【0005】ここでウエハボート2の材質は、例えば耐
熱性が大きく、強度も大きいSiCが用いられている。
また反応管1内の熱処理領域を外部から熱的に遮断して
保温するため、及び反応管1の下方側を熱処理領域の熱
から保護するためにウエハボート2と蓋体31との間
に、ウエハボートの載置台を兼ねた、断熱材例えば石英
よりなる保温部4が介在して設けられている。この保温
部4は、筒状の容器内に石英ウールを充填してなる保温
筒41と、この保温筒41の上に設けられた石英よりな
るリング状の載置用部材42とからなり、ウエハボート
2は、載置用部材42の上に載置されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ウエハの熱
処理プロセスの中には、例えばウエハにイオン注入を行
った後に、注入されたドーパント(不純物イオン)を所
定の深さまで拡散させるために1200℃程度の高温で
長時間加熱する場合がある。ウエハの基材がシリコンで
ある場合には、シリコンの融点が1410℃であること
から1200℃の温度下ではシリコンウエハの降伏応力
も極端に小さくなっている。
【0007】一方、ウエハは大口径化が進みつつあり、
そのサイズは6インチから8インチへ移行し始めてお
り、さらには12インチへの移行も検討されている。こ
のようにウエハが大口径化してくると、上述のようにウ
エハの基材の融点に近い温度で熱処理を行ったときに、
ウエハボート2の支柱により支持されている個所の付近
において、スリップと呼ばれる結晶欠陥がウエハに発生
しやすい。このスリップは、目視では確認しにくい程度
の微小な断層であり、拡大鏡や顕微鏡などにより見るこ
とができる。
【0008】ここでスリップが発生する原因としては、
ウエハの面内温度不均一に基づく熱歪応力が推定原因の
一つとして挙げられている。ウエハを昇温させるときに
ウエハボート2の支柱を経由して熱が出入りするため、
ウエハの中心部と周縁部との間に温度差が生じて熱歪応
力が発生するが、この熱歪応力がある大きさを越えたと
きにスリップが発生すると考えられる。そしてこのスリ
ップは特にウエハボート2の下部で起こりやすい。
【0009】この理由については次のように考えられ
る。即ち例えば熱処理温度が1000℃を越える場合、
予め例えば約800℃に加熱された反応管1内にウエハ
ボート2を搬入し、ウエハの温度が雰囲気温度まで上昇
した後、反応管1内の温度を所定の熱処理温度まで昇温
させるようにしている。ここで石英は熱伝導率が低く、
断熱材として優れた性質をもっているが、その反面光透
過率が高いので輻射熱を吸収しにくく、昇温が遅い。こ
のためウエハボート2が反応管1内に搬入されて雰囲気
温度に安定するまでの間、及び反応管1内を昇温させる
間の昇温過程においてウエハボート2に比べて保温部2
4の昇温が遅れ、両者の温度差によりウエハボート2の
下部から保温部24へ熱が逃げてウエハボート2の下部
の温度が昇温しにくくなり、この結果ウエハにおいてウ
エハボート2に支持されている部分とそれ以外の部分と
の間で温度差が生じ、スリップが発生しやすくなるもの
と考えられる。
【0010】このようにウエハを熱処理するに当たっ
て、特にウエハの基材の融点に近い高温で熱処理するに
当たって、ウエハが大口径化してくると、スリップの発
生という問題が起こり、このことがウエハの大口径化へ
の移行を阻む一つの大きな課題となっている。
【0011】本発明は、以上のような事情に基づいてな
されたものであって、その目的は、被処理体を熱処理す
る場合にスリップの発生を軽減することのできる縦型熱
処理装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、断熱材よりな
る保温部の上に設けられると共に多数の板状の被処理体
が上下に間隔をおいて配置された熱処理用ボートを、熱
処理領域を形成する縦型の反応管内に当該反応管の下方
側から搬入する縦型熱処理装置において、前記熱処理用
ボートを、輻射熱の吸収率の高い中間部材を介して保温
部の上に設けたことを特徴とする。
【0013】
【作用】熱処理用ボートが反応管内に搬入され、加熱さ
れたときに、中間部材は輻射熱の吸収率が高いので昇温
が速い。一方熱処理用ボートの下端には、中間部材が接
