JPH06271591A - ビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素化合物の製造方法 - Google Patents
ビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素化合物の製造方法Info
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- JPH06271591A JPH06271591A JP8803293A JP8803293A JPH06271591A JP H06271591 A JPH06271591 A JP H06271591A JP 8803293 A JP8803293 A JP 8803293A JP 8803293 A JP8803293 A JP 8803293A JP H06271591 A JPH06271591 A JP H06271591A
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- bis
- siloxy
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 ビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素
化合物の効率的製造方法を提供する。 【構成】 パラジウム触媒存在下、少なくとも2個のケ
イ素−ケイ素結合を有する鎖状ポリシラン類とキノン類
とを反応させることによる、少なくとも1個の次式のビ
ス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素化合物の製造
方法。 (R1は芳香族炭化水素化合物から最短a個(a=0、
2、4または6)の環内炭素原子で隔てられた位置の2
個の環内炭素原子にそれぞれ結合した2個の水素原子を
取り除いて得られる2価の芳香環基を表わす。)
化合物の効率的製造方法を提供する。 【構成】 パラジウム触媒存在下、少なくとも2個のケ
イ素−ケイ素結合を有する鎖状ポリシラン類とキノン類
とを反応させることによる、少なくとも1個の次式のビ
ス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素化合物の製造
方法。 (R1は芳香族炭化水素化合物から最短a個(a=0、
2、4または6)の環内炭素原子で隔てられた位置の2
個の環内炭素原子にそれぞれ結合した2個の水素原子を
取り除いて得られる2価の芳香環基を表わす。)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも2個のケイ
素−ケイ素結合を有する鎖状ポリシラン類とキノン類と
の反応による、ビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケ
イ素化合物の製造方法に関するものである。本発明によ
り提供されるケイ素化合物は、ビス(シロキシ)芳香環
を有し特徴的な紫外吸収を示すので、各種の感光性材料
としての利用が見込まれる。また本発明で得られる高分
子ケイ素化合物は、熱的に安定なシロキサン結合、芳香
環等を有していることから、耐熱材料、エンジニアリン
グプラスチック用材料等としての用途も期待できる。
素−ケイ素結合を有する鎖状ポリシラン類とキノン類と
の反応による、ビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケ
イ素化合物の製造方法に関するものである。本発明によ
り提供されるケイ素化合物は、ビス(シロキシ)芳香環
を有し特徴的な紫外吸収を示すので、各種の感光性材料
としての利用が見込まれる。また本発明で得られる高分
子ケイ素化合物は、熱的に安定なシロキサン結合、芳香
環等を有していることから、耐熱材料、エンジニアリン
グプラスチック用材料等としての用途も期待できる。
【0002】
【従来の技術】ビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケ
イ素化合物は、一般には、Si−Cl、Si−OR、あ
るいはSi−NHR’結合(R,R’=アルキル、アリ
ール基)を有するケイ素化合物とジヒドロキシ芳香族化
合物との縮合反応で製造されていた。しかしこれらの方
法では、塩化水素、アルコール、あるいはアミンの副生
を伴い、それらを除去する必要があった。
イ素化合物は、一般には、Si−Cl、Si−OR、あ
るいはSi−NHR’結合(R,R’=アルキル、アリ
ール基)を有するケイ素化合物とジヒドロキシ芳香族化
合物との縮合反応で製造されていた。しかしこれらの方
法では、塩化水素、アルコール、あるいはアミンの副生
を伴い、それらを除去する必要があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を克服し、少なくとも2個のケイ素−ケイ素結合を有す
