JPH06275407A - 抵抗体素子及び熱式流量計 - Google Patents

抵抗体素子及び熱式流量計

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JPH06275407A
JPH06275407A JP5064204A JP6420493A JPH06275407A JP H06275407 A JPH06275407 A JP H06275407A JP 5064204 A JP5064204 A JP 5064204A JP 6420493 A JP6420493 A JP 6420493A JP H06275407 A JPH06275407 A JP H06275407A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 接着部が、筒状体の内側面部に設けられてい
て、接着部はリードの回りに接触していて、ガラス層が
接着部に隣接して筒状体の両方の底部に設けられてい
て、ガラス層はリードの回りに接触している抵抗体素
子。接着部に含有する第1ガラスの軟化点がガラス層に
含有する第2ガラスの軟化点より小さい抵抗体素子。抵
抗体素子を用いた熱式流量計。 【効果】 リードが曲がったとき、ガラス層にクラック
が生じて応力を吸収し、これにより、リードの曲げに対
して抵抗体素子の耐久力が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抵抗体素子及びこれを
用いた熱式流量計に関する。かかる熱式流量計は、内燃
機関等の吸入空気量の測定に好適に用いることができ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱式流量計に用いられる抵抗
体素子は、金属抵抗に白金等の金属薄膜を用い、セラミ
ックス等の筒状体の外側面に薄膜を形成する薄膜型と、
金属抵抗に白金等の金属細線を用い、筒状体の外側面に
巻き回す巻線型とが知られている。いずれの型であって
もガラス等の保護層で金属抵抗又は金属細線を含む筒状
体を覆っている。筒状体としては、外径0.5mm、内
径0.3mm、長さ2〜3mm程度のアルミナパイプ等
のセラミックスが用いられている。また、薄膜を被覆す
る筒状体が筒状ではなく、板状となっているものも知ら
れている。何れの型の抵抗体素子も、流体の流量又は流
速を検出する検出素子、即ち、発熱抵抗体又は温度補償
用抵抗体として好適に用いられている。このような場
合、抵抗体素子は、流体中に設けられたステンレススチ
ール等の導電性支持体にリードをスポット電気溶接等す
ることによって固着し、測定される流体が通過せしめら
れるガス流路中に配置する。そして、この導電性支持体
は、樹脂等に固着している。この導電性支持体は、外部
の制御回路に接続されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図5に示すように、従
来の抵抗体素子10の金属薄膜18等の金属抵抗の表面
はガラス等からなる保護層19が被覆していて、通常
は、この保護層19がリード14を筒状体に接着して固
定する接着部16の表面をも被覆する。しかし、ガラス
等からなる保護層19を、金属薄膜18及び接着部16
を被覆するように形成するとき、図5に示すように、し
ばしば、保護層19が接着部16の表面を被覆するのみ
ならず、保護層19がリード14に裾を引いて、接着部
16に挿入されているリード14部分の外側のリード表
面まで薄く長く被覆することがあった。このような形態
では、このガラスが被覆している部分では、リードと支
持棒との溶接強度が低下する危険があった。また、保護
層19aをリード14に被覆することを避けるため、保
護層の形成工程の条件を厳しく管理する必要があった。
更に、リードが外力で曲げられたとき、接着部16を被
覆している部分の保護層19のみならず、接着部16に
もひびが入り、接着部16の接着強度が減少したり、接
着部16の抵抗が変化したりするという抵抗体素子の耐
久性の問題が生じる危険性があった。抵抗体素子を熱式
流量計として用いるとき、200〜300℃の高温から
−50℃の低温で長期間、信頼性があることが求められ
る。そこで、本発明は、前記のような問題が生じ難く、
耐久性が劣化し難い抵抗体素子を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、
