JPH061437Y2 - シヤープペンシル用チヤツクセツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ボールチャックをチャックバネにより後方へ
付勢した状態でチャックケース内に装着してなるシャー
プペンシル用チャックセットに関する。

（従来の技術） 第３図に示したような従来のボールチャックを用いたチ
ャックセットは、先ずボールチャック(1)をその前端芯
把持部(2)の外面部に設けた凹状のボール受座(3)にボー
ル(4)を嵌装しない状態で、且つその基部(5)の外周部に
チャックバネ(6)を装着した状態で、チャックケース(7)
の後端開口部(8)からチャックケース(7)内に挿入し、次
にチャックバネ(6)の前端部をチャックケース(7)内の段
部(9)に当接させたのちそのチャックバネ(6)を圧縮しな
がらボールチャック(1)の前端芯把持部(2)をチャックケ
ース(7)の前端開口部(10)から一旦突出させた状態でそ
のボール受座(3)にボール(4)を嵌装し、その後にチャッ
クバネ(6)の復元力によりボールチャック(1)を後退させ
てボールチャック(1)のボール(4)をチャックケース(7)
の前端部に設けたテーパ状内面部(11)に当接させ、最後
にチャックケース(7)の前端開口部(10)にボールチャッ
ク(1)の前方への突出による分解を防ぐ止メリング(12)
を固着することにより組み付けられていた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のように従来のチャックセットは組み付け工程が複
雑で面倒であり、また部品点数も多くてコスト高となる
欠点があった。そこで本考案は、組み付けが容易化する
と共に部品点数も減少してコストダウンがもたらされる
新規な構造のシャープペンシル用チャックセットの提供
を目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために案出した本考案のシャープペ
ンシル用チャックセットは、ボールチャックをチャック
バネにより後方へ付勢した状態でチャックケース内に装
着してなるチャックセットにおいて、チャックケースの
前端部に設けたボールチャックのボールが転動するテー
パー状内面部より後方内孔部の最小内径をボールチャッ
クのボール嵌装部の外径を縮小した状態におけるボール
を含む外接円の直径と同一かそれより大きく設定すると
共に、チャックケースの後端内面部にボールチャックの
後方への抜脱を阻止するストッパーを設けたことを特徴
として構成されるものである。

（実施例） 第１図及び第２図に基づき本考案の一実施例を説明す
る。まずチャックケース(7)は前端部に内径が後方へ向
かうに従い次第に縮小するテーパ状内面部(11)を設け、
その後方に内径が最小の小径孔部(13)を配してその後端
に段部(9)を設け、更にその後方の内径が拡大した大径
孔部(14)の略中央部内面に後側面が軸線方向に対して垂
直な突起(15)を設け、また大径孔部(14)の後端内面部に
前側面が軸線方向に対して垂直で後側面はテーパ状の突
起(16)を設けている。

次にボールチャック(1)は前端に芯把持部(2)を設け、そ
の外面部に凹状のボール受座(3)を設け、前端の芯把持
部(2)からその後方に続く基部(5)の後端近傍まで軸線方
向のスリット(17)を設け、基部(5)の後端の大径部(18)
の外面前端部にバネ受段部(19)とその後方に掛止段部(2
0)を設け、掛止段部(20)の外径は上記チャックケース
(7)の後端突起(16)の内接円の直径より僅かに大きく設
定し、また芯把持部(2)のボール(4)を嵌装した位置の外
径を縮小させた状態におけるボール(4)を含む外接円の
直径を上記チャックケース(7)の小径孔部(13)の内径と
同一かそれより僅かに小さく設定し、全体を樹脂により
成形して掛止段部(20)を弾性変形可能にすると共に芯把
持部(2)のボール受座(3)の両側端にはアンダーカットに
よりボール(4)の落下を防ぐ側壁(21)を形成している。
尚、上記チャックケース(7)の大径孔部(14)の略中央部
に設けた突起(15)はその内接円の直径をボールチャック
(1)の基部(5)の後端の大径部(18)の最大外径より小さく
設定し、またボールチャック(1)が前進してその突起(1
5)に当接した場合にボールチャック(1)の前端の芯把持
部(2)がチャックケース(1)の前端開口部(10)から突出し
ないような適宜な地点に位置を設定している。当該チャ
ックセットを組み付ける場合は、ボールチャック(1)の
芯把持部(2)のボール受座(3)にボール(4)を嵌装させた
状態で且つボールチャック(1)の基部(5)における大径部
(18)より前方部位の外周部にチャックバネ(6)を装着し
てチャックバネ(6)の後端をバネ受段部(19)に当接した
状態でチャックケース(7)の内部へその後端開口部(8)か
らボールチャック(1)を挿入し、ボールチャック(1)にお
ける芯把持部(2)のボール嵌装部位の外径を縮小するこ
とによりチャックケース(7)における小径孔部(13)を通
過させてテーパ状内面部(11)にボールチャック(1)の芯
把持部(2)を位置せしめると共に、チャックバネ(6)の前
端をチャックケース(7)の段部(9)に当接させ、更にボー
ルチャック(1)の基部(5)の掛止段部(20)を弾性変形させ
てチャックケース(7)の突起(16)を乗り越えさせ、その
後にボールチャック(1)に対する押し込み力を解除して
チャックバネ(6)の力により掛止段部(20)を突起(16)に
掛止させることにより終了する。即ち、チャックケース
(7)の後端内面部に設けた突起(16)はボールチャック(1)
の後方への抜脱を防止するストッパーであり、またその
前方の突起(15)はボールチャック(1)の芯把持部(2)のチ
ャックケース(7)の前端開口部(10)からの突出を防止す
るストッパーである。