る鎖状ポリシラン類とキノン類とから、ビス(シロキ
シ)芳香環骨格を有するケイ素化合物を製造する方法を
提供することをその目的とする。
を克服し、少なくとも2個のケイ素−ケイ素結合を有す
る鎖状ポリシラン類とキノン類とから、ビス(シロキ
シ)芳香環骨格を有するケイ素化合物を製造する方法を
提供することをその目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、パラジウム触媒存
在下での反応により、少なくとも2個のケイ素−ケイ素
結合を有する鎖状ポリシラン類のケイ素−ケイ素結合に
キノン類が速やかに挿入し、縮合反応の場合のような副
生物の生成を伴うことなくビス(シロキシ)芳香環骨格
を有するケイ素化合物が生成するという新規な事実を見
いだし、この知見に基づいて本発明を完成させるに至っ
た。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、パラジウム触媒存
在下での反応により、少なくとも2個のケイ素−ケイ素
結合を有する鎖状ポリシラン類のケイ素−ケイ素結合に
キノン類が速やかに挿入し、縮合反応の場合のような副
生物の生成を伴うことなくビス(シロキシ)芳香環骨格
を有するケイ素化合物が生成するという新規な事実を見
いだし、この知見に基づいて本発明を完成させるに至っ
た。
【0005】すなわち本発明は、パラジウム触媒存在
下、ケイ素−ケイ素結合を少なくとも2個有する鎖状ポ
リシラン類とキノン類とを反応させることを特徴とする
ビス(シロキシ)芳香環骨格を少なくとも1個有するケ
イ素化合物の効率的製造方法を提供するものである。本
発明において原料として用いられる、少なくとも2個の
ケイ素−ケイ素結合を有する鎖状ポリシラン類は、下記
の一般式(II)
下、ケイ素−ケイ素結合を少なくとも2個有する鎖状ポ
リシラン類とキノン類とを反応させることを特徴とする
ビス(シロキシ)芳香環骨格を少なくとも1個有するケ
イ素化合物の効率的製造方法を提供するものである。本
発明において原料として用いられる、少なくとも2個の
ケイ素−ケイ素結合を有する鎖状ポリシラン類は、下記
の一般式(II)
【0006】
【化5】
【0007】(式中、R2 及びR3 はアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、
アリーロキシ基、フッ素原子又は塩素原子であり、それ
らは互いに同一でも異なってもよい。nは3以上の整数
を示す。)で表わされるポリシラン骨格を有するもので
ある。
ール基、アラルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、
アリーロキシ基、フッ素原子又は塩素原子であり、それ
らは互いに同一でも異なってもよい。nは3以上の整数
を示す。)で表わされるポリシラン骨格を有するもので
ある。
【0008】一般式(II)中のR2 及びR3 を、フッ素
原子及び塩素原子以外の場合について例示すれば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、
フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、ビニル基、スチ
リル基、メトキシ基及びフェノキシ基等が挙げられる。
それらの置換基等を有する一般式(II)で表わされる鎖
状ポリシラン類を例示すれば、オクタメチルトリシラ
ン、デカメチルテトラシラン、テトラデカメチルヘキサ
シラン、ポリ(ジメチルシリレン)、ポリ(ジエチルシ
リレン)、ポリ(メチルプロピルシリレン)、ポリ(ブ
チルメチルシリレン)、ポリ(ヘキシルメチルシリレ
ン)、ポリ(メチルフェニルシリレン)、ポリ(メチル
ナフチルシリレン)、ポリ(ベンジルメチルシリレ
ン)、ポリ(メチルビニルシリレン)、ポリ(メチルス
チリルシリレン)、ポリ(メトキシメチルシリレン)、
ポリ(メチルフェノキシシリレン)、ポリ(ジフルオロ
シリレン)及びポリ(クロロメチルシリレン)等を挙げ
ることができる。また、本発明において用いられるキノ
ン類は、環内の炭素数が20以下の芳香族炭化水素化合
物を母体化合物とし、一般式
原子及び塩素原子以外の場合について例示すれば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、
フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、ビニル基、スチ
リル基、メトキシ基及びフェノキシ基等が挙げられる。
それらの置換基等を有する一般式(II)で表わされる鎖
状ポリシラン類を例示すれば、オクタメチルトリシラ
ン、デカメチルテトラシラン、テトラデカメチルヘキサ
シラン、ポリ(ジメチルシリレン)、ポリ(ジエチルシ
リレン)、ポリ(メチルプロピルシリレン)、ポリ(ブ