電気絶縁性の筒状体と、筒状体上に形成される金属抵抗
と、金属抵抗の表面を被覆する保護層と、金属抵抗と電
気的に接続し、筒状体の両端に挿嵌するリードと、リー
ドを筒状体に対して固定する接着部と、を有する抵抗体
素子において、接着部が筒状体の内側面部に設けられて
いて、接着部はリードの回りに接触していて、ガラス層
が接着部に隣接して筒状体の両方の底部に設けられてい
て、ガラス層はリードの回りに接触していることを特徴
とする抵抗体素子が提供される。本発明において、接着
部に含有する第1ガラスの軟化点がガラス層に含有する
第2ガラスの軟化点より小さいことが好ましい。また本
発明において、上記ガラス層が上記筒状体の上記底部を
すべて覆っていることが好ましい。更に本発明におい
て、上記ガラス層が、上記筒状体の底部の外側面より
に、隆起部を有していて、隆起部は、上記保護層の外表
面より、上記筒状体の径方向の外側に向かって、隆起し
ていることが好ましい。更にまた本発明において、上記
保護層が気密性であり、上記ガラス層が保護層より多孔
性であり、上記接着部がガラス層より気密性であること
が好ましい。更にまた本発明において、上記第1ガラス
の軟化点が、上記第2ガラスの軟化点より、20〜20
0℃、小さいことが好ましい。更に本発明において、上
記保護層が実質的に第3ガラスからなり、第3ガラスの
軟化点が、上記第1ガラスの軟化点と同等かそれより低
いことが好ましい。また本発明によれば、上記いずれか
に記載する抵抗体素子に係る金属抵抗が流体の流量を検
出し、金属抵抗の温度に依存する抵抗変化に基づいて流
体の流量を測定することを特徴とする熱式流量計が提供
される。
【0005】
【作用】図1及び図2に示すように、本発明の抵抗体素
子10では、リード14を筒状体12に対して固定する
接着部16が、筒状体12の内側面部12aに設けられ
ている。この接着部は、筒状体の12の筒の内部に設け
られていて、筒状体12の底部12bにはみ出していな
いことが好ましい。接着部16が、リード14の回りに
接触して設けられている。これにより、接着部16が、
特に接着部16に含有するガラスがリードに固着し、リ
ード14を筒状体12に対して固定するのである。この
ようにリードを固定するためには、接着部16が、筒状
体12に直接に接触する必要はなく、図1に示すよう
に、金属薄膜18を介して、筒状体を固定することを妨
げない。この接着部16が、リード14と金属薄膜18
とを電気的に接続するため、金属粉末を含有して、接着
部16が導電性であることが好ましい。しかし、図2に
示すような巻線型抵抗体素子であって、金属細線が物理
的にリード14と接触して金属抵抗である細線がリード
と電気的に接続しているときは、必ずしも接着部16は
導電性である必要はない。
【0006】本発明の抵抗体素子10では、ガラス層1
7が、筒状体12の両方の底部12aに接着部16に隣
接して設けられている。従って、接着部16が筒状体1
2の奥深くに位置しているとき、ガラス層17は筒状体
12の筒内部にまで侵入することとなる。ガラス層17
は、リード14の回りに接触して設けられている。しか
し、リード14は接着部16で筒状体に固定されている
ので、接着部16と異なり、ガラス層17がリード14
に固着している必要はない。図1及び図2に示すよう
に、ガラス層17が筒状体12の底部12bをすべて覆
っていることが好ましい。このとき、ガラス層が、筒状
体底部12bに直接に接触して底部12bを覆う必要は
なく、図1に示すように、金属薄膜18を介して、底部
12bを覆うことを妨げない。このようなガラス層17
のため、保護層19を従来の抵抗体素子の如く、接着部
16上にまで設ける必要がなくなった。また、リードに
曲げ応力がかかったとき、ガラス層17がひび割れして
応力を吸収することができ、接着部16にひび割れが生
じ難くすることができる。
【0007】図1及び図2に示すように、ガラス層17
が、筒状体12の外側面部であって上記底部よりに、隆
起部17aを有していて、隆起部17aは、保護層19
の外表面19aより、上記筒状体12の軸方向と垂直な
径方向に外側に向かって、隆起していることが好まし
い。これにより、筒状体12の外側面部12cに保護層
19を形成するため、ガラスペーストを塗布しても、ガ
ラスペーストが、筒状体12の底部12bの接着部16
に流れ出すことがない。逆に、隆起部17aは、ガラス
