JPH06272710A - ボールジョイント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ソケットに形成した突起によってボールの赤
道の上側を受けるようにしたことにより、キャップに対
してボールによる外力が加わることがなくなりキャップ
がソケットから妄りに外れたりすることがなく、長期間
の使用にも耐えうるものである。 【構成】 ボールスタッド１におけるボール１ａの収納
部５ａ、これに連通するキャップ６を嵌合する係合部５
ｂが形成され、前記収納部にボールの赤道Ｌより上方を
支持するリブ５ｃを形成すると共にボールの赤道より下
方を支持する弾性リング４が載置嵌合される環状座５ｄ
が形成されたソケット５と、前記ソケットの係合部に嵌
合固定されるキャップ６とを具備したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば、ハッチバック
車、ワンボックス車等の自動車における後部扉、あるい
はセダン車等の一般乗用車のトランク扉を開放状態に保
持するためのガスダンパー支持柱先端と、前記各扉との
間に取付けるボールジョイントの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来におけるボールジョイントの一例と
して図３に示すものがある。以下、このボールジョイン
トについて説明する。１は金属製のボールスタッド、１
ａはボール、２は合成樹脂製のソケット、２ａは上下方
向に貫通した収納部、３は合成樹脂製のキャップ、４は
切れ目を有する金属製の弾性リングである。

【０００３】前記ソケット２とキャップ３とは嵌合構造
となっており、ソケット２の前記収納部２ａの内面に形
成した突条２ｂと、前記キャップ３の外周面に形成した
環状溝３ａとのスナップ係合によって固定される。ま
た、キャップ３の裏面には、前記ボール１ａの赤道Ｌの
上側に当接する複数個のリブ３ｂが形成されている。

【０００４】そして、ソケット２における収納部２ａの
開口部分に弾性リング４を収納すると共に、上からキャ
ップ３を前記突条２ｂと環状溝３ａとを利用して嵌合固
定する。次いで、ボールスタッド１のボール１ａを収納
部２ａの開口部からキャップ３内に挿入して、ボール１
ａの赤道Ｌより上の部分はリブ３ｂによって、下の部分
は弾性リング４によって把持する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従
来のボールジョイントにあっては、ボール１ａをキャッ
プ３によって保持しているために、図示の矢印の方向か
らの外力がボールスタッド１に加わった場合、ボール１
ａによる押し上げ力が直接キャップ３に加わるため、該
キャップ３がソケット２の収納部２ａから抜け出る可能
性がある。

【０００６】そのために、ソケット２は高強度が必要と
なるために剛性の高い材料を使用することになるが、剛
性の高い材料はアンダーカット寸法を大きくとることが
困難となり、従って、ソケット２とキャップ３との嵌合
力が弱くなり、前記したようにボールスタッド１に加わ
る外力によってキャップ３が外れる可能性があると共
に、長期間の使用によって嵌合部にガタが生じて使用不
能となる可能性があるという問題があった。

【０００７】本発明は前記した問題点を解決せんとする
もので、その目的とするところは、ソケットに形成した
突起によってボールの赤道の上側を受けるようにしたこ
とにより、キャップにはボールによる外力が加わること
がなくなりキャップがソケットから妄りに外れたりする
ことがなく、長期間の使用にも耐えうるボールジョイン
トを提供せんとするにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明のボールジョイン
トは前記した目的を達成せんとするもので、ボールスタ
ッドにおけるボールを収納する収納部と、これに連通す
るキャップを嵌合する係合部が形成され、前記収納部に
はボールの赤道より上方を支持するリブを形成すると共
にボールの赤道より下方を支持する弾性リングが載置嵌
合される環状座が形成されたソケットと、前記ソケット
の係合部に嵌合固定されるキャップとを具備したもので
ある。

【０００９】また、前記ソケットの係合部に突条を形成
し、また、キャップの前記係合部に嵌合される周面に環
状溝を形成し、この環状溝を前記突条に嵌合することに
より、キャップをソケットに嵌合固定してもよい。

【００１０】

【実施例】以下、本発明に係るボールジョイントの一実
施例を図１の一部断面分解正面図と、図２の組立状態の
分解正面図と共に説明する。なお、前記した従来例と同
一符号は同一部分を示す説明は省略する。

【００１１】ボールスタッド１と切れ目４ａを有する弾
性リング４は従来例と何ら変わるところはない。５はガ
スダンパーＧの先端が螺合固定された合成樹脂製のソケ
ットであり、該ソケット５にはボールスタッド１のボー
ル１ａを収納する収納部５ａと、キャップ６が嵌合され
る係合部５ｂとが上下に連通して形成されている。