触しあるいは一体的に接合されているので、熱処理用ボ
ートの下部と中間部材との温度差が小さく、従って熱処
理用ボートの下部から保温部への放熱が抑えられ、この
結果被処理体の面内温度不均一性が緩和され、スリップ
の発生が抑えられる。
【0014】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。図1
は本発明を酸化、拡散炉に適用した実施例を示す図であ
り、被処理体であるウエハが反応管内にロードされた状
態を示している。熱処理領域を形成する反応管1は、各
々略鉛直方向に沿って配置された内管1a及び外管1b
よりなる二重管構造に作られると共に、下端のフランジ
部13を介して図示しないベースプレートに固定されて
いる。この反応管1の下端部の外周面は断熱材11によ
り覆われている。また内管1aの頂部には、多数のガス
流路である細孔1cが形成されており、さらに外管1b
の側壁にはガス導入管51が連結されている。そして、
内管1aには排気管52が接続され排気が行われるよう
に構成されている。
【0015】前記反応管1の外側には、当該反応管1を
取り囲むように例えばSiCよりなる筒状の均熱管12
が配設されており、この均熱管12の外側には、当該均
熱管12を囲むようにヒータ10が配設されている。こ
のヒータ10は、断熱層10aの内側に抵抗発熱線10
bをコイル状に巻いて構成される。
【0016】前記反応管1の下方側には、ウエハのロー
ド時に反応管1の下端開口部を気密に塞ぐための蓋体3
1が設けられ、この蓋体31は図示しない昇降機構によ
り昇降するボートエレベータ3に取り付けられている。
前記蓋体31の上には保温部をなす保温筒6が設けられ
ており、この保温筒6は、石英製の筒状の容器61の中
に石英ウール62を充填して構成される。
【0017】前記保温筒6の上には、図1及び図2に示
すように輻射熱の吸収率の高い材質例えばSiCよりな
る上部側が下部側より径の小さいリング状の中間部材7
が載置されており、この中間部材7の上にはウエハボー
ト2が、下端の突起部20が中間部材7に嵌合した状態
で載置されている。前記中間部材7は、ウエハボート2
の載置部材の役割を果たすと共に、昇温時におけるウエ
ハボート2の下部の放熱を抑える役割を有するものであ
り、例えば高さが約100〜200mmとされる。
【0018】前記中間部材7の上には、輻射熱の吸収率
の高い材質例えばSiCよりなる熱処理用ボート2が載
置されている。この熱処理用ボートは実施例では、ウエ
ハボートと呼ぶことにする。このウエハボート2は天板
21及び底板22の間に例えば4本の支柱23を垂直に
配置し、多数枚例えば100枚のウエハWが上下に間隔
をおいて水平に支持されるように各支柱23に図示しな
い溝を形成して構成される。
【0019】次に上述実施例の作用について述べる。先
ずヒータ10を発熱させて均熱管12を介して反応管1
内を例えば約800℃の均熱状態に加熱する。その後ボ
ートエレベータ3を反応管1の下方側に位置させておい
てウエハボート2に未処理のウエハWを例えば100枚
搭載した後、ウエハボート2を蓋体31により反応管1
の下端開口部を塞ぐ位置(図1に示す位置)まで上昇さ
せ、ウエハWを反応管1内にロードする。ウエハWが反
応管1内の雰囲気と同じ温度に達した後、ヒータ10を
更に発熱させて反応管1内の温度を例えば1200℃に
昇温させ、ガス導入管51から細孔1cを経て内管1a
内に処理ガスを導入すると共に排気管52により排気し
ながら反応管1内を所定の圧力に維持して、ウエハWに
対して例えば拡散処理を行う。
【0020】そしてウエハWの昇温過程において、この
例ではウエハWが反応管1内にロードされてから反応管
1内の雰囲気温度(約800℃)に安定するまでの過
程、及びその後約1200℃まで昇温される過程におい
て、ウエハボート2及び中間部材7はいずれもSiCで
構成されているので昇温が早いが、保温筒6は輻射熱の
吸収率が低いので昇温が遅い。このためウエハボート2
と保温筒6とは昇温速度の差に基づく温度差が生じる
が、ウエハボート2と保温筒6との間には、昇温の早い
中間部材7が介在しているので、保温筒6の昇温の遅れ
にもとづくウエハボート2の下部の温度低下は抑えられ