ペーストがこのように流れ出すことが無い程度に、隆起
させる。従って、保護層を形成する工程の条件を厳密に
管理することなく、リード表面にガラス被膜が形成する
ことを防止することができる。なお、保護層の厚さは、
5〜50μmが好ましく、5〜30μmが更に好まし
い。この範囲で、白金薄膜18又は白金細線18’を保
護することができるからである。本発明において、ガラ
ス層17の厚さが、1〜200μmの範囲にあることが
好ましく、5〜100μmの範囲であることが更に好ま
しい。ガラス層17の厚さが200μmより大きくなっ
ても、リードに曲げ応力がかかったとき、ガラス層17
がひび割れして吸収できる応力は格別に向上しなくなる
からである。また、ガラス層17の厚さが、1μmより
小さいと、リードに曲げ応力がかかったとき、ガラス層
17がひび割れして吸収できる応力が、小さすぎ、ま
た、ガラス層17が接着部16を充分に保護することが
難しいからである。ガラス層17の厚さは、均一である
必要はない。また、ガラス層17と、接着部16との間
に必ずしも明確な境界があることを要しない。
【0008】接着部16に含有する第1ガラスの軟化点
がガラス層17を構成する第2ガラスの軟化点より小さ
いことが好ましい。接着部16とガラス層17は、同時
に焼成して形成するが、この条件で、第2ガラスの軟化
点より少し、高い適切な温度で焼成して、接着部16に
含有する第1ガラスがリードに固着する一方、ガラス層
17を構成する第2ガラスがリード表面に流れ出さない
ようにすることができるからである。従って、リード表
面にガラス被膜が形成することを防止することができ
る。また、第2ガラスが完全に溶けて、リードに固着す
る必要はない。よって、ガラス層17は、若干、多孔性
を有することが多く、リードに曲げ応力がかかったと
き、気密性であるより、ガラス層17がひび割れしやす
く、応力を吸収しやすく、従って、接着部16にひび割
れが生じ難くなる。このような焼成工程における焼成温
度の自由度を確保するため、上記第1ガラスの軟化点
が、上記第2ガラスの軟化点より、20〜200℃、小
さいことが好ましく、50〜150℃、小さいことが更
に好ましい。
【0009】第1ガラスと第2ガラスは、上記したよう
に第1ガラスの軟化点が第2ガラスの軟化点より小さい
ことが好ましい。しかし、いずれもガラスの種類に制限
はなく、同じ種類のガラスを用いて良ければ、異なる種
類のガラスを用いてよい。ガラスは、それを構成する成
分の組成比、微量成分の添加等により、限りない組成が
あり得るが、ガラスを構成する代表的成分によって分類
するガラスの種類及びその代表的な軟化点を表1に例示
する。これらのガラスには、様々な微量成分を添加する
ことができ、また、その微量成分のため、軟化点がこの
表の範囲外となることも有り得る。これらのいずれのガ
ラスも、第1ガラス、第2ガラス及び保護層を構成する
第3ガラスに用いることができる。
【0010】
【表1】
【0011】また、特願平4−30899号に記載され
るアルカリ成分の含有量が小さいガラスを第1ガラス、
第2ガラス又は第3ガラスに用いることは、好ましい。
例えば、ZnOを30〜70mol%、B23 を10
〜30mol%、Na2O及びK2O を3mol%以
下、好ましくは2mol%以下、含有し、更に、Ca
O、Al23、SiO2 、MgO、BaO等の成分を少
なくとも1種以上含有するガラスを用いることができ
る。保護層19が気密性であり、ガラス層17が保護層
19より多孔性であり、接着部16がガラス層17より
気密性であることが好ましい。保護層19が気密性であ
ると、保護層19への水分、塩分、薬品等の滲み込みが
減少し、金属薄膜18又は金属細線18’の抵抗値が、
時間と共に変化することを効果的に抑制することができ
るからである。また、保護層自身の耐久性も向上する。
ガラス層17が保護層19より多孔性であると、リード
が曲がったとき、その応力はガラス層17にクラックが
入ることで吸収しやすくなる。また、ガラス層17は、
保護層19が金属薄膜18又は金属細線18’を保護す
る程ではないが、多孔性である接着部16を保護する。
即ち、ガラス層17により、ガラス層17への水分、塩
分、薬品等の滲み込みが減少し、接着部16に金属粒を
含むとき、接着部の抵抗値が、時間と共に変化すること
を抑制することができる。接着部16における抵抗値
は、金属薄膜18又は金属細線18’における抵抗値ほ
