JPH0754263B2 - 熱線式空気流量計及びその製造方法 - Google Patents

熱線式空気流量計及びその製造方法

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JPH0754263B2
JPH0754263B2 JP63244142A JP24414288A JPH0754263B2 JP H0754263 B2 JPH0754263 B2 JP H0754263B2 JP 63244142 A JP63244142 A JP 63244142A JP 24414288 A JP24414288 A JP 24414288A JP H0754263 B2 JPH0754263 B2 JP H0754263B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱線式空気流量計と、それに使用する発熱抵抗
体に関する、特に自動車用内燃機関の吸入空気量の検出
に好適な熱線式空気流量計とそれに使用する発熱抵抗体
並びにその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
熱線式空気流量計は流量を測定すべき空気流通路中に発
熱抵抗体の熱線を設置し、空気流により熱線が冷却する
のを打消すためにその熱線を流れる電流を増加してこれ
を加熱させ、この電流の増加量により空気流量を検知す
るようにしたもので、可動部分がなく、しかも、質量流
量を直接検出できるため、自動車用内燃機関の空燃比制
御用などに広く採用されている。
この流量計に使用している発熱抵抗体は、極めて細い、
例えば、直径が数十ミクロンの自金などの金属ワイヤが
用いられており、そのため、例えば、実開昭56−96326
号公報に記載の発熱抵抗体は、この発熱抵抗線となる金
属ワイヤをセラミツクス等の芯線をすなわちボビンに巻
回して構成していた。
また別の方式として、金属ワイヤをコイル状に巻回し、
発熱抵抗体の支持体に溶接する両端部を除いてガラスコ
ーテイングしたボビンのないボビンレス方式の発熱抵抗
体が出願されている。
また、特開昭62−83622号公報には、金属ワイヤをMo線
にコイル状に巻回し、その外表面をガラスで被覆すると
ともに、Mo線をエツチングによつて除去したボビンレス
発熱対抗体が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術のうち金属ワイヤをセラミツクス等の芯線
すなわちボビンに巻回した発熱抵抗体ではボビン自体を
加熱する熱及びボビンを伝わつて発抵抗体の支持体に伝
わる熱量が無視できず、特に、空気流量の変動に対し過
渡応答が遅れるため、自動車の急加速、減速時にサージ
ングが発生するといつた問題があつた。また、製造工程
で、発熱抵抗体の一個ごとに巻線作業を行う必要がある
ため、作業の自動化が困難であつた。
これに対して、ボビンレス方式では、応答性の改善が行
われ、巻線作業も発熱抵抗体を複数個連続に行うことが
できるので自動化率が増すが、ガラスコーテイングせず
に残した両端の金属ワイヤの取扱いが困難で、支持体に
保持させる組立作業等に充分な作業性が得られないとい
う製造上の問題があつた。また、コイル状の金属ワイヤ
を支持している支持部材はコーテイングしたガラスであ
るが、製粉として充分な強度を確保するためにはガラス
層の厚さをあまり薄くできず、熱伝導性の悪いガラス層
によつて金属ワイヤと空気流との間の熱伝達に遅れを生
じ、過渡応答性を損うという問題があつた。
また、上述したボビンレス方式では、前記ガラスコーテ
ィングでできた円筒部材の内壁面(金属ワイヤが螺設さ
れている面)が外気と接触する構成となつている。この
ために、計測すべき空気の流路における前記空気中に、
塵埃、イオン性の物質が含まれている場合、これら塵
埃、イオン性の物質が前記円筒部材の内壁面に付着、ま
た最悪の場合充填された状態となつてしまう。このよう
な場合、ワイヤから発熱された熱が前記塵埃を媒体とし
て伝導してしまうことになり、ボビンレス方式としたメ
リツトが損なわれることになる。また、イオン性の物質
が付着、充填された場合、コイル状の隣接する金属ワイ
ヤ間に短絡が生じ、発熱抵抗体としての特性それ自体が
変化してしまうという問題点を有する。また、従来のボ
ビンレス方式の発熱抵抗体の製造方法にあつては、ボビ
ンにコイル状に金属ワイヤを巻回した後、前記ボビンを
除去する方法を採用しており、そのボビン除去手段とし
て科学的エッチングを用いたものである。このため、エ
ツチング工程を特に必要とするものであり作業を複雑化
していたものであつた。
本発明の目的は、高い応答性を持つた熱線式空気流量計
とその発熱抵抗体並びにそれらの製法を提供することに
ある。
また、本発明は、空気中の塵埃、イオン性物質によって
も、応答性が害されないことはもちろんのこと、特性劣
化をも生ぜしめない熱線式空気流量計とその発熱抵抗体
並びにそれらの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は製造を簡単にし、高い自動化率で製造で
き、作業の煩雑化を解消した熱線式空気流量計とその発
熱抵抗体並びにそれらの製造方法を提供することを目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、空気通路中に設置された空気流量を測定する
発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の電流を制御し、前記発
熱抵抗体の出力電圧を空気流量に対応した信号を取出す
駆動回路を含む熱線式空気流量計において、発熱抵抗体
は、コイル状に巻回した金属ワイヤと、その両端に接続
した金属リード線と、前記金属ワイヤと金属リード線の
接続部及び接続部間に在る金属ワイヤを被覆支持する支
持部材、たとえばガラス部材により構成することで達成
される。
また、このような発熱抵抗体は、所定の長さの金属芯
線、あるいはガラス芯線と、これに巻回した発熱抵抗線
となる金属ワイヤ並びに該金属ワイヤの両端に溶接され
たリード線とから成る部材を準備し、次いで前記溶接部
も覆うようにガラス材で金属ワイヤをオーバーコートし
て焼成した後、金属芯線を除去して作製される。しかし
ガラス芯線を用いた場合は除去しなくてもよい。
また、上記目的を達成するために、本発明は、円筒状の
支持部材としてのガラス部材と、このガラス部材内に中
心軸を同一にして前記ガラス部材の内壁面に沿つて螺設
され、両端が前記ガラス部材外へ電気的に引き出された
コイルと、を備えるとともに、前記ガラス部材の両端が
閉塞されていることを特徴とする熱線式空気流量計用発
熱抵抗体としたものである。
また、前記発熱抵抗体を製造する場合、昇華性の芯線の
囲りに発熱抵抗線としての金属ワイヤを螺旋状に回巻す
る工程と、回巻された前記ワイヤの両端の電気引出し部
のみを除いて、前記ワイヤを前記芯線ごとポーラスなガ
ラス材で被覆する工程と、熱処理によつて前記芯線の昇
華と前記ガラス材の焼結を行なう工程と、を少なくとも
備えるようにしたものである。
また、本発明の上記目的は、発熱抵抗線すなわち金属ワ
イヤとこれに接続したリード線並びに発熱抵抗線を被覆
支持する支持部材とを備えた発熱抵抗体において、前記