る。
【0021】即ち中間部材7の下端から保温筒6への放
熱量は大きいと考えられるが、中間部材7の上端が中間
部材7の下端の放熱の影響を受けないように中間部材7
の高さ(長さ)を十分な大きさとすれば、ウエハボート
2の下端から中間部材7への放熱は抑えられるのでウエ
ハボート2の下部の温度低下が軽減される。従ってウエ
ハWの中で支持されている部分(ウエハボート2の支柱
23の温度)とそれ以外の部分との間の面内温度差が小
さくなり、熱歪応力が緩和されるのでスリップの発生が
軽減される。そしてこのような中間部材7を用いた構成
は、例えば8インチサイズのウエハWを例えば1000
℃以上で熱処理する場合、スリップ発生の抑制に対して
非常に有効である。
【0022】また上述の実施例によれば、このような効
果に加えて次のような効果もある。石英は1200℃も
の高温下では強度が著しく低下し熱変形を起こしやす
く、従って従来構造における保温部の一部をなす石英製
の載置用部材(図4の符号42で示す)がヒータ10に
囲まれる領域に位置していることから熱変形を起こしや
すく、このため保温筒6が熱変形しやすいという問題も
あったが、上述の実施例では、従来の載置用部材に相当
する部分が高温強度に優れるSiCにより構成されてい
るので保温筒6の熱変形を防止でき、その寿命が長くな
る。
【0023】更にウエハボート2の下端側に、昇温の速
い中間部材7が位置していることから、ウエハボート2
の下部付近のヒートリカバリータイム(予め加熱された
反応管1内にウエハWをロードしてからウエハWが雰囲
気温度に安定するまでの時間)が早くなるのでスループ
ットの向上につながる。
【0024】以上においてウエハボートや中間部材7の
材質としてはSiCに限定されるものではなく、輻射熱
の吸収率の高いものであれば他の材質例えばポリシリコ
ンなどであってもよい。また中間部材7の構造は上述の
実施例に限らず、例えば図3に示すように上面が塞がれ
た円板体71に複数の例えば3本の支持棒72を設け、
この支持棒72によりウエハボート2を支持するように
してもよいし、あるいは中間部材7がウエハボート2と
一体化した構造であってもよい。
【0025】更にまた本発明は、酸化、拡散炉に限らず
CVD、エッチングなどの熱処理装置に適用することが
できるし、保温筒の下部側に回転機構を設けて、ウエハ
ボートを鉛直軸のまわりに回転させる装置に適用でき
る。なお被処理体についても半導体ウエハに限らずLC
D基板などであってもよい。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、熱処理用ボートと保温
部との間に昇温速度の差にもとづく温度差が生じても熱
処理用ボートと保温部との間に、輻射熱の吸収率の高い
中間部材を介在させているため、熱処理用ボートの下部
の温度低下が軽減され、この結果被処理体のスリップの
発生が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例の要部を示す分解斜視図であ
る。
【図3】本発明の他の実施例の要部を示す分解斜視図で
ある。
【図4】従来の縦型熱処理装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 反応管 10 ヒータ 2 ウエハボート 23 支柱 3 ボートエレベータ 6 保温筒 7 中間部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 寛信 神奈川県津久井郡城山町町屋1丁目2番41 号 東京エレクトロン相模株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断熱材よりなる保温部の上に設けられる
    と共に多数の板状の被処理体が上下に間隔をおいて配置
    された熱処理用ボートを、熱処理領域を形成する縦型の
    反応管内に当該反応管の下方側から搬入する縦型熱処理
    装置において、 前記熱処理用ボートを、輻射熱の吸収率の高い中間部材
    を介して保温部の上に設けたことを特徴とする縦型熱処
    理装置。
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