ど大きくないので、接着部16における抵抗値の経時変
化は、金属薄膜18又は金属細線18’における経時変
化ほど、問題にはならない。そこで、保護層19が気密
性であり、ガラス層17が保護層19より多孔性であ
り、接着部16がガラス層17より気密性であることに
より、ガラス層は、リードが曲がったときの応力を吸収
することと、接着部16を保護することのバランスを取
ることができる。
【0012】上記保護層が実質的に第3ガラスからな
り、第3ガラスの軟化点が、接着部16に含有する上記
第1ガラスの軟化点と同等かそれより低いことが好まし
い。これにより、保護層19を形成するときの焼成温度
が、接着部16及びガラス層17を同時に形成するとき
の焼成温度より低くすることができ、保護層19の形成
工程が接着部16及びガラス層17に悪影響を及ぼさな
いにようすることができるからである。従って、保護層
19を構成する第3ガラスのガラス軟化点が、接着部1
6に含有する第1ガラスのガラス軟化点に近似すること
は好ましく、第3ガラスと第1ガラスとが同じものであ
ってもよい。
【0013】以下、本発明の抵抗体素子の製造方法を説
明する。図1又は図2で、筒状体12の材料としては、
アルミナ、石英等の電気絶縁性セラミックスが好適に用
いられる。外径が0.3〜1mm程度であり、長さは、
1〜5mmであることが好ましく、長さが、2〜3mm
が更に好ましい。薄膜型抵抗体素子の製造方法は、セラ
ミックス等の筒状体12に、スパッタリング、物理蒸着
法(PVD)、化学蒸着法(CVD)、メッキ等の公知
方法により金属薄膜18を形成する。図1にあるよう
に、金属薄膜18は必ずしも筒状体12の表面に付着す
る必要はなく、筒状体12と金属薄膜18との間にガラ
ス等からなる中間層を介在させることもできる。
【0014】次いで、この金属薄膜18をレーザートリ
ミング等により、スパイラル状や蛇行形状等の適当な形
状に作成し、特定の抵抗値を有する薄膜抵抗18とす
る。熱式流量計用に用いる抵抗体素子では、金属薄膜材
料として、高純度の白金、ロジウム等の貴金属、若しく
はこれらの合金、又はニッケル等を用いることができ
る。特に白金が好ましい。薄膜の厚さは0.2〜5μm
が好ましい。薄膜の厚さと例えばスパイラルピッチを調
整することによって、薄膜抵抗の抵抗値を数オームから
1000オーム程度にまで調節することができる。筒状
体12にリード14を固定する工程は、最終の保護層被
覆工程前に行えばよく、薄膜形成工程の前、薄膜形成工
程とトリミング工程との間、トリミング工程と保護層被
覆工程の間の任意のときに行えばよい。リード14は、
直径0.1〜0.3mm程度の金属線であり、具体的に
は、白金線、白金イリジウム等の白金を含有する合金
線、ステンレススチール若しくはFeNi合金線に白金
被膜又は白金合金被膜を施した線などが用いられる。
【0015】接着部16を形成するための白金等とガラ
スとの接着部用ペーストと、ガラス層17を形成するた
めのガラスペーストを別個に調整する。接着部用ペース
トは、金属粉とガラス粉とを配合して調整する。ガラス
としては、表1に挙げたものを含め、ホウケイ酸ガラ
ス、アルカリガラス、亜鉛系ガラス、マグネシア系ガラ
ス、鉛ガラス、燐酸ガラス等を用いることができる。こ
れらのガラスは、主成分を表示したものであり、これら
のガラスに様々な微量元素を含有していることを妨げな
い。金属粉としては、白金、イリジウム、ロジウム、パ
ラジウム、金、銀等の貴金属の単体粉末、又はこれらの
貴金属とニッケル、コバルト等との合金粉末を用いるこ
とができる。一般に、白金、イリジウム、ロジウム、パ
ラジウム、金、銀等の貴金属の単体の粉末、若しくはこ
れらの貴金属どうしの合金の粉末、又はこれらの貴金属
とニッケル、コバルト等との合金の粉末を用いることが
できる。一般に、白金又は白金を主成分とする合金を好
適に用いることができる。
【0016】金属粉とガラス粉は、ブチルカルビトー
ル、テルピネオール等の適当な有機溶剤及びエチルセル
ロース等のバインダーと混合して、接着ペーストとして
用いることが好ましい。このペーストの粘性はバインダ
ーにより、調整することができる。また、ガラス層17
用のガラス層用ペーストも、接着部用ペーストと同様
に、ブチルカルビトール、テルピネオール等の適当な有
機溶剤及びエチルセルロース等のバインダーと混合し
て、調整する。このガラス層用ペーストに、金属粉を含
