JPH0226706Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はボールチヤツクを用いたノツク式シヤ
ープペンシルのチヤツクセツトに関する。

ボールチヤツクを用いたチヤツクセツトには次
の様な欠点がある。即ち芯を固定した芯固定チヤ
ツクはボールの方向にはボールがチヤツクケース
のテーパ面に接触するので芯振れが生じないが、
ボールの位置しない方向特にスリ割りの方向では
芯固定チヤツクの外面とチヤツクケース内面との
間にかなりの隙間が生ずるので芯振れが起り易
い。この芯振れは著しくなると芯を折損してしま
う。この芯振れ防止に対する従来の方法としては
ボールの転動部に溝をつけるとかスリ割りの方向
にもボールを嵌入させるとかの手段が提示されて
いるが、加工が複雑で製造コストが高くつく欠点
がある。

本考案は芯固定チヤツクに複雑な加工を施さず
に芯振れが防止できるチヤツクセツトの提供を目
的とする。

上記目的を達成するために、本考案のノツク式
シヤープペンシルのチヤツクセツトは、軸方向に
２つ割れのスリ割りを有し又先端に大径部を有し
てその外面上のスリ割りに対して垂直方向の位置
にボール受座を設けた芯固定チヤツクと、先端内
孔部にテーパ面を有しその内孔部に前記の芯固定
チヤツクを収容してそのテーパ面と芯固定チヤツ
クのボール受座の間にボールを挿入するチヤツク
ケースとを備えたチヤツクセツトにおいて、チヤ
ツクケースにおける前記テーパ面の後方位置に、
芯固定状態の芯固定チヤツク先端大径部の外径よ
り僅かに大きい内径を有して、非ノツク時即ち芯
固定時において芯固定チヤツク先端大径部の後端
をそこに所要長さ嵌入させると共にノツク時には
芯固定チヤツク先端大径部の後端をそこから前方
へ抜出させる係合内孔部を設けたことを特徴とす
るものである。

以下図示した本考案の実施例を説明する。

図は触指繰出式シヤープペンシルに於ける使用
例を示すもので第１図は非ノツク時で芯固定時の
状態である（図面上芯は省略）。芯固定チヤツク
１は先端から後端近傍まで図面に垂直方向のスリ
割り２を有し先端部は大径部３となりその中央部
でスリ割り２に対し垂直方向の外面には凹状のボ
ール受座４が形成されている。大径部３の後端に
は細径部５が延設されその後端には鍔部６を突設
した大径部７が設けられている。次にチヤツクケ
ース８は内孔部の先端にテーパ面９を有しその後
方には水平な係合内孔部１０が続き又後端近傍に
はチヤツクセツト分解防止用の内面突起１１が設
けられており、又外周部には先端近傍に後端に鍔
部１２を突設した外周溝１３が設けられ後端は小
径部１４となつている。芯固定チヤツク１はその
後端の鍔部６の前方にチヤツクバネ１５が装着さ
れてチヤツクケース８の後端口より挿入されてチ
ヤツクバネ１５の先端をチヤツクケース内径段部
１６に衝合しその先端大径部３をチヤツクケース
先端口より突出させボール受座４にボール１７を
嵌入したのちチヤツクバネ１５により引き戻して
組み付けられチヤツクセツトが完成している。図
の様に非ノツク時で且つ芯固定時に於て芯固定チ
ヤツク１の先端大径部３の後端の所要長さ分がチ
ヤツクケース８の係合内孔部１０に嵌入するよう
に且つ後述するようにノツク時には抜出するよう
に先端大径部３の長さ及びチヤツクケース８のテ
ーパ面９の長さその他の所要寸法、例えば後述す
る芯ガイド２３により芯固定チヤツク１がノツク
される寸法等が適宜に設定されており且つ係合内
孔部１０の内面が先端大径部３の外面に近接する
様に係合内孔部１０の内径を芯固定チヤツク先端
大径部３の芯固定時に於ける外径よりも僅かに大
きくしている。チヤツクケース８の外周溝１３に
はコイルバネ１８が装着されその前端は先軸１９
に螺着した軸継手２０の後端に衝合しその後端は
鍔部１２に衝合してチヤツクケース８をその鍔部
１２後端が先軸内径段部２１に衝止するまで後方
に押圧している。チヤツクケース８の後端小径部
１４にはコイルバネ２２が装着され又先軸後端と
芯ガイド２３との間にもコイルバネ２４が介装さ
れている。いま後端ノツクをすると芯ガイド２３
がコイルバネ２４を圧縮してその前端面をコイル
バネ２２の後端に当接させ更にノツクするとこの
コイルバネ２２によりチヤツクケース８がコイル
バネ１８を圧縮しながらチヤツクケース８の前端
が軸継手２０の内壁２５に衝止するまで前進する
（第２図参照）。次いで更にノツクを続けると芯ガ
イド２３の前端面が芯固定チヤツク１の後端に衝
合しチヤツクバネ１５を圧縮しながら芯固定チヤ
ツク１の先端をチヤツクケース８の先端口より突
出させる。この時芯固定チヤツク１の先端大径部
３の後端でチヤツクケース８の係合内孔部１０に
嵌入していた個所は抜出して芯の自由落下が可能
になるよう開動することができる（第３図参照）。