チルメチルシリレン)、ポリ(ヘキシルメチルシリレ
ン)、ポリ(メチルフェニルシリレン)、ポリ(メチル
ナフチルシリレン)、ポリ(ベンジルメチルシリレ
ン)、ポリ(メチルビニルシリレン)、ポリ(メチルス
チリルシリレン)、ポリ(メトキシメチルシリレン)、
ポリ(メチルフェノキシシリレン)、ポリ(ジフルオロ
シリレン)及びポリ(クロロメチルシリレン)等を挙げ
ることができる。また、本発明において用いられるキノ
ン類は、環内の炭素数が20以下の芳香族炭化水素化合
物を母体化合物とし、一般式
【0009】
【化6】
【0010】(式中、bは0〜3の整数を示す。)で表
わされる骨格を有するキノン類であり、環上の水素原子
が、炭化水素基、塩素原子、含酸素基、含窒素基又は含
硫黄基等の1価の基で置換されていてもよい。それらの
キノン類を例示すれば、oまたはp−ベンゾキノン、
2,5−ジメチル−p−ベンゾキノン、2,3,5,6
−テトラメチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジ−te
rt−ブチル−p−ベンゾキノン、2,3,5,6−テ
トラクロロ−p−ベンゾキノン、2,3,5,6−テト
ラフルオロ−p−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−
5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、2−メトキシ−
p−ベンゾキノン、1,2または1,4−ナフトキノ
ン、1,2−ナフトキノン−4−スルホニル=クロリ
ド、1,2−、1,4−または9,10−アントラキノ
ン、9,10−フェナントラキノン、1,6−ピレンキ
ノン及び3,10−ペリレンキノン等が挙げられる。
わされる骨格を有するキノン類であり、環上の水素原子
が、炭化水素基、塩素原子、含酸素基、含窒素基又は含
硫黄基等の1価の基で置換されていてもよい。それらの
キノン類を例示すれば、oまたはp−ベンゾキノン、
2,5−ジメチル−p−ベンゾキノン、2,3,5,6
−テトラメチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジ−te
rt−ブチル−p−ベンゾキノン、2,3,5,6−テ
トラクロロ−p−ベンゾキノン、2,3,5,6−テト
ラフルオロ−p−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−
5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、2−メトキシ−
p−ベンゾキノン、1,2または1,4−ナフトキノ
ン、1,2−ナフトキノン−4−スルホニル=クロリ
ド、1,2−、1,4−または9,10−アントラキノ
ン、9,10−フェナントラキノン、1,6−ピレンキ
ノン及び3,10−ペリレンキノン等が挙げられる。
【0011】本発明方法により提供される、少なくとも
1個のビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素化合
物は、下記の一般式(IV)で表わされる骨格を有するも
のである。
1個のビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素化合
物は、下記の一般式(IV)で表わされる骨格を有するも
のである。
【0012】
【化7】
【0013】(式中、R2 及びR3 は、各々前記と同じ
意味をもつ。R1 は、環内の炭素数が20以下の芳香族
炭化水素化合物から、最短a個(a=0、2、4または
6)の環内炭素原子で隔てられた位置の2個の環内炭素
原子にそれぞれ結合した2個の水素原子を取り除いて得
られる2価の芳香環基を表わす。また、p及びqはp≧
1、q≧0、p+q≧3の関係を満たす整数を示す。)
意味をもつ。R1 は、環内の炭素数が20以下の芳香族
炭化水素化合物から、最短a個(a=0、2、4または
6)の環内炭素原子で隔てられた位置の2個の環内炭素
原子にそれぞれ結合した2個の水素原子を取り除いて得
られる2価の芳香環基を表わす。また、p及びqはp≧
1、q≧0、p+q≧3の関係を満たす整数を示す。)
【0014】一般式(IV)中のR1 を例示すると、p−
フェニレン基、2,3,5,6−テトラクロロ−1,4
−フェニレン基、2,3,5,6−テトラフルオロ−
1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、9,1
0−アントリレン基及び9,10−フェナントリレン基
等が挙げられる。また、それらの基等を有する一般式
(IV)で表わされるケイ素化合物を具体的に示すと、
ジメチルビス(p−トリメチルシロキシフェニルオキ
シ)シラン、ポリ[(p−フェニレンジオキシ)ジメチ
ルシリレン]、ポリ[(p−フェニレンジオキシ)ジエ