【００１２】前記収納部５ａの内径は係合部５ｂの内径
より若干小さめに形成されると共に、収納部５ａの上方
には３個のリブ５ｃが形成されている。このリブ５ｃの
下面はボール１ａの外径と相似した湾曲面となってい
る。また、収納部５ａ下方には弾性リング４の外径に適
合した直径の段形の環状座５ｄが形成され、この環状座
５ｄには弾性リング４が嵌合載置される。さらに、ソケ
ット５における係合部５ｂの内面には、複数の突条５ｅ
が形成されている。

【００１３】６はソケット５の係合部５ｂに嵌合可能で
あって、該ソケットの上端開口を塞ぐキャップ６であ
り、その上部周面には、前記突条５ｅが挿入嵌合される
嵌合溝６ａが形成されている、また、この嵌合溝６ａの
下側には３つに分割された挿入片６ｂが形成され、キャ
ップ６をソケット５に嵌合した状態で、この挿入片６ｂ
は収納部５ａ内に入り込むようになっている。なお、挿
入片６ｂを３つに分割したのは、リブ５ｃを避けるため
である。

【００１４】次に、前記した構成の部品を組み立てる方
法について説明するに、先ず、弾性リング４を径を小さ
くした状態でソケット５の環状座５ｄに嵌合する。次い
で、キャップ６をソケット５の係合部５ｂに、嵌合溝６
ａを突条５ｅに係合して嵌合固定する。その後、ボール
スタッド１のボール１ａをソケット５の開口部側から挿
入する。

【００１５】この時、ボール１ａによって弾性リング４
はボール１ａの赤道より上方に当接して押し上げられる
が、弾性リング４はリブ５ｃの下面に当接して上昇を阻
止されるので、この位置においてボール１ａは弾性リン
グ４の下側から入り込み、ボール１ａの赤道Ｌが弾性リ
ング４を通過する。従って、弾性リング４は環状座５ｄ
上に位置するようになる。

【００１６】このように組み立てられたボールジョイン
トは、ボール１ａの赤道Ｌより上方周面がリブ５ｃに当
接し、また、赤道Ｌより下方周面が弾性リング４に当接
するので、ボール１ａはソケット５に対して上方へも下
方へも移動できない状態となり、回転および揺動のみが
自由に行える状態となる。すなわち、ボールジョイント
としての役目をなすものである。

【００１７】そして、図２において矢印の方向の外力が
ボールスタッド１に作用した場合には、ボール１ａが上
方に押し上げられるが、ボール１ａの赤道Ｌより上方が
ソケット５のリブ５ｃに当接しているために、キャップ
６には何らの外力が作用せず、従って、キャップ６がソ
ケット５から外れたりすることがない。

【００１８】

【発明の効果】本発明は前記したように、ソケットの収
納部にボールスタッドにおけるボールの赤道より上方に
当接するリブを形成したことにより、ボールスタッドに
ソケットに嵌合したキャップを外す方向の外力が作用し
ても、前記リブが外力を受けることにより、外力に対し
て強固なボールジョイントを得ることができ、たつ、キ
ャップがソケットより外れたりすることがないので、長
期間の使用にも耐えうる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るボールジョイントの一部分解正面
図である。

【図２】同上を組立た状態の断面図である。

【図３】従来のボールジョイントの一例を示す断面図で
ある。

【符号の説明】

１ ボールスタッド １ａ ボール Ｌ ボールの赤道 ４ 弾性リング ５ ソケット ５ａ 収納部 ５ｂ 係合部 ５ｃ リブ ５ｄ 環状座 ５ｅ 突条 ６ キャップ ６ａ 環状溝

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボールスタッドにおけるボールを収納す
   る収納部と、これに連通するキャップを嵌合する係合部
   が形成され、前記収納部にはボールの赤道より上方を支
   持するリブを形成すると共にボールの赤道より下方を支
   持する弾性リングが載置嵌合される環状座が形成された
   ソケットと、前記ソケットの係合部に嵌合固定されるキ
   ャップとを具備したことを特徴とするボールジョイン
   ト。
2. 【請求項２】 前記ソケットの係合部に突条を形成し、
   また、キャップの前記係合部に嵌合される周面に環状溝
   を形成し、この環状溝を前記突条に嵌合することによ
   り、キャップをソケットに嵌合固定したことを特徴とす
   る前記請求項１記載のボールジョイント。