支持部材がセラミツクスとガラスの複合材層で形成され
る発熱抵抗体によつて達成される。
該発熱抵抗体が中空部を有し、支持部材を形成する複合
材層に含まれるガラス成分が、表面層をなし、かつ該ガ
ラス成分が前記中空部に達する連続相であるようにする
と効果的である。
また、前記複合材層に含まれるセラミツクスを、熱伝導
率が少なくとも10W/m・Kであるセラミックスとするこ
とも効果的であり、前記複合材層に含まれるガラス成分
の割合は、2〜60体積%とするとよい。さらに、前記複
合材層に含まれるガラス成分に軟化点(リトルトンポイ
ントとも云う)が700℃以下のガラス成分と、700℃より
も軟化点が高いガラス成分を含ませることが有効であ
る。
さらに、前記課題は所定の長さの金属芯線と、これに巻
回した発熱抵抗線となる金属ワイヤ並びに該金属ワイヤ
の両端に接続されたリード線とからなる部材を準備する
工程と、巻回した金属ワイヤにセラミツクス粒子を付着
させ、被覆して焼成する工程と、前記金属芯線を除去す
る工程と、ガラス成分を溶融して前記焼成層にコーテイ
ングし、該ガラス成分を前記セラミツクス焼成層に浸透
させて複合材層を形成する工程とを含む空気流量計用発
熱抵抗体の製造方法によつても達成される。ここで金属
芯線と金属ワイヤとリード線から成る部材を準備する工
程においては、始めに金属芯線に発熱抵抗となる金属ワ
イヤを連続的に巻回し、それを所定の長さに切断した
後、該金属ワイヤの両端にリード線を接続する方法、あ
るいは(所定の長さの)金属芯線の両端にリード線を接
続した後、さらにこのリード線の一方に発熱抵抗線とな
る金属ワイヤの一端を接続し、これを金属芯線に巻回し
た後に他端をもう一方のリード線に接続する方法をとる
ことができる。
また、セラミツクス粒子とガラス粒子を混合したもの
を、巻回された金属ワイヤに付着させ被覆・焼成してセ
ラミツクスとガラスの複合材層を形成してもよいし、こ
れで形成された複合材層の上にさらにガラスを溶融コー
テイングしてもよい。セラミツクス粒子とガラス粒子を
混合するかわりに、セラミツクスとガラスの複合材の粒
子を製造し、これを金属芯線に巻回された金属ワイヤに
付着させ被覆・焼成する方法とすることもできる。
これまでに述べた発熱抵抗体と、該発熱抵抗体の電流を
制御するとともに、該発熱抵抗体の出力電圧を空気流量
に対応した信号として取出す駆動回路部とを有する自動
車用空気流量計によつても、前記発熱抵抗体と、該発熱
抵抗体の温度を検出する手段とを備えた風速計によつて
も、前記課題は達成される。
〔作用〕
本発明では、長手方向に連続した複数本の発熱抵抗体を
作るのに要する長さを持つた金属芯線、または、ガラス
芯線に金属ワイヤを連続的に巻回す。このとき連続した
複数個の発熱抵抗体について金属ワイヤが自動巻線機に
より連続的に巻線作業が行われるので、製造の自動化率
を著しく高くできる。
次に、このようにして金属ワイヤを巻いた芯線を所定の
長さに切り、その両端にリード線を溶接する。溶接部は
溶接部間の金属ワイヤとともにガラスでオーバーコート
され、一体的に固定される。従つて、最終的に発熱抵抗
体はリード線とガラス部材とで支持(一定的固定)さ
れ、細い金属ワイヤ部を発熱抵抗体の支持体に接続した
りする作業がなくなるので、取扱いが容易になる。
金属芯線は導電性があるのでリード線間を短絡させてし
まうので、酸によるエツチングなどで金属芯線を除去す
る。発熱部はオーバーコートしたガラスにより機械的強
度及び耐食性を持たせることができる。これにより、金
属ワイヤに通電することにより発生した熱が従来のボビ
ン式のように熱容量の大きいボビンを加熱したり、ボビ
ンを伝わつて支持体に逃げることなく、ほとんどが空気
に熱伝達される。従つて、空気流量が急変した場合など
の過渡応答性が大幅に向上し、真の空気量変化に追従し
て熱線式空気流量計が信号を出せるため、常に、適切な
燃料供給量制御によりサージング発生等の問題を解消す
ことができる。
ガラス芯線を用いた場合は、絶縁性なのでガラス芯線を
除去する必要がない。この時は機械的強度をこの芯線で
持たせることができるので、ガラスのオーバーコートの
厚さは薄くて良く、全体の熱容量は小さくできるので、
応答性は金属芯線を除去した場合に比べて悪くならな
い。
なお、金属芯線除去したあとに、そこをガラスで埋める
製法も可能である。特性は、ガラス芯線を用いた場合と
同様である。
金属ワイヤには、通常は耐熱性,耐食性の高い白金線が
用いられるが、タングステン線を使うこともできる。リ
ード線には、白金イリジウム合金線などが用いられる。
ガラスを焼成する際に、あまり高温で加熱すると白金線
が脆化し、電気的な特性が変化してしまう。1200℃以上
で長時間加熱することは避けなければならない。従つ
て、発熱抵抗体を支持するガラス部材は、温度が800℃
がら850℃で粘度が104ポアズ以上107ポアズ以下の特性
を持つものを用い、1200℃以下で焼成することが必要で
ある。ガラスの熱膨張係数は必ずしも白金線の熱膨張係
数(90×10-7/℃)に合つている必要はないが、使用時
の熱サイクルによる応力を緩和するためには近い方が有
利である。また、芯線を酸でエツチング除去する場合
に、ガラスが大幅に侵食されてはならない。ガラスの耐
酸性は粘度特性と同様にガラス構造の結合強度に関係し
ており、この粘度特性を持つガラスならばエツチングの
際の侵食深さを1μm以下におさえられることを確認し
た。このようなガラスであれば、使用時の耐水性,耐油
性等も十分である。粘度がさらに低温で低下するガラス
は、低い温度で焼成することが可能であるが、耐酸性,
耐水性,耐油性等が不十分である。
前述の支持部材は50〜65重量%のSiO2,20〜35重量%のP
bO,10〜20重量%のR2O(R2OはK2OとNa2Oの和)を主成分
とする鉛カリガラス、鉛ソーダガラスまたは鉛カリソー
ダガラス、あるいは65〜75重量%のSiO2,4〜15重量%の
RO(ROはMgOとCaOとBaOの和)、10〜25重量%のR2O(R2
OはK2OとNa2Oの和)を主成分とするソーダ石灰ガラス、
または、ソーダバリウムガラス、または、カリ石灰ガラ
スまたはカリバリウムガラスが適用される。
金属芯線としては、モリブデン線やニツケル鉄合金線が
用いられる。これらに対しても大気中で1200℃以上に加
熱するのは酸化の点から好ましくなく、上記の特性のガ
ラスを用いることによつて、組合せて使用が可能にな
る。特にニツケル鉄合金線は白金線と熱膨張係数を合せ
ることができ、ガラス焼成時に熱応力を小さくすること
ができる。
また、内壁面に沿つてコイルが形成された円筒状のガラ
ス部材の両端が、閉塞されていることにより、空気中の
塵埃、イオン性物質が、前記ガラス部材の内壁面に付
着、あるいは充填されることはまつたくなくなる。この
ため、前記コイルの面にはまつたく異物が侵入すること
はないことから、熱的な面、あるいは電気的な面で安定
が図られ、上述の目的が達成される。
また、製造においては、芯線に昇華性物質を用い、ガラ
ス焼結時にその焼結作業に要する熱で前記芯線を昇華さ
せるようにする。このため、前記芯線の除去に際し、エ
ツチング工程を不要とできることから、工程作業の容易
化を図ることができるようになる。
支持部材をセラミツクスとガラスの複合材層で形成した