チルシリレン]、ポリ[(p−フェニレンジオキシ)メ
チルフェニルシリレン]、ポリ[(p−フェニレンジオ
キシ)ジフェニルシリレン]、ポリ[(2,3,5,6
−テトラクロロ−1,4−フェニレンジオキシ)ジメチ
ルシリレン]、ポリ[(2,3,5,6−テトラフルオ
ロ−1,4−フェニレンジオキシ)メチルプロピルシリ
レン]、ポリ[(1,4−ナフチレンジオキシ)ジメチ
ルシリレン]、ポリ[(1,4−ナフチレンジオキシ)
ジフェニルシリレン]、ポリ[(9,10−アントリレ
ンジオキシ)ジメチルシリレン]、及びポリ[(9,1
0−フェナントリレンジオキシ)ジメチルシリレン]等
を挙げることができる。
フェニレン基、2,3,5,6−テトラクロロ−1,4
−フェニレン基、2,3,5,6−テトラフルオロ−
1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、9,1
0−アントリレン基及び9,10−フェナントリレン基
等が挙げられる。また、それらの基等を有する一般式
(IV)で表わされるケイ素化合物を具体的に示すと、
ジメチルビス(p−トリメチルシロキシフェニルオキ
シ)シラン、ポリ[(p−フェニレンジオキシ)ジメチ
ルシリレン]、ポリ[(p−フェニレンジオキシ)ジエ
チルシリレン]、ポリ[(p−フェニレンジオキシ)メ
チルフェニルシリレン]、ポリ[(p−フェニレンジオ
キシ)ジフェニルシリレン]、ポリ[(2,3,5,6
−テトラクロロ−1,4−フェニレンジオキシ)ジメチ
ルシリレン]、ポリ[(2,3,5,6−テトラフルオ
ロ−1,4−フェニレンジオキシ)メチルプロピルシリ
レン]、ポリ[(1,4−ナフチレンジオキシ)ジメチ
ルシリレン]、ポリ[(1,4−ナフチレンジオキシ)
ジフェニルシリレン]、ポリ[(9,10−アントリレ
ンジオキシ)ジメチルシリレン]、及びポリ[(9,1
0−フェナントリレンジオキシ)ジメチルシリレン]等
を挙げることができる。
【0015】本発明の反応に用いられるキノン類の量
は、用いられる鎖状ポリシラン類中のケイ素−ケイ素結
合の数をnとし、生成物におけるビス(シロキシ)芳香
環骨格の数をmとすると、所望のm/nすなわちポリシ
ラン鎖へのキノン類の挿入の程度に応じて任意に選ぶこ
とができるが、原料の鎖状ポリシラン類に対するモル比
として1/n:1以上、通常は1/n:1〜10:1で
ある。
は、用いられる鎖状ポリシラン類中のケイ素−ケイ素結
合の数をnとし、生成物におけるビス(シロキシ)芳香
環骨格の数をmとすると、所望のm/nすなわちポリシ
ラン鎖へのキノン類の挿入の程度に応じて任意に選ぶこ
とができるが、原料の鎖状ポリシラン類に対するモル比
として1/n:1以上、通常は1/n:1〜10:1で
ある。
【0016】本発明において用いられるパラジウム触媒
としては、パラジウム錯体、パラジウム塩、金属または
担持金属パラジウム触媒等、従来公知のものを含む各種
のものが使用できる。それらの具体例を示すと、ビス
(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ジクロロビス
(ベンゾニトリル)パラジウム、ジ−μ−クロロビス
(π−アリル)二パラジウム、ジクロロ(η−1,5−
シクロオクタジエン)パラジウム、テトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリメ
チルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリエチ
ルホスフィン)パラジウム、ジヨードビス(ジエチルフ
ェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリブ
チルホスフィン)パラジウム、ジブロモ[1,2−ビス
(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム、ジクロ
ロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロ
ロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム、酢
酸パラジウム、塩化パラジウム、活性炭担持パラジウム
等が挙げられる。これらの錯体、塩等は、それらを2種
以上同時に用いてもよく、また上記例示した金属錯体に
含まれる配位子、1−ホスファ−2,6,7−トリオキ
サ−4−エチルビシクロ[2.2.2]オクタン及びト
リメチルホスファイト等の配位子と共存させて使用する
こともできる。パラジウム触媒の原料の鎖状ポリシラン
類あるいはキノン類に対するモル比は、任意に選ぶこと
ができるが、通常、0.00001:1〜0.5:1の
範囲である。
としては、パラジウム錯体、パラジウム塩、金属または
担持金属パラジウム触媒等、従来公知のものを含む各種
のものが使用できる。それらの具体例を示すと、ビス