有しないこともできれば、接着部用ペーストに含有する
金属粉の量より小さい範囲で、金属粉を含有させること
ができる。上記したように、接着部ペースト用の第1ガ
ラスの軟化点が、ガラス層用ペーストの第2ガラスの軟
化点より小さいことが好ましい。接着部用ペーストを、
円筒型の筒状体12の両端の内側面部12aに塗布した
後、リード14を筒状体12の両端に挿入し、次いで、
上記接着部用ペーストを乾燥させる。このとき、接着部
用ペーストが、筒状体12の内側からはみ出さないよう
にすることが好ましい。
【0017】次いで、ガラス層用ペーストを、乾燥した
白金ペーストの上、筒状体12の両端の底部12bに被
覆する金属薄膜18又は金属細線18’上に、塗布し、
次いで、ガラス層用ペーストを乾燥させる。この抵抗体
素子前駆体を、予め焼成温度に調整されている炉で、接
着部用ペースト及びガラス層用ペーストを焼成し、接着
部16及びガラス層17を形成する。接着ペーストを焼
成し、リード14と筒状体12とを固定する。この焼成
温度は、ガラス層用ペーストに含有するガラスの軟化点
より、20〜100℃高いことが好ましく、20〜80
℃高いことが更に好ましい。この温度範囲で、ガラス層
用ペーストがリードに流れ出さないからである。また、
上記したように、接着部ペースト用の第1ガラスの軟化
点が、ガラス層用ペーストの第2ガラスの軟化点より小
さいと、この焼成工程で、接着部用ペーストの第1ガラ
スは溶融して、接着部16がリード14を固定する。こ
のとき、ガラス層用ペーストの第2ガラスは完全に溶け
て、リードに固着する必要はない。
【0018】最後に、筒状体12の回りに形成された金
属薄膜18及び接着部16を覆うようにガラス等からな
る保護層19を形成する。例えば、接着部用ペーストを
用いるガラス粉と同じガラス粉を用いることができる。
適当なガラスの粉末をスラリー又はペーストとし、この
スラリー又はペーストを浸漬、ブレード塗布、スプレー
塗布等によって、筒状体12の表面に付着させる。この
表面に付着しているスラリーを乾燥させた後、焼成し
て、保護層19を形成する。保護層19には、金属粒子
が含有していないことが好ましい。この焼成温度は、接
着部用ペースト及びガラス層の焼成温度より低いことが
好ましく、接着部用ペースト及びガラス層の焼成温度よ
り50℃以上低いことが更に好ましく、100℃以上低
いことが更になお好ましい。巻線型抵抗体素子の製造方
法は、基本的に、薄膜型抵抗体素子の製造方法と同様で
ある。ただし、金属薄膜を形成する代わりに、白金線等
の導電性の高い線18’を筒状体12の回りに巻き回
し、線18’をリード14に溶接して接続することが異
なる。巻線型抵抗体素子では、接着部16は導電性であ
る必要はない。例えば、直径が0.5mmで長さが2m
mの円筒形アルミナボビンに直径20μmの白金線を3
5μmのピッチで巻き付けると、約20オームの抵抗と
なる。
【0019】図3は、熱式流量計における抵抗体素子の
配置構成の一例を示す概略説明図である。熱式流量計
は、通常は、抵抗体素子10、2つを一組とし、一方を
流体温度補償用素子31とし、他方を発熱素子32と
し、被測定流体を通過させる流体流路24内に配設され
ている。抵抗体素子10は、その両端のリード14を介
して、スポット溶接等によりステンレス製等の導電性支
持棒22に固定され、導電性支持棒22は、合成樹脂2
3で流体流路を構成する流路壁25に固定される。
【0020】熱式流量計の駆動回路の回路図を図4に示
す。また、温度補償用素子31と発熱素子32とは、他
の抵抗33、34と共にブリッジを構成する。温度補償
用素子31は、被測定流体と同一温度になるようにし、
一方、発熱素子32の温度は、温度補償用素子31よ
り、約100〜200℃程度の所定の温度だけ高くなる
ように、差動アンプ36にてフィードバック制御される
ようになっている。このとき、温度補償用素子31に
は、発熱が無視できる程度の微小電流が流れるように
し、発熱素子32の発熱量を被測定流体の温度で補償す
るために用いている。そして、このような通電制御のも
とでは、空気流量が変化すると発熱素子32及びそれに
直列に接続する抵抗33の電流量が変化する。そこで、
発熱素子32に流れる電流量、又は、図示するように抵
抗33に流れる電流量、即ち、出力端子38、38間に
出力される電流量によって、発熱素子32を加熱するの
に要する電力が分かり、ひいては、流体通路24内を通