場合にも、金属ワイヤの両端はリード線に接続されるの
で、細かい金属ワイヤ部を支持体に接続したりする作業
がなくなり、取扱いが容易になる。特に通常は金属ワイ
ヤとリード線の接続部を含めて支持部材で金属ワイヤを
被覆し、金属ワイヤとリード線が固定されるので、最終
的に発熱抵抗体はリード線と支持部材とで支持され、取
扱いに適した構造となる。
金属芯線は導電性であるため、リード線間を短絡させて
しまうので、酸によるエツチングや大気中昇温による酸
化及び昇華などで金属芯線を除去する。発熱部は被覆し
た複合材により機械的強度及び耐環境性を持たせること
ができる。金属ワイヤに通電することにより発生した熱
は、複合材層を伝わつて空気に伝達される。この時、ガ
ラスの熱伝導率が1W/m・K程度であるのに対し、熱伝導
率が10W/m・K以上のセラミツクスと複合化することに
より複合材層の熱伝導率をガラスの約10倍あるいはそれ
以上にすることができる。したがつて、金属ワイヤをガ
ラスだけでコーテイングした場合のように空気流の変化
による熱伝達量の変化に大きな遅れを生じることがな
く、過渡応答性が改善される。
金属ワイヤの被覆層を焼成する場合にあまり高温で加熱
すると、白金線が脆化し、電気的な特性が変化してしま
う。1200℃以上で長時間加熱することは避けなければな
らない。従つて熱伝導性のよいセラミツクスだけを被覆
した場合は焼成が十分行われず、発熱抵抗体の強度が不
足する。ガラスを溶融、コーテイングし、セラミツクス
との焼成層に浸透させて複合材層とすることにより、強
度と高い熱伝導性とが確保され、金属ワイヤにセラミツ
クスとガラスを同時に付着させ、焼成した場合には、12
00℃以下でもガラスの焼結作用により強度の高い被覆複
合材層が得られる。複合材層に空隙が残つている場合に
は、さらにガラスを溶融、コーテイングすることによ
り、高い強度が得られる。
ガラスとセラミツクスの複合材層の粒子を金属ワイヤに
付着させて被覆・焼成すると複合材層の均一性が高くな
り、配合比制御が正確になる。
コーテイングに使用するガラスとして、軟化点が700℃
以下のガラスを使用すると作業性がよい。
複合材層のガラス成分が連続相をなしていると強度が大
きく、ガラス成分が少なすぎると強度が不足する。多す
ぎると、熱伝導性を高めるためにセラミツクスを複合化
した効果がなくなつてしまう。複合材層中に占めるガラ
ス成分の割合は、2〜60体積%が適当である。
金属芯線として使用されるモリブデン線やニツケル鉄合
金線は酸によるエツチングで除去できる。モリブデン線
の場合は、大気中で酸化することにより昇華するので、
被覆層を焼成する工程で同時に除去することも可能であ
る。
〔実施例〕
実施例1 本発明に係る発熱抵抗体1を用いて自動車内燃機の熱線
式空気流量計の構成の一実施例を、第1図に示す。な
お、この実施例では、発熱抵抗体1と同じものが空気温
度測定用として対になつて用いられ、それを空気温度測
定抵抗体6で表わしてある。発熱抵抗体1及び空気温度
測定抵抗体6は、第1図に示すように、吸入空気の大部
分が通るメイン通路71及び吸入空気の一部が分流するバ
イパス通路72をもつボデイ73のバイパス通路72中の支持
体8に固定される。
第2図は、熱線式空気流量計の駆動回路の一実施例で、
発熱抵抗体1、空気温度測定低抗体6、オペアンプ9,1
0、パワートランジスタ11、コンデンサ12、抵抗13〜17
で構成されている。またパワートランジスタ11のコレク
タ端子18にはバツテリー(図示せず)の(+)極が、抵
抗13のアース端子19にはバツテリー(図示せず)の
(−)極が、そして抵抗13と発熱抵抗体1の接続点20に
は、本熱線式空気流量計の出力信号を使つてエンジン制
御を行うマイクロコンピュータ(図示せず)の入力端子
がそれぞれ接続される。
このような構成において、パワートランジスタ11によつ
て発熱抵抗体1に電流を供給して加熱し、その温度が空
気温度測定抵抗体6より常に一定の温度だけ高くなるよ
うに制御する。この時、空気温度測定抵抗体6には発熱
が無視できる程度の微小電流しか流さず、これにより吸
入空気温度を検出するようにして吸入空気の温度補正用
として使用している。ここで空気流が発熱抵抗体1に当
ると、駆動回路の動作によつて前述のように、発熱抵抗
体1と空気温度測定抵抗体6の温度差が常に一定になる
ように制御されるが、この動作は発熱抵抗体1の両端の
電圧差を抵抗14,15で分割した電圧と、発熱抵抗体1を
流れた電流によつて生じる抵抗13の電圧降下をオペアン
プ9で増幅した電圧とが常に等しくなるように帰還をか
けることによつて行われている。従つて、空気流量が変
化すると発熱抵抗体1を流れる電流が変化し、その電流
に応じて抵抗13に現われる電圧降下で空気流量が測定さ
れることになる。
第3図は、本発明による熱線式空気流量計発熱抵抗体の
一実施例を示す構成図である。
同図において、円筒形状のガラス部材4がある。このガ
ラス部材4の内部には、中心軸を同一にして前記ガラス
部材4の内壁面に沿つて螺設された白金ワイヤ2を備え
ている。この白金ワイヤ2の両端各部は、それぞれ、前
記ガラス部材4に支持されたリード線3に接続され、電
気的にガラス部材4の外部に引き出されている。そし
て、前記ガラス部材4の両端はこのガラス部材と同一材
料によつて閉塞された状態となつている。
次に、このように構成して発熱抵抗体の製造方法の一実
施例を第4図(A),(B)を用いて説明する。
(A)は、自動巻線機により直径20μmの白金ワイヤ2
を直径0.4mmのモリブデン芯線5に連続的に巻付けた状
態に示す。(B)は(A)に示す部材から発熱抵抗体1
個分の長さ約6mmに切断し、両端に直径0.13mmの白金イ
リジウム合金のリード線を接続部21で溶接した状態を示
す。(C)は、白金ワイヤ2をモリブデン芯線5に巻付
けた周囲に電気泳動法によりガラス部材41を被覆し、酸
化性雰囲気の状態で焼成した状態を示す。ここで用いた
ガラス部材41は、たとえばSiO2−B2O3−PbO系ガラス
で、温度が800℃での粘度が106.5ポアズ、850℃での粘
度が104.2ポアズの特性を有する。このガラス部材41の
焼成において、温度が上昇するにつれてモリブデン芯線
5の酸化が進みMoO3となり、温度が795℃に達するとMoO
3が昇華するが、温度800℃での粘度が106.5ポアズのガ
ラス部材41は充分な隙間を保持るため、MoO3の昇華物は
ガラス部材41の粒子間の隙間から揮散し、モリブデン芯
線5は除去される。しかる後温度950℃で20分間保持し
てガラス部材41の焼成を終るが、ガラス部材41は昇華し
たMoO3と反応して流動性が低下するため、多孔質となり
表面の平滑度も充分でないので、(D)に示すように2
層目のガラス部材42を被覆し、酸化性雰囲気の電気炉で
焼成した。ここで用いたガラス部材42はたとえばZnO−B
2O3−SiO2系ガラスで、温度600℃での粘度が108ポア
ズ、690℃での粘度が104ポアズの特性を有する。そのた
め、温度720℃で20分間焼成することにより、多孔質で
あつた初層ガラス部材41の空孔部を充分に埋めると共に
表面平滑となり、第3図に示した発熱抵抗体1を得る。
またこの方法のように、モリブデン芯線5が昇華後に2
層目ガラス部材42を被覆し、焼成して得た発熱低抗体
は、(E)に拡大して示すように、コイル状に巻いた白