(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ジクロロビス
(ベンゾニトリル)パラジウム、ジ−μ−クロロビス
(π−アリル)二パラジウム、ジクロロ(η−1,5−
シクロオクタジエン)パラジウム、テトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリメ
チルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリエチ
ルホスフィン)パラジウム、ジヨードビス(ジエチルフ
ェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリブ
チルホスフィン)パラジウム、ジブロモ[1,2−ビス
(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム、ジクロ
ロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロ
ロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム、酢
酸パラジウム、塩化パラジウム、活性炭担持パラジウム
等が挙げられる。これらの錯体、塩等は、それらを2種
以上同時に用いてもよく、また上記例示した金属錯体に
含まれる配位子、1−ホスファ−2,6,7−トリオキ
サ−4−エチルビシクロ[2.2.2]オクタン及びト
リメチルホスファイト等の配位子と共存させて使用する
こともできる。パラジウム触媒の原料の鎖状ポリシラン
類あるいはキノン類に対するモル比は、任意に選ぶこと
ができるが、通常、0.00001:1〜0.5:1の
範囲である。
【0017】本発明方法において反応は、0℃以上、好
ましくは20〜200℃の反応温度で実施される。ま
た、本発明方法においては、溶媒の有無にかかわらず鎖
状ポリシラン類とキノン類を反応させることができる
が、溶媒を用いる場合は、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ヘキサン、デカリン等の炭化水素溶媒やジブチルエ
ーテル等のエーテル系溶媒の他、原料の鎖状ポリシラン
類及びキノン類と反応するものを除いた各種の有機溶媒
を用いることができる。反応液からの目的生成物の分離
精製は、一般に、蒸留、クロマトグラフィー、再結晶、
再沈殿等の有機化学的に通常用いられる手段により、容
易に行われる。
ましくは20〜200℃の反応温度で実施される。ま
た、本発明方法においては、溶媒の有無にかかわらず鎖
状ポリシラン類とキノン類を反応させることができる
が、溶媒を用いる場合は、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ヘキサン、デカリン等の炭化水素溶媒やジブチルエ
ーテル等のエーテル系溶媒の他、原料の鎖状ポリシラン
類及びキノン類と反応するものを除いた各種の有機溶媒
を用いることができる。反応液からの目的生成物の分離
精製は、一般に、蒸留、クロマトグラフィー、再結晶、
再沈殿等の有機化学的に通常用いられる手段により、容
易に行われる。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0019】実施例1 ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム
0.01mmol、ポリ(ジメチルシリレン)(重量平
均分子量 〜4.7×103 、分子量分布指数(重量平
均分子量/数平均分子量) 〜1.8、1分子当りのケ
イ素−ケイ素結合の平均個数 〜45) 58mg(構
成繰り返し単位当り1.0mmol)、p−ベンゾキノ
ン 1.1mmol、及びベンゼン 0.5mlを窒素
下、封管中120℃で18時間かき混ぜながら加熱し
た。褐色反応溶液にベンゼンを加えてろ過した後、ろ液
を減圧下濃縮した。褐色濃縮物をヘキサンで洗浄し、減
圧下乾燥させた結果、ポリ[(p−ジオキシフェニレ
ン)ジメチルシリレン] 141mg(重量平均分子量
1.5×104 、構成繰り返し単位当り0.85mm
ol、収率85%)を得た。この生成ポリマーをベンゼ
ンに溶解し、イソプロピルアルコールに添加した後、混
合溶液を減圧下濃縮すると、褐色沈殿物が生成した。こ
れをイソプロピルアルコールで洗浄し、減圧下乾燥させ
て生成ポリマーの高分子量成分 77mg(構成繰り返
し単位当り0.46mmol、収率46%)を得た。こ
の高分子量成分のスペクトルデータ等は以下の通りであ
った。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):2.3×1
04 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
3.81 H−NMR(C6 D6 ):δ 0.22(br s,