尚、上記実施例ではボールチャック(1)の掛止段部(20)
を弾性変形可能としたが、チャックケース(7)の突起(1
6)を弾性変形可能としたり、双方を弾性変形可能として
もよい。また上記実施例ではチャックケース(7)の内面
部に突起(15)を設けてボールチャック(1)の前方向への
移動に対するストッパーとしたが、このボールチャック
(1)の前進を規制する手段は勿論これに限定されるもの
ではなく自由であり、例えばボールチャック(1)の芯把
持部(2)がチャックケース(7)の前端開口部から突出する
前にチャックバネ(6)が全圧縮してボールチャック(1)の
前進を不能とするように構成することも可能である。ま
たチャックケース(7)はシャープペンシルの軸筒と一体
的に形成してもよい。

（作用及び効果） 本考案はシャープペンシル用チャックセットは叙上のよ
うに、ボールチャックにボールを嵌装した状態でチャッ
クケースの後端開口部から挿入するだけで組み付けられ
ているので組み付け工程が極めて容易化し、また従来の
チャックセットの場合はボールチャックにボールを嵌装
するためにボールチャックの芯把持部をチャックケース
の前端開口部から一旦突出させる必要があるのでチャッ
クケースの前端開口部に分解防止用の止メリングを固着
するのが必要不可欠であったが、本考案のチャックセッ
トではボールを初めからボールチャックに嵌装した状態
でチャックケース内に挿入するのでボールチャックの芯
把持部をチャックケースの前端開口部から突出させる必
要がないので従来のように止メリングは不可欠ではなく
実施例の如くチャックケース内にストッパーを設けたり
チャックバネを全圧縮させる等の手段によってもボール
チャックの前進を規制して分解を防止できるので止メリ
ングを省いて部品点数を減少することができる等の作用
効果があり、コストダウンがもたらされるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示したもので、
第１図は全体の縦断面図、第２図はボールチャックのボ
ール嵌装部位の横断面図である。また第３図は従来例を
示す全体の縦断面図である。 (1)…ボールチャック、(2)…芯把持部、(3)…ボール受
座、(4)…ボール、(5)…基部、(6)…チャックバネ、(7)
…チャックケース、(8)…後端開口部、(9)…段部、(10)
…前端開口部、(11)…テーパ状内面部部、(12)…止メリ
ング、(13)…小径孔部、(14)…大径孔部、(15)…突起、
(16)…突起、(17)…スリット、(18)…大径部、(19)…バ
ネ受段部、(20)…掛止段部、(21)…側壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ボールチャックをチャックバネにより後方
   へ付勢した状態でチャックケース内に装着してなるチャ
   ックセットにおいて、チャックケースの前端部に設けた
   ボールチャックのボールが転動するテーパー状内面部よ
   り後方内孔部の最小内径をボールチャックのボール嵌装
   部の外径を縮小した状態におけるボールを含む外接円の
   直径と同一かそれより大きく設定すると共に、チャック
   ケースの後端内面部にボールチャックの後方への抜脱を
   阻止するストッパーを設けたことを特徴とするシャープ
   ペンシル用チャックセット。