金ワイヤ2の内側までガラス部材が覆つているので、白
金ワイヤ2をより強固に支持することができる。
このように構成した発熱抵抗体は、内壁面に沿つてコイ
ルが形成された円筒状のガラス部材の両端は、閉塞され
ていることから、空気中の塵埃、イオン性物質が、前記
ガラス部材の内壁面に付着、あるいは充填されることは
まつたくなくなる。このため、前記コイルの面にはまつ
たく異物が侵入することはないから、熱的な面、あるい
は電気的な面で安定が図れることになる。
また、上述の発熱抵抗体の製造方法は、昇華性の材料か
らなる芯線、たとえばモリブデン芯線5を用いることに
より、ガラス部材焼結時に昇華を行なうことができるよ
うになる。このことは、特にエツチング等の作業を湿式
で行なうことなく、芯線を除去せしめることができるも
のであり、作業性の煩雑さをなくすことができる。
第5図は、本実施例で得た発熱抵抗体を用いた熱線式空
気流量計の応答特性図である。横軸に時間(ms)をと
り、縦軸に流量(kg/h)をとる。空気流量を低流量約20
kg/hから高流量約200kg/hに切換えた時の熱線式流量計
の出力電圧を測定し、流量に換算して縦軸に示した。曲
線Bに示す従来のボビン式の発熱抵抗体を使用した空気
流量計に比べて、本発明の空気流量計は曲線Aに示す。
最終値到達時間が大幅に向上していることがわかる。
このため自動車の急加速,減速時にも、真の空気量変化
に追従して熱線式空気流量計が信号を出せるため、適切
なインジエクタの噴射量を決定でき、サージングの問題
は解消する。
このように応答性能が大幅に向上したのは、発熱抵抗体
1の白金ワイヤ2の発生する熱が、従来のボビン式発熱
抵抗体のように、ボビンすなわち芯線を加熱したりボビ
ンを伝わつて支持体に逃げることがなく、ほとんど空気
に伝達されていて空気量の変化に敏感に反応するためで
ある。
本発明の発熱抵抗体と、その抵抗値の変化から温度を検
出し、風速に換算する回路を組合せて作製した風速計
も、同様に高い応答性を示した。
実施例2 次に、第3図に示した発熱抵抗体の製造方法の他の実施
例を以下説明する。
自動巻線機により直径20μmの白金線2を直径0.4mmの
モリブデン芯線5に巻付け、素子すなわち発熱抵抗体1
個分の長さ6mmに相断した両端部に直径0.13mmの白金イ
リジウム合金のリード線を溶接部21で溶接し、白金ワイ
ヤ2とリード線3の外側からガラス部材4を電気泳動法
で被覆し、但しモリブデン芯線5の両端は被覆しないま
まにし、これを酸化性雰囲気の電気炉で焼成した状態を
第6図に示す。ここで用いたガラス部材4は、ZnO−B2O
3系ガラスで、温度680℃での粘度が104ポアズである
が、750℃で結晶化し、再溶融温度が1000℃以上の特性
を有する。このガラス部材4の焼成において、温度の上
昇につれてモリブデン芯線5の酸化が進みMoO3となり、
軟化したガラス部材は温度680℃で封着するが、750℃に
達すると結晶化して形状が安定化する。しかる後温度を
上昇してMoO3を昇華させることにより、モリブデン芯線
5を除去し、950℃で20分保持して焼成を終るが、ガラ
ス部材4の両端部にMoO3が昇華揮散する際の開口部が残
つているので、これを火焔の熱でガラスを溶かして塞ぐ
ことにより第3図に示す発熱抵抗体を得る。
実施例3 さらに、第3図に示した発熱抵抗体の製造方法の他の実
施例を以下説明する。
自動巻線機により直径20μmの白金線2を直径0.4mmの
モリブデン芯線5に巻付け、素子すなわち発熱抵抗体1
個分の長さ6mmmに切断した両端部に直径0.13mmの白金イ
リジウム合金のリード線3を接続部21で溶接し、ガラス
部材4を電気泳動法で被覆した後、酸化性雰囲気の電気
炉で焼成した状態を第3図に示す。ここで用いたガラス
部材4はAl2O3−P2O5系ガラスで、温度820℃での粘度が
106.7ポアズ、910℃での粘度が104ポアズの特性を有す
る。このガアス部材の焼成において、温度が上昇するに
つれてモリブデン芯線5は酸化し、795℃に達すると昇
華して除去され、1080℃で1h保持して焼成を完了し、第
3図に示す発熱抵抗体1を得る。以上、第3図に示すガ
ラス部材4について、種々な組成のガラス部材を用いて
実施したが、それらのガラス部材が温度800℃での粘度
が104ポアズ以上、1000℃での粘度が107ポアズ以下の特
性を有するものであれば、第3図に示す発熱抵抗体1を
得ることができる。また、第6図に示すガラス部材につ
いて、種々な組成のガラス部材を用いて実施したが、そ
れらのガラス部材が結晶性を有し、その結晶化温度が79
0℃以下でかつ900℃以下の温度では形状を崩さないもの
であれば、第3図に示す熱線式空気流量センサ1を得る
ことができる。
上述の各実施例では、ガラス部材を被覆するのに電気泳
動法を用いたが、電気泳動法以外であつても、例えばペ
ースト状にしたガラス部材を塗布する方法であつても、
第3図に示す発熱抵抗体1を得ることができる。
実施例4 第7図は本発明の熱線式空気流量計に用いた発熱抵抗体
の他の実施例の断面図である。吸入空気量を検出する発
熱抵抗体1は、コイル状に巻回した白金ワイヤ2と、そ
の両端に接続した白金イリジウム合金のリード線3と、
それらの接続部21及び白金ワイヤ2を支持するガラス部
材4を含む。
この発熱抵抗体1の製造方法を第8図(A)〜(D)に
基づいて説明する。
(A)は、白金ワイヤを巻回するための直径0.5mmの52
%のNiを含むNi−Fe芯線すなわちボビン5に自動巻線機
により直径20μmの白金ワイヤ2を発熱抵抗体複数個分
の長さにわたり連続的に巻いた状態、(B)はこれを長
さ6mmに切断し、両端に直径0.13mmの白金イリジウム合
金のリード線3を、接続部21で溶接した状態、(D)は
接続部21及び白金ワイヤを支持部材としてのガラス材4
でオーバーコートし、焼成した状態を示す。ここで用い
たガラス材は、組成がSiO256重量%,PbO30重量%,K2O6
重量%,Na2O6重量%,CaO1重量%,Al2O31重量%の鉛カリ
ソーダガラスである。このガラスの粘度は、800℃で10
6.3ポアズ、850℃で106ポアズであつた。オーバーコー
トの際は、変性アルコールと水を溶媒とし、硝酸マグネ
シウムと硝酸アルミニウムを電解質として上記ガラスを
分散させた電着液を作り、白金ワイヤを陰極、アルミニ
ウム板を陽極として両電極間に電着液中で30Vの電圧を
かけて、電気泳動により白金ワイヤにガラス粉を付着さ
せた。これを電気炉中で、800℃で六分間加熱して焼成
した。焼成後のガラスの厚さは約100μmである。これ
を硝酸硫酸の混酸に温度80℃で一時間浸漬させて、芯線
5を除去した。混酸に浸漬したことによるガラスの侵食
深さは、1μm以下であつた。得られた発熱抵抗体1は
ピンセツトで扱える強度を持ち、単一の素子として扱え
るため、その後の組立てに際しても取扱いが容易で、十
分な作業性を得ることができた。これを用いた空気流量
計は第5図と同様に高い応答性を示すことが確認され
た。
実施例5 実施例4と同様にして、いろいろなガラスを用いて第7
図に示した構造の発熱抵抗体を作製した。
第1表に用いたガラスの組成を示す。第2表にそれぞれ
のガラスの800℃と850℃における粘度,焼成した温度、
焼成による白金線の脆化の有無、芯線除去後の発熱抵抗