6H,H3 C−Si),6.91(br s,4H,ベ
ンゼン環プロトン)ppm13 C−NMR(C6 D6 ):δ −2.5(2C,C−
Si), 120.9(4C), 149.5(2C)
ppm29 Si−NMR(C6 D6 ):δ −5.2ppm IR(KBr):1502 s, 1263 m, 1
234 m, 1214s, 936 s, 839
s, 806 m cm-1
0.01mmol、ポリ(ジメチルシリレン)(重量平
均分子量 〜4.7×103 、分子量分布指数(重量平
均分子量/数平均分子量) 〜1.8、1分子当りのケ
イ素−ケイ素結合の平均個数 〜45) 58mg(構
成繰り返し単位当り1.0mmol)、p−ベンゾキノ
ン 1.1mmol、及びベンゼン 0.5mlを窒素
下、封管中120℃で18時間かき混ぜながら加熱し
た。褐色反応溶液にベンゼンを加えてろ過した後、ろ液
を減圧下濃縮した。褐色濃縮物をヘキサンで洗浄し、減
圧下乾燥させた結果、ポリ[(p−ジオキシフェニレ
ン)ジメチルシリレン] 141mg(重量平均分子量
1.5×104 、構成繰り返し単位当り0.85mm
ol、収率85%)を得た。この生成ポリマーをベンゼ
ンに溶解し、イソプロピルアルコールに添加した後、混
合溶液を減圧下濃縮すると、褐色沈殿物が生成した。こ
れをイソプロピルアルコールで洗浄し、減圧下乾燥させ
て生成ポリマーの高分子量成分 77mg(構成繰り返
し単位当り0.46mmol、収率46%)を得た。こ
の高分子量成分のスペクトルデータ等は以下の通りであ
った。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):2.3×1
04 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
3.81 H−NMR(C6 D6 ):δ 0.22(br s,
6H,H3 C−Si),6.91(br s,4H,ベ
ンゼン環プロトン)ppm13 C−NMR(C6 D6 ):δ −2.5(2C,C−
Si), 120.9(4C), 149.5(2C)
ppm29 Si−NMR(C6 D6 ):δ −5.2ppm IR(KBr):1502 s, 1263 m, 1
234 m, 1214s, 936 s, 839
s, 806 m cm-1
【0020】実施例2 ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム
0.008mmol、オクタメチルトリシラン 0.2
0mmol、p−ベンゾキノン 0.44mmol、及
びベンゼン 0.05mlを窒素下、封管中120℃で
12時間加熱した。ガスクロマトグラフィーで生成物を
分析した結果、ジメチルビス(p−トリメチルシロキシ
フェニルオキシ)シランが15%の収率で生成したこと
がわかった。このケイ素化合物のスペクトルデータは以
下の通りであった。 MS(EI,70eV):m/z(相対強度) 420
(M+ ,100), 73(64) HI−MS(EI,70eV): 計算値(C20H32S
i3 O4 ) 420.1609; 観測値 420.1
593
0.008mmol、オクタメチルトリシラン 0.2
0mmol、p−ベンゾキノン 0.44mmol、及
びベンゼン 0.05mlを窒素下、封管中120℃で
12時間加熱した。ガスクロマトグラフィーで生成物を
分析した結果、ジメチルビス(p−トリメチルシロキシ
フェニルオキシ)シランが15%の収率で生成したこと
がわかった。このケイ素化合物のスペクトルデータは以
下の通りであった。 MS(EI,70eV):m/z(相対強度) 420
(M+ ,100), 73(64) HI−MS(EI,70eV): 計算値(C20H32S
i3 O4 ) 420.1609; 観測値 420.1
593
【0021】
【発明の効果】本発明の方法により、入手容易なキノン
類と少なくとも2個のケイ素−ケイ素結合を有する鎖状
ポリシラン類とから、ビス(シロキシ)芳香環骨格を有
するケイ素化合物を簡単な操作で製造でき、またそれら
の分離、精製も容易である。したがって、本発明の工業
的意義は多大である。
類と少なくとも2個のケイ素−ケイ素結合を有する鎖状
ポリシラン類とから、ビス(シロキシ)芳香環骨格を有
するケイ素化合物を簡単な操作で製造でき、またそれら
の分離、精製も容易である。したがって、本発明の工業
的意義は多大である。
Claims (4)
- 【請求項1】 パラジウム触媒存在下、少なくとも2個
のケイ素−ケイ素結合を有する鎖状ポリシラン類とキノ
ン類とを反応させることを特徴とする一般式 【化1】 (式中、R1 は、芳香族炭化水素化合物から、最短a個
(a=0、2、4または6)の環内炭素原子で隔てられ
た位置の2個の環内炭素原子にそれぞれ結合した2個の
水素原子を取り除いて得られる2価の芳香環基を表わ