過させられる流体量及び流体速度が算出されて、計測さ
れ得るのである。なお、流体通路24を、流体の主通路
から分流して設けることは好ましい。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。ただし、本発明は下記実施例により制限されるもの
ではない。 (実施例1)外径0.5mm、内径0.3mm、長さ
2.5mmのアルミナパイプを筒状体12として用い、
その外側面に厚さ0.4μmの白金薄膜を公知のスッパ
タリング法により形成した。次いで、この白金薄膜をレ
ーザーにより、スパイラル状にトリミングし、抵抗値が
20オームとなるように、白金薄膜18を形成した。
【0022】一方、接着部形成用に、白金ペーストを調
整した。平均白金粒子径が約0.3μmであり、平均白
金団粒径が約5μmの白金粉体を用いた。また、Na2
O ・BaO・SiO2 系のガラス軟化点が約610℃
のガラスを粉体で用い、このガラス粉体の平均粒子径が
約1.5μmであり、平均団粒径が約8μmであった。
これの白金粉体50容量%及びこのガラス粉体50容量
%を混合し、この混合物に対して5重量%のエチルセル
ロースを粘性を調節するために加え、また、ブチルカル
ビトールを溶媒として添加し、これらを作業しやすい粘
性の白金ペーストに調整した。この白金ペーストを、上
記した円筒型の筒状体12の両端の内側面部12aに塗
布した後、外径が0.2mmの白金イリジウム合金線を
筒状体12の両端に挿入し、次いで、上記白金ペースト
を乾燥させた。一方、Na2O・BaO・SiO2系のガ
ラス軟化点が約700℃のガラスを粉体で用い、このガ
ラス粉体の平均粒子径が約1.5μmであり、平均団粒
径が約8μmであった。このガラス粉体に、5重量%の
エチルセルロースを粘性を調節するために加え、また、
ブチルカルビトールを溶媒として添加し、これらを作業
しやすい粘性のガラス層用ペーストに調整した。このガ
ラス層用ペーストを、乾燥した白金ペーストの上、筒状
体12の両端の底部12bに被覆する金属薄膜18表面
上に塗布し、次いで、ガラス層用ペーストを乾燥させ
た。この抵抗体素子前駆体を、予め750℃になってい
て空気雰囲気中の電気炉を通し、白金ペースト及びガラ
ス層用ペーストを焼成し、接着部16及びガラス層17
を形成した。なお、表2では、白金ペースト及びガラス
層用ペーストを焼成する温度を第1焼成温度(℃)とい
う。
【0023】また、ペーストを作成するときに用いたN
2O・BaO・SiO2系のガラス軟化点が約610℃
のガラス粉体に、これに対して3重量%のエチルセルロ
ースを粘性を調節するために加え、また、ブチルカルビ
トールを溶媒として添加し、これらを作業しやすい粘性
のペーストに調整した。このペーストを金属薄膜18が
被覆されている筒状体12の外側面に所定の厚さに塗布
し、予め650℃になっていて空気雰囲気中の電気炉中
で5分焼成して保護層19を形成し、抵抗体素子10を
得た。なお、表2では、この保護層を形成する焼成温度
を第2焼成温度(℃)という。こうして得られた抵抗体
素子10では、ガラス層17が図1に示すように形成さ
れ、ガラス層17がリード14に裾をひくように形成さ
れなかった。更に、抵抗体素子10を熱式流量計の発熱
抵抗体として、200〜300℃の温度で1000時
間、使用した後でも、ガラス層17は接着部16を保護
していた。
【0024】(実施例2〜7)実施例2〜7では、表2
に示すように、白金ペーストに含有するガラス、ガラス
層を構成するガラス、保護層を構成するガラス、白金ペ
ースト及びガラス層用ペーストを焼成して接着層16及
びガラス層17する第1焼成温度(℃)、並びに保護層
を形成する第2焼成温度(℃)を実施例1と異なるよう
に変化させた。例えば、実施例1で用いた白金粉体50
容量%及び表2の接着部にあるガラス粉体を50容量%
を用いて、実施例1と同様に、接着ペーストを調整し
た。
【0025】
【表2】
【0026】こうして得られた抵抗体素子10では、ガ
ラス層17が図1に示すように形成され、ガラス層17
がリード14に裾をひくように形成されなかった。更
に、抵抗体素子10を熱式流量計の発熱抵抗体として、
200〜300℃の温度で1000時間、使用した後で
も、ガラス層17は接着部16を保護していた。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る抵抗