体をピンセツトではさんだ時の破損の有無を示す。な
お、破損には、芯線をエツチングした時にガラスが侵食
され、白金線が露出してほぐれてしまつたものなども含
む。
第2表からわかるように、800℃で粘度が107ポアズを越
えるガラスは、1200℃以上で焼成する必要があり、白金
線の脆化をもたらすという弊害がある。また、850℃で
粘度が104ポアズを下回るガラスは、焼成温度は低くて
よいが、エツチング時に酸に侵食されやすく強度も低い
という欠点がある。
第2表で白金線の脆化も、破損もなかつた発熱抵抗体
(ガラスb,e,f,h,iを用いたもの)を用いて、第1図の
熱線式空気流量計を作製した。いずれも、従来のボビン
式発熱抵抗体を使用した空気流量計に比べて、第5図に
示す様に応答性の大幅な向上が認められた。
尚、本実施例において実施例1と同様に芯線5として用
いたMo線を被覆ガラスの焼成と同時に昇華によつて除去
するやり方にも十分に適用できることが確認され、応答
性も良好であつた。
実施例6 芯線5として直径0.5mmのMo線を用い、第8図(A)〜
(D)に示す製造工程と同様に自動巻線機により直径20
μmの白金ワイヤを複数個の長さにわたり巻回し、所定
の長さに切断した後にリード線を溶接し、この溶接部及
び白金ワイヤに、デイツプ法でガラスを付着させた。用
いたガラスの組成は、SiO274重量%,CaO9重量%,K2O8重
量%,Na2O8重量%,Al2O31重量%である。このガラスの
粘度は、800℃で106.2ポアズ、850℃で105.5ポアズであ
つた。次いで電気炉中で1000℃で三十分間加熱し、ガラ
スを焼成した。このとき、電気炉中の雰囲気は大気と
し、焼成と同時にMo芯線を酸化させ、昇華させて除去し
た。従つて、コイル状白金ワイヤ2の内部はボビンレス
の状態である。
得られた発熱抵抗体は、その後の組立に支障ない作業強
度を持ち、これを用いた空気流量計は第5図に示すよう
高い応答性を示した。
実施例7 直径10μmの無アルカリガラス繊維を束ねて直径0.3mm
のガラス線とし、これを芯線として白金ワイヤを巻いた
後、長さ10mmに切断した。両端にリード線を溶接した
後、実施例4と同様のガラスを電気泳動法で付着させ
た。このとき、溶接部を含めて芯線及び白金ワイヤはす
べて付着したガラスでおおわれるようにし、また、付着
したガラスの厚さは実施例4の2/5となるようにした。
次いで900℃で十分間加熱してガラスを焼成した。
得られた発熱抵抗体は、実施例1の発熱抵抗体よりもさ
らに強度が高く、1mの高さから床に落下させても破壊し
なかつた。応答性は、実施例6よりも立上がりがやや急
であつたが、100kg/h以上で上がり方が遅くなり、30ms
以降は実施例6と同様であつた。
実施例8 実施例4と同様にして、第2図(E)に示す発熱抵抗体
を作製した。この時、付着、焼成したガラスの厚さを、
実施例4の半分とした。次いで、組成がSiO235重量%,P
bO58重量%,K2O7重量%のガラスを有機溶媒に分散さ
せ、発熱抵抗体の芯線を除去した空洞内部に充填した。
これを電気炉中で650℃で十分間加熱して焼成した。
内部に充填した第二のガラスは焼成後に気孔を多く含ん
でいるが、得られた発熱抵抗体は実施例1の発熱抵抗体
と同様の強度を示した。応答性も実施例6と同様であつ
た。
実施例9 第9図は本発明で作製した発熱抵抗体の他の実施例の構
造図である。コイル状の巻回した白金ワイヤから成る発
熱抵抗線2の両端に白金イリジウム合金のリード線3が
接続されており、それらの接続部21を含めて発熱抵抗体
2がセラミツクスとガラスの複合材層4で被覆されてい
る。
この発熱抵抗体の製造方法を第10図(A)〜(E)に基
づいて説明する。
(A)は、白金ワイヤを巻回するための直径0.5mmのモ
リブデン(Mo)芯線5である。この芯線5は5mm長さの
断面が円形の部分に続いて2mmの長さの平坦部が設けて
あり、これがくり返されている。(B)はこの芯線5に
自動巻線機により直径30μmの白金ワイヤ(発熱抵抗)
2を複数個分連続に巻いた状態を示す。(C)はそれを
平坦部の中央で切断し、両端に直径0.13mmの白金イリジ
ウム合金のリード線3を、接続部21で溶接した状態を示
す。平坦部は、リード線3を芯線5に設置するのに容易
にでき、作業性を向上させるために設けるものである。
この部分は押圧による塑性加工によつて形成される。平
坦部は上下対称に形成されるのが、作業性の点から好ま
しい。(D)は発熱抵抗機2を複合材4で被覆し、焼成
した状態を示す。ここで被覆の際には、変成アルコール
と水を溶媒とし、硝酸マグネシウムと硝酸アルミニウム
を電解質として、アルミナとPbO−SiO2系ガラスの粒子
を95:5の割合で分散させた電着液を作り、(C)の状態
の白金ワイヤを陰極、アルミニウム板を陽極として両電
極間に電着液中で40Vの電圧をかけて、電気泳動により
白金ワイヤにアルミナとガラスの粒子を付着させた。第
11図は、この状態を模式的に示し、Mo芯線51に巻回され
た白金ワイヤ52の周囲に孔54を含むアルミナとガラス層
53が付着され、多孔質層となつている。(D)はこれを
電気炉中で加熱し、900℃で1時間保持してMo芯線を酸
化させ昇華させた後、さらに1100℃に昇温して30分間保
持し、電着層を焼成した状態を示す。焼成層4の厚さは
約80μmである。この時用いたガラスの軟化点は850℃
で、焼成層5は多孔質状態になつているが、取扱いに十
分な強度を有した。(E)これに軟化点が680℃のPbO−
B2O3−SiO2系ガラス粉をコーテイングし、850℃で90分
間焼成して焼成層4に浸透させ、複合材層とした状態を
示す。得られた発熱抵抗体の断面を観察した結果によれ
ば、コーテイングしたガラスは表面層をなし、かつMo芯
線が除去されたあとの中空部にまで達して連続相をなし
ており、複合材層中に占めるガラスの体積率は32%であ
つた。また得られた発熱抵抗体を押しつぶすのに必要な
力は、従来技術の場合の押しつぶし強度0.5kg程度に対
し、2.1kgであつた。
実施例10 芯線として直径0.5mmのニツケルを52%含むNi−Fe線を
用い、第10図(A)〜(E)に示す工程と同様にして白
金ワイヤを巻いて切断した後にリード線を溶接した。こ
れの溶接部及び白金ワイヤに、デイツプ法でアルミナ粒
子を付着させた。デイツプ法とは、有機溶媒(テレピネ
オール)にアルミナ粒子を分散させた溶液を作成し、こ
れに芯線に白金ワイヤを巻きリード線をつけた発熱抵抗
体を浸漬(デイツプ)して引上げ、これによつて発熱抵
抗体にアルミナ粒子を付着させる方法である。この時、
芯線の一端が露出するようにした。次いで電気炉中で15
00℃で2分間加熱し、アルミナを焼成した。次いで硝酸
と硫酸の混酸に温度80℃で3時間浸漬させて、芯線をエ
ツチング除去した。これに軟化点が600℃のPbO−SiO2
ガラス粉をコーテイングし、820℃で90分間焼成してア
ルミナ焼成層中に浸透させ、複合材層とした。得られた
発熱抵抗体の押しつぶし強度は1.8kgであつた。また複
合材層におけるコーテイングガラスの体積率は41%であ
つた。
実施例11 実施例9,10と同様にして、複合材層におけるガラス成分
の体積率の異なる発熱抵抗体を作製した。ガラス成分の
体積率の少ない発熱抵抗体は、白金ワイヤにセラミツク
ス粒子とガラス粒子を実施例9と同様の電気泳動法によ