本考案は叙上の如く構成され、芯固定チヤツク
の先端大径部の後端が芯固定時にチヤツクケース
の係合内孔部に嵌入し、係合内孔部の内面は先端
大径部の外面に近接するので筆記時に於ける芯振
れが有効に防止できる。然もノツク時には先端大
径部が係合内孔部より抜出して芯の自由落下が可
能な程度に芯固定チヤツクの開動が確保されるの
で本来の機能は損なわれることは無い。又、本考
案は芯固定チヤツクの先端大径部の長さや、チヤ
ツクケースのテーパ面の長さその他所定個所の寸
法を適宜に設定することにより可能なので複雑な
加工を必要とせず製造コストも抑えられる。本考
案は以上の様な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すもので触指繰出式シ
ヤープペンシルに於ける使用例を示すものであ
る。第１図は芯固定時（非ノツク時）に於ける縦
断面図、第２図は後端ノツクによりチヤツクケー
スが軸継手に当接した状態の縦断面図、第３図は
チヤツクが開放された状態の縦断面図、第４図は
芯固定時に於けるチヤツクセツトの正面図、第５
図は第１図Ａ−Ａ線位置に於けるチヤツクセツト
の横断面図である。 １……芯固定チヤツク、２……スリ割り、３…
…先端大径部、４……ボール受座、５……細径
部、６……鍔部、７……後端大径部、８……チヤ
ツクケース、９……テーパ面、１０……係合内孔
部、１１……内面突起、１２……鍔部、１３……
外周溝、１４……小径部、１５……チヤツクバ
ネ、１６……内径段部、１７……ボール、１８…
…コイルバネ、１９……先軸、２０……軸継手、
２１……先軸内径段部、２２……コイルバネ、２
３……芯ガイド、２４……コイルバネ、２５……
軸継手内壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸方向に２つ割れのスリ割りを有し又先端に大
   径部を有してその外面上のスリ割りに対して垂直
   方向の位置にボール受座を設けた芯固定チヤツク
   と、先端内孔部にテーパ面を有しその内孔部に前
   記の芯固定チヤツクを収容してそのテーパ面と芯
   固定チヤツクのボール受座の間にボールを挿入す
   るチヤツクケースとを備えたチヤツクセツトにお
   いて、チヤツクケースにおける前記テーパ面の後
   方位置に、芯固定状態の芯固定チヤツク先端大径
   部の外径より僅かに大きい内径を有して、非ノツ
   ク時即ち芯固定時において芯固定チヤツク先端大
   径部の後端をそこに所要長さ嵌入させると共にノ
   ツク時には芯固定チヤツク先端大径部の後端をそ
   こから前方へ抜出させる係合内孔部を設けたこと
   を特徴とするノツク式シヤープペンシルのチヤツ
   クセツト。