体素子では、リードが曲がったとき、ガラス層にクラッ
クが入ることで、応力を吸収することができ、接着部に
クラックが入り難くなり、抵抗体素子の耐久性が向上す
る。また、ガラス層に含有する第2ガラスの軟化点が大
きいので、ガラス層に起因してリード表面にガラスが被
覆することが防止できる。更に、特に隆起部があると
き、保護層を焼成する工程で、工程条件を厳密に管理す
ることなく、保護層を構成するガラスがリードに流れ出
し、リード表面にガラスが被覆することが防止できる。
従って、リードと支持棒との溶接が困難になることがな
い。また、このような抵抗体素子を熱式流量計に用いる
ことにより、熱式流量計の耐久性を向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される薄膜型抵抗体素子の一具体
例を示す縦断面図である。
【図2】本発明が適用される巻線型抵抗体素子の一具体
例を示す縦断面図である。
【図3】熱式流量計における抵抗体素子の配置構成の一
具体例を示す概略説明図である。
【図4】本発明が適用される熱式流量計の駆動回路の回
路図である。
【図5】従来の薄膜型抵抗体素子の一具体例を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
10 抵抗体素子 12 筒状体 14 リード 16 接着部 17 ガラス層 18 金属薄膜 19 保護層 22 導電性支持棒 23 合成樹脂 24 流体流路 25 流路壁 30 駆動回路 31 温度補償用素子 32 発熱素子 33 抵抗 34 抵抗 36 差動アンプ 38 出力端子

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性の筒状体と、当該筒状体上に
    形成される金属抵抗と、当該金属抵抗の表面を被覆する
    保護層と、当該金属抵抗と電気的に接続し、当該筒状体
    の両端に挿嵌するリードと、当該リードを当該筒状体に
    対して固定する接着部と、を有する抵抗体素子におい
    て、 当該接着部が当該筒状体の内側面部に設けられていて、
    当該接着部は当該リードの回りに接触していて、 ガラス層が当該接着部に隣接して当該筒状体の両方の底
    部に設けられていて、当該ガラス層は当該リードの回り
    に接触していることを特徴とする抵抗体素子。
  2. 【請求項2】 当該接着部に含有する第1ガラスの軟化
    点が当該ガラス層に含有する第2ガラスの軟化点より小
    さいことを特徴とする請求項1に記載の抵抗体素子。
  3. 【請求項3】 上記ガラス層が上記筒状体の上記底部を
    すべて覆っていることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の抵抗体素子。
  4. 【請求項4】 上記ガラス層が、上記筒状体の上記底部
    の外側面よりに、隆起部を有していて、 当該隆起部は、上記保護層の外表面より、上記筒状体の
    径方向の外側に向かって、隆起していることを特徴とす
    る請求項1、2又は3に記載の抵抗体素子。
  5. 【請求項5】 上記保護層が気密性であり、上記ガラス
    層が当該保護層より多孔性であり、上記接着部が当該ガ
    ラス層より気密性であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の抵抗体素子。
  6. 【請求項6】 上記第1ガラスの軟化点が、上記第2ガ
    ラスの軟化点より、20〜200℃、小さいことを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載の抵抗体素子。
  7. 【請求項7】 上記保護層が実質的に第3ガラスからな
    り、当該第3ガラスの軟化点が、上記第1ガラスの軟化
    点と同等又はそれより低いことを特徴とする請求項1〜
    6のいずれかに記載の抵抗体素子。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載する抵抗
    体素子に係る金属抵抗が流体の流量を検出し、当該金属
    抵抗の温度に依存する抵抗変化に基づいて流体の流量を
    測定することを特徴とする熱式流量計。
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