り、所定の割合で同時に付着させ、ガラスが十分溶融す
る条件で焼成し、続くガラスコーテイングは行わずに作
製した。これらの時に、予めセラミツクス粒子とガラス
粒子を所定の割合で混合し、加熱してガラスを溶融さ
せ、固化させた後に粒砕し、複合材粒子をあらかじめ作
製して白金ワイヤに付着させると、複号材層の均一性が
高くなつた。例えば、電気泳動法で粒子を付着させる場
合、粒子の表面電荷の作用を利用するので、粒子の種類
によつて付き方が違う。従つて電気泳動液に分散させた
ときのセラミツクスとガラスの配合比と全く同じ配合比
で付着するとは限らないし、場所により付着した配合比
にムラができる可能性がある。しかし1個ずつの粒子を
所定の配合比の複合材粒子にあらかじめしておくことに
より、この問題が回避される。セラミツクス成分として
は、アルミナのほかに炭化ケイ素,窒化ケイ素,窒化ア
ルミニウムを用いた。熱伝導率はアルミナが21W/m・K,
炭化ケイ素が40W/m・k,窒化ケイ素が12W/m・K,窒化アル
ミニウムが21W/m・Kである。アルミナ以外を用いた場
合は、付着後の焼成を不活性ガス中で行つた。
製造された発熱抵抗体について、押しつぶし強度と応答
時間を調べた。第12図は横軸に複合材層中にガラス成分
が占める体積率R(%)を、縦軸に押しつぶし強度F
(kg)をとつて両者の関係を示したグラフである。破線
Foは発熱抵抗体として要求される押しつぶし強度を示
し、実線C、及びDで囲まれた区域が本実施例で製造さ
れた発熱抵抗体が示した押しつぶし強度が存在する範囲
である。用いたセラミツクス成分の種類等により押しつ
ぶし強度に幅が生じている。第13図は、横軸に第12図と
同じくガラス成分の体積率R(%)を、縦軸に発熱抵抗
体の応答時間T(ms)をとつて、両者の関係を示したグ
ラフである。応答時間についても、用いられたセラミツ
クスの種類等により、差が生じている。
複合材層のガラス成分の体積率が2%に満たない場合
は、被覆層の強度が弱く、ピンセツト等で取扱いができ
なかつた。また強度を上げるために高温で長時間焼成す
ると白金線の特性が変化してしまうため、発熱抵抗とし
て不適であつた。
複合材層のセラミツクス成分の体積率が40%に満たない
場合、即ちガラス成分の体積率が60%を越える場合は、
空気流量計としての応答性がガラスだけで白金ワイヤを
被覆した場合と同様に悪く、セラミツクスとガラスを複
合化したときの効果が表われなかつた。
実施例12 実施例9〜11においては、金属芯線に発熱抵抗線となる
金属ワイヤを連続的に巻回し、これを所定の長さに切断
した後にリード線を接続したが、本実施例においては、
金属芯線を所定の長さに切断し、この金属芯線の両端に
リード線を接続した後、さらにこのリード線の一方に発
熱抵抗線となる金属ワイヤの一端を接続し、これを金属
芯線に巻回した後に他端をもう一方のリード線に接続し
た。第14(A)〜(D)は、このようにして制造した発
熱抵抗体の製造手順を示し、(A)は、両端に平坦部を
設けた直径0.5mmのモリブデン芯線5の両端に、直径0.1
3mmの白金イリジウム合金のリード線3を接続した状
態、(B)は、リード線3の一方に直径30μmの白金ワ
イヤ(発熱抵抗)2を接続部21で溶接した後、芯線5に
巻回し、他端をもう一方のリード線3に接続部21に溶接
した状態、(C)は発熱抵抗線2を複合材で被覆し、焼
成した状態、(D)はガラス粉をコーテイングし、焼成
して焼成層4に浸透させ、複合材層とした状態である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、金属ワイヤを連続的に巻けるので高い
自動化率で製造でき、リード線とガラスによつて支持さ
れるので取扱いが容易で作業性に優れた発熱抵抗体が得
られる。
またガラス部材の両端を閉塞させるので、空気中の塵
埃、イオン性物質によつても、応答性が害されないこと
はもちろんのこと、特性劣化をも生ぜしめない発熱抵抗
体を得ることができる。
さらに本発明によれば、発熱抵抗を被覆する支持部材
を、セラミツクスとガラスの複合材層としたので、十分
な押しつぶし強度と応答速度を得ることが可能となり、
取扱いの容易な、性能のよい空気流量計用発熱抵抗体が
得られた。
中空部を有し、支持部材をなす複合材層中に含まれるガ
ラス成分が表面層をなすとともに前記中空部に達する連
続相をなす素子としたので、ガラス成分が支持部材とし
て十分な強度を与えた。
前記複合材層中に含まれるセラミツクス成分の熱伝導率
を少なくとも10W/m・Kとしたので、発熱抵抗を被覆し
ている支持部材の表面温度の変化に追従する発熱抵抗の
電流の変化が速くなり、応答性の高い空気流量計用発熱
抵抗体が得られた。
支持部材を形成する複合材層中に占めるガラス成分の割
合を2〜60%としたので、必要な押しつぶし強度を維持
しながら高い応答速度を得ることが可能となり、取扱い
容易な、性能のよい発熱抵抗体が得られた。
支持部材を構成する複合材層に軟化点が700℃以下のガ
ラス成分と、700℃よりも高いガラス成分とを含ませた
ので、ガラス成分のコーテイング作業の作業性がよくな
かつた。
また、本発明によれば、金属芯線とこれに巻回した発熱
抵抗となる金属ワイヤと金属ワイヤの両端に接続したリ
ード線から成る部材を準備し、次いで巻回した金属ワイ
ヤにセラミツクス粒子を付着させ被覆して焼成する工程
と、金属芯線を除去する工程およびガラス成分を溶融・
コーテイングしセラミツクスの焼成層に浸透させて複合
材層を形成する工程とを備えた空気流量計用発熱抵抗体
の製造方法としたので、取扱い容易で応答性のよい空気
流量計用発熱抵抗体が得られる。
セラミツクス粒子とガラス粒子を混合した状態で付着さ
せ、焼成すると製造手順が簡易化される効果があり、セ
ラミツクスとガラスとをあらかじめ複合させた粒子とし
て付着させると、付着したセラミツクスとガラスの配合
比のムラをなくし、発熱抵抗体の性能を均一化する効果
がある。
またガラス粒子とセラミツクス粒子を混合して付着さ
せ、焼成した後、さらにガラスを溶融・コーテイングす
ると、センサ中の中空部にまでガラス成分が浸透すると
ともに、表面層がガラス成分でおおわれ、支持部材とし
ての強度が大きくなる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る熱線式空気流量計の断面図、第2
図は第1図の熱線式空気流量計に係る駆動回路の配線
図、第3図は本発明の熱線式空気流量計に使用される発
熱抵抗体の断面図、第4図(A)〜(D)は第3図の発
熱抵抗体の製造工程図、第4図(E)は第4図(D)に
示す発熱抵抗体の1部分の拡大図、第5図は本発明に係
る熱線式空気流量計の応答特性を示すグラフ、第6図は
本発明の発熱抵抗体の製造方法の他の実施例を示すため
の説明図、第7図は本発明に係る他の発熱抵抗体の断面
図、第8図(A)〜(D)は第7図の発熱抵抗体の製造
工程図、第9図は本発明の別の実施例の発熱抵抗体の長
手方向断面図、第10図(A)〜(E)は第9図の発熱抵
抗体の製造工程図、第11図はセラミツクスとガラスを芯
線に巻回された発熱抵抗体に付着させた状態を示す断面
図、第12図はガラス成分の体積%と押しつぶし強度の関
係を示すグラフ、第13図はガラス成分の体積%と応答時