す。)で表わされるビス(シロキシ)芳香環骨格を少な
くとも1個有するケイ素化合物の製造方法。 - 【請求項2】 少なくとも2個のケイ素−ケイ素結合を
有する鎖状ポリシラン類が、一般式 【化2】 (式中、R2 及びR3 はアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ
基、フッ素原子又は塩素原子であり、それらは互いに同
一でも異なってもよい。nは3以上の整数を示す。)で
表わされるポリシラン骨格を有する鎖状ポリシラン類で
あることを特徴とする請求項1の方法。 - 【請求項3】 キノン類が、環内の炭素数が20以下の
芳香族炭化水素化合物を母体化合物とし、一般式 【化3】 (式中、bは0〜3の整数を示す。)で表わされる骨格
を有するキノン類であることを特徴とする請求項1又は
2の方法。 - 【請求項4】 ビス(シロキシ)芳香環骨格を少なくと
も1個有するケイ素化合物が、一般式 【化4】 (式中、R1 は、芳香族炭化水素化合物から、最短a個
(a=0、2、4または6)の環内炭素原子で隔てられ
た位置の2個の環内炭素原子にそれぞれ結合した2個の
水素原子を取り除いて得られる2価の芳香環基を表わ
す。R2 及びR3 はアルキル基、アリール基、アラルキ
ル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、
フッ素原子又は塩素原子であり、互いに同一でも異なっ
ていてもよい。また、p及びqはp≧1、q≧0、p+
q≧3の関係を満たす整数を示す。)で表わされるビス
(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素化合物であるこ
とを特徴とする請求項1、2又は3の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5088032A JPH08833B2 (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | ビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5088032A JPH08833B2 (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | ビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06271591A true JPH06271591A (ja) | 1994-09-27 |
JPH08833B2 JPH08833B2 (ja) | 1996-01-10 |
Family
ID=13931490
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5088032A Expired - Lifetime JPH08833B2 (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | ビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08833B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07216747A (ja) * | 1994-11-04 | 1995-08-15 | Hiraoka & Co Ltd | 耐熱性シート |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04266628A (ja) * | 1990-12-21 | 1992-09-22 | Knorr Bremse Ag | 実用車の圧力媒体によって操作されるディスクブレーキのためのライニング摩耗表示装置 |
-
1993
- 1993-03-23 JP JP5088032A patent/JPH08833B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04266628A (ja) * | 1990-12-21 | 1992-09-22 | Knorr Bremse Ag | 実用車の圧力媒体によって操作されるディスクブレーキのためのライニング摩耗表示装置 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07216747A (ja) * | 1994-11-04 | 1995-08-15 | Hiraoka & Co Ltd | 耐熱性シート |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08833B2 (ja) | 1996-01-10 |
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