間の関係を示すグラフ、第14図(A)〜(D)は第9図
の発熱抵抗体の製造工程の他の実施例を示す説明図であ
る。 1……発熱抵抗体、2……白金ワイヤ、3……リード
線、4……支持部材、5……芯線、6……空気温度測定
抵抗体、8……支持体、71……メイン通路、72……バイ
パス通路、73……ボデイ。

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気通路中に設置された空気流量を測定す
    る発熱抵抗体と、該発熱抵抗体の電流を制御し、該発熱
    抵抗体の出力電圧を空気流量に対応した信号として取出
    す駆動回路部を含む熱線式空気流料計において、 前記発熱抵抗体は、コイル状に巻回したボビンレス金属
    ワイヤと、該ワイヤの両端に接続した金属リード線と、
    前記金属ワイヤと該金属リード線の接続部及び前記金属
    ワイヤを被覆支持するガラス支持部材とを包含すること
    を特徴とする熱線式空気流量計。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記支持部材が温度80
    0℃から850℃での粘度が104ポアズ以上107ポアズ以下の
    ガラスである熱線式空気流量計。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記支持部材は
    50〜65重量%のSiO2、20〜35重量%のPbO、10〜20重量
    %のR2O(R2OはK2OとNa2Oの和)を主成分とする鉛カリ
    ガラス、鉛ソーダガラスまたは鉛カリソーダガラスでら
    ある熱線式空気流量計。
  4. 【請求項4】請求項1又は2において、前記支持部材が
    65〜75重量%のSiO2、4〜15重量%のRO(ROはMgOとCaO
    とBaOの和)、10〜25重量%のR2O(R2OはK2OとNa2Oの
    和)を主成分とするソーダ石灰ガラス、または、ソーダ
    バリウムガラス、または、カリ石灰ガラスまたはカリバ
    リウムガラスである熱線式空気流量計。
  5. 【請求項5】請求項1又は2において、前記支持部材が
    ホウケイ酸ガラスである熱線式空気流量計。
  6. 【請求項6】空気通路中に設置された空気流量を測定す
    る発熱抵抗体と、該発熱抵抗体の電流を制御し、該発熱
    抵抗体の出力電圧を空気流量に対応した信号として取出
    す駆動回路部を含む熱線式空気流量計の製造法におい
    て、 前記発熱抵抗体は所定の長さの金属芯線と、これに巻回
    した発熱抵抗線となる金属ワイヤ並びに該金属ワイヤの
    両端に溶接されたリード線とから成る部材を準備する工
    程と、次いで該溶接部と前記金属ワイヤとにガラスをオ
    ーバーコートして焼成する工程と、前記金属芯線を除去
    する工程とを含むことを特徴とする熱線式空気流量計の
    製造方法。
  7. 【請求項7】空気通路中に設置された空気流量を測定す
    る発熱抵抗体と、該発熱低抗体の電流を制御し、該発熱
    低抗体の出力電圧を空気流量に対応した信号として取出
    すく駆動回路部を含む熱線式空気流量計の製造法におい
    て、 前記発熱抵抗体は所定長さのガラス芯線と、これに巻回
    した発熱抵抗線となる金属ワイヤ並びに該金属ワイヤの
    両端に溶接されたリード線とから成る部材を準備する工
    程と、次いで該溶接部間の前記金属ワイヤにガラスをオ
    ーバーコートして焼成する工程を含むことを特徴とする
    熱線式空気流量計の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項6又は7において、前記金属ワイア
    にオーバーコートするガラスが温度800℃から850℃で粘
    度が106ポアズ以上107ポアズ以下のガラスある熱線式空
    気流量計の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項6において、前記金属ワイヤにオー
    バーコートするガラスが鉛カリガラス、鉛ソーダガラ
    ス、鉛カリソーダガラス、ソーダ石灰ガラス、ソーダバ
    リウムガラス、カリ石灰ガラス、カリバリウムガラス、
    ホウケイ酸ガラスのいずれかである熱線式空気流量計の
    製造方法。
  10. 【請求項10】空気通路中に設置された空気流量を測定
    する発熱抵抗体と、該発熱抵抗体の電流を制御し、該発
    熱抵抗体の出力電圧を空気流量に対応した信号として取
    出す駆動回路部を含む熱線式空気流量計において、 前記発熱抵抗体は円筒状のガラス部材と、このガラス部
    材内に中心軸を同一にして前記ガラス部材の内壁面に沿
    つて螺設され、両端が前記ガラス部材外へ金属リードに
    よつて電気的に引き出された金属ワイヤのコイルとを備
    えるとともに、前記ガラス部材の両端が閉塞されている
    ことを特徴とする熱線式空気流計。
  11. 【請求項11】空気通路中に設置された空気流量を測定
    する発熱抵抗体と、該発熱抵抗体の電流を制御し、該発
    熱抵抗体の出力電圧を空気流量に対応した信号として取
    出す駆動回路部を含む熱線式空気流量計の製造方法にお
    いて、 前記発熱抵抗体は、昇華性の芯線の囲りに金属ワイヤを
    螺旋状に回巻する工程と、回巻された前記ワイヤの両端
    に溶接された電気引出し部を除いて、前記ワイヤを前記
    芯線ごとガラス材で被覆する工程と、熱処理によつて前
    記芯線の昇華と前記ガラス材の焼結を行なう工程とを備
    えることを特徴とする熱線式空気流量計の製造方法。
  12. 【請求項12】空気通路中に設置された空気流量を測定
    する発熱抵抗体と、該発熱抵抗体の電流を制御し、該発
    熱抵抗体の出力電圧を空気流量に対応した信号として取
    出す駆動回路部を含む熱線式空気流量計において、 前記発熱抵抗体は、発熱抵抗線となるコイル状に巻回し
    たボビンレス金属ワイヤと、これに接続したリード線
    と、前記ボビンレス金属ワイヤ及び前記リード線の接続
    部を被覆支持する支持部材とを含み、前記支持部材がセ
    ラミツクスとガラスの複合材層で形成されることを特徴
    とする熱線式空気流量計。
  13. 【請求項13】請求項12において、中空部を有し、前記
    支持部材を形成する複合材層中に含まれるガラス成分が
    表面層をなすとともに該ガラス成分が前記中空部に達す
    る連続相である熱線式空気流量計。
  14. 【請求項14】請求項12又は13において、前記支持部材
    を形成する複合材層に含まれるセラミツクス成分が少な
    くとも10W/m・Kの熱伝導率を有する熱線式空気流量
    計。
  15. 【請求項15】請求項12〜14のいずれかにおいて、前記
    支持部材を形成する複合材層がガラス成分を2〜60体積
    %含む熱線式空気流量計。
  16. 【請求項16】請求項12〜15のいずれかにおいて、前記
    支持部材を形成する複合材層が、軟化点が700℃以下の
    ガラス成分と、軟化点が700℃よりも高いガラス成分と
    を含む熱線式空気流量計。
  17. 【請求項17】空気通路中に設置された空気流量を測定
    する発熱抵抗体と、該発熱抵抗体の電流を制御し、該発
    熱抵抗体の出力電圧を空気流量に対応した信号として取
    出す駆動回路部を含む熱線式空気流量計の製造方法にお
    いて、 前記発熱抵抗体は、所定の長さの金属芯線と、これに巻
    回した発熱抵抗線となる金属ワイヤ並びに該金属ワイヤ
    の両端に接続されたリード線とから成る部材を準備する
    工程と、巻回した前記金属ワイヤにセラミツクス粒子を
    付着・被覆して焼成する工程と、前記金属芯線を除去す
    る工程と、ガラス成分を溶融・コーテイングし、セラミ
    ツクスの前記焼成層に浸透させて複合材層を形成する工
    程とを含むことを特徴とする空気流量計の製造方法。
  18. 【請求項18】空気通路中に設置された空気流量を測定
    する発熱抵抗体と、該発熱抵抗体の電流を制御し、該発
    熱抵抗体の出力電圧を空気流量に対応した信号として取
    出す駆動回路部を含む熱線式空気流量計の製造方法にお
    いて、 前記発熱抵抗体は、所定の長さの金属芯線と、これに巻
    回した発熱抵抗となる金属ワイヤ並びに該金属ワイヤの
    両端に接続されたリード線とから成る部材を準備する工
    程と、巻回した前記金属ワイヤにセラミックス粒子とガ
    ラス粒子を付着させ被覆・焼成して複合材層を形成する
    工程と、前記金属芯線を除去する工程とを含むことを特
    徴とする空気流計の製造方法。
  19. 【請求項19】請求項18において、複合材層を形成した
    後に、該複合材層にガラスを溶融・コーテイングする工
    程を含む熱線式空気流量計の製造方法。
  20. 【請求項20】請求項18又は19において、巻回した金属
    ワイヤに、付着させるセラミツクス粒子が、あらかじめ
    作成されたセラミツクスとガラスの複合材粒子である熱
    線式空気流量計の製造方法。
  21. 【請求項21】請求項1〜5、請求項10及び請求項12〜
    16のいずれかに記載の熱線式空気流量計を吸気通路内に
    備え、空気流量の急変に対する過渡応答性が向上し、適
    切な量の燃料を供給することができる内燃機関。
  22. 【請求項22】コイル状に巻回したボビンレス金属ワイ
    ヤと、該ワイヤの両端に接続した金属リード線と、前記
    金属ワイヤと前記金属リード線の接続部及び前記金属ワ
    イヤを被覆支持する支持部材とを包含することを特徴と
    する熱線式空気流量計用発熱抵抗体。
  23. 【請求項23】請求項22において、前記支持部材が温度
    800℃から850℃での粘度が104ポアズ以上107ポアズ以下
    のガラスである熱線式空気流量計用発熱抵抗体。
  24. 【請求項24】請求項22又は23において、前記支持部材
    は50〜65重量%のSiO2、20〜35重量%のPbO、10〜20重
    量%のR2O(R2OはK2OとNa2Oの和)を主成分とする鉛カ
    リガラス、鉛ソーダガラスまたは鉛カリソーダガラスで
    ある熱線式空気流量計用発熱抵抗体。
  25. 【請求項25】請求項22又は23において、前記支持部材
    が65〜75重量%のSiO2、4〜15重量%のRO(ROはMgOとC
    aOとBaOの和)、10〜25重量%のR2O(R2OはK2OとNa2Oの
    和)を主成分とするソーダ石灰ガラス、または、ソーダ
    バリウムガラス、または、カリ石灰ガラスまたはカリバ
    リウムガラスである熱線式空気流量計用発熱抵抗体。
  26. 【請求項26】請求項22又は23において、前記支持部材
    がホウケイ酸ガラスである熱線式空気流量計用発熱抵抗
    体。
  27. 【請求項27】所定の長さの金属芯線と、これに巻回し
    た発熱抵抗線となる金属ワイヤ並びに該金属ワイヤの両
    端に溶接されたリード線とから成る部材を準備する工程
    と、次いで該溶接部と前記金属ワイヤとにガラスをオー
    バーコートして焼成する一工程と、前記金属芯線を除去
    する工程とを含むことを特徴とする熱線式空気流量計用
    発熱抵抗体の製造方法。
  28. 【請求項28】所定の長さのガラス芯線と、これに巻回
    した発熱抵抗線となる金属ワイヤ並びに該金属ワイヤの
    両端に溶接されたリード線とから成る部材を準備する工
    程と、次いで該溶接部間の前記金属ワイヤにガラスをオ
    ーバーコートして焼成する工程を含むことを特徴とする
    熱線式空気流量計用発熱抵抗体の製法。
  29. 【請求項29】円筒状のガラス部材と、このガラス部材
    内に中心軸を同一にして前記ガラス部材の内壁面に沿っ
    て螺設され、両端が前記ガラス部材外へ金属リードによ
    つて電気的に引き出された金属ワイヤのコイルとを備え
    るとともに、前記ガラス部材の両端が閉塞されているこ
    とを特徴とする熱線式空気流計用発熱抵抗体。
  30. 【請求項30】昇華性の芯線の囲りに金属ワイヤを螺旋
    状に回巻する工程と、回巻された前記ワイヤの両端に溶
    接された電気引出し部を除いて、前記ワイヤを前記芯線
    ごとガラス材で被覆する工程と、熱処理によつて前記芯
    線の昇華と前記ガラス材の焼結を行なう工程とを備える
    ことを特徴とする熱線式空気流量用発熱抵抗体の製造方
    法。
  31. 【請求項31】発熱抵抗線となるコイル状に巻回したボ
    ビンレス金属ワイヤと、これに接続したリード線と、前
    記ボビンレス金属ワイヤ及び前記リード線の接続部を被
    覆支持する支持部材とを含み、前記支持部材がセラミツ
    クスとガラスの複合材層で形成されることを特徴とする
    空気流量計用発熱抵抗体。
  32. 【請求項32】所定の長さの金属芯線と、これに回巻し
    た発熱抵抗線となる金属ワイヤ並びに該金属ワイヤの両
    端に接続されたリード線とから成る部材を準備する工程
    と、回巻した前記金属ワイヤにセラミツクス粒子を付着
    ・被覆して焼成する工程と、前記金属芯線を除去する工
    程と、前記セラミツクス層上にガラス成分を溶融・コー
    テイングし、セラミツクスの前記焼成層に浸透させて複
    合材層を形成する工程とを含むことを特徴とする空気流
    量計用発熱抵抗体の製造方法。
  33. 【請求項33】所定の長さの金属芯線と、これに巻回し
    た発熱抵抗となる金属ワイヤ並びに該金属ワイヤの両端
    に接続されたリード線とから成る部材を準備する工程
    と、巻回した前記金属ワイヤにセラミツクス粒子とガラ
    ス粒子を付着させ被覆・焼成して複合材層を形成する工
    程と、前記金属芯線を除去する工程とを含むことを特徴
    とする空気流計用発熱抵抗体の製造方法。
  34. 【請求項34】請求項22〜26、請求項29及び請求項31の
    いずれかに記載の発熱抵抗体と、該発熱抵抗体の温度を
    検出する手段とを備えた風速計。
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